添付ファイル 令和4年度 保健福祉サービス苦情審査会活動報告の概要を以下に記載します。 詳細な内容は以下の担当部署へご連絡ください。 担当部署 世田谷区保健福祉政策部 保健福祉政策課 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会事務局 〒154−8504 東京都世田谷区世田谷4−21−27 世田谷区役所第2庁舎2階 電話番号 03−5432−2605 ファクシミリ 03−5432−3017 目次 第1章 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会 第1 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会制度のあらまし 第2 苦情申立ての受付状況 第3 申立てに基づく諮問事案の概要 第4 審査会開催及び委員活動状況 第5 運営状況の公表、広報活動 第6 委員名簿 第2章 保健福祉サービス等に係る苦情・相談の概要 第1 概況 第2 高齢者サービスに係る苦情・相談 第3 障害者サービスに係る苦情・相談 第4 子どもサービスに係る苦情・相談 第5 保健福祉サービスに係る苦情・相談 第3章 資料編 世田谷区地域保健福祉推進条例(抜粋) 世田谷区地域保健福祉推進条例施行規則(抜粋) 世田谷区介護保険条例(抜粋) 以下、本文の内容です。 第1章 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会 第1 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会制度のあらまし 苦情審査会の設置 世田谷区では、地域保健福祉を推進するための基本理念を定めた 世田谷区地域保健福祉推進条例 平成8年3月13日条例第7号 の策定を進めるなかで、保健福祉サービスに対する区民の苦情を受け止め、それを的確に処理する区民の救済システムをつくること、また、その結果をサービスの質の向上に活かす仕組みが必要との考えのもとに区長の附属機関として世田谷区保健福祉サービス苦情審査会を設置した。 苦情審査会の組織 世田谷区地域保健福祉推進条例(以下 条例 という)に基づく区長の附属機関として設置され、保健、医療、福祉、法律等の各分野から選任された5人以内の外部委員で構成されている。 苦情審査会制度のねらい 苦情審査会制度のねらいは、@苦情の申立てを行うことによる救済手段としての役割、A苦情を適正に処理することによってサービス利用者の満足感やサービス提供者への信頼性の向上、また、サービス提供者による質の高いサービス実現のための努力によって結果的に達成される保健福祉サービスの質の向上を図ること、B保健福祉サービス等に対するニーズが多様化、高度化する中で区民等から寄せられた事例等をもとに区民ニーズを把握し、施策への反映や区民本位のサービスの実現に向けた取組を図ることである。 苦情申立てへの対応と流れ 区が行う保健福祉サービスや、介護保険サービス、障害福祉等サービス及び子ども子育てサービス(以下 保健福祉サービス等 という)について、区の対応が終了してもなお解決しない苦情に対する区民からの申立てを中立公正な立場で審査し、区長へ意見を述べる。区長は、審査会の意見を尊重してサービス等の改善に努める。 申立てができる人(条例第27条) @現に保健福祉サービス等を受けている人 A保健福祉サービス等を取り消された、又は申請したが受けられなかった人 B前述@及びAの家族 C民生委員 児童委員、行政相談員など 対象となる苦情(条例第28条) @保健福祉サービス等に関する苦情であること。 A個別(個人を特定した保健福祉サービス等)の適用または提供に関する苦情であること。 ただし、本制度により既に苦情処理が終了している場合、行政不服審査法等に基づく審査請求その他の不服申立てが行われている場合、裁判所において係争中又は判決等があった場合、苦情に係る事実があった日の翌日から起算して1年を超えている場合などは対象にはならない。 介護保険の要介護認定、保険料の徴収に関することは対象とならない。 第2 苦情申立ての受付状況 令和4年4月から令和5年3月までに世田谷区で受け付けた苦情・相談の合計件数は182件であった。 そのうち、保健福祉サービス苦情審査会事務局で直接受け付けたものは55件であり、苦情申立書を受理したものは5件であった。 