資料6(別紙) 世田谷区新ボップ事業のあり方検討委員会報告書 令和3年2月 はじめに 世田谷区では、1995(平成7)年度より、小学校の余裕教室・校庭・体育館等を活用 して児童の安全な遊び場を確保し、集団遊びの中から社会性・創造性を培い、児童の健 全育成を図るため、ボップ(ベースオブプレイング、遊びの基地)事業を開始いたしまし た。 さらに、1999(平成11)年度より、このボップ事業と学童クラブ事業を統合した「新ボップ事業」を開始し、2005(平成17)年度からは、区内すべての小学校に広げ、子どもの放課後の居場所を確保し、自由な遊びやさまざまな体験・交流を通じて、子どもの創造性、自主性及び社会性を養う活動を展開してきました。 2009(平成21)年から2015(平成27)年まで、世田谷区では出生数の増加を主な要因として0歳から5歳の子どもが毎年、1,000人近く増えるという状況が続いていました。 2016(平成28)年以降は、0歳から5歳の子どもの数は横ばいで推移していますが、この間、0歳から5歳の子どもの数が、その他の年齢別の階層に比べて相対的に多いという状況が続いていたことを受け、近年では、6歳から11歳の子どもの増加が顕著になっています。 そのため、小学校児童数の増加とともに、新ボップも大規模化してきています。 また、共働き家庭の増加など保護者の働き方の変化等により、放課後の預かり機能を備えた学童クラブへの期待は、ますます大きくなり、放課後の子どもを取り巻く状況の変化の中で、新ボップ事業のあり方に検討を加える必要性が生じました。 子どもの放課後の安全な活動を確保し、子どもの遊びの質をより高め、活動場所の充実とともに子ども一人ひとりへのきめ細やかな支援を進めていくため、四半世紀を経た世田谷区の放課後子ども事業のあり方を再検討するその第一歩として、ここに「新ボップ事業のあり方検討委員会」を立ち上げ、山積する諸課題についての検討の機会を持つことにいたしました。 1 新ボップ事業の実施の経緯 大都市・世田谷区内で育っていく子どもたちに対して、放課後の遊び場の確保を学校内に構築し、放課後の自由な遊び場として「ボップ」に着手し、その後、子どもの健全育成を図り、子育て家庭の支援を目的とした育成の場である「学童クラブ」とを一体化した「新ボップ事業」に取り組んで既に四半世紀が経過しました。 昭和30年代後半より、女性の社会進出が進む中で両親の共働きなどによって児童が帰宅しても保護者が不在となる、いわゆる「鍵っ子問題」が社会的に注目を集めていました。 この問題に対処するため、東京23区において昭和38年より東京都の補助事業として学童保育事業が開始され、1972(昭和47)年に指導員の正規職員化を行うと共に、学童クラブ事業を児童館事業の一環として位置づけました。 区では、1964(昭和39)年10月に学童保育クラブが開設し、1965(昭和40)年と1966 (昭和41)年には1か所ずつ開設し、1972(昭和47)年に初めて児童館併設学童保育クラブが設置され、その後年々整備が進められ、小学校敷地内のプレハブ、児童館併設施設、区民センター、区民集会室、地区会館等との複合施設や民間借上施設に設置されてきました。 平成に入り定員を超え待機児童の発生した学童クラブと、欠員が発生する学童クラブが生じ、学校区に学童クラブのない地域がある反面、1小学校区に2つの学童クラブがある地域が存在するなどの問題が生じていました。 一方、子ども達の身近な所に安全な遊び場を確保することを目的に1954(昭和29)年より小学校の校庭開放事業(後の遊び場開放事業)を開始し、1978(昭和53)年には全区立小学校で実施しました。 この遊び場開放事業を経て、放課後の遊びの場を確保するボップ(ベースオブプレイングの略称、遊びの基地を意味する)事業を1995(平成7)年度より8つの区立小学校で開始しました。 新ボップ事業の始まりは1998(平成10)年、児童福祉法の改正により、留守家庭児童を対象とした放課後児童健全育成事業が法定化されたことを受け、教育委員会と区長部局が連携し、「ボップ事業」と児童館等で運営を行っていた「学童クラブ事業」を統合し、1999(平成11)年から新ボップ事業として4校でモデル実施を行いました。 2005(平成17)年には全区立小学校で実施したことで、学校区ごとの学童クラブ数の偏在が解消されました。 2つの事業を統合し、全ての小学校を対象とした総合的な放課後対策とすることで、学童クラブの児童も学童クラブに通わない児童も一緒に遊べる場となり、子ども達の遊び・交流の広がりを図りました。 これにより待機児童の増加への対応、類似事業の機能統合を行うとともに、今まで児童館など学校外で運営を行っていた学童クラブを学校内に設置することで、施設への移動を解消し、児童の安全・安心が確保されました。 これは、2007(平成19)年からの教育と福祉の両分野における放課後子ども施策の課題解決を図る、国の「放課後子どもプラン」に先駆けた事業となりました。 新ボップ事業は、2007(平成19)年度当初より「放課後子どもプラン」として位置づけ、学識経験者・学校・地域・関係機関で構成する「新ボップ運営委員会」を設置し、地域等との連携・協力を進めています。 2013(平成25)年7月からは、学童クラブに利用料を導入し、開設時間を午前8時30分から8時15分、終了時間を午後6時から6時15分とし、利用時間の拡大を図ることにいたしました。 