資料4別紙 世田谷区児童相談所運営状況等報告(令和2年10月版) 第1 児童相談所の概況 1 所在地等 所在地 世田谷区松原6丁目41番7号 管轄区域 世田谷区全域 開設年度 令和2年度 電話 03−6379−0697 交通 小田急線梅ヶ丘駅下車5分 小田急線豪徳寺駅下車5分 東急世田谷線山下駅下車5分 バス松原(世田谷区)下車2分 (梅ヶ丘駅〜千歳船橋駅 梅01・梅ヶ丘駅〜経堂駅 梅02・経堂駅〜渋谷駅 渋54) 2 設置の目的・理念 平成28年の児童福祉法の改正では、昭和22年の制定時以来の理念規定が見直され、児童は、適切な養育を受け、健やかな成長・発達や自立が図られ、それらを保障される権利を有することなどが明確にされた。 区は、改正児童福祉法の理念に則り、区民生活に密着した基礎自治体として、児童相談のあらゆる場面において子どもの権利が保障され、その最善の利益が優先された「みんなで子どもを守るまち・せたがや」の実現を目指す。 この目標の達成に向けて、児童が独立した権利の主体であることを尊重し、その最善の利益が優先して考慮されることを保障する見地から、同法第12条第1項及び第59条の4第1項の規定に基づき、児童相談所を設置するものである。 区の児童相談所の設置は、法の新たな理念の実現に向けた、戦後から続く児童福祉のあり方を大きく前進させる大きな挑戦である。 この認識の下、あらゆる子どもには家庭を与えられるべきという視点に立ち、子どもが家庭で健やかに養育されるよう保護者支援を重点的に行うとともに、子ども家庭支援センターと児童相談所の一元的な運用を大きな柱として、地域の支援を最大限に活用した予防型の児童相談行政の展開を図る。 3 児童相談所等の沿革の表 4 児童相談所の組織及び職員 (1)組織 本庁 子ども・若者部児童相談支援課 主な所掌事務 一時保護及び措置された子どもの権利擁護に関すること。 児童養護施設等への入所の措置及び児童自立生活援助の実施等に係る徴収金の徴収に関すること。 里親制度の普及促進及び里親支援に関すること。 措置費の支弁に関すること。 児童養護施設退所者等奨学基金に関すること。 子ども家庭支援センター事業に係る調整に関すること。 子ども家庭支援センターと児童相談所との連携に関すること。 副参事(子ども家庭専門指導担当) 世田谷総合支所子ども家庭専門指導担当副参事兼務 副参事(児童相談所・子ども家庭支援連携担当) 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課長兼務 児童相談所 副所長 主な所掌事務 児童及びその保護者の相談に関すること。 児童の措置に関すること。 里親に関すること。 児童虐待に関すること。 一時保護課 主な所掌事務 児童の一時保護に関すること。 各総合支所保健福祉センター 子ども家庭支援課 主な所掌事務 子どもとその家庭に係る総合的な相談に関すること。 児童福祉法の規定に基づく実情の把握、情報提供、調査、指導等に関すること。 要保護児童支援地域協議会に関すること。 副参事(子ども家庭専門指導担当) 世田谷総合支所のみ 保健福祉センター子ども家庭支援課 副参事(子ども家庭専門指導担当) (2)所内組織 児童相談所副所長 管理係 主な所掌事務 所内の庶務に関すること。 関係機関との連絡調整に関すること。 所の施設の維持管理に関すること。 所内他の担当係長に属しないこと。 統括支援担当 主な所掌事務 児童の相談及び指導の総括に関すること。 児童の相談ケースの進行管理に関すること。 援助方針会議に関すること。 地域支援担当1 主な所掌事務 児童虐待への対応並びに養育困難及び非行に係る相談に関すること。 地域支援担当2 主な所掌事務 児童虐待への対応並びに養育困難及び非行に係る相談に関すること。 地域支援担当3 主な所掌事務 児童虐待への対応並びに養育困難及び非行に係る相談に関すること。 育成担当 主な所掌事務 障害に係る相談に関すること。 性格行動の問題を有する児童に関すること。 支援調整担当 主な所掌事務 親子支援及び家族の再統合に関すること。 社会的養護に関すること(児童相談支援課に属するものを除く。)。 調査研究及び研修に関すること。 専門職である者との連絡調整等に関すること。 児童心理担当 主な所掌事務 児童の心理検査、観察、治療等に関すること。 療育手帳の判定に関すること。 一時保護課 一時保護担当 主な所掌事務 一時保護所の運営に関すること。 