令和3年7月14日 第1回世田谷区地域包括支援センター 運営協議会 (要約版) 午後6時31分開会 ○介護予防・地域支援課長 世田谷区地域包括支援センター運営協議会を開催する。  私は事務局の世田谷区高齢福祉部介護予防・地域支援課長である。議事に入る前の進行をする。  本日は、コロナ禍ということから、オンライン開催とした。一部の委員は会場からも参加する。また、会議の開催時間も繰り上げ、できるだけ8時終了ということで時間短縮する。本会議でのオンライン開催は初めてであるので、不手際等の際は御容赦願いたい。  高齢福祉部長より挨拶する。 ○委員 本日は、お忙しい中、運営協議会に出席いただき、感謝する。  本日夕方の東京都の公表によると、コロナ陽性者数は5月13日以来1000人を超え、1149人になった。今週、緊急事態宣言が4回目に入っているが、日々陽性者数が増えていることを大変心配している。区としては、社会的検査を引き続き案内するとともに、ワクチン接種に力を入れて、区民がなるべく早く2回接種できるように引き続き取り組んでいく。  あんしんすこやかセンターの状況は、昨年度の当初、新型コロナの影響で多くの事業を休止するなど、慎重に事業を行ってきた。その後、感染防止の徹底に努めながら相談事業等を実施するとともに、高齢者の体力低下等の懸念を踏まえ、高齢者の状況把握や介護予防の働きかけ、介護予防事業の実施に取り組んでいる。また、昨年10月には認知症とともに生きる希望条例を制定し、これに基づく希望計画を令和3年3月に作成し、取組を開始した。認知症とともに自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現に向け取組を進めていく。さらに、地域包括ケアシステムの推進のため、困り事を抱える方を早期支援に結びつける福祉の相談窓口の充実や、まちづくりセンター、社会福祉協議会との3者連携により地域づくりを推進する地域包括ケアの地区展開については、さらなる取組の充実に努めていく。  区では、今後とも、地域の職能団体、区民、介護事業者などの多様な立場の方々と力を合わせ、誰もが住み続けることができる世田谷をつくっていきたい。  皆様方には、本協議会で忌憚のない御意見をいただくとともに、世田谷区の福祉の向上に向け、御尽力、御協力をよろしくお願い申し上げる。 ○介護予防・地域支援課長 現在の協議会委員の委嘱期間は令和2年4月から令和4年3月までの2年間であるが、新委員は前任者を引き継ぐ形で今回より令和4年3月末までの委嘱となる。ただし、あんしんすこやかセンター職員の委員は任期を1年とさせていただく。  なお、略式で申し訳ないが、新委員の委嘱状は送付している。御承知おき願いたい。 (委員紹介) ○介護予防・地域支援課長 本日参加している区の管理職にも異動があったので紹介する。 (事務局紹介) ○介護予防・地域支援課長 本日の会議は委員19名全員の出席で、会議は成立していることを報告する。  それでは、会長に議事進行をお願いする。 ○会長 時間が限られている。また、Zoom形式に不慣れの委員もいるかもしれないが、トライアルということで御了解願いたい。  事務局から資料の確認を願いたい。 (資料確認、省略) ○会長 議事に入る。  なお、本日は、会議時間短縮のため、事務局からの報告はポイントを絞り、手短にお願いする。報告に対する質疑は説明後に受ける時間を取る。  まず、報告事項の@からBについて事務局より説明願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 報告事項の(1)@からBについて事務局より説明する。  資料1、あんしんすこやかセンターの令和2年度実績及び令和3年度事業計画についてを御覧願いたい。  1、あんしんすこやかセンターをとりまく概況等、(1)区の人口の状況は、区の人口、高齢者人口、後期高齢者、地区別高齢者人口を示している。現在の地区別高齢者人口は1地区平均6634人、最多の地区は烏山地区、最少の地区は代沢地区である。  (2)職員数の状況は、令和3年6月1日現在、1所平均で8.1人、総勢232人で前年度とほぼ変わっていない。  2、令和2年度の主な実績は、別紙1のあんしんすこやかセンターの業務実績も後ほど御覧願いたい。  (1)包括的支援事業、@総合相談支援、令和2年度の延べ相談件数は、予防給付を含まないものは15万840件、昨年度比7219件増加、予防給付を含めると約19万3000件である。  