表紙 第9期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画 概要版 令和6年度から令和8年度まで。2024年度から2026年度まで。 世田谷区高齢福祉部 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画は、老人福祉法に基づく市町村老人福祉計画、介護保険法に基づく市町村介護保険事業計画で、3年ごとに策定することとされています。 1ページ 1 背景 (1)人口の現状と将来推計(各年1月1日) 世田谷区の将来人口推計によると、団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)となる令和7年以降も高齢者の占める割合が増える一方で、15~64歳(生産年齢人口)と0~14歳(年少人口)は一貫して減少すると見込まれています。 2ページ 1 背景 (2)第1号被保険者の年齢階層別の認定者数の推移(各年度末) 65歳以上の第1号被保険者の介護保険の要介護(要支援)認定者は、増加し続けており、令和4年度には41,100人を超えています。 3ページ 1 背景 (3)第1号被保険者の年齢階層人数・認定者数、認定率(令和4年度) 80歳を超えると要介護認定者数が増加、認定率も高くなります。85歳以上では認定率が6割を超えています。 4ページ 1 背景 (4)高齢者の外出や地域活動への参加等の状況(令和4年度と元年度の比較) 令和4年度と令和元年度の高齢者ニーズ調査の結果を時点比較すると、高齢者の外出・交流・会話の頻度と地域活動への参加状況が減少しています。コロナ禍の影響に関する調査項目についても同様の傾向にあり、新型コロナウイルス感染拡大時における外出自粛要請等が影響していると考えられます。 高齢者の外出・交流・会話の頻度と地域活動への参加状況等 出典:高齢者ニーズ調査(令和元年度・令和4年度) 項目、設問、指標、元年度、4年度、差 外出の頻度 「週に1回以上は外出していますか」 週2回以上の外出 87.6% 81.4% マイナス6.2% 交流の頻度 「友人・知人と会う頻度はどれくらいですか」 週1回以上会っている 49.6% 38.7% マイナス10.9% 会話の頻度 設問「ふだん、どの程度、人(家族を含む)と挨拶程度の会話や世間話をしますか(電話を含む) 毎日 78.6% 77.3% マイナス1.3% 地域活動への参加状況 設問「現在、地域で参加している活動や講座はありますか」 「はい」 21.4% 16.9% マイナス4.5% コロナ禍の生活への影響 出典:高齢者ニーズ調査 設問 割合 経済的なゆとりがなくなった 17.6 体力が落ちた 31.7 食生活が整った 3.6 食生活が乱れた 4.5 体重が減った 7.6 孤独感を感じることが増えた 13.4 会話をする機会が減った 41.2 外出する機会が減った 64.9 地域活動に参加する機会が減った 13.6 特にない 14.0 その他 2.6 無回答 5.6 5ページ 2 計画の体系 第9期高齢・介護計画は、以下の通り、計画の「基本理念」、計画の方向性を示す「計画目標」、基本理念を実現するための「施策」の3層で構成しています。 6ページ 3 基本理念と施策展開の考え方 近年の自然災害の激甚化やデジタル社会の急激な進展、社会情勢に起因する物価高騰が高齢者の生活に大きな影響を与えました。さらに、コロナ禍の長期化が高齢者の外出自粛や地域活動の停滞を招き、社会的な孤立やフレイルの進行が懸念されるとともに、貧困問題、8050問題等の複雑・複合的な課題が深刻化しました。また、区では、2040年にかけて高齢者人口が一貫して増加するなか、働く世代と年少人口が減少する将来人口推計が示され、これまで以上に医療・介護需要の増加と人材の不足に直面することを見込んでいます。 こうした課題に対応するためには、高齢者ができる限り健康であり続けることはもちろん、支えられる側だけでなく、全世代を支える側として、地域や職場で出番と役割を見出し、生き生きと暮らせるよう、高齢者の活動を活性化することが重要です。 また、デジタル技術の活用や、人材の確保等に積極的に取り組みつつ、区民、地域活動団体、事業者との連携による地域包括ケアシステムをいっそう推進し、医療や介護、支援が必要となった高齢者が、住み慣れた地域で暮らし続けられるようにする必要があります。