いずみ学級 学級主事 座談会記録  座談会の概要 実施日時 平成29年3月5日(日)13:30〜14:30 実施場所 世田谷中学校ミーティングルーム 目的 学級主事にいずみ学級の活動の中で感じていることを語ってもらい、ボランティアに興味のある方の参考資料とする。 座談会に協力していただいた学級主事のみなさん 小久保さん(仮名)女性 学生 20代 学級主事暦1年 岡本さん(仮名)女性 会社員 30代 学級主事暦1年 茂木さん(仮名)男性 自営業 40代 学級主事暦13年 石野さん(仮名)男性 無職 60代 学級主事暦34年 座談会のテーマ 1いずみ学級に参加したきっかけは? 2いずみ学級に参加してみて第一印象は? 3いずみ学級に継続して参加する理由は? 4いずみ学級で大変なこと、難しいことは? 5いずみ学級のボランティアをやりたいと思っている人に一言。 1いずみ学級に参加したきっかけは? 事務局 本日はいずみ学級の学級主事座談会にお集まりいただき、ありがとうございます。みなさんが日頃活動している中で感じていることなどを、ぜひこの機会にお聞かせいただければと思います。早速、1つ目のテーマをお聞きしたいと思います。いずみ学級に参加したきっかけは、どういったものでしたか? 岡本 私は区報(区のお知らせ:せたがや)といずみ学級のボランティア募集のチラシを見て、興味を持ちました。資格が不要で「みんなで仲間として活動しよう」というメッセージに魅力を感じたのがきっかけでした。 小久保 私は、大学に事務局の方が説明に来て下さったのがきっかけです。私は社会福祉学科なんですが、障害のある方と関わる貴重な機会だと思って、他の学生と一緒に参加しました。 事務局 石野さんは最初は事務局職員としていずみ学級に参加して、人事異動後もボランティアとして残られたわけですけど、残られた理由はどういうものでしたか? 石野 私は仕事として関わっていたのは6年間です。人事異動の後も残ったのは、やっぱり居心地が良かったと言うのが1番かな。家と仕事だけじゃなくて、その間にあるような所がすごく居心地がいいという感じかな。 茂木 私は家のポストに入っていた区報を見て「ああ、面白そうだな」と思って、その日に電話をかけたのが最初です。 2いずみ学級に参加してみて第一印象は? 事務局 では次のテーマです。いずみ学級に参加してみた第一印象はどのようなものだったのでしょうか? 小久保 私たち学生が最初に参加したのは、2016年の下期いずミーティングでした。その中で1番印象的だったのは、学級主事が学級生を助けるというより、一緒に考えて「これはどうしようか」とか「ここに行きたい」とか話していたことです。私たちは学級生の方を、手助けするために行くという気持ちで来ていたので、そこにまず驚きました。いずみ学級はお手伝いとかボランティアとかって言うより、一緒に楽しんでいく所なんだなと思いました。 補足 「いずミーティング」は学級生と学級主事が日頃の活動を振り返って話し合い、みんなの想いを今後に繋げる活動です。上期と下期の年2回実施しています。 岡本 私も最初に見学した時に同じようなことを思いました。何かを決めるときに、学級生さんが自分から「これをやりたい!」と言っていて。みんなが自分でやりたいと手をあげられるっていうこと、そういう場づくりができていることがすごいなぁと思いました。それから、初めての参加なのに学級主事さんも学級生さんも「岡本さん」と呼んで引っ張ってくれて、アットホームな印象がすごくありました。 茂木 私は岡本さんが最初に参加した時のこと、すごく覚えてる。 岡本 そう、最初はスポーツ大会だったんですけど、茂木さん一緒だったんですよ。猿チームでしたね。 茂木 そうそう(笑) 岡本 なんだか初めてじゃない感じでした。「ちょっとお休みしてて、久しぶりに戻ってきたのでこれからまた参加します」みたいな感じ(笑)。 茂木 私は初めて来た時のことはほとんど覚えてないんです。ただ、今でも毎回来て思うのは、皆さん、すごくウェルカムな感じがしますね。