青少年成城地区委員会子どもたちを見守る広報紙 平成27年秋第15号成城の風 発行者青少年成城地区委員会会長坂出雅海 事務局世田谷区役所成城出張所3482−1348 子どもたちとともに地域に生きる 青少年成城地区委員会は、子どもから青少年まで、地域の子どもたちを見守っていこうという会です。 世田谷区に28ある地区委員会のひとつで、子どもたちが、楽しみながら一人ひとりの力を発揮できるような事業を企画しています。 今年度前半、春・夏の活動をどうぞご覧ください。 委員研修(6月11日) 青少年成城地区委員会は、委員自身の資質の向上を目指して年間を通じての研修を行っています。 ひとつは活動を楽しく行えるように、委員同士を知るということ。もうひとつは青少年を取り巻く社会を勉強することです。 第一の研修として、まず年度の初めにグループに分かれてのディスカッション。今年は「私の子どものころ〜大人にほめられたこと、叱られたこと〜」というテーマで自由に話し合いました。 近所に怖い大人がいたこと、けっこう皆いたずらしたり、やんちゃをしていたことなどの楽しい告白がありました。 家で手伝いをしてほめられたという委員が多く、よその大人の一言が嬉しくて今でもよく覚えている話も出ましたが、どうも叱られた話の方がずっと盛り上がったようです。 昔は親以外の大人が子どもたちを叱っていたことを改めて思い出し、私たちも地区委員会の活動を通して子どもたちをほめたり、時にはしっかり叱れるようになりたいと思ったディスカッションでした。 また、年間を通じ委員会の最初の10分に委員の推薦団体(自治会、PTA、商店会,民生・児童委員会など10団体もあります)の紹介もしています。 各団体が成城の町、そこに住む人々のために活動していることがよくわかります。 第二の研修は講習会です。今年は昨年に引き続き(株)越谷心理支援センターの秋山邦久先生をお呼びします。 昨年は「子どもの自我の形成〜子どもはどうやって大人になっていくのか〜」という題でのあっという間の2時間でした。 単にテクニックとしての子育ての話でなく、子どもの成長過程を理解するところからの話で、各委員とも帰宅後家族との様々な会話に発展したようです。 昨年は小学生時代で時間が尽きてしまいましたので、今年は思春期の話をたっぷりお聞きします。この講演会は青少年砧地区委員会からのお誘いで、昨年から合同で行っています。 砧地区委員会にはずっと以前から地域文化祭にも協力していただいています。 これからも「地域で子どもを育てる」をキーワードに、充実した活動につなげられる研修をしていきたいと思います。(辻紀子) 素まっぷ隊・子どもワークショップ(6月27日) 私たちのまち成城は、とても自然が豊かなところです。東と西の両側に仙川と野川が流れる台地状の土地に発展したまちです。 台地に降った雨は、都内のまちでは珍しい湧き水となって流れ出ています。成城の人たちは、ずっとこの水を大切にしてきました。 今年度の素まっぷ隊・子どもワークショップは、さがそう!考えよう!成城の水をテーマに、成城のまちを東から西に横断し、川や湧き水の場所、そこにある自然の姿を探検・発見してみました。 (素まっぷとは、子どもが書き込む白地図のことです)。 水をテーマにまちを歩いてみると、あらためて様々な発見があるものです。 水の流れ、坂道、崖線など土地の高低差が実感されました。コンクリート張りの仙川と、緑豊かな野川の違い。一方、人工的な仙川には水鳥や水草など多くの自然が息づいていました。 野川からは成城の緑の台地がよく臨めました。3丁目緑地の湧き水や、喜多見不動の滝など素敵なスポットもみんなの人気でした。 橋にはそれぞれ名前があること、道路の下にも水(上水や下水、防火用水など)があること、普段は特に気にしないマンホールに用途ごとの名前や形があること、屋根に降る雨を貯める雨水タンクを備えているお宅のあることなど、子供たちの驚きもたくさんありました。 子どもたちの目線からは、大人が気付かないものも発見されます。例えば、仙川のコンクリート面にいくつか出ている水はけ用の丸い小さな穴に鳩が休んでいる姿などです。 子どもたちに言われてみなければ殆ど分からないものです。 野川の上野田橋のたもとに石橋供養塔があり「天下泰平、文化8年(1811年)」の銘が刻まれていること、喜多見不動の滝に小さな水車が回っていることなど、昔の時代を感じさせるものが残っているのもまた新発見でした。 みんな頑張って歩き、支所に戻ってから、各隊(グループ)ごと大きな地図に発見したものを書き込み、それぞれ発表しあいました。 最後に、地域に住んでいらっしゃる水の専門家の先生に講評をいただき、また、水の大きな地域循環についても教えていただきました。 水は人間に最も身近なものですが、あらためて地域と水の関連を実感し、考えることのできたワークショップでした。 この素まっぷ隊を機に、参加した子どもたちが、成城のまちの自然や文化に関心を抱き、また、地域や地球の環境を大切にしていく心が少し芽生えてきたかもしれません。(石神) 野外活動集まれ!自然たんけん隊!!(7月5日) 自然。本やTVで知っていてもなかなか本物を見て触れて感じることが難しくなっている子ども達。 身近な草花や木々、こん虫や鳥などに、改めて興味をもって見ることで新しい発見、驚きを体験してもらおう、そんな機会を子ども達に作ってあげよう!というのが集まれ!自然たんけん隊です。 今年は当日7月5日が生憎の雨天。本来は祖師谷公園で探さくするのですが、雨バージョンということで、千歳小学校の屋内での開催となりました。 