世田谷区移動支援事業の手引き 令和5年4月 世田谷区 1事業概要 外出が困難な障害者(児)が充実した日常生活を営むことができるよう、ヘルパーを派遣 し、社会参加や余暇活動等に必要な外出時の支援を行います。 2対象者 障害種別要件 全身性障害者(児) 重度訪問介護の対象となる程度の障害を有し、外出時の移動 に係る支援を必要とする方。 視覚障害者(児) 「同行援護」の対象とならない外出時の移動に係る支援を必 要とする方。 知的障害者(児)知的障害を有し、外出時の移動に係る支援を必要とする方。 精神障害者(児)精神障害を有し、外出時の移動に係る支援を必要とする方。 高次脳機能障害者(児) 医師の診断書等により高次脳機能障害が認められ、高次脳機 能障害特有の障害のために外出時の移動に係る支援を必要 とする方(介護保険第1号の被保険者に該当する方を除く)。 (注意)上記対象要件を満たす方のうち、以下に該当する場合はサービスの対象外となります。 @障害者支援施設等の入所施設へ入所中の方。 (補足)ただし、帰省(帰宅)する場合は、例外的に移動支援を利用できる場合があります。 A「重度訪問介護」、「同行援護」、「行動援護」の支給決定を受けている方。 (補足)ただし、これらのサービスでは利用することができないサービス内容(通学や通所 にかかる支援など)については、移動支援を利用できる場合があります。 B介護保険の対象となる方。 (補足)ただし、高次脳機能障害の方以外で、障害固有の理由で社会参加等における外出時 の支援が必要な場合は、対象となる場合があります。 また、精神障害者保健福祉手帳を有している65歳未満の若年性認知症患者で、必要と認め られる場合には、対象となります。 3支給量基準 障害種別支給基準時間数(1ヶ月あたり) 全身性障害者93時間まで 視覚障害者、知的障害者、精神障害者、高次脳機能障害者は50時間まで 児童は40時間まで (注意)通学にかかる支援は、支給時間数のうち23時間まで (補足)実際の支給時間数は、利用者の状況から個別に判断した上で決定します。 (補足)区内、区外の学校に関わらず、通学経路や交通機関の状況等により著しく通学に 時間を要する場合は、支給基準時間数40時間の上限を超えない範囲で、5支所の 保健福祉課協議のうえで23時間を超える時間数を支給決定することができます。 4サービス内容 利用者の状況により、「身体介護なし」、「身体介護あり」のいずれかのサービスを受け ることができます。 身体介護なしは目的地までの誘導、移動中の見守り及び促し、外出先での読み書き等 身体介護ありは身体介護なしのサービスと、それに付随した排泄・食事・車椅子の介助・ 安全確保のための手引(外出前の準備、帰宅直後の支援を含みます) (注意)「身体介護なし」「身体介護あり」にかかわらず、安全確保や危険回避のために利用者 の身体に触れて制止することは、移動支援の業務として差し支えありません。 (補足)全身性障害者(児)は「身体介護あり」、視覚障害者(児)は原則として「身体介護な し」での支給決定となります。その他の障害種別については、利用者の障害状況に応じて 「介護なし」または「介護あり」で支給決定します。 (補足2)高次脳機能障害者(児)への移動支援は、移動内容の「振り返り」もサービス内容に 含まれます(移動時間を30分延長して算定可能)。 5対象となる外出 (1)日常生活上必要不可欠な外出 例 行政機関や金融機関での手続きや公共料金の支払、冠婚葬祭、日用品の買い物同行など (2)社会生活又は余暇活動を充実させるための外出 例 散歩や娯楽施設への移動、趣味等のための買い物同行など (注意)対象者が小学生以下である場合は、次の場合に限り事業の対象となります。 その障害により自宅で過ごすことが困難であるため、やむを得ず外出する場合であって、 介護者が病気等(就労は除く)の理由により付き添えない場合。余暇活動のための外出、 長時間にわたる外出は対象外となります。 6対象とならない外出と通学・通所 以下の外出は事業の対象外となります。 (1)通勤・営業活動等の経済活動に係る外出 ただし、視覚障害者が、転入・転居したばかりで土地勘がない場合など、通勤にあたり支援を 要する場合に、慣れるまでの期間(3ヶ月程度)利用が認められます。 (2)社会通念上適切でないと認められる外出 (3)通年かつ長期にわたる外出 (注意)通年かつ長期にわたる外出の例外として、一定の要件を満たす場合に、通学・通所に 関する外出が事業の対象となります(通学や生活介護施設への通所の対象となる方につ いては受給者証にその旨を記載しています)。 