世田谷若者総合支援センター メルクマールせたがや 事業報告書 令和7年度 QR コード 事業運営 公益社団法人 青少年健康センター【茗荷谷クラブ】 目 次 �T.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 �U.事業概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.メルクマールせたがやの理念・体制 2.活動内容 3.世田谷区の若者支援ネットワーク �V.活動実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 1.実績数値 2.利用状況 3.相談登録ケースに関する分析 4.ティーンズサポート事業 �W.事業評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 1.アンケート結果 2.本人の声 3.家族の声 4.事例報告 1)過去の経験から自信をなくしていた本人が居場所利用につながった事例 2)本人には面会できていないが訪問を導入して肯定的な変化が見られた事例 3)家族面接を通して、家族と本人に変化が見られた事例 4)多機関連携により本人が徐々に自信を取り戻していった事例 5)個別面談を通じて過去を振り返り、傷つきをケアすることで前に進めた事例 �X.世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56 1.概要 2.「リンク」における活動実績 3.「リンク」の居場所:「むすびば」 �Y.広報・啓発活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 1.広報・啓発活動 2.視察・見学対応 【用語解説】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65 �T はじめに �T.はじめに メルクマールせたがやは、開所当初から、せたがや若者サポートステーションと共に若者総合支 援センターの1機関として、若者一人ひとりが望む自分らしい社会参加に向けた準備支援に取り組 んできました。また、令和4年4月からは、生活困窮者自立相談支援センターであるぷらっとホー ム世田谷と共同で、区内に新たに設置された世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」(以下、「リンク」 と記す)を運営することとなりました。「リンク」の開設に伴い、太子堂にあるSTKハイツに前述 の3機関で入居しましたが、その後、わずか3年で三軒茶屋分庁舎の5階に移転することとなりま した。今回の移転により、3機関がワンフロアとなり、これまで以上に意思疎通を図りながら円滑 に連携できる環境で支援活動をしています。 令和7年度のメルクマールせたがやの活動実績は、延べ相談対応件数が7,869件となり、前年度 より約1,500件増となりました。相談が増加した背景として、移転に伴い相談室が増設されたこと により、今まで以上に利用者の状況に応じて迅速に、丁寧に相談支援を実践できる環境になったこ とがあげられます。過去最多の相談対応件数を更新し続けており、継続的な支援が展開できている と言えます。一方、新規相談登録件数は減少したため、新規登録に向けたつなぎの支援が課題と考 えられます。加えて、子ども・若者支援協議会における個別ケース検討会の開催数が年間で2件と 少なかったことも、今後の課題と捉えています。世田谷区では、重層的支援協議会や新たに社会的 擁護自立支援協議会など様々な会議体が設置されております。今後は、他機関と一堂に会して情報 交換や支援方針を検討できる個別ケース検討会議の活用について、各協議会の動向を鑑みながら、 より良い会議体のあり方を検討してまいります。 昨今の若者の現状は、文部科学省の調査によると令和6年度の全国の不登校児童生徒数が約35 万4千人と過去最多を更新し続けています。また、厚生労働省から発表された令和7年の自殺の状 況では、小中高生の自殺者数は538人と過去最多を更新したと報告されています。いずれも子ども の人口数は減少しているにもかかわらず不登校者数や自殺者数は過去最多を更新しているという 憂慮すべき状況です。現代の子ども・若者にとって、今の社会は大変生きづらく、明るい希望や展 望が描きにくい社会になっている状況が示唆されます。 メルクマールせたがやでは、開設間もないころから10代の若者への切れ目のない支援を目的と して、ティーンズサポート事業に注力してまいりました。新規の相談登録件数に占める10代の利 用者の割合は、令和3年度以降4割を超える水準を維持しております。10代という人生の早期の 段階にある若者およびその家族が「支援機関に頼って良かった」、「相談してよかった」という肯定 的な体験を提供できれば、その後の人生で困難に直面したときに、誰かに前向きに頼る動機づけに なると信じて今後も重点事業として活動してまいります。 ぷらっとホーム世田谷と共同運営している「リンク」は、30代以降の方のご相談が多く寄せられ ております。世帯として複合的な課題を抱えている場合が少なくなく、「リンク」内だけでなく諸関 係機関と支援方針を協議し、できることから、つながれるところから世帯への支援を実践しており ます。一方、ひきこもりが状態像を指す言葉であるが故に多様な相談が寄せられており、「リンク」 における主たる支援対象者層を整理することも今後必要だと感じております。 引き続き、生きづらさを抱えた方が自分らしく人や社会とつながれるよう活動してまいります。 今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。 令和8年8月 メルクマールせたがや施設長 廣岡武明 �U 事業概要 1.メルクマールせたがやの理念・体制 2.活動内容 3.世田谷区の若者支援ネットワーク �U.事業概要 1.メルクマールせたがやの理念・体制 メルクマールせたがやは、一人ひとりの相談者を大切にするその理念として、3つのCHAを 掲げ、ひきこもりなどの様々な理由から社会との接点が持てず、生きづらさを抱えた方及びその 家族に対して、多様な自立や相談者の望む生き方をサポートすることを目的に、相談支援(来所・ 訪問)、居場所支援、家族支援(家族会・出張セミナー)、他機関連携を実施している。 3つのCHA −メルクマールせたがやの理念− CHANCE −きっかけ作り− 不登校やひきこもりなどで生きづらさを抱えた方やその家族を対象に、変化に向けた一歩を踏み 出す・動き出すきっかけを作るための支援をします。 CHALLENGE −挑戦・動き出し− 活動やプログラムを通じて、新たなものに挑戦していくことをサポートします。 また、利用を重ねることで、自信をもって自立に向かえるよう支援します。 CHANNEL −つながり− 他の支援機関とつながり、連携をします。人とのつながり、関係性が生まれることにより、メル クマールせたがやを利用された方が再び社会とつながることができるよう支援します。 【対象】 区内在住の中高生世代以上の方とその家族。 なお令和3年度まで、本人(p.65用語解説参照)が39歳までの方とその家族を継続的な支援の 対象としていたが、令和4年度からは、�@メルクマールせたがや利用者で40歳を迎えた方、 �A「リンク」を経てメルクマールが継続的な相談を行う方、について年齢上限を撤廃し相談支 援を行っている。相談者が18歳未満の場合、利用登録には保護者の了承を必要とする。協定 大学に在籍する学生は、住所地に関わらず利用できる(p.9 )。 【開室日・時間】 月曜日〜土曜日(祝日、年末年始は除く) 10:00〜18:00 【料金】 無料。ただし、本人に精神疾患、発達障害などの診断があり、医療機関を利用している場合は、 主治医と共有したうえで居場所を利用することになっている。また、居場所のプログラムにお いて、材料費の実費負担として参加費を徴収するものもある。 【職員】 公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士、社会福祉士、看護師などの有資格者もしくは若者・ ひきこもり支援の専門性を有する者で構成される。令和7年度は職員26名(常勤9名、非常勤 17名)、開室日平均12〜13名の人員体制であった。 2.活動内容 1)相談支援 相談支援は、来所相談、訪問相談、出張相談を展開している。インテーク(初回面接)にて相談 者の話を丁寧に聴き、本人及び家族の悩みや心配事、要望などの相談内容を把握する。相談を継 続する中で問題・課題の解消に向けた適切な支援を行っている。来所による個別相談は担当制で 実施しており、家族からのみの相談も行う。 訪問相談は、原則本人・同居家族の了解を前提とし、家族から本人の状態、家庭での生活状況 などの情報収集を行い、本人とつながることを目的として実施している。必要に応じて、他機関 と連携して訪問を検討し、実施する。 出張相談は、メルクマールせたがやの相談員が区内関係機関・公共施設に出張し、区内遠方 地域での相談支援、他機関とのより円滑な連携を目的に行っている。令和2年6月より区内5 つの総合支所の区民相談室を利用した出張相談会を開始したが、三軒茶屋駅近隣に移転して交 通の利便性が高まったことから、令和6年度からは世田谷地域を除く4地域(北沢・玉川・砧・ 烏山)で実施している。また希望丘青少年交流センター「アップス」における出張相談は、平成 31年2月より開始し、毎月第2木曜日に実施している。いずれの出張相談も1回30分程度の 相談を受けている。ひきこもりなど生きづらさを抱え遠方からの利用を負担に感じる方にとっ て、身近な場所で相談できる機会となっている。 (アップス出張相談会) (総合支所出張相談会) 2)居場所支援 居場所は社会参加のきっかけづくりのために通うことのできる 交流の場である。居場所への参加は、グループ登録制としている。 登録制の居場所にすることで、ひきこもりなどの生きづらさを抱え た若者が安心・安全感を持ちながら他者との交流体験を積み重ねて いく場となっている。 【対象】 メルクマールせたがや利用者で、居場所登録をした39歳までの若者 ※居場所登録をせずに参加できるオープンプログラムも月12回程度開催(メルサポ2回含む) 【開室日・時間】 月曜日〜土曜日(祝日、年末年始は除く) 午前の回 10:30〜12:30 午後の回 14:00〜16:00 ※イベントの際はこの限りではない 【活動グループ】 グループ名 活動日 説明 Morningグループ 火AM 金PM 人数制限のないグループ。