令和2年11月4日 第2回世田谷区地域包括支援センター 運営協議会 (要約版) 午後7時開会 ○介護予防・地域支援課長 世田谷区地域包括支援センター運営協議会を開催する。  私は、事務局の高齢福祉部介護予防・地域支援課長である。議事に入る前の進行を務める。  本日は、〇〇委員、〇〇委員から欠席の連絡が入っている。委員の過半数が出席されているので、成立とする。  会長に議事進行をお願いする。 ○会長 新型コロナウイルス感染防止の観点から会議時間を短縮したいので、協力願う。事務局から資料を確認願う。 (資料確認、省略) ○会長 議事に入る。  議事の令和2年度あんしんすこやかセンターの評価点検について事務局より説明願う。 ○介護予防・地域支援課長 資料1を参照願う。参考資料1も参考にされたい。  区では、介護保険法の保険者・運営者による評価実施の規定、保険者機能強化推進交付金の評価指標を踏まえ、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)事業の質の向上を図るため、令和元年度より評価点検に取り組んでいる。令和元年度からの3年間は、あんしんすこやかセンターによる自己評価点検を行った上で区の採点を行うとともに、本協議会委員によるヒアリングも実施し、これらを踏まえてまとめた評価点検結果を本協議会で確認することとしている。  このたび、令和2年度の評価点検を実施したので、結果等について報告する。  1 各あんしんすこやかセンターの自己評価点検についてである。昨年度の運営協議会での意見、あんしんすこやかセンターの負担軽減のために自己評価点検表及び採点基準を見直した。  4月に28か所のあんしんすこやかセンター(運営法人)に自己評価点検表(参考資料2)及び事業計画書(事業実績)の作成を依頼し、6月までに提出があった。  自己採点方法は、自己評価点検表に示す採点基準に従い採点を記載するものとした。  自己採点の採点根拠の内容は、事業計画書の実績欄に記載する。  採点基準は、昨年度は5段階評価であったが、簡素でよいとの意見により3段階とした。各項目の採点基準は自己評価点検表に記載した。「○」以上であることが望まれる。  2 区の評価点検(採点)については、@各あんしんすこやかセンターの自己評価点検の記載内容について事業計画書の記載内容を確認し、採点基準に基づき区で採点した。  A経営状況については、令和元年度の財務書類審査を公認会計士に委託し意見を受けた。  B新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため中止等した事業は、状況が分かれば、採点においてマイナスとしないこととした。  C全てのあんしんすこやかセンターではヒアリングを実施していないので、ヒアリング内容については採点対象にしていない。  (2)採点状況@区の採点状況については、別紙1「採点結果一覧」及び別紙2「事業評価総括表」のとおりである。  A要求水準を満たしているか判断するため◎○△を点数換算し、分野ごとの平均点数を算出した。各分野で2点以上(3点満点)、10分野合計で20点以上(30点満点)であれば区が求める要求水準を満たすものとした。採点の結果、全てのあんしんすこやかセンターにおいて、上記水準を満たす結果となった。  B別紙2「事業評価総括表」は、各あんしんすこやかセンターの分野(大項目)ごとの採点状況(平均点)をレーダーチャートにし、個別の総括・指摘事項を記した。  C公認会計士による経営状況の審査では、いずれの運営法人も問題なかった。  3 運営協議会委員によるヒアリングについて、(1)ヒアリングの実施状況は、下表のとおりである。  (2)ヒアリングの実施方法は、あんしんすこやかセンター事務所の見学後、あんしんすこやかセンターからのプレゼンテーション、委員によるヒアリングを行い、評価のまとめを行った。  (3)ヒアリング内容及び評価・意見は、ヒアリングを行ったあんしんすこやかセンターごとの状況は、別紙3「地域包括支援センター運営協議会委員による評価点検ヒアリングのまとめ」のとおりである。  4 令和2年度評価点検のまとめの(1)総括として、@全てのあんしんすこやかセンターにおいて、全ての事業で区の要求水準を上回り、事業の実績状況は良好と言える。ただし、各事業への取組状況については、一層の取組が必要なあんしんすこやかセンターもあるので、ほかの取組事例も参考にするなど、さらなる充実と強化が望まれる。  A昨年度の評価点検の状況を踏まえた改善の取組が行われていた。また、昨年度の好事例を参考にして取組をしたと思われるあんしんすこやかセンターも増えていた。  B全てのあんしんすこやかセンターにおいて、地区の状況等に応じた運営、地区課題等への対応に取り組めていた。  C権利擁護事業における消費者被害の研修参加や、在宅医療・介護連携の推進における医療・介護の連携シート、口腔ケアチェックシート、MCSの普及・活用等においては、要求水準に満たないあんしんすこやかセンターが多少見られた。しかしながら、これらについては、仕様書の説明状況や研修開催状況にも原因があると考えられる。  D新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、令和元年度の年明け以降に計画していた介護予防、地域づくり、普及啓発等の取組が停滞しがちとなってしまったが、一方で、新型コロナウイルス感染症に関する相談内容を把握・分析し、コロナ禍における介護予防や見守り等の活動に工夫して取り組めていた。  (2)好事例及び課題・改善事項は、自己評価点検表の記載内容及びヒアリングの中で、別紙4のとおり、好事例及び課題・改善事項があった。  (3)今後の改善の方向性は、@好事例については共有し、積極的に運営の参考とする。  Aあんしんすこやかセンター運営の充実・強化のため、運営法人が課題をあんしんすこやかセンターと共有し、積極的にバックアップする体制を整える。  B一層安定した職員体制を整えるため、職員配置基準を徹底するとともに、人材の定着・育成、資格取得等の対応に力を入れて取り組む。また、欠員補充が必要な場合は速やかに行う。  C安定した運営を維持するため、管理者の変更は最低限とし、定年や病気等のやむを得ない理由により管理者を変更しなくてはならない場合に備え、副管理者などの管理者を補佐する職員(次期管理者候補)の配置に取り組む。  D認知症や精神障害への対応を充実するため、保健師等の医療職配置の充実に取り組む。  Eストレスチェックの実施など、職員の健康管理のためメンタルヘルスにも取り組む。  Fいつでも誰でも利用できる相談窓口であることをさらに周知していくとともに、地区の状況に応じ、また利用者の便宜を図るため出張相談を行う等、総合相談業務の充実や、三者連携を強化・充実して、地域課題の把握に努め、地域づくりの推進にも取り組む。  G権利擁護に関する区民への普及啓発について、一層の充実に取り組む。  H介護予防・日常生活支援総合事業において、再委託のケアマネジメントの質の向上に取り組む。  I認知症ケア推進において、認知症サポーター養成講座の運営補助等、認知症サポーターが活躍できる場づくりに取り組む。  J在宅医療・介護連携における医療・介護の連携シート、口腔ケアチェックシート、MCSの普及・活用の推進に取り組む。  5 令和3年度の評価点検については、令和2年度の実施状況、運営協議会での意見を踏まえ、以下のような方針で実施方法等の改善を図り、実施案を次回の運営協議会で提案する。  (1)自己採点のつけ具合に偏りが見られるなど課題もあったため、昨年度に引き続き評価指標、採点基準の一層の明確化を図る。  (2)令和3年度も令和2年度同様、採点基準は自己評価点検表に記載し、3段階の採点とする。  (3)評価指標について、区の要求水準が分かりにくいとの指摘があったため、仕様書への記載等により必要な説明を行う。  (4)運営管理などの採点においては、同一法人内あんしんすこやかセンターでの回答に整合性が取れているか、点検するよう求める。  6 今後の予定等、(1)結果通知、各あんしんすこやかセンターの評価点検結果は、あんしんすこやかセンター・運営法人宛てに通知する。  (2)スケジュールとして、11月、本会議終了後に評価点検結果を通知、令和3年3月に事業計画書の作成を依頼し、運営協議会で項目等を確認する。4月にあんしんすこやかセンターへ自己評価点検を依頼する。 ○会長 質問、意見等はないか。 ○委員 平均値が低い在宅医療・介護連携でどこのあんしんすこやかセンターも苦労していると読み取った。現場として、あんしんすこやかセンター独自で頑張れとずっと言われているように思うが、どこを苦労しているか、区はどこをバックアップしてもらえるのか、そういう取組が必要なのか分析してほしい。センターだけでは難しいところもあると思うので、そこのバックアップをお願いしたい。  法人としてのあんしんすこやかセンターへの関わり方が今年度、かなり強調されているが、法人により、あんしんすこやかセンター事業についての考え方、母体として歴史的に法人が何をしてきたかによって、法人内での捉え方が違う。恐らく法人内全体からすると、あんしんすこやかセンターが占める位置がかなり小さいと思うので、現場の声としては、こういう評価点検を法人の本部に見せ、区として各受託法人にどういう関わりをしてほしいか明確にしてもらったほうが、各法人の差が生まれにくくなると思う。 ○介護予防・地域支援課長 1点目の在宅医療・介護連携の推進については、参考資料2の8に書いているが、委託仕様の中で具体的に説明し切れない部分があったという報告も受けており、来年度は委託仕様を充実し、具体的に区が求める内容について書きたい。各あんしんすこやかセンターからも意見を聴き、好事例というような形で示したい。  2番目の法人との関わり方については、区としてどういう形で働きかけてもらえるかについては、毎年契約の仕様を示すときに、法人の担当者にも出ていただき、法人のバックアップを含めて述べている。  特に人材の育成とか補充で、あんしんすこやかセンターはまちに溶け込み、まちの方と一緒になっているので、管理者には長く勤めていただき、法人としてもあんしんすこやかセンターのバックアップをしていただくよう、今後も一層働きかけたい。 ○委員 ケアマネジャー連絡会の代表として昨年度から4か所ぐらいの点検に伺った。それぞれ現場では本当に頑張っている。法人の理解も必要だとは思うが、それ以外に、その地域が持つ特性、歴史のあるあんしんすこやかセンターは運営しやすく、地区ごとの主任ケアマネジャーの連絡会の協力体制によっても、あんしんすこやかセンターの動きやすさには、かなり差があると思う。現在そこまで手を広げることは難しいかもしれないが、少し視野、バックグラウンドにどういう資源があるからここまでできている、今後どこまで成長していけるか等、長期的な評価点検につなげていければよいのではないか。 ○会長 特に医療との連携は、区の各あんしんすこやかセンターへの契約のときの説明とか提示が不十分だったとのことであるので、特に現場では、医療との連携がなかなか難しいとの感触があり、新年度は、このあたりを重点的に区もバックアップしてほしい。  評価のときには必ず法人の代表にも来てもらったことがある。