令和4年第3回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和4年11月19日

ページ番号 201089

3年度決算に対する会派等の意見

3年度決算を審査するため、45名の議員で構成する決算算特別委員会を設置し、10月4日から10月18日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、決算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された令和3年度決算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団
=おぎの けんじ
公明党世田谷区議団=津上 仁志
世田谷立憲民主党区議団=いそだ 久美子
無所属・世田谷行革110番・維新=大庭 正明
日本共産党世田谷区議団=中里 光夫
生活者ネットワーク世田谷区議団=高岡 じゅん子
新風・せたがやの風=小泉 たま子
減税せたがや=あべ 力也
レインボー世田谷=上川 あや
世田谷無所属=ひうち 優子
Setagayaあらた=佐藤 美樹
都民ファーストの会=そのべ せいや
国際都市せたがや=神尾 りさ
区民を守る会=くりはら 博之
無所属=青空 こうじ

希望あふれる世田谷を築くため将来を見据えて区政を運営せよ
―自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

令和3年度は、8度に及ぶ補正予算を編成し、コロナ蔓延(まんえん)防止策、各種緊急経済対策、東京2020大会などに全庁を挙げ対応したことを評価する。しかし、新実施計画における事業の未達成率は、ここ数年の悪化傾向に歯止めがかからず66%にまでなったことは看過できない事態だ。4年度、5年度の実施計画においては確実に事業の達成率を向上するため、区長、特別職、幹部職員は、予算を浪費するだけで全く成果を出せていない現状を真摯に受け止め、最小の経費で最大の効果を上げられるようマネジメント力を最大限に発揮せよ。

今定例会において、賛成27、反対20という薄氷で可決となった地域行政推進条例について、我が会派は、条例を制定しても区民が望む行政サービスへの改善や改革は何ら実現され、かえって区民に失望を生むだけであると判断し反対した。また、地域行政推進計画も曖昧な目標や方針が並ぶばかりだ。加えて区長の言う区民に時間を返すための具体策も何ら示されておらず、行政の本気度が全く感じられない。区民が最も望むことは身近な窓口での行政サービスの強化であり、区は28箇所のまちづくりセンターで多くの行政手続や相談ができる体制、更には自宅からオンラインで様々な手続ができる仕組みの構築など区民目線に立った具体策を早急に講じよ。そして何より懸念しているのは、我が会派の再三の指摘にもかかわらず曖昧な定義のまま条文に記された「住民自治」という言葉である。行き過ぎた住民自治が地域に分断を生む可能性があることから、我々は明確な定義を定めよと求めてきた。また、条例案へのパブリックコメントには、目指すべき住民自治の姿として議会制民主主義を否定するかのような意見まで寄せられており、不安は増すばかりだ。住民自治の根幹は、区民の負託を受けた議会と区との対話であるとともに、区政運営の責任主体は執行機関たる行政であるとの基本に十分留意せよ。

次に子育て支援について意見を述べる。区は子ども・子育て応援都市を標榜(ひょうぼう)しているが合計特殊出生率が都の平均を10年以上も下回っている。区が9月に示した計画案からは少子化への危機感が見てとれ、国でも新たな子育て施策の早期展開に向け現在検討中だ。以上を踏まえれば、区が今一番優先すべき施策は出産一時金や子育て利用券の拡充など出産育児支援であることは明らかだ。今定例会で給食費無償化の議論が多く交わされたが、区では既に23区で最高水準の助成を行っている現状や無償化には20億円もの追加財源を要することなどを区長は肝に銘じ、無償化の実施可否を冷静に判断せよ。

次にふるさと納税対策についてである。4年度のふるさと納税の流出額は87億円超を見込んでおり、5年前から2.8倍もの大幅減収となっている。ふるさと納税業界の競争は激化しており中途半端な対策や行政の優等生的発想ではまず勝てない。今後は議会や民間からの提案を全て実行に移す覚悟で競争に臨め。また、区長は単に減収を抑制せよと言うのではなく、寄附額をいくら増やせと具体的な指示を徹底し早期に減収を食い止めよ。