さらに、支える側と支えられる側、サービスを提供する側と利用する側がお互いの個人の尊厳や多様性を尊重し合うことで、自分らしく暮らし続けられることができる地域社会の実現が求められています。  今後も世田谷区は、高齢者や医療・介護の現場で働く方が、年齢や性別、性自認、性的指向、国籍等にかかわらず、自分らしく生き生きと暮らし、働くことができるよう多様性を認め合う地域づくりや差別の解消、ハラスメントの防止のために必要な施策を講じていくこととしています。  これらを踏まえて、第9期高齢・介護計画は、ポストコロナを見据えるとともに、2040年を見通した中長期的な展望から「これまでの高齢者観に捉われない視点」で高齢者福祉の向上に取り組むこととし、「住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を基本理念に、縦割りを超えて高齢者に関する施策を総合的かつ計画的に推進します。 また、介護保険事業の円滑な実施を図り、地域包括ケアシステムの推進を目指して令和6年度から3年間の施策展開の考え方や目標、施策及び介護サービス量の見込み等を定めます。 7ページ 施策展開の考え方 (1)参加と協働の地域づくり  地域課題が複雑・複合化し、行政だけでの課題解決に限界があるなかにあっては、区民をともに地域をつくる主体として捉えるとともに、地域活動団体、事業者等と連携が重要です。住民が主体的に行ってきた地域活動の促進と区民、地域活動団体、事業者との連携の基盤を強化し、地域の課題解決に取り組みます。 (2)これまでの高齢者観に捉われない施策 高齢者が支えられる側だけでなく、支える存在として地域で活躍することが重要です。また、SNSでの発信やあらゆる世代との交流を深める高齢者も増えてきていることから、時代の変化に応じた施策の展開が求められています。  高齢者が地域活動や日常生活の中で、全世代への支援等を通して自らの出番と役割を見出し、生きがいと心の豊かさや幸福感を感じることができるよう、従来の高齢者観に捉われることのない柔軟な発想をもって施策を進めます。 (3)地域包括ケアシステムの推進  高齢化の進展に伴い、要介護高齢者が増加する中にあっても、介護や医療、支援が必要な高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、「地域包括ケアシステム」をさらに推進していく必要があります。また、既存の高齢、障害、子育て家庭等の相談支援等の取組みを活かしつつ、高齢者とその世帯の「8050 問題」や「ひきこもり」等の複雑化・複合化した支援ニーズや、制度の狭間のケースに対応するための包括的な支援体制の構築を目指します。 8ページ 4 計画目標と重点取組み 計画目標 (1)区民の健康寿命を延ばす 区民一人ひとりの生命と健康は何よりも大切です。世田谷区民は全国的にみて長寿です。一方、健康寿命の延びは、平均寿命の延びに比べて緩やかです。そこで、さらなる健康寿命の延伸を目指し、区民の健康寿命を延ばすことを計画目標とします。 (2)高齢者の活動と参加を促進する 住民が主体的に地域で活動し、身近な課題に取り組む住民中心の地域づくりを進めることが重要です。一方、世田谷区では地域人材が豊富であるにもかかわらず、地域活動に参加している高齢者は多くありません。そこで、高齢者が活躍できる地域社会を目指し、高齢者の活動と参加を促進することを計画目標とします。 (3)安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る 高齢化が進展しても、支援が必要な高齢者が安心して暮らし続けるための医療や介護、福祉サービスを確保することが重要です。また今後、働く世代と年少人口が減少する中で、サービスの担い手の確保と業務の効率化が求められています。 そこで、高齢者が必要なサービスを受けられるよう、医療・介護・福祉サービスの確保を図ることを計画目標とします。 