それができなくても、各センターから「このように改善する」との文書を出してもらう際、必ず法人からのコメントもつけてもらい、そういう文書なりデータを通して、責任者や事務局にも必ず目を通してもらい、方針を共有していただければと思う。  そうは言っても、なかなか分かってくださらない法人もあり、地域の力で盛り上げていく具体的な方策の提案があった。そのあたりのいろいろな方々からバックアップいただくアプローチも有効かと思う。 ○委員 多分、点数が悪いのは在宅医療・介護連携のところと、消費者被害のところである。ほかのところは、どうすればいいかイメージがつくが、消費者被害への対応方法は世田谷区でマニュアル化しているのか。ぜひ教えてほしい。 ○介護予防・地域支援課長 今回、消費者被害についてのマニュアル化は、特に区として行っておらず、本来であれば研修等を行わなければいけなかったが、できていなかった。令和3年度はそういう研修を含め、消費者被害について注意喚起をしたい。 ○会長 消費者被害について、あんしんすこやかセンターなり区に情報は入っているのか。 ○介護予防・地域支援課長 入っている。特にひとり暮らしの方で、知らない人がよく出入りしているとかいうことがあると、ケアマネとか地域の保健福祉課に連絡が入り、その方の見守り、ひいては、認知機能がやや落ちていれば成年後見とか任意後見をお勧めし、その世帯に入って、消費者被害に遭わないよう努めている。 ○会長 その情報はオンタイムで入ってくるのか。 ○介護予防・地域支援課長 入っている。よく工事屋さんが入っているとか高価な物を買っている、知らない物が家の中にある等の情報が、本当にすぐあんしんすこやかセンターとか地域の保健福祉課に入っており、すぐにそのお宅に対応している。 ○会長 私が住んでいる地域は、世田谷ではないが、市の安全ネットワーク等からのメールで、「今○○地域に○○という人からこういう電話が入っています」等のアラートがしょっちゅう入ってくる。それで「○○の地域の人は注意してください」等、多分希望者は全員登録でき、そういう情報がオンタイムで入ってくるので、「そういう人が来たら絶対に開けないように」等の情報が共有されている。 ○介護予防・地域支援課長 世田谷区にも災害メール等があって、登録者へは、4警察から世田谷区に入った情報をオンタイムでメール発信している。 ○委員 いろいろなところで消費者被害の講習をしているが、家の中を見れば、冷蔵庫が幾つもあったり、電気製品が新しくなっていたり、屋根がきれいになったりしていて、おかしいと思う。家や敷地の中に入らないと、本当に消費者被害があるかどうか分からない。交流を絶たれている方は、どれだけ消費者被害があるか分からない状態である。  消費者被害を受けてしまったら、回復はかなり難しい。加害者が見つかっても、裁判をしても、押さえるものがなくて、お金を返還してもらえることはほとんどないから、そういう意味でも、消費者被害の予防を推し進めなければいけない。  どうも加害者にはネットワークがあるようで、いろいろなところから「あそこ軽いよ」とターゲットになっているから、周りで目を光らせないと被害は防止できない。 ○会長 今の指摘を踏まえ、区もセンターと協力し、支援体制を確立してほしい。 ○委員 法人へのバックアップ体制について、本来、法人全体が伸びる上で、従業者の意見は非常に重要である。ところが、各事業所の意見が聞き入れられないと、末端が騒いでもなかなかうまくいかないと思う。  事業者全体が伸びるには、中の不満とか、いろいろな意見をすくい上げるシステムがあることが正常であるが、それができない法人がある。あんしんすこやかセンターは区にも非常に重要な事業所であるので、その意見を上げられるようなシステムがつくれれば、意見は上に上がっていき、そのバックアップ体制はできると思うので、考慮されたい。 ○会長 この案件については、委員16名がヒアリングに参加された。この評価点検がよいかも含め、今後の改善に向け、こうした課題があったとか、この点だけはぜひ共有したいという点について簡単にコメントをいただきたい。 ○委員 経堂のあんしんすこやかセンターを見学した。出張所と社会福祉協議会、あんしんすこやかセンターが狭い中に、ごちゃごちゃと言ったらおかしいが、意外と狭いのでびっくりした。しかし、その中でも自分たちの使える範囲で本当にいろいろ工夫してやられていたことに感心し、もう少し広かったらいいのにと思った。買物難民への支援はなかなかうまくいかなかったとの感想は印象的で、ぜひこれから実現してほしいと感じた。 ○委員 初めてあんしんすこやかセンターを訪問したが、上馬の施設は非常に整理されていた。コロナの情報を伝達する方法をいろいろ工夫されていてよかった。コロナにも口腔内のことが大変関係するので、それについて努力されたい。 ○委員 私も初めて伺ったが、自分たちのできるところは今までできている、できないところができないと、はっきり分かっていて、今後どうしたらよいかも自分で分かっているので、大変よいと思った。私自身が勉強させられた。 ○会長 上北沢に行かれた委員。 ○委員 8月20日の暑いときに伺ったが、場所も狭いし、人員も少ないのに、都営住宅の建て替え時の支援までしっかりされ、一生懸命頑張っていると印象深く思った。私の専門分野の権利擁護の中の成年後見制度なども、区と社協、後見センターと連携をよく取り、うまく利用されているとの印象であった。 ○委員 コロナ禍の中、それぞれの担当者がその時々のことを酌みながら、一生懸命、相手の心情を酌みながら、本当に細かいことを注意しながら対応しておられると感じた。家族との連携も酌み、狭い思いをしながら務められている心情を酌み、見てあげないといけないと思った。 ○会長 祖師谷に行かれた委員。 ○委員 場所がもともと祖師谷の出張所の横にあり、非常にきちっと整理され、職員もしっかりと取り組んでいると感じた。祖師谷の商店街の北側、ほぼ中央部分にあるので、場所がいいのかと思ったが、多くの祖師谷の人たち、特に商店街の人たちと一緒に取り組んでいて、商店街の方々との取組が非常に難しい。特に認知症サポーター養成とか、認知症の方、家族の方が一緒に買物をするときの対応に地域で取り組んでいて、とても一生懸命であると感じた。  法人は4か所のあんしんすこやかセンターを持っているようで、必ず月に1回、それぞれのあんしんすこやかセンターの方々と会議をし、互いの問題点を出し合い、向上に努めていると聞き、法人がかなりバックアップしているものと感じた。 ○会長 二子玉川に行かれた委員。 ○委員 ここは立ち上がってまだ時間が経っていないとのイメージであったが、非常に明るく清潔な、整理整頓がきちんとされているセンターである。玉川歯科医師会にも近いので、今後しばしば拝見したいと思った。この地域は先住者と、新興のタワーマンション等の住民の区分けを非常にうまくされ、コミュニケーションを取っている。  昨年の台風19号後の被害に的確な対応をされていた。今後伸び代が非常にあるセンターかと思い、楽しみにしている。 ○委員 代沢のあんしんすこやかセンターへ行った。ちょうど一体整備で転居し、まちづくりセンターと社協がワンフロアで、窓口も同じ方向に向いており、連携が取りやすく、電話対応一つもほかの部署に相談でき、新たな環境整備による三者連携の推進ができていると思った。  場所が小学校の中で、地域を含めて連携が取れていくかと思ったが、コロナのことで、そこは進んでいないとのことであった。  ただし、コロナの感染対策に関しては、法人に感染対策プロジェクトチームができ、そこと情報共有ができるので、それについては安心とのことであった。  場所が変わったことと、管理者が変わったことで、それまでの地域でつながっていたいろいろなところが、コロナのため滞っているのではないかと感じた。 ○委員 今の指摘のとおり近所の小学校内であった。施設としてはとても立派で、代沢は自転車でも容易に移動できる範囲の地域であるが、地域の様々な特性をしっかり捉えて活動していると痛感した。  代沢の辺りは割と起伏があり、アップダウンが激しくて、主に徒歩もしくは自転車で動くため脚力が強くなる等と言われていた。施設自体は小学校の地下にあり、感染防止対策を懸念したが、法人のバックアップ体制がとてもしっかりしているようで、マニュアルもできていた。まちづくりセンターが一体となって、換気も含めた防止対策がしっかりできており、とても印象的であった。  場所が移転したが、地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会等に対するいろいろな案内もしっかりしており、地域との連携も活発に始めている。 ○会長 松原に行かれた委員。 ○委員 昨年、事業者選考があり、当初、地域にどのように介入していくかで、かなり尽力されたようである。全件訪問で非常に努力をされていた。連携医とか介護事業所と連携をしながら、アンケートを取り、どのように持っていったらよいか今後検討していくそうである。  大変だと思ったことは、建物が違うことで、三者連携が、あんしんすこやかセンターだけ別棟になっている。来年度以降に合同に移るが、現状では100メートルぐらい離れた建物と行き来しながら連携を取り合っているが、非常に実力もある、有名な事業所であるので、安心して見ていられる。地域に溶け込むのは、なかなか大変だろうと感じた。 ○委員 私は上野毛へ、介護予防とか認知症ケア、三者連携、地域づくりに関心を持って、第8期の保健福祉計画についても高齢者の参加について聴いたが、予想以上にうまくいっている印象で、今後に非常に期待が持てる。悪いことは一つもなく、全部「◎」になっているので、よい事業所であると感じた。 ○委員 私もかなりよくできていると感じた。私の立場からは、地域課題の掘り起こしやケアマネジャーとの連携について聴いたが、活動に対する意味づけをしっかり言語化し、かなりビジョンを持っていると感じた。地域との連携にも積極的に努めている。  この地域は歴史的に、しっかり連携の取れる地域であることも、活動のしやすさにつながっているのではないかと感じた。ほかにもあんしんすこやかセンターの拠点を持っているとのことで、恐らく横の連携とか、意見のすり合わせもできているものと感じた。 ○会長 私も経堂を見たが、特に地域活動に積極的に取り組んできた法人であった。  どのあんしんすこやかセンターも、コロナの関係で活動が非常に制約され、非常に狭いところで苦労されていることがよく分かった。  今後はウィズコロナの時代であるので、特に職員を様々支援するとともに、どうしても閉じ籠もりがちになる高齢者をいかに支えていくか、活動に参加してもらえる環境をつくるかを、好事例なども情報交換しながら、区にバックアップの体制をつくってほしい。  お忙しい中、暑い中、それぞれ足を運んで評価いただき、感謝する。  本件については意見を踏まえ、令和2年度評価点検の確認としたい。  次に報告事項(1)について事務局より説明願う。 ○高齢福祉課長 資料2を参照願う。  第8期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に当たっての考え方について、昨年11月に地域保健福祉審議会に諮問し、審議会の部会である高齢者福祉・介護保険部会において審議を進めてきた。  7月の本協議会では中間まとめを報告した。