平成28年9月5日 世田谷区認知症施策評価委員会 平成28年度世田谷区認知症施策評価委員会 会議録 ■日時 平成28年9月5日(月)19:00〜21:00 ■場所 世田谷区役所第3庁舎3階 ブライトホール ■出席者 ■事務局 高齢福祉部介護予防・地域支援課 ■会議の公開 公開 ■次第   1 開 会 2 世田谷区高齢福祉部長挨拶 3 資料の確認 4 議 事 (1)世田谷区認知症在宅生活サポートセンター構想の進捗状況について (2)平成28年度の認知症関連事業について (3)その他 午後7時3分開会 ○尾方委員 世田谷区認知症施策評価委員会を開催する。 高齢福祉部長の瓜生より御挨拶を申し上げる。 ○瓜生委員 皆様には、お忙しい中、また夜分にお集まりいただき御礼申し上げる。  世田谷区の人口は約89万人、高齢者人口が約18万人と、高齢化率が20%を超えている。中でも75歳以上の後期高齢者が大変多い状況である。  平成28年4月現在で、介護保険で要支援、要介護と認定された方が約3万7000人おり、65歳以上人口の約20%、東京都平均、あるいは国の平均よりも高い状況である。  また、この認定を受けていらっしゃる方のうち、何らかの認知症の症状がある方が2万1000人、これは年々増加しており、毎年1000人ずつ増えていると区長が申し上げており、区長の認識としても何とかせねばならないと思っている。  また、高齢化が進展する中で地域包括ケアシステムを構築する中で第6期高齢介護計画を策定し、現在推進している。  相談体制の充実として、区のまちづくりセンター27カ所にこの7月から、今まで出張所だったところにもまちづくりセンターをオープンさせ、まちづくりセンターの中に、地域包括支援センター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会を一体化するという取り組みを進めている。高齢者だけではなくて、障害のある方、また、子育て中の不安のある方、それから生活困窮の相談もここで受ける取り組みを、この7月に全地区でスタートしたところである。26年度には1カ所、27年度に5カ所、この28年7月からいよいよ全地区で実施になった。まだPR不足等もあり、相談が多く寄せられているという状況ではないが、身近な地区の相談窓口として充実していきたいと考えている。  今後、65歳以上の方、特に75歳以上の方の人口が増える中で、認知症になる方もまた増えていくと予想されている。そういう中、年をとっても、認知症になっても、住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりを目指すのは、世田谷区にとって欠くことのできない課題であると認識している。  委員の皆様には、日ごろの研究や御活動に基づく見地から、さまざまなご意見を賜りたい。認知症の方やその御家族に喜んでいたただける在宅支援施策の充実、また、地域づくりに向け、御助言、御尽力賜るようお願い申し上げる。 ○尾方委員 委員の皆様方には、世田谷区認知症施策評価委員会の委員をお引き受けいただき感謝申し上げる。この施策評価委員会は、昨年度、臨時で1度開催し、今年度から本格的に実施するものである。委員の任期は1年で、再任を妨げない。委嘱状については、略式で机上に配付していることをご了承願いたい。  ここで、今回委嘱された6人の委員を紹介させていただく。また本日は、欠席の委員が4名、遅刻の委員が1名の予定である。  それでは、ここから議事に入るため、大熊委員長に議事の進行をお願いする。 ○大熊委員長 よろしくお願い申し上げる。議事に入る前に、この間、大きな動きが幾つかあり、隣の目黒区の東京医療センターを拠点に、ユマニチュードが大変な勢いで広まっている。それから、認知症ご本人の会が大変活躍しており、首相に会って提言するということもあった。レビー小体も最近は随分知られてくるようになった。  もう1つ、世田谷、東京発で全国的に広まろうとしている事業がある。西田委員と上野委員と区内の精神科医、在宅診療医等が中心になって、認知症についての画期的な、結局、世田谷勢で国を動かそうという勢いだが、それについて少し説明していただき、世田谷のこれからの大きな流れの参考にしていただいてから、本格的な議事に入りたい。では、上野委員。 ○上野委員 本来ならば、東京都医学総合研究所の西田委員に紹介していただくべきだが、「認知症の人の地域生活を支援するケアプログラム推進事業」についてご報告申し上げる。認知症の方は生活障害があり、私たちが支援を考えているわけだが、在宅生活や施設での生活が破綻する原因というのが、いわゆる行動心理症状や、せん妄状態といった、様々な精神症状のケースがとても多い。それは日本だけの現象ではなくて、世界各国で問題となっている。  東京都ではこういった精神症状が生じた場合のケアを検討しており、世界で行われている優良な実践を導入しようと、「認知症の人の地域生活を支援するケアプログラム推進事業」を今年度から開始した。これは、スウェーデンの行動心理症状ケアプログラム「BPSDレジストリ」を導入するものである。  今年度は東京都医学総合研究所で研究事業として行い、私も関わらせていただいている。さまざまな精神症状、例えば薬物の副作用、体の具合が悪くて出てくる精神症状、せん妄状態、そういうものが、行動心理症状と言われている。このプログラムはコンピューターシステムに登録する形になっており、登録の際に、例えば体の具合や、薬の内容をチェックする。私たち精神科医は、精神症状がある場合に、まず最初にせん妄状態等をチェックするが、それはこのシステムの中で自動的に行われる形になっている。そして残された、いわゆる行動心理症状と言われる精神症状に関しては、認知症の方の満たされないニーズがあらわれたものであるという基本的なコンセプトを持つ。このように、まず最初に、私たちの意識を変える。  今までは、精神症状が出た場合、ただの問題行動、否定的なメッセージとして取り上げてしまいがちであった。しかし、このBPSDレジストリでは、精神症状自体を大切なものと見る。それはその方の生活をよくすることができる可能性がある、満たされないニーズの発露、表現である。認知症の方は認知機能障害があるために、いろいろなニーズや思いがあっても、なかなか表現できない。それがいわゆる精神症状として生じている。それを私たちは今まで面倒なもの、撲滅すべきもの、なくすべきもの、否定すべきものとして捉えていたが、こちらのプログラムでは、それをその方の満たされないニーズの表明であると考えて、それをとことん大切にする。  そして、NPIという評価尺度を使ってBPSDを視覚化する。さまざまな精神症状があるが、それに対して、スタッフ全員で考えて、問題を共有して、同じ対策を行う。同じ対策をして、スウェーデンでは2、3カ月後にその評価を確認して、そしてまた修正をかけて、またやっていくというような形で行っている。そうすると、成果が可視化されて、よくわかる。  このプログラムを使うと、さまざまな精神症状が出たときに、スタッフが、自分達はこの精神症状に対して対応ができる、メッセージを読み取って精神症状に対応することができるという自信がつき、さまざまな原因をみんなで検討し行動するので、そのスタッフの自信が相手の方に伝わって改善するという効果もある。  スウェーデンでは地方自治体で認知症のケアが行われており、95%以上の自治体で導入されていて、そこで導入された施設のスタッフから、これなしでは認知症のケアができないくらいの評価をもらっているようだ。それを聞いて私たちも、今年度は研究事業として成果を確かめる段階、そして来年度から本格的な導入を目指す形になっている。  私はずっと精神科医として精神症状を診てきているが、私から見ても、非常によくできたプログラムである。