さらに、学童クラブにおける「配慮を要する児童」についても、2006(平成18)年度から4年生まで受入れ、2010(平成22)年度からは6年生まで受入れを拡大し、併せて、配慮を要する児童に対応するため児童課に看護師を配置することにいたしました。 2015(平成27)年度を初年度とする「子ども・子育て支援新制度」では、学童クラブが「地域子ども・子育て支援事業」に位置づけられ、地域でのより一層の子育て支援の課題を引き受けることがこの新BOP事業に求められるようになってきました。 また、新ボップ事業は、2015(平成27)年4月に放課後児童クラブの受皿を拡大するとともに、一体型を中心とした放課後児童クラブ及び放課後子供教室の計画的な整備を目指す方針である国の「放課後子ども総合プラン」と、平成31年4月からは共働き家庭等の『小1の壁』・『待機児童』を解消するとともに、全ての児童が放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、放課後児童クラブと放課後子供教室の両事業の計画的な整備を推進するため、目標を設定し、新たなプランを策定した「新・放課後子ども総合プラン」に対応してきました。 2 「子ども・子育て支援新制度及び新ボップ事業に関する検討委員会」について 2014(平成26)年7月、「子ども・子育て支援新制度及び新ボップ事業に関する検討委員会」を設置し、今後の新ボップ事業の運営について検討を行い、9月に意見として報告書にまとめました。 区の子ども人口が増加し、小学校児童数増加とともに新ボップも大規模化し、遊ぶ集団の大きさ、遊び方などが変化してきたため、安全な活動を確保し、子どもの遊びの質をより高め、活動場所の充実とともに、子ども一人ひとりへのきめ細やかな支援が必要となってきたことによります。 一方で、「子ども・子育て支援新制度」では、学童クラブが「地域子ども・子育て支援事業」に位置づけられ、地域でのより一層の子育て支援が求められることとなりました。 2015(平成27)年度より「第2期子ども計画」を策定することもあり、新ボップ事業を検証し、放課後の「子どもの成長と活動の支援」としてさらなる充実をさせていく必要が、背景としてありました。 報告書では、子どもたちの「育ち」のために培ってきた新ボップ事業の良さを受け継ぎながら、子どもたちの放課後の成長をいかに保障していくかという視点で検討した結果を、今後の新ボップ事業の方向性について以下の4点について意見が述べられています。 (1)学校との連携 (2)家庭との連携 (3)地域との連携 (4) 子どもたちの意見の尊重 子どもたちの充実した放課後の過ごし方と豊かな遊びのためには、学校・家庭・地域・新ボップが連携し、1「子どもたちの持っている力」を大切にし、子どもたちが自主的に遊びながら成長できるよう支援していくこと、2 子どもは遊びを通じて成長し、遊びながら学んでいくため、多様な遊びができる場や、遊びの指導をする人を配置し、遊ぶことの大切さを親たちの世代にも伝え、子どもたちの成長を見守ってもらうこと、3 子どもを軸にして子どもの成長を支援し、子どもの自立という本来の目的に向けて、子どもたちが持っている力を引き出していくことが何もよりも大切であるということが提起されました。 新ボップは、「小学校において安全・安心な遊びの場を提供し、遊びを通して、子どもの創造性、自主性、社会性を養い、子どもの成長・自立支援を、学校との連携のもと充実してきました。 放課後は、すべての子どもの成長のための大切な時間であり、その充実に向け、一人ひとりの子どもの成長に向けた豊かな時間を作っていくことが求められる。 また、子どもたちが地域で安心して遊び、過ごしていくためには、地域の見守りも大きな力となる」と、まとめられています。 3 世田谷区の現状とあり方検討の必要性 世田谷区の放課後の子どもの遊び場を確保するために先導的に開始された「ボップ事業」は、「放課後子供教室」として放課後の子どもの居場所づくりとして普及していきました。 その活動を基盤に「放課後児童クラブ」である学童クラブ事業、すなわち「放課後児童健全育成事業」を合わせ受け持つことにより、「新ボップ事業」として取り組んでまいりました。 新ボップ事業は、身近で安全な小学校施設内での活動を確保し、異年齢の児童が屋内外で一緒に遊び、さまざまな体験・交流ができるよう支援体制を作り上げ、児童の創造性、自主性及び社会性を養っています。 このように進めてきた新ボップ事業に対し、大きく次の二つの点でそのあり方が問われるところとなっています。 その第一は、前述のとおり、就学前人口(0〜5歳)は、2009(平成21)年から2015(平成27)年まで、毎年1,000人近く増えるという状況が続いていたため、小学生人口は増加傾向が続くものと推察されます。 区の人口移動も10代から30代前半までの年齢層において、転入超過の状況となっており、子どもや子育て世帯の増加につながっていると考えられます。 明らかに、新ボップ登録児童数の増加が予想され、新ボップの大規模化への対応が求められています。 第二点は、共働き家庭の増加など保護者の働き方の変化等により、新ボップ事業のうち、学童クラブ入会児童数は、毎年増加しています。そのうえ、新ボップ学童クラブの実施時間の延長ニーズが広がってきていました。 