詳細については、以下@ABをご参照ください。 《通年かつ長期にわたる外出の例外》 @小学校・中学校・高等学校・特別支援学校(幼稚部を除く)への通学及び療育の場への通所 要件 介護者が病気等(就労を含む)の理由により、長期にわたり送迎することができない場合 (利用には、別途支給決定が必要です)。 (補足)療育の場とは、児童発達支援・医療型児童発達支援・放課後等デイサービスもしくは これらに準ずるサービスを提供する事業所または施設のことです。 なお、大学への通学は原則移動支援の算定対象外となりますが、視覚障害者が転入・転居したばかりで 土地勘がない場合など、通学において支援を要する場合に、慣れるまでの期間(3か月程度)利用が認められます。 A生活介護施設への通所 要件 介護者が病気等(就労は除く)の理由により、長期にわたり送迎することができない場合 (利用には、別途支給決定が必要です)。 B通所施設と短期入所施設間の移動 ・生活介護施設と短期入所施設間の移動 生活介護施設と短期入所施設間での双方向の移動について、一般の移動支援の支給決定による利用が認められます。 ・就労継続支援施設と短期入所施設間の移動 家族の傷病、遠方への外出など緊急を要する場合に、就労継続支援施設と短期入所施設間での双方向の移動について、 一般の移動支援の支給決定による利用が認められます。 (補足)具体的なサービスの利用例については、「12 サービス例示」をご参照ください。 サービス例示 利用できる内容 習い事、大学等で開催される公開講座等に係る移動 美術館、映画、カラオケ、動物園、コンサート等の娯楽施設への移動及び移動先施設(敷地)内の移動 行政機関等での手続き、相談に係る移動 店舗への送迎及び店舗内の移動 銀行窓口までの移動 病院への送迎(定期的な通院は原則、通院等介助) 院内での移動(原則、診察室内は除く)※診察中の待機時間は算定の対象外。 小・中学校で実施される障害者理解の授業の講師を行うための移動 区・都・国等が主催する審議会等の委員活動に係る移動 宿泊を伴う旅行 イベント開催場所までの送迎及び開催場所での移動 (他事業において福祉サービス費として算定されている場合や学校主催の行事については対象外) 神社や教会での参拝・礼拝に係る移動 選挙の投票、政党の演説会の聴講に係る移動 散歩 移動先でのチラシ・説明書等の代読 外出中のメモの代筆 帰宅時の郵便物の確認・代読(玄関先でできる範囲) 短期入所の利用に係る移動 グループホーム、施設入所者の帰省(帰宅)に係る移動、帰省(帰宅)中の移動 グループホーム、短期入所利用中の外出支援(施設職員が対応できない場合に限る) 外出前後の更衣・排泄介助(身体介護ありの方) 冠婚葬祭に係る移動 銭湯・温泉・シャワー等の入浴等身体介護(緊急時の対応等について利用者と事業者との間で事前協議が必要) 利用できない内容 ヘルパーに買い物を頼む、ヘルパーに荷物を持たせる ヘルパーによる預金の引き出し、金銭の取扱い ヘルパーが1人で薬を取りに行く 通勤の支援(視覚障害者については一定期間認められる場合あり) 布教活動、選挙運動に係る移動 リハビリの支援 読書が主要な目的となる余暇活動 契約行為に伴う代筆(原則不可) 通所サービス利用中の移動 施設入所中の外出支援 公序良俗に反する行為等に係る移動 (補足)上記提供内容に該当する場合においても、利用者のアルコール摂取等により安全歩行がで きない場合の支援は移動支援のサービス対象外です。 その他、サービス内容に疑義がある場合には、世田谷区障害施策推進課へお問い合わせく ださい。 7サービス単価 介護なしと介護ありの単価は異なります。詳しくは障害施策推進課へお問い合わせください。 8利用者負担額 所得階層区分によって異なります。詳しくは障害施策推進課へお問い合わせください。 利用者負担の上限管理について @利用者が同月に複数の事業者でサービスを利用している場合、利用者負担額が負担上限月額を 越えないように、上限管理を行います。ただし、移動支援では「上限管理事業所」を設けていない ため、それぞれの事業所から請求があった後に、区が上限管理を行うこととなります。 上限管理の結果については、支払通知書に同封する「上限管理結果報告書」にてご確認ください。 