令和元年8月26日 世田谷区認知症施策評価委員会 午後7時開会 ○佐久間委員 定刻になりましたので、世田谷区認知症施策評価委員会を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。私は、事務局の世田谷区高齢福祉部介護予防・地域支援課の佐久間と申します。議事に入るまでの進行をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、開会に当たり高齢福祉部長の長岡より御挨拶を申し上げます。 ○長岡委員 皆さん、こんばんは。高齢福祉部長の長岡でございます。本日は、お忙しい中、また夜遅い時間にお集まりいただきましてまことにありがとうございます。  さて、世田谷区では、今年4月1日現在、人口が91万人を超えました。65歳以上の高齢者の方の人口につきましては18万3,000人、高齢化率でいきますと20.1%という状況になっております。また、同じく4月1日現在で、要介護、要支援と認定された方が約4万人いらっしゃいます。このうち、何らかの認知症の症状があり、支援が必要な方が約2万3,000人という状況になっております。ちなみに去年に比べて1,000人ぐらい増えている状況です。今後も65歳以上の方の人口が増えるとともに、認知症になる方も増えていくことが予想されており、認知症になっても誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりを目指している世田谷区にとりましては、認知症の在宅支援の充実は欠くことのできない課題であると認識しているところでございます。来年の4月には、いよいよ梅ヶ丘拠点の区複合棟に認知症在宅生活サポートセンターが開設します。本日は、その準備状況を含めた認知症施策の状況や、条例の制定に向けた検討もしておりますので、それらの御報告をさせていただきたいと考えております。  委員の皆様方におかれましては、認知症の在宅支援施策の充実に向けまして、日ごろの御研究や御活動に基づく見地から活発なご意見を賜りたいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 ○佐久間委員 委員の皆様につきましては、世田谷区認知症施策評価委員会の委員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございます。この施策評価委員会につきましては平成27年度より実施しておりますが、平成30年度からは、認知症在宅生活サポートセンターの運営協議会の位置づけとして開催させていただいております。任期は1年で、再任を妨げないものとなっております。また、今年度よりあんしんすこやかセンターの委員の人数を2名としております。これは初期集中支援チーム事業の委託法人の減少に伴い、3名から2名に変更しております。また、委員の中で、先ほどレビー小体型認知症介護家族おしゃべり会代表の加畑委員から、今年度に本会が解散となりますので、今年度をもちまして御辞退というお話がありました。また、家族会の代表委員につきましては検討させていただきまして、新しい委員を迎えさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、今年度新たに委嘱されました委員を御紹介させていただきます。なお、新たな委員の委嘱状につきましては、恐縮でございますが、机上に配付させていただいております。  それでは、今回新しく委嘱されました委員を御紹介させていただきます。地区医師会代表としまして、世田谷区医師会理事の山形邦嘉様でございます。また行政より、先ほど御挨拶申し上げました高齢福祉部長の長岡光春でございます。北沢総合支所保健福祉センター保健福祉課長の柏原耕治朗でございます。そして私、介護予防・地域支援課長の佐久間と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  本日の出席委員について、でございます。上野委員、新里委員、坪井委員につきましては、本日別の御予定があり欠席でいらっしゃいます。会議は、設置要綱第6条により、委員の過半数かつ学識経験者1名での出席で成立という形でございますので、成立しております。  ここから議事に入りますので、大熊委員長に議事の進行をお願いいたします。 ○大熊委員長 かしこまりました。山形先生以外には既に御承知おきいただいている大熊と申します。議事を進行させていただきます。  それでは、まず資料についての御説明を事務局からお願いいたします。 《資料確認》 ○大熊委員長 では、最初の議事の世田谷区の認知症施策について、資料4と5について事務局から御説明いただきます。 ○佐久間委員 では、資料4−@をごらんください。世田谷区の認知症施策について御報告させていただきます。  区における認知症施策について、平成30年度の事業実績及び認知症在宅生活サポートセンターの準備状況について御報告させていただきます。  1、平成30年度事業実績でございます。認知症の早期発見、早期支援の取り組みとして、あんしんすこやかセンターでのもの忘れ相談窓口、認知症在宅生活サポート室による認知症初期集中支援チーム事業のほか、身近な場所で医師と相談できる全27カ所のあんしんすこやかセンターで行うもの忘れチェック相談会の地区型、医師の講話や個別相談会を合わせましたもの忘れチェック相談会の啓発型を実施してまいりました。また、平成28年度に開始しました若年性認知症を含む軽度認知症の人がみずから意欲的に参加できることを目指した認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業を実施し、3年間のまとめとして認知症当事者のための社会参加型プログラム開発マニュアルを作成するなど、認知症施策の総合的な推進に取り組んでまいったところでございます。  主な事業の平成30年度実績について御説明いたします。資料4−Aの「〜あんすこの風]V〜」の抜粋版をご覧ください。1枚おめくりいただきまして、ページ番号32ページになります。世田谷区の認知症施策につきまして、まず(1)もの忘れ相談です。平成30年度につきましては、実件数1,228件、延べ件数としまして9,429件の相談を受けております。月別相談件数については以下のとおりになっております。  1枚おめくりいただきまして、本人の年齢と性別でございます。本人の年齢別の実数につきましては、75歳以上の方が全体の約88%を占めております。年齢、性別、相談者につきましては、以下の図をご覧いただければと思います。  34ページは、主な相談内容となっております。相談内容で多いのは、多い順に、総合相談が約7割、そのほかに在宅療養相談等が続いております。相談の方法としましては、訪問による相談、または来所による相談、電話の相談となっております。  35ページをお開きください。相談時間としましては、30分以上60分未満が76%となっております。相談対応と今後の方針につきましては、相談継続及び、相談待ちといいますのは、相談は一旦終了したが、新たな相談事が生じる可能性があるため、必要時に再相談するように勧めたケースで、両方合わせて9割ぐらいとなります。  36ページ、認知症専門相談員の育成では、あんしんすこやかセンターに認知症専門相談員を1名ずつ配置しておりまして、その相談員の育成という形で、専門相談員の連絡会を年3回開催いたしました。そのほかに、認知症専門相談員の研修を年1回開催しております。  次に、37ページをご覧ください。認知症初期集中支援チーム事業でございます。@事業の目的としましては、認知症の高齢者や家族を対象に、看護師、医師等の専門職から成る認知症初期集中支援チームが定期的に家庭訪問し、6カ月程度集中的に支援を行うことにより、認知症に関する正しい情報提供や、認知症の進行や介護に関する心理的負担の軽減、医療や介護のほうにつなげるというような生活全般をサポートしていく事業を行っております。Aの訪問につきましては、訪問実数としては80件、訪問延べ数が477回で、80名に対して訪問回数は、平均6回行っておるという形です。Bチーム員会議も、会議回数を27回、検討延べ数については243件開催しております。Cこちらの事業の説明会・連絡会につきましては、以下のとおりになっております。D認知症施策評価委員会は、本日の評価委員会になっております。8月と3月にそれぞれ1回ずつ行っております。  38ページをお開きください。認知症家族支援です。@認知症家族会は、各総合支所におきまして、各総合支所保健福祉センターの保健師、あんしんすこやかセンターの職員がスタッフとなりまして、各総合支所で、年6回程度行っております。件数につきましては、延べ31回、参加者100名で、延べ175名の参加がございました。再掲としまして、家族のための認知症講座という形で、専門家をお呼びしまして、各総合支所1回程度、こちらの家族会で認知症に関する講座を開催しております。  39ページをおめくりください。A家族会の支援・家族会交流会で、区民団体等が主催している家族会の支援としまして、家族会交流会を年1回開催しております。昨年度は5月25日に12団体の方に参加していただきました。その中でいろいろな御意見をいただきました。B世田谷区介護者の会・家族会一覧も、家族会の皆様の御意見を伺い作成したものでございます。C認知症家族のための心理相談は、臨床心理士による個別相談を実施し、家族のケアを行っております。こちらも各総合支所で2回ずつ、回数としましては10回、相談件数としては18件ございました。相談内容の一部につきましては後ほど御覧いただければと思います。D家族介護者のためのストレスケア講座は、こちらも年2回、1回につきまして6回制の講座を行っております。春と秋に、それぞれ成城ホールと三茶しゃれなあどホールで開催させていただきました。参加人数につきましては、40ページの図を御確認いただければと思います。また、介護マークの配付なども行っております。  41ページ、認知症カフェの支援を御覧ください。認知症カフェの支援・認知症カフェ交流会も年1回行っております。認知症カフェ同士の交流を深めるとともに、何か御支援できることについて、御相談に乗らせていただきました。