令和元年第3回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和元年11月16日

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平成30年度決算に対する会派等の意見

平成30年度決算を審査するため、46名の議員で構成する決算特別委員会を設置し、10月1日から10月15日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、決算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された平成30年度決算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団
=下山 芳男議員
公明党世田谷区議団=河村 みどり議員
世田谷立憲民主党社民党=中塚 さちよ議員
無所属・世田谷行革110番・維新=大庭 正明議員
Setagayaあらた=小泉 たま子議員
日本共産党世田谷区議団=たかじょう 訓子議員
生活者ネットワーク世田谷区議団=高岡 じゅん子議員
減税せたがや=あべ 力也議員
レインボー世田谷=上川 あや議員
世田谷無所属=ひうち 優子議員
都民ファーストの会=そのべ せいや議員
区民を守る会=くりはら 博之議員
無所属=青空 こうじ議員

安全安心のまちの実現に向け都市基盤整備に全力で取り組め
―自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

台風19号の影響により、玉川や玉堤、野毛周辺の地域は甚大な被害を受けた。特に、二子玉川駅周辺の無堤防地域への堤防整備の先延ばしが重大な被害を招いたことは明白だ。これを教訓に、安全で安心な世田谷区の実現に向け、強い決意のもと道路や橋梁(きょうりょう)、下水道などのインフラ整備を一層推進するよう強く求める。

今後の100万都市世田谷を見据えた魅力あるまちづくりの実現は、「後世に誇れるまちの理想像」を思い描き、目先の課題のみに捉われずに、中長期的視点でまちづくりを推進できるか否かにかかっている。我が会派は区政課題の解決に積極的に取り組むとともに、一人ひとりが自立しながらも互いに支え合える地域社会の実現を目指し、引き続き建設的な政策提言を行っていく。

30年度決算では、経常収支比率が前年度比3.8ポイント減の79.3%と、10年ぶりに70%台に改善したが、経常経費の減少によるものではないため、景気後退に伴う減収時には経常収支比率の急激な悪化が予想される。区はより柔軟な財政構造の保持に向けて経常経費を抑制せよ。また、特別区債残高は27年度末には466億円まで減少したが、30年度末には647億円と3年で約4割も増加し、令和5年度には881億円にも上る見込みだ。玉川支所の改築や本庁舎等整備など大規模な公共事業が続くことを理由に、野方図に起債額をふやし、将来世代にツケを回すことは許されない。持続可能な財政基盤の確立に向け、特別区債に関しては償還額への影響を見きわめて計画的に発行せよ。

以下、区が重点的に推進すべき施策について意見を述べる。

行政に課せられた使命である災害に強いまちづくりの推進では、他区と比べ脆弱(ぜいじゃく)な道路基盤の整備、特定沿道建築物の耐震化率向上、都市型水害対策の強化など強靭でしなやかな都市基盤整備を進めよ。

教育、子ども施策では、子どもが国際社会で活躍するには、自国の伝統と他国の歴史や文化の理解を深める教育の充実が重要だ。「全ての原点は教育にあり」の信念のもと、地域とともに子どもを育む教育を進めよ。また教員の指導力や子どもの声に応える力を強化し、児童生徒の知力と体力の向上につなげよ。児童相談所については来年4月の開設に向け都や警察などと連携した準備を着実に進め万全の体制で臨め。さらに、保育待機児の解消や新BOP(ボップ)学童クラブの活動場所の拡大に一層取り組め。また、誰もが安心して住みなれた地域で住み続けられる地域社会の構築も不可欠だ。健康寿命の延伸や介護福祉人材の確保、高齢者の孤立防止などの施策を推進せよ。特に、認知症予防や高齢者支援の要である地域包括ケアシステムの強化には一層の力を注げ。

暮らし、コミュニティー関連では、東京2020大会に向けたホストタウン事業の充実を初め、にぎわい創出に向けた商店街振興や長期的かつ広域的な視野での新たな産業誘致など区内の雇用拡大と地域活性化に資する取り組みを推進せよ。