そこで、新ボップ事業をめぐる新しい状況に対応するため、2018(平成30)年3月に新ボップ学童クラブの実施時間の延長についての保護者アンケートを実施しました。 その結果、5割弱の保護者が実施時間延長を希望すると回答があったことから、2019(平成31)年4月から2年間、新ボップ学童クラブの実施時間を延長するモデル事業を5校で開始することになりました。 4 「新ボップ学童クラブ実施時間延長モデル事業」の実施 2019(平成31)年4月から2年間の新ボップ学童クラブの実施時間を延長するモデル事業は、実施時間の延長の効果や適切な手法等を検討するとともに、子どもの自立に向けた支援のあり方について検証・検討することにいたしました。 1年間モデル事業を実施したところ、想定より少ない利用という結果でした。 さらに、延長時間帯に勤務を受け持つ職員の確保が困難こともあり、時間延長のモデル事業を全区に展開することについては慎重な対応が必要ではないかということになりました。 すなわち、人員確保や費用対効果等の課題が少なくないこと、また、共働き家庭の増加とはいえ、保護者の働き方の多様化もあいまって、同時に、一定の延長ニーズがあることは再確認できたため、 新ボップ学童クラブの事業としてどこまでのニーズに応え、どのような手法をとるのか等を検討していく必要がでてきました。 そのため、新ボップ学童クラブの実施時間の延長についてだけでなく、活動スペース及び人材確保等の課題も踏まえた抜本的な新ボップ事業のあり方や、子どもの居場所の創設等、様々な施策や事業の組み合わせによる子どもの放課後の過ごし方について「新ボップ事業のあり方検討委員会」を設置し、検討を進めることとしました。 検討委員会では、放課後の子どもたちの安全で安心な居場所づくりの推進に関すること、新ボップ事業における遊び等のメニューの充実への取り組みに関すること、児童等の多様化及び新ボップ事業の質の向上に対応するための人材育成及び確保の施策に関すること、多様な児童への対応に関すること、新ボップ事業の運営場所(学校以外を含む)、形態及び手法(地域や民間の力の導入等)のあり方に関することのほか、新ボップ事業の充実に関することを検討することとしました。 5 新ボップ事業の現状 新ボップ事業は、「定員がなく学童クラブを利用可能であり、体育館・校庭・空き教 室や特別教室等の多様な場所を確保し児童の遊び・活動を広げ、異年齢児童間の交流の 促進を得る」という開始当初に期待された効果を得ることが、様々な課題を抱えること で難しくなってきています。 (1)新ボップ事業の課題 児童数の急増によるクラス数の増加に伴う特別教室の教室化や学童クラブ登録児童数の増加による活動スペースの確保、全国的な福祉人材不足による指導員確保、この2点が新ボップ事業の大きな課題となっています。 また、保護者の働き方の変化に伴い学童クラブの実施時間延長ニーズに応える事業展開を検討する必要もあり、そのための基礎資料として、2020(令和2)年9月、全新ボップ学童クラブ利用の保護者を対象として利用時間、利用期間、利用頻度、学童クラブ以外のサービスについて等のアンケート調査を実施するとともに、今後の新ボップ事業の見直しのための項目も設定し調査を行いました。 アンケート調査結果及びモデル事業の実績を踏まえ、延長ニーズに応える事業内容や手法、新ボップ以外の子どもの放課後の居場所等の様々な施策や事業の組み合わせ等を検討するとともに、新ボップ事業の運営方法や課題解決に向けた今後の事業展開も検討することにしました。 (2)保護者アンケートの実施概要 児童、保護者、従業者への新ボップ学童クラブの時間延長に係る事業の影響と実態、 ニーズを把握するため、令和元年度にモデル事業を実施した5か所の学童クラブにおける時間延長の利用児童及び保護者、従事者を対象としたアンケート調査を実施しました。 さらに令和2年度においては、新ボップ学童クラブを利用する保護者全体の実態と時間延長への意識、潜在的ニーズを把握するため、新ボップ学童クラブに登録し、利用している保護者全体へのアンケート調査を実施しました。 実施時期と調査対象は以下の通りです。 表1 モデル事業実施校の児童、保護者、従業者への調査実施時期及び対象 実施時期 対象及びサンプル数 令和元年6月3日〜6月21日 1 時間延長に登録している児童(1年生〜3年生) 回収数53(回収率98.1%) 2 時間延長に登録している児童の保護者 回収数48(回収率88.9%) 3 時間延長を実施している新ボップ学童クラブの職員 回収数58(回収率96.7%) 令和元年9月2日〜9月20日 1 時間延長に登録している児童(1年生〜3年生) 回収数54(回収率88.5%) 2 時間延長に登録している児童の保護者 回収数48(回収率78.7%) 3 時間延長を実施している新ボップ学童クラブの職員 回収数59(回収率98.3%) 4 モデル校のうち、時間延長に登録していない児童の保護者 回収数 363 (回収率59.8%) 5 区内で運営されている民間の放課後児童クラブ 回収数7(回収率77.8%) 令和2年2月10 日〜3月2日 1 時間延長に登録している児童(1年生〜3年生) 回収数54(回収率98.1%) 2 時間延長に登録している児童の保護者 回収数48(回収率88.9%) 3 時間延長を実施している新ボップ学童クラブの職員 回収数61(回収率96.7%) 表2 新ボップ学童クラブを利用する児童の保護者全体への調査実施時期及び対象 実施時期 対象及びサンプル数 令和2年9月1日〜9月22日 新ボップ学童クラブに登録し、利用している児童の保護者 回収数2,392(回収率33.4%) (3)保護者アンケートから読み解く保護者の現状とニーズ 学童クラブに登録している保護者のうち、約7割前後が平日と学校休業日(夏休み等)にはほぼ毎日学童クラブを利用し、平日ではすべての保護者が月数回以上利用しているなど、積極的に利用されています。 