世田谷でも研究事業の中でこのプログラムを実施していく。  そして、スウェーデンでは、施設だけで行われているが、日本では在宅の方にもこのプログラムを応用しようと研究事業をやっている。  9月から本格的に運用・研究が始まったばかりだが、非常に期待ができるプログラムなのではないかということで御紹介させていただいた。何か御質問があれば。 ○大熊委員長 これはまだ、どこにも出ていないニュースだが、皆様に特別に御披露してもらった。西田委員や皆さんで、これをやった方と、普通の知識だけでケアした人がどのくらい効果が違うかという研究をきちんとやってほしい。これは東京都からは予算がついているのか。 ○上野委員 はい、都が東京都医学総合研究所に研究事業として委託している。 ○大熊委員長 ということで、それがうまくいくと、いつも言っている世田谷から日本全体を変えようということが、ここでもできるかもしれない。この明るいニュースをお伝えし、質問は最後に行う。 では、事務局から資料の御確認をお願いする。 (資料確認) ○大熊委員長 では、資料について説明願う。 ○尾方委員 まず資料3「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター構想の進捗状況」について報告する。  まず、世田谷区の認知症高齢者の状況等について説明する。28年の4月1日現在において、世田谷区の人口は約88万8000人、うち高齢者人口は約17万8000人、高齢者率が20.1%、前年度より微増している。介護保険の要支援・要介護認定者数が約3万7000人、また認知症の症状があり、何らかのケアを必要とする方が約2万1000人、高齢者人口における割合は約12%になる。  次に、2の認知症在宅生活サポートセンターの機能および関連事業の実施状況について説明する。  (1)の支援を必要とする認知症高齢者の早期発見について、@のあんしんすこやかセンターの27年度の相談全体の延件数は10万件程度。そのうち、もの忘れ相談の延件数は約3万件、そのうち、1件当たり30分以上相談に要したものが7500件ほどである。相談の実件数は1254件、前年度よりやや増加している。もの忘れ相談にいらした相談者の内訳だが、御本人が約25%、御家族や親族が約37%、ケアマネジャーが約9%、医療関係の方が約3%、そのほか多様なところから相談をいただいている。  もの忘れチェック相談会の実績だが、24年度から地区医師会や専門医の先生方の協力のもと、各総合支所で実施しており、27年度は80人の方が参加され、御本人のみでいらした方は58人、御本人と御家族や職員が同行されて来た方が18人、御家族のみの方が4人である。その相談結果だが、経過観察が55人、要精密検査の方が25人。認知症の疑いがあり、医療につなぐ必要がある方については連絡票を作成し、主治医に相談内容を報告した上で、全ての方について、あんしんすこやかセンターがフォローさせていただいている。  次に、各機能の説明を行う。  (2)の機能1 訪問サービスによる在宅支援のサポート機能については、後程、資料4「平成27年度世田谷区認知症初期集中支援チーム事業報告」で説明する。  (3)の機能2 家族支援のサポート機能について説明する。  @の認知症家族会だが、各家族会が実施しているのもたくさんあるが、各総合支所でも定期的に家族会を開催しており、昨年度は31回で、延181人の方に御参加いただいた。また、家族の方のための講座も開催している。  Aの認知症家族のための心理相談だが、各総合支所で実施している。  それから、B世田谷介護者の会・家族会一覧の作成と配付だが、区内で活動されている団体や総合支所で実施しているものについて、リーフレットに印刷し、あんしんすこやかセンターや各総合支所保健福祉課で配付している。また、区のホームページにも掲載している。  (4)の機能3 普及啓発・情報発信機能について説明する。  まず@の講演会について。認知症に関する知識の講演会、それからケアに関する情報提供などの講演会を開催している。昨年度は認知症講演会、若年性認知症の講演会、うつ予防の講演会などを実施した。  Aの認知症カフェ開設支援補助事業は、昨年度から開始した事業である。認知症の方や御家族の方が孤立しないように、また、医療や介護の専門職の方に相談したり、地域の方々との交流ができるように、認知症カフェの開設に係る準備経費に対する補助事業を開始した。昨年度は8団体、今年度は4団体に補助している。また、この補助を受けずに開設したカフェが10団体あり、資料5にあるように、今、区内で認知症カフェが22団体、18地区で活動している。先ほど橋委員からご紹介いただいたフェローフィーリングもその1つである。  それから、B区のホームページの見直しだが、認知症に関する情報がわかりやすくなるように、情報の並び方を整理した。  Cの「せたがや高齢・介護応援アプリ」による情報発信だが、区の高齢者福祉や介護サービスなどについて、また、認知症の簡易チェックもできるようなアプリケーションソフトを開発し、昨年度から配信している。スマートフォンやタブレットで使用いただけるものである。認知症の簡易チェックは、東京都が作成した「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使い、気軽に自分で、もしくは御家族の方と一緒に認知機能の評価をしていただける。心配がある方は、あんしんすこやかセンターに相談くださいというご案内をお載せしている。先ほどお配りした緑色の資料で御案内している。スマートフォンやタブレットをお持ちの方がいらしたら、ぜひダウンロードしてお使いいただきたい。  (5)の機能4 技術支援・連携強化機能について説明する。  @医師による認知症専門相談事業だが、専門医による専門相談を訪問相談またはケース会議でスーパーバイズいただき、認知症が疑われる方に対する医療の要否、緊急度の判断などを助言していただいている。27年度は全て訪問で6件実施した。  Aの認知症専門相談員連絡会だが、各あんしんすこやかセンターに認知症専門相談員、通称すこやかパートナー、すこパーを配置している。この専門相談員が区の認知症施策や事業の活用方法等の情報を得たり、互いの情報交換をしたりすることを目的とした連絡会を実施している。また、年に1、2回、専門相談員を含むあんしんすこやかセンターの職員を対象とした専門研修を開催している。  Bの認知症地域連携会議の開催だが、21年度から認知症に関する地域のネットワークづくりの強化のために、認知症専門相談員と地域の関係者の方々が一堂に会して情報共有が行われるように、連携会議を開催している。27年度は認知症専門相談員の企画をもとに、世田谷・玉川地域で1つ、北沢・砧・烏山地域で1つ、2カ所で地域連携会議を開催した。  (6)の機能5の人材育成機能について説明する。  @の世田谷区福祉人材育成・研修センターへの講師派遣と講師の紹介について。福祉人材育成・研修センターが実施する認知症ケア研修に、区から講師を派遣するほか、研修の企画段階でも講師の選定などについての相談・調整など、区内の介護人材が認知症ケアの技術の向上や知見等を学ぶ機会になるように協力している。  Aの認知症サポーター養成講座について。これは、認知症の方を地域で見守る方を養成しようと、国が定める研修を受けた、あんしんすこやかセンターや介護事業所の職員、区の職員が講師を務めて、区民の方に受講していただいている。27年度の受講者は4694人、17年度からの累計で2万1523人になった。昨年度は警察から、区内の4警察署の職員全員に受けさせたいという申し入れがあり、あんしんすこやかセンターに協力いただき実施したこともあり、昨年度の実績が非常に伸びた。  