概要版 平成30年8月31日 世田谷区認知症施策評価委員会 平成30年度世田谷区認知症施策評価委員会 会議録 ■日時 平成30年8月31日(金)19:00〜21:00 ■場所 世田谷区役所第3庁舎3階 ブライトホール ■事務局 高齢福祉部介護予防・地域支援課 ■会議の公開 公開 ■次第   1 開 会 2 世田谷区高齢福祉部長挨拶 3 議 事 (1)「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター」の運営について    ・委託事業者より挨拶(医療法人社団プラタナス桜新町アーバンクリニック) (2)第7期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について (3)世田谷区の認知症施策について    ・平成29年度の実施状況    ・世田谷区認知症在宅生活サポートセンター構想の進捗状況 (4)その他    ・次回の開催日程について 午後7時1分開会 ○橋(裕)委員 定刻になりましたので、世田谷区認知症施策評価委員会を開催させていただきます。  事務局の世田谷区高齢福祉部介護予防・地域支援課長の橋でございます。  会に先立ちまして、高齢福祉部長の瓜生より御挨拶を申し上げます。 ○瓜生委員 高齢福祉部長の瓜生と申します。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、認知症施策評価委員会に、御出席賜り感謝申し上げます。  世田谷区は平成29年10月に人口が90万を超えまして、現在90万6000人となっております。65歳以上の高齢者の方も18万人を超えておりまして、高齢化率は20.2%という状況でございます。その中で認知症高齢者の状況を見ますと、30年3月末現在、介護保険で要介護・要支援認定を受けていらっしゃる方が約3万8000人いらっしゃいますが、その中で何らかの認知症状があって支援が必要と言われる方が2万2000人を超えているという状況でございます。今後も65歳以上の人口がふえる、中でも75歳以上の人口が増えてまいりますので、認定者、それから認知症の方が増えることが予想されているところでございます。  認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを目指す世田谷にとりまして、この認知症の在宅支援の充実というのは大変重要な課題と認識しております。  28年7月から、区では、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社協の3者が一体になって、高齢者の相談だけではなくて、障害のある方、子育て家庭の問題、生活困窮の問題、さまざまな福祉の相談を受ける福祉の相談窓口というのを全地区で開設しており、参加と協働の地域づくりに取り組んでいるところでございます。  本日は、第7期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画並びに平成32年4月に梅ヶ丘拠点の区複合棟に開設いたします認知症在宅生活サポートセンターの運営事業者の方にも参加いただきまして、認知症施策の状況につきまして御報告をさせていただきたいと思います。  ○橋(裕)委員 次に、新委員の委嘱及び紹介に移らせていただきます。  本委員会につきましては、平成27年度に開始しておりまして、昨年度までは年1回の開催でございましたが、平成30年度からは、年2回の開催とさせていただきたいと存じます。なお、委員の任期は1年で、再任を妨げないものとなっております。  では、今回新しく委嘱されましたお2人の委員を御紹介させていただきます。  東京都玉川歯科医師会理事の島貫博様。島貫委員につきましては、本日別の御予定があり、御欠席でいらっしゃいます。  なお、事務局ですが、砧総合支所保健福祉センター保健福祉課長の安間でございます。  ここからは議事に入りますので、大熊委員長に議事の進行をお願いしたいと思います。 ○大熊委員長 それでは、早速、最初の資料についての御説明をお願いします。 ≪資料確認≫ ○大熊委員長 では、議事の(1)世田谷区認知症在宅生活サポートセンター運営について、事務局より資料3の御説明をお願いいたします。 ○橋(裕)委員 認知症在宅生活サポートセンターにつきましては、平成32年(2020年)4月に梅ヶ丘拠点区複合棟内に開設を予定しております。このセンターの運営につきまして、平成30年度より、センターの開設準備室である認知症在宅生活サポート室の業務委託を開始しましたので御報告するものでございます。  1の委託事業者は、医療法人社団プラタナス桜新町アーバンクリニックで、所在地、代表者につきましては記載のとおりでございます。  2の認知症在宅生活サポート室の運営状況でございます。まず、(1)の所在地でございますが、世田谷区豪徳寺2丁目にございます区の旧厚生会館2階の一画に事務室を構えまして運営をしております。(2)委託事業者の職員体制でございますが、配置職員数は現在11名でございまして、常勤が2名、非常勤が9名となってございます。職種及び人数等につきましては記載のとおりの内訳となってございます。  3の契約期間でございますが、本年4月から開始いたしまして、平成35年(2023年)3月までの5年間を当面予定してございます。  4の今後のスケジュールでございますが、本年4月から平成32年(2020年)3月までの2年間、先ほどの旧厚生会館内のサポート室で、区の職員とフロアを区切って、業務の委託を開始しております。平成32年(2020年)4月に梅ヶ丘拠点区複合棟が完成しましたら、そちらに移転して運営を継続いたしますが、委託事業者のみ梅ヶ丘に移転をいたしまして、区の職員はその時点で区役所本庁に戻る予定でございます。 ○大熊委員長 それでは、委託事業者の職員がいらっしゃっておりますので、御挨拶をお願いいたします。 ○遠矢オブザーバー 桜新町アーバンクリニックの院長の遠矢と申します。 ○永野オブザーバー 保健師で管理者をやっております永野と申します。 ○村上オブザーバー 事務長をしております村上と申します。 ○遠矢オブザーバー おかげさまで、この4月から認知症在宅生活サポートセンターの業務を開始しております。その内容としましては、認知症初期集中支援という大きな事業、これまで5年間担当させていただいた実績がございます。この事業が一元化されることで、より多くのケースを担当させていただく、その経験と実績の蓄積が、さらにケアを深めていくような感じを受けております。  加えて、これまで区で行われていたさまざまな認知症の相談事業、もの忘れチェック相談会、家族会、認知症カフェの支援などが今回サポートセンターに一元化される形になります。  今回一元化されたことのメリットを生かすためにも、これがワンストップで御利用いただけるように、よりわかりやすいサービス利用につながるような広報活動に努めてまいります。  まだまだ本当に走り始めたばかりというところで、いろんな御迷惑もおかけすると思いますが、これからも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 ○太田委員 先ほど区のほうの事業のいろいろなものが今後このセンターに移管されていくという話でしたけれども、もの忘れチェック相談会も一括してセンターの事業として全部移行していくということでしょうか。 ○橋(裕)委員 相談会につきましては、1回1回の会の運営スタッフのマンパワーの部分は委託にさせていただく予定でおります。ただ、実際の運営の会場については、後ほど事業実績などの報告でも御説明しようと思っておりますが、利用者の方の利便性を考えると、当然各地域、各地区で実施したほうが利用しやすいので、地区に出前で出かけていく事業として今後展開していく予定を立てております。 ○太田委員 そうすると、今、従来型、地区型、啓発型の相談医を、医師会の委員等々が担っていると思うのですが、その相談医の中にセンターの先生方が入ってくるということか、それとも、もの忘れの事業自体の運営を区からセンターに全部移管していくということなのでしょうか。 ○橋(裕)委員 事業の運営そのものを委託させていただく予定でございます。ただ、実際の実施者は区で、委託しても事業の実施元は区でございますので、実際の事業計画は区の職員と一緒につくっていただくようなことを予定しております。当日の特にスタッフ配置の部分については委託事業者にお願いしようと思っておりますが、医師会等との御相談については区が必ず窓口となって調整をさせていただく予定でございます。 ○太田委員 では、今までのように、区のほうから医師会に選任の依頼が来て、実際の運営のところでセンター側がその運営に入るということで、センターから直接医師会側に相談が入ることはないということですか。 ○橋(裕)委員 想定しておりません。 ○太田委員 ありがとうございます。 ○大熊委員長 認知症初期集中支援について、この制度を国の制度の中にはめ込んだのは、西田先生がイギリスなどから学んで、元祖のようなものなので、少しお話くださいますか。 ○西田委員 認知症の初期にかかわって、その後の支援の道筋をつくるというのはやはりすごく大事なことで、今までそれが不足していたと思います。認知症の状態が非常に悪くなってから相談するので、支援のつながりが余りいい形ではない方がいて、認知症というのは非常に大変なものだというようなイメージが社会に広まる、そういう悪循環だったわけですけれども、初期にきちんと相談をし、大事なことは、そこで全てを抱えないで地域の方々にその後おつなぎしていくということです。  最初に集中的にアセスメントして、それに基づいて、その後の支援方針を地域の方々と共有していくということが大事なので、私の若干の経験で言いますと、新しい施策やサービスというものを展開すると、これまでのさまざまな問題がそこにもあらわれますので、そのサービスの問題と既存のシステムの問題を区別して評価しなくてはいけないと思います。新しいサービスの不備な点ばかり見ないで、新しいサービスと施策を育てるという視点が非常に重要で、まさに今事業がスタートしたところだと思いますので、この事業を見守り育てていくということが関係者全体で必要なのではないかと思います。  そういう意味で、こういった事業を受けていただいたチームは非常に勇敢といいますか、非常に前向きなチャレンジ精神に敬意を表しております。ぜひ頑張っていただきたいと思っております。 ○大熊委員長 初期に複数人で、その人の住んでいらっしゃるところへ行って、その環境を考えながらアドバイスをしていくんですけれども、本当に初期の人にうまくめぐり会っていますか。 ○永野オブザーバー 今のところ、まだ医療機関につながっていない方や、専門医の診察を受けていないという方が多いという印象です。診断を受けていても、ご本人がまだ大丈夫と言って必要なサービスにつながっていない方も多く、印象としては初期の方が多いと思っています。 ○大熊委員長 プライバシーに配慮しつつ、こんなケースがこういうふうにうまくつながったというレポートをお待ちしております。  次の資料4、第7期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について、事務局からお願いします。 ○橋(裕)委員 第7期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について、資料4と、第7期計画の冊子をあわせてご覧ください。  もともと介護保険事業計画というのは3年を1期としまして、3年ごとに計画を更新しておりますが、今般は、平成30年度、今年度から32年度(2020年)までの高齢者に関する施策や介護保険事業について、施策展開の考え方や、それぞれの方策、また目標及び介護サービス量の見込み等を定める第7期の計画を策定しましたので御報告いたします。  内容でございますが、7期計画につきましては、本編の冊子を使って御説明をさせていただきます。特に認知症の施策についてお話をさせていただきます。  7期計画の本編16ページ、17ページをお開きいただけますでしょうか。こちらには、1つ前の第6期の計画での取り組み状況と課題を記載してございます。  16ページの(3)認知症施策の総合的な推進の項で、第6期での取り組み状況につきまして記載してございます。あんしんすこやかセンターに認知症専門相談員を配置いたしまして、もの忘れ相談等の相談支援の質の向上に努めるとともに、もの忘れチェック相談会を実施しまして、平成28年度からは、あんしんすこやかセンターで実施する地区型の相談会や、総合支所を会場として、医師の講話や個別相談を組み合わせた啓発型のチェック相談会を試行しております。  また、2つ目として、認知症の方のご家族への支援としまして、家族の会や家族向けの心理相談、若年性認知症の講演会、また配付資料にも入れてありますが、介護者の会・家族会一覧の配布、家族向けのストレスケア講座などを実施いたしました。  3つ目として、在宅生活を支えるために初期集中支援チーム事業を本格的に実施いたしまして、多職種協働による取り組みを進めるほか、医師による認知症専門相談事業を実施しておりまして、本日お越しの新里委員にも、この相談医として御協力をいただいているところでございます。また、全区的な拠点である認知症在宅生活サポートセンターの開設準備を進めておりまして、先ほど御説明しましたとおり、今、準備室が開設されている状況です。  最後に、認知症カフェの開設支援補助事業を実施したほか、認知症サポーターの養成や、サポーターのステップアップの講座を実施しております。課題といたしましては、センターの開設に向けて事業実施体制を確保し、センターの役割を発信していく必要があることや、認知症の方のご家族への支援として、ご家族が孤立しないための仲間づくりや学びあいのために、家族会や認知症カフェ、あるいはご家族が地域に出かけていくことができる場の確保や、情報なども広く区民の皆様に発信していく必要があります。  また、できるだけ長く住みなれた地域で暮らしていただけますように、効果的な認知症の緩和ケアプログラムの手法を開発し、介護サービス事業者において活用することにより、認知症ケアにかかわる介護人材の育成を一層進めるほか、医療と福祉の連携を推進するため、多職種協働によるチームケアの概念や手法の普及、研修等が必要になっております。  また、認知症カフェは未整備地区がございまして、本年4月当初で、27地区のうち3地区で認知症カフェができておりません。こういった地区では、会場の確保を初めとしまして、運営リーダーを務めていただける人材の発掘や、そういった方々の人材の組織化が課題となっております。また、認知症サポーターの養成だけでなく、地域で見守りや支えあいを実践していただける人材の育成のために、ステップアップの講座は引き続き実施することとしております。  次に、第7期の取り組みにつきまして御説明いたします。同じ冊子の66ページをお開きください。ここからは、第7期における認知症施策の取り組みにつきまして、4、認知症施策の総合的な推進としてまとめて記載をさせていただいております。  認知症施策の総合的な推進におきましては、@といたしまして、認知症予防の推進と軽度認知障害等への対応をまず挙げております。予防につきましては、介護予防事業の中で認知症予防プログラムをこれまでも区として実施してまいりましたが、さらに、正常と認知症の中間の状態と言われますMCI(軽度認知障害)の方や、あるいは軽度認知症の方への対応としまして、発症予防や重度化予防、リハビリテーションモデルの先進的な取り組みなどに関する好事例の情報収集を行いまして、区としても取り組みの研究をしていきたいということを記載しております。  また、Aの相談・支援体制の充実では、現在も実施しているあんしんすこやかセンターのもの忘れ相談窓口での相談支援の質の向上に引き続き取り組むほか、もの忘れチェック相談会で、地区型あるいは啓発型のより充実を図り、身近な場所で適した時期に早く相談ができる体制づくりに取り組んでまいります。また、あんしんすこやかセンターや地域のケアマネジャーの後方支援の機能として、認知症在宅生活サポートセンターの役割や事業を区民に普及啓発し、あるいは対応に苦慮する事例等に関する専門相談など、センターの活用を進めてまいります。  また、Bでは訪問サービスによる在宅生活のサポートの推進ということで、先ほどよりお話に出ております認知症初期集中支援チームの充実について記載しております。あんしんすこやかセンターの職員の皆さんとチーム員との合同研修や、あるいは連絡会によるOJTの積み重ねにより、対応方法や好事例の取り組みの共有などを行うことにより、ケアの質の向上に取り組んでまいります。また、医師による認知症専門相談では、認知症の症状や精神症状が輻輳しておられる方、あるいはニーズが輻輳しているような方について、専門医の先生に御助言をいただきながら、あんしんすこやかセンターやケアマネジャー等が支援方法を見出していくことにより、ケアの質の向上に取り組んでまいります。  Cの認知症の人と家族介護者への支援の充実では、これまで実施しておりました家族会や勉強会、介護者サロン等の支援を引き続き行うとともに、そういった家族の会の集まりなどのネットワークづくりに取り組んでまいります。