一時保護に係る関係機関との連絡調整に関すること。 (3)所内の職員配置状況の表(令和2年10月1日現在) 参考 都世田谷児童相談所の職員の配置状況(平成31年4月1日現在数) 児童相談所46人 児童福祉司20人、児童心理司8人、警察官OB2人、弁護士1人、医師1人、その他14人 東京都児童相談所事業概要(令和元年)より作成 第2 運営状況のあらまし 1 児童虐待相談の対応状況等 (1)児童虐待相談の対応状況 令和2年4月から同年9月までの区児童相談所における虐待相談対応件数は、578件となっている。 また、令和2年4月から同年9月までの子ども家庭支援センターにおける虐待相談対応件数は、718件となっている。 各月の新規対応件数を計上。不受理となった通告等は除く。 参考 都世田谷児童相談所における虐待相談対応件数の推移のグラフ(狛江市含む) 都世田谷児童相談所の虐待相談対応件数は、年々増加傾向が顕著となっていた。 東京都児童相談所事業概要より作成 参考 子ども家庭支援センターにおける虐待相談対応件数の推移のグラフ 子ども家庭支援センターの被虐待児童相談対応状況は、令和元年10月から新しい「東京ルール」の運用が開始されたことに伴い、子ども家庭支援センターの新規受理件数が例年より顕著に増加した。 新しい「東京ルール」とは、都区間の新たなルールとして、都世田谷児童相談所が受理した警察からの心理的虐待(面前DV)案件等は、子ども家庭支援センターが対応することとなった。 世田谷区保健福祉総合事業概要統計編等より作成 参考 区児童相談所における虐待通告件数の状況の表 令和2年4月から同年9月までの間に、区児童相談所に寄せられた虐待通告件数は、1,073件となっている。 「通告件数」と「対応件数」の関係 「通告件数」は、児童虐待の相談・通告として寄せられた電話等の件数であり、不受理となったものや、同一ケースの重複を含む。 「対応件数」は、受理された通告に基づき、相談履歴や家庭状況の調査、児童の心理診断などを行い、その後の援助方針を決定した対応中のケースの件数を指す。 (国の全国統計等ではこの件数が集約され、比較・検証などに用いられている) 通告から通告受理をして相談対応という相談援助活動の流れの中で、どの時点のケースを指すかによりそれぞれの件数は異なるため、「通告件数」と「対応件数」は一致しない。 なお、都世田谷児童相談所の虐待相談受理件数は、平成30年度は1,097件、令和元年度は1,352件である(児童虐待通告件数の公表はなし)。 (2)児童福祉司一人当たりの児童虐待相談の対応件数 区児童相談所における児童福祉司一人当たりの児童虐待相談の対応件数は、 37.6件となっている。 算出方法 (令和元年度虐待相談受理件数÷児童福祉司(36人))=一人当たりの相談件数 令和元年度虐待相談受理件数について、区児童相談所は令和2年4月に開設したため、都世田谷児童相談所における令和元年度の虐待相談受理件数(狛江市含む)1,352件を用いた。 参考 都児童相談所における児童福祉司一人当たりの相談件数の推移のグラフ 都児童相談所における児童福祉司一人当たりが受理する虐待相談は、年々増加しており、平成30年度は一人60件を超える状況となっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (3)区の一時保護の状況 令和2年4月から9月末までにおける区の一時保護は、72人となっている。 区の児童の一時保護の件数、方法、理由の表 令和2年4月〜9月の間の新規保護児童 (区の児童)の実人数の内訳を計上している (保護時点における保護の方法・理由について計上している)。 参考 区の一時保護所の入所状況の表 令和2年4月〜9月の保護人数(実人数)を計上 参考 都の一時保護の表 都全体の一時保護所(治療指導課での一時保護除く)での保護と、一時保護委託の合計児童数 (出典 東京都児童相談所事業概要より。) 都世田谷児童相談所の令和元年度の一時保護一時保護所102人一時保護委託79人合計181人 (4)一時保護委託の児童数 令和2年4月から9月末までにおける一時保護委託児童数は27人となっている。 うち令和2年4月の区児童相談所の開設にあたり、都から引き継いだ一時保護児童は11人おり、引き続き同じ場所で保護を継続した。 