その中で、昨年度、「世田谷区認知症カフェ一覧」の作成と配布をさせていただきました。区内計40か所の認知症カフェを一覧にしたパンフレットを作成しまして、あんしんすこやかセンターや各総合支所の保健福祉課で配布するとともに、区のホームページにも掲載しております。  次に、認知症の知識の普及啓発を行っております。@認知症講演会を年2回行っておりまして、計97名の方に御参加いただいております。A若年性認知症講演会も年1回開催させていただきました。参加人数は18名となっております。また、随時行っておりますのがB認知症サポーター養成講座です。所要時間が60分から90分で、地域住民、企業、団体、学校等の要請により開催させていただいております。実施回数と参加人数につきましては43ページに掲載しております。30年度は、115回、3,539名の実績がございます。  44ページ、C認知症サポーターステップアップ講座につきまして御説明させていただきます。認知症サポーター養成講座を受講された方で、平成30年度からは、各団体の認知症カフェ巡回時にボランティアの受け入れ希望等を確認し、地域の見守りや支えあい活動の担い手となるよう受講者に情報提供をさせていただきました。講座後にボランティアの受け入れを希望する認知症カフェと、ボランティアを希望する受講者とのマッチングを行っております。ステップアップ講座につきましては2日制になっておりまして、30年度の受講者は12名で、2日間で延べ22名が参加されました。D認知症サポーターフォローアップ講座は30年度新規で開催したものです。こちらは認知症カフェとのマッチング後、認知症カフェの運営補助ボランティア等、実際行ったボランティア活動の情報共有や活動継続の支援等を実施しました。こちらは年1回、2月4日に5名の方に参加いただきました。Eキャラバン・メイト養成研修につきまして、認知症サポーター養成講座の講師役であるキャラバン・メイトの養成研修を区主催で実施しております。昨年11月7日に30名、あんしんすこやかセンターの職員や介護事業者等の御参加がございました。  45ページをおめくりください。医師による相談事業でございます。認知症が疑われる高齢者が早期に医師に相談できる機会をつくることにより、認知症の早期発見、医療による早期対応を図るため、24年度よりもの忘れチェック相談会と医師による訪問相談モデル事業を開始し、25年度からは医師による訪問相談モデル事業を医師による認知症専門相談事業として実施しております。もの忘れチェック相談会としまして、従来型としまして、各総合支所単位で1回計5回、1回当たり定員10名で50名として実施しておりました。地区型としまして、各地域1回から4回で計12回、1回当たり定員3名で36名です。また、講演会の後に簡単な認知症の気づきチェックをやっていただいて、御心配な方につきましては個別相談を行う形の啓発型を各地域1回ずつ、計5回行っております。実施結果につきましては、従来型につきましては、30年度は31名の参加がございました。地区型につきましては、30年度は相談件数が33件、啓発型につきましては、以下のとおり各支所単位で行っております。そのほかに、医師による認知症専門相談事業としまして、アウトリーチの事業を実施しております。あんしんすこやかセンターのもの忘れ相談やもの忘れチェック相談等から把握した、かかりつけ医がなく、かつ受診拒否や、本人の生活状況や家庭環境の把握に基づいた助言を行うことが望ましいとされました高齢者世帯につきまして、アウトリーチで相談させていただいております。昨年度につきましては、実施件数7件となっております。47ページに、実施しました対象者の概要と事業活用により得られた効果について掲載しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。  48ページ、うつ予防事業としまして、「高齢期をいきいきと過ごすために」というテーマで、高齢期におけるうつ予防についての普及啓発を図ってまいりました。30年度につきましては、三茶しゃれなあどホールで1回開催し、37名の参加がございました。  (9)認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業につきまして、若年性認知症の方の孤立防止や、その家族の介護負担軽減を図るため、若年性認知症の方が意欲的に参加できる軽作業やボランティア活動等を行うデイサービスプログラムを開発し、28年度から30年度まで5地域で各1か所の指定認知症対応型通所介護事業所において実施してまいりました。対象としましては、28年度は世田谷地域、29年度は玉川・烏山地域、30年度は北沢・砧地域で実施しました。  49ページ、プログラムの実施状況です。これに基づき開発したプログラムにつきましては、参考資料1としてお配りしております認知症当事者のための社会参加型プログラム開発手法マニュアルとして取りまとめをしております。こちらも後ほど御確認いただければと思います。また、一般の普及啓発活動としまして、講演会を年1回やっております。30年度につきましては、2月28日、「認知症とともに生きる希望宣言」として、76名の参加がございました。また、若年性認知症パンフレットを30年度作成いたしております。先ほどの認知症当事者のための社会参加型プログラム開発手法マニュアルの11ページ右下に若年性認知症パンフレットを掲載しております。こちらはあんしんすこやかセンター及び総合支所保健福祉センター保健福祉課等の窓口にて配付をして活用させていただいております。認知症当事者のための社会参加型プログラム開発手法マニュアルの作成・配付につきましては、今、御説明したピンクの冊子になっておりますので、後ほど御覧いただければと思います。  続きまして、資料4−@の2ページ下段を御覧ください。認知症在宅生活サポートセンターの準備状況でございます。平成30年度より、センターの開設準備室である認知症在宅生活サポート室におきまして、区と委託事業者による併行運営を開始しております。区と委託事業者は定期的に連絡会議を開催し、センター構想に基づく5機能の事業につきまして、センターホームページ開設及びセンター機関誌発行の準備等を今、着々と進めているところでございます。  今年度の取り組みとしまして、センター機能に係る事業につきましては、センター構想に基づいて計画どおり実施できており、令和2年度のセンターの円滑な開設に向け、確実な運営体制づくりをさらに進めてまいります。認知症サポーターのさらなる養成や活用、認知症カフェの未整備地区の開発等の支援に取り組み、誰もが安心して暮らし続けられる地域づくりを進めてまいります。認知症本人交流会の定期開催の準備と認知症の本人や家族による認知症施策の企画、評価への参画など、当事者の視点を重視した取り組みを進め、認知症施策を総合的に推進してまいります。  3ページ、別紙となりますが、世田谷区認知症在宅生活サポートセンター構想のスケジュールとなります。令和元年度につきましては、ほとんどの事業をセンターの委託事業者と進めてまいりまして、来年4月には全面的に認知症在宅生活サポートセンターとして開設する予定となっております。  私からの説明は以上でございます。 ○大熊委員長 御苦労さまでございました。この5つの機能に分類されていることは、ほぼ委託でやっていらっしゃると思えばよろしいですか。ちょうど今日は委託の責任者でいらっしゃる遠矢ドクターと永野管理者が見えていますので、今のをもう少し砕いて、やっていらっしゃることとか、困っていらっしゃることとか、こういうことをさらにやりたいというようなことをお話しいただければと思います。 ○遠矢オブザーバー ありがとうございます。昨年から認知症在宅生活サポート室として受託させていただいて1年少しが過ぎました。おかげさまで、当初のスケジュールにほぼ沿ったかたちで区からの委託が着々と進んでいると感じています。また、来年度からは、初期集中支援チーム事業の対象人数の拡充を予定しておりまして、それに伴って、新たな人員の増強も現在進めており、何名かは確定できている状況にあります。 ○永野オブザーバー 保健師の永野です。よろしくお願いします。  30年度の実績としましては、報告のとおり実施してきておりますけれども、今のところは、認知症サポーター養成講座としましては、30年度は認知症講演会と兼ねて開催をしておりますが、今年度からは認知症講演会も開催しつつ、別途、認知症サポーター養成講座のみの講座も開催しております。今年度は5つの地域で1回ずつ計5回開催することになっており、現在まで2カ所で開催ができております。これについては資料4−@の3ページ、別紙となっているところに、センター機能の機能5、人材育成機能のところに認知症サポーター養成講座が位置づけられており、令和元年度の内容が書いてあり、各地域年1回、計5回開催予定としているところでございます。来年度からは各地域2回の計10回に増える予定ですが、これまで70人定員で募集しましたけれども、1回目の参加者は50名ぐらいだったのですが、2回目が30名程度で半数弱の受講者になっております。区報やチラシを配布させていただいておりますが、集客がなかなか難しく、あんしんすこやかセンターでもそれぞれ何回か開催してくださっているので、重複している部分もあるかもしれないと思いながら、ここのところは苦慮しているところです。  他の事業につきましては、おおむね順調で、世田谷区の職員の方々に助言をいただきながら、何とか1年できたかなというところです。 ○大熊委員長 御苦労様でございます。初期集中支援チーム事業のお話ですけれども、かかりつけのお医者さんとか、あんしんすこやかセンターから初期の認知症の人について相談が来ないと、本来の初期集中支援チーム事業にならないのですけれども、その点はうまく組織化できつつあるのでしょうか。 ○遠矢オブザーバー もちろん、あんしんすこやかセンターとはかなりの時間をかけてこの事業を進めてきましたので、適切なケースと言ってはなんですが、それなりに選択がなされているように思います。ただ、やはり世田谷区でも認知症ケアに関するアウトリーチサービスというのは、唯一これが当たります。