最後のページになるが、Bの区民人材の育成について。認知症サポーターステップアップ講座は、先ほどお話ししたサポーター養成講座を受けた後に、さらに認知症の人や家族に対して支援したいという意欲のある方を対象に、区の認知症施策や成年後見制度、傾聴などを取り入れた2日制の講座を実施している。昨年度は、38人受講していただき、認知症カフェの運営ボランティアなどで活躍していただいている。資料3については以上である。 ○事務局 続いて、資料4の認知症初期集中支援チーム事業の実績について説明する。  平成27年度の認知症初期集中支援チーム事業について、世田谷区の場合、訪問対象者はあんしんすこやかセンターから事例を挙げてもらうようにしており、事例提出数は、年度全体で76件の訪問対象者が挙がった。しかし訪問開始までの短期間に、体調変化による入院等があり、実際訪問できた方は74件だった。  最初の事例提出時点の76人の方の内訳だが、性別、世帯状況は資料のとおり、年齢層は、80歳以上の方が大半で、全体のうちの約6割〜8割が80歳以上の方になっている。  また、把握ルート、これは最初にあんしんすこやかセンターがどういったルートで訪問対象者を把握しているかということだが、御本人からというのも約1割近くあったが、やはり圧倒的に御家族が多く、4割は御家族から、以下、民生委員の方、近隣の方、あるいはケアマネジャーの方といった形で、多様な方から相談が持ち込まれている。  2ページ目、実際に訪問できた74人の方の内訳である。障害高齢者の日常生活自立度、それから(2)の認知症高齢者の日常生活自立度をご覧いただくと、いずれも比較的軽度の方が対象になっており、あんしんすこやかセンターが初期段階の方を選んでいることがわかる。  訪問回数だが、個人差はあるが、訪問の延べ回数は336件、平均訪問回数は1人あたり約4.5回の訪問をしている。  3ページ目、介護保険及び医療についてだが、表の左側に介入前、真中に介入後、一番右に総計が入れてある。  まず、介護保険の認定を見ると、介入前は半々ぐらいの認定だが、6カ月の訪問が終了した時点で、59人が介護保険の認定を受けている。また、介護保険のサービス利用の有無だが、介入前の利用者は8人のみで、サービスを一切使っていない方は66人だった。これが介入後の約6カ月の訪問終了時点では、サービス利用者が41人、サービス利用にまだ至っていない方が33人となっている。  それから、下から2番目の認知症の診断の有無だが、訪問スタート時点で32人が既に診断を受けているが、まだ受けていない方も42人おり、訪問終了時点では、50人に認知症の診断ありとなっている。  次に(5)支援目標と達成度について。この事業は、最初の情報収集の訪問が終わった後に、訪問を担当しているチーム員が一堂に集まり、チーム員会議を実施する。そのチーム員会議の場で、対象者1人ひとりの支援方針、6カ月終了時点でどこまで支援を持っていこうかという支援目標を立てている。目標の種類を大きく分けると、昨年度の場合、集計の時点で4種類設定している。生活実態の把握、医療の導入。医療というのは、認知症専門医療だけではなくて、内科系の合併症の管理なども含まれる。それから、3番目に各種、介護保険だけではなく、いろいろなサービスの導入、それから家族支援。実はもう1つここに意思決定支援という項目が入るが、昨年度についてはまだ集計をとっていなかったため、4点で集計を出している。主たる目標について、生活実態の把握が主目標だった方が19件、医療の導入が主目標だった方が15件、各種サービスの導入が主目標だった方が27件、家族支援が主目標だった方が13人という内訳になっている。  達成率について、医療の導入についてはほぼ100%、生活実態の把握、各種サービスの導入については9割を超えている。家族支援については、介入が難しかった事例もあり、達成度61%だった。平均すると主目標についての達成度は89.2%となっている。  医療の導入・各サービスの導入目標と達成状況の内訳が下段の表である。医療の導入、再掲で認知症専門医療の導入、各種サービスの導入と、ここだけを抽出したもので、これは複数設定されている方もいるため、数字の重複がある。医療の導入が複数あるうちでも、1つでも目標に挙がっていた方が49人、それから、認知症専門医療のみを抽出した場合には38人、それから、各種サービスの導入が目標に挙がっていた方が66人という形になっており、それぞれの達成率は、右側をご覧いただくと、医療については83.7%、認知症専門医療のみ導入が55.3%、各種サービスの導入が75.8%となっている。  4ページ目、モニタリング結果について。平成27年度に訪問した74人の方について、チームが介入する6カ月の支援が終了し、更に2カ月経過した後に、各あんしんすこやかセンターがその後の状況把握を行い、モニタリングを実施した結果である。介護保険及び医療について、終了時に導入したサービスがそのまま継続されているかどうか等の確認をしている。  表の左上が介入前、つまり訪問スタート時である。それから介入後というのがチーム員の6カ月の訪問が終了した時点の件数、一番右が2カ月後にモニタリングを行った時点での計測の状況を出したものである。そこを参照いただくと、一番上の介護保険の認定については9割の方が継続できていた。  また、Aの介護保険のサービス利用についてだが、こちらは若干下がり66.2%となっている。  それから、主治医の有無については9割の方が継続できており、認知症診断については74.3%となっている。また、認知症専門医療の継続状況について、分母が小さいが、6割の継続状況になっており、6カ月の時点で介入ができ、さらにモニタリング時点で継続するものについて、継続率に若干差があることがわかってきている。  最後に、5ページを参照願う。こちらは支援目標別の達成度について出している。モニタリング時点と、それから6カ月訪問時点のものとの比較を出しており、先ほど挙げた4つの支援目標の主目標の中で、生活実態の把握は6カ月終了時点の達成率が94.7%だったが、さらに2カ月後のモニタリング時もほぼ94.7%で、継続できていることがわかっている。  医療の導入についても、同じく同率で、変化なく過ごしていただけていることがわかる。  サービス導入についても同率だが、家族支援の部分だけは、チーム員が訪問を終了した後に、何らかのサービス利用などの家族支援が追加で実施されている事例が数例あったため、若干上がっている。  医療・各種サービス導入の継続状況について(3)に示しているが、こちらは6カ月の訪問が終了した時点と、それから2カ月後のモニタリングのときの継続率で、最後のところにパーセンテージを表示している。これを見ると、医療の導入、各種サービスの導入がいずれも9割前後に対し、認知症専門医療の導入の継続が若干下がっていることがわかる。総数としては86.6%の継続率という状況であった。  資料についての説明は以上となる。 ○大熊委員長 これから質問、討論の時間があるので、何でも言っていただきたい。この初期集中支援チームはどんな職種の人がどういう場で待機していて、どういうタイミングで行くのか、イメージが湧くように教えてほしい。 ○事務局 世田谷区では、平成27年度から世田谷区内を大きく3つのエリアのブロックに分け、エリアごとにそれぞれ公募選定した委託事業者に専門職チームを編成している。全部で3法人にお願いしているが、それぞれの法人の中で、まず国の要件を満たす専門医、認知症サポート医の資格などを持っている医師を必ず1人置くことと、訪問スタッフとして、医療系あるいは福祉系の国家資格保持者を2人以上、複数人配置していただくようお願いしている。