令和2年度第2回世田谷区障害者施策推進協議会の資料への質問・意見及び回答 開催方法を変更した協議会の資料への質問・意見等について、次のとおり回答します。 1 日中活動の場と住まいの確保 意見・質問 施設の整備とともに、一人暮らしを選択できるような仕組みの強化をご検討ください。中軽度向けの「あんしん事業(地域福祉権利擁護事業)」「日常生活自立支援事業」 重度向けの「重度訪問介護」等を担う支援者や事業者、相談支援事業者の確保と充実が重要です。 回答 成年後見制度を利用するほどの状況ではないものの判断能力が十分でない人を対象に、金銭管理や手続き、見守りなどの支援を契約に基づき提供する「あんしん事業」は、社会福祉協議会においてサービスを提供しています。(国は日常生活自立支援事業、都は地域福祉権利擁護事業、世田谷区社会福祉協議会はあんしん事業を事業名としていますが、3事業は基本的には同一事業です。) 重度の訪問介護従事者については、民間事業者による研修実施が一般化している中で、区は東京都の研修事業者に登録し、民間の研修事業者に委託して養成研修を実施しており、従事者の育成・確保を通じて事業者を支援していきます。また、相談支援事業所の職員の相談援助力の向上を図るため、基幹相談支援センターにおいて各種研修を実施し、支援していきます。 2 共生社会 意見・質問 区民が幼少期から障害の特性等を理解する機会を持てるよう、小学校・中学校において、障害特性を学ぶカリキュラムの必置をご検討ください。 「あいサポート運動」や、世田谷区手をつなぐ親の会による障害啓発活動「セータとガーヤの気持ち伝え隊」など、内容は色々と考えられます。 回答 障害差別の解消や地域共生社会を目指していくうえで、障害特性の理解促進を図ることは重要です。区では新たに小学校への手話講師の派遣を通じて、聴覚障害者への理解促進の取り組みを開始したところです。今後も障害特性に応じた障害理解の促進について、ご意見や他自治体の取り組みなどを参考にしながら検討・実施していきたいと考えております。 3 精神障害施策 意見・質問 課題1精神病床における長期入院患者に関する目標値や目標(例)の「(3)次期計画の施策展開の方向性(計画)」において、「地域の支援者が区民一人ひとりに対して定期的なアセスメントを行い、本人の状況に応じた支援を行う」とありますが、「地域の支援者」とは、具体的にどのような方を指しますか。(相談支援専門員、ケースワーカー等?) また、長期入院されている方で、地域移行を希望されている区民の方は、区内だけでなく、地方の病院の方もいらっしゃいますが、「定期的なアセスメント」とは、どの程度の間隔を想定されていますか。 回答 ここで挙げている「地域の支援者」は、令和2年度から試行的に実施する「精神科病院に長期入院している区民への訪問支援事業」を受託する相談支援専門員です。「定期的なアセスメント」の頻度は、精神障害者の方の個々の状況に合わせて対応しますが、概ね2週間に一度程度の訪問を予定しています。  意見・質問 課題1に「国が示す成果目標として精神病床における1年以上の長期入院患者数や早期退院率が設定されている」とありますが、無理な設定は、対応の柔軟さを欠くことになるのでは。 回答 世田谷区では、第6期障害福祉計画の目標として、入院から地域生活への移行が実現した人数を目標値に設定するのではなく、「精神科病院に長期入院している区民への訪問支援事業」などにより入院患者を訪問し、本人の意向確認や状況確認を行い、本人が希望する生活に関する意思決定を支援する人数を目標値とします。 意見・質問 「参考2 意思決定支援のプロセス」「1 意思の醸成の支援」→「2 意思を表明する支援」→「3 意思を実現する支援」について。醸成とは、「ある状態や、そのような機運になっていくこと」ですが、醸成の対語「急拵え」になることはないのか。 また、ご家族の介入による影響はないのか。 回答 精神障害の方の中には、心身の状況の変化によって自らの意思を表明することや意思決定をすることが難しくなる方もいらっしゃいます。こうした方々に対しても支援者が時間をかけて丁寧に支援を重ねていくことで、本人の気持ちや希望に寄り添い、退院への希望をあきらめずにいられるように応援するなど、本人の意思の情勢と意思決定支援を行っていきます。 また、退院後の生活を不安に思うご家族には、実際に退院し地域生活を送られている方の実体験をお聞きいただき不安軽減に向けた支援も行ってまいります。 意見・質問 課題3普及啓発・理解促進について、実際のところ、一般の人が学習できる機会が少ないのでは? 回答 地域住民の精神障害に対する正しい知識を普及・啓発し、人格や個性を尊重する土台づくりは大変重要な取り組みです。 区は、令和2年度から全区的な機能である保健医療福祉総合プラザに移転した世田谷区保健センターを活用し、広く区民に対する精神疾患の理解促進を図るとともに、当事者や家族が企画・運営する講演会を実施する等、精神障害や精神疾患に関する正しい知識を学ぶ機会を創出します。 上記の全区的な取組みと調整しながら、各地域の保健福祉センター健康づくり課では、地域のネットワークのつながりを活用したこころの健康づくりにより、精神障害についての理解促進を図ります。 意見・質問 課題6退院後の生活体験機能の「(2)課題(評価を踏まえた改善)」「(3)次期計画の施策展開の方向性(計画)」について。課題の中に、「退院後の住まいにおける生活に向けた準備も大変重要」とあり、生活の練習などが組み込まれていますが、地方の病院から世田谷区に地域移行を希望されてる場合も、記載されてるような丁寧なサポートをお願いしたいです。 また、地方からの地域移行においては、精神科病院の引継ぎも重要です。例えば、松沢病院や烏山病院などに、バックアップ施設として連携してもらえたら、心強いのではないでしょうか。(状態が悪くなったら入院できる病院が近くにあるとわかっていたら、心理的に楽になると思います。精神科病院を退院し、グループホームへ移行することが決まった方が、その緊張と不安から、退院の直前に病状が再発してしまい、退院が取り止めになってしまった事例を聞いたことがあります。) 回答 退院後の生活体験機能を今後整備、運営する際には、世田谷区民が、地方の病院から退院後の暮らしを世田谷区に希望されてる場合も、ご利用いただけるように取り組んでまいります。 区内精神科病院との連携については、今後の施策検討の参考とさせていただきます。 4 医療的ケア児(者)の支援 意見・質問 課題1総合的な支援体制の構築等「(1)取組みの状況(実施状況の評価)」における「医療的ケアが必要なお子さんのためのガイドブック」について、平成29年3月30日に更新されていますが、次回更新についての予定はありますか。 回答 令和3年度中を予定しています。 意見・質問 「医療的ケアが必要なお子さんのためのガイドブック」更新の内容について、必要な支援についての各情報はまとまっているが、医療的ケア児(者)や介護者にとってのワンポイント的なアドバイスを入れてはどうか。例えば、医療的ケアの種類ごとの、専門医からのワンポイントアドバイスなど。経管栄養等においても、口腔ケアの大切さや、誤嚥性肺炎の注意点など、口腔からの感染症等についてのアドバイスを載せてはいかがでしょうか。 回答 貴重なご意見ありがとうございます。次回のガイドブック更新の参考とさせていただきます。