重点取組み (1)健康づくりと介護予防の一体的な推進 取組み:保健事業と介護予防の一体的な取組みの推進、食・口と歯の健康づくりの質の向上、介護予防のための外出・社会参加促進の取組み (2)高齢者の生きがいづくり 取組み:高齢者の社会参加の促進への支援、総合的な連携枠組みの整備、地域人材の発掘・育成・活用 (3)在宅医療・介護連携の推進 取組み:在宅医療・ACPの普及啓発、在宅医療・介護のネットワークの構築、在宅医療・介護関係者間の情報の共有支援 9ページ 5 評価指標 基本理念と各計画目標それぞれに評価指標を定めます。 指標の設定にあたっては、基本理念、計画目標、地域包括ケアシステムの5つの要素を体系的に考慮します。 基本理念「住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現」 評価指標:幸福度の平均値「あなたは現在どの程度幸せですか」(0~10点) 現状(令和4年度):認定なし~要支援) 7.4点 (要介護) 6.4点 目標(令和7年度):(認定なし~要支援) 7.6点(+0.2)、(要介護) 6.6点(+0.2) 計画目標Ⅰ、区民の健康寿命を延ばす 評価指標1:65歳健康寿命【要介護2】(東京保健所長会方式) 地域包括ケアシステム5要素:予防 現状:男性83.49歳、女性86.08歳、時点は3年。 目標:男性83.99歳(+0.50)、女性)6.55歳(+0.47)、時点は8年。 評価指標2:主観的健康観、「現在のあなたの健康状態はいかがですか」 地域包括ケアシステム5要素:予防 現状:「とてもよい+まあよい」77.2%、時点は4年度。 目標:「とてもよい+まあよい」82.4%(+5.2)以上、時点は7年度。 評価指標3:年齢階層別の認定率(75~84歳) 地域包括ケアシステム5要素:介護 現状:19.4%、時点は4年度。 目標:19.4%、時点は8年度。   10ページ 計画目標Ⅱ、高齢者の活動と参加を促進する 評価指標1:地域活動等の参加状況「現在、地域で参加している活動や講座はありますか」 地域包括ケアシステム5要素:生活支援 現状:「はい」16.9%、時点は4年度。 目標:「はい」21.4%(+4.5)以上、時点は7年度。 評価指標2:外出頻度「週に1回以上は外出していますか」 地域包括ケアシステム5要素:生活支援 現状:「週2回以上の外出」81.4%、時点は4年度。 目標:「週2回以上の外出」87.6%(+6.2)以上、時点は7年度。 評価指標3:会話頻度「ふだん、どの程度、人(家族を含む)とあいさつ程度の会話や世間話をしますか(電話を含む)」 地域包括ケアシステム5要素:生活支援 現状:「毎日」77.3%、時点は4年度。 目標:「毎日」78.6%(+1.3)以上、時点は7年度。 評価指標4:地域等での役割期待度「お住まいの地域の人から何らかの役割を期待されたり、頼りにされたりしていると思いますか」 地域包括ケアシステム5要素:生活支援 現状:「とてもそう思う+そう思う+ややそう思う」29.0%、時点は4年度。 目標:「とてもそう思う+そう思う+ややそう思う」33.2%(+4.2)以上、時点は7年度。 計画目標Ⅲ、安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る 評価指標1:あんしんすこやかセンターの認知度 地域包括ケアシステム5要素:生活支援 現状:(認定なし~要支援)56.8%、(要介護) 74.8%、時点は4年度。 目標:(認定なし~要支援)90.0%(+33.2)、(要介護)100.0%(+25.2)、時点は7年度。 評価指標2:ACPの実践の割合「あなたは、人生の最期や終末期の過ごし方について家族や友人等の親しい人と話し合ったことがありますか」 地域包括ケアシステム5要素:医療 現状:「詳しく話し合ったことがある+少し話し合ったことがある」(認定なし~要支援)54.0%、(要介護) 47.4%、時点は4年度。 目標:「詳しく話し合ったことがある+少し話し合ったことがある」(認定なし~要支援)58.9%(+4.9)、(要介護) 54.8%(+7.4)」、時点は7年度。 評価指標3:在宅で看取られた高齢者の割合 地域包括ケアシステム5要素:医療 現状:在宅看取り死の割合37.6%、時点は4年。 目標:在宅看取り死の割合37.6%、時点は8年。 評価指標4:介護施設等整備計画の目標達成度 地域包括ケアシステム5要素:介護・住まい 現状:―、時点は4年度。 目標:整備目標の達成、時点は8年度。   