認知症の診断については、他の事業で、専門の先生がアウトリーチをなさるのはありますけれども、ケアチームとしてはこれしかないという現状の中で、やっぱり実際ケアに困っている、あるいはかなり認知症が進行して、ややもするとBPSD症状などが中心になって生活に苦慮されている方々、あんしんすこやかセンターが対応し切れないような比較的重度のケースということも少なからず含まれており、初期集中支援チーム事業プラス、認知症を患っての生活で苦慮されている方への対応チームというような位置付けになっているのかなと思います。それは全国のいろんな初期集中支援チーム事業をなさっているところとの交流もある中で、比較的全国的な傾向にあるようでして、必ずしも、いわゆる認知症の早期、初期というだけではないところが、私どもが対応している現状かなと思っています。 ○大熊委員長 今、あんしんすこやかセンターとはいろいろと協力関係があるということでしたけれども、医師のほうから患者さんが初期症状と思われるという連絡は、初期集中支援チームに入るのでしょうか。 ○遠矢オブザーバー やはりまずはあんしんすこやかセンターの認知症専門相談員さんのほうに生活支援の連絡相談が入っておりますし、そこで対応できるものはほとんどその段階で対応されることになります。そのため、そこを越えて初期集中支援チーム事業が必要なケースに関しては、あんしんすこやかセンターである程度選別して依頼が来ることとなっていますから、いわゆるかかりつけ医から直接というよりは、あんしんすこやかセンター経由で私どもに依頼がかかるというようなスキームになっている次第です。 ○大熊委員長 医師から、あんしんすこやかセンターに連絡をすることとなっているのでしょうか。 ○山口委員 そういうことですね。 ○大熊委員長 それから、認知症サポーター養成講座についてですけれども、私も、オレンジリングを幾つも持っていますけれども、実際に趣味的というか、認知症について勉強するために受講しますが、オレンジリングをもらっておしまいで、全然認知症サポーターになっていないという傾向が全国的にあるのですが、世田谷区はこれをうまく克服なさっているでしょうか。 ○永野オブザーバー 世田谷区では、認知症サポーター養成講座の後に、平成23年度から、認知症サポーターステップアップ講座を実施してきていらっしゃるので、さらに知識を膨らませる対応はできてきていると思いますが、認知症サポーターフォローアップ講座は昨年度から実施したばかりですので、地域でのボランティアとしての活動をうまく促すような仕組みがまだ出来ていないというのがあります。認知症在宅生活サポート室に認知症看護認定看護師がおりまして、千葉で仕事をしていたことがあるのですが、千葉県松戸市などは、認知症サポーターを別途命名して活動していただけるような組織をつくったり、ボランティアポイントのように活動に付加価値を付けているという話を聞いていましたが、世田谷区は認知症サポーターの組織や活動を支援するというところまではできていないのかなと思っています。昨年度の認知症サポーターフォローアップ講座のときに、認知症カフェのお手伝いは行ったのですが、継続支援まではできなかったので、その点が課題と思っているところです。 ○大熊委員長 どうぞ頑張ってください。村中委員はいかがでしょうか。 ○村中委員 御報告ありがとうございました。どんなに日々大変なのだろうと深く思い至りながらお話を伺い、皆さんの御苦労に心から敬意を表します。  先ほど長岡部長からお話のあった、認知症の方が2万3,000人というのは、多分高齢者の方の数でございますので、世田谷区の若い方の認知症というのは推計でどのくらいいるのかというのを、御承知でしたら教えてください。また、資料4−Aでございますが、若年性認知症の人が、本当に必要な人に必要な支援が結びついているのか、気になっています。資料4−Aの33ページで、もの忘れ相談の相談件数というのが、65歳未満の方が実数29名となっていまして、全体の相談の88%が75歳以上で、高齢者の方の問題というのは非常に大きいと思うのですが、45ページで医師による相談事業のところを見ますと、30年度は64歳以下の方の御相談がゼロになっています。42ページで、若年性認知症講演会もなさっていて、こちらも参加人数が18名ということになっています。世田谷区にいる若年性認知症の方に必要な支援というのが届いていて、相談に来なくても、事業所の理解があってお勤めができているということであればいいのですが、49ページの認知症当事者のための社会参加型プログラムの実施状況を見ましても、30年度は65歳未満の方が初めてゼロ人となっています。28年度は6名いらしたのが次の年に3名になって、今度はゼロとなると、その人たちが自分の身の回りでしっかり支援を受けていて、このプログラムに参加しなくても大丈夫というのであればいいのですが、他の市区町村では認知症というと高齢者の課題となっていて、若年性認知症であっても相談になかなか行きづらい、行ってもプログラムの中で自分の思うような支援が受けられなくて、その後に途切れてしまっているというお話も耳にします。世田谷区の場合はその点どうなのかというのを、もし御承知でしたら教えていただければと思います。 ○佐久間委員 では、事務局から御説明させていただきます。若年性認知症の方の推計としましては、国の推計値を掛け合わせますと、世田谷区では大体300人ぐらいとなっております。ただ、2号被保険者で介護認定を受けており認知症の診断名がある方につきましては、60人程度となっております。  認知症当事者のための社会参加型プログラムへの参加者につきましては、30年度はゼロ人となってしまっておりますが、発症したのが65歳未満の方たちが継続して通っているというケースもあり、65歳未満の方が新たに見つからなかったというところもございます。ただ、若年性認知症講演会につきましては、今年度開催した際には、もう少し多くの方に参加いただいておりましたけれども、やはり周知活動がなかなか難しく、チラシ等の配布だけでは集まりが悪いと事務局は思っております。何とかそういう対象の方々にこういう事業が行き渡るように何らかの周知活動、啓発等をしていけたらと考えております。 ○大熊委員長 資料5の話をしてもよろしいですか。ホームページの案がありますが、若年性認知症の人はサイトにアクセスしたりすることが割と多いようです。若年性認知症で有名な丹野智文さんは、診断された途端にインターネットにアクセスしたら絶望的なことばかり書いてあったので、目の前が真っ暗になったという話がありますけれども、このようなホームページが若年性認知症の方の救いになるようにできているのでしょうか。 ○佐久間委員 では、資料5につきまして御説明させていただきます。  来年度から認知症在宅生活サポートセンターが開設されますので、委託事業者のほうにウエブサイトの作成を委託しております。先日、打ち合わせにてこのようなデザインで進めていきたいという御相談がありましたので、皆様に御報告をさせていただきたいと思います。内容につきましては、遠矢先生のほうからよろしいですか。 ○遠矢オブザーバー 御覧いただいていますように、とても親しみやすいイラストを中心としながら、まずこのウエブサイトにアクセスすると、世田谷区のポリシーとして、すべての人に伝えたいことというキーメッセージが御覧いただけるようになっております。ここは非常に言葉を選びながら、世田谷はたとえ認知症になってもその人らしく過ごせるまちであるのだというメッセージを載せて、そのために認知症在宅生活サポートセンターもあり、区のいろいろな取り組みの御紹介につながっていくようなかたちになっております。全体的に非常にポジティブな印象ということを大事に、現在このウエブサイトのデザイナーたちと相談をしているところであります。  できるだけわかりやすいということをまず念頭に置いているのですが、サービスを探すというところに、今は入っていないのですが、「若年性認知症の方へ」というコーナーをしっかり最初から設けて、サービスにつながりやすくしていこうと計画しております。 ○大熊委員長 そのことも含めて、資料4と5について御意見、御質問のある方はどうぞお願いいたします。 ○佐伯委員 世田谷薬剤師会の佐伯と申します。いろいろと御尽力いただきまして、ありがとうございます。  まず、非常に初歩的な質問なのですが、ホームページの文字の大きさはどのぐらいでしょうか。若年性認知症の方でしたら文字がそう大きくなくても問題ないのかなと思う一方、やはり比較的中高年、高齢の方が見る可能性があるので、普通のホームページより格段に文字が大きくてもいいのではないかと思います。また、さきほど永野管理者がおっしゃった、集客が大変というところで、確かに区の皆さんが御努力をして資料をつくって配布していただいていると思うのですけれども、自分自身も反省をするのは、例えば自分のところは店舗併用住宅ですので、薬局をやりながら回覧板が回ってくるのですが、ついつい見るのを忘れるということがあります。何か良い方法がないか考えますと、我々薬局で言えば、我々もいろんな部門の協力をさせていただいているのですが、例えばチラシを薬剤師会に配布いただいて、イベントの前に薬局から患者さんにお知らせするとか、草の根運動みたいなもので、どれだけ効果があるのかはわからないのですが、やらないよりはいいと思いますので、余分がありましたらそのような御協力もさせていただきたいと思います。 ○佐久間委員 ホームページにつきましては、見やすさについて今後また検討させていただきます。なお、区のホームページのように自分で字の大きさが選べるような仕様にできますので、その点はまた認知症在宅生活サポート室と相談しながら、今後見やすいホームページを作成させていただきたいと思います。  また、チラシの配布等御協力いただけるということで本当にありがたく思っております。その節にはどうぞよろしくお願いいたします。 ○佐伯委員 ありがとうございます。若い人は生まれたときからインターネットがあるので全く問題ないと思うのですが、文字の大きさを選べるのもありがたいのですが、できるだけ何もしなくても文字が大きい仕様にしていただけるとありがたく思います。