また、引き続き、家族のためのストレスケア講座を実施し、ご家族自身の健康管理や心理的なストレスの予防のためのセルフケアについて、ご家族自身が日常生活で実践していただけるような取り組みを進めてまいります。また、認知症カフェの未整備地区におきましては、人材や会場の確保に向けて地区の情報収集を行って整備に取り組むとともに、既存の認知症カフェにも巡回等もさせていただきながら、運営相談やネットワークづくりを進めてまいります。  社会参加型プログラム開発事業につきましては、後ほど実績報告のところでも少し詳しく触れさせていただこうと思います。この事業につきましては、平成28年度から本年までの3年間におきまして、5地域で各1カ所の認知症対応型通所介護事業所、いわゆる認知症デイサービスでプログラム開発に取り組ませていただいております。3年目の本年につきましては、これらの活動を取りまとめまして、プログラムの開発マニュアルを作成する予定でございます。認知症デイサービスへ、マニュアルを活用して、普及啓発あるいは技術支援を行う体制づくりを進めまして、この手法を認知症在宅生活サポートセンターに引き継いでいく予定でございます。  Dとしましては、普及啓発の充実として、区のホームページの掲載内容の充実や、エフエム世田谷で現在もスポット番組などを放送しておりますが、いろいろな手段を使いまして、認知症そのものの普及啓発、また、認知症のご本人の言葉やメッセージの発信など、啓発の充実に取り組んでまいります。  E認知症サポーターの養成につきましては、これまでもあんしんすこやかセンターに担っていただきまして、出前講座で養成を広げてきておりますが、さらに認知症の予防啓発に取り組むとともに、ステップアップの講座を実施し、認知症カフェの運営ボランティアになっていただけるような人材の発掘や育成、あるいは地域での見守りを担っていただける人材の育成をしてまいります。  最後、Fといたしまして、地域のネットワークづくりでは、福祉人材・育成研修センターが世田谷区にはございますが、ここで多職種協働研修等を実施するほか、地区版地域ケア会議における認知症の医療福祉連携の好事例の共有など、医療と福祉の連携も進めていき、統合的な認知症のケアが提供できる地域の体制づくりに取り組んでまいります。また、サポートセンターの開設に向けて、認知症施策における医療・介護の連携推進の拠点としても、運営体制の確保に取り組んでまいります。  なお、この3年間の計画期間における計画の目標としまして、68ページの中段に数値目標を記載させていただいております。また、あわせて、次の69ページには、世田谷区の認知症施策の総合的な推進のイメージ図、おめくりいただきまして70ページと71ページには、本日も配付させていただいております認知症あんしんガイドブック(認知症ケアパス)、もの忘れチェック相談会につきまして、それぞれ少し詳しく事業のイメージを皆さんに持っていただくために、コラムとして掲載させていただいております。こちらにつきましては後ほどご覧ください。  資料4にお戻りください。今後の取り組みについてです。この7期の計画に基づいた各事業に取り組みながら、国の新オレンジプランとも整合を図り、区として認知症施策を総合的に推進してまいります。参考といたしまして、資料4の下の段に、国の認知症施策総合推進戦略(新オレンジプラン)の7つの柱を記載させていただいておりますので、あわせてご覧ください。  資料4についての御説明は以上でございます。 ○大熊委員長 では、また皆さんから御質問を受けたいと思います。 ○西田委員 認知症のサポーターについてですが、サポーターの方が全国的にも非常に増えているというのはよく聞く話なのですが、サポーターの方たちがどういうふうに具体的に地域づくりや、地域の支援にコミットするかというところがいつまでも見えてこないところがありまして、自主性に任せるということは非常に重要ですが、ただ、『こういうことにコミットしていただけます』というような方向づけやモデルの提示を積極的に発信してもいいのではないかと思っています。地域づくりが認知症の非常に重要な施策かと思いますので、サポーターの方々の積極的な役割やコミットメントをどのように推進するか、この点についてもし追加でお考えがあればお聞かせいただければと思います。 ○橋(裕)委員 認知症サポーターの方々の養成後の活躍の方法につきましては、現在、ステップアップ講座というのを実施しておりまして、ステップアップ講座を受講してくださるサポーターの方につきましては、例えば地域の認知症カフェの御案内などをさせていただき、まずは見学からでも始めていただいて、そこから何か御自分にできることがあればぜひ御協力をお願いしますといったようなオリエンテーションをさせていただいております。  また逆に、私どもの場合、あんしんすこやかセンターからの御紹介でそのステップアップ講座を受講してくださる方がいらっしゃいまして、あんしんすこやかセンターが御紹介くださる場合は、もう既にあんしんすこやかセンターと協力して何か活動を始めていらっしゃる方で、こういう勉強の場もあるのでぜひ行ってみてくださいと、あんすこのほうから御紹介いただいて、受講してくださる方もいらっしゃいます。  また、これは実際あんしんすこやかセンターの職員の方にも補足していただければと思いますが、認知症サポーター養成講座を、逆に地域の人材の把握や活動の場の把握のきっかけとしてうまく活用して、地域の団体に入り込むといいますか、地域にあんしんすこやかセンターのことを知っていただいたり、地域の皆さんと仲よくなるためのきっかけとしてサポーター養成講座そのものをうまく使ってくださっているあんしんすこやかセンターが多数ございまして、そういった中で、ここにこんないい活動があるとか、ここによさそうな人材がたくさんいるといったリサーチにも活用いただけているように伺っております。いかがでしょうか。 ○大熊委員長 あんすこから3人いらっしゃっていますので、どうぞ御意見を。 ○内藤委員 認知症サポーター養成講座を、地域共生の家ですとか、地域デイをやっている場所で行うことで、そこに協力するスタッフさんだったり、または参加の方がふえたり、あとは地域で実際にいろいろな活動をしているボランティアさんを対象にして行うことで、その後、サロンだったり、オレンジカフェなどの活動の中で理解を深めていただくというようなことをしております。 ○国枝委員 今行っている認知症サポーター養成講座は、地域で既に活動してらっしゃる方や、自治会・町会の方々に認知症を理解していただくという形でやることが多いです。  ちょっとずれるかもしれないのですが、サポーター養成講座も、キャラバンメイトとして講習を受けて、それぞれのあんすこでいろいろ工夫していますが、最初に講習を受けたころとテキストはそれほど変わっていませんが、今、地域の皆様も知識が大分ふえている気がします。一般的なことは皆さんいろんな情報を得ていらっしゃるので、ステップアップ講座まではいかないのですが、もうちょっとレベルアップした認知症サポーター養成講座をやりたいと思いつつ、そのプログラム、それこそプログラム開発が、多分各あんすこでいろいろ工夫しているけれども苦労しているところだと思うので、そういったところにも御支援をいただけるとうれしいなと思います。 ○佐藤(恭)委員 サポーターの方をどうのように活用していくかについては課題と思っています。あんしんすこやかセンターの事業にいろいろ御協力していただけるあんしんすこやかセンターボランティアさんとか、人材は地域にいらっしゃるのですが、うまくマッチングさせて活用していくというところは課題と思っています。 ○大熊委員長 ご本人たちが、サポーターと言わずにパートナーと言ってほしいということをこのごろ言っていて、上から目線で、助けてやるぞ、どこかに認知症はいないかというあの目線が嫌だということもあったりして、思い切って世田谷ではパートナーという名前にしてしまうというのも一案かもしれません。それから、教科書も大分古くなっているような気もするので、それはお気づきになったらどんどん、昔つくったやつですから、今の事情に変えたいということを世田谷から発信していただくのもいいかなというふうに思っています。  それでは、次の議題に移りたいと思います。(3)世田谷区の認知症施策について、御説明お願いいたします。 ○橋(裕)委員 では、資料5、世田谷区の認知症施策について、をご覧ください。  先ほど、センターの開設準備、あるいは7期計画等につきまして、区の取り組みについて少し御紹介をしてきたところですが、今回、平成29年度の事業の実績及び認知症在宅生活サポートセンターの進捗状況について、ここでまとめて報告させていただきます。  