こうした実態から、新ボップ学童クラブの現行制度に対し、大きな問題点として捉えられている点はないものと考えられます。 また、学童クラブに登録している保護者の44%が、定時の就業や残業により日常的に放課後児童クラブ退所後の子どもの帰宅時間に間に合わない可能性を有しており、特に36%は、常にまたは頻繁に間に合わなくなっています。 こうした背景から実施時間延長の利用希望を有する保護者は全体では35%、日常的に子どもの帰宅時間に間に合わない保護者では過半数を占めており、一定の利用ニーズが認められます。 一方、22%の保護者が民間学童クラブを利用しており、さらに現在利用している学童クラブ以外に放課後の居場所等に関する選択肢があった場合79%が利用を検討するという意向が確認されました。 また、新型コロナウイルス感染症によるニーズ変化の可能性について、感染が拡大した場合の保護者の働き方は24.5%が通常勤務、一定割合在宅勤務をするが48.7%であり、クラブに対しては65%前後の保護者が迅速な情報提供と衛生面への配慮を求めているほか、46%の保護者は運営を休止しないよう求めています。 (4)新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業の実施状況 1) 新ボップ学童クラブの実施時間延長モデルの実施概要 区では、保護者の帰宅時間が遅くなることへの対応として、新ボップ学童クラブの実施時間延長について検討するため、モデル事業を実施しました。 モデル事業の概要は以下のとおりです。 表3 新ボップ学童クラブ実施時間延長モデル事業の実施概要 モデル校 5つの地域で、各1校で実施 実施対象児童 小学校1年生を主対象とし、自立に向けた配慮が必要な児童については保護者と相談のうえで3年生まで利用可能 延長時間 平日の午後6時15分から1時間 定員 定員を設けることとし、40名とする 利用料 月額1,000円 事業期間 令和元年度、令和2年度 検証、検討 利用実績等をもとに、効果や適切な手法等を検討するための検証、検討を行う 2)アンケート調査から見た実施時間延長モデル事業の実態 1 回答者の属性 実施時間延長モデル校を登録している保護者のうち、令和元年度末時点で54%が時間延長を利用したことがあり、新型コロナウイルス感染症が発生し在宅勤務が増加した令和2年9月時点では19%が利用登録をしています。 2 実施時間延長の児童に対する効果 令和元年度に実施時間延長を利用した児童は「楽しい」など肯定的に捉えている者が多く、「過ごし方を自分で考えることが増えた」とする回答が多いなど、自ら遊び方、過ごし方を考える契機となっていると考えられます。 実施時間延長を利用した保護者も、「子どもがゆったりと過ごすことができる」、「自主的に過ごすことができる」など成果を高く評価しています。 従事者からも同様の評価がされている一方で、子どもの疲れやストレスが感じられるとの回答が保護者と比較して高くなっている点に留意が必要です。 3 実施時間延長の保護者に対する効果 子育てや家事等、仕事に関し心身の余裕が生まれたとする回答が8割前後を占め、多様な働き方と家庭での生活を支援する上で、大きな効果があったと評価されています。 4 実施時間延長の従業者からみた効果と課題 児童と職員の関係性が深まっているとする評価が約8割を占めるなど、子どもの育ちに関しては肯定的な評価が多くなっています。 一方、休憩時間の対応や人員配置が困難となり、従業者の負担増や負担の偏在などの問題を指摘する回答が過半を占めています。 5 保護者の今後の利用意向 今後の意向として、令和元年度末時点でモデル事業実施クラブの保護者の83%が実施時間延長は必要としています。 また、2019(令和2)年9月の学童クラブを利用する全保護者への調査では、35%の保護者が利用条件に該当し利用したいと回答しています。 6 実施時間延長の効果と課題 新ボップ学童クラブの実施時間延長のモデル事業を利用した児童、保護者ともその効果を肯定的に捉えており、今後の利用意向についても、新型コロナウイルス感染症の影響により在宅勤務が増加した状況下での調査においても、新ボップ学童クラブの全利用保護者の3分の1以上が利用意向を有しており、高いニーズが見られます。 こうした状況から、新ボップ学童クラブの実施時間延長を実施することは、保護者の多様な働き方の支援、家庭における子ども、保護者双方の心身の余裕の創出など多様な効果が期待できると考えられます。 しかし、その一方で、子どものストレスや寂しさへのケアや、従事者の負担増と負担の平準化の難しさなどが指摘されており、実施時間延長の安定的な運営に向けてこうした課題に対応することが必要です。 