また、世田谷区の事業は膨大ですから、このホームページにたどり着くのも結構難しいのかなと思いますので、プロの業者さんと御相談をして、できるだけたどり着きやすいものをつくっていただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○大熊委員長 このごろは老老介護ですので、誰かパイロットスタディー的に老老介護中の方に見てもらうのはいかがでしょうか。しかし、やはり字を大きくする仕掛けがあるということを知らないこともありますので、ぱっと見ても大きい文字がいいかなと私も思いました。  それから今、薬剤師会が窓口にチラシを置いてくださるとのことですが、医師会や歯科医師会の先生方も、チラシを置く御協力をいただけるということを今日約束していただけますでしょうか。佐伯先生の御提案が広がっていけばと思います。ありがとうございました。 ○渡辺委員 たから居宅介護支援、ケアマネジャーの渡辺と申します。  全般的なことかもしれないのですが、今ウエブの話をされていましたので、最近、認知症カフェなどいろいろなところにかかわっていて感じるのが、やはりかなり初期の段階、認知症の診断がつく前にどうしようという方、もしくは認知症と診断を受けたけれども、まだ仕事ができるのに仕事をやめなくてはいけないことで悩まれる方も増えています。大熊先生がおっしゃったように、丹野智文さんのように恵まれた環境ですと仕事ができますが、多くの方は仕事を諦めざるを得ない。そのために、この認知症当事者のための社会参加プログラムなどが開発されていると思うのですが、ちょっと疑問に思った段階で相談ができる窓口とか、その方たちをつなげるためのツールが多分ないようなイメージがあるので、ぜひそういったツール、認知症当事者のための社会参加型プログラムとか、当事者になる前の方が仕事を続けるためにどうすればいいかという社会資源や、もしくはそういった方々を受け入れてくれる企業を育てる取り組みについても、お願いしたいと思います。認知症サポーター養成講座も含めて、そういった視点でも実施していただけるといいなと感じました。 ○佐久間委員 認知症にかかわる普及啓発活動は本当に日ごろからやっていきたいと考えております。御提案のありました企業等については踏み込めておりませんが、そういう点も含めて、区といたしましても普及啓発活動には取り組んでまいりたいと存じます。貴重な御意見をありがとうございます。 ○西田委員 全般的なところになりますが、様々な講演会が様々なかたちで世田谷区にて催されていたり、研修会もなされていたりしますが、ここは施策評価委員会だと思うのであえて申し上げますと、事業を実施して、結果、どういうアウトカムが改善していて、目的を達したのかというところについて検証していく必要があると思っています。例えば講演会の参加者数はカウントされますが、参加者はどういう方々なのかということだとか、本当に情報を求めている方は、当事者の方で御高齢な方はともかくとして、周辺の方々はインターネットでたくさん情報を調べて動かれると思いますので、フェース・ツー・フェースのローカルな講演会は、どういう方を対象に、どこにつなぐために発信しているのか、というところをかなり整理する必要があるのではないかと思います。講演会の必要性などをより評価できるように、どなたがどういう動機で参加されていて、こちらの意図とマッチングしているかどうかということを検証していく作業は必要だと感じております。施策評価するための情報をさらに集めていただいて精査する必要があるということです。  次に、相談という段階に入ってきたときに、あんしんすこやかセンターにたくさん相談が入っているということですが、70%を占める総合相談というものの内容は具体的にどういうものなのかということですね。結構な数がここに相談に来るわけですから、ここが本当にきちんと機能しているのかどうかということを、恐らく個々なりで施策的に評価すべきだと思います。総合相談に来た人たちがニーズが非常に満たされたのかということですけれども、どのような項目でこの人たちのフォローアップ、情報のフォローをしているのか、あんしんすこやかセンターのサービスによってそれらは満たされているのかということを、誰がどのように評価しているのでしょうか。例えば相談した人たちを一定数ランダムに調査して、相談した甲斐はあったのか、ニーズは満たされたのか、検証する必要があるのではないかと思います。また、初期集中支援チーム事業だけでは対応できないボリュームだと思いますので、このように、あんしんすこやかセンターの相談に来た方々が診断後どれくらい経過しているか、またそもそも診断なり、医療機関を受診することを迷われている方なのか、どういうステージにおられて、どういうニーズと困りごとで相談に来ているのかということを、かなり詳細に分析していく必要が相談の入り口としてあるのではないかと思います。その情報があれば教えていただきたいのと、もし不足しているようであれば、今後のその情報の積み上げや整理の改善というところについて、お考えをお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○佐久間委員 まず、1点目の講演会や研修会の評価につきましては、今のところ認知症に対する知識というのが全般的に足りない部分もございますので、その周知も含めて、区では講演会や研修会を実施させていただいております。実施した場合には必ずアンケートをお取りしまして、次回の参考とさせていただいており、アウトカム評価まではしておりませんが、どのような人たちが、どのような目的で来ているのか、また、どのようなことが聞きたいのかというアンケートでいただいた声を、次回の講演会や研修会につなげているのが現状です。ですので、先生がおっしゃるとおり、1回1回の評価をきちんと行っていき、全体としての講演会や研修会にうまくつなげていきたいと思います。  もう1件のあんしんすこやかセンターの総合相談としましては、介護保険全般であったり、見守り支援だったり、または医療につながっていない方につきましては、専門医の御紹介など、まずはその方が地域で生活していくうえで必要なものは何かということを総合相談で受けております。主には、やはり介護支援についての相談であり、困りごとや、家族、また御本人に必要なことついて、うまく生活ができるように相談に乗っていると区では認識しております。  あんしんすこやかセンターでは、具体的にはいかがでしょうか。 ○内藤委員 実際、本当にその方その方の状況によって違いますが、介護保険の申請だったりとか、何か1つの情報提供というよりは、例えば御家族だとすると、診断を受けた後の迷いだったり、介護をしていく中での大変さだったりとか、どうしたらいいかわからないというところから、かかわっていく中で、多分継続だったり30分以上だったりという長い時間の相談が、この中の総合相談に入っていると思います。そのうえで、来所だけではなく訪問したり、何かわからないところから少しずついろいろな問題点につなげていったり、場合によっては家族会や認知症カフェなど、地域の資源につなげていくようなかたちで、1つ1つのことが大枠で総合相談となっていると思います。 ○西田委員 ありがとうございます。恐らくニーズアセスメントをここでできるのではないかと思います。既存のサービスや資源につなげてニーズを満たすことができるものと、既存のものではニーズが満たしにくいものが恐らくあると思いますが、例えばそういうものをきちんとプールしていって、世田谷区では今後どうしたらカバーできるのかということができると、この相談がニーズの集約にも役割を果たしていけるのではないかと思います。総合相談という内容について割と丁寧に1つ1つ分析していくということは、非常に大事なことではないかと改めて感じております。 ○大熊委員長 あんしんすこやかセンターの管理者の佐藤さんは、何か御意見はございますか。 ○佐藤(恭)委員 今、介護保険という制度があるので、相談に来られた御家族、御本人の多くはやはり介護保険の申請ということにつながっていく方がスタンダード、多いことは多いです。けれども、今の制度になかなかつながらないとか、苦労しているという部分でいけば、まさに初期集中支援チーム事業の部分にもなるのですが、御本人様がそのサービスのルートに、こちらが思うようにはなかなか乗れない方々が結構な数いらっしゃいます。御本人もそうですし、御家族もそこで困り、もちろんサービスはあるけれどもそこにつながらない。あるいは、先ほどのお話にもありましたが、まだまだ元気でデイサービスには馴染まないという方です。私たちとしては、認知症があっても得意な分野を生かせるところと思うのだけれども、ボランティアではだめなんですよね。介護保険を使っていなくても、やはりある程度の専門的な見守りがある中でできるような、こういった認知症当事者のための社会参加型プログラムもありますが、その点が苦労してみんなが悩んでいる部分の1つかなと感じています。 ○大熊委員長 ありがとうございます。それから、講演会のアンケートというのは、どこでも、「よかった」「普通」などというのでおしまいですので、特に認知症サポーター養成講座などは、どんなことを実行しようと思うかという項目も入れておかれたらいいかなと、ふと思いました。  それでは、資料6の御説明をお願いいたします。 ○佐久間委員 では、資料6、令和元年度第1回「認知症とともに生きる本人交流会」の御報告をさせていただきます。  本交流会の目的・ねらいですが、認知症の本人がみずからの体験や思い、必要としていることを語り合う場を開催し、意見を聞き、生活支援ニーズ等を把握することにより、本人の視点を重視した支援や地域づくりに生かすことを目的として開催をさせていただきました。  対象者としましては、認知症の本人で、みずからの体験や思い等を話すことに意欲的である区民、家族や友人等、本人が交流会に参加することを支援するパートナーです。  内容としましては、認知症の本人同士が自分の体験や思い、意見、提案等を主体的に発言できるような交流会とし、企画委員を設けて、交流会の準備や当日の会の運営を事務局と一緒に認知症の本人の方も企画いたしました。また、本人が安心して参加できるよう、認知症の本人だけでなく、家族や友人等のパートナーの参加を可能としております。  周知としまして、認知症本人(企画委員)とともに作成したチラシを、ケアマネジャーを通じて個別案内させていただきました。  