なお、苦情申立てに基づき、令和4年度の保健福祉サービス苦情審査会で審議した諮問事案は1件(諮問第72号 令和3年度から継続)であった。諮問非該当は4件、取下げが1件あった。 諮問事案 諮問第72号 心身障害者福祉手当の精神障害者保健福祉手帳2級所持者への支給拡大について 諮問年月 令和4年2月 審査結果 令和4年9月 意見書提出 令和5年8月 改善報告 諮問非該当事案 苦情申立案件 (1)保健福祉課の担当ケースワーカーの対応について (2)障害福祉事業所の不適切な接遇について 苦情申立年月 令和4年4月 結果(非該当理由) 令和4年8月諮問非該当通知 理由 (1)担当ケースワーカーは、申立人を月2から3回訪問するなどコミュニケーションをとり、支援を継続している。また、サービスの導入に向けて、事業所等と連携を図り、改善に取り組んでいる。 (2)苦情申立書に記載された事業所とは契約が終了しており、本件について審査して区長に意見を出しても、申立人の保健福祉サービスの改善に直接的に結びつかない。 苦情申立案件 保育の利用期間延長に関する制度の改善について 苦情申立年月 令和4年8月 結果(非該当理由) 令和4年11月諮問非該当通知 理由 家族の就職にともない、区が支給認定(保育の利用期間延長)を決定し、保育の利用が再開されたことにより、世田谷区地域保健福祉推進条例に規定する 実際に保健福祉サービス等の個別の適用若しくは提供を受け、若しくは取り消され、又はその適用若しくは提供を拒まれた者 に該当しなくなった。 苦情申立案件 生活支援課での生活保護費の返還金事務について 苦情申立年月 令和4年11月 結果(非該当理由) 令和5年1月諮問非該当通知 理由 苦情の事実発生及び苦情の事実を知った日の翌日から1年を超えた申立てであった。 苦情申立案件 (1)居宅介護支援事業所の対応について (2)訪問介護事業所の対応について 苦情申立年月 令和4年12月 結果(非該当理由) 令和5年3月諮問非該当通知 理由 苦情申立書に記載された(1)及び(2)の事業所とは契約が終了しており、本件について審査して区長に意見を出しても、申立人の保健福祉サービスの改善に直接的に結びつかない。 取下げ事案 苦情申立案件 ケースワーカーによる就労支援について 苦情申立年月 令和4年7月 結果(取下げ理由) 申立人の希望により取下げ 第3 申立てに基づく諮問事案の概要 諮問第72号 心身障害者福祉手当の精神障害者保健福祉手帳2級所持者への支給拡大について 所管課 障害福祉部 障害施策推進課 申立ての主訴 諮問 令和4年2月 世田谷区は心身障害者福祉手当(区制度)において、精神障害者を差別しているため、精神障害保健福祉手帳2級にも、心身障害者福祉手当を支給してほしい。 心身障害者福祉手当のうち、ちゅう から けい度の障害である身体障害者3級や愛の手帳4度へ手当が支給されているものの、中級の障害である精神障害者保健福祉手帳2級には手当が支給されないのは、議論の余地があると考えています。 世田谷区は財源がない、先行自治体を勘案したいなどのほか、口頭で目的が精神障害者だけ違う、状況が違うと回答してきました。差別していることを認めようとせず、目的や状況が違うという考えは私には理解できません。 国制度の特別障害者手当は精神障害者も対象になっている。精神障害者が手当の対象となっていない都制度を参照しないでほしい。 なお、私は精神障害者保健福祉手帳2級を保有しています。 審査結果(意見書) 令和4年9月 1 審査会の結論 (1)心身障害者福祉手当の精神障害者保健福祉手帳2級所持者へ手当の支給がないことに関して、本件給付を規定する世田谷区心身障害者福祉手当条例(以下、 手当条例 という。)で、精神障害者の場合、給付の対象は1級と定められており、2級を支給対象としないことに関して法令適用の違法性や瑕疵はなかった。 (2)本件申立てに沿って審査した結果、支給を拡大する場合には、条例改正が必要となる。区議会で審議される事柄について、本審査会が直接判断を下すことはできないが、本件申立ては、 保健福祉サービスの制度自体の改善 に該当する。推進条例第29条第2項では、 審査会は、必要があると認めるときは、申立て等に係る保健福祉サービス等の制度の今後のあり方、改善策等について意見を述べることができる。 と規定されているため、審査会の趣旨に照らして、審査会としての意見を詳述する。 