令和3年11月1日 第2回世田谷区地域包括支援センター 運営協議会 (要約版) 午後7時2分開会 ○介護予防・地域支援課長 世田谷区地域包括支援センター運営協議会を開催する。  私は事務局の世田谷区高齢福祉部介護予防・地域支援課長である。議事に入る前の進行をする。  本日は、コロナ禍ということから、オンライン開催とした。また、8時半終了ということで時間短縮する。本会議でのオンライン開催は不慣れなため、不手際の際は御容赦願いたい。  本日は委員1名が所用により欠席する。本日の会議は全19名中18名出席で、委員の過半数が出席しているので、会議を開始する。  また、本日はオンライン会議であるが、傍聴を認め、区のホームページでも周知している。あんしんすこやかセンター関係者はオンラインで傍聴、区民、区職員等は会場での傍聴としている。傍聴者はオンラインの画面上は非表示の扱いとしている。  それでは、会長に議事進行をお願いする。 ○会長 オンライン会議ということで、慣れている委員も多いと思うが、慣れていない委員もいると思う。臨機応変に対応願いたい。  事務局から資料の確認を願いたい。 (資料確認、省略) ○会長 議事に入る。  なお、本日は、会議時間短縮のため、事務局からの報告はポイントを絞り、手短にお願いする。報告に対する質疑は説明後に受ける時間を取る。  まず、議事の案件について事務局より説明願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 資料1について説明する。  資料1を御覧願いたい。介護保険法では、保険者、運営事業者は地域包括支援センターの評価を行い、事業の質の向上を図ることとされており、区では令和元年度から評価点検を実施している。これは運営事業者選定後の実施状況の確認と国の保険者機能強化推進交付金の評価指標の点検も兼ねている。このたび、令和2年度実績に対する評価点検を実施したので、結果等について報告する。  1、各あんしんすこやかセンターの自己評価点検について、(1)経過は、令和3年3月4日の運営協議会(書面開催)において、今回の評価点検の内容を確認いただいた上で、あんしんすこやかセンターに自己評価点検表と事業計画書の作成を依頼し、6月までに提出いただいた。  (2)自己採点方法は、評価指標に対する令和2年度の取組状況について、あんしんすこやかセンター(運営法人)が自己評価点検表に示す評価基準に従い自己採点を行った。自己採点の採点根拠となる内容は、事業計画書の実績欄に記載いただいた。  (3)採点基準は、◎、○、△と記載のとおりである。この3段階で区としては○以上を望んでいる。  (4)確認のみの項目は、管理運営に関する評価点検項目については、昨年度の実施状況から重要と考えられる項目に限り採点対象とし、他の項目は実施の有無(チェック)の確認のみとした。  2、区の評価点検(採点)について、(1)区の採点方法は、@各あんしんすこやかセンターの自己採点について、事業計画書の記載内容を参照しながら、採点基準に基づき、区の採点を行った。自己採点が適正かの点検を基本としながら、疑義がある場合等は個別に確認した。  A経営状況については、令和2年度の財務書類の審査を公認会計士に委託し、意見を受けた。  B新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため中止等の事業については、採点においてマイナスとしないようにした。  Cヒアリングについては、一部のあんしんすこやかセンターでの実施であるので、採点対象としていない。  (2)採点状況、@区の採点状況については、別紙2、採点結果一覧と別紙3、事業評価総括表のとおりである。  A評価指標ごとに採点した◎、○、△をそれぞれ3点、2点、1点に点数換算し、運営管理、総合相談支援など、10の分野ごとに平均点数を算出した。各分野で2点以上(3点満点)、10分野合計で20点以上であれば、区が求める要求水準を満たすものとした。採点の結果、24.85点から30点と全てのあんしんすこやかセンターで区の要求水準を満たす結果となった。項目ごとでも良好な状況であった。  B別紙3、事業評価総括表は、各あんしんすこやかセンターの分野ごとの採点状況をレーダーチャートで示し、一番外側が3点、内側の太線が合格点の2点、点線が平均点で、個別の総括、取組状況についてコメントを記している。  C公認会計士による経営状況の審査では、いずれの運営法人も問題なかった。  なお、採点対象から除外した確認項目の運営管理の点検項目は適切に実施されていた。  