世田谷区の場合、公募選定のときに、国の要件でも看護職の関与が必須になっていたため、訪問看護ステーションを設置している法人であることを要件として選定し、委託している。法人によって職種の内訳に若干差はあるが、訪問看護師は必置にしている。そのほか、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、精神保健福祉士などが、それぞれの法人からのメンバーとして関与している。それから、複合チームとして、あんしんすこやかセンターの職員も一緒に活動に関わっており、こちらからも、介護福祉士、社会福祉士、看護師、保健師の職員が関与している。 ○大熊委員長 この中で関わりを持たれた方、誰か経験者はいらっしゃるか。 ○国枝委員 各あんしんすこやかセンターから事例を出させていただき、チーム員に訪問していただいている。 ○大熊委員長 行った人たちはどのくらいやりがいを感じているのか。 ○国枝委員 どれくらいの効果があったかという意味でよいだろうか。ケースによって違うとは思うが、私の率直な感想を言うと、認知症の程度が比較的重度で、介入困難であった方に大きな効果が出ているように思う。認知症初期の方の対応はとても大切だが、効果を出していくのは難しいことだと感じている。 ○大熊委員長 初期の方を見つけるのが結構難しいということだろうか。 ○国枝委員 見つけるのがということではなくて、医療につながる、介護サービスにつながることは目に見えた効果で、そこは出てきやすいが、初期の方にとっては、先ほどの話に出ていた、意思決定支援が、とても大切だと思うが、その支援がとても難しいと思っている。 ○大熊委員長 了解した。上野委員、初期に少し関わられたと聞いているが。 ○上野委員 昨年度は外れたが、それまで関わらせていただいた。平成29年度までに全ての自治体でこのサービスを始めることになっているが、いろいろなところのサービスを見聞きして、世田谷のサービスの特徴は、対象者の生活支援に特化しているところである。例えば精神科病院がやっている認知症疾患医療センターが事業を行った場合、4割が精神科の入院で終わったという初期集中支援チームもある中で、世田谷では入院で終わったケースは全くない。生活支援と医療的支援を峻別し、本当に医療が必要なものにはきちんと医療を提供する形で、かなり理想に近いサービス提供がなされているのではないかと私は認識している。 ○大熊委員長 医療につながったからよかったといっても、実は精神病院に幽閉されているのではしようがないわけで、その医療の中身が大切なので、もう少し細かく、どういう医療につながったかというのは調べてあるか。 ○事務局 医療につなぐには、認知症の専門外来、もしくは、もともとのかかりつけ医の先生のところにもう一度かかり直すところに重点を置いている。実際の事例もそういう受診をしている。先ほど上野委員にお話しいただいたように、認知症のために入院して終結した事例というのは1件もないのが世田谷区の実績で、入院で終了している事例は実際にはあるが、身体合併症等による緊急入院の事例のみである。 ○大熊委員長 了解した。では、皆さんから御自由に。 ○佐藤(恭)委員 質問だが、介護認定ありで、介護サービスの利用ありの方が増えているが、介護度はどうか。単純に言って要支援か要介護かというところ。要支援はほとんどいないだろうか。 ○事務局 昨年度の実績で見ると、合計74人のうち、要支援が9人である。非該当は1人もおらず、要支援9人のほかに、要介護認定が51人、介護保険申請中が4人、申請も何にもしていない人が10人、という内訳だった。 ○佐藤(恭)委員 ということは51人が要介護で、ケアマネジャーが付いて、サポートしているという形になる。我々も実際、ケアマネジャーに引き継ぎをしている。 ○事務局 認定はそういう内訳になっているが、サービス利用状況を見るとほぼ8割から9割の方は、訪問スタート時点でまだサービスを利用されていない状況があるので、認定のみとられて、サービスは利用されていない方が多い。 ○佐藤(恭)委員 介入後のサービス利用が41人というのは、41人はサービスを使ってスタートしたということか。 ○事務局 そのとおりである。 ○佐藤(恭)委員 了解した。それで、私どもあんしんすこやかセンターが、ケアマネジャーや小規模多機能のスタッフから聞いたことを報告する。  この初期集中に関しては、要介護の場合、ケアマネジャーに引き継ぎする形になっている。スタート時は、終了してから引き継ぎということだったが、今はもう少し早い段階で、ケースによってはチーム員会議にも出席していただくような形をとっている。  しかし、若林地区のケアマネジャー以外からも、もっと早くつなげてもよかったのではという声をいただいている。この事業のために選ばれた利用者が、全てのケースではないが、もっと早くつなげれば、もっと早く(介護保険サービスを)スタートできたのではという声をいただいた。そもそもこの初期集中支援事業という事業を、ケアマネジャーがどれだけ理解し、途中から引き継いで関わっていくかの周知も、我々あんしんすこやかセンターの力不足の部分もあるかと思う。そこがうまく伝わらないがために、ケアマネジャー40何人のうちの幾人かは、そのようなことを感じている。  もちろん、あんしんすこやかセンターは説明しているが、そこがうまくつながらない。それで、せっかくあんしんすこやかセンターが一生懸命、初期集中で関係をつくって、入れないところに行って、ようやく関係ができた、つながったといっても、ケアマネジャーに行くときは、それまでの過程というのがうまく引き継がれず、ゼロからスタートしている。それはケアマネジャーだけでなくデイサービス、事業者等でも同じで、非常にもったいないと感じているという話もあった。それまでの経過記録を直接ケアマネジャーに渡すことはできないということで、一緒に経過を伝えながら引き継いだ例もあったようだが、ケアマネジャー、サービス事業者は、まずこの事業を理解し、もう少し早い段階から、チーム員会議に出る出ないは別にして、関わりをスタートしていいのではないかと思う。つながった後の生活を見越して、その後の支援体制を考え、この初期集中の介入を進めていったほうがいいのでという話だった。  あと、モニタリングについて、また何だっけということになる。初期集中って何だったっけとなるので、全体的にケアマネジャーなどの、次の人たちとの連携をどうしていくかというのは、これまでの事業の振り返りでも時々そういうコメントが挙がっていたが、今回、改めてそういった声があり、我々の反省も含め、お伝えする。 ○大熊委員長 では、早速だが、ケアマネの渡辺委員から、ケアマネ全体としては、初期集中への認識について、かなりわかっているのか、引き継ぎとかその辺りについて、どのような思いを抱いていらっしゃるか。 ○渡辺委員 ケアマネジャーの渡辺だが、もともとあんしんすこやかセンターにいたため、私自身は初期集中のことを承知している。私は実際引き継ぎを受けたことはないが、私であれば、多分早々にかかわることを気持ちよくやってしまうと思う。一般的にはケアマネジャーは初期の部分はただ働きというところがあり、あんしんすこやかセンターとしても声をかけにくいところがある。ただ、初期集中はこういう事業なので、サービスにつながらず認知症で困っておられる御家族の方を見つけたときには、ケアマネジャーとあんしんすこやかセンターで初期集中チームの方にお力添えいただいて、速やかに適切な医療であったり、サービスにつなげることが望ましいと思う。ただ、そこの部分の理解や協力に関しての周知がまだ不十分かなと思っている。 ○大熊委員長 世田谷のケアマネの間で、この初期集中というのが始まっているんだよとか、そういう話はされているか。ケアマネ世田谷連絡会みたいなのは存在するのか。 ○渡辺委員 世田谷ケアマネジャー連絡会はあるが、初期集中の認知度はどうか。知っている人は知っている。 ○瓜生委員 連絡会はありますね。 ○渡辺委員 連絡会はあるが、連絡会の席で、初期集中事業をやっているので協力してくださいという具体的なお願いはしていなかったと思う。 ○大熊委員長 70幾つじゃ、当たる確率も少ないかもしれない。では、坪井委員、手を挙げておられたので。 ○坪井委員 この初期集中の今回の数字の細かいところ、どうなったかというところは、すばらしい数字だと思う。74人の中で、要支援や要介護に認定した方が一番多いが、サービスの利用が低い。8%から9%ということは、それ以外の人たちは多分、認定されたけれども、サービスを利用しないで在宅で過ごしている、これはこれですばらしいことだと思う。  私は認知症対応型デイサービスを2つ運営しているが、最近、特にここ半年ぐらい感じることは、ケアマネ、あるいは家族の方が、今まで行っていたデイサービスの対応が余りよくないというか、本人も行きたくないと言っていたり、家族も何かちょっとおかしいので変えたいといって、ケアマネからうちに紹介されてくる。一番びっくりしたのは、とある若年性認知症の方が、3年間も一般デイで、どうしようもなくなってうちにいらして、いや、もっと早く来ていただければ、その方のできる部分をもっともっと支援できたのにということがあった。  ただ、認知症デイサービスに、軽度の方が見学にいらっしゃると、中には自分の将来の姿を見るみたいで嫌だとおっしゃる方もいらっしゃる。そこで、もう少し早く、特に在宅で過ごしていらっしゃる方がそれ以上に進まないように、その方が何か楽しく過ごせるような何かを、地域の中にデイサービスじゃなくてもインフォーマルサービスで出来ないかと感じた。  今回、このような数字が出てくると、次のステップとして、認知症と初期に診断された方々が、認知症という症状、病気を持ちながら地域で生き生きと過ごしていくためのプログラムを考えるのはとても大切ではないかと思う。 ○大熊委員長 その、よそから流れてくる人というのは、前のどんなところが嫌で、そちらへ訪ねてくるのか。 ○坪井委員 一番多いのが、そこのデイサービスは一般の方も認知症の方もいて、認知症の方が皆さんの中に入れず、どうしても疎外感を持つ状況があり、初めは我慢できるんだけれども、家族がよく聞くと、違うところにと。やっぱり認知症は認知症の人のところのほうがいいということが多い。 ○大熊委員長 ほかに皆様、初期集中じゃなくても結構なので、松井委員、どうぞお願いする。 ○松井委員 職員の家族の話だが、本人が住んでいる別の自治体で訪問看護ステーションに勤務していたが、御両親が世田谷区に住んでいて、親御さんが認知症になり、頻繁に徘徊し、介護が必要になった。本人が勤めていたステーションは人数が少なくて休みが自由にとれず、急な呼び出しがあったときに対応ができないため、御両親が住んでいるエリアのステーションに転職したいと、うちのステーションに来た。世田谷区には認知症初期集中があるから、あんすこに相談したかと尋ねたところ、相談してチームがあることは聞いたが、結局、親御さんが混乱して大変だからいいと断ったという状況だった。  それで結局、何をしたかというと、親御さんの顔写真を私たちスタッフが全員持ち、自転車で見かけたら声をかけようと話し合い、実際にこの1カ月半の間に、警察に捜索願いを出したことが3回もあった。初期集中に乗らない認知症の人はまだまだ世田谷区にいるという事例の紹介である。 ○大熊委員長 初期集中というのは大抵複数で行って、1人は御本人、1人は家族に対応するが、介護者である親御さんはそこが上手くいかないことを想像して嫌がられたのだろう。ほかにはいかがか。 ○渡辺委員 もう1回、初期集中のところで、今回、評価のところに介護保険のサービス利用の有無があるが、先ほども出たように、認知症カフェ、サロンが大分増えている。介護保険の枠のサービスに、初期の方を無理やり入れることにかなり負担を感じるケースが多い。そのワンクッションとして、地域のサロンやカフェをうまく活用していただくのは大変有効だと思うので、今後、この初期集中にも、ぜひインフォーマルサービスを積極的に取り入れていただきたいと感じた。  ちなみに、私も今、認知症カフェに関して、「さんちゃカフェ」や「せたカフェ」に携わらせていただく他、他のカフェをのぞきに行ったりするが、それぞれいろいろなカラーがある。本当に認知症の方の家族の声を聞く場であったり、もしくは、「さんちゃカフェ」のようにデイサービスみたいなプログラムを行う場だったり、小ぢんまりとお茶を楽しめる場があったり、いろいろなカラーがあるので、そういった各カフェの特色をうまく活用していただけると、最初の、初めの一歩を踏み出すための社会資源として有効に使えるのではと思い、ぜひ世田谷区の認知症カフェを活用していただきたいと思う。 ○大熊委員長 ほかの地区に比べても、世田谷のカフェはよくやっているが、その特徴みたいなものを、御本人や家族はインターネットで見られないとしても、どこかで、こんな特徴があるよというものは載っていないだろうか。 ○坪井委員 ちょうど私が話そうと思っていたら、渡辺委員に話していただいた。今、世田谷区に20近く認知症カフェがある中で、認知症のご本人が家族とともにゆったりと、それが自分の居場所になって過ごせるようなカフェが少ない。でも、これからはそういった方向になるのが本当のカフェの姿ではないのかなと思っていて、世田谷区の介護予防・地域支援課の係長をはじめ、皆さんと共有する交流会を開いた。そして、区の一覧表にまだ掲載されていないカフェでも、最近、認知症の人を中心に月に1回過ごせる場というのをつくり始めているところなので、ぜひ認知症のご本人が、本当に楽しく過ごせる、特に軽度の方々にとっては過ごしやすい場が出来ていくといいと思う。そのときに、介護する人が上手に軽度の認知症の人の気持ちを酌み上げていくと本当にいい場になると思う。そういった意味ではカフェサロンは非常に有効だと思う。 ○大熊委員長 これは名前を見ても、オレンジカフェとか、ごきげんカフェとか、余り認知症をうたっていなくて、御本人を傷つけないような配慮のある名前だなと思った。ただ、これだけでは想像が働かないので、是非たびたびそういう横のつながりをして、それの情報をあんすこなどに伝えるといいだろう。  では、このあたりで次の議題に行く。 ○事務局 では、資料6について、事務局から説明する。平成28年度の認知症・うつ関連事業についての紹介である。資料6を参照願う。  平成28年度の認知症・うつ関連事業については、資料のとおり。まず最初に、あんしんすこやかセンターのもの忘れ相談だが、先ほど紹介した認知症専門相談員を中心に、あんしんすこやかセンターにおいて認知症専門相談、もの忘れ相談を実施するものであり、これは開設している日は全て相談を実施しており、認知症の方のマネジメントを行う際には、以下の事業を活用しながら実施している。  まず、対象者別から説明すると、予防あるいは予防活動に取り組みたい方を対象として、認知症予防プログラム、通称「脳を鍛える活動」、東京都の研究機関と共同開発したプログラムを実施している。1つが有酸素運動の習慣化を図っていただくため、ウオーキングを実施している。またもう1つは脳を積極的に使うため、週1回、約6カ月間、グループ活動を実施している。今実施しているグループ活動は、料理プログラム、日帰り旅行プログラム、パソコン活動プログラムだが、いずれも旅行や料理やパソコンをすることが目的ではなく、そういったツールを使いながら、みんなで話し合ったり、資料を調べたりして脳をしっかり使うというプログラムである。