活動日は週1〜2回。 Dayグループ 金AM 火PM 人数制限のないグループ。活動日は週1〜2回。 First Stepグループ�@ 水PM(隔週) 定員5名程度の少人数グループ。活動日は隔週1回。 First Stepグループ�A 月PM(隔週) 定員5名程度の少人数グループ。活動日は隔週1回 令和7年度は4つのグループで活動した。利用者は登録の際にいずれかのグループに所属す る。メンバーが固定されている活動グループの他に、グループ制限のないフリータイム、イベン トや居場所登録者以外でも参加可能なオープンプログラムを実施している。 【オープンプログラム】 グループ登録前に参加可能なプログラム。居場所登録を検討しているが参加している利用者の 様子や居場所の雰囲気がわからなかったり、どのように過ごしたらいいか不安を抱えていたり する方向けに、簡単な運動、座学形式の講座、クラフトや近所の散策など、興味・関心のある ものから参加しやすいようプログラム内容を工夫し実施している。 【メルサポ】 若者の中には、「支援」「相談」に対して構えのある方がいる。そこで、相談を経ずに予約もな しで「気軽にふらっと立ち寄れる居場所」として、平成30年度より世田谷若者総合支援セン ターをともに担う就労支援機関のせたがや若者サポートステーションと共同で実施している。 毎月祝日を除いた第2、4土曜日に実施した。主に2機関の利用者が集う場所となり、様々な 段階にいる参加者同士の交流が図られている。 (メルサポチラシ表) (メルサポチラシ裏) 【居場所スケジュール】 イベントやプログラム名を記載した居場所スケジュールは、毎月作成して利用者に配布・周知 している。 カレンダー (令和7年10月号) 3)家族支援(家族会) 家族会には、講演会による「学び」、家族同士の「交流」の 2つの要素がある。特に、家族同士の交流は家族会 特有の機能であり、家族のピアサポート(p.65用語解説参照)の場となっている。「学び」となるセミナ ーは、これまで参加者の多かったテーマや参加者のアンケートなどを参考に年間でテーマを考え、ス タッフや外部講師による家族セミナーを開催している。「交流」となる交流会は、交流会をメインとし た回やテーマが交流会に沿う回にて適宜実施している。 他機関とつながりがなく、悩みながらも個別相談へのハードルが高いと感じて孤立しがちなご家族 に向けて、聴講で参加できる家族会は支援機関へとつながる入口機能となり、孤立防止と早期介入を 目的に行っている。 【対象】 区内在住のひきこもりなど生きづらさを抱えた方の家族(年齢は問わない) 【開催日・時間】 毎月第3土曜日 10:30〜12:30 (※8月を除く) 令和7年度より、3月は出張セミナーとの合同開催となった 【令和7年度家族支援実施内容】 テーブル 4)出張セミナー 出張セミナーは、メルクマールせたがやがある世田谷地域以外の4地域(北沢・玉川・砧・烏山)で の利用者の開拓・利用促進、若者支援・ひきこもり支援の普及啓発・広報活動を目的としている。 平成 28 年度より、世田谷若者総合支援センターとしてせたがや若者サポートステーションと共同 で開催しており、これまで精神科医やファイナンシャルプランナーなどによる講演を行うことにより、 地域の方々に事業を理解してもらうきっかけにもなっている。 【対象】 対象要件なし。ただし、定員に達した場合は区民優先とする。 【開催日・時間】 年4回 13:30〜16:00 ※3月は14:00〜16:30 【令和6年度出張セミナー実施内容】 第1回 令和7年6月14日 砧区民会館集会室A・B 「子どもの心の理解と対応」 講師:栗田明子氏(医学博士・公認心理師) 第2回 令和7年9月6日 梅丘パークホール(北沢区民会館別館) 「働けない子どものライフプラン〜親亡き後の生活設計〜」 講師:村井英一氏(ファイナンシャルプランナー) 第3回 令和7年11月29日 烏山区民会館集会室 「子どものサポート 〜親にしかできないこと、親だからしにくいこと〜」 講師:柴田泰臣氏(就労移行支援事業所ビルド神保町施設長) 第4回 令和8年3月21日 玉川区民会館第4・5集会室 「不登校とひきこもりの対話的支援」 講師:斎藤環氏(筑波大学名誉教授) 5)他機関連携 他機関連携は、「つながる・つなげる支援」として社会への自立の一歩、暮らしやすさを支援す る上で必須である。世田谷区は、子ども・若者支援協議会(次項参照)を設置しており、メルクマ ールせたがやがこれまで実務者会議となる「不登校・ひきこもり支援部会」の事務局を務めてき た。令和7年度は、会の名称を「若者等支援部会」と変更し、不登校・ひきこもりに限らず幅広 いテーマを取り扱っていくこととなった。区内には就労、障害、生活などの支援機関が多く存在 し、各協議会のネットワークおいて、本人のニーズにあった適切な機関と顔の見える連携を目指す。 また、世田谷区と区内大学とで若者支援に関する協定が結ばれ、平成27年度よりひきこもり などの学生支援、若者の身近な居場所づくりを進めている。令和7年度現在、昭和女子大学、日 本大学文理学部の2校との連携を実施している。 ダイアグラム, タイムライン �@個別ケース検討会議 複合的問題を抱える利用者の支援には、多機関・多職種が互いの専門性を活かし合うことが 大切となる。機関同士の情報交換や支援状況の共有、支援方針の決定、役割分担などを目的に 開催する。 子ども・若者支援協議会と重層的支援協議会のもとに位置づけられた担当者レベルでの会議 のため、出席者は各機関における実務担当者を中心に構成される。会議の内容や知り得た情報 には守秘義務が課せられる。メルクマールせたがやは、世田谷区の子ども・若者指定支援機関 として、子ども・若者育成支援推進法に基づく個別ケース検討会議を開催することができる。 �Aせたがや若者サポートステーションとの連携 せたがや若者サポートステーションとは、世田谷若者総合支援センターを担う機関として、 密に連携して若者支援に取り組んでいる。同じ建物という立地条件を活かし、文字通り担当者 同士の「顔の見える連携」ができることで迅速な対応につながっている。 また、世田谷若者総合支援センターとして、合同での出張セミナー(p.8)、「メルサポ」(p.6) や心理教育的なワークショップを中心とした「ここらぼ」などの居場所プログラムを開催して いる。 6)医療相談 令和7年度から新たな取組みとして、外部の精神科医による医療相談を開始した。医療相談で は、主に利用者面談、スタッフ向けの事例相談や精神医学に係る講義を行った。 利用者面談は、精神科医師との面会が肯定的な体験になることを目的に、原則担当相談員が同 席のもとで利用者が医師に相談する場である。あくまで相談であり、診察・診療の場ではないこ と、普段利用しているメルクマールせたがやで医師と面会できることから、精神科医療機関への 受診の前段階として活用している。スタッフ向けの事例相談や精神医学に係る講義は、医師から の精神医学的な見立てを得られる場、精神医学の知見を学ぶ研鑽の場となっている。 若者支援、ひきこもり支援において、本人・家族が精神的な不調を抱えながらも精神科医療に 対して抵抗感や不安から未受診の場合がある。メルクマールせたがやは、中学生年齢から20代 までの若年層の相談利用登録者割合が全体の7割と高く、精神疾患の好発期にある利用者が多い ことから、精神医学的なアセスメントの視点は重要であり、医療相談の場で精神科医師に相談で きること、精神医学に係る研鑽の機会があることは支援の質の向上につながると考える。 令和7年度における医療相談は年4回実施した。そのうち、利用者面談は4件であった。医療 相談を経て、受診に結び付いたケースが2件、受診にはつながらなかったが、医療受診のイメー ジをもつことができたケースが1件あったことから、精神科医療に対する受診のハードルが下が ったと考えられる。令和8年度においても年4回実施する予定である。 3.世田谷区の若者支援ネットワーク 世田谷区は、平成27年2月に子ども・若者育成支援推進法第19条に基づき、主に区内の子ど も・若者支援に関する機関の連携を円滑に進めることを目的とした「世田谷区子ども・若者支援 協議会」を設置した。会議体は代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議に区分される。機 関同士の情報共有、支援内容の協議など関係機関連携を強化することにより、ひとつの機関で区 内の若者を支援するのではなく、区全体で総合的かつ継続的な支援を実施するためのネットワー クが構築されている。 メルクマールせたがやは、子ども・若者育成支援推進法による子ども・若者指定支援機関とし て、実務者会議となる「若者等支援部会」の事務局を務めている。 1)若者等支援部会の主な取組み 若者等支援部会は、前身の不登校・ひきこもり支援部会を踏襲し、主に10代の若者に係る支 援機関や教育機関で構成される。令和7年度は、新たにヤングケアラーコーディネーター、せた エール、ゆうカフェが加わった。 令和7年度に開催された全3回の内容は表の通りである。令和7年度は「子どもや若者の非 行・犯罪」をテーマとして、各回で話題提供および意見交換を行った。参加している委員が積極 的に意見・発言を交わす区内外の支援情報の共有の場となっている。各機関の顔つなぎの場とし て機能し、構成機関同士の連携が強化されている。 また、毎年度各構成機関の支援活動の理解を目的として、構成機関別事業一覧を作成している。 第1回 7月 3日(木) 第2回 10月 2日(木) 第3回 2月 26日(木) 【内容】 ・部会説明 ・各機関の紹介 ・話題提供:「コロナ禍を経ての青少年の現状」 講師:青少年健全育成支援相談員 金指 宜和氏 ・グループディスカッション 【内容】 ・話題提供�@少年犯罪の現状について 講師:北沢警察署生活安全課少年係警部補 渡辺 康芳 氏 ・話題提供�A犯罪・非行等からの立ち直り支援について 講師:北沢補導連絡会副会長・保 護司 金子 健太郎 氏 ・グループディスカッション 【内容】 ・話題提供�@少年センターの概要や事例等について 講師:世田谷少年センター心理技術職員 大竹 詠子 氏 ・話題提供�Aトー横の若者たちの現状等について 講師:世田谷区立山野小学校PTA会長 諸橋 幸子 氏 ・グループディスカッション 【若者等支援部会構成機関】 保健福祉センター保健福祉課教育総合センター教育相談課特定非営利活動法人 まひろ(エリア・ワン) 保健福祉センター健康づくり課都立世田谷泉高等学校NPO法人日本子どもソーシャルワーク協会 保健福祉センター子ども家庭支援課都立中部総合精神保健福祉センター 生活福祉課都立松沢病院 障害保健福祉課ぷらっとホーム世田谷※一般社団法人ヤングケアラー協会 子ども家庭課野毛青少年交流センター 児童課希望丘青少年交流センター「アップス」 児童相談支援課池之上青少年交流センター(事務局)メルクマールせたがや 世田谷区児童相談所世田谷区発達障害相談・療育センター「げんき」(事務局)子ども・若者支援課 世田谷保健所健康推進課NPO法人東京都自閉症協会 みつけばハウス※令和7年度新規構成機関 ※認定NPO法人ブリッジフォースマイル せたエール ※公益財団法人プラン・インターナショ ナル・ジャパン ゆうカフェ 【世田谷区子ども・若者支援協議会説明図】 ダイアグラム �V 活動実績 1.