11ページ 6 施策の体系等 計画目標等、「Ⅰ 区民の健康寿命を延ばす」に対する施策は、1健康づくり、2介護予防、3重度化防止、 計画目標等、「Ⅱ 高齢者の活動と参加を促進する」に対する施策は、1参加と交流の場づくり、2就労・就業、3支えあい活動の推進、4見守り施策の推進、5認知症施策の総合的な推進 計画目標等、「Ⅲ 安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る」に対する施策は、1相談支援の強化、2在宅生活の支援と安心できる住まいの確保、(1)在宅生活の支援、(2)民間賃貸住宅への入居支援、(3)介護施設等の整備、(4)虐待対策の推進、3成年後見制度の推進、4在宅医療・介護連携の推進、5介護人材の確保及び育成・定着支援、6安全・安心への取組み、(1)災害への対応、(2)健康危機への対応、(3)消費者としての高齢者の保護、(4)地域における犯罪対策の強化、 計画目標等、「Ⅳ 介護保険制度の円滑な運営」 世田谷区介護施設等整備計画 12ページ 7 施策 計画目標、区民の健康寿命を延ばす 施策名:1健康づくり 基本的な考え方: 区民が高齢になっても、自らの心身の状況に合わせ、生きがいをもちながら健康づくりに取り組み、地域において生き生きと暮らし続けられるよう、健康長寿を推進していきます。 取組み:①保健事業と介護予防の一体的な取組みの推進、②区民の健診データ等を活用した重症化予防の取組みの推進、③がん検診等による早期発見と相談機能の充実、④こころの健康づくりに関する包括的な支援体制づくり、⑤食・口と歯の健康づくりの質の向上、⑥予防接種の事業の充実 施策名:2介護予防 基本的な考え方:「介護予防」は、要介護や要支援の状態となることの予防または軽減、悪化の防止に資する取組みです。高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと自分らしく、生きがいをもって暮らし続けられるよう、区民やNPO、医療機関、介護事業者など、多様な主体が高齢者の自立した生活を支える介護予防のためのサービスを推進します。 取組み:①介護予防のための外出・社会参加促進の取組み、②介護予防・生活支援サービスのさらなる充実、③多様な手法による介護予防ケアマネジメントの質の向上。 施策名:3重度化防止 基本的な考え方:「重度化防止」とは、介護や支援が必要な状態となった方の要介護や要支援の状態等の軽減又は悪化の防止であり、「重度化防止」に資する取組みでは、個人の尊厳の保持と本人の意向に沿って行うことが求められています。また、介護保険法では、介護サービスの提供にあたっては重度化防止の視点が必要とされています。 取組み:①適切なケアマネジメントの推進、②介護サービス事業所の取組み支援、③介護予防・日常生活支援総合事業の取組み。   13ページ 計画目標Ⅱ、高齢者の活動と参加を促進する(1/2) 施策名:1 参加と交流の場づくり 基本的な考え方: 高齢者人口が増加する中、高齢者が自らの能力や経験を活かし地域の中で様々な活動を行うためのきっかけづくりや情報提供など、社会参加のための支援を充実させることにより、高齢者が社会的に孤立せず、社会の一員として尊重され、社会や地域の貴重な支え手としても活躍できるよう施策を推進していきます。また、高齢者が主体に学び、楽しみ、交流できる場を創出することにより、生きがいを持って、自分らしく暮し続けることができるよう支援をしていきます。 取組み:①高齢者の社会参加の促進への支援、②高齢者の多様な居場所づくり、③生涯学習や文化活動ができる環境づくり 施策名:2 就労・就業 基本的な考え方:令和4年度の高齢者ニーズ調査では、約31%の方が現在も働いている一方で、約5%の方が今後何らかの形で働きたいと考えているとの回答を得ました。一人でも多くの方が働けるようにするため、通常の就労だけでなく、短時間労働、在宅労働、単発労働など多様な就業マッチングが可能となるよう各事業を推進していきます。 取組み:①総合的な連携枠組みの整備、②あったかサロンの今後の対応 施策名:3 支えあい活動の推進 基本的な考え方:地域包括ケアの地区展開により、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者に児童館を加えた四者が連携して、地域の人材の発掘や地域資源の開発等に取り組むことで、地域の人と人とを繋げネットワーク化を促進し、身近な地区で住民同士が支え合う活動が続く地域社会づくりである「参加と協働による地域づくり」を推進します。 