実態把握訪問は、支援が必要な高齢者の把握のために訪問等を行う事業であるが、令和2年度2万6552件と前年度比約9252件減少している。地域づくり活動は、民生委員や町会・自治会等への訪問活動等で、令和2年度4677件と前年度比1076件減少している。いずれもコロナ禍の影響と考えている。  A権利擁護の相談件数は令和2年度2923件で前年度比232件増加している。成年後見制度の利用支援や虐待対策の取組等は後ほど報告事項のC、Dで説明する。  (2)介護予防・日常生活支援総合事業、(3)認知症ケアの推進にかかる事業も後ほど別途説明する。  (4)地域ケア会議は、地区、地域、全区の3層での地域ケア会議に取り組んでいる。あんしんすこやかセンターでは地区版地域ケア会議を開催し、充実に努めているが、コロナの影響で前年度194回から126回に減少している。  (5)在宅医療・介護連携、@在宅療養相談窓口の相談件数は1万2899件である。A地区連携医事業は、毎月実施しているが、新型コロナウイルス感染防止のため、休止もあった。また、ACPガイドブックを発行し、活用を開始している。  (6)地域包括ケアの地区展開、@福祉の相談窓口は、高齢者以外の相談件数が2284件となり、増加している。  Aまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の一体整備は、令和2年度までに27地区で完了した。令和3年度に松原を開設すると、全ての一体整備が完了する。  (7)新型コロナウイルス感染症への対応は、各事業とも感染拡大防止の観点から、事業の対応を決めながら進めている。最初の緊急事態宣言時は各事業において訪問を取りやめ、講座等の休止を行い、基本的に接触を避ける対応を取った。宣言解除後は、感染防止対策の徹底の下、機能低下等のリスク防止を極力図るため、徐々に事業を再開し、会食は休止しているが、利用者の意向を尊重し、公共施設の開設状況等を踏まえ、可能な範囲で事業を実施している。あんしんすこやかセンターの職員は社会的検査等も受け、新型コロナに感染した職員はいない。  相談件数の月間件数の推移は、令和2年度4月〜5月の緊急事態宣言時は相談件数が落ち込んだが、その後は増加している。  相談方法(訪問・電話・来所)の状況は、訪問、来所は減り、電話が増えている。  3、令和3年度事業計画は、別紙2に各地区の一覧を掲載しているので、後ほど御覧願いたい。事業計画は、センターの主要業務について、昨年度の取組と今年度の目標、目標達成に向けた取組を関係課と協議して、各センターが作成している。事業計画作成の目的は、あんしんすこやかセンターが自らの現状や目標を認識し、何をすべきかを意識すること、及び、地域特性に応じた目標や取組事項を掲げることで、各センターの特色や強みを引き出すとともに、スキルアップ会議などの場も活用して、よりよい取組を各センター間で共有することである。  4、令和3年度評価点検の経過・今後の予定、委員ヒアリングの予定は、別紙3のとおり、現時点では、各あんしんすこやかセンターから区に自己評価を提出いただき、点検している。7月20日から各委員にあんしんすこやかセンターへお越しいただき、ヒアリングを行う。11月の運営協議会で結果を報告する。  資料2、介護予防・日常生活支援総合事業の実施状況について報告する。  1、主旨、介護予防・日常生活支援総合事業について、令和2年度の実施状況を報告する。  2、実施状況は記載のとおりで、詳細の数字は2ページのとおりである。  さらに、新型コロナウイルス感染症により活動の自粛を余儀なくされた世田谷いきいき体操等の介護予防に取り組む自主グループを対象に、介護予防手帳を活用した体力測定会の実施や外出自粛による心身機能低下予防を呼びかけ、介護予防アプリの紹介や体操動画をホームページに追加する等、高齢者自身による介護予防の取組を支援した。  3、今後の取組みは、今年度も新型コロナウイルス感染症の発生状況により、外出自粛生活を要因とする活動量や人との交流機会の減少による心身の機能低下を予防するため、オンラインを活用した事業展開や情報提供による自宅で取り組む介護予防の支援、自主活動継続支援等を実施する。なお、介護予防筋力アップ教室、はつらつ介護予防講座、まるごと介護予防講座の3事業については、事業者への委託期間が令和3年度末で終了することから、令和4年度期から令和6年度期まで委託する事業者の選定をプロポーザル方式により実施する。  