3、運営協議会委員によるヒアリングについて、(1)ヒアリングの実施状況は、令和元年度、令和2年度にヒアリングを行わなかったあんしんすこやかセンター8か所に実施した。  (3)ヒアリング内容及び評価・意見は、別紙4、地域包括支援センター運営協議会委員による評価点検ヒアリングのまとめのとおりである。  4、令和3年度評価点検(令和2年度分)のまとめ、(1)総括は、@全てのあんしんすこやかセンターにおいて区の要求水準を上回り、事業の実施状況は良好であると考える。なお、印象として、日常的な現場の評価と異なる結果のあんしんすこやかセンターがあるが、厳しい自己評価をされたものと認識している。  A評価点検の内容を見たところ、各あんしんすこやかセンターで昨年度までの評価点検の状況を踏まえ、また、好事例を参考にし、改善されていると認識している。  B地区の状況等に応じた運営、地区課題等への対応に取り組めていた。  C特に課題ではないが、さらなる充実が望ましい主な事業として、職員育成の取組、成年後見制度に関する取組、介護予防ケアマネジメント、フレイル予防、認知症ケア、福祉の相談窓口があった。これらの取組状況については、コロナ禍による制約等の影響もあると考えている。  Dコロナ禍の取組は記載のとおりである。  (2)好事例及び課題・改善事項は、別紙5を御覧願いたい。  (3)今後の改善の方向性は、@好事例を共有し、運営の向上に取り組む。  A運営法人が課題をあんしんすこやかセンターと共有し、積極的にバックアップする体制を引き続き整える。  B一層安定した職員体制を整えるため、職員配置基準の徹底、人材の定着、育成、資格取得等の対応、また、認知症等への対応のため、医療職配置の充実に取り組む。  C安定した運営を維持するため、管理者の変更は最低限とする。管理者を補佐する職員の配置に取り組む。  Dあんしんすこやかセンターの周知とともに、3者連携を強化充実して、地域課題の把握に努め、地域づくりの推進にも取り組む。  E孤立や体力低下防止のため実態把握訪問の充実が必要であり、コロナ禍での工夫もしながら、また、オートロック式マンションなどへの働きかけなどにも取り組む。  Fコロナ禍でニーズが拡大している権利擁護に関する業務について、一層の充実に取り組む。  G介護予防・日常生活支援総合事業において、自立支援の視点を意識したケアマネジメントの取組や、再委託先の居宅介護支援事業所への指導等により、ケアマネジメントの質の向上に取り組む。  H認知症ケア推進については、認知症とともに生きる希望条例の実現、希望計画の推進のため、まずはアクションチームの創設や同チーム活動を進めていく。  I在宅医療・介護連携においては、ACPの普及啓発に取り組む。  (4)その他、評価点検の項目にはなかったが、介護離職防止への相談支援や災害時の対応の整理も必要だと考えている。  5、令和4年度の評価点検について、(1)実施方法の改善は、令和4年度の評価点検については、基本的に今年度の実施方法を踏襲したいと考えているが、運営協議会などの意見を踏まえ、実施方法等の改善を図ることとし、次回の運営協議会で実施案を提案する。  (2)委託予定期間後半の対応は、現在の事業者による委託は令和元年度から令和6年度の予定としており、令和5・6年度には次期の事業者選定を予定している。次期の事業者選定での現事業者への取扱いに関しては、現委託期間での実績評価を反映させることが適当である。今後の事業者選定のスケジュールでは、令和5年度後半から令和6年度に選定を行う予定である。このため、令和4年度、令和5年度には、これまでの実績(評価点検)を踏まえた評価点検のまとめを行い、令和5年度以降の事業者選定につなげていく。令和4年度には、あんしんすこやかセンターから令和元年度以降の事業評価報告を提出いただき、区としての課題、改善点等の整理及び総合評価(案)を行い、令和5年度には改善等の状況確認を行った上、令和元年度から令和4年度の業務に対する総合評価を行う。この際、運営協議会の委員からあんしんすこやかセンターへのヒアリングに協力願いたい。  6、今後の予定等、(1)結果通知は、評価点検結果は、本日の運営協議会での確認を踏まえ、近日中にあんしんすこやかセンター・運営法人宛てに通知する。  (2)スケジュールは、令和4年3月の運営協議会では、令和4年度の評価点検項目等、令和元年度以降の事業評価報告の内容等を確認し、各あんしんすこやかセンター(運営法人)へ自己評価点検等を依頼する予定である。 ○会長 質問、意見等はあるか。 ○委員 4ページの(3)今後の改善の方向性に意見がある。1つは、私の専門は介護予防であるが、もともと介護予防はフレイル予防という形で老年学会でも進めているが、今までフレイル予防は、食事、運動、社会参加、あるいは、食事、身体活動、社会参加という3つの柱であったが、最近の老年学会の流れとして、フレイルの方を見つけた際に、どうしてフレイルになったかという医学的な評価も非常に大事ではないかということで、食事、運動、社会参加、医療連携の4つの柱で言われるようになっている。介護予防に関しても、医療との連携を工夫すると入れていただけないか。  もう1点は災害時の対応であるが、このたび、玉川医師会では、新型コロナウイルスの第5波で病院に入院できない陽性患者の自宅療養者への訪問診療にかなり力を入れてやったが、医師会、歯科医師会、薬剤師会の職域団体が非常に重要であり、このような災害時における結束が極めて重要だという経験を得た。  翻ると、介護関連の職域団体がよく分からないところがある、また、先日、玉川の3師会の会議でも、特に介護系の事業者は世田谷区全体というより、地区、地域ごとにまとまるほうが合理的だろうという議論もあったので、あんしんすこやかセンターは地区の介護事業者のリーダーシップを取る立場になることを明確化していくのがいいのではないか。 ○介護予防・地域支援課長 最初に、区も食事、運動、社会参加に医療連携も入れてはどうかという質問であるが、検討する。 ○高齢福祉部長 次の質問であるが、今、職域団体も例えば特養の施設長会や介護サービスネットワークといろいろなレベルで幾つかあるので、委員の意見は検討する。あんしんすこやかセンターは地区ごとにあるので、リーダーシップを取ってやっていくのは、方向的にはいいことだと思うが、いろいろな絡みがあり、時間もかかると思うので、既存のものと新たな方向性、やり方を検討する。 ○会長 この協議会でも例えばケアマネジャー連絡会や介護サービスネットワークの代表が参加しているが、地区ごとというと多少調整が必要になるかもしれない。ぜひ6波が来る前に区でも医師会と連携して、訪問介護等についての支援体制を事前にある程度調整していただくよう願うが、よろしいか。 ○高齢福祉部長 はい。 ○委員 まず、2ページのC全てのあんしんすこやかセンターでヒアリングを実施したわけではないため、ヒアリング内容については採点対象としていないとあるが、自己評価点検表の記載にないことや、プラスアルファで出てきた情報、知り得なかったプラス面などもあったと思うので、有効に評価、採点願いたい。昨年度、受けたが、浮かばれないのは非常にもったいない。  5ページ、(2)に「令和4年度には、28地区のあんしんすこやかセンター(法人)から令和元年度以降の事業評価報告の提出を受け」とあるが、令和元年度以降、令和4年までの総括的な報告書の提出時にヒアリングの内容を反映していくのか。さらに、このときは令和3年度単体の自己評価点検表を提出する必要はないのか。  4ページ、(3)今後の改善の方向性、D3者連携の強化充実が期待されているが、例えばH認知症とともに生きる希望条例の推進などは3者連携で取り組むとうたわれており、(4)その他、A災害時における3者連携の対応なども仕様書に記載されていたが、まちづくりセンター、社協は評価されるという立場ではない。  率直に言うと、私たちは評価をされて、次期プロポーザルに臨むが、その辺の意識の温度感というか、3者連携で2つの団体と一致して二人三脚をするときに、私たちは所管からこのようにいただくが、まちセンなどにはどなたがおっしゃっているのか。このあたりはお察し願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 1点目のこれまでの委員のヒアリングも評価に含めてほしいとのことであるが、含むように検討する。  2点目の3者連携については、3者の立場がそれぞれ違う中で、少しでも前進願いたいが、こちらも承知の上でということでお察し願いたい。 ○高齢福祉部長 2点目の3者連携の強化充実は非常に重要な点である。認知症とともに生きる希望条例を進めていくアクションチームを地域の中でつくっていく、災害時の対応は3者連携でやっていくことも本当に重要だと考えているが、特にまちセンの温度差は我々もいろいろなところから聞いている。  今、世田谷区では地域行政推進条例を検討しており、今後策定予定である。その中でも、3者連携は今以上に進めていかなければいけないものとなっているので、地域行政の関連所管とも連携し、もっと連携を強化していきたい。 ○会長 ぜひ部からもまちセンにこういう状況について働きかけをしていただくと、あんしんすこやかセンターも動きやすくなると思うので、よろしくお願いする。 ○委員 先ほど他委員がおっしゃったことの関連であるが、まず、委員がおっしゃったことにとても私たちも同感である。このコロナにおけるいろいろな動きはまさに災害対策であるが、今まで医師会、歯科医師会、薬剤師会などの連携は比較的スムーズにできている。もちろん地域の介護事業者との関連はいろいろなところで工夫されていると思うが、区がまさに地域包括ケアという形で組織を地域的につくっていただくと、感染に限らず、いろいろな災害でもお年寄りのケアも含めてとても大事になるので、重ねてお願い申し上げる。  それから、あんしんすこやかセンターの委員がおっしゃったこともとても大事であると思った。というのは、私が評価点検で歯科医師会の委員と一緒に赴いたあんしんすこやかセンターの感染対策や、このコロナ禍において、今までどおりのことがどれだけできるかという取組にとても感心した。コロナ禍でできなかったものはやむを得ないので、今後の評価に加えるのは適切ではないが、これは特筆に値するという部分はぜひとも取り上げていただきたい。  1つだけ事例報告がある。私が委員と一緒に赴いたあんしんすこやかセンターでも、リモートを活用して、地域包括ケアに関わる医師、歯科医師、薬剤師、介護関係の皆様と会議をされていた。しかも、幾度もされていると伺ったが、少々地域差があるのではないか。コロナ禍で開催が複数できているところ、そうでもないところがあるのではないか。  私どもも地域ケア会議には積極的にするようにとなっているが、今年の8月から薬機法で、厚生労働省、東京都福祉保健局、世田谷保健所から、薬局は積極的にそのような会議に参加するよう推奨された。  松沢あんしんすこやかセンターの地域ケア会議の案内を介護予防・地域支援課から薬剤師会にいただいた。コロナ禍の前は薬剤師会からあんしんすこやかセンターの管轄区域の会員薬局に連絡していたが、リモートなので、世田谷薬剤師会の地域の全薬局にも広報してよいかと松沢あんしんすこやかセンターに話したら、リモートということでぜひと承諾いただいた。去年は五、六軒の参加だったが、今回は20軒も参加し、意見交換が活発になった。今後は私どもも地域のあんしんすこやかセンターの承諾を得た上で、そのような形にしていきたい。  加えて、この薬局が気に入っているからという理由で、わざと遠方の薬局に行く場合もある。このような試みをしてみたら、案の定、お住まいのあんしんすこやかセンターの区域外の薬局にも行っていることがあるようなので、区全体のまさに地域包括の考え方で今後もいろいろ進めていただきたい。 ○高齢福祉部長 地域包括ケアはこれからもっと発展させていかなければいけないので、今いただいた意見を参考にしながら、関係部署と地域行政部、総合支所とも話をしながら、さらに進めていきたい。 ○会長 リモートが大分普及してきて、これから会議の在り方や持ち方も変わってくる可能性があるが、あまり混乱のないように交通整理しながら、より効率的に会議が持てる形づくりを検討願いたい。  この件に関して、委員16名がそれぞれ8か所に訪問し、別紙4で報告いただいたが、ぜひ訪問した率直な感想があれば共有願いたい。 ○委員 ヒアリングした若林あんしんすこやかセンターについて簡単に報告する。  参考資料3にあるように、職員6名のうち3名が7年以上、それも3職種の方が長期で地域とつながって活動されており、深く話が伺えた。継続している要因の一つとして、法人のバックアップや連携体制がとてもよい、また、何かあれば法人内の別のあんしんすこやかセンターとも改善点を協議できる定期的な会議と随時の情報交換がうまくできていた。  区が3者連携を推進する前から4者連携で児童館が加わっていた歴史があり、今の3者連携に児童館が加わっている。地域の子ども食堂など、高齢者だけではなく、子どもの虐待、社会的弱者の発見など、地域の情報もうまくキャッチできていた。  唯一、地域ケア会議についての採点が少なくなっていたので質問したが、区の保健福祉課のバックアップで地域ケア会議が推進され、個別課題はできるが、地域課題を出すことが難しいと自己評価に上がっていたが、今着実に進めていると伺った。  それから、私もヒアリングを考慮願いたい。 ○委員 上町あんしんすこやかセンターにおいては、運営管理体制がしっかりしており、十分な職員体制が取られていた。  コロナ禍の現状において、24時間自動換気、体温測定なども行われており、訪問活動においても感染対策の工夫の取組がよく見られた。  