目下のコロナ禍や物価高騰は今後も続くことが予想され、区民生活を守るためには、機を見るに敏な補正予算編成が求められる。また、5年度に向けては、3年度の特別区民税が約1240億円の高税収であったことに気を緩めず、今まで以上に実効的な行財政改革を断行し区政を前進させる必要がある。将来の世田谷を大局的に見据え、全ての区民が希望を持てる予算が編成されるよう強く要望する。

不断の決意で行財政改革を進め区民の生活と暮らしを守り抜け
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

3年度は、ふるさと納税による減収が一層拡大しており、新実施計画事業においては目標達成率が3割程度にとどまるなど現在の区政は深刻な状況にある。今こそ新型コロナや物価高騰などの難局に立ち向かうため、新公会計制度を活用した行財政改革を不断の決意で進め、現状を見極めた機動的な対策を講じるとともに経済に新たな活力を生み出す施策を打ち出せ。

以下、我が党が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、物価高騰が続く中、所得制限を撤廃した給食費完全無償化を5年度から実施せよ。また、新BOP(ボップ)の時間延長や児童館の夜間休日の活用が子どもの健全育成に資する事業となるようノウハウが豊富な民間への委託を検討せよ。

第2に、コロナ禍や物価高騰に係る支援が手薄になっている中間所得層、単身や夫婦のみの世帯に対し、国の地方創生臨時交付金を活用した区独自支援を実施せよ。また、せたがやペイを活用した区内事業者支援に引き続き注力せよ。

第3に、実効的な行財政改革の一環として、区直営と民間活用の基準を明確化し、職員の定数や配置を適正に管理する計画を策定せよ。また、「稼ぐ公共」の視点で公有財産の有効活用を推進するとともに、全事業評価を常時客観的に行う専門部署を創設せよ。

第4に、北朝鮮によるミサイルの脅威や激甚化する自然災害から区民の命を守るため、公共施設のシェルター化を推進せよ。また、在宅避難の推進に向け、住まいの実情に合った災害対応型住宅装備助成制度の創設や集合住宅に対する支援策の拡充に一層取り組め。

第5に、健康寿命の延伸に向け、介護サービスを利用しない高齢者がより一層健康維持に努められるよう、区独自のキャッシュバック制度を導入せよ。また、特養ホームなどが設置する地域交流スペースを有効活用し、高齢者が健康維持に取り組める場を確保せよ。

第6に、デジタル化に伴う情報格差を解消するにはマイナポイント第2弾やせたがやペイのポイント還元キャンペーンなど旬なタイミングを生かした区民向け操作教室を行うことが肝要だ。身近なまちづくりセンターに丁寧かつ区民に寄り添える相談窓口を設置せよ。

社会状況を的確かつ迅速に把握し区民が望むサービスを実現せよ
―世田谷立憲民主党区議団―(全ての会計に賛成する意見)

所得制限のない給食費無償化の実現など公平な子育て支援を進めよ。環境施策推進に際し太陽光パネルの大量廃棄に備え対応せよ。障害者の人権救済の制度構築と地域移行支援に注力せよ。地域と共に男女共同参画を推進せよ。世田谷の価値を高める施策を展開せよ。

次期基本計画は社会状況を踏まえた柔軟な計画とせよ。公契約条例の労働報酬下限額を引き上げよ。

せたがやペイが地元に根付く電子決済となるよう工夫を凝らせ。高齢者が自身の能力を発揮できる機会を創出せよ。労働者の権利保護と労働環境の改善に取り組め。

コロナ対策では在宅要介護高齢者の受入体制整備事業の利便性向上を図るとともに後遺症調査や感染者の登録手法を改善せよ。新BOP(ボップ)の時間延長は適切に区民ニーズを把握し質の高い施策とせよ。

