地域計画(北沢地域) 面積 8.645ku 人口の表 1、地域の特性 (1)地域のなりたちと姿 北沢地域は区の北東部に位置して、南北に環状7号線が通っています。小田急線、京王線、井の頭線、世田谷線の鉄道の結節点となっている 下北沢、明大前、下高井戸、豪徳寺などの駅は駅前商業地として商店街が形成されています。 明治期に代沢茶と呼ばれた茶栽培に代表されるように、北沢地域は純農村の姿をとどめていましたが、大正から昭和にかけての私鉄の 開通や、関東大震災の後、旧世田ヶ谷町などの東部地域に都心からの移転により人口が急増し、郊外住宅地へと大きく姿を変えていきました。 昭和の初期から昭和10年代の北沢地域の基盤整備は、区画整理や耕地整理に加えて、旧松沢村 全村に及ぶような面的な建築線指定によっても行われました。その結果、現在でも良好な住宅地として残されているところが多くなっています。 戦後の人口急増の中で、木造賃貸アパートの増加など、太子堂・北沢など区の東部地域は、木賃アパートベルト地帯(注釈)に組み込まれ、災害に弱い密集市街地となりました。このため、現在、北沢3・4丁目などの地区において災害に強いまちづくりに取り組んでいます。 地域には、室町時代の世田谷領主・吉良氏が築いた館の一部が世田谷城阯公園として残り、館跡は井伊家の菩提寺である現在の豪徳寺であ るといわれています。また、勇壮な神輿が見られる北澤八幡や代田八幡神社の祭、大きな天狗が下北沢を練り歩く天狗まつり、区の指定無形 文化財である代田の餅つきや森厳寺の針供養など、古い伝統と歴史が残されています。 (2)暮らしの姿 北沢地域は、桜上水・赤堤地区などにわずかに農地が残されていますが、ほとんど市街化されており、みどり率も世田谷地域に次いで少ない状況です。 大規模な住宅団地も少なく、住宅建替えにあたっては、大きな敷地はマンションに、小さな敷地は更に小分けされた戸建になる傾向にあります。 人口は減少傾向にありましたが、平成26年(2014年)1月1日 現 在、約14万4千人と増加に転じましたが、10年後(平成35年/2023年)は約13万5千人と減少が想定されています。 地域には、今後全学年が単学級で推移することが見込まれる小学校があり、学校の統合と学校跡地の活用の検討が進められています。 高齢化は他の地域に比べて高く、介護保険の認定者は、約6千人と増加傾向にあります。 地域では、ミニデイやサロン、自主活動グループによる高齢者に対する活動も活発です。梅丘地区では、高齢者の見守り活動に取り組んでいます。 また、都立梅ヶ丘病院跡地では、全区的な保健・医療・福祉の拠点施設が整備される予定です。 下北沢駅周辺では、小田急線の連続立体交差事業等に合わせた街づくりが進められており、 小田急線の地下化や井の頭線の改良工事、駅前広場の整備などにより駅周辺の風景は、今後大きく変わります。また、京王線の連続立体交差 事業も予定されており、明大前駅をはじめ、各駅周辺の街づくりが進められていきます。 (3)にぎわいと地域の活動 地域の事業所は約4千9百か所、従業者数約3万7千人になります。事業所は下北沢駅周辺の集積が大きく、明大前や下高井戸駅周辺にも 集積が見られます。商店の売上げは下北沢駅周辺地区で地域の商品販売額の約半数を占めています。 下北沢は、飲食店や商店のみならず、劇場やライブハウス、古着や骨董など特色のある店も多く、1年を通して音楽祭や演劇祭、伝統的な祭りなどの多くのイベントが開催され、若者をはじめ多くの人が訪れる街となっています。 北沢地域の町会加入率は約78%と区の平均約57%を大きく上回っています。 他の地域と比 較し、地震の際の危険度の高い地区も多く、町会・自治会は要援護者支援やスタンドパイプの整備など、防災や防犯活動に熱心に取り組んでいます。 北沢地区では「シモキタクリーン作戦」や「落書き消し隊」など地区の環境美化、青少年の健全育成などにさまざまな団体が一体となって取り組んでいます。 梅まつりが開催される羽根木公園は、長い歴史をもつ「雑居まつり」や子どもが自由に遊ぶ「プレーパーク」発祥の地であり、北沢地域はボランティア活動や福祉関係のNPOの活動が活発な地域でもあります。 