A@の上限管理とは別に、移動支援サービス費と総合支援法に基づく介護給付費及び訓練等給付費 (以下、「介護給付費等」)とで上限管理を行っています。利用者が同月に移動支援サービスと 居宅介護・重度訪問介護などの介護給付(及び訓練等給付)サービスのどちらも利用している場合は、 介護給付費等の利用者負担額を優先して算定し、移動支援の利用者負担額は、利用者負担上限月額から 介護給付費等の利用者負担額を減算した額の範囲内となるように上限管理を行います。この上限管理は、 概ねサービス提供月の半年後に、区が利用事業者を通じて行います。上限管理の結果については、 サービス提供から概ね半年後に送付される「利用者負担額上限管理結果報告書」にてご確認ください。 (注意)児童発達支援や放課後等デイサービスなど、児童福祉法上のサービスは上限管理の対象外です。 9サービス提供事業者 サービスを提供する事業者はあらかじめ世田谷区の指定を受ける必要があります。区のホームページ で、指定事業者一覧を公開しています。 指定がなく移動支援サービスの提供を行った場合には、サービス費をお支払いすることが 出来ませんのでご注意ください。 指定を受けるには 都道府県知事が指定する指定障害福祉サービス(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、 重度障害者等包括支援に限る)または基準該当事業者(居宅介護に限る)である必要があります。 申請書類を、サービス提供開始の概ね2週間前までにご提出ください。詳しくは障害施 策推進課へお問い合わせください。 10サービス利用の流れ @支給申請 A支給決定 B事業者指定の申請 C事業者指定の決定 D契約締結・サービスの実施 Eサービス費の請求 Fサービス費の支払 G利用者負担金の支払 11QアンドA Q1ヘルパーの2人派遣は認められるか。 A1マンツーマンでの支援が原則ですが、利用者の状況(強度の行動障害や身体的状況等) により「2人派遣」の支給決定を受けている場合(受給者証に記載あり)は認められます。 Q2ヘルパーの待ち時間はサービス時間に含まれるか。 A2原則として待ち時間はサービス時間には含まれません。よって、サービス費の請求 は、待ち時間を除いた実際にサービス提供を行った時間で算定してください。 Q3移動支援で通院の介助は認められるか。 A3原則として、定期的な通院は通院等介助を利用していただきますが、突発的な風邪 等の体調不良による通院については、移動支援を利用することが可能です。その場合は、 通院等介助の支給決定を受けていない又は、通院等介助の実績時間数が支給決定時間数 を超えてしまう場合に限ります。 Q4通所先から社会参加目的での移動支援を利用できるか。 A4通所先が起点となるので、通所先から当該目的地までに係る移動については通所移 動支援の支給決定を受けていれば移動支援を利用することができます。(通所移動支援 の要件については、「6対象とならない外出と通学・通所」を参照) Q4の2通所支援の支給決定は受けておらず、一般の移動支援の支給決定のみ受けている 利用者について、通所先から直接社会参加目的の外出をした後に自宅に帰る場合、どこから サービスの算定対象とできるのか。 A4の2通所移動支援の支給決定を受けていない場合、社会参加の目的地に到着して以降の 目的地内での移動及び帰宅する際の移動について、一般の移動支援の支給決定により算定する ことができます。 (注意)通所施設のバスストップや最寄駅でヘルパーと待ち合わせをする場合であっても、 社会参加の目的地に到着するまでの移動については、「通所」に係る移動と明確に区別する ことができないため、算定対象とすることができません。 Q5娯楽施設等の滞在中は移動支援の対象となるか。 A5施設内での移動や排泄等の介助、その他身体介護の必要があれば移動支援の対象と なります。 Q6プールまたは銭湯等温泉施設内の移動支援は認められるか。 A6利用施設の管理者側において障害者への合理的配慮が行われておらず、 ヘルパーが移動支援事業の対象となる支援を行った場合は算定対象となります。 支援に先立ち、利用者の体調変化、水難事故等の緊急時の対応について 利用者(保護者)と事業者が十分協議した上で、実施してください。 Q6の2プール内で、ヘルパーに水泳を教えてもらうことは算定対象となるか。 A6の2「水泳の指導」は算定対象外ですが、身体介護や危険回避のために必要な支援 については、算定対象となります。 