実績数値 2.利用状況 3.相談登録ケースに関する分析 4.ティーンズサポート事業 �V.活動実績 1.実績数値 平成26年度から令和7年度までのメルクマールせたがやの実績数値は表の通りである。 メルクマールせたがや【令和7年度利用実績】 H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 メルク対応件数2613248555150478529523585577549545494504530502562637842515 リンク対応件数※150710211184968511010395123131116187149126170149142032663958766334574614633688672672676610691679628732786946718H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 4564484564534574654584544594524504428561168569514124473426761133446531021418104118210610690691448456453457465458454459452450442442H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 131731306119692108103122101120145125126124120148143417109H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 17611400100001000021937388835951049787451083982271261222021212228232824262932296173675033314285373547H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月*7月8月9月*10月11月*12月1月2月3月*合計累計 15762452861012251838159121614582272334*:出張セミナー実施月 H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 906971747680818083828282242463522475114110533356175374723015102121023829769717476808180838282828533698076964778827682696778727068758645736141555022111113164427273351086274649808377837068817376727989160091329168001510168142116181212201621587H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 1012623222232322332281788992261831717141321192818162127172281536H26~R4年度 合計 R5年度合計R6年度合計4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計累計 101212111111111111124627594644564443446755187 実施回数 延べ参加者数(再掲) 延べ居場所利用者数 メルサポ 実施回数 延べ参加者数 むすびば 累計件数(来所・訪問・出張相談) 家族会の参加人数 延べ参加者数 ティーンズサポート事業 ※平成28年度より開始 先月末日の累計登録ケース数 当月中の新規登録ケース数 当月中に終結したケース数 (20代に達したケースを含む) 当月末日の登録ケース数 延べ相談件数(来所) R2年度までは訪問・出張相談含む 延べ相談件数(訪問/出張相談) 他機関主催の個別ケース検討会議の出席数 2474訪問相談実施件数(延べ人数)※2 出張相談(4支所・アップス)※3 実施件数(延べ人数)   ※2:平成26年度〜令和元年度の訪問実施件数は、希望丘青少年交流センターの出張相談を除く件数  ※3:令和2年度〜令和5年度までは5支所 個別ケース検討会議の開催数 登録ケース数の増減について(実ケース数) 先月末日の累計登録ケース数 当月中の新規登録ケース数 当月中に終結したケース数 当月末日の登録ケース数 活動ルーム(居場所機能)の延べ利用人数 延べ利用者数(延べ人数) アウトリーチ関連数値 ※1:リンク対応件数:「リンク」の相談にメルクマールせたがやの職員が対応した相談件数 延べ相談対応件数(単位:人) 延べ相談対応件数 合計 1)相談支援 �@新規相談登録件数 N=76 N=85 新規相談登録とは、インテーク(初回面接)を行った後に受理会議を実施し、メルクマールせ たがやで受理したケースのことを指す。令和7年度新規相談登録件数は76件であり、月平均 では6.3件であった。件数が近年減少傾向にある理由としては、令和4年度の「リンク」開設 に伴い、これまでメルクマールせたがやの新規相談で受けていたであろう一定数の層が、「リ ンク」の新規相談に流れている可能性が考えられるが、引き続きの検証が望まれる。 また令和7年度は新規相談登録件数76件の内、20代が47%(36件)と最も割合が高く、次に 高校生世代以上10代が30%(23件)と高値を示していた。中学生世代は13%(10件)、30代は 7%(5件)、40代以上は3%(2件)だった。令和6年度に比べると「中学生世代」の割合が増え ている。中学校に在籍している間に早期介入することで、切れ目のない支援ができるという意 味で意義が大きいと言える。 平成26年開所から令和7年度まで、新規相談登録ケースの年齢分布の推移について上図に 示す。20代は年度毎にばらつきが見られるが、30代は令和4年度から約1割となり開所当初 と比べて減少傾向にあり、令和4年度に「リンク」が開設したことによる影響が考えられる。 一方10代の割合は令和元年度に一度減少しているが、再び増加している。新規相談に関して は、若年齢化が進んでいると言える。 �Aひきこもり者数割合 N=76 N=85 次に、ひきこもり者数割合について上図に示す。メルクマールせたがやでは、これまで将来 ひきこもりに移行する可能性のある6ヵ月未満の準ひきこもりを含めてひきこもりと定義し て支援してきた。令和7年1月に厚生労働省から発行された「ひきこもり支援ハンドブック〜 寄り添うための羅針盤〜」では、ひきこもり支援の対象者はひきこもり状態の期間を問わない ものとされたことから、メルクマールせたがやのひきこもりの定義が国の方針と合致することとなった。 令和7年度新規相談登録件数の内、ひきこもり状態は47%(36件)だった。平成26年の開所 から令和2年まで新規相談登録件数のうち、ひきこもり状態にある利用者の割合は約6割を維 持していた。令和3年度以降は、ひきこもり状態ではない「それ以外」の割合が上回ることも あり、傾向が変化しつつある。これは、新規相談登録に占める若年層の割合が高くなり、第三 者との接点が保たれているなどひきこもり状態になる前に早期に相談登録利用につながることで、 ひきこもり状態の割合が低くなったと考えられる。 *ひきこもりの定義(厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」より) 様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での 交遊など)を回避し,原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他 者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念。 *ひきこもり支援対象者の考え方(厚生労働省「ひきこもり支援ハンドブック」より) ひきこもり支援における対象者とは、社会的に孤立し、孤独を感じている状態にある人や、様々 な生きづらさを抱えている状態の人となります。それぞれ一人ひとりの状況は違いますが、具体的には、 ★何らかの生きづらさを抱え生活上の困難を感じている状態にある、 ★家族を含む他者との交流が限定的(希薄)な状態にある、 ★支援を必要とする状態にある、 本人やその家族(世帯)です。 また、その状態にある期間は問いません。 �B終結件数 終結とは、就労や就学、他機関の利用など様々な理由でメルクマールせたがやの利用を終了 したケースを指す。令和7年度の全終結件数は90件だった。月別に見ると4月が14件と最 も多く、新年度を迎えて新たな所属先を見つけたタイミングで終結を申し出る場合が多かった と考えられる。終結理由などに関する詳細は、終結理由内訳(p.31)にて述べる。 �C延べ相談件数 延べ相談件数は、来所相談、訪問相談、電話・文書対応などあらゆる方法での相談件数を合 計した数値である。令和7年度は、月平均約656件の相談対応を行った。 平成26年度開所から令和7年度までの延べ相談件数を上図に示す。平成29年度以降、延 べ相談件数は年間3,000件を超える数値で安定している。一方、令和3年度以降は相談件数が 約500〜1,000件増加しており、令和7年度においては令和6年度に比べて1,535件増加した。 新規相談登録件数が令和6年度より減少している状況の中でも延べ相談対応件数が増加した 背景には、�@非稼働ケースを整理したことで事務負担が軽減し、継続相談の対応を充実させる ことができたこと、�A移転に伴う相談室の増設により、相談頻度を上げるなど実施回数を増や すことができたことなどが影響していると考えられる。 �D延べ訪問相談・出張相談件数 訪問相談件数とは、利用者の自宅への訪問相談と、こころスペースや関係機関に出向いての 出張相談、関係機関への同行など、メルクマールせたがや以外の場で相談を実施した延べ件数 である。メルクマールせたがやのスタッフが、「リンク」として対応した訪問や出張相談、関係 機関への同行などの件数も含まれる。一方、出張相談件数とは、希望丘青少年交流センター「ア ップス」と世田谷区役所4支所で相談を実施した延べ件数を示している。 令和7年度の延べ訪問相談・出張相談件数は343件であった。令和6年度と比較すると32 件増加している。出張相談会場別件数については次の表の通りである。 【令和7年度 出張相談会場別相談件数】 会場 利用者(人数) 関係機関(人数) 合計 (人数) メルク リンク メルク リンク 北沢総合支所 8 0 0 0 8 玉川総合支所 3 0 1 0 4 砧総合支所 16 0 0 0 16 烏山総合支所 3 4 0 0 7 希望丘青少年交流センター 「アップス」 12 0 0 0 12 合計 42人 4人 1人 0人 47人 平成31年2月より、希望丘青少年交流センター「アップス」での出張相談を月1回定例で 実施しており、令和7年度の延べ相談人数は12名であった。また、各総合支所の区民相談室 における出張相談は47名の利用であった。令和5年度からは、「リンク」相談についても、出 張相談の活用を開始しており、令和7年度は利用者と関係機関を合わせた延べ相談人数は4名 であった。 メルクマールせたがやの利用者の中には、健康面・体力面に不安のある方なども多い。長 距離の外出が困難な方にとっては、定期的な出張相談会が相談の入口として機能していると 考えられる。 上図に開所以降の年度別訪問相談実施件数を示す。令和7年度の訪問相談実施件数は296件 と過去最多だった。上図から、令和3年度までと比較し令和4年以降は訪問相談件数が増加し ていることがわかる。この結果は、令和4年度以降の訪問相談件数に「リンク」として対応し た訪問相談が加算されたことが理由と言える。ひきこもり当事者の中には様々な課題が複雑に 絡み合っている状況にいる方が多く見られる。当事者や家族の方などから支援機関へつながる ことが難しい場合もあるため、支援や資源を届けるために支援者側が出向くことも必要である。 2)居場所支援 延べ居場所利用者数 令和7年度のメルクマールせたがやの居場所登録者数は、年度内に終結したケースを含めて 73名だった。延べ居場所利用者数には、登録制の居場所活動、居場所登録不要のオープンプロ グラム、登録・相談不要のメルサポの利用者数が含まれる。令和7年度の居場所延べ利用者数 は1,434名で、令和6年度と比較して238名増加した。利用者数増加の背景には、令和7年度 は利用者のニーズに沿ったプログラムを企画するよう心掛けたこと、個別面接で積極的に居場 所導入を検討したことなどの取り組みの成果と考えられる。 令和7年度は、Morning GroupやDay Group、First Stepなどの登録グループにおいて、 利用者と話し合いながら活動内容を決める「グループ企画」を実施する頻度が高かった。また 区外遠方や美術館などへの外出系プログラムを企画してほしいという声が多く、各グループの 参加者が積極的に外へ出て活動範囲を広げようとする姿勢が見られた。 3)家族支援 家族会・出張セミナー参加者数 開催なし ※出張セミナー実施月 6月、9月、11月、3月 令和7年度の家族会・出張セミナー延べ参加者数は227名であった。令和6年度286名と比 較すると59名減少したが、令和7年度は4月が家族交流会だったため定員が10名だったこと、 3月に家族会と出張セミナーが合同で開催されたことなどが影響したと考えられる。また、出張 セミナーは、3月の斎藤環氏による講演が参加者数58名で最も多かった。 令和6年度のニーズ調査において、家族交流会を求める声を多く寄せられたため、令和7年度 は「ひきこもり家族交流会 我が家の場合〜これってうちだけ?〜」を実施した。交流会後のア ンケートにおいては全10件中「よかった」が9名、「ややよかった」が1名と、満足度の高い会 であった。交流会を継続してほしいという声も多かったため、令和8年度も引き続き交流会を実 施していく方針である。 2.利用状況 1)相談登録者 以下には、令和7年度中に相談登録のあった532件の利用状況を示す。 �@ 年齢分布 N=532 N=558 相談登録における利用者の年齢分布を示す。20代が50%を占めており、中学生世代が2%、 高校生世代以上10代が17%、30代が25%、40歳以上が6%となっている。全ての世代にお いて、令和6年度と大きな差はなかった。 �A 男女比率 N=532 N=558 相談登録における男女比は男性が61%、女性が39%と、男性の割合が高い。平成26年度は 男性56%、女性44%だったが、男性の割合が増えており、平成29年度以降は6割以上が男性 となっている。また令和6年度と令和7年度とで男女比は同じ割合となった。 �B年代別性別登録者数 N=532 相談登録における年代別の性別登録者数は、すべての世代で男性が女性を上回っていた。 2)居場所登録者 年代別性別居場所登録者数 N=73 令和7年度の居場所登録者においては20代と30代が多かった。また、男女比が20代以外 は男性の割合が高かった。中学生世代の居場所登録者が開所以来いないことについては、中学 校に在籍中であること、支援機関として教育相談室、ほっとスクールなどの選択肢があり、メ ルクマールせたがやの居場所利用のニーズが低いためと考えられる。10代の居場所登録は3 名と令和6年度と同数だった。10代の居場所活動についてはp.37で述べる。 3.相談登録ケースに関する分析 以下に、令和7年度中に相談登録のあった532件に関するデータを示す。 1) ひきこもりなどの背景要因 N=532 相談登録ケースにおける背景要因を示す。この表は、相談登録532件の内、背景要因となる各 項目の割合を示している。「精神障害」「発達障害」は医師からの診断があるもの、「知的障害」は 医師からの診断があるか愛の手帳を取得しているもの、「精神障害の疑い」「発達障害の疑い」「知 的障害の疑い」については明確な診断がない、もしくは現在医療機関にかかっていないがそれら の障害が疑われたことがあるものとしている。 割合が高いものから、心理的要因の「自己肯定感が低い」が73%、「不安、恐怖感が強い」が 71%、社会的要因の「対人関係の躓 つまず き」が69%、となっている。また、生物学的要因では、疑い を含め「精神障害」が51%、「発達障害」が50%であった。 令和元年度より、ひきこもりなど利用者の抱える生きづらさについて、「生物・心理・社会モデ ル」(p.65用語解説参照)に沿って各項目の割合を出している。ひとつの項目や領域に偏ることは なく、利用者が抱えている背景が多様かつ複合的であることが示された。また、心理的要因の項 目は全体的に割合が高いこと、家族関係や対人関係などの人間関係に関する項目が高いため、ひ きこもり支援においては心理学的視点や関係性の視点をもつことが重要であることが示された。 2)主訴分類 主訴分類とは、インテーク時点における申込み用紙への記載や話の内容を基に、相談員が主訴 と見なしたものである。 令和7年度の相談登録532件の主訴を本人・家族で内容別に集計したところ、本人は就労・就 学(例:「今後の進路について」)が最も高かった。次いで対人関係(例:「人と関わる機会を持ちた い」)が多くなっている。家族の主訴は家族関係が最も多く、次に就労・就学の割合が高かった。 【令和7年度主訴分類】 【令和6年度主訴分類】 本人 家族 対人関係 90(27%) 50(13%) 健康面 35(11%) 11(3%) 生活面 60(18%) 29(8%) 就労・就学 125(38%) 120(31%) 家族関係 19(6%) 167(44%) その他/不明 2(1%) 5(1%) 合計 331 382 本人 家族 対人関係 92(26%) 62(15%) 健康面 32(9%) 14(3%) 生活面 70(20%) 34(8%) 就労・就学 125(36%) 140(34%) 家族関係 26(7%) 160(38%) そのほか/不明 6(2%) 6(1%) 合計 351 416 3)ひきこもり期間 N=295 上記のグラフは「ひきこもりなし(N=237)」を除外した295件におけるインテーク時点でのひ きこもり期間の割合を示している。割合は「1〜3年」が最も高く30%、次いで「7年以上」が 19%、「6ヵ月未満」が16%、「3年〜5年」が14%、「6ヵ月〜1年」が12%となっている。「不 明」とは断続的にひきこもり期間が見られ、正確なひきこもりの経過を示すことができないものである。 ひきこもり期間が比較的短い3年未満の割合は、開所以来徐々に増加しており令和7年度は 58%の割合を占めた。ひきこもり状態が早期の段階で利用につながってきていると考えられる。 4)地域別分布 N=532 相談登録532件における居住地域一覧を示す。メルクマールせたがやの所在地が世田谷地域 であることもあり、世田谷地域から来所する利用者が34%と最も高く、次いで玉川地域26% という順になっている。世田谷区の地域別人口の割合と比較すると、ほぼ同様の割合となって おり、区内全域から利用につながっていると考えられる。 メルクマールせたがやの所在地から遠方にあたる烏山地域は、9%と最も利用が低い地域と なっているものの、地域人口比率から考えると一定数利用につながっていると考えられる。 5)相談のきっかけ N=532 相談登録532件における相談のきっかけは、236件(44%)が「関係機関」からの紹介となっ ており、半数近くを占める。この傾向は開所以来続いている。3番目に多かったのが「リンク」 で、54件(10%)だった。「リンク」でのインテーク後、メルクマールせたがやでの継続相談が開 始されたものや、「リンク」に問い合わせたことでメルクマールせたがやのことを知り、相談に つながったケースがこれに当たる。割合は10%ではあるものの、令和4年4月に開設して既 に3番目の多さとなっており、窓口開設の影響力の大きさがうかがえる。 紹介を受けた主な関係機関の内訳は以下に示す。 