取組み:①地域資源の開発とネットワークづくりの強化、②地域人材の発掘・育成・活用、③地域支えあい活動の支援。 14ページ 計画目標Ⅱ、高齢者の活動と参加を促進する(2/2) 施策名:4 見守り施策の推進 基本的な考え方:ひとりぐらし高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、4つの見守り施策や民間事業者と協力した見守り等により、高齢者の生活状況の変化に対する住民や事業者、関係機関等による「気づき」を区やあんしんすこやかセンターにつなげる等により、地域での安心・安全な生活を支援します。 取組み:①4つの見守り施策の着実な実施、②ハイブリッド型見守り施策の検討、 施策名:5 認知症施策の総合的な推進 基本的な考え方:2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれています。認知症は誰もがなる可能性があり、一人ひとりが認知症を自分事として捉え、認知症になる前から備えるとともに、認知症になってからも、自分らしく安心して暮らしていくために、区民や地域団体、関係機関、事業者等との協働のもと認知症施策を総合的に進めていきます。 取組み:①早期発見と適切な初期対応、②認知症の理解、認知症観の転換の促進、③「備え」や「予防」の推進、④本人発信・社会参加の推進、⑤若年性認知症への対応、⑥地域づくりの推進、⑦暮らしと支えあいの継続の推進   15ページ 計画目標Ⅲ、安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る(1/3) 施策名:1相談支援の強化 基本的な考え方:身近な「福祉の相談窓口」として、高齢者のみならず、障害者、子育て家庭生活困窮者などの相談を受けるとともに、参加と協働の地域づくりにより課題の解決を図る取組みを一層推進していきます。また、地区版地域ケア会議の実践による地域課題の把握から、地域・全区の地域ケア会議における地域資源開発、政策形成につなげ、地域づくりを進めます。 取組み:①あんしんすこやかセンターの相談支援の充実、②地域ケア会議の充実 施策名:2在宅生活の支援と安心できる住まいの確保 基本的な考え方:(1)在宅生活の支援。ひとりぐらし高齢者や高齢者のみの世帯の方等が安心して在宅生活を続けられるよう様々な支援に取り組みます。また、家族介護者の身体的・精神的負担を軽減するとともに、自身の仕事や生活との両立に向けた普及啓発、相談機能の充実等に取り組んでいきます。 取組み:①在宅生活を支える取組みの充実と見直し、②家族介護者に対する支援、③多機関連携による相談体制の充実 基本的な考え方:(2)民間賃貸住宅への入居支援。 高齢者人口がさらに増加する中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように入居支援等の施策を推進していきます。 取組み:①民間賃貸住宅への入居支援策の推進 基本的な考え方:(3)介護施設等の整備。「世田谷区介護施設等整備計画」に基づく取組みを進めます。 取組み:①世田谷区介護施設等整備計画に基づく取組み 基本的な考え方:(4)虐待対策の推進。いわゆる高齢者虐待防止法に基づいて、高齢者の権利擁護及び尊厳を保持するため、高齢者への虐待の防止、被害者の早期発見、被害者及び家族への支援について、関係機関等と連携を深め取り組みます。 取組み:①高齢者虐待対策の推進 16ページ 計画目標Ⅲ、安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る(2/3) 施策名:3成年後見制度の推進 基本的な考え方:地域共生社会の実現に向け、認知症や知的・精神障害等により判断能力が十分ではない方も、等しく個人としての尊厳が重んじられ、自発的意思が尊重され、自分らしい生活の継続と地域社会への参加ができる、地域づくりをめざしていきます。 