まず、1の平成29年度の事業実績でございますが、先ほどから事業内容等で御説明をしている、あんしんすこやかセンターのもの忘れ相談窓口や認知症初期集中支援チーム事業のほか、身近な場所で医師と相談できるもの忘れチェック相談会などを拡充いたしまして、地区型の相談会、あるいは支所等で行う啓発型の相談会などを実施しております。  また、認知症カフェの開設支援補助事業や、若年認知症の方を含む軽度認知症の方が、みずから意欲的に参加できることを目指した認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業を実施いたしまして、総合的にさまざまな施策の推進に取り組んできているところでございます。  長くなりますので、主な事業の29年度実績につきましては、ポイントを絞って御説明させていただきます。また、あわせて、きょう一緒にとじ込んでございます黄色い表紙のあんすこの風の該当ページを資料に示させていただきましたので、ご覧いただきながら、御説明をお聞きいただければと思います。  まず、あんしんすこやかセンターのもの忘れ相談でございますが、実件数が昨年度1488件、延べ件数が9074件となっております。あんすこの風の事業報告書につきましては、30ページから事業実績について掲載をさせていただいております。  恐れ入ります。30ページをご覧ください。過去3年間のもの忘れ相談の実績が掲載してございます。平成27年、28年、29年の各年度の一覧を掲載してございますが、少しずつではありますが、毎年、実件数、延べ件数とも増加してきておりまして、この件数につきましては、1件当たり30分以上の相談件数を計上させていただいておりますが、着実にこの3年間で、相談件数が伸びてきているという状況でございます。  次に、認知症初期集中支援チーム事業でございますが、こちらは35ページをお開きください。29年度の実績といたしましては、訪問実数が66人、延べ数としては365人で、お1人当たりの平均訪問回数は5.5回となってございます。実際に訪問した方々に、2〜3カ月後ぐらいに、あんしんすこやかセンターのほうから再度モニタリングで状況把握をしていただいておりますが、利用された9割の方はそのまま在宅が継続できているということがわかっております。  もの忘れチェック相談会につきましては、43ページ、44ページをご覧ください。あんすこの風では、(7)医師による相談事業という記載をしておりますが、このうち@のもの忘れチェック相談会につきましては、昨年度、各総合支所で医師と個別面接をするタイプの従来型の相談会を各支所2回ずつ、計10回実施をいたしまして、相談の実数は70人となっております。また、あんしんすこやかセンターを会場として行う地区型につきましては、29年度は5回です。5カ所のあんしんすこやかセンターで各1回、計5回実施いたしまして、1回あたりの相談定員が3名までとしておりますが、29年度は実数で11名が御利用いただきました。  また、総合支所を会場として行う啓発型の相談会につきましては、昨年度2カ所の地域で1回ずつ計2回実施をいたしまして、参加者の実数につきましては54人という状況でございます。  次に、39ページをご覧ください。認知症カフェの開設支援の状況でございます。39ページの中段、(5)で認知症カフェの開設支援について記載してございますが、平成29年度の補助団体数は6団体です。累計で現在24地区、40カ所の認知症患カフェが運営されておりまして、27地区のうち、まだ3地区で認知症カフェができていない状況でございます。  資料5につきましては、2ページ目をごらんいただきまして、認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業について少し御説明をさせていただきます。  あんすこの風の冊子は、46ページをご覧ください。46ページの中段(9)から、認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業がございます。この事業は、若年性認知症(軽度認知症の方を含む)の人の孤立の防止や、そのご家族の介護負担軽減を図るため、若年性認知症の方が意欲的に参加できる軽作業、あるいはボランティア等の地域交流ができるような活動をデイサービスの事業所に御協力をいただきまして、デイサービスプログラムの中で実施していただくような手法を開発し、平成28年度から実施しております。次年度以降は、指定認知症対応型通所介護事業所、いわゆる認知症デイサービスで実施していただく予定です。   平成28年度に開始いたしましたのが、まず1カ所、世田谷地域でデイ・ホーム弦巻に御協力いただきまして、若年性認知症の専門コースがこのデイ・ホームにはございますので、若年性認知症専門コースの方々に御協力いただきまして実施いたしました。29年度につきましては、そのフォローアップの意味を含めまして、プログラムの継続的支援を実施しております。29年度につきましては、新たに玉川地域でデイ・ホーム等々力、烏山地域で、今日いらっしゃいます坪井委員のデイホーム語らいの家に御協力をいただきまして実施いたしました。ちなみに、平成30年度は北沢地域でデイサービスすずらん梅丘、砧地域で優っくりデイサービス喜多見に御協力いただきまして実施しております。  実際にどのような活動をするかですが、認知症のご本人の希望や、あるいは得意なことを生かした活動を取り組んでいただいておりまして、例えば農園での土づくりですとか、野菜苗の植えつけなどの軽作業、それから商店街のイベントのパンフレットを折ったりですとか、あるいはパンをつくったり、クッキーをつくったり、それから、最初の1年目のときに実施していただいたのですが、先ほどの大熊委員長からお話がありました福祉区民学会の日に、休憩スペースでカフェというか、お茶が飲めるスペースがあるのですが、そこにご本人が来てくださって、実際に運営に従事していた学生のボランティアさんたちと一緒に、休憩室のお茶出しボランティアなども実施してくださいました。  そのような取り組みの方法で、例えばデイサービスとの相談の仕方や、利用者の方々へのオリエンテーションの仕方、どういったことをご本人たちが希望されたり、得意とされているかといったようなヒアリングの仕方など、さまざまな手法をマニュアル化しまして、認知症在宅生活サポートセンターの方に引き継いでまいります。今後、新たなデイサービス等で取り組んでみたいという事業者がありましたら、その手法を提供させていただくことと、また、この方法につきましては、事業者連絡会等で周知を図らせていただきまして、さまざまな事業者で御活用いただけるような方法をとってまいりたいと考えてございます。  資料5にお戻りいただきまして、2のセンターの準備状況についてでございます。準備状況につきましては同じ資料の3ページに一覧で掲載してございますので、あわせてご覧ください。  先ほど御説明しましたとおり、平成30年度より、センターの準備につきましては委託事業者による併行運営を開始してございます。区と委託事業者で定期的に連絡会議を開催いたしまして、センター構想に基づく5つの機能の事業について、順次、引き継ぎや打ち合わせを行いながら事業を実施していただいているところでございます。  3の今後の取り組みについてですが、センター機能に係る事業は、構想に基づいて計画どおり実施できておりまして、32年(2020年)度の円滑な開設に向けまして、運営体制づくりをさらに進めてまいります。また、先ほども御質問いただきましたとおり認知症サポーターのさらなる養成や活用、あるいは認知症カフェの未整備地区の開設等の支援に取り組みまして、地域づくりを進めてまいります。  また、Bとしまして、認知症のご本人やご家族による認知症施策の企画や評価への参画などの当事者の視点を重視した取り組みを進めてまいりたいと考えておりまして、先ほどのデイサービスでのプログラム開発事業も、御協力いただいた認知症のご本人から、仲間と交流したいですとか、こんなことをもっとやってみたいといった御要望のお声もいただいておりますので、そうしたことの実現に向けて、さらに総合的に施策を推進してまいりたいと考えております。  資料の御説明につきましては以上でございます。 ○大熊委員長 皆さん自由に御意見、質問だけじゃなくて、私たちはこういうことを企画していますよとかいうことでも結構です。 ○山口委員 網羅的な施策そのものに関しましては、申し分がないというか、非常に結構だと思っているのですけれども、ちょっと気になっているのが、いろいろ施策を打っているのだけれども、それがちゃんと区民に利用されているのかというところに若干不安がありまして、こういう会議に、いつも医師会、歯科医師会、薬剤師会、来させていただいているのですが、例えばもの忘れが出てきたときに、もちろん認知症初期集中支援の支援につながる方もいるのだけれども、ほとんどは医療機関におそらくかかっているのではないかと。