Q6の3銭湯等温泉施設内での入浴等身体介護は算定対象となるか。 A6の3施設内での入浴等身体介護について算定対象となります。支援に先立ち、利用者の 体調変化、水難事故等の緊急時の対応について利用者(保護者)と事業者が十分協議した上で、 実施してください。 Q6の4夏休み中の学校のプールへの移動に通学移動支援を利用できるか。 A6の4夏休み中の任意参加のプール行事については、「社会参加」目的となり、 通学移動支援を利用することは出来ません。よって、一般の移動支援の支給決定を受けていれば 移動支援を利用することができます。 Q6の5保護者同伴が利用条件となっている施設でサービス提供できるか。 A6の5保護者に代わってヘルパーが同伴することについて保護者及び施設の了解がある場合は、 サービス提供することができます。 Q7小学生が、学校の帰りに児童館や習い事に行く場合、通学移動支援を 利用することはできるか。 A7小学生の通学移動支援の対象となるのは、社会通念上通学と一体に行われて 妥当と判断される目的に係る移動であり、具体的には、学校の帰りに児童館・図書館・ BOP(新BOP)・学習塾(学校の学習内容の補習が目的である場合に限る)等に行く 場合が該当します。したがって、小学生が学校の帰りに娯楽施設や習い事等に行く場合に、 サービス算定することはできません。 Q8長期休み中のBOPへの移動に通学移動支援を利用できるか。 A8長期休み中のBOPは「学校に準ずるもの」として、通学移動支援の利用を認めて います。 Q9旅行に移動支援を利用できるか。 A9宿泊を伴う旅行であっても、目的地までの往復の移動及び目的地での移動に伴う支 援については、移動支援サービス費として算定することが認められます。ただし、介護 を必要としない待機時間や、就寝時間等は算定対象となりません。なお、ヘルパーの旅 行費用や食事代等については、利用者とヘルパー(又は移動支援サービス事業所)との 私的な取り決めによることとなります。 Q10学校や事業所等が主催するイベント(行事)に移動支援を利用して参加してよいか。 A10自宅から開催場所までの移動及び開催場所での移動について利用を認めています。 ただし、他事業において福祉サービス費として算定されている場合や学校主催の行事については対象外となります。 Q11介護タクシーに利用者とヘルパーが同乗した時間は算定してよいか。 A11タクシー内においてヘルパーが利用者への支援を行う場合は算定できます。 Q12サービス提供の途中にヘルパーを交代することは認められるか。 A12事前に利用者の了解がある場合は、ヘルパーの途中交代が認められます。 (補足)途中交代する場合の移動支援明細書兼サービス提供実績記録表の記載方法については、 「請求書類記載要領」をご確認ください。 Q13施設入所中の者が一時的に自宅に帰る場合、移動支援を利用することはできるか。 A13施設入所中については、外出支援も含め施設の職員が対応することが前提となるため、原則 は移動支援の対象外となります。ただし、施設入所者の状況等を考慮した上で、「一時的な帰宅が 必要である」と判断される場合には、入所施設から自宅への往復の移動及び自宅滞在中の移動について、 移動支援を利用することができます。 (注意)サービス等利用計画等に一時的に帰宅する必要がある旨が記載されていることが条件となります。 12申請・お問い合せ先 支給申請窓口(申請や支給決定に関するお問い合わせ先) 世田谷総合支所保健福祉センター 電話番号03-5432-2865 ファックス番号03-5432-3049 北沢総合支所保健福祉センター 電話番号03-6804-8727 ファックス番号03-6804-8813 玉川総合支所保健福祉センター 電話番号03-3702-2092 ファックス番号03-5707-2661 砧総合支所保健福祉センター 電話番号03-3482-8198 ファックス番号03-3482-1796 烏山総合支所保健福祉センター 電話番号03-3326-6115 ファックス番号03-3326-6154 制度に関するお問い合わせ先 障害福祉部障害施策推進課 電話番号03-5432-2414 ファックス番号03-5432-3021 (注意)サービス例示やQ&Aの回答については、一般的な解釈を示したものです。 利用者個々の障害状況や家庭内の状況に応じて、記載された内容と異なる判断が される場合がありますので、あらかじめご了承ください。