参考 都児童相談所における一時保護委託児童数の推移のグラフ 都全体における一時保護委託件数も増加傾向にあり、乳幼児は毎年増加を続けている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (5)社会的養護のもとで育つ児童数の表 令和2年10月1日現在、養育家庭や施設等へ養育委託・入所措置されている区の児童は117人となっている。 参考 都全体における社会的養護の措置児童数の推移のグラフ ここ数年、都全体における社会的養護の措置児童数は4,000人前後で推移している。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 2 里親等の状況 (1)養育家庭の登録数及び委託児童数 令和2年10月1日現在の区内の養育家庭の登録数は44家庭であり、委託児童数は18人となっている。 区内に登録されている養育家庭へ委託されている児童数であり、他自治体が措置した児童を含む (里親委託や里親への一時保護委託を行うに際して、子どもの最善の利益を保障する観点から、 区内の里親に限らず、都区全域で適切な里親と子どものマッチングを実施している)。 区内の養育家庭の登録数及び委託児童数 養育家庭の登録数44家庭 委託児童数18人(うち区の児童6人) 参考 都全体における養育家庭の登録数及び委託児童数の推移のグラフ 都全体における登録家庭数及び委託児童数は増加傾向だが、伸びは緩やかになっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (2)ファミリーホーム設置数及び委託児童数 令和2年10月1日現在、区内にはファミリーホームが2ホームあり、委託児童数は10人となっている。 区内2ホームのうち養育家庭移行型ファミリーホームが1ホーム、法人型ファミリーホームが1ホームとなっている。 ファミリーホームとは、小規模住居型児童養育事業。一定の要件を備えた養育者の住居において、5人又は6人の要保護児童を、子ども同士の相互作用を活かしつつ家庭的な環境のもとで養育する制度。 参考 都全体におけるファミリーホーム設置数及び委託児童数の推移の表 都全体におけるファミリーホームは、平成30年度末現在、25ホームあり、うち養育家庭 移行型ファミリーホームが16ホーム、法人型ファミリーホームが9ホームとなっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (3)里親等委託率の現状 令和2年10月1日現在、区における里親等委託率は、20.5%となっている。 里親等委託率の算出方法> 養育家庭等・ファミリーホーム委託児童数 (A)÷(乳児院入所児童数+児童養護施設入所児童数+養育家庭等・ファミリーホーム委託児童数) (B) =里親等委託率 算出式 (21人+3人)÷7人+86人+21人+3人=24人【A】÷117人【B】 =20.5% 参考 都全体の里親等委託率の推移のグラフ 都全体における里親等委託率は上昇傾向であるが、全国平均よりも低く推移している。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (4)養子縁組里親の登録と特別養子縁組の現状 令和2年10月1日現在、区児童相談所に養子縁組里親として登録された家庭は、37家庭となっている。 令和2年4月から同年9月までの区児童相談所が仲介した特別養子縁組の成立数は2件となっている。 特別養子縁組制度の概要 子どもの福祉の増進を図るために、養子となる子どもの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度。 「特別養子縁組」は、養親になることを望む夫婦の請求に対し、要件(実親の同意・養親の年齢・養子の年齢・半年間の監護)を満たす場合に、家庭裁判所の決定を受けることで成立する。 特別養子縁組の区児童相談所の関与 特別養子縁組を仲介する機関は、行政機関である児童相談所のほか、民間のあっせん機関(医療機関を含む)がある。 区が把握する特別養子縁組の成立件数は、区児童相談所が仲介し、縁組が成立した件数となる。区児童相談所は、ネウボラ・チームによる「妊娠期面接」等による特別養子縁組を必要とする事例の把握に努め、東京都と連携した早期の特別養子縁組成立に取組んでいる。 