資料5−2 世田谷区立教育総合センター運営計画(素案)【概要版】 第1章 教育総合センター運営計画について 1 はじめに グローバル化、ICT化という急速な社会状況の変化は、子どもを取り巻く状況をも大きく変化させています。さらに、新型コロナウイルス感染症に伴う長期間の学校休業の経験から、オンラインによる授業や学校と家庭のネットワーク化の必要性が改めて認識され、児童生徒1人1台の端末を配置し、学習に活用していく時代へと切り替わろうとしています。 大きな変化を迎える中で、最も重要なのは、世田谷の教育の質の転換を担う教員や、乳幼児期の教育・保育を担う幼稚園教諭や保育士の人材育成だと考えます。 教育総合センターは、未来の世田谷の教育を担う人材を育てるとともに、学校教育や乳幼児期の教育・保育の現場を様々な角度からサポートする専門機関として、取組みを進めていきます。 2 運営計画策定の趣旨等 教育総合センターは令和3年12月の開設を予定し、令和3年度から令和5年度の運営計画として策定します。令和4年度以降の計画は、第2次世田谷区教育ビジョン調整計画(令和4年度〜令和5年度)に内容を引き継ぎます。 第2章 教育総合センター運営方針 1 教育の質の転換 世田谷の教育を就学前から小・中学校を通じて、「体験や協働を重視した課題解決型の教育(探究的な遊び・学び)」に転換します。また、学びに向かう力や豊かな感性等をはぐくみます。 地域で働く人や大学の専門家などによる体験的・実践的で子どもたちが自分の将来を具体的に描ける教育を展開します。 2 誰一人置き去りにしない教育の推進 子どもたちの個性や特性を尊重し、一人ひとりに寄り添い、個別最適化された多様な学びの選択肢を提供します。 障害や性、文化などの多様性への理解を深める心を育み、地域や世界の中で共生する力を育てます。 3 学びを支える環境の整備 未来の社会を生きる子どもたちの創造力を培うため、ICT環境の整備や専門人材の配置など、学びを支える環境を整備します。 子どもたちの学習環境を充実させるとともに、教員の資質向上を支援し、質の高い教育を提供する環境を整備します。 第3章 教育総合センターの運営体制 教育総合センターには、教育委員会事務局の「学校支援・教員等支援」「子ども支援・教育相談・個別支援」「乳幼児期の教育・保育の支援」「地域・社会との連携」を推進する組織を配置します。 また、このように、事業範囲が多岐に渡っており、新たな教育課題への検討に専門的な識見や広い視点での意見を適切に取り入れる必要があるため、教育委員や学識経験者、学校代表者など様々な視点からの意見を踏まえて検討を行うための会議体として、教育長を委員長とした「運営協議会」を設置します。 あわせて、区長部局や大学・民間事業者などとの連携を通じて、教育総合センターの機能を深めていきます。 第4章 教育総合センターの新たな機能(4つの取組み) 教育総合センターは、現在の教育センターの機能を継承しつつ、新しい時代に必要とされる新しい教育へ転換していくため、「学校支援・教員等支援」「子ども支援・教育相談・個別支援」「乳幼児期の教育・保育の支援」「地域・社会との連携」の4つの取組みを進め、学校、幼稚園・保育所等、 また、教職員、保育士、保護者の方々の相談に対応していきます。 1 学校支援・教員等支援 子どもの主体的な学びの実現や ICTの進化に対応するため、最新の授業スタイルや授業手法、教材など教員のニーズに合わせた情報を収集し、提供することで、新たな教育を担う教員の活動を支える施設へと転換していきます。また、悩みを抱える教員を支える体制も構築していきます。 2 子ども支援・教育相談・個別支援 多様化している保護者や子どもの様々な悩みや相談に対応する「総合教育相談窓口」を設けるとともに、不登校・いじめ・特別支援教育などに対応する専門チームを設置するなど、子どもや保護者を支える中心拠点としての役割を担います。 