2 審査会の意見 (1)障害者のしおりの心身障害者福祉手当 区制度、申請案内の表を見ると、申請対象は、身体障害者手帳1から3級、愛の手帳1から4度、精神障害者保健福祉手帳1級、脳性麻痺・進行性筋萎縮症、指定難病の医療券等所持者となっている。手帳の数字はどの障害も1が一番重い基準となっている。数字に注目すると、障害種別のうち精神障害のみもっとも重い1級のみが対象で2級が対象外となっていることに不公平感が生まれるだろうことは理解できる。 しかしながら、障害種別の級や度数によって生活のしづらさは一様ではなく、障害種別ごとに取り扱いが異なること自体が法制度上問題とすべき不平等に直結するわけではない。真に問題とすべきは、その必要性に適切に応えた施策となっているかどうかであろう。 (2)精神障害者に対しての福祉の施策が他障害に比べて歴史が浅く、支援策も充実しているとは言えない現状がある。東京都は、精神障害者に対しては、医療体制の充実を図ることに力を注いでいるとの回答があるが、日本の精神科病院入院者数の多さ、入院期間の長期化が問題視され、日本の脱施設化の取り組みの遅れも指摘を受けている。 精神障害者の福祉の増進を図る施策の充実と早急な取り組みが必要である。 (3)精神障害者は、外見では障害が判断しづらく、困難さも一般的に理解されにくい現状がある。精神障害者は、障害の特性として、精神面での不安定さがあげられる。そのため、継続的就労が難しく、安定した生活を維持していくことが困難な状況にある。精神障害者が地域で安心して安定して暮らしていけるように、所得保障としての手当の支給対象の拡大も含めて、今後検討していくことが望まれる。 3 調査の結果  本審査会が、申立人との面談、所管課への質問などにより調査した結果は、次のとおりである。 (1)申立人との面談(担当委員による) @苦情申立書を出すに至った思いについて 障害者のしおりの4手当 年金のページをみて、心身障害者福祉手当 区制度について知った。精神障害者保健福祉手帳2級と、ちゅう から けい 程度の身体3級、愛の手帳4度手帳所持者と比較して、不公平感を抱いた。すぐに説明を求めたが納得できず、疑問はさらに大きくなり、悩んだ結果、苦情申立てに至った。 A身体・知的障害者と精神障害者との待遇に対する不平等感について 苦情申立ての主訴について、区の所管課に質問したところ次の3点を理由として回答を受けた。 ア 財源がない イ 先行自治体を勘案した ウ 身体 知的障害者とは支給の目的が違う アについて、身体 知的障害者への手当を削減して精神障害者への手当を捻出するよう試算して区に提案したことがある。既得権を奪うことによる影響が大きいから出来ない との回答について、理解はするが解決に至らないと申立人は考えている。 イについて、さいたま市や奥多摩町など精神障害者保健福祉手帳2級以上を対象に支給している自治体もある。精神障害者1級への手当支給は都の補助はなく、区独自の施策だと聞いている。精神障害者保健福祉手帳ができてから、27年経過している。区は他の自治体に準じず、公平に扱う立場であってもいいのではないか。 ウについて、区は精神障害者を身体 知的と比較して低く考えている印象を持つ。公務員 行政こそ率先して差別解消に努めるべき立場にある。身体 知的と精神への支給について、目的を違えることに違和感を抱いている。ちゅう程度の障害者は全て支給対象にする方が合理的ではないか。生活の困り度は少し違うかもしれない。 厳密に3障害が一緒というわけにはいかないことも理解しているが、支給額に差をつけていることの回答がなく、違いがあるのが納得できない。国が決めた公平性を担保してほしい。 B申立人の状態について 定期的に医療機関に通院し、受診と服薬を継続している。叶うならば、手当を受給するよりも病気を治したいと考えている。 (2)所管課事情聴取(担当委員による) @精神障害者保健福祉手帳1級所持者に対する心身障害者福祉手当の支給について (ア)支給を開始した経緯 平成28年6月に区議会に精神障害者への手当支給を求める請願があったことを契機に検討が始まり、11月に手当条例改正案が可決された。当時は、特別区内では、品川区、足立区、杉並区、大田区が1級を対象に支給していた。 (イ)1級を対象に支給した理由 精神障害者が地域生活を継続していくためには、通院や文化的社会的活動に参加できることが大切であり、外出のためのヘルパーを派遣する移動支援事業は、精神障害者保健福祉手帳(以下 手帳)の等級にかかわらず対象としている。 