6 新ボップ事業の課題への検討と取り組み方針案 (1)新ボップ事業のあり方検討委員会での意見交換 議題 第1回 1 「新ボップ学童クラブ実施時間延長モデル事業について」 2 「新型コロナウイルス感染症対策に伴う新ボップ学童クラブの運営等への影響について」 3 「学童クラブ登録児童全保護者アンケートの実施について」 第2回 「新ボップ学童クラブ全保護者アンケートのまとめについて」 アンケート結果速報をもとに、意見交換 第3回 1 「第2回あり方検討委員会での確認事項について」 2 「新ボップ事業のあり方の方向性について」 第4回 1 「第3回あり方検討委員会での確認事項について」 2 「新ボップ事業のあり方検討委員会報告書の構成案について」 「子ども自身が自分で放課後の時間の過ごし方を選べるような、多様な選択肢を与えられる社会のあり方を探求していく。」や「社会的資源(公共施設等)を活用し、新ボップ以外の第2、第3の居場所を確保できればよい」等の意見をまとめた検討内容の詳細については、資料「新ボップ事業のあり方検討委員会 検討内容シート」に記載しています。 (2)課題への取り組みの方針 全保護者アンケートからは制度設計全体に不満は見られず、区が施策として取り組むべきことは何かを考え、民間事業者等の活用を含めた課題への取り組みや、規模の適正化及び今後の運営体制についての検討の必要性がみえてきたことから、以下の3点の方針案を検討委員から示しました。 1 規模の適正化に関する検討 各クラブの大規模化が進展し、それによる子どもの遊びの質に関する課題が指摘され ており、質の確保、向上に向けて、定員制の導入の是非について検討することが必要です。 2 運営体制の見直し 人材の確保、育成、定着が困難な状況となっており、現状は公設公営により特別教室や体育館を活用して運営しているが、大規模化の進展に対し、運営の質の向上を検討することが求められています。 さらに、新ボップからの自立に向けた支援として、学童クラブ卒所後の居場所づくりも課題となっています。 こうした観点から、新ボップ事業への定員制の導入の検討や、民間活用の是非と活用方法の検討、新ボップ事業以外の取り組みを活用した子どもの居場所の充実のあり方などについて検討する必要があります。 3 子どもの自立支援 子どもの放課後の居場所を充実し、子どもが主体的に居場所を選択でき、遊びや学びを自ら考えて行うことを促進、支援することが求められており、実施時間延長もこうした観点での充実につながるように検討し取り組むことが必要です。 新ボップは、年齢に合わせた発達段階ごとに、子ども自身が放課後を主体的に過ごせるよう、支援もしていくことが求められています。あわせて、保護者へ子どもの自立の必要性について啓発していく必要があります。 7 持続可能な新ボップの制度設計に向けて.未来の世田谷の子どもたちのために 世田谷区の子どもの放課後の過ごし方の基本は、子どもが自主的にその時々のニーズに合わせて選ぶことができる環境を整備し、子どもが選択した場所において自立し過ごせる体制づくりをめざしていくことにあると考えています。 子ども人口の増加や、子育て環境の変化といった新ボップを取り巻く環境の変化に対応しながら、放課後のあり方全体として、さまざまな過ごし方を選択できる環境を用意していくことが重要と考えています。 その方向に向けて、現在の新ボップの改善を図っていく課題を明らかにしてきました。 それを一言で言い表すとすれば「持続可能な新ボップ制度」と提起してみます。 その制度設計を創造していくために、1 現行の新ボップにおいて必要な人員確保に対応する施策が必要であること、2 放課後活動の担い手が多様に組織されている現状を踏まえ、それらを活用する水路を開拓していくこと、3 活動場所を広げていくため、現行の学校施設活用の検討と合わせて学校以外での活動の場所を検討していくこと、4 持続可能な新ボップ制度として発展させていくためには、指導員の職務の専門性を高めていくこと、5 「学童クラブ」のこれからのあり方についても独自に検討していくこと等が今後に引き継ぐ課題として示されました。 望ましい子どもの放課後の過ごし方とは、生活の場において、多様な遊びや交流の場があり、それをサポートする人が配置されて、子どもたちは仲間と遊びを通じて学んでいく、そういう未来を創っていくことを期待しています。 そしてそのためには、地域に広がる児童館や区民会館、区民集会所、区民センター、地区会館等の公共施設といった「社会資本」(ソーシャルキャピタル)をも活用しながら、子どもの居場所が創造され、子どもが育つ地域社会へとつながっていくことを願っています。 8 資料編 世田谷区 『新ボップ』事業について 事業概要 新ボップとは、区立小学校施設を活用し、安全・安心な遊び場を確保し、遊びを通して社会性、創造性を培い、児童の健全育成を図るボップ事業に、学童クラブ事業を統合し、一体的に運営する事業 事業の経緯 平成7年 ボップ事業開始 (ベースオブプレイング遊びの基地) 身近な場所に安全な遊び場を提供 遊びを通じた社会性、創造性、自主性の育成 平成11年 新ボップ事業開始(モデル実施4校)(ボップと学童クラブを統合) 待機児童の解消 子どもの交流の広がり 安全・安心の確保 平成17年 全小学校で実施 平成19年 「放課後子どもプラン」として位置づけ 世田谷区新ボップ運営委員会設置 平成22年 要配慮児童の学童クラブ登録学年延長 (6年生まで) 児童課に看護師を配置、巡回、相談、 情報提供等を開始 平成25年7月 学童クラブの利用料導入(月額5000円。