個人情報の問題もあるが、コロナ禍で民生委員の訪問などが難しい状況の中、見守り支援も対応がよくできていた。  また、上町あんしんすこやかセンター独自の広報紙やチラシも非常に分かりやすく、よくできており、地域のスーパーや商店街などに配布してもらうなど、地域に密着した活動もよくできていた。  上町あんしんすこやかセンターでも児童館を含め4者の展開となっており、積極的な活動が見られた。  在宅医療・介護の連携においても、ツールを利用したり、区民や医療関係者などに十分な周知を行い、多職種と連携が取れ、ニーズに合った支援が行われており、全体的に非常によくできていた。  また、所長をはじめ職員の方々が本当に丁寧、親切に説明していただき、人柄も大変よく、地域の方々も安心して相談できるセンターだという印象を強く受けた。 ○委員 北沢あんしんすこやかセンターは、コロナ禍において孤立する高齢者や要介護者をどのように拾っていくかということで工夫がされていた。直接、高齢者宅にポスティングをしながら実態調査や、困り事をすぐ拾える相談体制をつくり、チラシから電話をもらって相談を受け取るという形で取組をされていた。ただ、孤立高齢者への対応は、個人情報の観点から、現状では3者ともうまく連携ができないという感じを受けた。  認知症ケア推進については、地域包括ケアの地区展開も兼ねて、一般のカフェバーや喫茶店などを使い、認知症カフェを地域の商店街に根づかせる企画をされていたが、コロナ禍なので、なかなか進まない状況であった。そのほか、学生や近隣の銀行新入社員に対して認知症サポーター養成講座を行っていた。企画としてはいいが、コロナ禍で対面はできないので、オンラインなどを使っていかに有効活用していくかが今後の課題である。  あんしんすこやかセンター、3者が寄り集まっているところが地下1階で、非常に圧迫感があった。隣に役所の出張所もあり、非常に雑駁で、立地、環境としてどうなのか。 ○委員 私が奥沢あんしんすこやかセンターで印象に残っていることのみ申し上げる。  まず、高齢者の相談件数、相談の傾向を踏まえた上で、今後どのようなビジョンを考えているかについては、65歳以上の方に外に出ていただくきっかけづくりとして、心のほっとステーションを開設したことは、ほかのあんしんすこやかセンターにはない取組だったのではないか。  独自の試みとして、あんすこ川柳を皆様から募集し、所内に掲げる工夫をしているところも印象的であった。  地区課題はどのようなものがあるか質問した際、子どものことが課題であり、具体的には子どもが集まる場所がないという課題があった。高齢者への対応がメインであると思うが、3者連携プラス児童館や子育てひろばの関係者、7者連携で毎月会議を行っていると報告があった。子どもという視点から見て、高齢者をどう支援していくかも考えている点が印象的であった。  一方、ボランティアの登録が集まらないという課題があった。今、ボランティアの登録は5名であるが、若干少ないのではないか。委員から、シニアボランティア研修を受ける必要があることがボランティア参加を避けている要因ではないかと指摘があり、既に高齢者が参加している活動があるのであれば、それをボランティア活動として認定し、より多くの方がボランティア活動に参加する間口を広げる働きかけが必要なのではないかという議論があった。 ○会長 先ほど4者連携があったが、7者連携も出てきたので、ぜひ区もそのような連携の在り方も災害も含めて検討願いたい。 ○委員 等々力あんしんすこやかセンターは新しい施設になったが、コロナ禍で2年間、利用者が非常に減っていると伺ったが、実際はよくやられているという印象である。  ただ、等々力あんしんすこやかセンターがある場所はパーティションで区切られており、プライバシーが守られているのか非常に不安である。 ○委員 等々力あんしんすこやかセンターに伺った。書類の保管スペースも含めて、相談する側にとっては少しタイトな印象を受けざるを得なかった。ただ、その分、職員は本当に相談しやすい環境づくりに尽力されていると感じた。  等々力あんしんすこやかセンターでは、3者連携において、フレイル予防などを視野に入れながら、高齢者クラブとの連携を非常に密に図っており、随所にコミュニティーの創設という意識をとても強く感じた。私は社会福祉協議会であるので、よきパートナーとして大変心強い。 ○会長 物理的な部分は、区も点検いただき、何か必要があれば指導願いたい。  成城あんしんすこやかセンターは、ごく簡単に特徴的なところのみ報告する。  