資料4−1 区立保育園で行われた不適切な保育(虐待行為)に関する外部有識者による検討会報告および今後の区の取り組みについて 令和3年4月23日 保育部保育課 1 主旨 令和3年2月12日に本委員会に報告した区立保育園における虐待行為について、令和2年12月から外部有識者による「区立保育園における保育のあり方検討会」において検証等を行い、3月に報告を受けた。 また、令和2年12月より、全区立保育園保護者に子どもの人権に関するアンケートを実施し、その結果がまとまったので、それぞれの内容とともに、今後の区の取り組みについて報告する。 2 区立保育園における保育のあり方検討会における検討について (1)検証結果(課題) 1 当該保育士について 2 当該保育園の対応について 3−1世田谷区(区立保育園全般)の対応について 3−2世田谷区(区保育課等)の対応について (2)再発防止の観点からの提言 1 保育士としての能力と適性の確認とそれに基づく指導方法の確立 2 園長職の職員指導育成力の向上と組織マネジメント力の強化 3 「子どもの権利・人権」を守る保育の実践 4 保育課、園長会、地域園長会、各園の連携支援体制の構築 5 職員採用試験や人事考課制度(人事評価、人事異動)への要望 (3)報告書 別添のとおり。 3 「子どもの人権」に関するアンケート調査について (1)実施目的 区立保育園において、実際に「子どもの人権」に配慮した保育が行われているかどうかについて、保護者の声から確認すること。 (2)実施方法 毎年、区立保育園全園を対象に実施している「区立保育園利用者アンケート」の設問の一部に「子どもの人権」に関する3項目の設問を設定した。 (別紙1−1、1−2 「保育園利用者アンケート」) (3)実施結果 複数回答あり(総回答者数2266人、調査対象47園) なお、「子どもの人権」に配慮していないと思われる回答のあった園については、園長が事実確認及び保育士への指導を実施済と保育課へ報告を受けている。 (4)結果の公表 「区立保育園利用者アンケート」の結果として、区ホームページ(区立保育園の質の向上への取り組み)へ掲載する。 4 当面の重点取り組み 検討会の提言を受け、今後再発防止へ向けて取り組みを進めていくが、特に次の点について、早急に重点的に取り組んでいく。 (1) 保育士としての能力と適性の確認、適性を考慮した人事への対応 1 保育士としての能力と適性の確認 条件付採用期間において、新規採用職員が勤務している園に、他園の園長が赴き、複数の目で適性を評価する仕組みをつくる。 2 適性を考慮した人事への対応 子どもの人権侵害につながると危惧される場合には、他の部署への配置転換等を含め、迅速に対応する。 (2)「子どもの権利・人権」を守る保育の実践 1 子どもの人権チェックシートの作成、活用 (別紙2 「子どもの人権チェックシート(案)」) 今回の全園アンケートを基に「世田谷区保育の質ガイドライン」項目と紐づけて作成する 「子どもの人権チェックシート」により、全園で一斉にセルフチェックを実施する。 更に各園において、自分自身や職場内の保育の気づきにつなげ、結果を共有しながら園内研修に活用していく。 2 人権研修の充実 令和2年11月26日に区立保育園全園園長を対象とした「子どもの人権研修」を実施するとともに、DVDを全園に配布して全職員に対する園内研修を実施した。 今後も継続して、全職員が受講できるようにオンラインで実施し、また、経験年数に応じた内容を取り入れて、年に複数回実施する。 (3)保育課、園長会、地域園長会、各園の連携支援体制の構築 1 園長会、地域園長会の取り組み強化 園長会における「子どもの人権PT」により、「子どもの人権チェックシート」の見直し等を継続して実施することを通して、全園長が人権に関する理解を深める。 地域園長会や自主園長会に保育課職員が参加し、支援、指導を行う。 また、運営上の課題への意見交換を活性化し、園長の組織マネジメントを支援する。 2 保育課による連携支援体制の強化 巡回指導記録を迅速に各園へフィードバックし、改善の内容を確認する。 「区立保育園における報告・相談・取り組みフローチャート」と主な相談先を保育園の事務所と休憩室に掲示し、各保育士が直接、保育課へ相談できることを確実に伝える。 保育園利用者アンケート 子どもの人権チェックシート(案)