小学校のご理解もあって2つの教室と廊下等のスペースも開放していただき、盛りだくさんの企画もこなすことができました。 前半はクイズラリー。自然に関するクイズが10問。 ヤマボウシの実はジャムになる、ポプラという名前は葉っぱが少しの風でもさやめくから、せきれいという鳥はほっそりしていて尾が長いって知っていましたか? 祖師谷公園で観察できる木々や鳥のことです。きっとこれから公園を歩く時は、ちょっと今までとは違った色や音を感じるのでは・・・。 後半は遊びながらいろいろ体験しよう。今年は新企画で竹に注目してみました。 @竹を切るA切った竹をコップや花瓶にするB竹の破片に絵を書いてぶんぶんこまを作るC竹のけん玉、輪投げ、竹ぼっくりに挑戦するDちょっとユニーク、バンブーダンスをやってみる。 毎回人気で定番となった木の実のパチンコ、草笛、俳句もいつも行列でした。 60名近い小学生と地域の方々(地区委員の他にもスネックス、おやじの会、若葉会等)そして中学生のボランティア。大勢の大人と子どもが一緒になって楽しみました。 閉会式での子ども達の笑顔は自然への興味、関心を深めたことを確信させるものでした。来年は太陽の下でできたら嬉しいなあ(徳岡裕美子) お知らせ せいじょうちいき文化祭は12月6日(日曜日)午前10時30分から午後3時まで 会場成城ホール(砧総合支所) 内容ステージ発表会、キッズコーナー、もぎ店ほか 参加費無料(もぎ店一部有料です) せいじょう地域文化祭は、ちいきの子どもと大人が一緒につくり、地域の交流を深めるおまつりです。 毎年、世代を超えてたくさんの来場者を迎え、会場ではダンス・バンド・楽器演奏などのステージ発表会や、子どもたちがいっぱい遊べるキッズコーナー、もぎ店など・・・ 楽しいイベントが盛りだくさんなので、家族やお友だちと一緒に遊びにきてください♪ みなさんのご来場を、スタッフ一同楽しみに待っています。 青少年成城地区委員会坂出会長と保護司鈴木さんの対談 坂出 おはようございます。「広報紙成城の風」では、地区委員会の活動を紹介するという内容が多かったのですが、直接お話を聞いて記事にするという企画は初めてです。どうぞよろしくお願いいたします。 鈴木 話は聴く方が難しいですよね。保護司というのは、聴かなければならない仕事なんですよ。 坂出 さっそくですが、保護司についてお聞かせいただけますか。 鈴木 世田谷区は警察署の管轄に合わせて4ブロックに分かれていて、約260人の保護司がいます。 坂出 お仕事の内容は、どのようなことをされているのですか。 鈴木 犯罪・非行をした人1人に対して1人で担当し、月に2回、1時間位面接します。東京の保護観察所で「月に2回保護司に会いに行きなさいよ」なんて約束をして出てくるんですね。 坂出 どんな話をするんですか。 鈴木 今どんなふうに生活しているとか、学校や仕事のこととか。私たちは、ああしなさい、こうしなさいとは言わないんですね。約束通り来てくれるかが大切です。また、保護司は地域密着なので偶然会うこともありますが、元気な顔を見られると嬉しいね。深入りしちゃいけないんだけど、ついつい焼肉にでも誘いたくなっちゃうんだよね。なんで、こんな子が罪を犯しちゃうんだろうなんて思ったり・・・。 坂出 その「なんで」という辺りのことをもう少しお聞かせいただけますか。 鈴木 僕が見ている中では、特に中学生の頃の「いじめ」から派生してくる感じはあります。それも、いじめた側とは限らないですね。 坂出 自分の子どもが、いじめられてないか心配する親は多いと思うけど、被害者と同時に加害者になる心配もあるということですね。 鈴木 右に行くか、左に行くかの違い。その違いは家族のあり方かな…。気が付くのは難しいけれど、親が気が付くかどうかというか…。 坂出 いじめる、いじめられる、犯罪を犯すか犯さないか、紙一重みたいなところがありますよね。 鈴木 僕らも大事なことは親には言いませんでしたよね。 坂出 言わなかった。いろいろありましたよね。 鈴木 私が思うにはね、自分を止める要素は、法律があるからみたいな理屈ではなく、ひらめき、そのとき親の顔が浮かぶかどうかかな。 坂出 自分が子どもの頃は、先生の顔が浮かんだな。 鈴木 それは、いい先生だったんですね。まず、親の顔が浮かぶには、うちに居場所がなくちゃいけないね。自分の部屋とかじゃなくて、優しくつつむ空間。うるさいだけじゃだめだね。くつろげる場所が必要だね。居場所は、子どもだけじゃなく誰にでも大事。それと、犯罪は夜おきるからね。昔は、9時10時に帰ったら、おやじにものすごく叱られたね。 坂出 今は塾だ何だで、10時11時に駅に子どもがいますよね。青少年は、夜11時から朝4時までは特別な理由もなく出歩いちゃいけないという条例もありますが。 鈴木 子どもの頃の親のかかわり方が大事。親も子も忙しいから、親と一緒にご飯を食べることも難しくなってきているね。 坂出 さあ、そろそろ時間になってしまいました。まとめると、「いじめがきっかけになることが多い」「衝動を止めるのは親の顔が浮かぶかどうか」「家にはあたたかい居場所、そして家族で一緒に食事をすることが必要」ということですね。それに加えて、受け皿はいろいろあった方がいいと思いますね。いろいろな大人がいて、たくさんの人とかかわることができる場があるといい。 鈴木 そうですね、親同士のつながり、地域の大人同士のつながりも大事ですね。 坂出 今日は、長い時間貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。