紹介を受けた関係機関一覧 就労支援機関 ・若者サポートステーション ・就労移行支援事業所 など 区関係機関 ・総合支所保健福祉センター 健康づくり課 生活支援課 子ども家庭支援課 など その他 ・ぷらっとホーム世田谷 ・医療機関 ・自立援助ホーム ・中部総合精神保健福祉センター ・障害者相談支援センター ・まちづくりセンター ・電話相談 など 教育機関 ・中学校(教員、スクールカウンセラー) ・大学学生相談室 ・教育総合センター ・せたがやホッと子どもサポート(せたホッと) ・ほっとスクール(教育支援センター) など 6)不登校との関連 N=532 N=558 相談登録532件における不登校経験の有無を示す。全体の65%が学齢期に不登校を経験して いることが示された。平成28年度以降、7割前後の高い水準で推移している。 7)終結理由内訳 N=90 N=102 終結理由を6つに分類し、「就労」はアルバイトを含む就労に就いたもの、「就学」は学校への 進学・復学となったもの、「他機関利用」は医療機関や別の支援機関などを主な利用先としたも の、「転出」は区外への転居、「その他」は利用者からの利用終了の申し出や1年以上連絡が取れ ず音信不通状態で終結したものなどとした。令和4年4月より年齢上限が撤廃され、年齢(40歳) 到達を理由として利用終結に至ることはなくなった。 令和7年度における終結件数は90件だった。終結理由内訳を見ると、「就労」が31%、「就学」 が24%であった。令和6年度と比較すると「就労」の割合が高くなっており、半数以上が就労あ るいは就学という社会参加を経ての終結となっている。 メルクマールせたがやでは、初回相談(インテーク)後、その時点で継続相談利用の辞退がない 限り基本的に利用登録としている。しかしながら、利用者によっては初回相談後から連絡がつか ないケース、悩み事が解決して必要があれば再相談としていたがその後音信不通になってしまう ケースが一定数ある。これらのことから、その他の割合は比較的高くなる傾向にある。 【終結件数90件】 終結理由 終結数 小計 就労(アルバイト含む) 28 50 就学(復学、転学含む) 22 他機関利用(医療) 2 8 他機関利用(その他) 6 他機関利用(リンク) 7 転出 2 その他(申し出など) 23 合計 90 【他機関利用先一覧】 せたがや若者サポートステーション 就労移行支援事業所 高校(スクールカウンセラー) 保健福祉課(発達支援コーディネーター) 地域障害者相談支援センターぽーと など 就学による終結の校種内訳 中学 1 高校 6 大学 14 専門学校 1 令和7年度終結件数における、利用期間別の割合を以下に示す。 N=90 N=102 終結に至るまでの利用期間は、25ヵ月以上が69%と最も高かった。1〜3ヵ月は0%、4〜6ヵ 月は1%、7〜12ヵ月は8%、13〜24ヵ月以上は22%だった。 上記の結果から、ほとんどのケースで終結までに1年以上の期間を要していることがわかる。 メルクマールせたがやでは、「何に困っているか」という主訴を一緒に考えるところから始まる 相談であったり、複合的な課題を抱えた方の相談だったりと、長期的な支援が不可欠である。ま た、音信不通の状態にあっても、最低6ヵ月以上は終結とせず、電話や手紙などでアプローチを 試みてから終結としていることから、1年以上の利用期間の割合が高くなっていると考えられる。 4.ティーンズサポート事業 平成28年度より、早期支援・早期介入を目的として10代の若者への支援に注力するべく開始 したティーンズサポート事業について示す。令和7年度に新規相談登録された本人年齢10代が 33件で、令和6年度よりも2件少なかった。 1) 10代新規相談登録件数の内訳(インテーク時点) N=33 N=35 令和7年度における10代新規相談登録33件の内訳は、「家族のみ」が最も高く58%となって いる。令和6年度と比較すると、「家族のみ」「本人のみ」「本人・家族」の割合はほとんど変わ らなかった。 また、10代新規相談登録33件の相談のきっかけは下の表の通りである。令和7年度はネット を見て来所につながった件数が7件と最も多かった。次に多かった相談のきっかけは、教育相談 室からの紹介、区内関係機関からの紹介で5件だった。 【令和7年度10代の新規相談登録の相談のきっかけ】 きっかけ/機関名 件数 きっかけ/機関名 件数 教育相談室 5 医療機関 1 スクールカウンセラー 1 親・知人 2 中学校 1 ネット 7 高校 0 チラシ・区報 3 区内関係機関 5 ひきこもり相談窓口「リンク」 1 児童相談所 1 家族会 2 子ども家庭支援課 その他 4 2)10代新規相談登録件数における年齢分布 N=33 N=35 10代新規相談登録における年齢分布は、中学生世代が30%(10件)、高校生世代が40%(13件)、 19歳が30%(10件)だった。令和6年度と比較すると高校生代の割合が減り、中学生世代の割合が増加した。 メルクマールせたがやでは毎年度、区内公立中学校全生徒に向けティーンズサポート事業のチ ラシを配布している。また、令和7年度は切れ目なく支援を引き継ぐことを目指し、区内公立中 学校に配置されているスクールカウンセラー連絡会に出席して事業紹介や、中高生支援者懇談会 などに参加することで児童館などとの連携強化に努めてきた。中学生世代の保護者からは、中学 卒業後の相談先がなくなってしまう、高校入学後どのように子どもを見守っていけばいいのか、 といった不安や心配の声と同時に、メルクマールせたがやがあると知って安心したという声も聴 かれた。義務教育終了が支援の切れ目ではなく、新たな相談先や支援につながるタイミングとな るよう、今後も中学生世代の保護者とのつながり強化、教育機関との連携強化に力を入れていく。 3)平成28年度以降10代相談登録件数におけるインテーク時在籍内訳 ティーンズサポート事業を開始した平成28年度以降の10代相談登録件数におけるインテー ク時の在籍内訳を以下に示す。 N=356 N=33 ティーンズサポート事業開始以降、10代の相談登録件数356件のうち、高校が30%と最も高 く、通信制高校と合わせると54%と半数以上を占めた。 一方、「在籍なし」が22%で、学校という10代の若者の社会生活の場から所属がなくなった若 者も利用しており、地域における高校生世代への支援と中学校卒業後に所属のない若者が再び社 会とつながるための支援が必要であると言える。なお、令和7年度では、「中学校」の割合が平 成28年度以降登録者インテーク時在籍に比べて高かった。 (内訳) 中学校62%(8件) 高校38%(5件) (内訳) 中学校17%(1件) 高校33%(2件) 大学50%(3件) N=19 また、令和7年度10代新規相談登録のうち、在籍なし及び通信制高校・通信制大学在籍を除 く19件の登校状況は、不登校が68%(13件)、登校が32%(6件)であった。不登校の内訳を見る と、中学校の割合が62%(8件)と最も高かった。不登校やひきこもりの支援においては早期発見・ 早期介入が重要とされている。令和7年度は、中学校に在籍のある段階から利用につながり、 早期介入する機会が多かったと言える。 4)10代延べ相談件数・延べ居場所利用者数 �@10代延べ相談件数 令和7年度10代の延べ相談件数は、メルクマールへ来所しての相談、家庭への訪問や出張 相談を合わせて891件だった。令和6年度の746件から145件増加し、ティーンズサポート 事業を開始した平成28年度以降最多となっている。 �A10代延べ居場所利用者数 令和7年度10代の居場所延べ利用者数は、162名であった。令和6年度の80名であった のに対し、約2倍となった。 メルクマールせたがやでは、10代の若者だけが参加可能なプログラム「Teen’sTime」を令 和3年度より月に2回、定期開催している。メルクマールせたがやの居場所は10代から30代 まであらゆる年代の利用者が集まる多様性が尊重される場である。10代の若者がお兄さんお 姉さん世代を頼りに居場所へ馴染んでいく様子も見られ、頼り頼られるという関係が自然とできやすい。 一方Teen’sTimeは、同世代だけということからフラットな関係が自然と構成されやすい。 あらゆる世代が集まる場とはまた異なる居心地の良さが、Teen’sTimeにあると考えられるため、 今後もTeen’sTimeの利用者増加に努める。 �B年代別利用者内訳 N=532 133 102 32 265 上図に、令和7年度末時点での年代別利用者内訳を示す。10代は「本人・家族」と「家族 のみ」を合わせて89%(91件)と、家族利用の割合は他の年代と比べて最も高かった。このこ とから、10代においては家族からの相談ニーズが高いことがわかる。世田谷区の場合、教育 相談室など教育支援機関の対象は中学生までのため、メルクマールせたがやは高校生世代以上 の10代が相談利用できる地域資源のひとつになっていると考えられる。また、所属のあるう ちに利用につながることで、社会との接点が途切れることがないよう早期支援を開始できていると言える。 メルクマールせたがやを利用する家族からは、「子どもも周りの目を気にするので、親が学 校で相談することは難しい」、「子どもが大きくなってきて、家庭のことをどこで相談したらよ いかわからなかった」といった声が聴かれる。家族が相談し支えられることは、生きづらさを 抱える若者(子ども)本人の成長や自立を支えることにつながる。メルクマールせたがやでは、 若者本人だけでなく家族のサポートも若者支援に重要な側面と考え、引き続き取り組んでいく。 5)10代の若者に関わる他機関との連携 メルクマールせたがやでは子ども家庭支援課や中学校、高校など10代の若者に関わる機関と の連携強化に取り組んできた。令和2年4月に世田谷区児童相談所が開設され、10代の若者に 係る支援において、連携の強化を図ってきた。 令和7年度に実施した10代の利用者に関する個別ケース検討会議を実施した機関一覧を以下 の表に示す。 【個別ケース検討会議を実施した機関】 生活支援課 子ども家庭支援課 生活福祉課 中学校 令和7年度に実施した個別ケース検討会議は2件だった。複数の支援者が関わっている場合、 支援者間の目標や足並みを揃えることが肝要である。個別ケース検討会議を実施することによ り、アセスメントや支援方針などを深めることができ、より良い支援につなげられる。今後はよ り積極的に子ども・若者支援協議会における個別ケース検討会議の機会を設けられるよう取り 組みたい。 �W 事業評価 1.アンケート結果 2.本人の声 3.家族の声 4.事例報告 �W.事業評価 1.アンケート結果 <回答者内訳> <回答者年齢内訳(本人)> <回答者年齢内訳(家族 本人年齢)> <利用期間> <総合的満足度> 2.