これにより認知症の発症の予防あるいは遅延を目指しており、区の事業として約6カ月間、グループ活動に取り組んだ後は、自主化していただく流れにしている。継続しないと、やめてしまったら意味がないので、必ず自主化していただくようなプログラムの流れになっている。  次に、認知症について学びたい方に向けて、先ほど来、実績でも御説明申し上げたとおり、サポーター養成講座、それからサポーターステップアップ講座、認知症等に関する講演会を実施している。  次に、もの忘れが心配な御本人、御家族に向けて、医師によるもの忘れチェック相談会を実施している。これは平成24年度からスタートし、総合支所を会場として年10回、1回につき10名定員で、年間100人の方の御相談をお受けする事業だが、今年度、試行として、認知症に関する医師の講話の後に、みんなでもの忘れチェックを実施する啓発型の相談会と、あんしんすこやかセンターを会場にして、身近なあんすこで相談を受けていただく地区型の相談会を2回実施した。  次に、認知症の御本人への支援として、医師による専門相談事業と、初期集中支援チーム事業を実施している。  次に、家族介護者支援事業として、区直営の総合支所を会場にして実施している家族会がある。また、認知症高齢者の御家族のための心理相談、こちらも各支所を会場にして臨床心理士の先生に依頼し実施している。次に今年度新規の委託事業だが、家族介護者のためのストレスケア講座を実施している。これは認知症の方を介護している御家族等の方を対象に、介護者が抱えるストレスのセルフケアを中心にして、役立つ知識や実施の方法など、介護負担の軽減を目指すための事業である。今年度については、8回制の講座を前期と後期の年2回、別の地域で実施している。前期の講座が9月で終了し、10月から後期の講座がスタートする予定である。  それから、4つ目に介護マークの配付がある。この介護マークというのは、もともと静岡県で発祥したもので、介護されている、特に御家族などが、御本人を今、介護中であることが周りの人にさりげなく伝わるようにと、「介護中」と書かれている名札のようなマークを首から下げて使用するもので、区の窓口またはあんしんすこやかセンターで配付している。こちらについては、障害の方を介護される方も含め、無料で配付している。  最後に、うつ予防について、認知症とうつの初期の症状が非常に似ているという点もあり、高齢者の方の介護予防の意味も込めて、うつ予防についての普及啓発を実施している。うつ予防について広く周知を図るとともに、高齢者の方が御自身の生活を振り返って、生き生きと高齢期を過ごしていただくためのヒントを学ぶ機会として、毎年1回講演会を実施しており、今年度も年度後半に実施する予定となっている。  今年度の事業の関連事業等の御説明については以上となる。 ○大熊委員長 今の資料6について聞きたい方はおられるか。  そうしたら、残りの時間を皆さんに、質問でも御意見でも結構なので短めに、橋委員からお願いしたい。 ○橋委員 先ほどお渡しした「フェローフィーリング」というチラシだが、昨年の11月から認知症カフェを立ち上げて、一番多い時は57名の方が参加された。何回かは講習会という形で、こちらにいらっしゃる新里委員にも来ていただき、講習会の後は、5つのグループに入っていただいた。お医者様と直に話せるということはなかなかないので、皆さん大変喜んでお帰りになった。それから、認知症軽度の方が5,6名いらっしゃるが、常にいらっしゃるわけではないので、私たち高齢者にとっても、認知症にならないための予防になりますと紹介しており、参加者は高齢者の方が多い。一生懸命チラシを配ったりしているが、なかなか認知症の方ご本人につながらないのが現状である。 ○大熊委員長 ありがとうございます。資料を持ってきていらっしゃる方は、それをかざしながらお話ししていただければ。では、加畑委員。 ○加畑委員 トマトの絵のチラシである。レビーフォーラム2016を今年また11月に開かせていただく。昨年、樋口直美さんに登壇していただいたことがきっかけで、レビー小体型認知症は非常に広く広まった。樋口さんもお忙しいが、私も忙しくなり、でも、またその先を行きたいと思っている。レビーへの考え方、捉え方も、このフォーラムでもう一度皆さんに伝えたいと思っているので、ぜひお越しいただきたい。  あと、お話ししたかったのは、私は今、認知症カフェを3カ所ほどお手伝いしていて、認知症と診断されたがデイサービス等は行きたくないという方たちが御家族と見えている。御家族は御本人の意思を尊重して、好きなようにということでついていらっしゃる。御本人は本当に楽しそうにお話しして帰られる、そういう方が非常に増えた。  80代の方で、デイサービスはケアマネに勧められて1度行ったけれども、やっぱり自分は好きなようにしたいということで、カフェを利用して、皆さんとお茶を飲んでお話しして帰られる、という方が本当に増えた。おしゃべり会のほうは、実は若年性認知症の方が非常に増えて、これも早期診断ができるようになったからだと思うが、自分の両親世代の方と一緒にはできないということで、うまくいっている例であれば、近所に住むお友達が活躍し、ヨガ教室に一緒に連れていったり、本当に上手にまちの中で生活する支援をしている。うまくいかない例は閉じこもっている、ということである。 ○大熊委員長 ありがとうございました。確かにレビーについていえば、レビー小体型認知症といって、必ず認知症になるわけではないということを樋口さんは言っておられ、レビー小体が頭まで来てしまうのもあるが、とどまるのもあるということ等、いろいろなことがだんだんわかってきたようである。  それから若年性認知症については、これまでは、日本で4人ぐらいスターがいて、御本人としてシンポジウム等でもいろいろ発表することができ、その人を世田谷へ呼んでこようかみたいな話だった。しかし、おそらく世田谷区内にも人前で説得力のある話ができる方もいると思われるので、探してみていただきたい。では、佐伯委員。 ○佐伯委員 4点ほど御報告したいことがある。まず、我々、東京都薬剤師会の雑誌である。本日、欠席の佐藤ひとみ委員が編集委員をしておられ、実は瓜生部長に、まさに本日御報告をいただいている世田谷区の認知症の取り組み、その他のことについても御執筆いただいた。東京都薬剤師会としても、薬局、薬剤師の認知症への関わり方を勉強している。昨年のこの認知症施策評価委員会のときに、佐藤ひとみ委員からご報告申し上げたが、それぞれ自分の自由な時間に勉強ができるように、東京都薬剤師会のホームページを利用して、インターネットでのeラーニングも開始している。また、今月の11日には全体の勉強会も予定している。  2つ目が、調剤の報酬にも関係しており、取り組みとしては始まったばかりだが、かかりつけ薬剤師という制度が始まった。これは厚生労働省に届け出をして正式に認められるもので、なおかつ、患者さんが、あなたをかかりつけ薬剤師にするという同意をして署名もしていただくものである。イコール認知症云々ということではないが、認知症の方を抱えていらっしゃる御家族の方、介護していらっしゃる方などに対しての相談を、原則として24時間体制で乗っていこうというものであり、認知症も大きく関わってくる制度だと思うので、頭の中にとめていただければと思う。  3つ目、アプリケーションを利用したお薬手帳について。お薬手帳については、御高齢の皆様やお子さんを持っているご両親は、比較的忘れずにお薬手帳を御持参いただけているが、中間層の皆さんにはなかなか難しい部分がある。面倒なときもあるし、それから、おじいちゃんの、おばあちゃんの処方箋を持ってこられて、あっ、いけない、お薬手帳を忘れちゃったという時のために、厚生労働省と日本薬剤師会、日本医師会、日本歯科医師会にも相談の上、スマートフォンにアプリケーションを落として、それを利用したお薬手帳というのが許されるようになった。