参考 東京都による新生児委託推進事業の概要(平成29年7月より実施) 家庭で適切な養育を受けられない新生児を対象として、養子縁組が最善と判断した場合には、できるだけ早期に里親子を結び付けられるよう、養子縁組里親の養育力向上のための研修や新生児と養子縁組里親の交流支援を行うことにより、新生児委託を推進する(子どもの乳児院入所と同時期から里親との交流の開始など)。 都道府県等の許可を受け活動している民間の事業者は、全国に21団体(令和元年10月1日現在)あり、生みの親と暮らせない子どもと育ての親になりたい夫婦をマッチングし、様々なサポートを行っている。 参考 都全体における養子縁組里親の登録と特別養子縁組の現状 都児童相談所に養子縁組里親として登録された家庭数と、児童相談所が仲介した特別養子縁組の成立数の推移の表 「東京都児童相談所事業概要」より作成 東京都が許可した民間のあっせん機関が仲介した特別養子縁組の成立数の推移の表 児童・養親ともに都内に限らず国内外から申し込みを受けている。 「平成30年度特別養子縁組民間あっせん機関実態調査」(厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)より抜粋 3 児童養護施設、乳児院の状況 (1)児童養護施設の入所児童数 令和2年10月1日現在、区内にある児童養護施設の入所児童数は、児童養護施設(本園)52人、グループホーム48人、合計で100人となっている。 区内にある児童養護施設の10月1日時点の定員数:110人(本園2施設、グループホーム10施設) グループホームとは、児童養護施設から独立した家屋において、要保護児童を少人数で養育する形態。 参考 都全体の児童養護施設の入所児童数の推移のグラフ 都全体における児童養護施設で生活する児童数はここ数年、横ばいで推移している。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (2)児童養護施設の小規模化の状況 区内の児童養護施設における小規模化の状況は、令和2年10月1日現在において100%となっている。 小規模化とは、グループホームもしくは8人以下のユニット 参考 都全体の児童養護施設の小規模化の状況 都全体の児童養護施設における小規模化の状況は、平成31年2月1日時点で、グループ ホームが910人と児童養護施設定員の28.3%となっている。 また、本体施設で行っている8名以下のユニットケアとグループホームを合わせた小規模化の状況としては、児童養護施設全体の70.8%まで進んでいる。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (3)乳児院の状況 区内に乳児院が存在しないため、ここでは都の状況を参考として掲載する。 参考 都における乳児院在籍児童の障害等の状況のグラフ 都全体を通して、乳児院では、障害や疾患等を抱えていたり、虐待を受けるなど、医療や療育上の手厚いケアが必要な乳幼児の入所が増加している。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 参考 都における乳児院の小規模化の状況 都全体における、乳児院の中で4人から6人までの小規模で家庭的な運営を行うユニットは、全体の47%となっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (4)グループホーム設置数 令和2年10月1日現在、区内の児童養護施設におけるグループホームの設置数は、10か所となっている。 参考 都全体のグループホーム設置数の推移 都全体におけるグループホームの設置数について、平成17年度に、国から児童養護施設の小規模化に関する通知が発出されたこともあり、大幅に増加したが、近年、伸びは緩やかになっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (5)個別的ケアが必要な児童の入所状況 施設に入所している区が措置した児童のうち、個別的なケアが必要な児童の人数について調査を行った(令和2年10月1日時点調査)。 その結果、個別的なケアが必要な児童は93人中54人となっており、その割合は58.1%となっている。 区が措置した児童については、10月1日現在、乳児院入所7人、児童養護施設(本園)入所46人、グループホーム入所 40人の合計93人を対象に調査を行った。 