一方、手帳制度において、能力障害の状態に関する判定基準をみると、1級の方は、通院 服薬を必要とするが、規則的に行うことができなかったり、社会情勢や趣味 娯楽に関心がなく、文化的社会的活動に参加できない、などとなっている。 こうしたことから、平成29年4月に精神障害者への手当支給を開始する際、重度障害者である手帳1級所持者には特に通院や文化的社会的活動への参加を促すため、外出のためのヘルパーを派遣する移動支援事業に加えて、手当を支給する必要があると判断した。 手当額については、規則的な通院(月2回程度)のための交通費や、家族や知人と外出した際の飲み物代として使っていただくことを想定した。ちゅう程度の精神障害である手帳2級の方については、手当を支給しなくても就労や社会活動が可能な方が多くおり、自立に結び付く保健福祉サービスを拡充していくことが効果的だと判断した。 区では、精神障害の方が地域で生活できる環境を整備するために、長期入院者への訪問支援、多職種チームによるアウトリーチ支援、自立支援医療制度による医療継続、ピアサポーターの養成や活躍支援などに取り組んでいる。 (ウ)直近3年度の支給実績 平成30年度157名 令和元年度187名 令和2年度199名 A障害者への手当支給について 区では、福祉の増進と社会参加の一助を目的に支給している。使途について、区では把握しておらず、明確に定めていない。心身障害者福祉手当の財源について、身体・知的障害者への手当約13億円のうち、都は6億円、区は7億円を負担している。精神障害者への支給は区が全額を負担している。 B都の精神障害者への支援方針について 自立支援医療だけではなく、都独自の心身障害者医療費助成制度があり、医療費の自己負担軽減を進めている。都は、手当ではなく、医療やサービス提供体制を整えていく方針である。 C区における精神障害者への支援施策について (ア)ピアサポート活動事業 精神障害等の当事者が、自身の障害や病気の経験を、話したり共有したりすることで、障害を抱える方や家族を支援することを目的としている。令和4年度から、ピアサポーターやピアサポーターの支援者を養成する研修を開始する。 また、ピア活動を希望する団体への補助、ピアサポーターによる電話相談や長期入院者への訪問支援事業などを行い、ピア活動を希望する人が活躍できる機会や場を創出できるようマッチングする仕組みづくりを進めていく。ピアサポート活動を通して、障害を抱える方や家族が繋がる機会や居場所づくりにつながることを期待している。 (イ)就労支援事業 せたジョブ応援プロジェクト 法定雇用率に算定される週20時間以上の求人で就労することが難しい障害のある方に対して、障害者就労支援センターが区内企業等を訪問し、業務の開拓を行い、多様な働き方を創出し支援する。 業務の分類 企業等に通って短時間働く 通ってジョブ 内職やテレワークなど自宅で働く 自宅でジョブ みんなで集まって共同作業をする 集ってジョブ 単発又は短期間の業務 単発ジョブ 改善報告 令和5年8月 意見の概要と検討結果 意見1 障害種別の級や度数によって生活のしづらさは一様ではなく、障害種別ごとに取り扱いが異なること自体が法制度上問題とすべき不平等に直結するわけではない。真に問題とすべきは、その必要性に適切に応えた施策となっているかどうかであろう。 検討結果1 精神障害による困難な状況は、様々な精神疾患等により引き起こされ、思考や感情、行動の状況等に個人差が大きい一方で、見た目からは困難を抱えていることがわかりづらい傾向があります。また、診断名が同じでも特性は人それぞれで、周囲の人間関係や職場環境によって二次障害を起こすこともあることは承知しております。 ご意見いただきましたように、障害者手帳の級や度数によって生活のしづらさが一様でないことは認識しており、区の精神障害者施策においては、日常での困り事等の相談が必要な方に向けた 相談機能の充実、住まいを探すことが難しい方に向けた 住まいの確保支援、当事者相互の共感的な関わりが有効な方に向けた ピアサポートの活用 など、当事者ニーズを踏まえた施策に取り組んでおり、今後も障害当事者の必要性に適切に応えた施策を推進してまいります。 意見2 精神障害者に対しての福祉の施策が他障害に比べて歴史が浅く、支援策も充実しているとは言えない現状がある。精神障害者の福祉の増進を図る施策の充実と早急な取り組みが必要である。 検討結果2 国の 精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業 は、従来、都道府県を対象としていましたが、平成30年度から特別区も対象となったことを契機として、世田谷区でも施策の充実に取り組んでいるところです。 