30年度決算を見る限り、現在の区財政はおおむね健全性を保っているが、今後は社会保障関連経費など財政需要の一層の増加が見込まれる一方、ふるさと納税による特別区税減収の拡大などが懸念されており、先行きは大変不透明な状況であると言わざるを得ない。今こそ、全ての事業を精査して、不要不急の事業は積極的に改廃し、財源の効果的かつ公平な配分の徹底を図り、手綱を緩めることなく行財政改革を確実に推進すべきだ。来年度の予算編成に当たっては、この点を十分に留意することを強く求める。

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新公会計制度を活用し一層強固な財政基盤の構築を図れ 
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

台風19号の記録的大雨は区にも甚大な被害をもたらした。被災者の生活再建に向け、迅速な対応と支援を最優先に行うとともに、一過性ではなく実践的で継続的な事前防災に力を注げ。また、気候変動に伴う自然災害を防ぐために持続可能な開発目標SDGs(エスディージーズ)の理念に基づく環境対策が必要だ。食品ロス削減を含む事業系ごみ減量など、温室効果ガス削減に力を注げ。

元年度末の特別区債の起債残高は700億円を超える見込みで3年度には基金残高を上回る見込みだ。本庁舎整備や社会保障経費の増加を見据え、今後は官民連携で集客力を高め、その収益で維持管理費などを賄える「稼げる公共施設」を整備せよ。その上で、児童相談行政や障害者支援などの公共が担うべき分野には重点的に人材や財源を措置することを強く求める。

以下、我々が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、区民の命を守る防災対策についてである。台風19号による浸水被害で表面化した多摩川の無堤防地域の解消や内水被害の検証の徹底とともに、河川や下水道の整備、雨水流出抑制対策などを一層推進せよ。風水害対策では、避難行動要支援者の避難のあり方、ペットの同行避難の受け入れ体制など避難誘導に係る課題をしっかりと整理し早急に対策を講じよ。

第2に、未来への投資についてである。区立小中学校の給食費無償化の大幅な拡充を10 月 から実施したことを評価する。新BOP(ボップ)学童クラブの開設時間延長の全校実施、休日や夜間に対応できる認可保育園の開設に向けたニーズ調査、児童相談所の開設に向けた里親養育などへの包括支援の構築、新たな児童館の整備に取り組め。

第3に、認知症施策推進条例についてである。人生100年時代を迎え認知症高齢者の尊厳の保持を第一に、地域で認知症の人を支える仕組みづくりが重要だ。神戸市の例に倣い具体的な検討に取り組み早急に骨子を固め条例を制定せよ。

第4に、自治権拡充を見据えた地域行政制度についてである。区政の最前線である地区の強化に向け、まちづくりセンター長への管理職配置を拡大するとともに、自治権拡充の必要性や目的を車座集会で区民に周知し機運を醸成した上で、本庁、支所、まちづくりセンターの役割や権限を明示した地域行政に係る条例を制定せよ。

第5に、区内産業活性化についてである。産業各分野での人材不足が懸念される中、年齢や国籍を問わずに人材の確保と育成を進めるための具体的な成長戦略を示せ。

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台風19号による被災を教訓に災害対策の強化に全力で取り組め
―世田谷立憲民主党社民党区議団―(全ての会計に賛成する意見)

さきの台風19号で区内でも多摩川の氾濫などによる甚大な浸水被害が生じ、災害対策での多くの課題が浮き彫りとなった。区民の生命と財産を守るため、避難所の拡充や区ホームページのアクセス集中対策、子連れの避難者への対応、ペット同行避難の環境整備などの課題を一つ一つ着実に解決せよ。

初めて新公会計制度での分析結果をもとに審査された30年度決算では、目標と事業目的の不一致、コスト削減の評価が不十分など多くの問題点が明確になった。全庁を挙げて改善に取り組め。

世田谷区産業経済白書と子ども生活実態調査の結果を十分分析し、労働者の処遇改善を図れ。男女共同参画社会実現に向け、管理職に占める女性の割合を高めよ。学校や家庭、カップル間、職場などあらゆる環境での暴力を根絶せよ。貧困の廃絶に一層取り組め。