通常だと1冊ずつになるが、これは、1つのスマートフォンに家族皆様のお薬手帳を入れることもできる。費用のほうは薬局が払っており、皆さんがアプリケーションをダウンロードしていただくのは無料。それから、アプリケーションはいろいろなメーカーから出ているが、主流なものを選んでいただければ、どのアプリケーションでも、どの薬局でも管理が可能になるので、それも頭の片隅にとめておいていただきたい。  4つ目、この10月から健康サポート薬局という制度がスタートする。もともと昔ながらの薬局というのは、地域の皆さんからいろいろな相談を受けて、それなりに役に立っていたのではないかと思うが、近年、調剤主流の薬局が増え、よろず相談に乗れていない薬局が多くなった。厚生労働省と日本薬剤師会などとも検討して勉強し、改めて理念を若い人に伝えたい、ざっくり言うと、報酬とは無関係で、昔の薬局のもっと勉強したバージョンのような、そういう薬局を育てていこうということになり、それが薬事法上の届出制度になった。例えば世田谷区であれば、世田谷保健所の医事・薬事に届け出て、都知事の許可を得ることになる。10月からのスタートで、まだはっきりしていないところもあるが、おそらく東京都福祉保健局のホームページに、ここの薬局はこういう制度に参加していると掲載されるようになると思う。  自分の認識としては、認知症カフェなども、こういった情報を発信する拠点の1つになるだろうと思っているので、今後、薬剤師会からいろいろな資料を頂戴し、地域の皆様に配って、御紹介させていただきたいと思うので、よろしくお願いする。 ○大熊委員長 ありがとうございました。上野委員は御経験があると思うが、認知症のような症状になっている人で、薬の処方が悪くてそうなっている方が結構おられる。そういう方をみつけたときに、ちゃんと指摘してくださる感じで薬剤師会は動いておられるか。 ○佐伯委員 薬剤師の判断違いになったり、先走りになったりしないようにしながらだが、やはりそういう事例はあるようなので、お薬手帳等の管理をしつつ、主治医の先生方への御相談を促している。実は8月末の日曜日に研修会を行い、薬物や認知症に対する影響に詳しい医師に講義していただいた。薬剤師もそういった行動をしていこうと話している。 ○大熊委員長 薬による認知症を少しでも減らすために頑張っていただきたい。 ○佐伯委員 すみません、もう一言、今年4月の調剤報酬の改定で厚生労働省職員が話した言葉が明確だったので紹介させていただく。「門前から地域へ」。専ら処方箋を受けるのではなくて、地域の皆さんに貢献する薬局にならないと、君たちの未来はないよとはっきりおっしゃっていたので、その辺は心して、皆で頑張っていきたいと思う。 ○大熊委員長 佐伯委員のような方がいると安心。実は私、かかりつけ薬局というのを社説で30年ぐらい前に書いたことがある。 ○佐伯委員 30年前…。 ○大熊委員長 はい。それで、薬剤師会の会長さんが本の中に書いてくださって、とても思い入れがあるので、かかりつけ薬局がしっかりしていてくださればと期待を込めている。では、小倉委員。 ○小倉委員 歯科医の立場、また歯科医師会の立場でお話をさせていただく。  歯科と認知症という関係については、最近随分といろいろなメディアで取り上げられており、皆様御存じかとは思うが、まず何といっても残存歯数である。歯がどれだけ残っているか、どれだけ噛める歯があるかによって、歯の根っこのところにある歯根膜という膜があるが、そこから三叉神経を伝わって脳に刺激が行く。そして、脳血流量も上がるということで、やはり歯がある人ほど認知症になりにくく、また、なったとしても進行度が緩やかである、そういった研究がたくさん出されている。  では、歯がなくなったらもう全然だめなのかというと、決してそうではない。高齢者の方で歯がない方はたくさんいらっしゃるが、入れ歯を介して、入れ歯の下の粘膜がその神経に伝わる役割をして、そして脳を活性化するということがわかってきている。つまり、歯がなくても入れ歯をきちんと入れておいていただければ、予防にもなるし、進行も緩やかになるという、データがたくさん出ている。まだ、エビデンス、科学的なデータではないが、さまざまな長年のコホート研究等で十分わかってきている。  では、認知症になった人に慌てて歯医者さんに行って入れ歯をというと、それはやはりすごく難しく、重度になると、入れ歯そのものも理解できないわけで、なかなか治療は難しい。先ほどから軽度という言葉がたくさん出てきているが、本当にまだまだ軽度のうち、この方は認知症かどうか、というときから、なかなか口腔のほうに目を向けられないかもしれないが、なるべくそういった時点から治療できるところはきっちり治療する、それによってかなり違ってくる。ただ噛める、噛めないだけではなくて、お口のケアの問題、それも習慣づけていけばかなり違うし、また、御家族に来ていただければ、ケアの仕方もお教えすることができる。認知症は治るものではなく、徐々に徐々に進行する、そういった病気だが、歯科医として、少しでもいい状態でその方の生活支援ができるところに大きく関わっていくことができるかと思っている。  世田谷区で今度、すこやか歯科健診といって、認知機能の低下がみられる方を、あんすこあるいはケアマネジャー等が歯科医に紹介する事業で、世田谷区で10月から各歯科医院、歯科医師会が世田谷区と一緒に事業として行うことになっている。日本で、そういうことをやっている自治体は、まだどこもないそうで、世田谷区が初めてである。難しいところもたくさんあるが、いい方向に向かっていければと思っている。なるべく初期のうちに歯科医に紹介いただけるといいなと思っている。 ○大熊委員長 ありがとうございました。歯がちゃんとしているとお通じのほうがとてもよくなり、それが認知症にまとわりついたBPSD等に関係があるということなので、よろしくお願いする。お待たせして申し訳ない、村中委員。 ○村中委員 全国各地の市町村に伺って、認知症関連の施策も見せていただいている。世田谷区は系統立てており、素晴らしい。  世田谷区の施策の評価としては、「早期に、タイムリーに発見して、適切な対応、支援につなげていくことが大事」だと打ち出しておられる。この資料を見せていただくと、あんしんすこやかセンターの相談実績だけではなく、いろいろなアンテナがある。あんしんすこやかセンターの相談実績が全体で10万件、もの忘れの相談が3万件と見ていくと、施策の要としてあんしんすこやかセンターはとても大切なところであり、本当に多くの件数の相談に当たっている。でも、一方でここまでしていても、家族の方や御本人の側から見ると、まだつながっていない方、早期につながれていない方というのがあるとなると、ここをどんどん増やすときに、では「あんしんすこやかセンターの方たちの体は大丈夫か」と、心配である。これからは1人も漏れなく区民、家族の方が安心してこういう施策につながるということと、そこで本当に大活躍していらっしゃる職員、あんすこの方たちが、御自身の体を壊さずに両立していけるように、疲れ切ってしまわないことも大切である。この件数を見て、今日は本当に驚いて、皆さん、本当に大変だなと。単純に計算しても、1あんすこ当たり年間6300件ぐらい相談を受けている。認知症で1人当たり6回ぐらい。つまり認知症の方が1人いらして、本当に丁寧に対応するということが求められるとすると、本当に「漏れなく」というときには、その辺のシステムもとても大切だと思う。皆さんの日々の御活躍があってのことだなと思いながら拝見させていただき、お話も聞かせていただいた。  