実施日時は、令和元年8月1日午後2時から3時半です。  実施場所は、三軒茶屋の三茶しゃれなあどホール5階です。  参加人数としましては、認知症当事者が4名、50代から80代の方で、男性1名、女性3名の御参加でした。御一緒に、家族の方2名と、パートナー、ケアマネジャーやあんしんすこやかセンターの職員が6名参加しております。  当日の内容としまして、簡単な自己紹介、ニックネーム、出身地等、好きなかき氷は何味か、というところから始まりまして、日頃の生活状況、「〜住みやすい世田谷を目指して〜私がやりたいこと、楽しみにしていること」などについて話し合いました。また、終了後にアンケートを記入していただきました。  実施状況等としまして、和やかな雰囲気で参加者は終始楽しそうに参加をされておりました。認知症の症状の進行予防のために、日ごろから御自分で努力されていること、手帳の記入や金銭の全収支をメモしていること、できるだけ体を動かす等の努力をしている等の話題があり、お互いの意見にお互いが感心していらっしゃいました。参加者全員のアンケートからも、次回も同様の機会があれば参加したい、またパートナーからは次回も機会があれば別の当事者にも御案内したいとの意見が聞かれました。今回の振り返りの会を企画委員と近日中に実施し、近いうちに次回以降につなげる予定になっております。  当日は、真夏の大変暑い中、4人に来ていただきまして、本当に和気あいあいと御自分の意見を言えるような会になったと思っております。  私からは以上でございます。 ○大熊委員長 この件について、どなたか御意見がある方はいらっしゃいますか。100万人近い世田谷区にしてはちょっとこの数は少ないのでしょうか。例えば、山口先生のふくろうクリニックでは、たくさんの御本人と接していらっしゃると思うんですけれども、この方たちが中心になって何かできないでしょうか。 ○山口委員 うちも結構取材とかが来るのでご本人に協力を依頼することがあるのですが、やっぱり余り協力してくれないですね。やっぱり本人が自分のことを話すというのはまだまだ恥ずかしいのかなと思うので、4人といってもすごいことなのではと思いますけれども、どうでしょうか。 ○大熊委員長 先生のところに来ていらっしゃる利用者さんというか患者さんだったら顔見知りだったりして、まずふくろうクリニックでやってみようという話にはならないでしょうか。 ○山口委員 うちもデイサービスみたいなものがあるので、そこで事実上行ってはいるんでしょうけれども、例えばそれをこういう「認知症とともに生きる本人交流会」として、みんなが関心を持って見ているような状況にしてしまうと、参加の閾値は非常に上がってしまうのかなと思います。正直ちょっと難しいと思います。 ○大熊委員長 もったいないような気もしますけれども、ほかにいかがでしょうか。スタートしただけでも大したものですが、薬剤師の佐藤ひとみ委員、お願いいたします。 ○佐藤(ひ)委員 薬剤師会の佐藤です。以前、家族会に行ったときの話ですが、認知症の御本人が前へ出て自分たちのことを話されていたことがありました。多分これだけポジティブに考えている方だと、当人同士だけではなくて、ほかの方がいらしてもきちんとお話してくださると思うんですよね。そうすると、例えば家族会の方もこういうところに参加してお話が聞けるとか、また世田谷区には福祉学科のある学校がたくさんあると思うので、もちろん御本人の了解を得たうえではありますが、これから介護士になろうと考えている生徒さんにも参加していただいて、御本人の気持ちをじかに聞く。そうすると、確かにこれは御本人の許可がなければできないのですが、この4人の認知症の本人の方もいろんな人に話を聞いてもらうことによって、これから先のことを考えてくれる人、仲間を増やせるのではないかと思います。  ですから、当人を増やすのではなくて、他の参加者も増やすという方向に持っていくと、いろんな方の理解が得られるのではないかと思いました。というのは、軽度の知的障害者が一般就労するということは考えてもみなかったことですが、今、結構就労していますよね。作業所や福祉園で少しでも自分の力でお金をもらえることは、すごく生きる自信になりますが、それにはやはり周囲の理解と啓蒙活動などが大切です。10年以上前には一般就労は考えられなかったのが、今は一般就労していますから、そういう意味では今後10年後を見据えて、渡辺委員がおっしゃったように、軽度の認知症の方も理解のもとに少しずつでも就労継続し夢のあるような、周りもそういう目で見てもらえるように、また、西田委員がおっしゃったように実施しただけで満足するのではなくて、この後どう攻めるかということも考えていったらいいのかなと思いました。 ○加畑委員 今、私は品川区なんですけれども、「みんなの談義所しながわ」というグループができていまして、そこに日本認知症本人ワーキンググループにも参加されている若年認知症の方が3人、50代、60代が一緒に参加しております。その方たちの意見は、認知症になった自分たちだけで集まることも大事だけれども、そうではなくて、いろんな人と普通に交わって、自分たちがその中で一緒に考えて一緒に生きたいとはっきりおっしゃっています。そして、それはやはりコミュニティーというか、みんな一緒に生活しているわけですから、その中でいろんな人が来て、初めて町会や商店の方とか、今まで認知症について考えたことのなかった方も来て、一緒におしゃべりしたり、いろんな企画をしたりするんですけれども、そういうときに何も知らなかった方たちがいろんな刺激を受けるんですね。そういうことを見ながら今いろいろ活動していますが、やはりともに生きるというのが一番大事なことだなと思います。どうしても形をつくっていくと、認知症の方というふうに結局分けてしまう可能性もありますし、こうやって認知症の方の御本人交流会というのは大事ですけれども、こうしてしまうと結構集まらなかったりすることもありますので、いろんな方面から考えて集まれる場所ができたら良いと思います。それから、まちの中のどなたかが個々にいる認知症の方と一緒に参加できるような場所があってもいいのかなと今とても感じました。やはり話すのが得意な方もいれば、みんな普通の人と同じで人前は苦手という方もいらっしゃいます。でも、みんないつか認知症になるかもしれないし、一緒に過ごしていいのではないかなと私は今とても考えています。 ○大熊委員長 ところで、年内に家族会を解散するとのことですが。 ○加畑委員 私たちは11年活動してきまして、私たちの世代で、レビー小体型認知症介護家族として何か1つの答えが出ました。それで次の世代、若い家族たち、50代の方、40代の方たちが、今のレビーの方の家族で支援したり、いろんなことを考えたりしたことで、その方たちが今向き合っている医療なども、私たちのときとは大分変わってきましたので、若い世代にバトンタッチしようと思っています。ケアに関しては何も変わらないのですが、レビーというのはもうちょっと突っ込んで考えていますので、新しい形の家族会というのがまたできてくるのではないかと思います。新メンバーたち、今の50代の人たちが全員集まって、ミーティングしている最中です。私たちは11年やってきたので、これで1度解散して、あとはオブザーバーなどとして、後から支えていこうと思っております。こうやって世田谷区認知症施策評価委員会にも参加させていただいて、私も本当に勉強になりました。ここで御挨拶してしまいますけれども、本当にありがとうございました。また、新しい世代の方たちは視点も本当に違うし、なかなかおもしろいなと思っていますので、またそういう方たちが出てきますから、よろしくお願いいたします。 ○大熊委員長 では、違う形で会がまたできるのでしょうか。 ○加畑委員 できます。名前も変わると思います。 ○大熊委員長 わかりました。  では、橋委員はいかがでしょうか。 ○橋委員 在宅介護家族の会「フェロー会」というのを立ち上げてちょうど24年たちました。家族会は自宅でやっておりますが、やはり世田谷区の会議に出させていただいて認知症カフェが大事だなというのがわかりましたので、これとは別枠で、認知症カフェ、フェローフィーリングを立ち上げて、ちょうど11月で丸4年になります。  先ほどの話ですけれども、認知症が重い方はいらしておりませんが、本当に軽度の方は御自分で歩いていらっしゃいますし、やはり毎回三、四名ぐらいのご本人の方が必ずいらしていただいています。常連さんがいらっしゃいますけれども、別に認知症とこだわって区別しているわけではなくて、こうやって一般のところに皆さんお入りになって話をし、和気あいあいとやっております。やはり家族交流会の方にはなかなか出づらいのかもしれませんし、みんなと一緒になって入ってきて話をするというのは割と抵抗なく来られるのではないでしょうか。  それから、先ほどの認知症サポーター養成講座の件ですけれども、私はフェロー会のほうと認知症カフェでも2年前に認知症サポーター養成講座を1度行っておりますが、認知症サポーター養成講座というのはとてもよくできていると思うのですけれども、やはり参加している方は1回で終わりだと覚え切れないのではないかなと思うんですね。ですから、同じものでいいと思いますが、1回だけではなくて何回も聞いていくことでわかっていくのかなと思います。認知症のことに関しては、私も電話相談員を14年間やって、北海道から沖縄まで全国の方から電話相談を受けてきて、いろんな話を聞いてだんだんわかってきたということもありますので、認知症サポーター養成講座は、1回だけではもったいないので、2回も3回も出てもいいのではないかと思うんですが、どうでしょうか。 ○大熊委員長 そういうことも含まれると思います。では、スケジュールに従いまして、次は、資料7の御説明を事務局からお願いできますか。(仮称)世田谷区認知症施策推進条例制定の検討についてというタイトルです。 ○佐久間委員 では、資料7の御説明をさせていただきます。  前回の3月にも認知症施策評価委員会でお諮りをさせていただきましたけれども、(仮称)世田谷区認知症施策推進条例制定につきまして検討を始めたということで御報告をさせていただきます。  