誰もが快適に移動できる地域公共交通政策を展開せよ。道路予定地などの区有地を区民開放し、地域コミュニティーの活性化を図れ。

不登校特例校分教室の取組を区全体の教育改革に生かせ。インクルーシブ教育の推進に向けたガイドラインは当事者などの参画の下で策定せよ。都立高入試での英語スピーキングテスト導入は時期尚早だ。個人情報保護の徹底とともに障害や不登校生徒に配慮した対策を講じよ。学校での集金方法は現金から振込に改めよ。給食の配送トラックの荷下ろしによる交通トラブルを調査し対策を講じよ。

女性がキャリア形成しやすい社会を築け。苦情処理委員会は人権救済機関だと分かる名称に変えよ。学校主事業務は民間に委託するな。

区の予算は、区民に役立つサービスを還元してこそ意味をなすものだ。ニーズや時代の潮流に合わない施策が散見される現状を踏まえ民意を的確かつ迅速に把握せよ。

DX推進により利便性の高い行政手続の仕組みを構築する一方で職員が適宜現場に足を運び、区民と地域課題を解決するメリハリのある区政運営を展開せよ。

「看板倒れ」の政策ではなく現実的な施策を着実に展開せよ
―無所属・世田谷行革110番・維新―(一般会計には反対、その他の会計には賛成する意見)

区の重要課題への取組を示す新実施計画が達成率4割にも満たず終了したことについて、「申し訳ない」の一言で済ます区長の無責任さには返す言葉も見当たらない。世界規模の戦争や気候変動による災害への不安が高まる今、区に求められることはできもしない「看板倒れ」な政策ではなく、未来を担う子どもへの支援であり、学校給食費無償化こそ早急に実現すべき現実的施策と我が会派は考える。

DXについて区長は民間出身の副区長がいれば事が運ぶとの甘い考えだが、リーダーたる区長に明確な方向性もないままでは失敗に終わることは明白だ。DX推進には人事制度の改革こそ肝要であり、終身雇用や年功序列を見直し、ベテラン世代と若い世代双方の力を引き出しながら行政効果を最大限発揮できる組織の構築を目指せ。

最後に倫理観を欠く区長へ苦言を呈する。世田谷ナンバー導入時に区が実施したアンケートが裁判で不適切とされたにもかかわらず、違法でないため問題ないとするのは自治体の長にあるまじき姿勢だ。区長は自身の態度が区政への不信感を招くことを自覚し猛省せよ。

参加と協働貫き信頼される区政を
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

保坂区政は今期、コロナなど非常事態から区民の命と健康を守る積極的な取り組みをした。一方、行政経営改革では、ふじみ荘廃止、区立図書館への指定管理者拡大、区立保育園統廃合計画策定など住民に十分な周知・説明・合意のないまま進められている。参加と協働貫き、区民に信頼される行政経営改革に徹することを求める。

コロナと物価高騰から区民の命と暮らしを守れ。第8波に備え保健所体制や検査の拡充、オンライン診療の継続を。物価高騰に苦しむ困窮層に区独自の支援を。保育の質を守りながらの待機児解消など子育て支援を。隠れ待機児、詰込み保育の解消を。区立保育園統廃合見直せ。学校給食の完全無償化を行え。介護人材確保の総合的対策を。補聴器購入助成実施を。地域行政推進で住民自治の充実を。

命と暮らしを守る区政を運営せよ
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

第8波に備え区民にオンライン診療の仕組みを周知せよ。学校給食費を完全無償化するとともに安全な食材を使用せよ。生活困窮者への支援を充実せよ。ハラスメント防止やジェンダー平等の取組を一層進めよ。リプロダクティブ・ヘルス/ライツに係る性教育を推進せよ。ごみ処理コスト削減への意識啓発を行え。区施設のZEB(ゼブ)化を進めCO2排出量削減に注力せよ。区有地を農地化し有機農業への理解を高める場とせよ。香害の危険性を周知せよ。コロナ禍で経営難の介護事業者への支援を強化せよ。介護給付に係る基金や第三者評価を活用し介護サービスの質を高めよ。交通不便地域解消に努めよ。インクルーシブな地域づくりを進めよ。住民同士の顔が見える関係性を築き、地域行政推進条例を住民自治の推進へとつなげよ。