資料3、世田谷区認知症とともに生きる希望計画の実施について報告する。  次第の2、報告の(1)B認知症とともに生きる希望計画の実施方法についてとなっているが、資料3のタイトルと同じく「実施について」で、「方法」を消していただきたい。  世田谷区認知症とともに生きる希望計画を令和3年3月に策定した。今後はこの計画を地区で実践していきたい。  別紙の概要版、第1章、希望計画の目的、第2章、希望計画の位置づけと計画期間、第3章、希望計画の基本方針と進め方は記載のとおりである。  4つの重点テーマ、@認知症観の転換、A本人が発信・参加、ともにつくる、Bみんなが「備える」「私の希望ファイル」、C希望と人権を大切に、暮らしやすい地域をともにつくるに沿ったプロジェクトを推進するチームを現在つくっている。  実際、地域で実践、実施していただくためのアクションチームは、イメージ図のとおりである。福祉の相談窓口の中のあんしんすこやかセンターもチームの一員として関わっていただく予定であり、令和5年度までに28地区の日常生活圏域で始動できるようにつくっていきたい。現在はその手前の仕組みづくりの段階である。  資料3、1、主旨であるが、本計画を実施していくに当たり、令和3年6月24日に28のあんしんすこやかセンター管理者に向け、認知症施策評価委員会の委員長、副委員長により、計画の趣旨について御講演いただいた。今後も様々な方々に関わっていただき、連携しながら進めていきたい。 ○会長 意見、質問等はあるか。 ○委員 資料1、あんしんすこやかセンターの実績に関して、令和元年度と比べると相談件数がかなり伸びている、それは恐らくコロナ禍によるものではないかと言われたが、相談件数の中の共通的な相談の内容がもし見えてきているのであればお教え願いたい。 ○委員 相談件数は増えた。コロナ禍において外に出られず、身体的に不活発になっている状況で、足腰が弱った、仲間に会えないことで鬱々としている、家族がリモート勤務になったことで、同居している方などは一緒に過ごす時間が増え、家族との関係性が悪くなる。例えば娘も息子もいらいらして、高齢者の父母に当たってしまう、場合によっては手が出そうになるということで、SOSであんしんすこやかセンターに電話をかけてきたり、虐待の疑いであったケースでは、悶々としている状況で悪化してしまったなど、そのような案件が増えてきた。 ○委員 あんしんすこやかセンターは、相談件数は前年度比で減少している。ただ、行き場がないということで、通っていたデイサービスも休みになり、何とかならないかという相談は年度を通じて多くあった。同居の家族がいるケースは、在宅勤務が増えたことで、子への不満も多くあり、その中で、子が障害を抱えていたとか、新たな発見ができたときもあった。全体を通じると相談件数は減ったが、行き場に関しての相談は多かった。  資料1の1(2)職員数の状況について、社会福祉士、主任ケアマネ、保健師等、ケアマネ、その他を令和2年と令和3年で比較すると微増である。仕様書に専門3職種の複数配置に努めることとあるとおりで、増えている傾向にあると思うが、今後、あんしんすこやかセンターにおいて、専門3職種のみの配置や、専門3職種及び事務職員のみの配置は想定されているのか、経過措置も含めて何かお考えがあればお伺いしたい。 ○介護予防・地域支援課長 現時点では、まだそこまで至っていない、検討していないが、何か希望があるか。 ○委員 希望があるわけではない。 ○委員 世田谷区認知症とともに生きる希望計画であるが、希望条例はパンフレットを用いて啓発しつつある。今日も地区の社協の集いに招かれ、地区サポートの皆様に私なりに知り得る範囲で啓発している。そのときに、備えということで私の希望ファイルと具体的な名称があるが、まだあんしんすこやかセンターに届いていないため、中身が不明瞭で言い切れなかった。希望ファイルが手元に届くまでの進捗状況をお教え願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 これからプロジェクト推進チーム会議などを進めていき、希望ファイルについても詳細を詰めていく段階で、年内にお示しできれば一番いいが、まだ未知数で申し訳ない。分かった時点で、あんしんすこやかセンターにはすぐに連絡する。 ○会長 これまで社協が取り組んでいたバージョンとの整合性や、誰がどのように私の希望ファイルに記入するかということで、以前もいろいろ議論があった。恐らく時間をかけて、現場の方々の意向など、よく話を聞きながら検討することになると思うが、それでよろしいか。 ○介護予防・地域支援課長 ありがとうございます。 ○会長 私から1点伺うが、改めて地区別高齢者人口の開きが気になった。烏山地区が1万3000人で、一番少ない地区の4倍ぐらいあり、かなり人数が多いと思うが、実際にやられていて、多いとか、ニーズが行き届かないとか、現場から意見はないのか。 ○介護予防・地域支援課長 人数が多い分だけ、烏山地区は職員の配置もとても多いため、行き届いていないという話は届いていない。 ○会長 では、今のところは特に問題とは考えないという理解でよろしいか。 ○介護予防・地域支援課長 そうである。 ○会長 それでは、次のCからHについて事務局から説明願いたい。 ○生活福祉課長 C令和2年度成年後見制度等利用支援に関する実績について報告する。資料4を御覧願いたい。各実績は記載のとおりであるが、私からは令和2年度のコロナ禍における対応について説明する。  2(1)相談は、区内在住で高齢、障害、疾病等により判断能力が十分でない方やその親族、あんしんすこやかセンター等からの相談を受け付けた件数で、相談件数総数は1489件である。  (2)法律相談は、弁護士による無料相談を第1・第3水曜日及び第2木曜日に実施している。令和2年度4、5月は面談ではなく、電話相談で実施した。その後、コロナ感染症対策を行いながら、電話相談と面談相談を相談者が選択し実施している。相談件数は78件である。  (3)親族等申立ての支援は、成年後見の申立てを親族が行うことを検討している方向けの成年後見申立て手続き説明会を実施するものであるが、4月から7月までは成年後見支援員(区民成年後見人養成講座修了者)が実施するのではなく、成年後見センターの職員が対応、8月以降はコロナ感染症対策を行い、支援員とセンター職員で対応しており、23名の相談を受けた。  (4)区民成年後見人の養成は、成年後見人の仕事を希望している方に対し講座を実施しており、当初は6月の開講予定であったが、コロナ禍ということで時期をずらし、10月から開始した。また、会場の収容人数を半数程度にするという対策を行ったため、受講者は令和元年度は17名であったが、令和2年度は8名である。  (5)事例検討委員会は、成年後見区長申立事案等について、弁護士や司法書士などの成年後見人の候補者が課題整理などを行い、成年後見人を選任する会である。4月から6月は人数を約半数にした縮小開催、7月からは大きな会場を用意して開催している。件数は記載のとおりである。  (6)制度の普及啓発は、あんしんすこやかセンターなど相談機関を対象に権利擁護事例検討会を開催し、連携を深めるものである。実施回数を2回としているが、そのうち2月に開催した1回は書面開催とした。  その他については資料を御覧願いたい。 ○高齢福祉課長 案件DからFの3件について報告する。  資料5、令和2年度高齢者虐待対策の取組みを御覧願いたい。  1、高齢者虐待対策の取組み、(1)高齢者虐待対策地域連絡会および高齢者虐待対策検討担当者会の@連絡会は年1回、A担当者会は年2回開催した。  (2)虐待対応ケア会議は、支所保健福祉課で実施しているが、367件の事例について、ケア会議を508回実施した。  (3)高齢者一時保護施設の運営は、利用実績は3名、うち虐待事例は1件である。  (4)対応力向上を目指した事業者への研修は、研修は年3回実施したが、新型コロナの影響があったため、このうち第1回と第3回は動画による研修とした。  (5)普及啓発は、「区のおしらせ」12月1日号にて以下の記事、高齢者虐待の相談窓口を記載した。  2、令和2年度の相談・通報実績、(1)養護者による虐待は、令和2年度は通報が222件、認定が153件である。新型コロナの影響で同居内の家族と一緒にいる時間が多く、虐待が増えていると新聞報道されているが、こちらの数字上は例年とあまり変わらない結果が出ている。  新規相談・通報受理件数は、介護支援専門員、区職員、警察が多かった。  相談・通報を受けた事例の状況の内訳は、身体的虐待が一番多く、次が心理的虐待、3番目が介護・世話の放棄、放任である。被虐待者の性別は女性のほうが多く、例年どおりである。