趣旨としましては、区では、認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域で安心して住み続けられる社会を実現することを目的に、区、区民、事業者がその基本理念やそれぞれの役割を広く共有し、地域共生社会の実現に向けて一体となって取り組むことを明らかにするため、認知症に関する条例制定に向けた検討を進めております。その検討状況について御報告させていただきます。  検討体制でございます。庁内条例検討プロジェクトチームによる検討のほか、世田谷区認知症施策評価委員会と世田谷区地域包括支援センター運営協議会の中から、学識経験者や認知症専門医等、認知症に関する専門的な知識を有する者で構成した(仮称)世田谷区認知症施策推進条例検討委員会を設置し、検討を始めております。  庁内条例検討PT、会長としまして高齢福祉部長、委員としまして、総合支所保健福祉センター保健福祉課長の代表、保健福祉センター健康づくり課長の代表、政策経営部政策企画課長、地域行政部地域行政課長、保健福祉部調整・指導課長、保健福祉部生活福祉担当課長、世田谷保健所健康推進課長等で検討を進めております。また、外部の委員としまして、(仮称)世田谷区認知症施策推進条例検討委員会としまして、以下のとおりのメンバーで構成された検討委員会で検討を進めております。  1枚おめくりください。これまでの検討状況でございます。庁内検討PTにつきましては4回行っておりまして、条例検討委員会は2回実施し、これまでの認知症施策の進捗状況の確認、他市の条例などを参考にしながら、条例の基本的な考え方、基本理念の検討、認知症施策における区、区民、事業者の主な役割などの検討を始めております。  検討と同時にワークショップの実施もしております。6月23日日曜日に北沢タウンホールのスカイサロンで、区民などを対象としてワークショップを実施しております。テーマとしましては、認知症の方の意思が尊重され、住み慣れた地域で安心して住み続けられる社会の実現に向けた課題や必要なこととしてワークショップを行いました。  参加者としまして、一般公募に加え、認知症講演会受講者、家族会や介護事業者宛てに募集案内を行ったところ、地域にお住まいの家族会、介護事業者等の関係機関から計31名が参加しております。区民16名の中には、認知症の御本人お2人を含め、もの忘れチェック相談会に来られた、認知症がちょっと心配という方の参加がございます。  運営方法につきましては、ワークショップの趣旨と進め方について説明を行い、世田谷区の認知症施策についてのミニ講話を行いました。ワークショップにつきましては、4グループに分かれ、ワールドカフェ方式といいまして、途中で席を交代してほかの方の意見も聞ける方式でワークショップを進行をさせていただいております。  次の3ページになりますが、そこで出ました主な意見でございます。御本人、家族につきましては、御本人のお話の中で、今は非常に安定していて、それは自立しているからである。具体的には、自己決定、例えばお金の管理を自分でする、毎日日記を書くことで短期のもの忘れをフォローする。そうすることで心の安定が変わったというお話もありました。認知症の方が自分で決めていくことは大切だ。決められる方は決めていただければいいが、決められない方をどう支えていけばいいのか、特に家族がいない方などをどうしたらいいのかという御意見もありました。認知症の方が認知症ということを認めて、どうやって前向きに考えられるかという中で、認知症が悪いことで隠そうとすることが1つの問題ではないのか。カミングアウトできない環境があるため、正しい普及活動がもっと必要だという御意見がありました。支える側の自分を大切にすることを基準とするべきで、自分、介護者のほうが倒れてしまっては本末転倒である、という御意見もありました。  相談窓口、場(居場所)の関係では、今後ひとり暮らしの方が増えてくると思うが、現在のあんしんすこやかセンターの数では賄い切れないので、ひとり暮らしの方の相談相手になるような人が必要である、という御意見がありました。また、認知症の方が議論する場が他の自治体ではさまざま開催されているが世田谷区では開催しているのか、それは家族とは全く違う思いを認知症の方は抱いていることがよくあるので、という御意見でした。メールでの相談、「認知症相談アプリ」のような簡単な相談ツールがつくれるとよいとか、梅ヶ丘にあります「うめとぴあ」に入る認知症在宅生活サポートセンターに、認知症にかかわる人たちが集まり、情報交換のできる場所をつくってほしいという御意見もございました。  地域の理解、見守りとしまして、認知症に対する地域の理解がまだまだ足りず、認知症だけで悪というイメージがあるため、認知症の方たちが隠そうとするから表に出てこず、ひどくなって周りが気づいてあんしんすこやかセンターに連絡があるため、もっと認知症のイメージを変えられないかと思う、という御意見がございました。支えあいサービス協力員がもっと増えるとよいとの御意見や、元気な高齢者がこれから増えていくと思うが、地域の見守りを推進することが大切である、との御意見もございました。  若年性の認知症の方が増えており、若い方は高齢者のデイケアでは合わなくてうまくいかないとの御意見や、若年性認知症の方は就労意欲があり、希望しているデイは、高齢の方とは違うという御意見もございました。  予防に関することですが、予防というのは、認知症にならないことではなく、生活習慣とか健康を保つことなど、基本的な体調管理が大事である、との御意見がございました。  最後に、1回だけでなく継続してワークショップを開催してほしい旨の御提案等がありました。御提案を受けまして、もう1度改めてワークショップを開催したいと事務局は考えております。  説明は以上でございます。 ○大熊委員長 条例検討委員の中には、今3人の方がここに御出席でいらっしゃるので、村中委員、山口委員、橋委員から、今その条例の検討はどういうふうであって、既に条例は大府とか神戸とか御坊にあるわけですが、それとは違って、世田谷らしい、どういうところを打ち出そうという話に今なっているのかということに絞って話していただけたらと思います。 ○村中委員 では、まず私のほうからお話をさせていただいて、あとは委員の皆様に、つけ加えていただきたいと思います。  認知症施策推進条例というのは、今、大熊委員長からもお話がありましたように、既に1つの県、愛知県と、あと4つの市町、神戸市とか御坊市、大府市といったような4つの市町が制定しています。その多くは、踏切の事故を受けて、その補償問題ということを契機にさまざまな訴訟が起きましたので、それをもとにつくっているという現状がございます。内容的には補償問題というのを取り扱っているところが多く、御坊市が基本、御本人の意思を尊重するということでほかとは異なります。そうした中で世田谷区が条例を制定するに当たって、今までも施策のトップランナーとしていろんな施策を築いている世田谷区がどのようなものを構築していったらいいのかというのは、委員の皆さん、喧々諤々、今いろんな議論が出ているところでございます。  世田谷区として、区民の皆さんが安心してここで暮らし続けられることが必要だということと、それと御本人の意思を尊重するといっても、では、どのようにしていくのが必要なのかという人権擁護の視点からも議論がたくさん出ておりますし、今お話に出たように、やっぱりともに生きるということ、働き続けられるということについても非常に重要なポイントではないかというお話が出ています。  先ほどお話がありました6月23日のワークショップは私も参加させていただいたのですが、大変和やかな雰囲気を皆さんが用意してくださいましたので、話し合いが非常に白熱し、ワールドカフェ形式での御意見だったのですけれども、終わってからも皆さん名残惜しくてなかなか帰られない、また家族の方も、御本人の方も話したいことがたくさんあった中で開催されて、そうした御意見もたくさん聞かせていただきながら、今、委員の皆様と検討しているところになります。また2回目のワークショップも御予定ということですので、そうした一人でも多くの方の御意見を踏まえ、また、これまでの世田谷区の認知症の施策を十分に踏まえて、なおかつこれから求められる内容にしていくことが必要と思っています。  蛇足ではございますが、本日も、参考資料3で認知症施策推進大綱を資料としてつけてくださっていますが、これは6月18日に閣議決定しております。国では、6月21日には衆議院に認知症施策の推進の法案を提出しております。多分9月の臨時国会で成立を目指していくものであろうと思いますが、そうしたことの情報も踏まえながら、本当に世田谷区として必要なことを検討していくことが必要だという状況でございます。 ○大熊委員長 では、山口先生からいかがですか。 ○山口委員 世田谷区独自の、というところはまだ深まっていないのかなと思いますが、もともと世田谷区自体がいろんな施策をされていますので、まずはそこを平準化していくところなんだろうという理解はしておりました。 ○橋委員 村中先生がおっしゃったように、この間のワークショップに参加させていただきまして、本当に和気あいあいととても楽しい雰囲気でしたし、やはり私もとても勉強になりました。いろんな方がいらっしゃると思いました。  私が入ったグループの六十二、三歳ぐらいの若年性認知症の方が、あんしんすこやかセンターの職員の方が迎えに行って、帰りは送っていくというサポートまでしていたので、やはりあんしんすこやかセンターの職員の方は日曜日なのに大変なのだなと改めて感じました。やはり何回もこういったワークショップがあれば、また私も参加させていただいて、それを条例検討委員会にも役立たせたいと思っております。 ○大熊委員長 このワークショップは条例ということに―さっきこんな話がありましたというのが佐久間さんから御紹介があったんですけれども、こんな条例をつくってほしいとかという話が全く出てこないことについて、このごろはインターネットがすごく普及していて、ここに出ていた方がフェイスブックとかに書き込んでいて、とても和気だったけれども条例についての会だということは最後に区長が出てきて話したので初めて知ったとか、司会をしている方がまちづくりのシンクタンクの方なので、自分が認知症についてその集まっているメンバーに解説したり教えてあげたりするような始末であったなんて書いてありましたので、このワークショップは条例に向かっているのかなというのが不思議に思った次第なんですけれども、どんな仕掛けだったんでしょうか。