取組み:①成年後見制度の普及啓発及び利用促進、②権利擁護支援の地域連携ネットワークの強化と支援者のスキルアップ、③成年後見人等の担い手の確保・育成の推進 施策名:4在宅医療・介護連携の推進 基本的な考え方:地域包括ケアシステムの構築を目指す取組みの一環として、医療と介護の両方を必要とする誰もが、住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けることができるよう、地域における医療・介護の関係機関が連携し、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制を構築することが必要です。 取組み:①在宅医療・ACPの普及啓発、②在宅医療・介護のネットワークの構築、③在宅医療・介護関係者間の情報の共有支援 施策名:5介護人材の確保及び育成・定着支援 基本的な考え方:急速な高齢化による介護サービス需要の増大と生産年齢人口の減少が見込まれ、介護人材の確保は喫緊の課題です。誰もが自分らしく地域で安心して暮らし続けられるよう、介護サービスの安定的な供給を図るため、福祉・介護人材の確保及び育成・定着支援のための施策を総合的に展開していきます。 取組み:①さらなる介護職の魅力発信、②多様な人材の確保・育成、③働きやすい環境の構築に向けた支援 17ページ 計画目標Ⅲ、安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る(3/3) 施策名:6安全・安心への取組み 基本的な考え方:(1)災害への対応。 区は、区民や地域活動団体、事業者、関係機関との連携により、震災や風水害時等における防災、応急対策、復旧等の災害対策に取り組みます。また、災害から自らを守り、安全な場所への避難及び自宅や避難所等での避難生活に配慮を要する高齢者等の支援を推進しています。 取組み:①災害への備えの普及啓発と地域防災力の向上、②避難行動要支援者への支援の推進 基本的な考え方:(2)健康危機への対応。高齢者が、健康危機(医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態のこと。以下同じ。)に対する意識を持ち、健康危機発生時には正しい情報のもとに適切な行動をとることができるよう健康危機に関する情報発信に取り組みますまた、区は、新興・再興の感染症の感染拡大や、自然災害等に伴う健康被害などの健康危機に万全の体制をもって対処できるよう、関係機関と連携し、平時からの体制整備に取り組みます。 取組み:①新型コロナウイルス感染症を踏まえた新興・再興感染症対策の充実、②日常生活における健康被害の予防啓発活動の推進、③震災等災害発生時への備えと保健医療体制の整備 基本的な考え方:(3)消費者としての高齢者の保護。高齢者(消費者)の弱い立場に付け込んで、不利な契約を結ばせる悪質商法による被害を始めとした、各種消費者被害やトラブルの防止を図ります。 取組み:①消費者保護施策の推進 基本的な考え方:(4)地域における防犯対策の強化。特殊詐欺等の犯罪被害に遭いやすい高齢者が安全で安心して暮らすことができるよう、区は、警察や関係団体、事業者、町会・自治会等をはじめとする地域住民の方々と連携し、地域ぐるみで隙間なく犯罪防止対策に取り組んでいきます。 取組み:①防犯意識の向上、②特殊詐欺対策の推進、③見守りの充実 18ページ Ⅳ 介護保険制度の円滑な運営 基本的な考え方:「介護保険法」及び「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」に基づき、区は保険者として、介護保険事業計画の中で、介護給付費のサービス種類ごとの見込み量等を推計するとともに、第9期における介護保険料など介護保険の円滑な実施を図るために必要な事項を定めます。 また、介護保険制度への信頼を高め、制度の持続可能性を確保するため、給付適正化事業やサービスの質の向上に向けた取組み、制度の趣旨普及を進めるとともに、低所得者への配慮等を図ります。さらに、国が示した推計手順等を用いて、2040年までの中長期的な推計を行い、推計した結果を区民や事業者等と共有することで、介護予防や身近な地域での活動について認識を深め、地域包括ケアシステムの推進を図ります。 取組み:(1) 介護サービス量の見込み、(2) 地域支援事業の量の見込み、(3) 第1号被保険者の保険料、(4) 給付適正化の推進、(5) 制度の趣旨普及・低所得者への配慮等、(6) サービスの質の向上