平成30年度以降の区の精神障害者施策として、地域障害者相談支援センター ぽーと における相談機能の拡充、こころの相談機能の整備、長期入院者のいる精神科病院の調査結果にもとづく訪問支援事業、多職種チームによる訪問支援(アウトリーチ)事業、精神障害者ピアサポーター養成 活躍支援事業等があり、精神障害のある方が安心して地域生活を送るための取り組みを順次進めてまいりました。 区の障害福祉計画である せたがやノーマライゼーションプラン において重点的な取組みに 精神障害施策の充実 を掲げており、令和6年度からの次期計画においても引き続き重点取組に位置づけ、精神障害者の家族支援や地域移行のための生活体験の場の整備などの施策を計画的に推進してまいります。なお、年度ごとの取組状況や今後の取り組み予定については別紙2を参照ください。(本誌への掲載にあたっては別紙2の添付は省略) 意見3 精神障害者は、障害の特性として、精神面での不安定さがあげられる。そのため、継続的就労が難しく、安定した生活を維持していくことが困難な状況にある。精神障害者が地域で安心して安定して暮らしていけるように、所得保障としての手当の支給対象の拡大も含めて、今後検討していくことが望まれる。 検討結果3 平成29年度に、心身障害者福祉手当の支給対象を精神障害者保健福祉手帳1級所持者に拡大し、平成30年度以降、精神障害者施策の充実を図っているところであり、現時点では、画一的な経済的支援よりも、地域で自立した生活を目的として、一人ひとりに応じた就労支援や、医療、住まい、社会参加などの整備に充てることで、精神障害者が地域で自立した生活ができる環境を整備していきたいと考えております。 施策の充実にあたっては、障害者が所得を確保できる環境を整備することが特に大切と考えており、多様な働く場の創出に努めるとともに、区立障害者就労支援センターを開設しております。具体的には、障害者就労支援センター しごとねっと では主に精神障害者を対象として、また、 ゆに は主に発達障害者を対象として、就労相談から定着支援、生活支援まで一貫した就労支援を行うとともに、一般企業等の障害理解や雇用促進に取り組んでいます。 厚生労働省の平成30年度障害者雇用実態調査結果において、障害種別ごとの平均勤続年数を見ますと、身体障害者が10年2か月、知的障害者が7年5か月、精神障害者が3年2か月となっています。 区では、障害の状況に応じた多様な働き方を推進するため、短時間就労を進める取り組みとして、人手が欲しい企業と、働く力があっても自信がなく就労に踏み出せなかったり、体調の波があるなどの理由で、長い時間は働くことが難しい方とのマッチングをおこなう せたジョブ応援プロジェクト を行っています。 精神障害者の多くが、継続的に就労することが難しく、安定した生活を維持していくことが困難な状況にあることは、家族会等からもお聞きし承知しております。継続的就労が難しい精神障害者が、安定した生活を維持していくためにも、障害者の地域生活を支援する各種施策に加えて、就労支援のさらなる充実を図っていきたいと考えています。 精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしく暮らすことができるよう、医療、障害福祉、介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保された 精神障害にも対応した地域包括ケアシステム の構築を目指し、地域における生活への移行とともに地域生活や社会活動の安定が図られるよう、引き続き取り組んでまいります。 第4 審査会開催及び委員活動状況 4月 第1回審査会 諮問第72号(審査) 7月 第2回審査会 諮問第72号(審査) 令和3年度苦情審査会活動報告について(報告) 9月 第3回審査会 諮問第72号(審査 意見) 第5 運営状況の公表、広報活動 苦情審査会の運営状況は、活動報告書を作成し、配布及び区のホームページに掲載することにより公表している。 広報活動としては、苦情審査会制度の紹介記事をホームページや各種冊子に掲載したほか、案内のリーフレットを各総合支所、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)等の関係機関の窓口に置いて、苦情審査会が区民に広く知られるように努めた。 