ふるさと納税による税源流出への対策を強化せよ。外郭団体や活動団体への補助金の使途が適切か十分確認せよ。エフエムせたがや、らぷらす、ものづくり学校の運営事業者が適任か十分チェックし、区民との協働による事業も促せ。

梅ヶ丘拠点民間施設棟で高齢者、障害者、子どもへのきめ細かい支援が展開されるよう運営法人を指導せよ。一時預かりの拡充や幼児教育・保育無償化の対象外施設への支援に取り組み、多様な保育ニーズに応えよ。介護人材確保に向け緊急介護人の処遇改善を図れ。

台風19号で谷沢川周辺の下水道の排水処理が追いつかず、内水氾濫による甚大な被害が生じたことを踏まえ、谷沢川分水路の早期実現を都に働きかけ、雨水浸透ますや雨水貯留槽などの整備も進めよ。

池之上小の耐震改修に伴う通学路変更では、児童の安全確保を最優先とせよ。アジア諸国との国際交流を拡大せよ。秩父市で行ったSDGs(エスディージーズ)自然体験学習の取り組みは見直せ。全ての子どもがともに学ぶ真のインクルーシブ教育を実現せよ。ふるさと納税の啓発を含めた租税教育を行え。区立校で共生社会の視点を子どもに啓発せよ。教員の働き方改革を進め、教員が子どもと向き合う時間を確保せよ。

台風19号の被災者が一日も早くこれまでと同様の生活に戻れるよう、生活再建支援に全力を挙げよ。

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区長はトップとしての自覚を持ち非常時には現場に出て決断を下せ
―無所属・世田谷行革110番・維新―(全ての会計に賛成する意見)

30年度決算では、新公会計制度導入で、保坂区政のあらゆる施策の行き詰まりが浮き彫りとなった。新実施計画事業の約半数が順調には進んでおらず、区が行政の基本政策である実施計画の着実な遂行を怠っていると言わざるを得ない。

決算審査における教育委員会のほとんどの答弁が答弁と言うにはほど遠く、組織の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈された。全区立校を統括する役割をしっかり果たせているのか疑問だ。

台風19号への対応では、避難所の受け入れやペットの同行避難により大混乱が生じ、過去の災害の教訓が継承されていないことが明らかとなった。避難所開設などの非常時対応の民間委託も検討せよ。

情報提供のあり方も問題だ。区民が求める情報は避難所の空き状況など現場の生の情報だが、エフエム世田谷では音楽が流れ続けていたことにはあいた口が塞がらない。また、SNSでひたすら情報を発信することよりも、緊急事態だからこそ区長にしかできない決断があるはずだ。区長は職員を統括する立場であることを自覚し、現場に出て区民を守るために決断する存在であることを忘れるな。

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あらゆる問題を地区で解決する現場主義の体制を構築せよ
―Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見)

区民生活に責任を持つ区が、人任せや受け身の姿勢であってはならない。東京2020大会に向け、区はオール世田谷づくりを目指すとしているが、その具体的ビジョンが全く見えない。レガシー創出につながるよう各所管の役割と責任を明確にせよ。また、おもてなし総合窓口の設置に当たっては、民間任せにせず区が率先して取り組め。

認知症者が地域で安心して暮らしていくためには、警察との連携強化や個人情報を地域で共有する仕組みが必要だ。個人情報保護の観点はもとより、区民の生命と財産を守ることを重視し、安全安心のまちづくりを一層推進せよ。

地域行政の充実に当たっては、児童虐待やDVなどのあらゆる問題を地区で解決できる仕組みを構築すべきだ。児童館や区民センターなどを地区における区民の安全安心を守る拠点として位置づけよ。

東京2020大会を好機と捉え、子どもの体力の向上が着実に図れるよう、具体的な目標を定めよ。

台風19号への対応における教訓を今後の行政に生かせ。区職員が仕事への理念を持ち、意欲や想像力を高められる仕組みを構築せよ。

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災害から住民の命とくらしを守れ
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