3 乳幼児期の教育・保育の支援 乳幼児期の教育の重要性を踏まえ、幼稚園・保育所等との連携を深め、乳幼児期から小学校教育までを見通した新たなスタンダードカリキュラムを開発し、非認知的能力など子どもたちがこれからの社会を生き抜く基礎をはぐくみます。 4 地域・社会との連携 地域や大学・企業と連携し、大学や企業との共同事業を進めるとともに、地域と学校との連携を支援します。 第5章 教育総合センターの重点取組事業(令和3年度〜令和5年度) 第2次世田谷教育ビジョン・第2期行動計画に基づく事業の重点化として、令和3年度から令和5年度まで以下の事業に重点的に取り組みます。 1 学校支援・教員等支援 先進自治体の学習方法を参考に世田谷型の「探究的な学習」研修プログラムを作成し、教員の資質向上を目指します。 ギガスクール構想により整備されるICT環境や機器を使いこなし効果的な授業を行う教員を育成するため、支援体制や教員研修を強化します。 インターネット環境を用いた研修や研修動画のデータベース化による研修を実施します。 授業改善や学級経営等に悩む教員の相談に寄り添う体制を構築します。 教育委員会事務局の専門チームが学校を巡回し人材育成のアドバイスをします。 2 子ども支援・教育相談・個別支援 就学相談、いじめや不登校、特別支援教育などの総合相談窓口を開設します。 配慮を必要とする子どもに関する情報を関係職員で共有し、適切な支援へつなげます。 専門チームによる学校の巡回や各分野の専門員と連携し、配慮を要する子ども一人ひとりのニーズに合わせた支援を行います。 いじめや不登校の早期発見や未然防止、発生後の適切な対処を支援します。 ICT機器の効果的な活用への支援や施設整備などに計画的に取組みます。 3 乳幼児期の教育・保育の支援 世田谷型「乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラム」を開発し、幼稚園・保育所等で共有します。 幼稚園・保育所等から小学校への円滑な接続を図ります。 乳幼児期における教育に関する専門人材を派遣し、教員や保育士を育成します。 乳幼児期からの子どもの自然体験や外遊び、芸術・文化などの様々な体験を通して非認知的能力を育む環境づくりを図っていきます。 乳幼児期からの教育・保育に関する情報を発信するとともに講演会や講座を開催し、家庭教育を支援します。 4 地域・社会との連携 学校が必要とする様々な分野の人材の情報等を集約し、地域人材を活用した学校支援を行います。また、地域ボランティア等の人材の育成を支援します。 大学や企業、地域活動団体等との連携を強化し、学校教育を一層充実させます。 地域の企業や商店と連携し、キャリア教育を推進します。 科学実験やプログラミングなど、子どもたちが遊びや学びの活動を通して、探究的な思考を育む事業を実施します。 区民の生涯学習の活動や発表の場として、施設の一部を貸し出します。 第6章 施設概要 1 開館日・開設時間 区民へ開放する場所:交流エリア、広場 月曜日〜土曜日 午前9時から午後5時まで (日曜日、祝日、年末年始及び施設の一斉点検日は休館) 2 教育総合センターの施設 (1)研究・研修エリア(1階、2階) 小中学校の教員や幼稚園教諭・保育士等を対象とした研修を行います。約250名収容の大研修室のほか、小規模の研修室を設置します。 また、研修利用のない時間帯に施設を区民へ貸し出します。 (2)教育相談エリア(2階) 学校生活や子供の特性など教育に関する総合相談を提供します。 (3)ほっとスクール(2階) ほっとスクール城山を教育総合センター内に移転します。 (4)交流エリア(1階) 区民へ開放し、様々な人が気軽に訪れ、世田谷の教育に関する情報に触れることができます。 また、乳幼児期の教育・保育に関するイベントやミニ講座などを開催します。 (5)広場(屋外) 区民へ開放し、就学前の子どもに外遊びを通じて様々な体験できる屋外の広場です。 第7章 全体スケジュールの表