資料9 多胎児を育てる家庭への支援事業について 令和3年6月1日 子ども・若者部 世田谷保健所 1 主旨 平成28年7月より「世田谷版ネウボラ」を開始し、すべての子育て家庭を対象に妊娠期からの切れ目のない支援に取り組んでいる。 母子保健事業や子育て支援事業での相談において、多胎児の保護者は、妊娠期から将来の育児への不安を持ち、出産後の身体的負担や疲労が大きいということから、これまでも、育児に関する個々の相談に継続的に対応し、見守るとともに必要な支援につなげてきた。 令和2年度からの子ども計画(第2期)後期計画も踏まえ、既存事業の活用と新たな事業の実施により、東京都の多胎児家庭支援に関する補助金も活用しながら、多胎児を育てる家庭への妊娠期からの支援の充実を図る。 2 新たに充実する取組み(別紙参照) ヘルパー訪問事業の充実や移動支援事業の実施により、健康状況が悪化しやすい産前・産後の時期や乳児健診、多胎児家庭の交流会への参加等の外出時に身体的負担感や疲労感、経済的負担の軽減を図るとともに、既存事業の充実等により、多胎児を育てる家庭がサービスを利用しやすくすることで、子育ての負担軽減を図る。 (1)リーフレットの作成・配布等【新規】 多胎児を育てる家庭向けの情報を分かりやすく当事者や支援者に発信するため、リーフレットを作成・配布する等、情報発信の強化を図る。 リーフレットは、ネウボラ面接のプランシートとあわせて活用できるように内容を工夫する。 (2)ヘルパー訪問事業【充実】 令和元年度より実施している産前・産後訪問支援事業の仕組みを活用したヘルパー訪問事業を実施し、必要に応じて保護者と関りを持ちながら、健康状況が悪化しやすい時期や乳児健診、通院等の外出時を中心として、保護者の身体的負担感や疲労感の軽減を図る。 なお、産前・産後訪問支援事業では、各総合支所保健福祉センター健康づくり課の保健師による事前のアセスメントにより利用を決定しているため、区民周知をしていないが、本事業については、多胎児を育てる家庭(多胎妊婦を含む)であれば利用できるものとし、広く区民周知を行う。 事業内容 対象世帯数 年間160世帯程度(多胎妊婦及び1歳未満の多胎児を育てる家庭) 受付場所 各総合支所保健福祉センター健康づくり課 利用上限 120時間(妊娠期〜1歳未満) 産前・産後訪問支援事業の利用上限に加え、多胎児を育てる家庭の負担を考慮して、上限を設定する。 実施方法 ヘルパー訪問事業及びヘルパー訪問事業者と利用家庭とのマッチング事業を委託により実施 ヘルパー訪問事業は、産前・産後訪問支援事業の一部であるため、同一事業者へ委託するとともに、利用家庭の増加を見据え、新たな事業者の確保を図っていく。 マッチング事業も、産前・産後訪問支援事業のマッチング事業に含める。 区民負担額 無料 開始時期 令和3年4月より受付を開始し、マッチングが成立次第、訪問を開始している。 (3)移動支援事業(タクシー料金助成)(新規) 乳児健診等の母子保健事業や多胎児家庭の交流会への参加等の際に利用したタクシー料金を助成することで、外出時の経済的負担を軽減し、外出を促進する。 (事業内容) 対象世帯数 年間80世帯程度(1歳未満の多胎児を育てる家庭(多胎妊婦は対象外)) 受付場所 子ども・若者部子ども家庭課 利用上限 24,000円 利用条件 出産後に保健師等の専門職との個別面接等が必要 実施方法 保護者からの申請により、償還払いによって実施 開始時期 令和3年4月利用分から助成対象としている。 (4)ファミリー・サポート・センター事業(充実) 利用説明会への出席が難しい場合は、個別に対応する等、多胎児を育てる家庭にも配慮した取組みをすでに行っているが、さらに、ひとり親家庭、生活保護世帯又は区民税非課税世帯に属する利用会員等に限られていた援助会員との優先的なマッチングを、多胎児を育てる家庭にも広げ、サービスを利用しやすくなるよう進めている。 3 今後の展開 これまでも取り組んでいる地域子育て支援コーディネーターによる同行支援等のアウトリーチ活動について、より多くの多胎児を育てる家庭に対応できるよう、相談・支援体制の充実を図る。 あわせて、保護者のリフレッシュや休養の機会の確保を図るため、多胎児を育てる家庭は、登録したほっとステイで優先的な予約ができる仕組みの検討を進める。 さらに、児童館やおでかけひろば等で実施されている多胎児の会等、既存の地域資源があり、多様な主体による多胎児支援のピアサポートの取組みがあるため、これらの取組みを支えながら、さらなる展開をできる仕組みの検討を進める。 また、これらの支援をとおし、育児困難や養育不安等のさらなる支援が必要な状況が把握できた場合には、子ども家庭支援センター等と連携し、対応していく。 なお、東京都の多胎児家庭支援に関する補助金も活用していることから、東京都の補助金の内容が変更となった場合には、必要に応じて事業の見直しを行う。 「世田谷版ネウボラ」による多胎児家庭支援の目指す姿イメージ(別紙) 家事育児の人手が足りず、サポートが欲しい 外出したいけど、気軽に外出できない これからどんなことが待ち受けているか不安 どんなサービスが受けられるかわからない