成城あんしんすこやかセンターは昨年の6月に移転し、以前よりも広く明るくなった。さらに、パソコンは立って打つスタイルにすることによって省スペースにし、相談室の場所を広げる工夫をされていた。  コロナ禍で、こころの相談を3者連携でやっており、松沢病院の看護師がオンラインで相談に乗っている。セッティングさえできれば、90歳近い方でも十分に相談ができるが、機器の扱いを自宅で誰の支援もなく1人でというのは難しい方もいるため、高齢者がオンラインを十分に活用できる支援体制の構築が今後の課題である。  戸別訪問してチラシを配ったり、成城地域という特性を踏まえ、そのような活動を積極的にやられている。 ○委員 喜多見あんしんすこやかセンターについて報告する。  喜多見は世田谷の西の端で、交通の便が悪く、住民の交通をどのように便利にするか、所長を中心に物すごく考えていた。  特に喜多見で私が評価できるのは、所長が喜多見が大好きでという感じで一生懸命やっており、それが住民に伝わる。そして、交通の便が悪くて買物がしにくいということも、地域のJAや地域の方とタイアップしながら、バスを走らせ、買物しやすい駅周辺に出かけていた。最近は昭和女子大と行っている。喜多見のもう一つの地域性として、非常に昔からの住民が多い中で、新しい若い世代が入ってきており、若い方たち、昔からの地域の方の買物のために一生懸命心を砕いていたのが印象的であった。  あんしんすこやかセンター全体では、コロナ禍で住民もあんしんすこやかセンターもいかに感染しないでやるかという緊張感と同時に、フレイル予防を行っていたのがひしひしと感じられた。閉じ籠もりになって物忘れが出てきて心配だという住民が出てきているが、予防的なものを一番担えるのはあんしんすこやかセンターであるため、一生懸命やっていただきたい。 ○委員 あんしんすこやかセンターの方がとにかく地域に愛情を持って仕事をされており、一番大事なところだと思った。  子どもと高齢者、若者、全ての世代についていろいろな事業をやっており、家族を一緒に支援すればいいのではないかとおっしゃっており、すてきな地域の担い手だと思った。 ○委員 上祖師谷あんしんすこやかセンターに伺った。事業は全てがバランスよくできており、皆様、感じもよく、一生懸命仕事に励んでいた。  コロナ禍の状況においても、予防をしっかりされながら、コロナ禍だからできることを一生懸命工夫されていた。例えばコロナ禍で増えた虐待、経済困窮、フレイル、認知症の進行、受診控えなどの相談に応じている。交通の利便があまりよくないため、訪問相談も多い。年間8000件に及ぶ相談を8名のスタッフが一生懸命やっていた。  3者の連携がコロナ禍でも非常に強められており、まちづくりセンターとウオークラリーを共同開催したり、あんしんすこやかセンターと社協で防災訓練の代わりに寸劇を通じて被災者や障害者への対応に関する福祉教育を行っていた。権利擁護事業の学習がしっかりできており、後見制度などを利用する必要のある方を社会福祉協議会などにつなげることもきちんとできていた。 ○委員 1人当たりの担当高齢者の人数が500名や2000名と、非常に負担がかかっているあんしんすこやかセンターもあった。  上祖師谷あんしんすこやかセンターは、顔の見える関係づくりがなかなか難しい中で、ネットワーク力を弱めないため、民生委員や自治会との関係が途切れないように、はがきなどを使って関係性の維持をいち早くキャッチされていた。また、見守りボランティアの人材確保が非常に困難であり、これを支えていく上では検討していかなければいけない。 ○会長 15名の委員には、各あんしんすこやかセンターに訪問していただき、また、本日報告いただき、感謝する。  本件については、委員の意見、訪問での評価なども踏まえ、区で評価願いたい。  報告事項に移る。報告(1)について事務局より説明願う。 ○保健医療福祉推進課長 世田谷区避難行動要支援者避難支援プランの改定(素案)について説明申し上げる。  資料2を御覧願いたい。区の災害発生時の考え方として、自分で身を守る自助、地域や近隣の人々との共助、行政による公助がある中、日頃からの災害への備え、助け合いの意識の向上などが対策の基本で、役割分担を一層明確にし、地域、行政等も含め連携を図っていくということで、素案について報告する。  2、改定の経緯は、国において、令和3年5月に災害対策基本法が改正されたことを受け、世田谷区においても、令和元年台風第19号等の検討課題を含め、プランを来年度改正する。  