多分初めて来た時もきっと同じで、みんなから「ようこそ」みたいな、ウェルカムな感じがあったんだろうなぁ、と思うんです。 石野 私は最初はね、水曜日の夜に、三軒茶屋で開級式の実行委員会(※)をやっていたところに行ったの。だから、誰が学級生か分からないくらい普通に話をしていて。実行委員のメンバーに会った時は、(健常者と)違いを見つけるのが大変だった。あとは当時は私も若いから、学級生が(自分の所に)来るじゃない、珍しいパンダを見るような目で(笑)。居心地良いなぁと思ったね。それが第一印象。 補足 実行委員会は学級生がいずみ学級の活動の計画や企画を話し合う会議。以前は同じメンバーが年間を通して活動していましたが、現在は活動毎にメンバーを変える担当実行委員会方式に移行しています。 3いずみ学級に継続して参加する理由は? 事務局 では3つめのテーマに移りたいと思います。多少これまでの話と関連するところもあるかと思いますが、いずみ学級にどうして継続して関わっているのか、というところをお聞きしたいと思います。 茂木 僕は最初に来た時と変わらなくて、楽しいからですね。ボランティアをしているというより、みんなと一緒に、楽しいクラブ活動に来ているという感じ。それも好きな時に来れる(笑)。 岡本 私もそのまんまかなぁ。楽しいから。みんなで楽しく作り上げていくという感じがするから。いずみ学級に来られると、平日とはまた違う時間が過ごせるかな、というのが続けている理由です。 小久保 大学では、ボランティアは団体も活動自体も「継続してなんぼ」って言われることが多いんです。なので、最初は「せっかく入ったし行かなきゃ」と思って参加していました。でもやっぱり「来たい」って思うようになったのは、皆さんおっしゃるように楽しいから。そこまでたくさん来ていないので、ちょっと申し訳ないんですけど(笑)。 茂木 全然大丈夫ですよ(笑)。 小久保 でも、いつ来ても「久しぶり〜!」という感じで、ちょっと地元の友達に会うみたいな。「お、元気だった?」みたいな(笑)。嬉しかったのが、大学でのイベントに偶然、学級生の方が来てくださった時に、「小久保さん」と声をかけてくださって。名前覚えてくれているんだな、というのがすごく嬉しくて。いずみ学級の一員でいられるんだなぁと思えました。 石野 学級生に名前を呼ばれるっていうのは、やっぱり楽しんでいるのが伝わっているからっていう感じがするよね。それと、いずみ学級は年間を通して予定が大体3月頃に決まるじゃない。だから手帳の予定に入るんだよね。そうすると、他の予定との調整はあるんだけど、年間の予定が見えるんだよね。そういう意味では楽というか。 茂木 続けやすいと言うのはありますよね。 補足 いずみ学級は年間で20回(学級主事研修を含めると22回)の活動がありますが、学級主事のみなさんには、ご自身の都合のつく範囲で参加していただいています。 4いずみ学級で大変なこと、難しいことは? 事務局 では、4つ目のテーマに移りたいと思います。今までいずみ学級の良いところをお話しいただいたんですが、逆に大変なことというのもあると思うんです。難しいな、わからないな、と思ったこと、そういうところも教えていただければと思います。 茂木 僕はですね、主事さん同士の話し合いが大変だなって思ったことはありますね。ボランティアってそれぞれ熱い気持ちがあったりするじゃないですか。その熱い気持ちがそれぞれ違うから、ぶつかり合うことってあるんだなぁと・・・。 岡本 私は学級生さんに関して、急に足が痛くなって困ってしまったことがあって。どう対応したら良いか分からなかったことはありましたね。その人の特徴とか傾向などもあると思うんですけど、どんな所に注意したら良いかっていうところはこれから課題かなと思っています。 石野 学級生は気持の問題が大きいんだよね。経験積んだら分かってくるけど、分からなかったら、こういうの(茂木さん)に任せておけば良いよ(笑) 補足 いずみ学級では、新しい学級主事はベテランの学級主事と組んで一緒に活動できるように、班分け等の工夫をしています。