資料1 令和3年11月12日 子ども育成推進課 世田谷区子ども条例に基づく区の取組みについて 1 世田谷区子ども条例について (1)策定した背景 国の「子どもの権利条約」の批准・発効等を背景とし、平成10年の区長の附属機関である世田谷区地域保健福祉審議会の答申に基づき、平成12年に「子どもを取り巻く環境整備プラン」を策定した。 その中の重点取り組みとして、子どもの問題に対する区民の関心を高め、「子育ち・子育てを地域社会全体で支える」との社会的合意を形づくる具体化の仕組みをあげ、条例策定に向け、区議会をはじめ子どもを含む区民等より広く意見を求めながら具体的な検討を進めた。 子どもが育つことに喜びを感じることができる社会を実現するため、すべての世田谷区民が力を合わせ、子どもが健やかに育つことができるまちをつくることを掲げ、平成13年12月に23区で初めて子ども条例を制定、平成14年4月に施行した。 また、子どもの人権の尊重と確保の取組みを一層推進するため、平成24年12月に子ども条例を改正し、子どもに寄り添い、子どもの立場に立った問題の解決を目指し、公正・中立で独立性と専門性のある第三者からなる子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」(略称「せたホッと」)を、平成25年4月に設置し、同年7月から業務を行っている。 (令和3年度:子どもサポート委員3名、相談・調査専門員5名) 小学生、中学生、保護者対象としたパンフレットを作成し、区内学校に配布。 (2)これまでの経緯 平成10年の世田谷区地域保健福祉審議会答申を受け策定した「子どもを取り巻く環境整備プラン」において、子ども条例制定が区の重要施策として位置づけられ、区議会においてもさまざまな議論がされてきた。 これを受けて平成12年9月11日開催の子ども施策推進本部において条例案策定について着手の指示があり、これより区議会をはじめ子どもを含む区民等より広く意見を求めながら内容の検討を行ってきた。 平成12年9月子ども施策推進本部にて条例検討着手の指示 10月 子どもを含む区民の意見を集約(平成13年5月まで)(広報やエフエム等) 12月 世田谷区子ども・青少年問題協議会にて検討開始(11回開催) 第1回子ども会議開催(平成13年1月まで4回開催) 平成13年5月世田谷区子ども・青少年問題協議会で報告、子ども施策推進本部へ進捗状況報告 6月条例の基本的考え方を区議会へ報告 7〜9月 区民の意見集約 9月 世田谷区地域保健福祉審議会へ経過報告、子ども施策推進本部にて条例素案決定 、条例素案を区議会へ報告 11月 世田谷区教育委員会に意見聴取 、条例案を区議会へ提案 12月 世田谷区子ども条例公布 平成14年4月 世田谷区子ども条例施行 平成25年4月 子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」を新たに設置するため、条例に「第3 章子どもの人権擁護(世田谷区子どもの人権擁護委員の設置)」の第15条から第24条を追加し、一部改正。 平成26年4月 同24条第1項の「子ども部」を「子ども・若者部」に一部改正。 令和2年4月 児童相談所設置に伴い、条例第12条第3項(虐待等の禁止など)等を以下のとおり、一部改正。 主な改正内容 改正前3 区は、虐待ぎゃくたいを早期に発見し、子どもを保護するため、すべての区民に必要な理解が広まるよう努めていくとともに、児童相談所や自主活動をしている団体と連絡をとり、協力しながら、虐待ぎゃくたいの防止のための仕組みをつくるよう努めていきます。 ↓ 改正後3 区は、虐待ぎゃくたいを早期に発見し、子どもの命と安全を守るため、児童相談所と子ども家庭支援しえん センターの強力な連携れんけいのもと、子どもや子育てをしている家庭に対する適切な支援しえんと的確な子どもの保護に努めていきます。また、すべての区民に必要な理解が広まるよう努めていくとともに、子どもや子育てに係る関係機関、自主活動をしている団体などと連絡をとり、協力しながら、虐待ぎゃくたいの防止に努めていきます。 2 これまでの区の取組み (1) 子ども・子育て応援都市宣言 平成27年4月、「世田谷区子ども計画(第2期)」がスタートするとともに、「子ど も・子育て支援新制度」が開始された。 このような節目をむかえるにあたり、今を生きる子どもの育ちを支え、子育てを応援するまちづくりを推進し、区民とともに「子どもがいきいきわくわく育つまち」を築いていく基本姿勢を明確にし、内外に発信するため、平成27年3月3日に「子ども・子育て応援都市宣言」を行った。 宣言の策定にあたっては、区民意見募集や区民参加のワークショップを実施し、様々な意見・提案をいただいた。 子ども・子育て応援都市宣言 子どもは、ひとりの人間としてかけがえのない存在です。 うれしいときには笑い、悲しいときには涙を流します。 感情を素直にあらわすのは、子どもの成長のあかしです。 子どもは、思いっきり遊び、失敗しながら学び、育ちます。 子どもには、自分らしく、尊重されて育つ権利があります。 子どもは、地域の宝です。 大人は、子どもをしっかり見守り、励まし、支えます。 地域は、子育て家庭が楽しく子育てできるように応援します。 子どもは、成長に応じて社会に参加し、自分のできることと役割、みんなで支えあう大切さを学んでいきます。 子どもは、未来の希望です。 今をきらめく宝です。 大人は、子どもにとっていちばんよいことを選び、のびのびと安心して育つ環境をつくります。 世田谷区は、区民と力をあわせて、子どもと子育てにあたたかい地域社会を築きます。 ここに、「子ども・子育て応援都市」を宣言します。 平成27年3月3日 世田谷区 (2)条例の推進計画「世田谷区子ども計画」の策定 「世田谷区子ども条例」で掲げる理念を実現するための推進計画、そして、子どもに 関する施策を総合的に進めていくための基本計画として、平成27年3月に「世田谷区子ども計画(第2期)」(計画期間:平成27年度から10年間)を策定した。 令和2年3月に「世田谷区子ども計画(第2期)」に内包する子ども・子育て支援法に基づく「子ども・子育て支援事業計画」(計画期間:平成27年度から5年間)が令和元年度に最終年度を迎えたこと、また、平成27年3月の策定以降、子どもの貧困の社会問題化、児童福祉法の改正により特別区が児童相談所の設置が可能となったこと等の状況の変化に対応するため、「世田谷区子ども計画(第2期)後期計画」を策定した。 本計画では、「子どもがいきいきわくわく育つまち」を目指すべき姿に掲げ、その実現を目指している。 すべての子どもが、家庭や地域・他者との関わりや多様な体験の中で、本来持っている力を存分に発揮し、喜びをもって健やかに育っていくまちを目指している。 また、計画全体を貫く基本コンセプトとして「子ども主体」を掲げ、以下の4つを重点政策に掲げ、様々な子ども・子育て施策を展開している。 「世田谷区子ども計画(第2 期)後期計画」の重点政策 子どもがいきいきわくわく育つまち 1 子どもが地域の中で自ら生きる力を育むことを支えます 2 妊娠期から地域の中で子育てを楽しめるよう子育て家庭を支えます 3 基盤の整備と質の確保・向上により子どもと子育て家庭を支えます 4 緊急対応の着実な運用により 子どもの命と権利を守り、その後の地域生活を支えます (3)「世田谷区子ども計画(第2期)後期計画」に基づく子どもの権利擁護や子どもの参加・参画の取組み 別紙のとおり