世田谷区新型コロナウイルス感染症陽性者における後遺症に関する調査 報告書(概要版) 【調査の目的】 世田谷区における新型コロナウイルス感染症の陽性者に対する今後の区の施策をより効果的なものとするため、本調査を実施することとした。 【調査対象】 世田谷保健所に提出された発生届でかつ当保健所にて管理している者(令和3年4月15日現在)8,959名(死亡者を除く) 【調査期間】 令和3年7月16日から令和3年8月6日 【調査方法】 郵送による配布、郵送・インターネット回収 【回収状況】 郵送回答分、回収数 2,446件、有効回収数 2,431件、有効回収率 27てん1% インターネット回答分、回収数 1,307件、有効回収数 1,279件、有効回収率 14てん3% 合計、回収数 3,753件、有効回収数 3,710件、有効回収率 41てん4% 【回答者の属性】 (1)性別 「男性」50てん5% 「女性」49てん1% 「その他・答えたくない」れいてん1% 「無回答」れいてん4% (2)年齢 「10歳未満」2てん1% 「10代」4てん6% 「20代」18% 「30代」17てん3% 「40代」17てん5% 「50代」17てん2% 「60代」10% 「70代」7てん8% 「80代」3てん5% 「90代」1てん7% 「100歳以上」れいてん1% 「無回答」れいてん2% ? (3)基礎疾患 「なし」66てん9% 「糖尿病」5てん2% 「脳血管疾患」1てん3% 「呼吸器疾患」5% 「肥満」6てん2% 「高血圧」11てん8% 「高し血症」5てん5% 「悪性腫瘍(がん)」1てん3% 「腎疾患または腎透析」れいてん8% 「そのた」7てん9% 「無回答」2てん3% (4)妊娠の有無 「有り」3てん8% 「無し」94てん7% 「無回答」1てん5% 【概要版の見方】 回答は各質問の回答者数(n)を基数とした百分率(%)で示してある。また、小数点以下第2位を四捨五入しているため、内訳の合計が100%にならない場合がある。 複数回答が可能な設問の場合、回答者が全体に対してどのくらいの比率であるかという見方になるため、回答比率の合計が100%を超える場合がある。 調査結果を図表で表示しているもののうち、グラフ以外のひょうで網掛けをしているものは、最も高い割合のものを示している。 クロス集計の分析の軸(=ひょうそく)で、基数が30を下回るものについては、調査数が少ないため参考として図示するに留め、文中では言及をしない。(例:「性別」の「その他・答えたくない」 等) ? 1 新型コロナウイルス感染症の療養について (1)陽性診断時期 陽性診断時期は、「令和2年11月から令和3年3月(第3波)」が67%で最も高く、次いで「令和2年7月から10月(第2 ハ )」が20てん4%となっている。 (2)たいいん、または療養終了時期 たいいん、または療養終了時期は、「令和2年11月から令和3年3月(第3波)」が65てん7%で最も高く、次いで「令和2年7月から10月(第2 ハ )」が18%となっている。 (3)療養中の症状 療養中の症状は、「熱、咳、味覚障害などがあった・点滴程度の入院をした」が52てん1%で最も高く、次いで「特になし」が37てん9%、「入院中に酸素が必要であった」が7%となっている。 (4)療養期間 療養期間は、平均15てんごにちとなっている。回答割合でみると「13から14日」が29てん6%で最も高く、次いで「8から10日」が25てん8%となっている。 ? (5)たいいんび、または療養終了日以降の症状(後遺症の有無) たいいんび、または療養終了日以降の症状は、「症状があった・症状がある」が48てん1%、「症状はない」が49てん3%となっている。 性別でみると、「症状があった・症状がある」は女性(54てん3%)が男性(41てん9%)よりも12てん4ポイント高くなっている。 年齢別でみると、「症状があった・症状がある」は30代(53%)、40代(54てん2%)、50代(54てん6%)が半数以上と高くなっている。 基礎疾患の有無別でみると、「症状があった・症状がある」はあり(50てん4%)がなし(46てん8%)よりも3てん6ポイント高くなっている。 陽性診断の時期別でみると、「症状があった・症状がある」に大きな差異はみられない。 療養中の症状別でみると、「症状があった・症状がある」は特になし(27てん5%)が3割未満となっている一方、軽症以上では6割以上と高くなっている。 ? 2 たいいんび、または療養終了日以降にあった・ある症状について (1)たいいんび、または療養終了日以降にあった・ある症状 たいいんび、または療養終了日以降にあった・ある症状は、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」が54てん4%で最も高く、次いで「全身の倦怠感(だるさ・おもさ)」が50%、「味覚障害(味がわかりづらい)」が44てん8%となっている。 性別でみると、女性が男性を上回っている症状が多く、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」は女性(59てん6%)が男性(47てん5%)よりも12てん1ポイント高くなっている。