こまってない? だいじょうぶ? 子ども・家庭・学校・地域をつなぐ平成26年度の活動報告会  7月18日(土曜日)に、北沢タウンホールで26年度の活動を報告しました。新規相談件数は219件、25年度からの継続相談を合わせると252件の相談があり、187件が終了しました。委員と専門員の総活動回数は1,726回です。また、「せたホッと」が出した「通常学級での特別支援教育についての意見」について説明しました。「なちゅ」のカードを見てかけてくる子どもからの相談が全体の6割にもなり、「せたホッと」に相談してくる子どもが増えていることはうれしいことです。  今年は、元中学校教員で、つる文科大学教職支援センター特任教授のみやしたさとし先生に講演していただきました。「子どもたちは『いじめはいけないこと』と教えられ、十分知っているのに、なぜいじめをするのか?」「子どもがいじめを受けているとわかったら、学校に抗議ではなく事実確認をしよう。子どもがいじめをしているという連絡が学校からあったら、なにか理由があると考る」、「保護者は子どもに対してあるべき姿を求めるのではなく、あるがままの姿を受け入れること」、「学校ではいじめを教育の課題にすること」などの大変興味深いお話でした。  特に印象に残ったのは荒れていたクラスを立て直したお話です。いじめについてクラス全員に意見を書いてもらい、それを匿名にしてプリントに打ち直し、クラス全員に配布するということを繰り返すことによって、クラス全員が次第にお互いの気持ちを理解したり、どう変わっていきたいかを話し合うことができ、やがて笑顔いっぱいのクラスに変わっていったというお話でした。「子ども自身が自分で考えて行動できることは、すなわち子どもの権利がまもられていることだ」というお話も印象的でした。 ネットやスマートフォンに関する相談が増えてきています。ネットによって、いろいろな人と交流ができるようになり、とても便利になりました。その一方で、いじめや詐欺にネットが利用されたり、名前などの個人に関する情報やヒミツにしておきたかったことが、ネットを通して広まってしまうなど、子どもたちがトラブルに巻き込まれることも多くなってきました。「せたホッと」にもいろいろな相談が来ています。 悪口がサイトに書き込まれているのを見つけて悲しかった。ネットで知り合った人とメッセージの交換をしていたけど、有害サイトにつながってしまった。名前とか住所、学校が知られてしまったのではないか不安。変なサイトにつながってしまって、「お金を払え」というメールがずっと届く。こわい。相手を傷つけてしまったみたい。口をきいてくれない。会って話しているときはダイジョウブなのに、文字で言われてすごくショックだった・・・ メールなどのコミュニケーションは、文字を中心とするため、何度でも読み返すことができる一方、書き手の気持ちを伝えることが難しいといった特徴があります。そのため、グループや友だち内でトラブルになってしまったという相談も多く寄せられています。 今後ますます、ネットは生活にかかせない存在になっていくと思われます。そこで、自分や友だちをまもりながら安全にネットを使えるよう、スマートフォン(スマホ)を例にとって、その利用について考えていきましょう。 Q1 友だちのにゃんこの寝顔がおもしろいので、おもわずスマホで写真をとったよ!さて、どうしよう? 1なかよしの友だちだけが見られるところでみんなで共有する  2ないしょにしてひとりで見て楽しむ 3にゃんこに写真を送る 4誰にも見せずにすぐ消す 考えるポイント 1友だちに見せて、転送されたりして広がってしまうと画像を全部消すことはとても難しくなりますね。 2自分が知らないときにとられた写真をないしょで楽しまれていたら、どんな気持ちになりますか? 3自分の寝顔って人に見られるのけっこういやですよね。 4おもしろい写真と思っても、相手がいやがるかもしれないものは、すぐに消したほうがいいですよね。 Q2 「メールアドレスを変更しました」というメールが届きました。 ところが、差出人の名前が書いてないので誰からのメールかわかりません。 返事をする?しない?  1「にゃんこだけど、誰だかわからないよ」と返事をする 2「誰ですか?」とだけ返事をする 3誰なのか気になるけど、返事はしない 考えるポイント 1もし、相手が詐欺などを目的としている場合、あなたの名前という個人情報がわかってしまいます。 2あなたをだますため、友だちのふりをしたメールや迷惑メールがたくさん来てしまうかもしれません。 3誰なのかわからないのはとても気になりますが、知らないメールアドレスや友だちかどうかわからない場合、 4返事をするのはキケンがひそんでいます。本当の友だちだとわかってから連絡するのが安全です。 Q3 友だちのくまおは「緊張する!」が口癖。試合の前も「緊張する!」と言っているけど、誰よりもうまくてミスも少ないので、いつも「エースのけんそん」「また出た!」などみんなで盛り上がっています。ラインにくまおから『今日の試合悔しかったね。パスミス多くてごめん。緊張しちゃった・・・。』とメッセージ。いつもの調子で『それいつも言ってるじゃんw』と返信したら、その後、既読になったのに返信が来なくなっちゃった。また冗談かと思ってたけど、もしかして本当に気にしてたのかな?怒ってる?どうしたらいいんだろう。 1LINEのグループの中で、「あれ?くまおどうしたの?」と呼びかけてみる 2とりあえず様子を見るということで何もしない 3会って話をする 考えるポイント メッセージのやりとりは声の調子や表情が見えないので、相手に間違って伝わってしまうことも。今回のようなあいまいな表現だと「また出たー。気にしない(笑)」なのか、「私がいつも注意しているのにパスミスして」という非難なのかわかりづらいことがあります。 メールを送る前には、読んだ相手がどう思うか考えてみるといいですね。話し言葉よりもつよく伝わってしまうこともあるので、責められたと感じているのかもしれません。 文字だとさらなる誤解を呼ぶかもしれないので、できるだけ早く、会って話すのがいいかもしれませんね。 注意、答えはここには書いてありません。友だちや家族や先生と一緒に考えてみてください。 8月19日(水)には「せたホッと」で「知ろうスマホトラブル&ストラップ作り」ワークショップを開きました。(出前講座のご要望があれば相談してください) 子どもにはまもられる権利、大切にされる権利があります。おとなでも子どもでも、この権利を侵害してはいけません。 これまで相談してうまくいかなかったことも「せたホッと」に話してみませんか。(自分のことでなくても大丈夫です) 秘密は必ず守ります。※お金はかかりません 電話番号はフリーダイヤル、0120-810-293です