あるいは歯科医の先生が診たり、薬剤師さんが診ていたりというようなことがあるのですが、そこから世田谷区の施策のほうにつながっていく仕組みというか、その辺もあってもいいのではないかと。  例えば何か常識的に、そのお医者さんが認知症を診断したときに、あんしんすこやかセンターに行きなさいと言うかもしれないのだけれども、例えば言った後それがフォローされていくのかどうか。どの程度これが利用されているのか。ほぼほぼ利用されているというイメージでしょうか。 ○橋(裕)委員 認知症かどうかということで、受診をされている方の受診状況の実態とか、あるいはそこから実際区の施策に御紹介いただいてつながったかどうかというところまでは、正直まだ調査等、実態把握ができておりません。  ただ、非常に重要な御指摘だと私どもも認識しておりまして、後で資料説明をさせていただくのですが、こちらの認知症あんしんガイドブックに、実はさまざまな相談先ですとか、あるいは、12ページあたりから、認知症の症状の進行度合いに応じて御利用いただけるいろんなサービスの一覧の早わかり表とかを掲載させていただきまして、これを例えばもの忘れ外来を実施してくださっている医療機関等に網羅的に配付させていただいて、ぜひ御活用いただければということを考えております。  区のホームページにも掲載をしているのですが、各個別の医療機関に情報が十分伝わっていないところもあるかと思っておりまして、今御指摘いただいたようなことも研究させていただければと思います。 ○山口委員 もちろん、もの忘れ外来をやっているところもなのですが、多分、今認知症の診療というのが、専門医療機関に受診しているというよりは、ほぼほぼかかりつけ医がもともとの疾患の延長で認知症も診ているというケースが非常に多いかと思いますので、例えば世田谷の会議などに出たときに、医師会の役割としてはこういうことをしてください、薬剤師会の役割としてはこういうことをしてくださいというような御要望が世田谷区さんのほうからあってもいいのではないかと感じます。  ちなみに、認知症あんしんガイドブックックが出ましたので、その12ページの4、認知症の程度とサービス(支援)早わかり表という非常にわかりやすい表であるのですが、これは(1)から(9)までありまして、(3)以降は世田谷区は余り問題ないというか、充足されているようなイメージはあるんですけれども、やはり(1)(2)のところですね。今、施策としてその辺も研究していくというような御提案があったわけですけれども、例えばそれこそ医師会とか薬剤師会、歯科医師会の役割を、要するにまだ十分ではない部分に関しても求めていってもいいのではないかと思います。  具体的には、例えば認知症予防というのは介護領域だけで議論する、要するにデイサービスで社会参加型のプログラムをつくるというだけではなくて、本来医療がやるべき部分かなと思いますし、例えばフレイル予防のことを調べていますと、この間も議論になっていましたけれども、神戸市などは薬剤師会が中心にやっていらっしゃると思います。予防となってくるときに、福祉ではなくて医療のほうもかかわっていくといいのではないかと思っています。  社会参加に至っては、多分医療系からすると不勉強過ぎて全くわかってないと思いますので、まず医療スタッフに対する啓発であるとか、そういったことも必要になってくると思いますので、そういう意味で、三師会も絡めていった方がよいかと思います。 ○橋(裕)委員 認知症ではないのですが、実際オーラルフレイルの予防で、歯科医師会には御協力をいただいておりまして、お口の元気アップのプログラムといったような事業も実施していただいているところでございますが、予防につきましては、もともと世田谷区は平成13年度から認知症予防プログラムという事業を実施しております。最近言われているフレイル予防の考え方を実はかなり取り入れた事業にはなっているのですけれども、やはり区民の皆さんへの周知が正直足りていないところと、あと効果的な介護予防のあり方というものを、今、総合事業も始まった関係もありまして、区としてもいろいろ模索をしているところでございますので、またぜひ御提案、御意見等ございましたら、いただけると大変ありがたいと思います。 ○佐伯委員 山口先生の御提案はとても大事で、自分もどういうふうに御紹介をし、その方がどうなったかを、どう把握すればいいかなと。その前に、具体的には薬剤師会の役割というのは、それぞれ入会している会員薬局の現場の薬剤師の役割ですので、それをどう周知するかなと考えつつ今の御提案を聞いて、重要だなと思いました。  自分たちは薬という物質、物を介するということ、診察とか診断は一切しないのですけれども、その物を介しているときに、あれっと思うときが結構あります。例えばある患者さんが、長年同じ薬を飲んでいるのに、ある時、こんなのありましたっけと言われてどきっとすることが結構あります。  私たち薬剤師の場合は、主治医の先生に申し上げるのがほとんどだと思います。例えば介護保険の認定ということであれば、あんしんすこやかセンターを御案内申し上げるのですけれども、認知症かもしれないと思う時は主治医の先生に申し上げます。主治医の先生から、その後の流れとしては僕らの手からもう離れてしまうことがありますが、そこを何らかのシステムを構築すれば、またその患者さんがいらっしゃったときに、どうなさいましたかと伺うことができるので、それには会員だけに限らず、薬局の役割というのを周知すれば、残念ながら全員が世田谷薬剤師会、玉川砧薬剤師会の会員ではないので、ほかの薬局にも周知するということを行えば何かうまいことができるのかと。そのうまいことの具体的な方法が、例えば自分たちが直接御紹介をした場合でしたら、どうなさいましたというところからフィードバックがまたできると思うのですけれども、医師の先生方の受診をというのが恐らく多くの薬局だと思いますので、その流れを把握するのに患者さんに聞くことは可能です。  その中で、例えばこの先生にこういう御紹介を行いましたということを、あんしんすこやかセンターなり、認知症在宅生活サポートセンターなりに御連絡をするようなことが可能かどうか。そんなことも含めて、三位か四位かわかりませんが、一体となって考えていけばいいのかなと思いましたので、自分たちも頭を絞らなければいけないのですけれども、いい流れがありましたらよろしくお願いいたします。 ○橋(裕)委員 この会議のほかに、実は世田谷区で、認知症に限らず在宅医療・介護連携のための協議会などもございまして、さまざまな医療・介護連携のあり方を検討しておりますし、あんしんすこやかセンターが、今年から在宅療養相談窓口というのも始めておりまして、入院相談であるとか退院支援であるとかといったような相談事業も行っておりますけれども、実際、歯科医師会や医師会、薬剤師会に御協力いただくその役割としてどういうところをお願いすればいいのかとか、今、山口委員からご提案いただきました早期対応、早期発見、あるいは予防も含めて、情報をどのように、いわゆる連携パス的なものと、私は今イメージしましたが、ご本人の了解のもとで、うまく予防施策なり、支援施策なりにつなげていって、区の施策を活用していただけるようなルートのつくり方をどうしたらいいのかというのは、実は認知症施策では非常に重要な話になってくるかと思っておりますので、ちょっと御相談させていただいて、アイデアなどもいただきながら検討できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○大熊委員長 ありがとうございました。 ○松井委員 私自身の認識が足らずに、教えていただきたいのですが、この資料5の3ページ、認知症初期集中支援チーム事業が平成30年度から事例の提出時期が随時変更と記載されているが、今現在、随時に変更されているということでしょうか。 ○橋(裕)委員 29年度までは、3カ所の法人に御協力いただいて実施しておりました。どこの法人も、もともと訪問看護ステーションなどの介護事業を実施していらっしゃって、兼務の体制でマンパワーを提供していただいておりましたので、どうしても年間で訪問できる件数の総量に限界があるということで、訪問のスタート時期をある程度区切って、何月からスタートという感じでクールを分けて実施させていただいていたという実態がございます。  一方、あんしんすこやかセンターからは、今、事業を活用したいというときにすぐ対応していただけないということで、どうにかならないかという御要望を伺っておりました。