被虐待者と虐待者の関係は、一番多いのが息子、2番目が娘、3番目が夫と例年と傾向は変わっていない。  令和2年度に虐待対応を行った事例の分離の有無は、分離を行った事例が37件、分離していない事例が165件である。  (2)養介護施設従事者等による虐待は、令和2年度は通報が13件、認定が5件である。  通報対応件数の通報を受けた養介護施設・事業所の種別、相談・通報者については、記載のとおりである。  虐待を受けた又は受けたと思われたと判断した事例の内訳、虐待の種別・類型は、心理的虐待が一番多く、2番目は介護・世話の放棄、放任である。被虐待者の性別は女性のほうが多かった。虐待を行った養介護施設等の従事者は介護職が一番多かった。  E令和2年度高齢者孤立死の調査結果について、資料6を御覧願いたい。高齢者が誰にもみとられずに自宅で死亡し、死後数日を経過し発見されたもので、区及びあんしんすこやかセンターにて把握した件数を計上している。  1、孤立死発見の状況は、性別で言うと男性が多く、年齢的には70歳から89歳がコアである。発見までの期間は、3日以内と比較的早いケースもあるが、一方で2週間以上と長期間発見されなかったケースも多い。サービス利用状況は、「なし」の方が多い傾向である。  2、発見までの期間とサービス利用状況は、何かしらサービスがある方は比較的早めに発見されている、ない方は発見するのが遅い状況である。  3、発見月の状況は、8月が一番多かった。  4、発見までの期間と最初に異変を感じた人は、多い順に身内、近隣、ヘルパー、友人である。  5、年度別は、平成29年度から令和2年度までの状況を比較として示している。令和2年度は103件と過去3年に比べて多くなっているが、孤立死の状況については、熱中症との関係で、夏がすごく暑い年が割と多いという傾向がこれまであったが、令和2年度はそんなに暑かったという記憶もないので、検証はし切れていない。  F介護施設等の整備状況について、資料7を御覧願いたい。表の見方だけ説明する。こちらは令和3年5月末現在である。  縦列は高齢者施設のサービス種別で、Aの定期巡回・随時対応型訪問介護看護からJの都市型軽費老人ホームと分けて示している。  横列は、平成29年度末は第6期末の状況、第7期は平成30年度から令和2年度末の3年間であるが、第7期増減数と第7期の最後の年である令和2年度末の状況、第8期計画数を示している。備考欄には第8期整備予定ということで、既に公募が終わったところや、ある程度土地が確保できているといった状況をまとめている。併設は、サービス種別は併設されているケースが多いので、その関係性を示している。  2ページ目は、日常生活圏域ごとに整理し直した表である。  A3の資料を2枚つけているが、より具体的な詳細を載せているので、時間のあるときに確認願いたい。 ○介護保険課長 資料8の令和2年度介護保険事業の実施状況について報告する。  1−1、前期・後期高齢者人口・高齢化率の推移と将来推計は、令和3年1月現在で高齢者人口は約18万4000人、高齢化率は20.5%である。  2−1、第1号被保険者の推移は、令和2年度は前期及び後期高齢者ともに増となっている。特に後期高齢者のうち、85歳以上の伸び率が大きくなっている。  2−2、第1号被保険者に占める75歳以上の割合の推移の比較を見ると、令和2年度の区の第1号被保険者に占める75歳以上の割合は53.2%、前年度比マイナス0.2ポイントで、引き続き都や全国の値を上回っている。  3−1、年齢階層別要介護認定者数の推移は、令和2年度総認定者数は4万826人で、年齢階層別では85歳以上が大きく増加している。  3−2、第1号被保険者年齢階層別認定率の推移は、前年度から0.1ポイント増加して21.4%となり、都や全国に比べて高い水準にある。  3−4、要介護度別認定者数の推移は、要介護1、要介護2の方が引き続き多く、構成比の都・全国比較では、要介護2以上の割合が高い。  3−5、要介護認定者認知症状の出現数の推移は、認知症の日常生活自立度の判定がU以上の人数は、平成24年度と令和2年度の比較で伸び率が要介護認定者を上回っている。  4−1、サービス別給付実績の推移は、令和2年度の介護サービス給付費の総給付費は前年度比2.3%増の約567億円となった。サービス別の給付費のうち、金額的に多い順に、1番目が10の特定施設入居者生活介護、2番目が24の介護老人福祉施設、3番目が1の訪問介護、4番目が6の通所介護で、以上の4種類で全体の過半数を占めている。  