本人の声(一部校正あり) <メルクマールせたがやを利用して良かったこと、役立ったこと、変化を感じたこと> 家族が居らず一人なので不安を打ち明けやすく抱え込まなくなった 利用する前は家族以外との交流があまりなかったので外出する機会が少なかったですが、利用して親身 になって相談に乗ってくれる素敵なスタッフに出会うことができ、外出する理由・機会が増えました。 自分にとって心の拠り所、自分らしくいられる場所だと思います 自分の不安なことなど相談できるところ 親とも相談してくれるところ 話をすると心が少し落ち着く 定期的に通うことで、外に出るきっかけを作れた。人に話すことがはばかられることも、少しずつ相談 することで、心の中に溜めていたモヤモヤや、不安を払拭できた。他人とのコミュニケーションを取れ る機会が増やせた(私生活でも仕事でも) 考え方、物事の捉え方が変わってきた。バランスがとれてきた。0 or 100思考から、バランスのと れた思考ができるようになった。また、自分に厳しかったが、自分にとても寛大になれてきている。自 分に対して、思いやりを持てるようになってきたのかもしれない。 趣味が増えたり、自分の体型の悩みも相談できたりして、精神的に明るくなれている気がします。 外出の機会が増え、個人や家庭内ではできないことにも取り組むことができるのがありがたい。また家 では話せないことも相談でき、助かっている。 相談員の方が私の趣味の話を知っている方だったので、話をするのが楽しくて、毎週、メルクに行くの がとても楽しみになっています。 人との会話が楽しいと感じられるようになった 1人では気付かない考え方を共有できた 気持ちの整理や外出の増加 つらい時も利用することで楽になった 悩みをカウンセラーさんに聞いていただくことで、どんよりした気持ちを晴らすことが出来るのでとて もありがたいです。日々変化していく悩みを継続して聞いていただくことで、自分の未来の指針を考え ることにもつながっています。 メルクでの相談をすることによって気持ちの整理などができ、人間関係や生活が少しずつ変わった。 自分のことを定期的に相談して自らの考えや思いを整理する場があることで、それをある種のマイルス トーンとして、自分の生活を調節しやすくなった気がします。また、もともと人と話す機会があまりな かったため、定期的な面談を通じて、そうした点でも学びがあったように思います。 家族以外の方と会話をさせて頂く機会を個別相談と居場所活動で得ることができ、生活の中に楽しみが 増えました。 いろいろな話を聞いて貰えるので、日頃の不安や心配を抱えすぎずに相談日まで持ち越すことが出来る ようになった 親身に相談に乗ってくれる 人に話すことにより、自分の考えを言語化できるようになった 個別相談では自分の悩みや相談したいことを話しやすいので、とても助かっています。最初はほとん ど話せなかったのですが、今は少し話せるようになりました。個別相談を重ねていく中で、気持ちが 前向きになり、少しずつできなかったことや新しいことに取り組んでみようと思えるようになりまし た。居場所ではスタッフの方が優しくて、話しやすく、過ごしやすいです。他の人とのコミュニケーシ ョンも自分のペースでとることができ、人との交流に少しずつ慣れていくことができました。今では あまり緊張しなくなりました。人との関わりをネガティブに考えていましたが、居場所を楽しめたの で、他の人と関わることを以前よりもポジティブに考えるようになりました。 色んなことに相談に乗ってくれる。とても助かっている コミュニケーション能力が上がった 話してもいいことか、誰に話したらいいかなどをあまり考えずに話せるのがありがたい。変化があれば 知らせてもらえるのでは、との安心感から行動してみたくなる事が増えた。 友達には話せない家族への悩み事を話せて、母もメルクマールに相談しているので家の中の空気が良い 意味で変わったような気がします。 人との会話する機会が増え、一人の時間か減った <今後、改善してほしいこと、取り組んでほしいことはありますか?> LINEで予約できると嬉しい 電話が苦手なので予約変更などはネットでできると嬉しいです。 居場所での趣味などを話し合う機会をもっと増やしてほしい 居場所に参加させて頂いておりますが、祝日でプログラムがなくなることがあります。 スケジュール調整なども難しいことは重々承知しておりますが、 プログラムの開催日が祝日と重なった場合は別日で開催して頂けると、生活の中の楽しみが増え非常にありがたいです。 <その他> いつも私が答えを出すのを辛抱強く待って下さってありがとうございます。一緒に問題に対して悩んでくださることに、 心から感謝申し上げます。おかげさまで、大分、心のバランスがとれるようになってまいりました。 これからもっと安定していけるのではと、期待しています。これからもどうぞよろしくお願い致します。 いつも大変お世話になっております。 個別相談のスタッフの方はいつも親身になって対応して下さいます。 居場所活動は非常に楽しく、まさに私の居場所になっていると感じております。 いつもありがとうございます。 末長くある様に、これからも利用したいと思います。 3.家族の声(一部校正あり) <メルクマールせたがやを利用して良かったこと、役立ったこと、変化を感じたこと> じっくりと話を聴いて下さることやアドバイスをして頂けることなど、こちらの気持ちが安定します 話をじっと待って聞いてもらえるところ。親としての子への対応や考え方の修正をしてもらい、 気持ちを分かち合えたことで心が軽くなっている。 少しずつ本人が明るさを取り戻している。不登校も必要なことだったかもしれない。 第3者の目でアドバイスいただける点が良かった。妻とこれまで聞けなかったことを聞けて良かった。 子供の向き合い方、フォロー、話を聴いて下さりありがたい。アドバイスやサポートを頂けている。 他の人に相談できないので、相談できて心のよりどころです。 相談員の方とお話しているうちに、息子の状態がマイナスと感じていたことがプラスの側面もあると 気付かされることが多い。また、プラ・マイで思考するだけでなく、ありのままの息子の様子を、まず はそれが息子という人間なのだと認めることにつながっていると思う。それらの繰り返しが親の精神 を安定させることになると感じている。 本人が前向きな気持ちになれ、様々なサポートを多くの方々に頂き、少しずつですが変化を感じていることに感謝申し上げます。 誰にも相談できないような話を聞いてくださることに、まず感謝しています。その上で、冷静、客観的 な見立てを示していいただき、ひきこもりを長期化させている原因には、親そのものの心の中にもある のだと気づかされました。このような場があったことは、私たち家族にとっても、社会的にも、大変有 意義であると思っております。 セミナー、家族会などのイベントが多い。気軽に相談できる雰囲気。 ほとんど自室で過ごしている息子とのかかわり方、声かけなどについて学ぶことが多いです。 主人からの声かけも増えている様子で、主人が作った朝食を息子が食べたりしています。親自身の不安を軽減することが出来、ありがたいです。 メルクマールでの面談後は気持ちが楽になるようで、家での会話も増えてきています。 まだ本人としては会話の面でうまくいかない部分もありますが、「話を聞いてもらえる」ということに満足している様子です。 私たち親にとっても相談できる場所がこれまでなかったため、気持ちが軽くなり、とても感謝しています。 子育ての悩みについて話を聞いていただき、自分の考え方のくせや偏りについて気づかせていただき、 子供の見方においても別の角度から考えるきっかけとなりました。 何より本人が気持ちを話せる場所ができ、安定し、前向きになったと思います。 親である私自身もこちらで話を吐き出すことで、自制的に息子と接することができています。 本人のひきこもり状態が続く中で、どうしたら早く解決出来るのかを中心に考えて来ましたが、個別相 談でお話をお伺いし、私共親は焦らず余裕をもって本人に接する様にした所、本人は徐々に穏やかにな り、怒った時も直ちに収まり、又食器洗いなども手伝うようになりました。 相談員の方は真摯に相談を受けて下さり、大変良かったです。 日頃何気ないことを話せる場があることは、アドバイスをしていただくなど、自分の子育てについての 確認をする点でもとても有難い場だと感じています。 夫と意見の違うことも多々あり、深い話し合いが出来ないので、心のもちようでも助けていただいてい ることが多々あります。いつも感謝しております。ありがとうございます。 本人の様子、家族関係に今のところ変化はございませんが、ご担当の方が親身にお話を聞いてくださり、 また正確に現状を判断してくださるので大変心強く感じています。いつも本当にありがとうございます。感謝しております。 先生方の適切なご意見はもちろん、自分でお話をさせていただく中で思いがまとまり、本人に対して冷静に対応ができる様になったと思います。 自分の気持ちのよりどころとして利用させていただいています。いずれは本人が心の拠り所として利用して欲しいと思っています。 本人との間に入って橋渡しのような存在でいてくださるので、本当に有り難く思っています。 また、誰にも相談できないことを聞いてもらえて気持ちが楽になることもあります。 本人はこちらに来るようになってから、担当者との面談に定期的に行けるようになり、 悩みを相談できるようになった。居場所づくりのイベントにも参加できています。 息子がひきこもる事に否定的だった夫がメルクの相談員の勧めで月一回の相談に来るようになりました。 以前は子育て、学校のことなどすべて丸投げでかかわろうとしなかった夫が回数を重ねることで理解しようという気持ちが 出てきて夫も変わったと感じます。親の焦りや不安を受け止めてくれる月イチの相談があることで 息子に余計なプレッシャーをかけずに過ごせてとても助かっています。 家族の変化(成長)を長期的に見られるようになった、家族への具体的な支援の仕方についてアドバイ スを頂けた。ありがとうございます。 <今後、改善してほしいこと、取り組んでほしいこと> 親と本人が別々に個別で相談させてもらっているが、 その時の子どもの様子を少しでも伝えて頂けると共有 できますので、ありがたいです。 ホームページがどこにあるのかわからない。 他の人の様子がわからない。(体験など) 連絡手段が電話のみということに少し不便を感じる ことがあります。 心理療法など行ってほしいです。 友人が電話で問い合わせをした際、それだとメルクでやれることは無いというような返事をもらったこ とがあるそう。