間食費を含む。) 平成27年4月 子ども・子育て支援新制度施行、世田谷区放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例施行 「放課後子ども総合プラン」実施 平成31年4月 新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業(5校)実施 「新・放課後子ども総合プラン」実施 世田谷区新ボップ運営委員会 設置目的 新ボップにおける放課後の子どもたちの安全で安心な居場所づくりや、地域・学校・関係機関との連携・協力による事業の充実を図るための連絡調整・意見交換等を行う。 委員構成 学識経験者・校長・PTA・学童クラブ父母会・町会・商店会・主任児童委員・青少年委員・青少年地区委員・おやじの会・要配慮児童関係団体・警察 事業運営 運営日 年末年始、日曜・祝日を除く通年 運営時間 ボップ 放課後〜午後5 時 (夏季  3月〜9月) 放課後〜午後4 時30 分まで (冬季 10月〜2月) 学童クラブ 放課後〜午後6 時15分 (時間延長モデル校は、〜午後7時15分) 児童登録数(令和2年度) 61校の児童数 38,043人 (令和2年5月1日現在) ボップ登録児童数 18,619人 学童クラブ入会数 7,313人 (令和2年5月1日現在) 参加児童数実績(令和元年度) 新ボップ年間延べ参加人数(61校) 1,469,383人 【1校あたり 24,088人】 1日あたり参加人数 5,067人 【1校あたり 83人】 職員体制 事務局長(会計年度任用職員) 児童指導職員(常勤職員) 新ボップ指導員(会計年度任用職員) 登録児童数に応じた区の職員配置基準により配置。 その他、臨時職員を要配慮児童対応等の状況に応じて加配。 新ボップ事業のあり方検討委員会 検討内容シート 世田谷区新ボップ事業の中長期的なあり方について 大項目 新ボップの中長期的なあり方 現状 放課後の預かり機能を備えた学童クラブと、遊び場であるボップを一体化して運営することにより、学童登録の有無を問わず子ども達が一緒に遊ぶことが可能 課題 児童数増加や、共働き家庭の増加など保護者の働き方の変化等により、新ボップ事業の開始当初に期待された効果(定員なく学童クラブを利用可能でかつ、体育館・校庭・教室等多様な場所を確保し児童の遊び・活動の広がりや異年齢児間の交流の促進)を得ることが困難になっている 検討項目 制度設計の見直し(新たな制度設計とは) 望ましい子どもの放課後の過ごし方とは 保護者アンケートの概要 1.概要 新ボップ学童クラブに関する、家庭の利用状況や今後のあり方等に関する意見等を収集することを目的に、学童クラブを利用する児童の保護者を対象にアンケート調査を実施した。 調査概要は次の通りである。 図表 1 アンケート調査概要 調査名 新ボップ学童クラブに関するアンケート 調査期間 2020(令和2)年9月1日(火曜日)〜9月22日(火曜日) 調査対象 新ボップ学童クラブに登録し、利用している児童の保護者 調査方法 ウェブ上に回答画面を構築し、回答者は自身の通信端末より回答 (調査画面のURL、二次元コードを区から各家庭に郵送配布) 回収状況 配布数 7,170 人 (2020 年8月19 日現在の登録児童数に基づき、各家庭へ配布) 有効回答数 2,392 人 (ウェブアンケートにて、全問回答した回答者のみを対象とする) 回収率 33.4% 調査結果を見る上での注意点 本文、表、グラフなどに使われる「n」は、各設問に対する回答者数を指す。 百分率(%)の計算は、小数第2位を四捨五入し、小数第1位まで表示 している。したがって、四捨五入の影響で、%を足しあわせて100%にならない場合がある。 本文中の%の小計は、各項目の値を四捨五入した上で足し合わせている。 本文、表、グラフは、表示の都合上、調査票の選択肢等の文言を一部簡略化している場合がある。 2.保護者の就業状況 回答者全体の約90%を占める被雇用者(常勤、契約社員、パートアルバイト)の場合、回答者の9割程度の定時終業時間は18時頃までとなっており、約75%は18時半頃までに帰宅をしている。 回答者全体の約7%を占める自営等(自営・フリーランス)の場合、平均的な終業時間は、18時頃の割合が最も高く85.1%となっている。 帰宅時間については、18時頃の割合が最も高く71.3%となっており、約86.8%は18 時半頃までに帰宅をしている。 被雇用者の時間外業務(残業)の発生頻度について、約35%が「ほとんどない」と回答したが、「週に1日程度」以上と回答した割合は約40%であった。 また、時間外業務発生時の平均帰宅時間について、学童クラブの運営時間内のお迎えに間に合うと考えられる「〜18時半頃」の回答者は15.4%であった。 時間外業務発生の予測可能性については、「前日・当日など、直前まで分からない」の割合が最も高く、約5割であった。 自営等の時間外業務(残業)の発生頻度について、約53%が「ほとんどない」と回答したが、「週に1日程度」以上と回答した割合は約18%であった。 また、時間外業務発生時の平均帰宅時間についは、学童クラブの運営時間内のお迎えに間に合うと考えられる「〜18時半頃」の回答者は約9%であった。 