4−2、総費用等における提供サービスの内訳割合の比較は、8ページが世田谷区の円グラフ、9ページが全国の円グラフで、見開きとなっている。後ほど御覧願いたい。  4−3、介護保険サービス給付費の推移は、令和2年度の給付費は制度開始時(平成12年度)の3.4倍となっている。  5−1、第1号被保険者介護保険料(基準月額)の推移は、第8期の介護保険料は6180円、23区で比較すると高いほうから12番目、また、7期からの増減額はマイナス270円、伸び率はマイナス4.2%で、23区では最も低くなっている。  5−3、第8期における第1号被保険者の保険料段階と保険料率・年間保険料の表である。  6−1、第7期計画被保険者の見込みと実績は、おおむね計画どおりに推移している。  6−2、第7期計画要介護・要支援認定者数の見込みと実績は、特に要支援1、要介護1、要介護5が、より計画数を下回っている。  こうした状況を受け、6−3、第7期計画標準給付費の見込みと実績は、令和元年度は計画時の86%、令和2年度は計画時の82.1%となっている。  7−1、介護保険料の収納状況は、収納率は全体で98.9%となり、前年度より2ポイント上昇した。  7−2、事故報告の状況は、事故が起きた場合に事業所に報告を求めており、それを集計したものである。令和3年5月までに報告があった令和2年度の事故件数は1439件、事故の内容は、骨折、薬に関すること、打撲などが上位を占める。  7−3、介護事業者への指導・監査実施状況は、例年、計画的に事業者への指導を行っている。サービス種別ごとの実績は表のとおりである。令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から実地指導を見合わせ、書面指導を行った。令和3年度においては、今後のワクチン接種や市中の感染状況を踏まえ、効率的かつ効果的な指導業務に努めてまいりたい。 ○委員 資料9、前期高齢者を対象にした実態把握訪問について、玉川地域の共通課題である前期高齢者の孤立・孤立死対策への令和2年度からの取組について、今までの経過も含めて報告する。  この取組の経緯であるが、令和元年、二子玉川地区で75歳男性の孤立死が2件発生した。2人とも身寄りがなく、親族との関係も希薄、仕事を離れ、近隣との付き合いがなく、自宅に引きこもっている状況で、あんしんすこやかセンターにも相談履歴がなく、つながっていないと言われる方たちであった。令和2年度も同様のケースが2件発生している。この旨、玉川地域の地域ケア連絡会で発信し、各あんしんすこやかセンターでも同様の課題があることが分かった。  保健福祉課に平成29年度から令和元年度の3年間における玉川地域の孤立者数を調べていただくと、世田谷の5地域の中で一番多いことが分かった。さらに、その3年間、年々増加している傾向があること、また、65歳から74歳の前期高齢者の割合は全体の35%で、そのうち男性が45%も占めていた。こうしたことについて、各あんしんすこやかセンターのメンバーと話し、前期高齢者、特に男性はSOSを出したくても出せない状況がある、また、どこに、誰を頼っていいか分からないということ自体が問題だ、そこで、前期高齢者の孤立・孤立死対策は地域の課題であるということで、地域全体で取り組むことにした。  目的は、改めて前期高齢者の実態把握訪問を行い、社会的孤立を予防することである。そのためには、あんしんすこやかセンターや社協等を知ってもらう、早期につながり相談できる先を知ってもらう、早期発見、早期対応をする。加えて、前期高齢者は元気な方が多いので、地域への参加、社会活動等を紹介して、地域づくりの担い手、共に地域をつくる仲間、マンパワーとして活躍してもらえたらありがたい、そのような出会いを期待して取り組んできた。  前期高齢者に意識を高めてもらうには、今までの介護保険、認知症、見守りなどというキーワードでは、自分事ではないので関心を持たれない、チラシ自体を手に取ってもらえないということ、さらに、実態把握訪問時に質問するが、それも前期高齢者に特化した、把握したい情報を得るために改良しようということで、前期高齢者向けの啓発用チラシと質問票を玉川地域統一で作成することになった。各地区でそれを用いて情報収集することで、各地区の前期高齢者の特徴なども浮き彫りになるのではないかと期待している。  