第1回 世田谷区子ども・子育て会議(書面開催) 議事録 日時:令和2年5月28日(木曜日)から6月4日(木曜日)まで 資料: 資料1 新規開園(認可)施設等の確認にかかる利用定員の設定について 資料2 児童相談所の運営状況等について 資料3 保育待機児童等の状況について 資料4 今後の保育施設整備の進め方等について 資料5 認証保育所への支援(1歳児受入促進事業の活用)について 資料6 家庭的保育事業等の認可等について(報告) 資料7 東京都による緊急事態措置を踏まえた社会福祉施設等の対応について 資料8 世田谷区子ども・子育て会議委員名簿 資料9 世田谷区子ども・子育て会議条例 冊子等新任委員配布資料 ・世田谷区子ども計画(第2期)後期計画、同概要版 ・世田谷区子ども条例リーフレット ・せたがや子育て応援ブック 議事及び審議結果 1新規開園(認可)施設等の確認にかかる利用定員の設定について 【審議結果】  審議内容について、承認する。 委員からの意見及び質問 アレルギー対応の「なかよし給食」などの取組みをやっている法人について、区でどのような保育が行われるか、楽しみだ。 委員からの意見及び質問 一部、やや拡大傾向の法人もあるため、少し気になる。株式の参入がないことはよい。 委員からの意見及び質問 企業主導型保育について、本会議での確認が不要なのはわかるが、可能な範囲で情報提供してほしい。 委員からの意見及び質問 定員は、保育事業から事業者の経営判断で設定しているのか。全体の保育ニーズの中で、認可面積の最大値の中で設定しているのか。 事務局: 定員は、整備候補地の面積や周辺の整備状況、またお話のとおり経営の側面から法人で運営できるかなど、総合的に判断している。年齢別の構成は、保育事業者の提案をもとに、区と調整しながら、決定しています。 2情報提供 (1)児童相談所の運営状況等について 意見及び質問 学校及び保育園等が休業していたことにより、通告件数との関連はあるか。 事務局:  この間の通報では夫婦喧嘩や泣き声通告が多くなっている状況です。一方、学校等からの通告件数が休業等により少なくなっており、相談件数そのものが日々顕著に増えてはいない状況です。 意見及び質問 通告者と通告時間帯で、特徴があるのか。あるとすれば、その層に合わせた対応や対策を検討する必要がある。 事務局: 通告者と通告時間については、際立った傾向はみられません。しかしながら、在宅ワークで昼間に家にいて泣き声に気づき、通報したという事例が見られました。 引き続き通告件数、内容、時間等について、検証・分析に努め、必要に応じて問題の早期発見・早期対応のための対策等を講じるよう努めてまいります。 意見及び質問 社会的養育推進計画の策定にあたり、区内施設等へのヒアリングを実施し、実行可能な目標値、課題、区独自の職員配置基準の定義等、積極的な姿勢が求められる。 意見及び質問 区として注力してきた児童相談所業務が無事に進められており、安堵した。都の機関であった時と比較し、連携等の状況に変化はあったのか。よい点や課題等、可能な範囲で教えてほしい。 事務局: 児童相談所が区に移管されたことで、子ども家庭支援センターと共通のアセスメントシートを用い、役割分担をして、虐待・通告に対応しています。また、毎月合同会議を行うなど、連携を強化しております。都との関係においても、職員派遣や都区合同会議での意見交換を通じ、引き続き運営支援の協力をいただいています。 引き続き、連携の状況や課題の把握に努め、区ならではのメリットを最大限発揮できるよう努めてまいります。 意見及び質問 外出自粛要請を踏まえた児童の生活状況等の実施機関による確認について、私立幼稚園も含まれているのか。区立・私立問わず、福祉的な配慮が必要な子どもはいるはずなので、何らかの連携ができるとよい。 事務局: 私立保育園につきましても確認の実施機関に含まれております。引き続き、配慮を必要とする児童に対して連携して支援にあたるよう努めてまいります。 意見及び質問 外出自粛要請を踏まえた児童の生活状況等の確認方法について、電話連絡だけでは保護者がどのようにでも答えることができるため、不安がある。自宅を訪問することができない中で、どのように対応していけばよいか、より具体的に考えなければならない。そのためにも、他の自治体の児童相談所と情報交換するなど、新しい取り組みが必要になるのではないか。 事務局: 今回の取組みも踏まえたうえで、他自治体の取組みなども参考にしながら、確認方法の工夫に取り組んでまいります。 意見及び質問 東京都社会的養護推進計画の概要には記載がなかったが、子どもが里親委託や施設入所した後に、子どもの保護者に対する支援が、今後、より一層必要になってくる。保護者に対してのネットワークによる支援と合わせて、子どもを育てる主体となるための親としての支援等も含まれる。親自身が厳しい幼少期を過ごした場合、時間がかかると同時に、子どもを親元に戻す際の判断も慎重に行う必要があるが、里親委託の拡大のみでは早晩量的な対応は難しい。子どもと親との良好な関係を保つ、立て直すことができると、望ましい。 意見及び質問 里親委託であっても、児童相談所と里親の協力に加え、里親と保護者が出会い、協力しながら育てていく、最終的には親元に戻していくことを見据えた支援が必要になる。 (2)令和2年度保育待機児童等の状況について 1 保育待機児童等の状況について 意見及び質問 待機児童がゼロになったのは、区のこれまでの努力の賜物と考えるが、あくまでも国定義の数値であり、周辺施設に空きがあっても入所していない申請者には、施設の保育の質への懸念等はないのか、さらに細かくみていく必要がある。また、新型コロナウイルス感染症の感染を恐れて家庭保育を選んだ人たち、入園選考が厳しくなければ保育園等を利用したいと考える人たちの潜在ニーズも、やがては顕在化してくるものと考えられる。 意見及び質問 感染拡大防止のために保育園への登園自粛に協力している家庭からは、子どもにとって、保育園での生活がいかに欠かせないものであったか実感したとの声も聞かれる。本来であれば、希望する全ての家庭と子どもに広く保育を提供すべきとの論もある。国定義の待機児童ゼロは通過点であり、質を確保した保育を、様々な子育て家庭に幅広く利用してもらえるような子育て支援を目指し、引き続き、量的・質的な整備に努めていくことが必要と考える。 意見及び質問 首都圏は、認可・認可外を問わず、保育の質の格差が大きくなってきている。世田谷は、区による保育の質の確保の努力が功を奏しているとみているが、まだ不十分な施設は存在している。幼児教育無償等により、認可外も含め様々な施設に公費が支払われるようになっており、公費で運営される以上、あるいは、認可保育園に通えない児童を通わせる以上、行政は、保育の質に責任をもつ必要がある。現場に問題がある場合には、事業者との対話、事業者の質の見極め等も行う必要がある。 意見及び質問 区の施設整備の取組みにより、前倒しで待機児童ゼロが実現できたことは、素晴らしいことだ。ただ、実際に区内の新規の保育園を訪問すると、一部には、「保育の質ガイドライン」を全く守れていない園もある。子ども・子育て会議の委員として、実際に保育をみて、意見をするような機会がぜひほしい。 意見及び質問 どこの保育施設にも入ることができない児童は少なくなっているが、家から近く、希望する保育園に通えている児童は、増えていないように感じる。より一層の定員増加と、希望する保育園に入園できるようになれるとよい。満足度の調査をしてもよいと思う。 意見及び質問 実態として、マッチングの問題が生じているケースは少ないので、丁寧な聞き取り、庭園希望等をきちんとヒアリングしてほしい。一度入園が決まると、入園金も支払ったし、子どもの環境を変えたくないという家庭も多い。決して、喜んで入園したわけでもない家庭もある。認可保育園に入園することができないから、認可外保育園への入園を決めたのに、その家庭の数が、待機児童のカウントから外れるのは、本末転倒だと思う。 2 今後の保育施設整備の進め方等について 意見及び質問 新規の施設整備においては、職員の確保と育成が必要だと思う。成功事例と困難事例があれば、可能な範囲で教えてほしい。 事務局: 区の保育運営事業者募集要項では、施設長および主任については、社会福祉事業における経験が豊富で、マネジメント能力の高い方を確保していただくことを条件に事業者を募集している。現在、職員の確保については、すべての法人が難しさを抱えている。特に地方の法人の場合、人員確保が困難とならないよう提案段階から東京での採用計画のみではなく、可能な限り現在運営している園からの異動をお願いしている。ただし、現在運営している園の運営もありますので、そのバランスが難しいと感じている。経験豊富な施設長や主任に就任していただいた園では、新規園の運営が当初から円滑に行えている一方、新規職員や様々な法人を経験してきた職員により運営せざるを得ない場合だと、職員同士の連携が難しいといった例がある。 区では、開設前と開設後に新規施設の施設長と主任を対象に研修を実施するとともに、開園後も様々な研修や巡回支援を通じ、円滑な園運営を支援している。 意見及び質問 「保育の質ガイドライン」を満たしていくよう、区立保育園、認可保育園、認証保育園に対して、一層働きかける等、保育の質を確保する動きへシフトすることを期待する。 3認証保育所への支援(1歳児受入促進事業の活用)について 意見及び質問 認証保育所が1歳児受入れのインセンティブを高め、育児休業からの復帰に伴う1歳児ニーズに対応するためにも、1歳児受入れ促進事業を活用し、対応してほしい。 意見及び質問 認証保育所の空きの利用を推進していくとのことだが、質の向上と、できる限りの認可移行も検討するべきである。 意見及び質問 保育の定員数を0歳児から1歳児に振り分けるために、認証保育所の補助金単価差を補給する仕組みを構築したこと、迅速であり政策的にうまく誘導できることと期待する。 意見及び質問 認証保育所へのうながしは、補助金を増額して取り組むとのことだが、増額にあたっては、何らかの条件を作り、あらためて、質のチェックをしてほしい(審査時ではなく、今の運営実態をきちんと把握してほしい)。 (3)東京都による緊急事態措置を踏まえた社会福祉施設等の対応について 意見及び質問 おでかけひろばの休止措置により、支援が必要な家庭や児童に手が届かなくなることが心配。保育園と同様に、おでかけひろばも、支援の必要な児童の受け入れが必要だと思う。