センターの体制が整備された際には、職員を専従で配置するというのを前提にしておりましたので、ここでは随時訪問が開始できるような体制にしようということを、前々から区のほうでも考えておりまして、今年から専従体制になったことで、訪問の時期を、あんしんすこやかセンターのほうから希望の時期を随時で上げていただいて訪問をスタートするような形をとっております。 ○松井委員 ありがとうございます。それはなぜかというと、私たち訪問看護で伺う御利用者さんは、先生からの指示書があって訪問するのですけれども、訪問してみると、対象者の方の奥様・旦那様も対象と思われるが、でも、ご本人は全然認識がないということが多々あります。ただ、初期集中支援チームは、私の以前のイメージは、半期ごとの事例提出で、半期の時期が過ぎると次の事例提出は半年待たなければならなかったと思います。それが随時ということがわかると、訪問のときに気づいたら、すぐにあんすこさんにつなげて、より早期に対応できるので、とても心強く思います。 ○大熊委員長 永野さん、今うなずいておられましたけれども、何かコメントはありますか。 ○永野オブザーバー 私どもは4月からやっているので、随時にあんしんすこやかセンターさんから出していただいた事例を訪問しておりますが、周知が十分でなかったと今反省したところです。済みません、ありがとうございました。  今後、介護事業者のほうには、いろいろ私どもも連携していかないといけないということで、巡回訪問をさせていただく予定にしておりますので、またそういった機会等々を活用して御説明していきたいと思います。 ○渡辺委員 認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業についてお尋ねさせていただきます。  お話、御報告を聞いて、とても大事なことだと思っていますけれども、今、厚労省のほうでもありましたけれども、若い方は、ボランティア的なものとか、サポート的な働きではなくて、やはりある程度でもお金を生み出せるような働き、役割を求められている方もいて、若年性認知症を支援されているいろいろな団体さんを見ていると、社会参加というよりは、社会復帰ができるプログラムをやっていらっしゃるところがあるなと思っています。世田谷区もせっかくやっているのであれば、当然委託を受けた各デイサービスでいろいろ考えていただくのもいいのですけれども、区のほうで、受け入れ側の啓発、企業さんだったり、商店街さんのほうで、障害者の就労支援に近くなってしまうかなとも思うのですけれども、そういったところの情報提供だったり、つなぎのところを一緒にできるといいんじゃないかなと思いますが、何か検討されていることがあればお聞かせいただければと思います。 ○橋(裕)委員 まさに委員のおっしゃっているとおり、まだこのプログラムは、私どもでも仮説的に、デイサービスに御協力いただければご本人と必ず出会えるので、どういったニーズがあるかも見ながら、実際どんなことができるか、モデルをつくっていこうということでスタートしました。実際に今回このモデルで事業を3年間やってまいりまして、先ほどの農園の方に御協力いただいて、実際の事業の委託自体はボランティア協会に委託をしておりまして、デイサービスの事業者さんのほうは本当に御協力ということでいただいております。ボランティア協会はいろんなネットワークを持っていらっしゃるので、これまでの取り組みの中で把握しているさまざまな業界の方ですとか、さきほどの農園の方ですとか、いろいろ出会いがあった中で、ここでもしかしたらこんなことができるかもしれない、あるいはご本人たちのニーズを見て、この人に協力してもらったらできるかもしれないというようなことで、協力者の開拓も並行して実施していただいております。  その辺は表にはなかなか見えにくいのですが、実は一番大事なところかなと私どもも考えております。どうやって協力者を見つけていくかといったようなこともぜひマニュアルの中には入れるべきと考えております。商店街などにも御協力いただいたりもしましたが、表向きにこの人が認知症ですと言わなくても、こんな作業があるんだけれども頼めるかなということでオーダーをいただいたら、ちゃんとそれができて戻ってくるといったようなこともやっておりますので、受け入れ側というか、御協力いただける機関の開拓というのは非常に重要だと認識しております。ぜひマニュアルに入れたいと思います。 ○大熊委員長 本当に1人1人でやれることがたくさんあって、最近知り合いになった方は、普通のお掃除もちゃんと真面目におやりになるらしいんですけれども、一番得意とするのは、自分がどうしてこのようなことになってしまったかという身の上話を講演としてなさって、パワーポイントなどを上手にお使いになって、だけれども、やはり人とのやりとりというところはうまくできない。なので、1人1人をよく見て、才能とかスキルを見つけるというのが大切かなと。  それから、さっき回してくださった、皆様のお手元では「本人にとってのよりよい暮らしガイド」という、私のホームページの認知症ケアの部屋の一番上のほうをクリックすると出てきますけれども、これはご本人たちが知恵を集めて「一足先に認知症になった私たちからあなたへ」という冊子を、散々討議しながらつくられて、これも1つの仕事であると思います。  この段階ではイラストを使っているのですけれども、ここに学んだ仙台のグループでは、自分たちは顔を出したら悪いものというふうなものを吹き飛ばそうというので、全編ご本人たちが写真で登場したり、中には包丁を持ってやっているというのをわざと入れたり、バージョンアップしておりますので、これも広い意味のお仕事だと思います。  それから、仙台では今、ご本人が講演したりするなど、何かできる方がどんどん増えているのですけれども、その最大のコツは、ついてきた家族とご本人を引き離すことだそうで、必ず横にいるご家族がしゃべっちゃって、こんなに私は苦労しているのよという話になってしまうので、別々のグループにすると途端にご本人たちが話すようになり、そこからリーダーが育っていくというふうに丹野さんたちから聞きましたので、参考になさっていただけたらと思います。 ○小森委員 山口委員から三師会のお話が出て、橋課長から、お口の元気アップ教室とか委託をいただいている事業についてお話がありましたので、質問というよりも、歯科医師会が取り組んでいることの御紹介をさせていただこうと思います。  お口の元気アップ教室というのは、私たち歯科医師は、一般的には歯周病や虫歯をターゲットに仕事をしている立場にはあるんですけれども、摂食嚥下障害、誤嚥性肺炎、肺炎というのが高齢者の死亡の第3位に入っているということで、これから非常に大事な部分になってきます。  お口の元気アップ教室は、主に歯科衛生士が中心となって、簡単に言えばお口の体操、リハビリをすることであり、段階を経て計8回、8回のうち2回は、私たち歯科医師が検査を行います。それで、その6回のプログラムでお口の体操やら学問的なものを学んでいただきながら、実践的なものもやっていただきます。  これは、せたがやコールで区民の方が自由に申し込めるもので、かなり盛況です。年間4回やっており、そのうち3回は梅ヶ丘にあります世田谷区歯科医師会の会場、もう1回は砧の成城ホールでやっております。これは玉川歯科医師会のほうでも、世田谷区からいただいている受託事業ですので、場所はちょっと違いますけれども、同じように取り組んでおります。摂食嚥下障害に着目して、お口の元気アップ教室を開催しています。  もう1つ、平成28年10月から始まったものに、すこやか歯科健診がございます。これは、お口の元気アップ教室みたいに区民の方が自由に申し込めるものではありません。あんしんすこやかセンターのケアマネジャーさんとかが区に申し込んでいただく形で、ケアマネジャーさんが最初に動いていただかないと健診につながりません。今3年目ですけれども、まだ件数が伸び悩んでいる状態です。やはり区民の方々が直接申し込めるのと、そうでないのとでは、なかなかハードルの高さが違うというのは仕方がないところがあると思いますが、世田谷区から委託をいただいている健診事業では70歳まででしたが、このすこやか歯科健診は、75歳以上の方は誰でも受けられるすごく画期的な新しい事業でして、世田谷区さんも、75歳以上の方にチラシなどを同封して送っていただくなどの啓発をやっていただいたおかげで、かなり問い合わせは増えました。  すこやか歯科健診というのは、もともとは認知症等高齢者歯科健診というサブタイトルがございまして、今は余り認知症という言葉が表に出てきてはいませんが、初期の認知症の方のお口の中を早目に、認知機能がかなり下がってしまいますとお口もあいてくれない。私たちも実際に施設とかで指などをかまれております。重度の認知症になると、お口をあけてくださいと言ってあけてくれる方はほとんどいません。