別紙1 新ボップ事業のあり方検討委員会の報告書について(抜粋) 1 新ボップ事業のあり方検討委員会の報告について (1)新ボップ事業の現状とあり方検討の必要性について 就学前人口(0〜5歳)が平成21年から平成27年まで毎年1,000人近く増加しており、区の子どもや子育て世帯の転入超過の現状からみても、新ボップ登録児童数の増加が予想され、新ボップの大規模化への対応が求められている。 共働き家庭の増加など保護者の働き方の変化等により、新ボップ事業のうち、学童クラブ入会児童数は、毎年増加し、新ボップ学童クラブの実施時間の延長ニーズが広がってきている。 区では、平成31年4月から2年間、新ボップ学童クラブの実施時間を延長するモデル事業を5校で開始したが、利用率は想定を下回り、人員の確保や費用対効果などの課題も少なくない。 一方で、一定のニーズは確認できたことから、新ボップ学童クラブとしてどこまでのニーズに応え、どのような手法をとるのか等を検討する必要が出てきた。 (2)新ボップ事業の課題への検討と取り組み方針案 令和2年9月に実施した学童クラブ登録児童の全保護者アンケートを踏まえ、時間延長、規模の適正化、運営体制の見直し、新たな居場所の検討及び子どもの自立支援といった課題に対して、民間事業者等の活用も見据えながら、以下の3点を方針のもと、区の施策を検討・検証する。 1 規模の適正化に関する検討 新ボップの大規模化による子どもの遊びの質に関する課題が指摘されており、質の確保、向上に向け定員制の導入の是非について検討することが必要である。 2 運営体制の見直し 人材の確保、育成、定着が困難な状況にあり、運営の質の向上を検討することが求められている。 さらに、新ボップからの自立に向けた支援として、学童クラブ卒所後の居場所づくりも課題となっている。 こうした観点から、新ボップ事業への民間活用の是非と活用方法の検討、新ボップ事業以外の取り組みを活用した子どもの居場所の充実のあり方などについて検討する必要がある。 3 子どもの自立支援 子どもの放課後の居場所を充実し、子どもが主体的に居場所を選択でき、遊びや学びを自ら考えて行うことを促進、支援することが求められており、実施時間延長もこうした観点での充実につながるように検討し取り組むことが必要である。 新ボップでは年齢に合わせた発達段階ごとに、子ども自身が放課後を主体的に過ごせるよう支援し、保護者へも子どもの自立の必要性について啓発していく必要がある。 (3)持続可能な新ボップの制度設計に向けて 新ボップを取り巻く環境の変化に対応しながら、様々な放課後の過ごし方が選択できる環境を用意するため、1 必要な人員確保に対応する施策、2 放課後活動の担い手が多様に組織されている現状を踏まえ、それらを活用する、3 活動場所を広げていくため、現行の学校施設活用の検討と合わせて学校以外での活動の場所を検討していく、4 指導員の職務の専門性を高めていく、5「学童クラブ」のこれからのあり方についても独自に検討していく、の5点を「持続可能な新ボップ制度」と提起する。 望ましい子どもの放課後の過ごし方とは、生活の場において、多様な遊びや交流の場、地域に広がる児童館及び地区会館等の公共施設である「社会資本」を活用しながら、子どもの居場所が創造され、子どもが育つ地域社会へとつながっていくことである。 2 新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業の取り扱いについて 令和元年度より開始した時間延長モデル事業については、令和元年度の利用率が想定を下回る一方、令和2年9月に実施した学童クラブを利用する全保護者アンケートにおいては一定のニーズが見られることから、2常任委員会において実施時間を15分に短縮した時間延長モデル事業の継続を報告したが、新型コロナウイルスの今後の感染状況が見通せない中、保護者の働き方の変容を見定め、真の保護者ニーズを的確に捉えることは困難となっている。 また、新ボップ学童クラブは昨年より引き続き消毒などの感染症予防対策を実施して運営しているが、さらなる感染者数が拡大している状況の中で、現場の業務負担の増加が懸念される。 これらのことから、時間延長モデル事業は一旦休止し、令和3年度の新ボップの事業のあり方及び事業見直しを進める中で、改めて実施時間延長についても検討を進めていく。