前期の保坂区政は、保育・介護等区民の願いに応える等くらし優先の区政を進めた。区政継続を選択した区民の信託に応え、住民の命・くらしを守る自治体本来の役割を発揮せよ。台風19号被災者の生活再建に全力を挙げよ。浸水の原因究明に、専門家交えた検証と報告を。避難所となる学校体育館の非常用電源の充実を。国政では、消費税増税への区民生活の影響に対応せよ。新年度予算では、介護人材確保に全力を挙げよ。多子世帯の国保の均等割独自減免を実現せよ。子どもの貧困対策は全庁で取り組め。保育待機児解消に注力し保育士等への処遇改善を継続せよ。全区的な交通不便地域解消のため砧地域の実証運行を行え。砧図書館は区直営での継続を。民間活用は質の確保・参加と協働を進める担保と仕組みづくりを行え。

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子どもの未来を守る施策展開を
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

健全財政を維持せよ。自然エネルギーの活用を進めよ。グリーンインフラの整備と樹木の保全を進めよ。区施設への蓄電池の配備を進めよ。台風19号による被災の教訓を次期地区防災計画に反映せよ。児童相談所開設に際し、関係機関との切れ目のない連携体制を築け。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点で性教育を充実せよ。待機児を解消し保育の質も担保せよ。インクルーシブ教育を進めよ。化学物質過敏症など香害(こうがい)に係る啓発を学校で行え。池之上小改築に伴う通学路変更ではスクールバス運行などで児童の安全を守れ。介護保険の制度改善を国に求めよ。障害者差別解消に尽力せよ。グリホサートを含む除草剤の区施設での使用禁止を徹底せよ。情報公開と区民参加を進めよ。事業系ごみとプラスチックごみ削減に注力せよ。

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区民第一の区政運営を行え
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

住みよさランキング2019において、区は全国812自治体中699位であり、せたがやブランドはもはや幻想にすぎない。誤った優先順位と価値観で区政運営に取り組む区の姿勢を改めよ。来年度の予算編成に向け、全職員が区民の生命と財産を守ることを第一に職務に注力せよ。

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生命と尊厳を守る共生社会を築け
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

私の指摘で行った台風時のホームレスの避難誘導は今後も継続を。事務職員採用で外国籍を排除する国籍条項は多摩の26市では全廃だ。その廃止を区長会に提言せよ。同性カップルの区職員に平等な休暇制度を設けるなど、多様性尊重に係る条例に則した体制整備を急げ。

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風水害対策を強化せよ
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

二子玉川の無堤防地区を解消せよ。台風19号を受け、ホームページのアクセス性向上、防災無線の音声の改善、避難所開設の迅速化に取り組め。無電柱化を進めよ。下北沢に図書館カウンターを設けよ。行政手続の電子化を進めよ。区内全駅にホームドアを設置せよ。

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子育てしやすいまちを実現せよ
-都民ファーストの会-(全ての会計に賛成する意見)

公文書は元号との混同を避けるため西暦で統一せよ。主要施策の成果資料は事業効果を可視化し費用対効果に重点を置いた評価基準とせよ。保育待機児解消に尽力し、保育認定前の家庭への支援も強化せよ。子育て世代の区への転入増を見据え、子育て支援を充実せよ。

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NHKとの不要な契約は解約せよ
-区民を守る会-(全ての会計に賛成する意見)

今定例会で、区政運営における衛星契約を含めたNHKとの受信契約の必要性について指摘し、区がこれを受けてテレビの設置見直しに向けた調査をし、契約の必要性を精査するとしたことを評価する。調査を着実に進め、不要なNHKとの受信契約は即刻解約せよ。

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高齢者に寄り添った支援を行え
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

子どもたちが平和資料館での学習を通じて高齢者を敬う気持ちを育むよう、教育所管との連携を強化せよ。認知症者とその家族への相談支援の充実などに注力せよ。仮称世田谷区認知症施策推進条例の制定に当たっては、高齢者を大切にし誠意を持って検討を進めよ。

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代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • 児童相談所開設部長=児童相談所開設準備担当部長
  • 支所=総合支所
  • 東京2020大会=東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 

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