個別的なケアが必要な児童とは、虐待により心身に傷を受けた児童や、何らかの障害がある児童など、安心して生活ができるよう生活面・心理面で個別的な対応を必要とする児童 参考 都全体の個別的ケアが必要な児童の入所状況のグラフ 都全体における個別的なケアが必要な児童の割合は、平成21年度の62.3%から平成30年度は73.7%と大幅に増加している。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 4 進路・離職状況 (1)進路状況 令和2年3月に中学校を卒業した区の児童の高等学校等進学率は、児童養護施設・里親(養育家庭)ともに100%となっている。また、令和2年3月における区の児童の大学等進学率は、児童養護施設は66.6%となっている。 参考 全国的に見た平均的な大学等進学率との比較 児童養護施設等の子どもたちの多くは、児童福祉法の規定により原則18歳で退所の日を迎えるが、経済的不利等により希望の進路に進むのが難しい傾向がある。 退所後は自活を余儀なくされるため一般と比べ経済的に不利な面が多く、全国的にみても大学進学率も著しく低い状況にある。 令和2年3月時点における区の児童養護施設等退所者の大学等進学率は、厚生労働省調査による平成30年5月現在の全国平均を上回っているが、これはせたがや若者フェアスタート事業の給付型奨学金などの取り組みなどによるものと考えられる。 出典 厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課調べ(平成30年5月現在) 参考 都全体における進路状況 平成30年3月に卒業した児童の高等学校等進学率は、児童養護施設で97.5%、児童自立支援施設で91.1%、里親で100%となっている。また、大学等進学率は、児童養護施設で44.2%、里親で42.9%となっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (2)進学した学校における在籍・卒業状況 令和2年3月に中学校・高等学校を卒業し、進学した区が措置した児童の進学後の在籍状況は、児童養護施設・里親(養育家庭)ともに100%となっている。 参考 都全体における進学した学校における在籍・卒業状況 都全体における施設等退所後に進学した学校等の中途退学率は、児童養護施設で17.7%、児童自立支援施設で31.6%、養育家庭で31.3%となっている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 (3)離職状況(参考) 令和2年3月に中学校・高等学校を卒業した区の児童のうち、就職した児童はいなかった。 なお、参考として、都の状況は、次のとおりである。 参考 都全体における施設等退所後に就いた最初の仕事の離職状況 都全体では、施設等退所後に就いた最初の仕事を「すでに辞めている」と回答した方(181人)の約5割が、1年未満で辞めている。 「東京都社会的養育推進計画」より抜粋 第3 統計資料 1 児童相談所の相談受付状況の表 2 児童相談所の相談対応状況の表 3 児童相談所の被虐待児童相談対応状況の表 (虐待内容別) 4 児童相談所の被虐待児童相談対応状況の表 (相談経路別) 5 児童相談所の被虐待児童相談対応状況の表 (主な虐待者別) 参考 児童相談行政の再構築の取り組み状況 (1)これまでの経緯 区は、令和2年4月に、23区で初めてとなる区立の児童相談所を開設した。 区は、児童相談所の開設に際し、現行法令基準を上回る職員数の配置を行うとともに、多角的な視点から適切できめ細やかな業務対応をするために、保健師や医師及び弁護士等専門職員の配置を行っている。 地域における子どもに関するあらゆる相談の一義的な窓口である子ども家庭支援センターと、強力な法的権限などの高度な専門性を有する児童相談所の「一元的な運用」により、両機関の職員がチームとなり、日常から担当区域の情報共有を行い、必要に応じて双方が持つ機能を組み合わせた支援や問題の解決まで協働で関わる「のりしろ型支援」を着実に推進することで、虐待等の要保護児童等の早期発見・早期対応が徹底され、子どもの安全と生命を確実に守る予防型の児童相談行政の展開に取り組んでいる。 (2)具体の取り組み内容 児童相談所設置に向けたこの間の議論において、都の児童相談所と区の子ども家庭支援センターの二元的な児童相談体制の下で生じる様々な問題が指摘されてきた。 