先週金曜日、最後の部会で答申案を議論いただいた。部会での議論を受け、修正を加え、11月13日に予定されている地域保健福祉審議会に答申案として上げていく。  時間の都合上、中間まとめから変更した主な部分で、あんしんすこやかセンターとの関わりが深い部分を説明する。  12ページ、第2章 計画の基本的な考え方の1 基本理念で、13ページの上から、社会福祉法改正に伴う「重層的支援体制整備事業」についての記載を増やした。  17ページ、2 計画目標に新型コロナウイルスの対応について記載しているが、部会での指摘を受け、新型コロナウイルスの影響は@、B、多方面に広がることを含め、全体にかかる形で記載した。  18ページ、(2)評価指標は、計画全体に係る評価指標を示した。  20ページは第3回部会の資料を基に、健康寿命と介護予防・重度化防止のイメージ図を掲載した。  23ページ、第3章からは各施策の取組で、「あんしんすこやかセンターの相談支援の充実」は40ページに掲載した。  なお、これら個別事業の計画値は、計画案を策定していく中でそれぞれの施策に記載していく。また、計画案を策定する際には、個別のコラムを差し込んでいく。  101ページからは日常生活圏域ごとのデータに追加をした。 ○会長 今日、机上配付だったこともあり、読む時間はなかったと思うが、金曜日に会議があって、幾つかの意見が出て、今後それを基に、さらに修正するようである。質問、意見等はないか。 ○委員 先ほどの評価点数を見ても、在宅医療・介護連携の評価点数は低い。介護予防を見ると、講演会、予防講座を開催していくが、コロナ禍でなかなか集まれない。今後の対応をどう考えているか。 ○介護予防・地域支援課長 現在は、密にならないよう定数を半減したり、消毒とか換気に注意しながら順次再開している。  国の研究所でオンラインの通いの場のアプリをつくっている。その普及啓発をし、自宅でも体操ができるような新たな試みもしていきたい。 ○会長 散歩とか、外の活動を増やすのはどうか。 ○委員 18ページに評価指標として、要支援、要介護、男性、女性それぞれの年齢、目標値に「伸ばす」との記載がある。下の主観的健康観、外出頻度の内容に関し、現状では非常によい評価となっており、高齢化とともに介護度は上がっていくと思うが、なるべく要介護状態にならないで進んでいくことが理想だと思う。区はどう考えているか。 ○介護予防・地域支援課長 現在でも介護予防講座で要支援の方への取組はしているが、今回の目標として、そこまでに至っていない元気な高齢者をいつまでも元気にとのコンセプトもある。そういう方の使える通いの場をもっと充実させていきたい。  いろいろな選択肢がある。介護予防だけでなく、自主活動で行う運動について、支援できるものには支援し、健康寿命を伸ばしていきたいため、今回の目標を設定した。 ○会長 報告事項(2)に移る。世田谷区認知症とともに生きる希望条例について事務局より説明願う。 ○介護予防・地域支援課長 資料3を参照願う。このたび、世田谷区認知症とともに生きる希望条例を制定し、令和2年10月1日施行したので報告する。  2 これまでの経過で、自分らしく地域で共に生きていくことができる環境を整え、全ての区民が現在及び将来にわたって認知症とともに生きる意識を高め、その備えをし、「一人ひとりの希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせるまち、せたがや」を目指し、本条例を制定した。  今までの検討状況は、昨年の4月から条例検討委員会を6回開催し、認知症本人3名にも参加いただいて検討を重ねてきた。  2回のワークショップを開催し、その中でも認知症本人の参加をいただいた。  令和2年3月には区民意見募集をし、その意見も反映している。  この4月1日には、うめとぴあに認知症在宅生活サポートセンターを開設し、令和2年9月の第3回区議会定例会に本条例を提案して可決いただき、10月1日施行となった。  3 条例の内容で、別紙1が希望条例の条文である。特徴として、まずはこの条例は、従来の認知症のイメージを変え、希望のある条例という形で仕上げている。  条例検討の段階から認知症本人にも意見を聴きながら、今後、認知症の計画及び施策の評価に至るまで本人に入っていただくような形になっている。  次に認知症本人の権利及び意思を尊重するような形になっている。  また、全ての区民誰もが認知症になる可能性があることを認識いただき、我が事と捉え、パートナーとして地域共生社会をつくるとの趣旨で条例をつくっている。  次の特徴として、私の希望ファイルを、認知症になる前から、及びなった方についても、その方の希望を書いてもらい、介護とか今後の生活がよりよいものとなるよう利用していきたい。  条例の解説書を別紙2につけているので、後ほど確認されたい。 ○会長 意見、質問等はないか。 ○委員 10月25日に開催された本条例に関するシンポジウムに参加した。パネラー、シンポジストから本条例の意義、特に条例をどのようにつくったかまで詳しく説明いただき、とても参考になった。  実際に認知症の診断を受けた本人が条例作成に関わられ、その方々からも大変率直な意見の発表があったため、大変勉強になった。  最後の質問の時間で、フリーのジャーナリストから、鋭いのか、厳しいのか、詳しい質問があった。人権という言葉が出てこないのはどうしてかとの質問にも丁寧に答えられ、その意義がよく分かった。  特に印象的だったことは、「希望」という言葉が入った条例はほかにないそうで、それを入れるため、高齢福祉部の皆さんがとても頑張ったとのことである。 ○会長 補足で、私もこの委員会に途中から参加し、生きる希望という言葉が入って、この条例ががらっと変わったというか、今まで役所の文章だったものが、全体として区民の視点、区民の気持ちの入った条例にどんどん変わっていくプロセスを見た。自分としても大変勉強させていただいた。  当事者が実際に条例の策定にも参加し、条例の中にパートナーという言葉が出てくるが、サポーターではなくパートナーであるというところが大変重要である。区民はパートナーであり、誰かが誰かを一方的に支援する存在ではなく、お互いに支え合っていく存在であることを改めて明記したもので、マスコミ等でもいろいろ紹介され、全国の注目を今浴びている。ぜひこれが単なる文面に終わらないよう、今後また区でも具体的な取組を推進されていくので、そのあたりにも引き続きフィードバックしてほしい。 ○委員 ワークショップは2回実施されたが、2回とも参加し、本人の方々がしっかり、今の生活の中で、こうしてほしい、ああしてほしいというような意見を伝えていたことが大変印象的である。最後に、条例はどんな名前がいいかというワークショップの課題が出され、主に本人たちが意見を言う際に、周りから「もっとこうなの?」等と意見が出るような支え方をしていたことが印象的であった。その結果が希望の条例というすばらしい結果になったし、ここまでまとめることは大変だったと思う。感謝する。 ○委員 本条例を読むと胸が熱くなる。ただ、これからが本番で、基本的に「認知症とともに生きることに希望を持ちながら、より良く暮らしていくための」、よりよくどう暮らしていけるか、それを実現しなければいけない。その実現の方法として、希望ファイルを区は大きな柱とし、まず希望ファイルをつくる形になっているので、この希望ファイルがどのようなものになるかがとても重要である。  希望ファイルの形、運用の仕方に、本条例が生きるも死ぬもかかっていると思うので、できれば希望ファイルの形、様式だけでも早めに出してほしい。認知症になられた本人がどんな希望を持っているかを表現するものは、この希望ファイルであるので、その意思や希望がどんどん変わっていくたびに、関係者も含め、希望ファイルに書き添えていく。それがない限り、本人が希望を持って本区で生きていくことはできない。大変な作業であると思うが、そのことをお願いしたい。 ○介護予防・地域支援課長 私の希望ファイルを本当に具体的に使えるものとしていきたい。まずは案を示し、それを使いながら、よいものにどんどん変えていきたい。 ○委員 世田谷区社協がつくっているエンディングノート「私のノート」と希望ファイルの関わり方について、エンディングノートと同じでよいのかをはっきりと示さないと、混乱が起きてしまうのではないかと心配している。 ○会長 会議の中でも、その点は議論になっていた。エンディングノートと対立するものではないと思うが、混乱が生じないように、個人的な印象としては、エンディングノートは、認知症というよりも元気な方が老い支度として書いていくもので、希望ファイルは認知症、軽度な方も含め、職員、スタッフも寄り添いながら書いていけるものという印象を持った。その辺に混乱が起きないように、今後とも検討を続けてほしい。  続いて報告事項(3)ひきこもり実態把握調査の集計結果について事務局より説明願う。 ○生活福祉課長 資料4を参照願う。ひきこもり実態把握調査は、あんしんすこやかセンターの皆様にお忙しいところ調査に協力願い、感謝する。  1ページの1 主旨で、区内の40歳以上を含むひきこもりの方の状況を把握し、具体的で実効性ある支援の在り方について検討していくため、実態把握調査を、あんしんすこやかセンター等の支援機関に対して実施したので、集計結果を報告する。  2 実態把握調査の実施概要、(1)調査対象は、支援機関において把握している下記の四角の中で、こちらは、いわゆるひきこもりの方の定義であり、こちらの情報について回答してもらった。  四角の下で、また、あんしんすこやかセンターについては、センターが直接相談・支援等を行っている方の情報についても回答してもらった。実際には、ひきこもり当事者の親御さんであるケースがほとんどであるが、そういう状況についても回答してもらった。  (2)主な調査項目は、@ひきこもり対象者の状況では、性別、年齢、地域等こちらに記載のとおりである。  A支援機関としての意見等についても聞いた。  Bあんしんすこやかセンターにおいて相談・支援等を行っている方の状況も、性別、年齢、地域等こちらに記載のとおりである。  (3)調査対象支援機関及び調査実施期間は、あんしんすこやかセンター以外に支所の健康づくり課、ぷらっとホーム世田谷は生活困窮者自立相談支援センターである。メルクマールせたがやは若者支援の支援機関である。実施期間がずれているが、コロナの関係があって、機関によって忙しい時期があったので、それを避けた。  (4)調査方法は、メールで依頼し、メールで回答願う。  2ページ、3 ひきこもり実態把握調査の集計結果は別紙1のとおりで、右のページを参照願う。1 回答数は全体で323件で、内訳は、あんしんすこやかセンター128件、健康づくり課62件、ぷらっとホーム世田谷29件、メルクマールせたがや104件である。そのうち重複事例が4件あったので、実際の事例数は319件であった。  2 ひきこもり対象者の状況以下は、時間の都合で説明を省く。  2ページに戻り、4 集計結果から見えてきた検討すべき課題は、(1)性別・年齢・地域の結果から、集計結果から、性別は男性が多いが、女性も一定以上いること、年齢については10代から60代まで幅広くわたっていること、地域的にも偏在がないということで、性別、年齢、地域を限定しない幅広い支援が必要であること。  (2)病名(障害状況)又は疑い、ひきこもり期間の結果から、精神障害は疑いも含めると約6割弱、発達障害は疑いも含めると約3割で、ひきこもり期間について、10年以上の合計が37.6%と長期化していることもうかがえる。支援する立場としては、精神障害、発達障害への理解も含めた専門的アプローチ、また、長期化している方への対応のほか、早めの積極的な支援が必要である。  (3)ひきこもりに至った経緯の結果から、こちらは複数回答であるが、経緯としては、「不登校から」と「就職したが、失業したため」がそれぞれ約3割、「病気を発症したため」の病気とは精神的な病気のことになるが、こちらも3割近くで、この3つが最大要因となる。人によってはこの3つのうち2つが一緒だったりするので、そういう複合的な要因が絡んでおり、個別の対応をしっかりしていくことが必要である。  (4)対応の困りごと等の内容から、こちらは支援機関の方に自由記載で書いてもらった内容で、「本人と家族の関係、家族の状況」から、ひきこもりに関しては、当事者だけでなく同居家族との関係、同居家族にも例えば精神障害をお持ちの方がいて、同居家族にも問題を抱えているケースがあるので、同居家族も含めた世帯全体をフォローしていく必要があるということ。  (5)支援機関の連携について、今回の調査では重複事例が4事例と、想定としてはかなり少なかったと思うので、支援機関の方、連携、情報共有は現在もされていると思うが、現時点では必ずしもうまくいっていない状況もあるということで、支援機関の連携をどう図っていくか検討する必要がある。  最後の5 今後の予定は、今回の集計結果を踏まえ、庁内での検討とか有識者等の意見を聴く機会を設け、年度中を目途に、仮称であるが、「ひきこもり支援に係る基本方針」をまとめていきたい。  なお、国は社会福祉法を改正し、来年度から重層的支援体制整備事業を創設するとしている。本事業は、既存の取組に当てはまらないはざまのニーズに対応するもので、ひきこもりも一つに挙げられているので、そういった国の事業をどう活用していくかも視野に入れて取り組んでいきたい。 ○会長 意見等はないか。  今回はこれらの機関が把握して、既に何らかの相談・支援が提供されているのか、それとも把握はしているが、何もできていないケースも含まれているのか。 ○生活福祉課長 基本的には支援機関で把握しているケースを挙げており、この中でも、ひきこもり対象者と全く会えていないとの回答も多かった。把握はしているが、今の時点で支援ができていないケースも一定以上含まれる。  ただ、把握しているという意味では、把握できていない人よりは、今すぐではなくても、将来にわたって、いつかの段階で支援に入ることができるかとは考えている。 ○会長 本人と会えていないケースが43%で、支援の一番難しい領域になってくると思う。社会福祉法の生活福祉課が担当になるのか。 ○生活福祉課長 昨年度、ひきこもり支援を福祉保健領域の中でどこが担当していくか議論の上、一応若者支援課という39歳以下の生きづらさを抱えた若者の担当の課もあるが、ひきこもりの全体、8050問題もあるので、それについては生活福祉課で対応するという仕切りで今年度から対応している。 ○会長 ということは、若者のひきこもりについても、今後は生活福祉課が対応していくのか、あるいは40歳以上と分けて対応するのか。 ○生活福祉課長 それも今、担当所管で話し合っているが、若者については若者支援担当課、障害をお持ちの方については、例えば障害保健福祉課とか関係所管と連携しながら対応していく必要は当然ある。調査や基本方針の取りまとめなど、区全体のひきこもりに関する推進は生活福祉課が責任を持って当たる。 ○委員 本調査の時点では、障害者相談支援センターとか、障害分野のところは調査対象にはならなかったのか。特に別紙1の2 ひきこもり対象者の状況で、精神障害とか発達障害という方もいらっしゃる。今後、重層的な支援が必要と思うが、どうか。 ○生活福祉課長 障害者については、今、区内5か所に、ぽーと、障害支援の機関があるので、そちらを対象にするかどうかは、ぎりぎりまで判断に迷った。今回については健康づくり課のほうで、支援機関があんしんすこやかセンター、健康づくり課、ぷらっと、メルクマールであるが、重複事例が少なかったことも、逆に言うと、ある意味当然で、あんしんすこやかセンターは高齢者のお子さん、健康づくり課は障害を通じて把握しているケース、ぷらっとは生活困窮で把握しているケース、メルクについては若者を通じて把握しているケースということで、実を言うと、あまり重複があり過ぎても調査の意味がないということで、かなり重複しそうな機関は、あえて外した。ぽーとは今回、対象から外したという経緯がある。 ○委員 今回は、未成年も対象になっている。未成年の場合は学校側からの支援とか、どこに相談に行ってよいかは提示されるが、成人の場合、親御さんたちは打つ手がないように感じる。ひきこもりの相談先をもっと宣伝、広報し、行きやすいようにしていかないと、どんどん慢性化し、どうにもならなくなってしまう。 ○生活福祉課長 有識者のアドバイザー会議をした際も同様の指摘があった。日本の場合は、どうしても家族の中で解決しようとする傾向が強く、まずその意識を変えてもらうことが重要だろう。意識改革という言い方はよくないと言われたが、気軽に相談し、支援を受けてもよいのだという働きかけが重要である。また、ひきこもりに関する相談窓口について、今、世田谷区の場合、表立ってはメルクマールせたがやが、生きづらさを抱えた若者(ひきこもり等)というアナウンスをしているが、それ以外、ぷらっととか健康づくり、あんしんすこやかセンターについては、ひきこもりの相談窓口と明確に看板を掲げているわけではない。