活動の中で困った時はすぐにヘルプを出しましょう。 小久保 学生同士の反省会の中で出ているのは、活動していて学級生さんに対して「やらせてる感」のある時があって、どうしたらいいんだろうと。1年間の料理のメニュー決めの時も、去年やったからこれでいいよね、っていう場面があって。学級生さんは去年やったカレーもすごく好きなので、「カレー食べたいよね」って言われると「はい」って言う返事になってしまうんですけど、それでいいのかなというのは感じていて・・・。 補足 いずみ学級では、年間の活動の3分の1程度をクラブ・学校毎に分かれて活動します。岡本さんと小久保さんは料理クラブに所属していて、年間の最初のクラブ活動で一年のメニューを決めます。 事務局 学生のみなさんは活動の後に自主的に反省会をしてくれていたりとか、すごく考えてくれているので、とてもありがたいですね。でもなかなか思っていることを全部言えないというのはありますよね。 小久保 結局、学生の言うことって、全部理想なんですよね。理想の状態で「これが1番良いんじゃないの」ってポンと言っちゃうんですけど、自分たちが分かっていない手間とか問題があるからこうなっているのかなぁと思って。ちょっと言えないというのがあって。そういうところも学生の課題かなぁと思います。 岡本 もちろん言葉の選び方とかタイミングとかはあるんだけれども、話してもらうことで「そういう考えもあるよね」というように、変えていくきっかけになることもあると思う。それは理想論かもしれないけど、その理想が大事なこともあるし、色々な人がいるからこそ色々なアイデアがあって、それがすごく良いのかなと思うので。 石野 ついでに言わせてもらうとね、ボランティアで来ていると言うのはそうなんだけれども、やっぱり学習に来ているんだよね。それは、学級生との関わりだけじゃなくて、他の学級主事からもお互いが学びにきている。だから社会教育でやっているんだよね。話すタイミングとか表現とか、そういうことは考えないといけないんだけれども、話すことで「あっ」という気づきが、いずみ学級にあるのが楽しいのかな、と思うんだけどね。 補足 いずみ学級は世田谷区教育委員会事務局が社会教育の事業として実施しています。ボランティアの学級主事も一緒に活動を楽しみ、学ぶということを大切にしています。 事務局 話し合うことの難しさとか、色々と活動の中で大変なところもあると思うんですけど、大変だなって思うのはその裏返しで、経験から学ぶチャンスでもあると思うんですよね。みなさん、そういうことを感じながら活動をしていただいているんだなと、改めて思いました。 5いずみ学級のボランティアをやりたいと思っている人に一言。 事務局 ではそろそろ最後のテーマです。これからいずみ学級のボランティアになりたい、学びたいと思っている人に一言お願いできればと思います。 茂木 じゃあひとことで、待ってます! 石野 いいね、そうだよね。早く顔見せてください。一緒に楽しみましょう。 岡本 楽しい経験を一緒に味わってもらいたいなと思います。 小久保 学生ってアルバイトとかあるので、先に予定出てるとすごく楽なんです。そういう意味でも参加しやすいし、ボランティアと学級生が、「してあげる」「される」って言う関係ではないんだよっていうのは、ポイントとして言いたいなと。「一緒に」ということを強調しているいずみ学級です。 事務局 皆さん、ご協力いただきありがとうございました。 おまけ 事務局からメッセージ いずみ学級は、学級生と学級主事が一緒に遊び、語り合い、楽しいことも大変なことも共有しながら共に成長していく場です。 そして、そうした場をつくっていくのもまた、学級生と学級主事の大切な役割です。 今回、4名の学級主事の語り合いを聞き、改めてこの大事な点を認識しました。 実際の活動の中にも、言葉では伝えられない楽しい体験がたくさんあります。 ぜひ、一度見学してみてください。 学級生、学級主事とともに、事務局もあなたのご参加をいつでも「ウェルカム」でお待ちしています。