3、改定の主なポイント、(1)個別避難計画作成の推進は、国では個別避難計画を5年で作成するとしているが、期間があまりにも長いため、区では3年に短縮して作成する計画を立てている。  (2)指定福祉避難所の設置は、直接避難ができるよう高齢者施設や障害者施設ごとに受入れ対象者をあらかじめ特定して指定する。  (3)風水害対策の強化は、発災前からの水害時避難所の開設、運営体制の強化に取り組む。  4、取組みスケジュールは、個別避難計画の作成、福祉避難所、風水害対策の強化を令和3年度から4か年で行う。  避難行動要支援者の定義は、要介護4または5に該当する方、独り暮らしの高齢者、高齢者のみ世帯で要介護3など、幾つか基準がある。実際に水害、地震が起きたときに一人一人がどう避難するかという計画の作成が国から正式に示されたことを受け、各自治体が取り組むものである。  優先度については、多摩川浸水想定区域内に住む避難行動要支援者500人に先行して取り組み、その後、土砂災害警戒区域内やその他の地域に広げ、区の避難行動要支援者約8400人弱をカバーしていく計画である。  別紙2の20ページ、21ページに3者連携として、災害に関する様々な連携協働に取り組んでいる関係機関、地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)、町会・自治会、民生委員・児童委員、世田谷区社会福祉協議会、保健福祉サービス事業者、世田谷ボランティア協会、警察署、消防署・消防団、移送運営事業者等の取組内容を掲載している。このような方々と区が協力しながら、今後、水害、地震に備えて計画を立てていく検討を始めていることを委員には承知願いたい。  令和4年3月を目途に案を策定し、4月以降に順次計画に入る。 ○会長 質問、意見はあるか。  これは個別避難計画であるが、計画は本人も交えて協議しながらということなのか。 ○保健医療福祉推進課長 本人の同意を得て、ふだん接している専門職、あんしんすこやかセンター、民生委員、締結されている町会もあるが、そのような方々と区が一緒につくっていくというイメージである。 ○会長 既につくられたモデルケースはあるのか。 ○保健医療福祉推進課長 今回、国から5月に個別避難計画の作成が出ているが、区の先行事例として、いのちのバトンや、若林辺りは自衛として地区で防災に取り組まれているので、計画に反映できるところはしていきたい。 ○委員 2年前、多摩川が氾濫しそうになったときに感じたが、災害対策の計画を立てるにあたり、区の動きはもちろん大事であるが、区にある事業者の協力もかなり重要ではないか。プランを拝見すると、あんしんすこやかセンターはほとんど区のような位置づけで入っているが、例えば3師会はどういう動きをするのかはあまり明確ではない。  前の氾濫はたしか土曜日であったが、休日、事業者の職員は家におり、家が世田谷区内にあるかは分からない。一方、平日の日中は、世田谷区に住んでいる方も区外に勤務に行っている場合がある。要するに、平日日中に発災するのか、休日、夜間に発災するのかによって大分流れが変わってくると思うが、それは考慮されているのか。 ○保健医療福祉推進課長 個別避難計画は本人の同意を得てつくるが、保管をどうするかも課題の一つであり、行政だけが持つのか、関係するあんしんすこやかセンターも一緒に共有するべきかは今後の課題であると認識している。行政の中でも、身近な地区ということで、まちづくりセンターや総合支所も含めて共有していく必要があるだろうと庁内でも関係部署と検討している。平日、休日問わず、計画が役立つものでないと意味がないので、今まさに検討している。 ○会長 本人が支援を拒否するという方も日常的にいらっしゃる。あるいは、本人に十分な判断能力がない場合の本人同意の問題も検討課題である。  前回、都内のある自治体では、山側の自治体で氾濫の危険性もあり、あんしんすこやかセンターの職員は開けないようにという指示が役所から来た。職員の安全確保とどのように両立させたらいいか、かなり微妙な事例があったので、検討願いたい。 ○委員 同意者名簿の提供先は町会・自治会、民生委員ということであるが、協定の有無でかなりばらつきのある取組にならないか懸念がある。一方、区は協定を結んでもらうための働きかけはどのようになされているのか。地区内のどの町会が協定しているかは、まちづくりセンターに教えていただくと分かるが、一覧では見られない。 ○保健医療福祉推進課長 町会に限って申し上げると、別紙2の61ページに平成29年3月時点の協定の締結先一覧を掲載している。ただ、協定の有無は当然あり、協定は全体の町会数に対して約5割である。