「味覚障害(味がわかりづらい)」も女性(49てん3%)が男性(39てん1%)よりも10てん2ポイント高くなっている。 年齢別でみると、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」は10代から30代で6割以上と高く、「味覚障害(味がわかりづらい)」も10代から30代で5割以上と高くなっている。一方、「全身の倦怠感(だるさ・おもさ)」は40代から80代で5割以上と高くなっている。 基礎疾患の有無別でみると、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」はなし(62てん6%)があり(37てん9%)よりも24てん7ポイント、「味覚障害(味がわかりづらい)」もなし(50てん1%)があり(33てん4%)よりも16てん7ポイント高くなっている。一方、「息苦しさ」はあり(37てん1%)がなし(25てん9%)よりも11てん2ポイント高くなっている。 陽性診断の時期別でみると、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」は第2 ハ (58てん6%)、第3波(56てん3%)が5割以上と高くなっている。一方、「全身の倦怠感(だるさ・おもさ)」は第1波(61てん7%)、その他(61てん5%)が6割以上と高くなっている。 ? (2)一定期間経過後の後遺症の保有率 一定期間経過後の後遺症の保有率は、男性では「30日」時点が7割近くと高くなっている。男性を年齢別でみると、「0にち」時点は30代の保有率が7割を超えて高くなっているが、「30日」時点では、30代の保有率が6割台半ばまで下がり、40代から60代の保有率が7割以上まで上がっている。「30日」以降は、どの年代の保有率も低くなる傾向にあるが、40代から70代の保有率は、「120日」時点でも4割以上と高くなっている。 女性では「30日」時点が6割台半ばと高くなっている。女性を年齢別でみると、「0にち」時点は20代の保有率が7割近く、30代の保有率が6割台半ばと他の年齢と比較して高い傾向にある。「30日」時点では、20代、30代の保有率はやや下がる傾向にあるが、40代から70代の保有率は「0にち」時点から上がっている。また、女性においても「30日」以降は、どの年代の保有率も低くなる傾向にあるが、40代から70代の保有率は、「120日」時点でも4割以上と高くなっている。 (注)90歳以上は該当者がいなかったため、掲載をしない。? (注)一定期間経過後の後遺症の保有率は、「たいいんび、または療養終了日以降の症状」で「症状があった・ある」と回答し、「たいいんび、または療養終了日以降にあった・ある症状」で症状の開始日・終了日の両方を記入していた者の結果をもとに、算出した。 ? (3)3か月以上、日常生活に支障がある症状 3か月以上、日常生活に支障がある症状を性・年齢別でみると、「嗅覚障害(匂いが感じにくい)」は、男女ともに多くの年代で3か月以上、日常生活に支障がある割合が高くなっている。また、「全身の倦怠感(だるさ・おもさ)」は女性50代が4割近くと高くなっている。 (注)3か月以上、日常生活に支障がある症状は、発症期間が90日以上であり、「日常生活に支障がある」と回答した症状を性・年齢別で算出した。 ? 3 療養生活中や終了後の生活において困ったこと (1)療養生活中や終了後の生活において困ったこと 療養生活中や終了後の生活において困ったことは、「体調や健康面への不安」が34てん2%で最も高く、次いで「家族への感染の不安」が31てん5%、「療養生活での不安やストレス」が27てん8%となっている。 性別でみると、「体調や健康面への不安」は女性(39てん1%)が男性(29てん6%)よりも9てん5ポイント高く、「療養生活での不安やストレス」も女性(32てん2%)が男性(23てん7%)よりも8てん5ポイント高くなっている。一方、「特になし」は男性(31てん8%)が女性(23てん1%)よりも8てん7ポイント高くなっている。 年齢別でみると、「特になし」は10代、70代から90代で4割以上と高くなっている一方、「体調や健康面への不安」、「家族への感染の不安」は30代、40代、50代が他の年代と比較して高くなっている。 療養中の症状別でみると、「特になし」は症状なし(38てん5%)が高くなっている一方、「体調や健康面への不安」は軽症以上の症状で4割以上と高くなっている。 後遺症の有無別でみると、「体調や健康面への不安」はあり(46てん6%)がなし(23てん2%)よりも23てん4ポイント高くなっている。「仕事の不安」、「療養生活での不安やストレス」もありがなしよりも10ポイント以上高くなっている。 世田谷区新型コロナウイルス感染症陽性者における後遺症に関する調査 報告書(概要版) 令和3年11月発行 発行:世田谷区 編集:世田谷保健所 地域保健課 〒154-8504  東京都世田谷区世田谷4−22−35 電話 03-5432-2624   FAX 03-5432-3022 広報印刷物登録番号:ナンバー2022