ダニアレルギーパンフレット「もしかしてダニアレルギー?」 1.子どもに増えているダニアレルギーを予防するために  アレルギーはいろいろなものが原因となって、からだに様々な症状を起こします。  その中で、住まい方と大きく関わるのがダニアレルギーです。  子どものダニアレルギーが増えていますが、アレルギーにならないように、住まい方を見直してみましょう。 2.アレルギーとは  からだを守る免疫機能が過剰反応を起こしてしまうのが、アレルギーです。  ダニや食品、花粉、カビなどアレルギーの原因物質(アレルゲン)が、からだに入ることによって起こります。 3.アレルギーになりやすい人は?  どちらかの親がアレルギーの場合、子どもがアレルギーになる確率は3倍になります。  しかし、新たにアレルギーになる子どもも多く、アレルギーの発症には、生活環境が大きく影響を与えています。 4.アレルギーのしくみ  アレルゲンが体内に入ると、血液中に抗体がつくられ、粘膜や皮膚の中にある細胞にくっつきます。そして、もう一度アレルゲンが体内に入ると、侵入したアレルゲンが抗体にくっつきます。  すると、細胞が化学物質を放出します。放出された化学物質により、からだに炎症を起こし、アレルギーが発症します。 5.アレルギーは成長に伴い症状も変わる  成長の段階で、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが食物アレルギーからダニアレルギーへと変化します。  そして1〜3歳ごろ気管支喘息になり、少し大きくなってからアレルギー性鼻炎になるというように、成長とともに症状が変化していくことがあります。  これをアレルギーマーチと呼んでいます。一部のお子さんはこのアレルギーマーチをたどらずに自然によくなります。  アレルギーマーチを防ぐため、早めの対策をお勧めします。  1歳を過ぎてダニアレルギーが発症する前に、ダニ対策をしておきましょう。 6.アレルギーの原因となるヒョウヒダニについて  ヒョウヒダニ(チリダニ)は一般家庭のじゅうたん、ふとん、畳などに普通にいるダニです。  体長は0.3ミリメートルから0.4ミリメートルで夏に増えますが、年間を通じて発生します。  このダニは、アレルギーの原因となりますが、人を刺すことはありません。  そして、ヒョウヒダニ(チリダニ)の死がいや糞がアレルギーの原因物質(アレルゲン)となります。  ダニアレルゲンはハウスダストの中の主なアレルゲンで、ハウスダストアレルギーとダニアレルギーはほぼ同じ意味です。 7.ヒョウヒダニの繁殖条件について  ダニの繁殖条件は、三つあります。一つ目は摂氏20度から30度、湿度60パーセントから80パーセントと高温多湿であること、 二つ目はエサとなるアカやフケ、食べこぼしなどの有機物やカビがあること、三つ目は寝具やじゅうたん、布製ソファなど潜む場所があることです。  繁殖条件がそろえば爆発的に増えますが、冬のような条件ですと、増えることはできずだんだん減っていきます。  最近の住宅は気密性が高く、換気が不足がちのため、冬でも住宅内が高温多湿となり、ダニが増えやすい状態になっています。   8.ダニアレルギーを予防する住まい方  ダニの増殖を防ぐのと同時に、室内にダニアレルゲンがたまらないようにします。。  ・寝具やじゅうたんを中心に週一回以上掃除機がけをします。1平方メートルあたり20秒間ダニアレルゲンやダニのエサとなるアカやフケなどを吸い取ります。  ・風通しをよくし、室内の湿度を50パーセント程度にします。洗濯物の部屋干しや加湿器を使うときは、室内の湿度に注意しましょう。  ・日干しや布団乾燥機の使用で、寝具を乾燥させます。  ・ダニアレルゲンは水洗いすることで減らすことができます。シーツなど洗えるものは週に一回洗濯します。 世田谷保健所生活保健課 平成24年3月第4版発行