そういうことになると、治療をしなければいけない歯、体に害を及ぼすようなお口の中の不健康な状態を治すことができません。そういう方々をいち早く見つけて、先手を打って早目に歯科治療に結びつけていこうというコンセプトがございます。  なので、あんしんすこやかセンターさんの中でも、いろいろ本来のお仕事があって、ケアマネジャーさんもなかなかお忙しいとは思うのですが、すこやか歯科健診に御理解、御協力をいただけるとありがたいと思います。 ○大熊委員長 ありがとうございました。 ○太田委員 認知症在宅生活サポートセンター構想の件ですけれども、あんしんすこやかセンターから初期の認知症の患者さんの紹介を受け、啓発を踏まえて事業を展開していくと思うのですけれども、実際に地域にある認知症に関する医療資源というのは、必ずしもセンターだけではないと思います。実際には、国の制度にもかかりつけサポート医というものがオレンジプランにもあって、それはもう既に初期の認知症に対するサポート支援の1つでもありますし、各医会の中に、世田谷の中にも精神科医会があれば、区の資料の中にも出ているもの忘れ診断地域連携(クリティカルパス)の医療機関もあります。  これらの医療的な連携支援に関して、この認知症在宅生活サポートセンター構想の中に、もう少し練りこんだほうがよいと思います。  具体的には、例えば地域包括のほうでは、今、在宅医療と介護に関する資源マップをつくっていますけれども、同じように認知症に関する資源マップというのが、どの程度区、認知症在宅生活サポートセンターで把握できているのか。把握できたものにどのようにつなげていけるかというところも、少し煮詰めて入れていく必要もあるかと思いますがいかがでしょうか。 ○橋(裕)委員 医療に関しましては、今、委員に御指摘いただいたとおり、病院と各医師会とで医療連携のパスをつくっていただいておりまして、実際すぐに受診行動に移れる方、あるいは受診先を探していらっしゃる方につきましては、あんしんすこやかセンターで御相談をお受けした際に、お近くにこういった医療機関がありますとか、あるいはどういった医療機関の受診を希望してらっしゃるか、もともとのかかりつけの先生に御相談が可能なのであれば、まずはかかりつけ医の先生に御相談いただくといったような御案内も含めて情報提供等をさせていただいているところです。  認知症初期集中支援につきましては、今まで認知症の医療にかかっていない、あるいは受診行動をすぐにとれそうにないとか、介護サービスもまだ使っていないといった方を対象とする事業ですので、既にかかりつけの先生が例えばアリセプトも処方していらっしゃるような方は対象外とさせていただいております。認知症初期集中支援で、ある程度認知症の症状がありそうかどうかとか、あるいは受診を早くしたほうがいいかどうかとか、一次的なアセスメントをさせていただいた上で、実際にはかかりつけの先生、あるいは認知症の診療をしていただける医療機関に御案内をさせていただいて、受診支援を行うといったようなことも、あんしんすこやかセンターと協力して実施しているところです。初期集中支援は長くても6カ月しかございませんので、その後は当然地域の医療機関の先生方に御協力いただかないと、認知症の医療体制の確保はできない状況にございます。  情報の発信という点では、医療機関の情報を各医師会のホームページでも掲載していただいておりますけれども、医療・介護連携の一環として、認知症在宅生活サポートセンターと各医療機関と連携させていただくことはこれからも必要になってくるかと思っておりますので、そのような方策もこのセンターの機能の中に、医療の提供そのものはできませんが、医療との連携はできるかと思っておりますので、ぜひ盛り込ませていただきたいと思います。 ○大熊委員長 フランスでは認知症の薬というのは効かないので保険には入れませんという資料をつけましたが、きょう御欠席の上野委員に、何か発言したいことはありますかと聞きましたところ、日本の場合は、認知症薬には確かに害がある、ただ、少し効くケースもある、その使い方についてお医者さんたちがきちんと学べる機会があったほうがよい。認知症の研修会というのは、おおむね○○○など製薬会社がスポンサーとなっているので、そこでは認知症の薬はこう効きますよという話はあるけれども、こういう害があるという話がないので、先生方にそれが伝わってない。そうするとそのお薬の後に出てきたことについて、これが副作用だということに気がつかず、それを消すためにまたさらに薬を足すということがあるので、世田谷区では本格的な認知症の薬についての勉強会を、製薬会社主催ではなくやったらどうかということをおっしゃっていました。それからまた、佐伯委員などは、すごくその辺は造詣が深いので、薬剤師の先生方と御一緒にというのはどう思われますか。 ○新里委員 薬ですので確かに副作用がありますから、副作用は頭に入れて処方するわけですけれども、認知症の薬というのは、アンメット・メディカルニーズという表があるのですけれども、お薬を出して、その貢献度と満足度というグラフがありまして、一番上のほうには血圧の薬とかぜんそくの薬があるのですけれども、やっぱり認知症の薬というのは結構下のほうにあります、一番下かもしれません。だから、貢献度が低いということです。ただ、非常によく効く人もいます。  ただ、私も昔から認知症をやっていまして、薬がない時代も知っていますので、薬がないと、外来に来て認知症の診断をして、認知症ですとお伝えして、その後はもうつながらないわけです。今は、薬を出しますから、お薬を飲んでもらって、それで介護保険に入ったり、ご家族といろんな連携がとれるようになったりしているので、そこは非常に大きな薬の力だと思います。薬は非常にもろ刃のやいばのところもありますけれども、そういうバイアスのないというか、薬に対する忌憚のないディスカッションができる場があるといいでしょうね。  あともう1つは、やめどきといいますか、ずっと飲んでいて、ベッド上の生活になっても認知症薬を飲むのかということは余り語られていないように思うので、そういうところも議論できるといいのかなと思います。 ○大熊委員長 上野委員が訪問診療を始められたころには、お薬を抜いていくたびに患者さんの様子がよくなって、上野先生、名医というようなことになってしまったそうで、薬剤師の先生から、あなた、アリセプトは向いていないのではないでしょうかというのは、1対1では言いにくいことではあるけれども、全体として世田谷のお医者さんたちは、製薬会社のMRさんからの情報ではなく、本当のお薬の本体とか、少し効くとしたら、効いた人は続けるけれども、そうでもない人はどうやってやめるかというようなことの指南とかは、どうでしょうか。 ○佐伯委員 医薬分業になって久しいですから、むしろ医師の先生方は手元にお薬がない。それを患者さんの御都合のいい薬局に行って処方箋を出していただくということで、適切に処方されていることが多いと思います。  ただ、誤解を恐れずに言えば、例えばこの薬、出ているアリセプト(ドネペジル)の作用機序が、全く違うものですけれども、すごく極端な言い方をするとサリンと同じ作用機序なんですね。サリンというと毒ですから、全く別の効き方、強烈な作用か非常に軽微な作用かというところで御理解いただいたらいいですけれども、アセチルコリンの分解を阻害する作用を両方持っていて、サリンはそれが強力にあるからあっという間になくなってしまう。ただ、それをちょっと阻害してあげれば、アセチルコリンが脳に働くのを助けて、アルツハイマーを治療できるのではないかというのが、もともとこのアリセプトです。ところが、副作用として吐き気があったりするわけです。これは人によって違うし、医師の先生方も、最初は吐き気があるかもしれないよということをおっしゃることがあって、確かにいろいろ誤解を招いたり、場合によっては問題があったり、それから、まさに新里委員がおっしゃったどこでやめるかというのがきっと難しい問題でしょうけれども、自分なんかは、ご家族の方にも時間があるときは、誤解のないように詳しく、いたずらに言うと誤解を生みますから、詳しくお話をして、こういう作用もありますよと。あと難しいのが、多分医師の先生方は一番悩んでいらっしゃるのではないかなと思うのが、これが効くかもしれない、効くとは医師の先生方ももちろん言い切れない。それから、その時期によっても、新里委員がおっしゃった効果がある場合というのがあるのだと思います。非常に初期であって、それがまた医師の先生方も難しいなと思っていらっしゃると思うのですけれども、昨今のいろんな研究をしていらっしゃる医師の先生方のコメントを聞いても、運動が非常に効果があるということがございますよね。