時間外業務発生の予測可能性については、直前まで分からないとする割合が35%程度であったが、1週間前までにおおよその予測が立つ割合は被雇用者に比べて高く、65%程度となっている。 学童クラブの利用に照らして、「1 定時終業時の帰宅時間が18時半以降となる保護者」「2 残業が頻繁に発生し、その際の帰宅時間が18時半以降となる保護者」「3 残業が直前までわからない、かつその際の帰宅時間が18 時半以降となる保護者」を、特徴的と考えられる働き方の類型として抽出したところ、全回答者に占める割合として、1が24.4%、2が11.8%、3が8.2%、合計して全体の44.4%の保護者が、日常的また突発的に、放課後児童クラブ退所後の子どもの帰宅時間に間に合わない可能性を有する保護者となっている。 地域別には、世田谷地域において相対的にこのような類型に該当する保護者が多くなっている。 3.学童クラブの利用状況 平日と学校休業日(夏休み等)では「ほぼ毎日」が最も多く、いずれも約70%、土曜日は「利用していない」が約78%となった。 学童クラブを利用していない日の過ごし方は、平日は「帰宅し、家族と過ごす」が約52%、「塾や習い事に行く」が約43%となった。 学童クラブの利用時間は、平日は17 時までに約42%,17 時半までには約62%の児童が帰宅している。 土曜日は約59%の児童が17 時半までに退所している。 学校休業日は、9時までに約78%の児童が入所し、17 時半までに約62%が退所している。 保護者の帰宅が、子どもの学童クラブ退所よりも遅くなる頻度は、平日では「ほとんどない」と「まったくない」を合わせて約48%、土曜日では「まったくない」が約53%、学校休業日では「ほとんどない」「まったくない」を合わせて約50%であった。 平日についてさらに働き方の類型別にみると、「定時終業時の帰宅時間が18 時半以降」の保護者は、子どもの退所より帰宅が遅くなる頻度が「ほぼ毎日」の割合が約52%、「残業頻度が高く帰宅時間が18時半以降」の保護者は、「ほぼ毎日」「週に2〜3日程度」を合計すると子どもの退所より帰宅が遅くなる頻度は、約55%となっており、働き方により状況が大きく異なることが示唆される。 平日に保護者の帰宅が子どもより遅くなる場合において、それがほぼ毎日で、かつ 子どものみで過ごしているケースは17.3%であった。 地域別にみると、烏山地域において退所後に子どものみで過ごすという割合が他地域に比べて高くなっており、特にほぼ毎日子どものみで過ごすという割合が20%を超えている。 4.民間学童クラブの利用状況等 民間学童クラブを利用する保護者は約22%であり、そのうち約60%から週に2〜3日の利用と回答している。 平均的な月額利用料は、3万〜5万の間で全体の約61%を占める。 利用状況を働き方の類型別にみると、定時終業時の帰宅時間が18時半以降となる頻度が高い保護者及び残業頻度が高く帰宅時間が18時半以降となる保護者は、民間学童クラブを利用している割合が高く、それぞれ30%を超えている。 地域別にみると、玉川地域において利用割合がやや高くなっている。 5 延長時間の利用ニーズ等 新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業を実施する5校の保護者のうち、約19%(36人)が延長事業に登録をしている。 そのうち25%(9人)の保護者は毎日利用していると回答している。 子どもが通う学童クラブで時間延長が実施された場合のニーズを尋ねると、「利用条件に該当し、利用を希望する」保護者は35%程度であり、想定される最長の利用時間としては「19 時15 分まで」のニーズが最も高く約56%であった。 また、想定される利用頻度は「ほとんど毎日」が約33%、「週に数回程度」が約34%ずつであった。 運営時間延長の利用意向を働き方の類型別にみると、定時終業時の帰宅時間が18時半の以降の保護者は約57%、残業頻度が高く帰宅時間が18 時半以降の保護者は56%が、利用を希望する結果が得られた。 地域別にみると、世田谷地域において利用希望が高く約40%となっている。 6.放課後支援のあり方等 放課後に関わるサービスの利用状況、意向等 放課後に関わるサービスの認知度について、「ファミリー・サポート・センター事業」が約82%を超えて最も高く、次いで「子ども食堂」が約69%となっている。 また、利用状況は、「プレーパーク」が約19%、「ファミリー・サポート・センター事業」は約17%となっている。 放課後の子どもの過ごし方に求める条件としては、「安全に過ごせること」が約96%と最も高い。次いで「学習の時間がとれること」が約61%になる。 なおこれを働き方の類型別にみると、保護者の帰宅時間が日常的に遅くなりがちな類型において、「学習の時間が取れること」のニーズが高く、定時終業時の帰宅時間が18時半以降の保護者は約61%、残業頻度が高く帰宅時間が18時半以降の保護者は約66%となっている。 また、放課後を過ごす場所に求める条件としては、「職員配置の手厚さ」が約71%で、「学校から近いこと」が約56%、「家から近いこと」が約52%とアクセスに関する項目が続く。 現在利用している学童クラブ以外に、放課後の居場所等に関する選択肢があった場合、利用を検討したいかを尋ねると、約79%が利用を検討したいと回答している。 