1 広報 PR活動 (1)区のおしらせ せたがや 令和4年11月1日号 (2)区のホームページ 福祉健康 地域保健福祉 保健福祉サービスの質の向上 (3)リーフレット 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会のご案内 関係機関の窓口で配布 (4)世田谷区保健福祉総合事業概要 (5)せたがや便利帳 (6)せたがやシルバー情報 (7)世田谷区介護保険ガイドブック (8)障害者のしおり 2 報告(公表) (1)活動報告書の配布 (2)区のホームページへの掲載 (3)議会関係等 世田谷区議会 世田谷区地域保健福祉審議会(世田谷区地域保健福祉推進条例第30条) 3 会議等への参加 (1)第23回全国行政苦情救済 オンブズマン制度連絡会    日時 令和4年12月22日 ウェブ会議形式により実施 第6 委員名簿 第13期(令和2年10月1日から令和4年9月30日まで) 会長 あきもと みよ 東洋大学 社会福祉学研究科特任教授 副会長 ひろい ゆういち 国学院大学 人間開発学部准教授 委員 すずき けいこ 社会福祉士 委員 ひじかた さとし 医師 委員 まつき ゆみこ 弁護士 第14期(令和4年10月1日から令和6年9月30日まで) 会長 あきもと みよ 東洋大学 社会福祉学研究科特任教授 副会長 ひろい ゆういち 国学院大学 人間開発学部准教授 委員 すずき けいこ 社会福祉士 委員 ひじかた さとし 医師 委員 しみず みわこ 弁護士 肩書については、令和5年10月現在のもの。 第2章 保健福祉サービス等に係る苦情・相談の概要 第1 概況 1 苦情・相談件数の年度別推移 区が受理した苦情・相談の総件数は、平成27年度 141件 平成28年度 164件 平成29年度 145件 平成30年度 148件 令和元年度 173件 令和2年度 181件 令和3年度 171件 令和4年度 182件と推移しています。 2 苦情・相談の分野別件数 令和4年度の苦情・相談を分野別に見てみると、高齢者サービスに係るものが109件、障害者サービスに係るものが29件、子どもサービスに係るのもが23件、保健福祉サービスに係るものが21件であった。 3 申出人の種別 申出人別では、家族が最も多く116件 63.7%、次いで本人が42件 23.1%、その他が15件 8.2%、事業所 施設職員が9件 4.9%である。なお、その他には、匿名や近隣住民などが含まれる。 4 受付方法 苦情・相談の受付方法は、電話によるものが最も多く137件 75.3%、次いで来庁が33件 18.1%、その他が5件 2.7%、訪問が4件 2.2%と続いている。なお、その他には区長へのメールなどが含まれる。 5 受付窓口 受付窓口別では、総合支所保健福祉課が最も多く69件 37.9%である。 次いで、保健福祉政策課が55件 30.2%、事業所(民立施設)が29件 15.9%、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)が9件 4.9%と続いている。 第2 高齢者サービスに係る苦情・相談 1 高齢者サービスに係る苦情・相談件数 令和4年度に区が受理した高齢者サービスに係る苦情・相談件数は109件であった。 分類別に見ると、介護保険サービスに関するものが87件、高齢者福祉サービスに関するものが15件、その他が7件であった。 種別ごとに見ると、介護保険サービスではサービス提供 保険給付に関するものが最も多く79件、次いで要介護認定が6件である。 なお、サービス提供 保険給付をサービス別に見ると訪問介護が最も多く12件、次いで介護老人福祉施設が11件、居宅介護支援と特定施設入居者生活介護(短期利用以外)が各10件と続いている。 高齢者福祉サービスでは高齢者向け住宅に関するものが最も多く5件、次いで紙おむつ支給・おむつ代助成に関するものが4件である。 その他の内容は介護保険法適用外のサービス利用などに関する苦情・相談であった。 2 高齢者サービスに係る苦情・相談の内容 苦情・相談内容で最も多いのは、従事者 責任者の態度 対応の67件で、次いでサービスの質が21件、その他が14件である。 3 介護保険サービスに係る苦情・相談件数の年度別推移 令和4年度の高齢者サービスに係る苦情・相談のうち、介護保険サービスに係る苦情・相談件数は87件であった。 