これは佐久間さんに聞いた方がいいのかな。 ○佐久間委員 事務局としましても、認知症推進条例のためのワークショップというところの説明が不足していたと感じております。ですので、次回のワークショップにつきましてはその点を前面に打ち出して、もう1度やらせていただきたいと考えております。 ○大熊委員長 残りの時間は皆さんで、この条例のことでもよいですし、松井委員はいかがでしょうか。 ○松井委員 せたがや訪問看護ステーションの松井です。いつもありがとうございます。  認知症施策の条例はぜひ進めていただきたいと思いますが、世田谷区の人口と認知症の推計人数を考えると、上がっている人数というのはまだまだ少なくて、実は独居で認知症の自覚がない方がすごくたくさん埋もれていると思います。今私が訪問に行っている60歳代前半の女性の若年性認知症の方は、とても愛想がいいので、看護師の誰が行っても、「あら久し振り」、「自宅に上がって、一緒にお茶を飲んで話を聞いていって」と言うのです。ある日、この方は誰が来ても家に招き入れているのだなということに気付きまして、そうしたらやはり宗教の勧誘で女性2人組が来ていたということがありました。たまたま訪問中に勧誘の方が来たので、ケアマネジャーや、あんしんすこやかセンターにつないで事なきを得たのですが、恐らくきっと独居でそういう方は、お金に絡むようなこととか、問題は見えていないところにたくさんあるのだろうなと思う中で、この問題を地域で防いでいけるように、条例ができることによって区民の意識が変わっていくといいなと思います。  やっぱりその方は、私たちが訪問して生活状況を見たところ、1日3回同じコンビニでいつもミートドリアしか買っていませんでした。生活状況を見るときにレシートをチェックするのですが、毎日3回コンビニへ行って、多分、認知症なので1日分をまとめて買うということはできず、その場その場で毎回同じものを購入しています。彼女はミートドリアという認識がないので、「丸いものを買う」と言うのですが、訪問の際に一緒にそのコンビニに行って、その方はお金の感覚がなくてお札でしか払えず小銭が山のように膨らんでいるので、今日は私が来たので小銭を出させてくださいと言って手伝ったりしています。また、何回か一緒にコンビニに行くと、レジの方がふっと気づいてくれたようで、「何かお手伝いすることはある?」と言ってくださるので、「ミートドリアと一緒に、「今日はこのサラダがおいしいよ」と野菜も勧めてください」と言ってみるなど、やはり地域でどうかかわっていくかについて進めていくことがすごく大事だろうなと思うのが1点です。  もう1点は、つい先月から、認知症初期集中支援チーム事業のケースを私の訪問看護ステーションで受け始めております。その方は、あんしんすこやかセンターと認知症在宅生活サポート室がものすごく尽力していただき、困っていたケースをうまく支援をスタートさせた方です。地域の訪問看護ステーションとして、私どもが引き受けまして、今では毎週1回、服薬のセットということで、その方が何か困ると訪問看護ステーションに電話するということを獲得してくださいました。初期集中支援チーム事業はすごく意義があって、そのように地域につないでいくことができればいいと思うので、来年度以降も人数をどんどん増やしていただければいいなと思っています。いつもありがとうございます。 ○島貫委員 私も今、松井さんのお話を聞いていてやっぱりと思ったのは、確かに宗教は危ないですよ。私のところの患者さんも2人いらっしゃったのですが、なかなかのプロの手口で勧誘してきますね。よほど周りが見てあげないと危ない話だなと思いました。  話は変わりますけれども、立場上、私も世田谷区の様々な会議に出させていただいています。その中で、お子さんの児童虐待など色々な会議に出席しておりますが、玉川地区で児童虐待や要保護児童、シェルターなどに関する会議がありました。その中で、子どものころに御両親が離婚なさって、お父さんの暴力を受けて、里親さんに育てられた20歳の大学生の女の子が、自身の生い立ちからずっとお話をしていただいたのです。最初は半分興味本位で聞いていたのですけれども、話がすごくうまいんですね。本当に映画になるような話をしていただきまして、そこに集まっていた恐らく200人ほどの皆さんが、感銘を受けて話を聞いていました。何を言いたいかといいますと、先ほどの軽度の認知症の方でしたら、恐らくおじいちゃん、おばあちゃんでお話がうまい方は相当数いらっしゃると思うんです。そういう方をピックアップするというのは、恐らくあんしんすこやかセンターが一番窓口に近いですから、この人がいいのではという方が結構多くいらっしゃるのではないかなと思っています。もしそういう方がいらっしゃったら、御本人の体験談などをお話しするのは非常にいいのではないかと思います。  実際我々は歯科医師会で毎年秋に、三軒茶屋で「8020歯っぴぃ&健康フェスタ世田谷」というイベントを開催しているのですが、そこで8020という80歳で20本歯のある方を表彰しています。その中で最後に、80歳の方、代表の方にお願いしまして、一言お話しくださいとお願いしますと、きちんと起承転結の話をして、最後にみんなをちょっと笑わせて終わる、そういうお話のうまい方がいらっしゃるのです。そういう方をぜひ見つけていただいて、御本人のスピーチの場をつくっていただければ、皆さん関心を持ってこの事業に取り組めるのではないかなと思いました。 ○小森委員 世田谷区歯科医師会の小森と申します。まず、少し話が戻るのですが、先ほどの認知症とともに生きる本人交流会について、私もいろいろな交流会に参加させていただいておりますが、昔、有名な方のバックでドラムをたたいていたプロのドラマーの方だった認知症の方が、壇上でいろいろお話しになられて、現在のドラムのプレーを動画で御披露されておりまして、ものすごく感激しました。もちろん最初から色々な講師の先生方のお話は聞いていたのですが、その認知症の方がお話しになった途端、私もお話に夢中になり、全身が震えるすばらしい交流会で、本当にいい経験をさせていただいたと思います。軽度の認知症の方ほどやはりそういう壇上に上がるということに対してものすごく勇気が要る場合もあるかとは思いますが、今後もいろいろな形にアレンジして開催していただき、私も参加させていただければ嬉しく思います。  話は全く変わりますが、両地区歯科医師会では、世田谷区からの受託事業として、すこやか歯科健診を行っております。これはもともと保健所の管轄ですが、そのコンセプトというのは、認知症になって治療が手遅れにならないように、初期の認知症の時期から健診して治療につないでいこうというものです。本当に重度の認知症になってしまいますと、口を開けてもらうことがものすごく困難で、通常の外来診療とはほど遠い診療の体系になってしまうことから、すこやか歯科健診というのが2017年10月から始まりました。でも、これはあんしんすこやかセンターやケアマネジャーから申し込んでいただかないと受けられないものです。せたがやコールに本人がみずから希望して受診できるものではなく、あんしんすこやかセンターやケアマネジャー頼りなんですね。そのため、これからどんどん啓発していただければ嬉しく思います。  1つ、啓発という言葉にちなんで、さっき2017年10月から始まりましたと申しましたけれども、世田谷区の場合、最初は本当に1年半で受診者が10人ぐらいしか実際いませんでした。これはどうしたらいいものかということで、特定健診と、長寿健診の案内に、そこにチラシを入れていただいたところ、半年で急に200人ぐらいに増えて、啓発活動としては大成功だったなと感じております。世田谷区にも心から感謝しているのですが、そういったところで比較的参加率の高いものにチラシを同封させると大変効果があることを実感しております。 ○大熊委員長 そこで今度は歯科医師会も啓発にご協力くださるという話になったのですよね。2度、念押しをいたしましたので、よろしくお願いします。  では、初参加の山形先生から、どの話題でも結構でございます。 ○山形委員 世田谷区はいろんな認知症の施策がございますので、そこもかかわってくださればいいのですが、まだどこにもかかわりのない方というのが多いですね。私のところにもひとり暮らしの御老人で通院をされている方で、とっくに薬がないはずなのに来ない等、やはり通院の間隔がおかしくなってきます。2カ月後に来院された際に、「お薬は飲んでいましたか」と聞くと、「飲んでいます」と言うんですね。「忘れていました」や「来られなかった」という方はいいですが、薬がないはずなのに「しっかり飲んでいます」という方は、やっぱり危ないなと思います。ただ、その方がひとり暮らしですと、その方に直接「あなたはもう危ないですよ」というのはなかなか言えないので、生活の困り事などのきっかけがあれば、あんしんすこやかセンターを案内するというアプローチができます。ただ、今の世の中は便利になって、お惣菜が売られていますので、食事にも困っていないですし、お掃除は余りやっていなくても、本人が全く困っていない、困っているという自覚がないと、なかなか介護保険のサービスの歯車に乗れないものです。せっかく相談窓口がたくさんあっても、そこへかかわりを持たないと何ともならないというケースが結構ありますね。  恐らく薬剤師の方も、今は残薬をチェックしてくださることがアプローチのきっかけになるということもありますが、本当に単独で身寄りがない方をどのようにこの施策の中に導いていくかという点で、いい案があればいろいろ教えていただきたいと思います。 ○大熊委員長 ありがとうございました。国のオレンジプランをつくるときのブレーンでもあられた西田先生から1つ、全体の御感想をお願いします。 ○西田委員 冒頭、世田谷区の御説明にありましたように、非常に膨大な数の認知症の方が世田谷区にはいらっしゃるし、今後その数は増えていきます。これからニーズがさらに膨大になっていき、リソースとしては無限ではなくて有限であるという意味では、効果的な施策をいかに深化させていくかということが、今スピードを上げて求められている状況だと思うのです。