定員を決める、開所日と時間を縮小するなどして、BCPの観点から、各事業者に何をどこまでできるか、事前調査をしてみてはどうか。 意見及び質問 コロナ渦においての子育て支援の在り方について、振り返りも含め、検討する場を設けてほしい。子育て支援については、審議事項に入ってこないので、子ども子育て会議で検討する機会が少ないことが懸念される。 意見及び質問 保育所での感染症対策について、登園自粛中は可能だったが、宣言解除で通常の人数の子どもが来るようになると、実施するのが難しい項目もある。例えば、一カ所に集まることがないように、という配慮も現実的ではないし、給食中に対面しないように、話をしないように、といった配慮も、幼児では難しい。また、職員のマスク着用については、夏場は非常に辛く、熱中症の恐れもある。緊急事態宣言中のガイドラインとは別に、より現実的なガイドラインを作るべきではないか。 意見及び質問 保育園の登園自粛に際して、育てにくさや、しんどさが増した家庭について、週に数日登園など対応した園とまったく受け付けない園があり、また、申し出てよいのかどうかもわからなかった家庭も多い。今後、エリア内のそういうご家庭について、法人を超えて受け付ける、緊急一時保育的に入園していない児童(在宅、幼稚園児等)を受け入れる仕組みづくりなども検討してはどうか。災害時などにも活用できると思う。 意見及び質問 学童クラブについて、自治体によっては、臨時休校中、学校の教室や校庭を朝から放課後児童クラブが使えるようにしたり、授業時間帯は教員が教室で子どもを受け入れたり、教員が放課後児童クラブの手伝いをする、といったことがあったが、世田谷区において、3月の臨時休校開始から宣言解除までの間、子どもの受け入れに関して学校はどんな協力・支援を行ったのか、宣言解除後、学校はどんな協力をする予定なのか。 事務局: 3密を避けるために、学校の教室や校庭を使いながら、学校の協力のもと、各家庭の状況を伺いながら、すべての学童クラブでお子さんを受け入れています。 運営にあたっては、宣言後も、引き続き、区内の学童クラブや学校の運営状況、お子さんの受入人数など、日々、状況も異なるため、感染予防と安全を第一に、各学童クラブで工夫しています。 意見及び質問 学校での授業のライブ配信について、第4段階で具体的にどうやるのか(小学校1年生から中学校3年生まで、だれでも利用でき、すべての授業で実施するのか)。分散登校についても、ライブ配信という選択肢があれば、登校を控えることができ、かつ登校しなくてもクラスとのつながりや学習の遅れを心配せずに済むと思う。タブレットの配布をすでにしている世田谷区であれば、現段階ですでにライブ配信は可能であると考えられる。早急にライブ配信を実施すべきではないか。 事務局:  詳細の検討が進み次第、保護者あてに周知を図る予定です。 意見及び質問 休校および分散登校の期間中において給食が提供されておらず、特にシングルや低所得世帯の子どもたちの栄養状態が心配である。フードパントリー等、区民の自発的な動きはあるが、学校現場においても適切な支援につなげられるようにしてほしい。 意見及び質問 多くの学校でのイベントが中止となっており、今年度の自然・文化体験の質・量ともに減少することになる。一定の所得がある家庭は、代替の経験を行うことも可能だが、それが厳しい家庭もある。学校・生徒からのヒアリングをもとに、次年度以降、区における自然・文化体験の運営事業の枠を新設・増設する等、代替手段も検討してほしい。 3その他 (1)家庭的保育事業等の認可等について 意見及び質問 4月から無認可保育園のチェックも、区の役割になったが、どのように監査していくのか。その際のフローや、東京都からの引継ぎ状況などを示してほしい。 また、ベビーシッター等の質についても、同様に、区のチェック体制やガイドラインなどが示されているのか、教えてほしい。 訪問型について、一度、部会等で実態把握や検証、ファミリーサポートの体制検討など行ってもよいのではないか。 事務局: 認可外保育施設における質の確保に向けての取組みは、区で定めた指導監督基準に基づき巡回指導と立入調査の両輪で実地の指導をしていきます。 施設の訪問にあたっては、過去の立入調査において改善が図られていない施設や現在苦情等が寄せられている施設を優先し、新規に開設した施設は、保育の実績を確認するため開設から6か月経過後、順次立入調査を実施していく。なお、東京都からの引継ぎは書類が中心であったが、法令の解釈やこれまで培ったノウハウなどがまとめられた資料の提供がありました。また、広域に展開する事業所への指導等については、連携して取り組んでいるところです。 ベビーシッターの質の確保については、情報開示の取扱いや実地指導の困難さ、国における明確な指導監督基準がないなどの課題がございます。 こうした中で区としては、今年度にアンケート調査を実施し、活動の実態把握に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響等も加味しながら子ども・子育て支援法に基づく集団指導の実施方法を検討するなど、ベビーシッターの質の確保に向けて取り組んでまいります。 以上