協定をされているところは町会でも名簿を持って共有されるが、協定をしていないところは、いざというときの助けについては行政主導になる。  町会・自治会への働きかけは、総合支所が担っている。取組について周知し、一つでも多くの町会・自治会が協定を結べるように働きかけを行っている。 ○委員 今の避難の件で、名簿の把握や搬送が語られているが、搬送先は協定施設に運ぶということなのか。例えば在宅でケアしている人を協定施設に運ぶという趣旨の避難なのか、それとも一般の人と同じ避難所に行くのか。 ○保健医療福祉推進課長 65ページの福祉避難所協定施設一覧ということで、区で高齢者施設や障害者施設と協定を結んでいる。災害時には、区の公共施設、区民センター、地区会館、学校が指定避難所になるが、例えば体が不自由で、どうしても避難所にいるのが大変だというときには、福祉避難所として協定を締結した施設に改めて移動するか、直接自宅から協定先の施設に移るということで、福祉避難所への直接避難は予め特定した方が避難することであり、福祉避難所とは違う形と認識願いたい。 ○委員 避難所がリストにいっぱい入っているが、42ページの一番上に必要な物資を平常時から民間企業等と協定して運ぶと書いてあるが、今後は医薬品なども、民間の企業から医療救護所だけではなく、避難所にも必要な物資として運んでいくのか。 ○保健医療福祉推進課長 災害発生時には医療救護本部が立ち上がる。災害薬事センターということで、一般的な医薬品は各避難所に配送される。特殊な物品というよりは、一般的な医薬品となる。 ○会長 (2)身元保証人が立てられない方の入院・入所に関する世田谷区版ガイドライン(案)について説明願う。 ○生活福祉課長 令和3年3月に皆様から身元保証に係るガイドライン(素案)に対して意見をいただいた。意見を反映させるべく、この間、検討してきたが、平時からの備えが重要であるという意見をいただいたため、ガイドラインには日頃からできることなどを書き加えている。  一方、施設の相談員に相談していただくと記載しているが、その後、施設はどうすればいいのかという意見をいただいている。これはケースごとに対応が変わってくるところもあるため、引き続き関係所管と検討を進め、ガイドラインをもう少し深めていきたい。ガイドラインでは不足な部分があるが、施設の相談員と区の関係所管とで連携して対応していきたいので、協力願いたい。  2、今後の進め方は、まずは周知をするが、これが完成ということではなく、適宜さらに修正を加えながら、より使いやすいガイドラインへ更新してまいりたい。  ガイドライン(案)の中の網かけ部分が前回の素案からの修正箇所であるので、御覧願いたい。意見等があれば、意見等用紙を活用し意見願いたい。 ○会長 質問、意見はあるか。 ○委員 作成いただき、感謝する。現場からであるが、実際に対応するに当たり、これをより運用したいので、具体的な対応、手順、場合によっては事例などをフローチャートにしていただき、取り組みやすいものを作成願う。使用を想定しているメンバーの代表者に集まっていただき、具体的な現場の声も盛り込みながらつくると、より効果的なものができるのではないか。 ○生活福祉課長 いただいた意見を今後の改定に向けて調整させていただきたい。世田谷区以外でもこのガイドラインをつくっているところがあるので、そちらも参考にしながら、もう少し具体的にしていきたい。 ○会長 4、その他について事務局より説明願う。 ○介護予防・地域支援課長 チラシを御覧願いたい。世田谷区認知症とともに生きる希望条例が施行されて1周年がたち、11月6日土曜日、日大文理学部のセンターホールでシンポジウムを開催する。今回は若年性認知症の丹野智文さんに基調講演やコーディネーターをしていただき、世田谷区在住の長谷部泰司さん、貫田直義さん、澤田佐紀子さんの3名のパネリストや、プロジェクト推進チーム世話人も登壇する。この日にお越しいただける方はぜひ来場願いたい。 ○会長 それでは、本日の会議について、追加の意見、質問があれば、意見等用紙で提出願いたい。  それでは、次回の会議の日程について事務局から調整願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 次回の日程の候補として、令和4年3月1日(火)か2日(水)の午後7時からの開催を考えている。委員各位の予定はいかがか。 (日程調整) ○介護予防・地域支援課長 次回は3月1日(火)午後7時からで予定したい。 ○会長 令和3年度第2回世田谷区地域包括支援センター運営協議会を終了する。 午後8時41分閉会