まさにこの施策評価委員会というのはその施策がどうなっているのかということを、できればより客観的な事実、エビデンスをもって検証し、率直に言えば、無駄を削ぎ落として効率的・効果的な施策に集中させていくということが重要だと思います。最近、国のほうでも大綱が出てきましたが、大綱が出てくるというのは1つの節目ではありますが、それをもって各国の日常施策なりが進んでいるかというとそうではなくて、施策が深化していくときというのは、やはり選択と集中をしていくというか、施策を総花化させないで、世田谷区はこれとこれに課題があるという仮説を立てて、仮説に絞り込んだ施策を重点的に打つということが必要な段階だと思うんですね。  やはり今後の世田谷区に求められるのは、仮説を立てて、何を重点化するかということによって、区民の認知症の不安を安心へと変えていけるのかというところをきちんとしていく、仮説を持つということが大事だと思います。そういう意味で、大綱が出て、総花とは言いませんけれども、要するに総論的なもののメニューは出た、そこで世田谷区としてどうするのか、仮説をどうするのかということを今本当に真剣になって考えなくてはいけないと思いました。  もう1点だけつけ加えますと、先ほどのワークショップの話がありましたけれども、そういう仮説は多分地域ごとにあるはずです。ですから、ワークショップを1カ所で行うのではなく、できれば日常生活圏域ごとぐらいのレベル感で行い、その地域の地域包括ケアの課題をきちんとあぶり出すことで、ワークショップが重要な機能を果たすと思います。地域の自治や活動をどのように効果的に刺激していくのかということも含めて、仮説とモデルを立てて、世田谷区がPDCAサイクルをきちんと回していくことを、今後さらに期待したいと思いました。ありがとうございました。 ○佐藤(恭)委員 時間が押しているところ、済みません。まず1つは、初期集中支援チーム事業についてですが、先ほどのお話の中で来年度はまた枠を拡大していくというお話がありました。先ほど松井さんもおっしゃったように、確かに認知症の方は、我々がキャッチできていない方もまだまだたくさんいらっしゃいます。  ですが、認知症初期集中支援チーム事業に何件挙げられるか、実績でも何件の数、実績が上がったかということで取り組んでおりますが、現場から言わせていただくと、件数を設定していただくことで頑張る部分もありますが、件数ありきになってしまわないかと感じております。この初期集中支援チーム事業は私もずっと見ていて、もちろんいい事業だというのはわかっているのですが、この事業につなげるということもやはりいろいろあって、その件数目標があることで、現場の認知症専門相談員も苦しく感じる部分があるのも事実です。なので、件数を拡大していただくのはありがたいと思う反面、実際には初期ではない、困難ケースを事例に挙げているというお話もありましたので、総合相談の具体的な内容の分析というお話もあり、これはまさに我々も取り組まなくてはいけないことですけれども、私たちがどういうことで困っているかについても、考えていけたらなと思います。  あともう1つ、認知症サポーター養成講座についてですが、講座を受講した方の活躍の場として、あんしん見守り事業というのがあり、見守りボランティアさんがいらっしゃいます。私どものあんしんすこやかセンターでは、見守りボランティアの方に認知症サポーター養成講座を受けていただいて、その方に見守りボランティアをしていただいたり、先日は、私たちが開催した認知症サポーター養成講座のサポートをしていただいたりしました。ところが、何が問題だったかというと、見守りボランティアにはボランティアポイントがつくのですが、認知症サポーター養成講座のサポートにはボランティアポイントがつかないということがあり、「え、つかないのですか」という話になりました。なので、全体的にうまくボランティアポイントがつくようにしていただけるといいかなと感じました。 ○大熊委員長 そのボランティアポイントがつくというのが、いろんなところでまちまちになっているのでしょうか。 ○佐久間委員 ボランティアポイントは介護保険の給付となっておりまして、あんしんすこやかセンターの見守りボランティアではボランティアポイントがつきますが、認知症サポーター養成講座のサポートではつかないのが現状です。施策的なこともありますので、内部で検討させていただいて、できる限りそういうところで使えるように、担当課は別の課となってしまいますが、案内はさせていただきたいと思います。  また、初期集中支援チーム事業が来年度、年間112件から年間140件と件数が増加し、あんしんすこやかセンターにおいても、今年度各4件のところ来年度は各5件と件数が増加しますが、これはあくまで必要がある方を見繕っていただくことを前提としておりますので、その件数を必ず達成しなくてはいけないものではございません。今後も区と調整しながら行っていただきたく思います。 ○大熊委員長 初期集中支援チーム事業の国のパイロットスタディーもやっていらっしゃる遠矢先生は何か御意見ありますか。 ○遠矢オブザーバー 確かにおっしゃるとおりで、件数ありきではなくて、本当に必要な人に届けられるようなサービスであるべきですし、この事業に上げると書類仕事が膨大という実務的なところの大変さも増えてきています。やはり先ほど西田先生がおっしゃったように、いかに集中して効率性を上げていくかということに、作業量の縮小や省力化ということも含まれていると思うので、本当に必要な書類なのかということも検証しながら、このサービスがより使いやすいかたちに深化させていくのも、私ども民間が請け負った目的だと思いますので、その点は内部で検討してまいりたいと思います。 ○事務局 今、あんしんすこやかセンターからすごくいい御意見をいただいたと思っていまして、初期集中支援チーム事業も、アウトプットの件数ありきでは絶対にないと思っています。私どもは国のモデル事業のときから初期集中支援チーム事業を行ってきていますので、あんしんすこやかセンターによっては地区ごとにいろんな課題があるので、一つのあんしんすこやかセンターあたり何事例ぐらいかという目安は設けつつ、あるあんしんすこやかセンターでは、初期集中支援チーム事業に合う方が1事例しかないが、他のあんしんすこやかセンターでは4事例以上挙げたいという場合もあり、あんしんすこやかセンターが28カ所もあると、各々の特徴が出てきます。  ですので、区としてはトータル件数は設けつつ、支援が必要な方に活用していただけるように、事務局のほうで各あんしんすこやかセンターの特徴に合わせて事例数を調整しており、今後も調整・管理していきます。  資料4−Aの36ページを御覧いただきますと、認知症専門相談員連絡会や初期集中支援チーム事業連絡会という認知症専門相談員の皆さんが集まってくださる機会があります。そこで、地区の課題を各自で持ち寄り、事務局と一緒に課題検討を行っており、今後も引き続き行っていきたいと考えています。先ほど西田先生がおっしゃられたニーズアセスメントにつきましても、本当に貴重な御意見で、今まではシステマティックにしっかり仮説を立ててはいませんでしたが、平成21年度にあんしんすこやかセンターにもの忘れ相談窓口を、そして、認知症専門相談員を配置しましたが、その1年目から、認知症の区の問題は何だろうか、現場ではどんな困り事があるのだろうかというのを認知症専門相談員で話し合ってきました。その中から、認知症の方に対して、忙しくて定期的に訪問に行けない、しっかり現場に行って自宅の状況を把握していきたいとか、もっと医療的な見立てをしたいけどできない、といった御意見から、見守り訪問看護事業という事業を平成22年から平成24年度まで、初期集中支援チーム事業の前駆的な事業を実施してきました。介護保険を使わなくても、介護認定が無くても無料で、看護師が定期的に半年間ぐらい訪問する事業を、あんしんすこやかセンターの皆さんから御意見をいただいて始めました。その事業評価の冊子などを国の初期集中支援チーム事業の委員であった上野先生が御覧になられて、是非、世田谷区で初期集中支援チーム事業のモデル事業をやりたいとおっしゃってくださり、現在に至るという経緯があります。ですから、これからも現場で起きている課題を皆さんと意見交換し施策に反映していきたいと考えています。ただ、今までは、システマティックに仮説を立てては評価・検証はしてきておりませんでした。講演会を開催しても、基本属性だったり、感想と今後の要望などのアンケートにとどまっており、実際の満足度や本当にピンポイントに必要な人に効果的な事業であったかというアウトカムができていませんでした。ですので、これからは私ども区職員だけではなく、認知症在宅生活サポートセンターの方々の強力な御支援をいただきながら、一緒に取り組んでいきたいと考えております。 ○大熊委員長 区職員の方がこのように情熱を持って話してくださるのは、区民としてはとても頼もしく思います。 ○橋委員 民生委員の立場からですけれども、認知症の方がいらっしゃるから見守りをして欲しいと一言でも教えていただければ見守るようにしていますが、やはり情報がないとなかなか行きづらいところもありますので、よかったら民生委員にも声をかけてくださればありがたいと思っております。 ○大熊委員長 民生委員、歯科医師、薬剤師会、医師会みんなが一丸となってサポートするという体制ができてよかったと思います。  では、これからのことについて佐久間課長からお願いします。 ○佐久間委員 では、事務局から次回の日程のことについてお諮りしたいのですが、例年ですと3月に施策評価委員会を開催させていただいておりますけれども、先ほど御説明しました条例のことにつきましても順次本会にお諮りさせていただきたいと思いますので、粗々何か御説明できるようなものができ上がりましたら、日にちに余裕をもちまして皆様に御連絡をし、日程を調整させていただきたいと思います。ですので、次回の日程につきましては、後日調整をさせていただくかたちでお願いいたします。  事務局からは以上でございます。 ○大熊委員長 では、きょうはこれでお開きということで、御協力ありがとうございました。 午後9時10分閉会 1