しかし友人も我が家の状況と同じように感じたので、不思議に思った。 1年以上前に歯科へ自分で受診して2〜3回通院できました。そのような時に、歯科医と家族とメルク マールで協力して、定期的に通院する方向へ導き、持続的に外出できる場面を増やしたりするのも一つ の案だと思います。 ハードウェア的なことですが…引越し後、現在の面談のレイアウトは良くないと思います。フレンドリ ーではないレイアウトに見えます。面談室のレイアウトは変更できないのでしょうか。 本人は外出せず他人と会う事も一切拒否しています。私共は段々高齢となり、将来の不安は増すばかり ですが、私共と同様のケースがあれば可能でしたら個別相談の場で教えて頂ければ幸いです。 障害をもつ本人が利用する場としては、少々ハードルが高く、この場に参加出来ない事が残念。 何気に遊びにこれるシステムになるとよいと思う。 <その他> 丁寧な対応に本当に感謝しています。長期戦になっていますが、本人の成長も見えてきていますので、 今後ともよろしくお願いいたします。 子どものことで不安になる気持ちに寄り添いながら相談に乗っていただけるため、とても話しやすいで す。出会いに心から感謝しています。 他の利用者の方や以前利用していた方の、どんな選択をしてどのような結果だったのかを参考程度に教えて頂きたい。 事態はなかなか改善いたしませんが、大変満足しております いつもありがとうございます。親子でたくさんお世話になっております。引き続きよろしくお願いいたします。 親としては本人が社会生活の中で生きて行ける様にいつも思っています。 こうした実現に向けて支援して頂いているメルクマールの皆様に感謝すると同時に、益々充実して活動 される事を願っています。 プライベートな悩みを率直に話し、聞いていただける場は大変貴重です。いつも御対応ありがとうございます。 いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 家族会で、内部だけでなく外部からも様々な講師の方々がいらして教えてくださるのが有り難いです。 厳しく感じる・見える現実も、似た状況を抱える方々と学んだりすることで、少しずつ考えていこう、 踏み出していこうと気持ちが前に向きます。いつもありがとうございます。 家族のみでも相談をすることが続けられますので、とても感謝しています。 親が亡くなっても、生きやすい社会であるようにと願っています。 オープンダイアローグによるひきこもり支援を実施される時は、ぜひ協力したいと思います。 担当してくださっている方々には、心から感謝しております。いつもありがとうございます。 4.事例報告 ※ プライバシー保護のため、内容は加工してあります。 1)過去の経験から自信をなくしていた本人が居場所利用につながった事例 ・相談者:本人/母親 ・性別:男性 ・ひきこもり歴:あり ・年齢:10代 ・主訴:外出する機会を持ちたい、他人の視線が気になる 本人は10代後半の男性。メルクマールせたがやには、通院先の主治医の勧めで母親と来所し た。うつ病の診断があり、対人恐怖症状やADHD傾向、不眠も見られ、服薬をしている。メル クマールせたがやでの相談は2週間に1回の頻度で始めた。 相談開始当初は他人の視線が気になり通信制高校のスクーリングに通いたくても通えないこ と、大学進学を見据え同世代との対人交流に慣れておきたいが不安なこと、不登校時に母親に辛 さをわかってもらえず苦しかったこと、他人と同じようにできない自分に自信が持てなかったが 直近の診察で発達障害の診断がおり、はじめてほっとしたことなどが語られた。 これまで、本人は私立の中高一貫校に入学した当初は友人もでき、楽しく過ごしていた。しか し、授業に集中できずついていけない、課題が提出できず教師から叱責を受けるなど、段々と「自 分はできない」「落ちこぼれだ」と感じるようになり、成績も徐々に下がっていった。それでも母 親からの期待もあり塾に通い勉強を頑張るが、朝起き上がることができなくなり、本人曰く「学 校に行きたくても行けない」状態になり不登校に至る。それから1年ほぼ寝たきりの生活を送る。 その後、登校をめぐり母親と言い争い、暴言や自宅の物を壊すなどの行動も見られた。外出する と他人の視線が気になり「他人がわけもなく追いかけてくる」「なにか自分の容姿を批判される」 ような怖さを感じ、びくびくしていた。高校は通信制に移り、精神科クリニックを受診し、服薬 も開始となった。日中、起き上がり散歩程度の外出ができるようになった段階でメルクマールせ たがやに来所した。 相談では、体調を崩した要因として周囲の期待に応えようとして頑張りすぎていたこと、完璧 主義な性格、できないことを特性と結び付けて考え「自分にはできない」と考えるクセがあった ため、特性の整理と自己理解を深めながら、まずは外出できる先を少しずつ増やせるように話し 合っていった。本人が「やっと人並みの生活ができるようになってきた」「他人の視線が前より気 にならなくなってきた」と自信をつけてきた段階で居場所の利用を提案。「自分はブランクが数 年あって、何もしてこなかった」「他の利用者も不登校経験があるかもしれないけど、自分は普通 の不登校じゃない」と怖気づくこともあったが、見学を通して、「皆、優しくて楽しく過ごせた」 「思ったより大丈夫だった」と話し、居場所グループに登録し週1回の頻度で利用を開始した。 居場所では好きなスポーツの話題やボードゲームを楽しみながら過ごした。同時に相談では本人 が対人関係での疲れ具合やできていることを自らモニタリングできるようにサポートした。半年 ほど経つと、通信制高校のスクーリングに安定して通えるようになっていた。「自分は苦手なこ ともあるけど、なんとかやっていけるかも」「いろんな人がいますよね。他人と比べすぎていたか も」と話したのが印象的であった。現在は通信制高校を卒業し、個別指導塾に通いながら大学受 験を目指している。 居場所での対人関係を通じて自己理解を深め自信を取り戻し、本人の発言にも変化が生じ、将 来の進路に向けて前向きに取組み始めた事例である。 2)本人には面会できていないが訪問を導入して肯定的な変化が見られた事例 ・相談者:母親・祖母/(本人) ・性別:男性 ・ひきこもり歴:あり ・年齢:20代 ・主訴:本人の話し相手になってほしい(母親) 本人は20代男性。大学に在籍はあるものの、2年生の後期から全く通わなくなり、外出自体 もほとんどしなくなっていた。家族が大学に通わない理由を聞いても何も答えず、自室に戻って しまう。家族との接点を避けるようになり、食事の時間もずらすようになった。母親は本人が何 を考えているのか、これからどうするのか知りたくても話してくれない状況に困り、メルクマー ルせたがやに来所した。大学に通えなくなって約1年が経過していた。 本人は中学生の頃はバレーボール部に入り、精力的に活動していた。高校には学校推薦で入学 し、不登校もなく過ごしていた。大学受験時は、親の勧めで受験校を選び、合格したところに進 学を決めた。大学では、文化祭の実行委員会に入り、頑張っていたという。本人が大学2年の後 期からパタッと休みはじめ、「今は大学に通えない」と言うので、母親はしばらく様子を見てい た。しかし、3年に進級する時点でも状態は回復せず、日常的な会話はできるものの大学の話を 持ち出すと本人は何も答えず、黙って聞いているだけであった。大学の友人とは連絡も取らなく なっているようだった。本人が「SNSの登録は全部消した」と話していたという。 家族以外の接点がなく、家族に対しても距離を取っている本人の状況から、母親は本人の悩み を聞いてあげてほしいと訪問を希望した。母親には、本人の意向を確認しながら訪問を検討する こと、本人から明確な拒否があった場合は訪問を実施しないことを説明し、母親を通して訪問を 本人に提案してもらうこととした。本人は、「会わなくてもいいなら」と自宅に相談員が訪問する ことは了承した。訪問相談員から本人宛に手紙を書き、訪問日や自室から無理に出てこなくて良 いことを伝え、母親のいる日に訪問を実施した。訪問当日は本人には会えなかったが、自宅で同 居している祖母と面会することができ、家の中での様子を聞くことができた。 母親の来所相談に加え、訪問相談は本人の明確な拒否がなかったので月に1回、毎回事前に手 紙を本人宛に送付し、訪問から帰る際に自室の前で声掛けを継続した。また、訪問相談時に同居 する祖母に本人への関わりや気になることを聞くことで、祖母も心配が軽減され、安心して本人 に関われるようになっていった。祖母も訪問相談員に本人の近況に加え、本人と一緒にいて嬉し かったことなど本人の肯定的な面を報告するようになった。訪問を続ける中で、本人には会えて いないが、家族と一緒に2年ぶりに買い物に出かけたこと、本人が欲しいものを自分で選んで購 入したこと、リビングで過ごす時間が増えて笑顔が増えたこと、本人が家族のために料理を振舞 ったことなど、小さな変化が家庭内で積み重なっている様子が見られた。祖母によると、訪問相 談員からの手紙は毎回嬉しそうに受け取って自室に持っていくとのことであった。居場所のニュ ースレターにも目を通しているという。 訪問を継続して1年以上経つが、本人が訪問相談員と面会することは今もない。しかしながら、 以前よりも家庭内での家事手伝いをすすんで取り組んだり、家族と一緒に過ごす時間が増えたり、 外出するなど、活動的になってきている。 本人への直接的な支援ではないが、訪問相談員が本人を脅かさず関心を向け続けること、同居 する家族が抱える不安や心配が軽減されることで本人への関わりが変化し、本人に回復の兆しが 見られる事例である。 3)家族面接を通して、家族と本人に変化が見られた事例 ・相談者:両親/本人 ・性別:女性 ・ひきこもり歴:あり ・年齢:20代 ・主訴:今後社会に復帰していくためにはどうすればいいか 本人は20代の女性。ひとりっ子で両親との3人暮らしである。大学に進学し成績も優秀で、 卒業後は一般企業に就職したが1年で退職。その後3年ほど自宅中心の生活を送っていた。一 見、生育歴に大きな問題はないようだったが、両親から詳しく話を聞くと、小学生の頃から忘れ 物が多い、宿題の提出期限を守れない、友達関係でも自己中心的な発言があった、などのエピソ ードが語られた。それでも、学校の成績が良かったことや、両親が先回りして指示していたこと で、大きな問題は生じていなかった。しかし、就職という両親の管理が及ばない環境に入ったこ とで、それらの問題が回避できず、職場での指導や叱責に直面したのではないかと推測された。 