そうすると、運動が効いたのか薬が効いたのか、これはなかなか結論が難しいところもあって、両方かもしれないとなると、その薬を飲んでいてよくなった人はいいですけれども、なかなかよくならない、もしくは進行がちょっととまっているのかなぐらいでやめていいのかどうかというのは非常に難しいところだと思うのと、我が国の保険医療制度で、実は医師の先生方は、この病名には使えて、この病名には使えないというところがあるので、薬剤師と違ってとても御苦労されているのだろうと思います。  我が国の国民は、お医者さんにかかって薬をもらうときは全て保険でもらえると、誤解を恐れずに言えば思い込んでいらっしゃる。実は国がその説明責任を医療関係者だけに押しつけると言っては言い過ぎかもしれないですけれども、任せるもので、言いにくい部分もあって、なので、この病名に使えないよとはなかなか医師の先生も言いにくい場合もあるのではないかと、僕らは勝手に推測をしています。  そんなこともあって、患者さんにある程度こういうことなんですよと、医師の先生方もされていると思うのですけれども、薬剤師の視点からそこを御説明するのは必要かなと思っております。 ○大熊委員長 加畑さんのレビー小体型は、薬の使い方で悪くもよくもなるということで。 ○加畑委員 今の話、全部レビーに関係ありました。  きょうずっとお話を聞いていまして、私たちは末端にいる本人と家族ですけれども、その立場から見ましたら、はっきり言って世田谷区の区民の方もいっぱい会にいらっしゃいますけれども、まずみんな知らない。周知が全くできてないということ。あんしんすこやかセンターへ行って聞いてみた?と言ったら、そこへ行ったけれども説明がわからないとか、してもらえない、それから、ケアマネさんも認知症在宅生活サポートセンターの構想について知らないと。じゃ、ホームページを見たらと言ったら、それもよくわからないという、そういう状況です。だから、まず周知はどういうふうにしたらいいのかということ、そこをちょっと考えていただきたいと思います。  それから、ちょっとお伺いしたかったのですが、西田委員が新しい形、見守りということもおっしゃっていましたが、家族支援のサポート機能の面で大変だった部分は少し見えましたでしょうか。多分、家族会の周知とかいろいろなさったと思うのですけれども、何か困り事とかありましたら教えてください。 ○永野オブザーバー まだ、私どもも区内にあるさまざまな家族会のことを熟知しているわけではないので、それぞれの家族会の特徴とかを捉えた上で必要な方に御紹介するのがいいのかなと思っているので、まずはそれぞれの家族会のことをよく知りたいなと思ったことと、家族支援の中で、表の中には入っていないんですけれども、介護家族のためのストレスケア講座というのをやっているんですが、さまざまなところで家族会に参加されたり、いろんな相談会に行かれたりしている家族の中でも、なかなかケアできていないというか、どうしても自虐的というか、自罰的になっている方もいらっしゃって、ストレスケア講座の中で涙を流されて、ここで話せてよかったとか、みんなの話を聞けてよかったという御様子を拝見したので、少しそういう気持ちを表出できるような場がもうちょっとあったらいいのかなと思ったところがあります。 ○加畑委員 わかりました。確かに家族会だけでは解消できないことはたくさんあるのですが、このストレス講座も、私も随分皆さんにお知らせしたのですが、場所的な問題とか、やっぱり世田谷区は広いので来られないんですね。参加したいけれどもできない。そういう意味で、これからずっと先のことになると思いますけれども、何カ所かでやっていただけるとか、そういうふうになったらいいなと思っております。  それと、やっぱり連携ですね。私たちは薬にとても関係がありますので、かかりつけ薬剤師を積極的に利用しようとか、訪問歯科をしっかり利用しましょうとか、指導も受けましょうと。口腔ケア、非常に私たちは頑張っていますので、そういうことで非常に大事なことなのですけれども、やっぱり連携ができていないというところ。大変なことだと思うのですが、そこがもうちょっと大きい力になってほしいなと思っています。余りにもそれぞれがばらばらに活動なさっている、いい活動もたくさんあるのにそれがつながってない。そういう意味で、認知症在宅生活サポートセンターでそれをちゃんとまとめられるような、そういうシステムに育っていったら、もちろんこれから何年もかけてだと思うのですけれども、そうなってほしいなと思います。 ○村中委員 今、皆様方のお話を聞かせていただき、また前回の資料も持ってきて見比べたりしていながら、どんどん進んでいるなというのを改めて感じたところでございます。  先週も熊本と大分の県境にある小さな町に行ってお話を聞いてきたのですけれども、そこはもう本当にないない尽くしなので、そこに住んでいる人が総力を挙げてみんなで取り組まなければいけないというようなお話も聞いてきた中で比較すると、やはり非常に社会資源もあって、世田谷は本当にフロントランナーだなと思いながら聞いていました。  そのフロントランナーとしてこれから目指すのは何かと思うと、今のお話を聞いていると、認知症になっても、いかに安心して暮らしていけるかというところとか、いかに早くつながるかというようなお話をお聞かせいただいたと思うのですが、先ほど山口委員からも予防は医療というお話もありましたけれども、これからは認知症を進めさせない世田谷というか、なったら困るというのではなくて、今、体のほうは健康寿命なんて言われていますけれども、世田谷に住んでいると認知症になっても安心だし、認知症になっても進みにくいよ、世田谷にいると認知症になったら早く相談ができて、いろんなところにも行けて、そして、認知症になりながらも自分らしく生きていけるよという世田谷だとすると、認知症になっても自分らしく生きていける、安心で、そして認知症を地域全体として進めさせないよという世田谷を目指していくのかなと、お話を聞いていてつくづく思ったところです。ぜひこういう取り組みを続けていくのと、そういう姿勢なんだということを、区民の方にも発信していただけたらなと思います。  区民の方にしてみると、今、受け手の情報としては、認知症あんしんガイドブックなんですけれども、なったらこうなりますということなんですけれども、区の方針として、なったら困るという予防ではなくて、少しでも元気でいられるよというメッセージ性を出していただけると、区民の方の本当の安心につながるのではないかと思いながらお話を聞かせていただきました。 ○西田委員 村中委員の今の御発言は本当にそのとおりだなと思いまして、僕が精査する限り、予防は基本的に難しい現状にあるので、予防するとか、すべきものだとすると、あってはいけないものだという逆転のスティグマが発生していて、そういうものを私が抱えてしまったということを否認するというのも心理的に発生するので、予防の事業はかなり戦略的にやらないと逆効果だというのも世界的に明らかになっています。やはり村中委員がおっしゃったように、なっても苦痛が緩和されて、世田谷なら生き生きやっていけるんだというのが、結果的に早く支援を求めるという行動につながるので、従来の病気になったら、認知症だと思ったら早く専門家の元へみたいな形になると、専門家じゃなければこれは扱えないものだとなってしまって、一般の人も手を引いてしまうので、予防のメッセージというのは非常に丁寧に考えてやっていくと、世田谷らしい地域づくりができるのかなと思いました。 ○大熊委員長 予防というのを進めれば進めるほど、なったら大変、なったら大変、なっちゃったあの人はちゃんと予防していなかった、ということになってしまうので、仮になっても、この世田谷では安心なんだというメッセージを出し続けるというのが、世田谷らしい方向ではないかなと私も伺っていて思いました。  遠矢先生は、スウェーデンでシルビア・ドクターという称号をお持ちになっていらっしゃったし、ここには、一騎当千の委員の方がいっぱいいらっしゃいますので、必ずフロントランナーになれると信じております。  事務局からの最後のお知らせ、その他をお願いいたします。 ○橋(裕)委員 皆さん、長時間にわたりまして、大変さまざまな御意見や熱心な御議論をいただきまして、まことにありがとうございます。議事録のことで、1件御確認をさせていただきます。  本委員会に関する情報公開についてということでございますが、昨年度も実施いたしましたが、本委員会の透明性や区民の情報公開の担保のために、委員会の議事録及び資料につきましては、会議後に概要版の議事録を区ホームページで公開をさせていただきます。個人情報等の非公開の内容につきましては公開対象とはいたしませんが、議事録の概要をホームページで公開させていただきますので、御承知おき願います。本日の議事を全て終了いたします。どうもありがとうございました。 午後9時5分閉会 26