チラシと質問票、それぞれのプロジェクトチームを立ち上げ、メンバーは、あんしんすこやかセンター、地域社協、保健福祉課で、幾度も協議を重ねてつくり上げた。  私たちが留意していることは、チラシに興味を示してもらうには、キャッチーで分かりやすい、ポジティブなもの、どきっとするもの、「これから」という未来系の明るい内容、さらにどきっとするために、食事、運動、社会参加という前期高齢者にとって変化のある項目を挙げた。そして、当事者のセリフとして、困り事、心配事を記載した。  「改善のヒントは裏面に!」とあるが、裏面には3項目について、何々したいという表現で非常に前向きなものとした。それにどう取り組むかが一例であるが、食事では、食事の相談会、食に関するイベントや講座、運動では、ウオーキングマップの活用、世田谷いきいき体操ということで、これらの詳しい情報を知るために、あんしんすこやかセンターや社協に一報していただける期待を込めてチラシを作成した。  質問票も工夫をした。介護予防・地域支援課が作成したものを改良しているが、例えば趣味活動の有無、ボランティア活動への興味関心、現在行っている社会活動等を伺う。何より孤立している方がいることを示すため、一番最初の四角の枠に「玉川地域における地域課題の一つである『孤立の増加』に伴い、皆様の状況の調査・意識調査のための内容となっておりますので、ご協力お願い申し上げます」とメッセージを記載した。  質問票の緊急連絡先については慎重に議論した。繊細な情報であるので、いきなりこの情報を欲しいと書いたら、この質問票自体が敬遠されてしまうのではないかと様々な意見が出たが、早期につながるためには連絡先を知っておきたい、また、「災害時」というキーワードを入れて記載することになった。つまり、緊急時という曖昧なことではなく、災害時の安否確認の必要性は全世代にとって共通するものだろうという期待を込めている。  前期高齢者といっても、対象が65歳から74歳では非常に幅が広いため、さらに絞った。考え方は、65歳から70歳では、まだ就労されている方、家族間での役割などもあり、多忙にしている方が多いため、75歳前後の変化が見られる方、また、生活実態が一番見づらい方、見受けにくい方ということで、70歳から74歳の方に絞り、男性や独り暮らしというキーワードで高齢者台帳からピックアップしている。また、各地区の状況に応じた課題もあるので、交流のない住所地の方、集合住宅など、各地区の課題に応じた対象を決め、重点的に行うことで工夫している。  これは無理なく実現可能性、持続性のある取組にしたいため、地域で一律にすることなく、各地区の状況に応じた配付件数、訪問件数を設定することで一致している。  地域ケア連絡会で皆が集まったときに、それぞれの取組の状況、結果、効果等を共有するということで、当初、4月から7月までの3か月を区切りにする予定であったが、緊急事態宣言等で訪問等がなかなか進まなかったこともあり、9月まで延長し、今年度の振り返り、情報分析等をして今後に生かしたい。 ○会長 質問、意見はあるか。 ○委員 資料9の委員からの提案について質問と提案があるが、質問票に書かれている様々な内容については、例えば警察官も同じように訪問しているのではないか。交番や駐在所との連携をお考えになってもいいのではないか。  また、前期高齢者であっても、訪問ではなく郵送等でやると、なかなか集まらないのではないか。もし集まらなかったら、医療機関、診療所や歯科診療所等には結構前期高齢者が来ていると思うので、受付に置いて書いてもらうといったことも検討していいのではないか。 ○委員 1点目、警察署、交番との情報共有、連携であるが、安否確認、虐待等に関しても、警察が介入するケースが非常に多くある。そこで、玉川地域としても、今年度、保健福祉課の計らいで玉川警察署の担当の方との意見交換、それこそ拡大版の地域ケア会議にして、地域の課題に対してそれぞれできること、協働できることを考えていきたい。  また、前期高齢者のレスポンスについては、やはり留守が多い。返信用の封筒も入れて、返ってくるよう期待しているが、現状、二子玉川地区は3割ぐらいである。それでも多いと感じるぐらいで、意外と返ってきている。緊急連絡先を記載してくださったり、丸をしっかり書いてくださるということでは、関心事のある、例えばいきいき講座や、我々が主催する集いなどに誘いやすいきっかけができている効果は感じているが、空振りも多く、診療所にチラシ等を置いていただくと本当にありがたい。