責任から逃れず全力で区政に臨め
―新風・せたがやの風―(全ての会計に賛成する意見)

地域行政推進条例からは区の主体性や在るべき姿が見えない。条例で用いる「包括的」の意味を限定的に解釈せず今一度確認し、区全体での意識改革を行え。参加と協働は区と区民や事業者の立場を明確化せよ。適正な手続を踏み根拠に基づく政策を立案せよ。区政の最重要課題は窓口混雑を解消し、区民に時間を返すことだ。責任者を先頭にスピード感を持って全力で取り組め。学校給食費完全無償化は、課題を多角的に捉え幅広く議論し区民が理解納得できるよう、区はしっかりと説明責任を果たせ。

賃上げや減税策を求め福祉向上
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

物価高騰が進む中、政府の対策は住民税非課税世帯への限定的支援に留まり、多くの区民は苦境に立たされている。生産性の向上と賃上げの具体策・消費を喚起する減税策の実施を求めたい。区はこうした現状を踏まえ、区民福祉向上のため賢い区政運営に邁進(まいしん)せよ。

区民の多様性に留意し施策点検を
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

常に区民福祉向上の視点に立ち、各施策では潜在的なニーズをも捉え施策推進せよ。多様性を尊重し差別を禁ずる区は外郭団体における同性カップルへの不平等な制度撤廃に向けても改善努力を怠るな。優れた行政方針も絵に描いた餅に意味はない。評価・点検の励行を。

時代のニーズに合う施策を講じよ
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

DX推進による電子申請窓口を整備するとともに情報格差対策を強化せよ。自転車の安全対策強化と官民連携によるシェアサイクル事業を展開せよ。図書館やスポーツ施設を充実せよ。公園の防犯カメラを増設せよ。仕事をしながら介護を行う方への支援を強化せよ。

幅広い視点で少子化対策を講じよ
―Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見)

出産や子育てに関連する民間の商品・サービスが拡充する今、区も待機児解消に次ぐ少子化対策を強化せよ。極めて低い区の出生率に鑑み第2子から出産費を助成せよ。適切な財源配分に向け財政を見える化し、様々な傾向分析に活用できる予算決算データをつくれ。

子どもの未来を守る社会を築け
―都民ファーストの会―(全ての会計に賛成する意見)

区民の行動制限の上に成り立った一年だったが、特に子どもや若者の貴重な時間をこれ以上犠牲にせず過度な制限は撤廃しオンラインも含め機会を拡充せよ。物価高騰が続くが安易なバラマキの前に効率化・スリム化を進め、課題は先送りせず現役世代で解決せよ。

区の将来を見据え果敢に挑戦せよ
―国際都市せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

先行きの見えない今だからこそ、機動的で柔軟な庁内体制を構築し社会状況に合わせた重要施策に十分な予算を投じる区政を展開せよ。ウォーカブルなまちづくりは持続可能な世田谷の構築につながる。産官学民でまちの将来像を共有しながら具体的な取組を推進せよ。

区民を守る対策に全力を尽くせ
―区民を守る会―(全ての会計に賛成する意見)

ふるさと納税による減収の影響を区民に周知するとともに国に抜本的な見直しを求めよ。地域交流アプリの活用を町会や自治会に促せ。社会変化に対応した障害者就労支援を展開せよ。緑化推進の目標は現実的なものとせよ。学校でのマスク着用方法を柔軟に見直せ。

安心安全なまちづくりを推進せよ
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

平和を守る取組を進めよ。地域の安全安心を守るため再犯防止の推進に力を注げ。保護司や民生委員、消防団員などの担い手の確保に努めよ。障害理解の促進に係る条例制定を機に、バリアフリー化に取り組む商店への助成事業を再開するなど障害施策を一層進めよ。


代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • 支所=総合支所 
  • フェアスタート事業=せたがや若者フェアスタート事業
  • 東京2020大会=東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会

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