そこは基本方針をつくる際に、私は、ぷらっとあたりが中心になると考えているが、「世田谷区のひきこもりの相談窓口はここ」というような看板を掲げられるようになれればと考えている。 ○会長 このあたりは、国の重点施策の一つでもあるので、先進的な事例等も取り入れながら検討を進めてほしい。  最後に報告事項(4)児童相談所の運営状況及び社会的養育の推進に向けた取組について、事務局より説明願う。 ○児童相談所長 4月に開設した世田谷区の児童相談所について説明する。  児童相談所は子どもの分野の相談の専門機関であるが、なかなか理解いただく場面がない。運営協議会の皆様にもぜひ児童相談所の取組を知っていただきたい。  児童相談所は家族問題を扱っており、保護者が精神障害であるケース、家族に高齢者や認知症の方がいるケースも多い。そういう意味では家族問題を解決するときに、多職種間で連携をしないと家族の支援が成り立たない。そういう意味では皆さん方とも連携していく機会があると思うので、ぜひ理解いただきたい。  平成28年の児童福祉法の改正により、特別区でも児童相談所が設置できるようになった。それを受けて先行区、世田谷区と江戸川区が本年の4月、荒川区が7月に児童相談所を開設した。  児童相談所を開設することにより、今まで都の児相で切れていた予防から社会的養護の子どもの社会自立まで一貫した支援が可能となった。  開設からちょうど7か月が過ぎたが、おおむね安定した運営ができている。職員は皆経験が十分でなく、そういう意味では、私を含め任期付職員が3名採用されている。その3名は児童相談所で、専門的な立場で児童福祉とか児童相談所長を務めてきた経歴を買われて採用されている。そのほか、会計年度任用職員として、専門支援員3名を雇用し、東京都の世田谷児相から3名の職員が派遣され、引継ぎ後のフォローをいただきながら、何とか安定した運営ができてきている。  パンフレットを参照願う。場所は旧総合福祉センターの跡地に開設し、一時保護所は別の場所にあるが、強引な保護者による引取りのおそれもあるので秘匿している。  児童福祉法に基づく相談機関であるので、いろいろな相談に乗るが、資料5の2のとおり、特に児童相談所と子ども家庭支援センターの一元的運用を柱にしている。児童相談所と5つの子ども家庭支援センターを一元的に運用することによって速やかに連携し、世田谷区では切れ目のない支援を展開する、のり代型支援という形を取っている。  もう一つは通告窓口の一元化である。これまで東京都の児童相談所と子ども家庭支援センターが通告先になっていたが、これを児童相談所に一本化した。2ページ<参考1>に児童虐待通告件数とあるが、相談経路として国の通告ダイヤル189のほか、このたび世田谷区民向けに通告ダイヤルをフリーダイヤルで設けた。  開設以後、一本化の中で、児童相談所が当たる重篤なケースと、泣き声通告や面前DVの軽いものを一貫して一本で受けながら、軽微なものについては子ども家庭支援センターで対応してもらう形を取っている。児童相談所で介入して安全確認をするより、子ども家庭支援センターで困り事を寄り添って聴いていくような対応のほうが好ましいため、軽微なものには子ども家庭支援センターに対応してもらっている。  通告ダイヤル、専用ダイヤルを設け、今、8月までの数字では、189よりこちらのほうが増えてきている。  4月以降の一時保護の数は56件、そのうち一時保護所が48件である。今まで東京都の一時保護所では、子ども家庭支援センターで一時保護所が適当と判断した事例については、都の世田谷児相に連絡し、その判断を待ったが、例えば学校で子どもの顔が腫れていて、虐待の可能性が高いと、児童相談所が急行し、その場で一時保護の判断ができ、保護までの迅速な対応が可能になった。  3ページを参照願う。施設の入所状況は、東京都から引き継いだ時点では149人の子どもが施設ないしは里親に入っていたが、8月末の時点では135人に減少している。新たに10名の子どもが施設に入っているが、一方で退所が促進されている。丁寧な対応が在宅、復帰につながっているとも言えるのではと考えている。  4ページを参照願う。今、社会的養護の推進に向けた取組として、里親を増やし、里親委託を促進している。里親のための研修とかトレーニング、リクルートを今進めている。  最後に5で、児童相談所を設置すると児童福祉審議会を設置する必要がある。本年4月より児童福祉審議会を設置し、@からDに書いた部会を設けて対応している。 ○会長 質問、意見等はないか。  この部会で児童相談所の案件が出てきたのは初めてであるが、あんしんすこやかセンターでは3者一体で、どのような相談も受けていく流れの中で、児相の問題についてもいろいろ情報提供をいただいた。  ちなみに所長は任期付ということで、何年いられるのか。 ○児童相談所長 一応3年間を予定している。 ○会長 なかなか人材が少ない領域であり、末永くよろしくお願いしたい。  委員から確認事項、意見、情報交換などはないか。  なければ、事務局から次回の会議の日程について調整願う。 ○介護予防・地域支援課長 会議の日程の前に、意見用紙を紹介する。机上配付した意見用紙に、本日についての意見、質問があれば、11月11日までにファクスまたはメールで送信願う。  次回の日程として、1日しか場所等が取れなかったため、来年3月4日(木)午後7時からの開催を予定したい。皆様の都合を十分考慮できなかったことを申し訳なく思うが、よろしくお願いしたい。 ○会長 以上をもって本日の運営協議会を終了する。 午後8時47分閉会