検討意向の理由としては、より利便性が高いサービスや、より質の高いサービスを利用したい、と回答している。 一方で、現状の学童クラブの育成支援・環境や利便性への不満を直接的な理由として挙げている割合は約11%に留まる。 学童クラブ以外の選択肢の検討意向を働き方の類型別にみると、帰宅時間が遅くなる傾向にある、定時終業時の帰宅時間が18時半以降の保護者と、残業頻度が高く帰宅時間が18時半以降の保護者は「積極的に検討したい」と回答する割合が高い。 その理由として、利便性に対する評価が、検討意向の差に繋がっていることが推察される。 放課後の居場所等に関して、学童クラブ以外の支援・サービスに関する利用意向をみると、「民間の学童クラブ(放課後児童健全育成事業者)の利用(区による利用助成)」が約87%で最も高く、「児童館などの、公共施設内のスペースを活用した居場所支援」が約82%で続く。 こうしたサービスの利用にあたって、自己負担可能な範囲をみると、学童クラブと同程度の「月額5千円程度」とする割合が最も高く約45.3%となっている。 また、それ以上の自己負担を可能と回答する割合は約42%となる。 今後の学童クラブのあり方に関する意見 定員制を設けることについては、約49%が「育成支援の質を維持するためにはやむを得ない」と回答している。 地域別にみると、「北沢」「玉川」において全区の平均を上回っている。 運営主体について、「一部、民間を活用していくべきである」「主として民間を活用していくべきである」と回答する割合を合わせると約59%となる。 このように過半数が民間活用についても検討すべきと回答している。 小学校以外の運営場所を検討する場合、望ましい運営場所としては、「児童館」が約78%で最も高くなっている。 次に、「区民施設(区民会館、区民集会所、区民センター、地区会館等)」が約60%、「保育施設(区立保育園・認定子ども園等)」が約56%となっている。 このように、望ましい運営場所としては、これまでも子どもの居場所となっていた場所を挙げている割合が高くなっている。 一方で、これまで子どもの主な居場所となっていなかった場所については、「文化・生涯学習施設(美術館、文学館等)」は約32%、「地域の事業所や商店などの空き部屋・空きスペース」が約29%、「高齢の方の施設、福祉関連施設」が約20%であった。 7.新型コロナウイルス感染症対策等について 新型コロナウイルス感染症拡大を受けた今後のあり方について 新型コロナウイルス感染症も含めた緊急時の対応に関して、今後の新ボップ運営に望むことについては、「迅速な情報提供」が約66%、「衛生面への配慮」が約65%となっている。 感染拡大期に、子どもがどのように過ごすことが望ましいかを尋ねたところ、「自宅で親と過ごす」が約65%で最も高く、次いで「学童クラブで過ごす」が約21%となっている。 今後、再度新型コロナウイルス感染が拡大した場合の働き方を尋ねたところ、「全てではないが調整しながら在宅勤務も可能」が約49%となっている。 一方で、調整が難しいと考えられる「通常勤務のみ」は約25%となっている。 令和2年度 新ボップ事業のあり方検討委員会委員名簿 (敬称略) 上田 幸夫 日本体育大学教授 深尾 剛 世田谷区立小学校長会 世田谷区立桜町小学校校長 松原 まどか 世田谷区立小学校PTA連合協議会書記 町田 秀雄 世田谷区町会総連合会 監事 伊藤 雅代 世田谷区学童保育クラブ父母会連絡会会長 三原 順子 世田谷区青少年委員会副会長 三好 由加 世田谷区手をつなぐ親の会副会長 加賀谷 実 子ども・若者部長(令和2年4月1日から同年10月31日まで) 知久 孝之 子ども・若者部長(令和2年11月1日〜) 林 勝久 世田谷区教育委員会 生涯学習部長 清水 雅人 子ども・若者部児童課山野児童館館長 白石 雄一郎 子ども・若者部児童課松沢児童館松沢小新ボップ副係長 若山 基美 世田谷区教育委員会生涯学習部生涯学習・地域学校連携課城山小新ボップ事務局長 須田 健志 子ども・若者部児童課課長 田村 朋章 世田谷区教育委員会生涯学習部生涯学習・地域学校連携課課長 三須 昭江 子ども・若者部児童課児童福祉推進担当係長 塚原 星子 世田谷区教育委員会生涯学習部生涯学習・地域学校連携課地域学校連携担当係長 佐藤 彰洋 子ども・若者部児童課児童育成担当 柴田 鈴香 子ども・若者部児童課児童育成担当 宮崎 拓臣 子ども・若者部児童課児童育成担当 深澤 祐 世田谷区教育委員会生涯学習部生涯学習・地域学校連携課地域学校連携担当 根岸 勇輝 世田谷区教育委員会生涯学習部生涯学習・地域学校連携課地域学校連携担当 検討委員会の経過 第1回(9月4日) 1 新ボップ事業のあり方検討委員会について 2 新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業について 3 学童クラブ登録児童全保護者アンケートの実施について 第2回(10月15日) 新ボップ学童クラブ全保護者アンケートのまとめについて 第3回(11月11日) 1 第2回あり方検討委員会での確認事項について 2 新ボップ事業のあり方の方向性について 第4回(12月9日) 1 第3回あり方検討委員会での確認事項について 2 新ボップ事業のあり方検討委員会報告書の構成案について