区は、一貫した初動対応や、アセスメントの共有など、両機関の一元的運用により適切な援助活動を行っている。 日常から、子ども家庭支援センターと児童相談所は、合同会議等で支援方針等を共有するとともに、リスク判断にあたって共通のアセスメントシートを用いるなどにより、リスクに対する視点の統一を図っている。 これにより、子ども家庭支援センターが支援しているケースについても、必要に応じて早期の一時保護を行い、その後の支援に速やかにつなげるなど、一元的運用のメリットを発揮した相談援助活動が展開されている。 ア チームとしての顔の見える職員体制 子ども家庭支援センターと児童相談所の双方が、「住所地域担当制」を実施し、年間を通して同一住所地域を同一の担当者が担当することで、一つのチームとして顔の見える職員体制の構築を図っている。 子ども家庭支援センターが月1回開催する要保護児童支援協議会進行管理部会に児童相談所の地域担当スーパーバイザーや児童福祉司が出席し、ケースの進行管理や意見交換を行うことで、双方の地区担当の顔の見える関係づくりを行っている。 イ 一貫した初動対応 世田谷区児童虐待通告ダイヤル(0120-52-8343)、児童相談所虐待対応ダイヤル(189)を通じての児童虐待相談や、警察からの通告は、区の児童相談所で一括して受理し、初動対応の一次的方針の判断を行う体制としている。 児童虐待通告のうち、一時保護の必要が予見され、専門性・法的権限を要することが見込まれるケースについては、児童相談所が児童の安全確認等を行い、その後の調査及び必要な援助等を実施している。 一方、いわゆる「泣き声通告」など、子ども家庭支援センターの支援が望ましいと判断された事案については、子ども家庭支援センターが迅速に児童の安全確認を行っている。 子ども家庭支援センターが児童の安全確認を行ったケースについても、児童相談所と情報を共有し、その後の調査や支援の際、必要に応じて児童相談所も訪問に同行する等の連携を図っている。 (令和2年4月〜9月の児童相談所による安全確認は589件、子ども家庭支援センターによる安全確認は386件となっている。 ) ウ アセスメントの共有 子ども家庭支援センターと児童相談所は、相談ケースのリスク評価を行うにあたり、共通アセスメントシートを用いることで、リスクに対する視点の共有化を図っている。 また、チームとしての顔の見える職員体制の下、共同して対応するケースのアセスメントの共有や、援助方針の検討など、日々の業務の中できめ細やかな連携を図っている。 これに加え、毎月「合同会議」を行い、共同して対応するケースのアセスメントの共有や、援助方針の検討とともに、それぞれが担当するケースの情報共有等を行っている。 参考事例1 早期の一時保護と一時保護解除後の適切な支援 子ども家庭支援センターが従来から支援にあたっている児童について、学校から新たな虐待の兆候があるとの連絡があった際などに、児童相談所は、学校訪問に速やかに同行し、必要に応じて即時に児童の一時保護を行う等の対応を行っている。 児童相談所は、虐待が深刻化・重篤化する前の早期の段階で一時保護を実施し、児童の心理・行動診断などを迅速に行うとともに、これらを踏まえた家族との話し合いや指導を重ねるなど、児童の安全が保障された在宅生活のための環境整備に努めている。 こうした児童相談所の援助方針や、在宅生活を見守るうえで必要な情報は、子ども家庭支援センターとも適宜共有し、児童が在宅生活に復帰する際には、両機関の協議により、適切な子育て支援のメニューを選択して家庭に提供するなど、その後の支援につなげている。 参考事例2 きめ細やかな支援の促進 区の児童相談所と子ども家庭支援センターによる一元的な運用が開始された以降、児童相談所が受理した虐待通告のうち、いわゆる泣き声通告などは子ども家庭支援センターに支援を依頼するなど、適切な役割分担を行っている。 また、児童相談所が対応した後に、子ども家庭支援センターに支援を依頼して、子育て支援サービスの利用等により虐待の再発予防を図っており、例えば、子どもの養育に課題を抱える家庭に対し、養育支援等ホームヘルパー訪問事業等の利用につなぐケースが増加するなどしており、きめ細やかな支援が促進されている。 養育支援等ホームヘルパー訪問事業 利用実績(実世帯数) 令和元年度 養育困難112世帯、ひとり親37世帯 令和2年度(9月末) 養育困難100世帯、ひとり親13世帯