苦情・相談件数の年度別推移を見ると、平成27年度55件 平成28年度66件 平成29年度62件 平成30年度61件 令和元年度79件 令和2年度77件 令和3年度68件 令和4年度87件である。 4 介護保険サービスに係る苦情・相談の対応状況 苦情・相談の対応については、申出人に説明 助言が62件、次いで、事業者へ申し入れ 勧告が15件である。 5 高齢者サービスの苦情・相談事例の概要 省略 第3 障害者サービスに係る苦情・相談 1 障害者サービスに係る苦情・相談件数 令和4年度に区が受理した障害者サービスに係る苦情・相談件数は29件であった。分類別に見ると、障害者総合支援法又は児童福祉法(以下 障害者総合支援法等 という)に基づくサービスが26件、障害福祉サービスに基づくものが3件であった。 種別ごとに見ると、障害者総合支援法等に基づくサービスでは就労継続支援 雇用型 非雇用型が最も多く9件、次いで居宅介護(ホームヘルプ)が5件と続いている。 障害福祉サービスの内容は区立施設の送迎バスなどに関する苦情・相談であった。 2 障害者サービスに係る苦情・相談の内容 苦情・相談内容で最も多いものは、従事者 責任者の態度 対応で20件となり全体の約7割を占めている。次いで、サービスの質が4件である。 3 障害者総合支援法等に基づくサービスに係る苦情・相談件数の年度別推移 令和4年度の障害者サービスに係る苦情・相談のうち、障害者総合支援法等に基づくサービスの苦情・相談件数は26件であった。 苦情・相談件数の年度別推移を見ると、平成27年度25件 平成28年度41件 平成29年度31件 平成30年度38件 令和元年度49件 令和2年度32件 令和3年度27件 令和4年度26件である。 4 障害者総合支援法等に基づくサービスに係る苦情・相談の対応状況 障害者サービスに係る苦情・相談のうち、障害者総合支援法等に基づくサービスに係る苦情・相談の対応については、申出人に説明 助言が21件で全体の約8割を占め、事業者へ申し入れ 勧告と継続中が各2件となっている。 5 障害者サービスの苦情・相談事例の概要 省略 第4 子どもサービスに係る苦情・相談 1 子どもサービスに係る苦情・相談件数 令和4年度に区が受理した子どもサービスに係る苦情・相談件数は23件であった。分類別に見ると、保育が19件、子ども子育て支援サービスが4件である。 種別ごとに見ると、保育では認可保育園(区立)に関するものが最も多く7件、次いで認証保育所に関するものが6件と続いている。 子ども子育てサービスでは、その他(子ども家庭支援)に関するものが最も多く2件、子育てステーションとほっとステイに関するものが各1件となっている。 また、児童サービスに関する苦情・相談はなかった。 2 子どもサービスに係る苦情・相談の内容 苦情・相談の内容で最も多いのは従事者 責任者の態度 対応の14件で全体の約6割を占めている。次いでサービスの質とその他が各4件となっている。 3 子どもサービスに係る苦情・相談の対応状況 苦情・相談の対応については、申出人に説明 助言が19件で全体の約8割を占めている。次いで所管課 他機関紹介等が2件となっている。 4 子どもサービスの苦情・相談事例の概要 省略 第5 保健福祉サービスに係る苦情・相談 1 保健福祉サービスに係る苦情・相談件数 令和4年度に区が受理した保健福祉サービス(高齢者サービス、障害者サービス、子どもサービスのいずれにも該当しないもの)に係る苦情・相談の件数は21件である。 サービス種別ごとに見ると生活保護に関するものが最も多く11件、保健 医療(その他)は9件、その他(保健福祉全般)は1件であった。 なお、保健・医療(その他)は、訪問診療や健康推進事業などに関する苦情・相談であり、その他(保健福祉全般)は退院後の住宅確保に関する苦情・相談であった。 2 保健福祉サービスに係る苦情・相談の内容 苦情・相談の内容で最も多いものは従事者 責任者の態度 対応の12件であった。 3 保健福祉サービスに係る苦情・相談の対応状況 苦情・相談の対応については、申出人に説明 助言が14件で全体の約6割を占め、所管課 他機関紹介等が4件であった。 4 保健福祉サービスの苦情・相談事例の概要 省略 第3章 資料編 省略 本文の内容は以上です。 発行 令和5年10月 問い合わせ先 世田谷区保健福祉政策部 保健福祉政策課 世田谷区保健福祉サービス苦情審査会事務局 〒154−8504 東京都世田谷区世田谷4−21−27 世田谷区役所第2庁舎2階 電話番号 03−5432−2605 ファクシミリ 03−5432−3017