また、「健康まねきの会」の活動や、新代田地区の「まちぐるみ運動会」など、地域の中でいつまでも健康でいきいきと暮らす取組みが進められています。 2、まちの将来像 (1)ともに支えあい、絆をはぐくみ、健康を招くまち ・隣近所、町ぐるみで常日頃からの協力、支援体制を強化します。 ・町会・自治会、商店街、さまざまな協議会、実行委員会などの連携により、要援護者支援、高齢者の見守りネットワークなど区民主体の活動を推進します。 ・都立梅ヶ丘病院跡地の保健・医療・福祉の拠点施設の整備に合わせ、地域との連携を図り、高齢者や障害者など誰もが住みなれた地域で生き生きと暮らせるようにします。 ・「きたざわ健康まねきの会」とともに、「健康きたざわプラン」を推進します。 ・児童・障害者・高齢者などの虐待やDVのない地域づくりに努めます。 ・地域包括ケアシステムの構築に取り組みます。 (2)モダンと伝統が織りなす、若さとにぎわいのあるまち ・区民主体・区民参加のイベントや区民相互のネットワークづくりの連絡会などの活動を支援し、コミュニティ形成、連帯意識の醸成に努めます。 ・子どもを育む地域活動の支援や活動団体の交流など、次代を担う子どもたちを育てます。 ・外国人などの来街者が気軽に街を楽しめるような「まちなか観光」の取組みを進めます。 ・区民の活動を支援する区民利用施設を整備します。 (3)災害に強く、安全で住みよいまち ・小田急線の連続立体交差事業、井の頭線改良工事などに合わせ、地域の方々とともに各駅周辺街づくりを進めます。 ・地下化された小田急線の上部は、防災とみどりの機軸となる空間として整備します。 ・下北沢駅周辺は、駅前広場や道路の整備により、にぎわいのある安全で安心の空間として整備し、街に新たな魅力を創り出します。 ・京王線の連続立体交差事業に合わせ、都市計画道路や駅前広場の整備、駅周辺街づくりを進めます。 ・災害に強い街づくりの進展に合わせ、不燃化特区制度*の活用などにより、防災街づくりを進めます。 ・町会・自治会の地区防災力の向上を支援し、初期消火、避難所運営などに素早い対応が図れるようにします。 ・防災・防犯、安全・安心の地域・地区づくりを進めます。 ・大学と連携し、防災時の対応や街づくり、地域の活性化などに取り組みます。 ・残された貴重な農地を保全するとともに、みどりの創出に努めます。 3、地区におけるまちづくり活動の目標(地区ビジョン) ・梅丘地区(代田、梅丘、豪徳寺) 「地域で見守り支えあうまちづくり 梅丘」 地域の誰もが孤立せず、求めているときに必要な支援が受けられるよう、相談機関、地域団体、近隣住民が繋がり、相互に顔の見えるネットワーク(地域の絆)づくりをめざします。 ・北沢地区(北沢) 「文化と生活の交差点、子どもから高齢者まで誰もがいきいきと安心して暮らせるきたざわのまち」 文化と生活が交差している環境を踏まえ、子どもから高齢者まで、誰もの心が触れ合い、気軽に挨拶をかわし互いに見守りながら安全で誰もがいきいきと安心して暮らしているまちをめざします。 ・代沢地区(代沢、池尻) 「代沢の絆が育む次代に輝く芽」 代沢で育まれてきた地域の絆を活かし、子どもの成長を見守ると共に、世代を超えた人々との交流や地域活動、代沢地区に根付いている伝統・文化・自然環境と触れ合う機会を多く体験させることで、地域に愛着を持った代沢の次代を担う子どもを育てていくまちをめざします。 ・松原地区(松原) 「地域・いきいき・支えあい( ふれあい松原)」 地域活動を充実させながら、住民同士の日ごろからのつながりを深めていきます。また、住民が互いに高齢者の支え合い活動に取り組むことにより、相互扶助への気運を高め、誰もが安心して元気に暮らせるまちをめざします。 ・新代田地区(代田、羽根木、大原) 「明るく安心、楽しく健康的な生活の出来る新代田」 外に出て体を動かすことなどを通じて、仲間や顔見知りが増え、より多くの住民同士が顔の見える、いつまでも楽しく安心して住み続けられるまちをめざします。 ・ 松沢地区(赤堤、桜上水) 「見守る・備える・つなげる、輝くまちへ!」 地域・住民が互いに助け合い、支えあい、挨拶を交わし見守るやさしいまち。災害に備え、安全で安心して暮らせるまち。子どもから高齢者まで、世代を超えて楽しく交流できる思いやりあふれる輝くまちをめざします。