資料4 世田谷区児童福祉審議会の設置について 1 審議会の設置および開催状況 世田谷区児童福祉審議会は、児童福祉法第8条に基づき、世田谷区児童福祉審議会条例により設置された児童福祉等について審議する区長の附属機関である。 審議会の委員は、学識経験者及び区民のうちから、区長が委嘱する委員25人以内で構成され、児童福祉等に関する専門的事項を調査審議するため、必要に応じて審議会に部会を置くことができる。 今年4月の児童相談所開設と同時に児童福祉審議会を設置し、当初4月23日(木曜日)に第1回本委員会を開催する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、委員が会場に集まっての会議開催ではなく、書面にて開催した(審議結果等は別紙参照)。 2 今後のスケジュール(予定) 令和3年1月 第2回児童福祉審議会本委員会 3月 地域保健福祉審議会(令和2年度会議開催状況の報告) 本件担当 世田谷区児童福祉審議会事務局 真鍋、田中 (世田谷区子ども・若者部子ども育成推進課) 電話03−5432−2253(直通)、ファックス03−5432−3016 別紙 第1回 世田谷区児童福祉審議会 本委員会(書面開催) 議事録 日 時:令和2年5月14日(木曜日)から5月20日(水曜日) 参加委員:明石委員、天野委員、池田委員、石渡委員、鵜養委員、川島委員、川松委員、木田委員、小枝委員、小橋委員、小林委員、齋藤委員、田中委員、中板委員、丹羽委員、 林委員、松田委員、松原委員、宮ア委員、吉田委員 議事および審議結果 (1)委員長および副委員長の選任について 【審議結果】委員長に松原委員、副委員長に鵜養委員を選任することとした。 (2)諮問 【審議結果】諮問第1号「世田谷区社会的養育推進計画の策定に係る諮問について」を受けた。 (3)部会の設置について 【審議結果】常設の4部会(里親部会、措置部会、児童虐待死亡事例等検証部会、保育部会)と、臨時の部会(社会的養育推進計画の策定に向けた部会)の設置を承認した。 世田谷区児童福祉審議会委員名簿の表 参考 児童相談所の運営状況等について (社会的養育推進計画の策定について) 1 主旨 区は、令和2年4月に児童相談所を開設し、児童福祉法施行令第45条の2の規定に基づく児童相談所設置市(区)としての業務を順次開始した。現在の運営状況とともに、今年度の策定を目指す社会的養育推進計画の策定スケジュール等を取りまとめたので、報告する。 2 運営状況 (1)業務の開始 1 児童虐待通告の受理業務 令和2年4月1日(水曜日)午前0時より、児童虐待相談の通告受理業務を開始した(委託事業者による通告の受電業務及び児童相談所職員による輪番体制を開始)。 2 警察からの児童情報の照会業務 令和2年4月1日(水曜日)午前0時より、一時保護所における警察からの児童情報の照会への対応業務を開始した。 3 緊急一時保護の受け入れの開始 令和2年4月1日(水曜日)午前0時より、一時保護所における警察からの児童の一時保護の受け入れを開始した。 4 児童相談所における児童相談・援助業務の開始 令和2年4月1日(水曜日)午前8時30分より、児童相談所における児童相談・援助業務を開始した。 (2)都からの相談ケースの引継ぎ状況 1 引き継いだ相談ケース(ケース記録の台帳件数) 令和2年4月1日現在係属中のケース 712件(うち被虐待相談 260件) 2 引き継いだ時点における一時保護・施設入所措置等の状況 ・一時保護中の児童11人 ・里親(養育委託)21人 児童養護施設・乳児院等115人 障害児施設13人 (3)現在の運営状況(令和2年5月15日現在) 1 一時保護中の児童 15人(うち区の一時保護所での保護 11人) 2 入所措置等 里親(養育委託)21人、児童養護施設・乳児院等104人、障害児施設13人 3 被虐待相談受理件数(児童相談所) 合計189件 ※5月15日現在 内訳 ・「189」(児童相談所虐待対応ダイヤル) 29件 ・世田谷区児童虐待通告ダイヤル(0120-52-8343) 37件 ・その他(書類通告等) 123件 4 職員体制 合計146人 内訳 ・児童相談所78人 児童福祉司36人、児童心理司16人、保健師2人、警察官OB2人、 弁護士2人、医師2人 など ・一時保護所 68人 保育士・児童指導32人、心理1人、看護師2人 など 参考配置計画140人からの増減理由 東京都からの運営支援のための職員派遣3人(児童福祉司2人、児童心理司1名)、特別区からの研修派遣受入れ3人(児童福祉司1人、保育士・児童指導2人)の追加等による。 (4)今後のスケジュール(予定) 令和2年11月 福祉保健常任委員会(上半期の児童相談所の運営状況の報告) 令和3年5月 福祉保健常任委員会(令和2年度の児童相談所の運営状況の報告) 3 学校休業、外出自粛要請等を踏まえた児童の生活状況等の確認について (1)確認の実施機関(合計535施設) ・区立の幼稚園、小・中学校 98校(園) ・保育施設(認可保育園、認可外保育施設) 252園(施設) ・その他の要保護児童支援協議会の構成機関である私立・国立学校、子育て支援事業者等 185校(事業者) (2)経過 ・新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)に基づく緊急事態宣言が行われたこと等を踏まえ、厚生労働省より、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言等を踏まえた支援対象児童等への対応について」(令和2年4月10日付け事務連絡)が発出された。 ・当該事務連絡に基づき、子ども・若者部は、改めて支援対象児童等の状況確認を各機関に依頼し、各機関においてこの確認を実施している(実施期間:令和2年4月24日(金曜日)から、各機関の休業期間中において定期的に実施)。 (3)実施概要 ・各機関は、所属する児童を対象に、電話等により定期的に児童の健康状況や生活状況等を確認するなど、状況把握のための取り組みを行う。 ・各機関は、新たに養育困難家庭や児童虐待のおそれがある家庭等を把握した場合は、世田谷区児童虐待通告ダイヤル(0120-52-8343)へ連絡する。 ・なお、子ども・若者部は、確認の実施にあたり、特に留意して健康状況や生活状況の確認を行う必要のある児童(要保護児童支援協議会の支援対象児童)が在籍する機関には、改めて当該児童の名簿を送付し、より丁寧に、注意深く確認を行うよう依頼している。 4 社会的養育推進計画の策定について (1)計画の概要 ・各都道府県は、「家庭養育優先原則」を徹底し、子どもの最善の利益の実現に向けた社会的養育※の体制整備の基本的考え方と全体像を「都道府県社会的養育推進計画」として策定することとされている。 ・平成30年7月に、その策定要領が国より示されており、基本的には各都道府県において策定するとされているが、ただし、当区をはじめ、児童相談所の設置市(児童相談所を開設した特別区含む)においても本計画を策定できることとされている。 ※社会的養育…在宅での養育支援から代替養育、養子縁組までを含む、全ての子どもの育ちを保障するための支援 参考 都道府県社会的養育推進計画の記載事項(平成 30 年 7 月厚生労働省子ども家庭局長通知抜粋) (1)都道府県における社会的養育の体制整備の基本的考え方及び全体像 (2)当事者である子どもの権利擁護の取組(意見聴取・アドボカシー) (3)市区町村の子ども家庭支援体制の構築等に向けた都道府県の取組 (4)各年度における代替養育を必要とする子ども数の見込み (5)里親等への委託の推進に向けた取組 (6)パーマネンシー保障としての特別養子縁組等の推進のための支援体制の構築に向けた取組 (7)施設の小規模かつ地域分散化、高機能化及び多機能化・機能転換に向けた取組 (8)一時保護改革に向けた取組 (9)社会的養護自立支援の推進に向けた取組 (10)児童相談所の強化等に向けた取組 (11)留意事項 (2)策定の目的とこれまでの経緯 ・区は、児童相談所開設に伴い、家庭への養育支援から代替養育までを通した社会的養育の体制整備に一貫して取り組むこととなる。また、社会的養育を着実に推進していくためには、その体制整備に向けた区の基本的考え方と、目標とする全体像を具体的に示す必要がある。 ・こうしたことから、区は、「世田谷区児童相談所設置・運営計画」(令和元年 7 月最終 更新)において、これらを明らかにした「世田谷区社会的養育推進計画(令和3年度から11年度)」を策定することを定めた。 (3)都の社会的養育推進計画との関係 ・都は、令和2年3月に、国の示す策定要領に沿い、令和2年度から令和11年度を計画期間とする社会的養育推進計画を策定した【別紙】。 ・一方、区においても、令和3年度から令和11年度を計画期間として、地域との顔の見える関係を最大限に活用し、家庭養育を優先した社会的養護の受け皿の拡充を図るなど、区ならではの社会的養育推進計画の策定を目指すものである。 ・区の計画策定にあたっては、都の計画の着実な取り組みを前提とし、区の子どもたちが適切な養育を受けられる機会の拡充を目指すこととし、都の計画推進とも整合を図りながら定めるものとする。 (4)検討体制 策定にあたっては、児童福祉審議会に臨時の部会(社会的養育推進計画の策定に向けた部会)を設置し検討を行う。 1 児童福祉審議会の概要と計画策定の諮問について ・児童相談所設置市事務として、児童福祉審議会(以下、「審議会」という。)