日本看護協会も、認知症への取り組みは非常に大事だということで、入院した方が認知症を発症したり悪化することなく、安心して地域に戻っていけるような看護を考えるために、今年、冊子をまとめ、一丸となって取り組んでいくことが必要だという認識を持っているところである。  今日は貴重なお話を聞かせていただき、感謝申し上げる。 ○大熊委員長 それでは、新里委員、どうぞ。 ○新里委員 あちこちのカフェに時々呼ばれることがあり、出かけている。  私は個人的には認知症において医療の果たす役割というのは余り多くはないと思っており、それは病気によっても違うが、アルツハイマーだと大体3つぐらい医療の果たす役割があると思っている。1つは最初の診断。もう1つは、認知症の方を地域で支えるということは、看取りまでがセットなので、お看取りのところ。もう1つが、いわゆるBPSDが出たときの対処。ただ、そのBPSDについても薬物治療は、二の次である。まず環境を整えて、真因になりそうなものを探って、その上で薬物治療というのが、今のコンセンサスになっている。それから、病気によっても少し違うが、医療の果たす役割はそんなに多くない。その割には医療機関に専門職が集まっているという思いはある。  それが私の考えだが、今、認知症の地域力を強くするなどと言われているが、やはりひとつは、医療にかかる前のところを手厚くするというのが非常に重要なことだと思っている。そういう意味では、いろいろなところでカフェができていて、世田谷も本当に最近すごく増えていて、そういうのを応援したいと思っている。  あと、私は病院に勤めているので、入院の依頼というのは本当に多い。特に8月半ばぐらいの暑いときは、入院の依頼が大変多く、依頼は大体御家族から来るが、あんすこの方が脇にいて、入院したらどうか、という話で来ている。そういう意味では、やはりあんすこも、この方は初期集中に乗せるべき人なのか、あるいはもう早期に入院が必要で、病院にかかる必要がある人なのかの判断がそこでできている。やはりそういう判断力が、強い地域をつくる中では、重要なことのひとつだと思う。それで入院される方が結構おられる。  ただ、入院しただけで落ちついてしまう人がほとんどである。大体8割ぐらいの人が、家で大変なことがあるといって来ても、病棟に入院すると落ちつかれる。というのは、うちの病棟はきれいで見晴らしがいい。それを考えると、決して入院だけで治療を行うのではなく、在宅で、同じような環境が提供できればいいのではないかと思う。  精神科の病院でやる難しさというのもまたある。精神科の病院というのは、やっぱりプライバシーの問題がある。精神科の病院には、スティグマというものがまだあり、認知症の病棟は、ちょうど精神科と普通の病院の中間あたりという印象がある。うちの病棟は、うちの病院の中では一番開かれているとは思うが、精神科の病院であるがゆえの難しさというのもある。でも、何百人か診ていると、多くはないが、本当に専門治療の保護室などのハードな治療が必要な方もやはりいる。  いろいろなことを考えながらやっているが、病棟そのものはできるだけ開かれたものにしたい。その中での、私のひとつの目安が、ショートステイでうまくいかない人は、これはもう入院しかないのではないか、というものである。ただ、そういった方々が来て大変かというと、全然大変ではない方が大体8割ぐらいということはとりあえずお伝えしておこうと思う。 ○大熊委員長 もっと早く回せばよかったのだが、ちょうど「認知症 医療の限界、ケアの可能性」という上野委員がお書きになった本を、回覧していただいている。上野委員は、松沢病院におられて、困った家族が来ると、その人を引き取ってあげて、いいことをしていたと思っていたけれど、それは間違っていたという懺悔の本でもある。メディカ出版というところから出ているので、ぜひお手にとっていただけたらと思う。それでは柴沼委員、お願いする。 ○柴沼委員 新里委員がおっしゃってくださったことに私も同感で、医療につなげようとか、早期診断しようとか、いろいろ取り沙汰されているが、実際にはこれは治らない病気で、一番大切なのは、いかに快適にその人の居場所を見つけてあげられるのかということだと思う。医療が治せる病気もあるが、治せない病気のひとつである認知症に医療がどれだけ役割を持っているのかというのは、多くの医者が感じていることだと思う。  ほとんどの患者は、主治医やかかりつけ医がいて、もの忘れの自覚があったら、専門の先生や主治医が診断して、タイプやお薬を決めている。ただ、診断してお薬を出したら、治るんじゃないかという錯覚が、介護者や施設の方々にある場合がある。そこで、どうやってご本人が快適に過ごせるのかということを考えると、先ほど来言っているカフェであるとか、その人たちがいられる場所が必要である。また、介護も医療と同じで、介護すると治りますかというと治るわけではないので、ご家族がフリーになる、そういう時間帯をつくってあげられて、御本人も御家族も、お互い精神的に楽になれることが重要だと思う。  認知症初期集中支援チーム事業では、主治医、もともといる方も多いが、主治医を見つけるなどの医療での道筋がついたら、あとはもう生活支援が主になる。やはり一番困っているのは家族で、介護に悩んでいるという家族に対しては、やはり行政、区の支援が必要だと思う。  初期集中の達成項目の中で、家族支援の達成度が一番低かった。医療の導入などは、病院に連れていけばとか、達成しやすい。介護も、介護施設に繋げるとかそういうことはできるが、家族支援というのはなかなか難しい。ここはやっぱり世田谷区の行政のお金の出しどころなんじゃないかなと思う。  医療の限界もあるが、先ほど話題に出ていた「看取り」、これはやはり医者の仕事なので、世田谷区で生まれて世田谷区で亡くなるところまで、地域の医師会としては見守りたいと思っている。 ○大熊委員長 ありがとうございました。それでは最後、奈良部委員。 ○奈良部委員 私は総合支所の保健福祉課にいるので、御家族の相談であったり、ケアマネやあんすこからの相談に乗る立場にいる。私も、今柴沼委員がおっしゃったように、御家族の方への支援がとても大事だが、まだ十分でないと感じている。  特に男性の介護者の方はとても大変だと思っており、皆さん、とても真面目に介護に取り組むので、その分、御本人も御家族も辛くなってしまう状況があると感じている。烏山で、あんすこの協力も得ながら、男性介護者の会を、坪井委員の事業所から男性スタッフの方に来ていただき、話をしていただくことをやり始めたところで、これからも取り組んでいきたいと思っている。 ○大熊委員長 ありがとうございました。介護殺人という恐ろしいNHKの番組があったが、旦那さんが奥さんを絞め殺す事件も起きている。  私も資料を配付させていただいたが、これの第3部は「わが母の地域包括ケア」となっており、要介護4で認知症の母親を絞め殺さずに95歳で看取ることができたのは、ちょうど今日ここにいらっしゃる薬剤師さん、歯医者さん、お医者さんはもちろん、看護師さん、ケアマネさん、あんすこさんという様々な職種が来ていただき、区からはおむつをいただいた。そういう様子に加えて、ユマニチュードとか、認知症にまつわる項目が書いてあるので、参照願いたい。 ○大熊委員長 それでは、皆さんのお話を受けとめて、瓜生委員から一言。 ○瓜生委員 私も現在、認知症の母を介護中だが、ついつい厳しい言葉を言ってしまうことがある。休みの日には、太極拳や水彩画教室などに連れて行っているが、地域のそういう居場所が大変重要だと、今日のお話でも再確認した。これからも地域の中で生活が続けられるように、世田谷区の地域をつくっていきたいと、新たな気持ちになった。  今後も御意見等を頂戴しながら、世田谷区で認知症の方が安心して暮らしていける地域をつくっていきたいので、今後もよろしくお願い申し上げる。 午後9時3分閉会