すごく拡充されると思うので期待したい。 ○会長 これは玉川地域だけの独自の取組という理解でよろしいか。 ○委員 玉川地域の独自の取組である。 ○会長 これは職員の方がお宅に伺って書いてもらうのか、投函して郵送で返信していただくイメージなのか。 ○委員 まずは訪問する。そこで不在であった場合またはインターホン越しでポストに投函願いたいというやり取りがあるが、必ず書面は届けるようにしているので、基本は訪問で面会したい気持ちがあるが、コロナ禍なので、質問票を有効に活用している。 ○会長 独自の取組ということで、コロナ禍で大変かとは思うが、まずやってみて、その結果をフィードバックし、ほかのセンターにも何かしら伝えていければいいのではないか。 ○委員 質問票と書いてあるが、四角で囲んだ趣旨が分かるタイトルがあったほうがいいのではないか。緊急連絡先等を書くようになっているので、質問に答え始めたときに敬遠されないように、これは孤立の増加に伴う調査であるというタイトルがあると前に進みやすいのではないか。  もう一つ、問1と問2は結構プライベートな内容なので、問3の「趣味や楽しみを持ち何かされていることはありますか」から入っていくと、先に進みやすく、答える方も増えるのではないか。健康状態を聞くことも大切である、また、自分が孤立していくのではないかという不安があると、答えると何かいいことがあるのではと感じて、答えたいという方もたくさんいらっしゃると思うので、入り口で引っかからない順番がいいのではないか。 ○会長 資料5の最後のページ、全体の虐待数は増えなかったということで少し安堵したが、養介護施設の虐待が増えているのが気になった。何か原因、理由は考えられるのか。また、介護職が認定されたとのことであるが、その後、その方々はどうされているのか。 ○高齢福祉課長 養介護施設従事者による虐待が増えているのは、新型コロナウイルスの影響がある。職員自身も生活スタイルが大幅に変わった結果、何かしらのストレスが増えていて、虐待に至るケースがあったと捉えている。  虐待した職員のその後であるが、具体的には説明し切れないが、指導とかのレベルで終わったケースもある一方、刑事事件に近いような状況になったケースもあるので、本当に個別具体的な状況によって変わってきている。 ○会長 今、コロナ禍で家族の面会ができなくなっているので、家族が中に入って確かめることもできず、また、施設の職員にも様々な負担がかかり、ストレスを発散する場所もなくなっているので、今後、ワクチン接種が進めば、少しはよくなっていくと思うが、お互いに支え合う何かが必要なのではないか。  それでは、(2)その他について事務局より説明願いたい。 ○生活福祉課長 「身元保証人が立てられない方の入院・入所に関する世田谷区版ガイドライン(仮称)」策定の進捗状況について報告する。  昨年度、本協議会を含む各種協議会にガイドライン(素案)をお示しし、関係者各位から本当にたくさんの意見をいただいた。このため、いただいた意見を踏まえ、改めてガイドラインについて内容を精査した上で、ガイドライン(案)をお示ししたい。ついては、スケジュールを見直し、時間をいただきたい。  今後のスケジュールは、11月の協議会で報告できるように鋭意作成中である。 ○会長 様々な意見が地域から来たことはよかったのではないかと思うが、非常に難しい案件であり、法制度が十分整っていない領域でもあるので、時間をかけて作成したいという趣旨である。  それでは、本日の会議について、追加の意見、質問があれば、7月21日までに意見用紙を提出願いたい。  それでは、次回の会議の日程について事務局から調整願いたい。 ○介護予防・地域支援課長 次回の日程の候補として、11月1日(月)か11月8日(月)の午後7時からの開催を考えている。委員各位の予定はいかがか。 (日程調整) ○介護予防・地域支援課長 次回は11月1日(月)の午後7時からで予定したい。  なお、意見票について何かあれば、7月21日までにお願いしたい。  それから、委員各位におかれては、7月20日から8月3日までの間にあんしんすこやかセンターへの評価点検のヒアリングをお願いしている。何とぞよろしくお願い申し上げる。 ○会長 令和3年度第1回世田谷区地域包括支援センター運営協議会を終了する。 午後7時49分閉会