に関する事務が移管されたことに伴い、区は令和2年4月に同審議会を設置した。 ・審議会は、児童福祉法の定めにより、区長の諮問に答え、関係機関に意見具申等を行うこととされており、里親の認定に関することや、被措置児童等虐待に関することなどともに、「児童、妊産婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議することができる」とされている。 ・区の計画策定にあたっては、専門的かつ広範的な見地からその内容を検討する必要があり、計画で定める事項に精通した委員により構成される審議会による議論が不可欠であることから、策定について児童福祉法第8条第2項の規定に基づき諮問を行い検討することとした。 2  臨時の部会(社会的養育推進計画の策定に向けた部会)の部会員の構成 児童福祉審議会委員より学識経験者3名、施設関係者2名、弁護士1名、区民委員3名を部会員とする。 部会構成員 氏名 分野 現職等 石渡 和実 学識経験者 東洋英和女学院大学大学院 人間科学研究科 教授 部会長 松原 康雄 学識経験者 前明治学院大学 学長 鈴木 秀洋 学識経験者 日本大学危機管理学部 准教授 松田 雄年 施設関係者 児童養護施設 東京家庭学校 校長 小林 由香里 施設関係者 愛恵会乳児院 専門職リーダー(主任) 池田 清貴 弁護士 弁護士 明石 眞弓 区民委員 世田谷区民生委員児童委員協議会 主任児童委員部会長 齋藤 幸代 区民委員 区民公募 川島 優子 区民委員 区民公募 3 開催回数 年6回程度 4 その他 検討にあたっては、区内の児童養護施設や里親などの関係者をはじめ、代替養育の経験者などの当事者からも意見聴取を行うなど、子どもの権利擁護のさらなる推進に向けて、幅広く意見を酌み取りながら策定作業を進めるものとする。 (5)日程(予定) 令和2年5月 児童福祉審議会本委員会 (諮問事項:世田谷区社会的養育推進計画の策定に係る諮問について) 6月 第1回部会開催 9月 福祉保健常任委員会(計画素案の報告) 9月 パブリックコメント 令和3年 1月 児童福祉審議会本委員会 (答申事項:世田谷区社会的養育推進計画の策定に係る答申について) 2月 福祉保健常任委員会(最終案の報告) 4月 世田谷区社会的養育推進計画 施行 別紙 東京都社会的養育推進計画の概要 第1章 基本的考え方と全体像 1 計画策定の趣旨 2 計画の位置づけ 平成27年度に策定した「東京都社会的養護施策推進計画」を全面的に見直し、新たな推進計画として策定 3 計画期間 令和2年度から令和11年度までの10年間 4 計画の「理念」・「目指すべき姿」 (1)理念 社会的養護が必要な子どもたちに加え、養子縁組成立や家庭復帰後を含めた家庭で生活する子どもたちが、生まれ育った環境によらず、家庭や家庭と同様の環境において、健やかに育ち、自立できるよう、状況や課題に応じた養育・ケアを行います。 (2)目指すべき姿 第2章 東京都の状況 代替養育を必要とする児童の里親等への委託を推進するとともに、個別的なケアが必要で、施設で養育が必要な児童のため、施設の定員数も十分に確保する必要。 第3章 東京都における具体的な取組 1 家庭と同様の環境における養育の推進 (1)里親制度の普及、登録家族数の拡大、委託の促進 (2)里親に対する支援 一貫性・継続性のある里親支援体制を構築(フォスタリング業務の包括的な民間機関への委託) フォスタリング業務とは里親のリクルート・アセスメント、里親に対する研修、子どもと里親のマッチング、里親への支援等 (3)特別養子縁組に関する取り組みの推進 2 施設におけるできる限り良好な家庭的環境の整備 (1)施設の小規模化・地域分散化の促進 家庭的な養育環境(グループホーム等)での養育を推進 (2)ケアニーズが高い子どもに対する専門的なケアの充実 入所児童のケアの充実のための施設職員の配置増・負担軽減 (3)施設の多機能化(里親家庭の支援、一時保護児童の受入等) 3 社会的養護のもとで育つ子どもたちの自立支援 ジョブトレーナーの充実、高校在学中の学習支援の充実等 4 児童相談所の体制強化 (1)児童相談所における人材の確保及び育成 児童福祉司等の更なる増員、業務の負担軽減 (2)中核市・特別区の児童相談所設置に向けた取組 5 一時保護児童への支援体制の強化 一時保護所における児童への日常的な支援の充実、生活環境の整備 6 子ども・子育て家庭を支えるための取組 (1)当時者である子どもの権利擁護の取組 (2)在宅で生活している子どもや家庭に対する支援体制の構築 7 計画の進捗管理と見直し 毎年度、実績を把握し「東京都児童福祉審議会」に報告、公表 中間年を目安として、必要に応じて、計画を見直し。