両親は本人にアルバイトを勧めたりしてきたが、なかなか動き出せないため、親子で来所した。 これまで本人の将来を期待してきただけに、両親の失望は大きかった。相談開始当初は、この ところ本人に生じている状態について、「異様に長い時間手を洗うようになった」「行動がゆっ くりすぎる」「混んでいる電車に乗れない」などと、問題点やできないことを細かく挙げた。ま た、問題点を克服するため、トレーニング的にアルバイトをさせようとする父親と、それはまだ 無理でかわいそうだと主張する母親の間で意見の相違があり、面接の場で激しいやりとりが交わ されることもあった。担当相談員は、父親、母親双方の気持ちを汲み取りつつ、本人に生じてい る問題についての情報提供を行った。更に、これまでの両親のきめ細かな養育を労った上で、将 来は両親の管理を離れて本人が自分の意思で生きていかなければならない、そのためにも本人の 意向を第一に据える必要があると繰り返し伝えた。 本人相談も継続されており、居場所利用の方向で動き始めたタイミングで、両親面接では、家 庭での本人の変化を観察して面接時に報告してもらうという課題を設定した。<変化には、居場 所という環境に入ることでの疲労や失敗体験のようなネガティブなものから、期待や楽しさなど のポジティブなものもある。それらをバランスよく見てきてください>とお願いしたところ、相 談開始当初のような問題点やできないこと中心だった内容から、「笑顔が増えた」「発話が増え た」というポジティブな内容が中心となっていった。両親は、本人の居場所での体験を楽しみに 聞くようになり、本人との会話が増えた。もともと本人は文章を書くのが好きで、最近は居場所 で体験したことを詩で表現するようになっていた。それを両親は「着眼点が面白いんですよ」と、 本人の長所を再確認したエピソードとして、相談員に教えてくれることもあった。両親が観察し てきた内容を聴き、両親とともにそれを味わい楽しみながら、担当相談員の見立てを返すという 方法で面接を継続していくと、両親の持つ本人像が「できないことだらけの困った人」から「困 難なことも多いが、個性的で、生活を楽しめる人」に変化していった。さらに、家族関係にも変 化が生じ始めた。両親が本人の変化について意見交換をする機会が増え、「仲が悪かった訳では ないが、家族でこんなには会話してこなかった。家庭でのコミュニケーションの形が変わったよ うに思う」との発言もあった。本人にも変化が見られた。居場所での表情が良くなり発話が増え た。自らの意思で参加するプログラムを選んだり、ときには自己判断で休むこともできるように なるなど、少しずつ主体性や意欲を取り戻している。 相談開始当時の両親の主訴である「社会復帰」に至るにはまだ時間がかかりそうだが、両親、 本人ともに、ひきこもっていた頃よりも、楽に楽しみながら生活できている。家族面接を通じて、 本人にも家族にも変化が生じた事例である。 4)多機関連携により本人が徐々に自信を取り戻していった事例 ・相談者:本人/母親 ・性別:女性 ・ひきこもり歴:あり ・年齢:20代 ・主訴:これからどうしたら良いか 本人は20代の女性。運送業に就く父親がいるが収入は不安定でほとんど家に寄り付かず、稼 いだお金をギャンブルなどに使ってしまうため、生活費は母親のパートと本人の障害年金のみで ある。本人が幼少時には今よりも家庭は円満であったが、本人の精神病の発症によって、母親が ストレスを抱えアルコールに頼ることが多くなり、父親は家に帰ることが少なくなった。 今回、メルクマールせたがやへ相談に来たのは、会社員をしている妹が本人と母親の今後のこ とが心配になり、世田谷区のホームページを見て電話をかけて来たのが始まりであった。初回は、 母、妹、本人の3人で来所した。本人の様子は、担当相談員とあまり視線を合わすことがなく、 口数も少なく、緊張した様子であったが、時折クスッと笑みをもらし、自分のことを説明する時 にはきちんと担当相談員に伝えることができ、能力の高さも窺えた。母親は過干渉な面があるに も関わらず、本人の幼少時のことをあまり覚えておらず、本人が学校でクラスメイトからいじめ られていたことも知らなかった。妹は結婚して遠方に住んでいて頻繁に実家に帰ることはできな いので、どうにかして母親と本人で生活できる環境を整えて欲しいとのことであった。 本人は都内の公立高校を卒業できたものの、精神病の悪化により、大学には進学せず就労もで きずにいた。通院は月に1回、気分安定剤などを服用することで安定している。仕事をする能力 について判断しかねたため、本人同意を得たうえで主治医に電話で尋ねたところ、障害者の就労 を支援するサービスである就労継続支援が良いのではないか、との見解であった。日常生活は、 体調の不安定さもあり、自宅で過ごすことがほとんどで、ゲームやSNSをして過ごすことが多 く、担当相談員から<雑談だけでも良いので来てみないか?>と声をかけたところ、2週間に1 回の相談を承諾してくれ、徐々に1人で来所できるようになった。 本人がメルクマールせたがやに通い始めて数ヶ月した頃に、母親の様子がおかしいとのことで 話を聞いてみると認知症の疑いがあり、日常生活に支障をきたすようなこともしばしば見られる ようになっていた。すぐに地域担当の保健師と連絡を取り、母親のことを相談した。また、今後 母親の認知症が進行していったときに、本人が父親から自立する可能性が高いと考え、自立する ための経済的支援について相談するため、ぷらっとホーム世田谷に連絡し、面談の予約をした。 初回は本人のみの他機関訪問は難しいと考え、担当相談員も付き添い一緒に面談をした。 また、本人との相談の中では、本人の自己肯定感が低かったため、本人ができていることを一 緒に見つけ、好きなアイドルや舞台などについての雑談をしていったところ、笑顔が多く見られ るようになっていった。実際に、母親の代わりに掃除や洗濯などの家事ができており、小さなこ とでもできていることを見つけて相談員と共有する作業を重ねていった。 ぷらっとホーム世田谷では、経済的なことや就労のこと、また父親の浪費について弁護士相談 なども取り入れて相談してもらい、メルクマールせたがやでは主に心理面の相談などを行った。 本人は、メルクマールせたがや、ぷらっとホーム世田谷、保健師に自らが質問や説明ができるよ うになってきており、視線も以前より合うことが増え、自信がついてきているようである。 複合的な背景を持つ世帯に対して多機関がそれぞれの強みを活かして支援に当たっている事 例である。 5)個別面談を通して過去を振り返り、傷つきをケアすることで前に進めた事例 ・相談者:本人 ・性別:女性 ・ひきこもり歴:あり ・年齢:20代 ・主訴:働きたいが、どうしたらいいのか分からない 本人は20代の女性。大学卒業後に事務職で勤務するが、徐々に遅刻やミスが目立つようにな った。同時に、睡眠リズムの乱れ、食欲不振、希死念慮などの症状があらわれ退職した。精神科 を受診し、うつ病と診断された。1年の通院後、本人が仕事復帰を望むまでに快復したところで 精神科の医師の勧めでメルクマールせたがやへの来所に至った。 両親は本人が幼少期に離婚し、以降、母と姉との3人で同居していた。本人は、幼少期から大 人しく、周囲の顔色をうかがい、自分の意見が言えなかった。友人間でも争いごとを避け、相手 の意見に従うことが多かったが、「合わせている方が楽だから」と、本人が負担を訴えることはな かった。大学は自宅から通えるところで、学部は「なんとなく入りやすいかと思って」と文学部 を選択した。在学中に食事が摂れなくなり、体重が10�s減少し、心配した母と一緒に精神科を 受診し、摂食障害と診断された。治療をしながら1年の留年を経て5年で卒業した。その後、自 分で就職先を探して事務職としてフルタイムで働くが、勤務後数か月で上記のような症状が出現 し退職した。 メルクマールせたがやに来所した当初は就職を希望していたが、面談を重ねていくなかで、自 身の過去について振り返るようになった。幼少期に両親が離婚した際の傷つきの体験や、その気 持ちがケアされなかったこと、仕事をしながら家事育児をする母に迷惑をかけないように、良い 子でいることを頑張っていたことなどが語られた。当時を振り返りながら「自分のことよりも相 手のことを考えていると、自分が何を感じているのか分からなくなってきた」と話された。同時 に、過去の人間関係や母に対する怒りや不満が語られるようになった。例えば、学生時代の時は 「空気を読まない人が嫌いだった」ことや、母の考えは絶対で、次第に母が気に入るもの、母が 怒らないものを選ぶようになっていたことなど、不満気に語ることが続いた。その頃から、うつ の症状が再度出現し、外出自体が難しくなり、面談を一度中断した。その期間は、通院していた 医療機関と連携し情報共有を行い、本人の見守りを継続した。しかし再び自宅で過ごすことが増 えた本人に対して、母が外出を促した。その出来事がきっかけで、本人が母に泣きながら怒りを ぶつけた。「今までたくさん我慢してきたんだな、と思うと、本当にしんどい時くらい休ませてく れてもいいじゃないか、と思って」と母に抗議した。この時のことを「初めて、自分で自分を守 れたように感じます」と語った。母は本人の様子に驚くが、その頃から、少しずつ本人への接し 方に変化が見られるようになった。まずは本人の感じていること、考えていることを優先させる ように努め、本人の気持ちに共感的に応答するようになった。そのような関わりの中で、徐々に 外に出られるようになり、メルクマールせたがやへの来所も再開した。その頃には、過去の語り と同時に、徐々に現在の本人の興味や、やりたいことの話が出てくるようになった。そして、動 物が好きなことや小学生の時はトリマーになりたかった夢が語られた。母にも自分で相談し、ト リマーの専門学校に進学した。学校に通い始めたことで、徐々にメルクマールせたがやへの来所 頻度が減少していき終結となった。 1対1の面談の中で、過去を整理して傷ついた自分をケアし、良い子の自分と折り合いをつけ られたことで、前に進むことが出来た事例である。 �X 世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」 1.概要 2.「リンク」における活動実績 3.「リンク」の居場所:むすびば �X.世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」 1.概要 令和4年4月5日に世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」が開設され4年が経過した。誰もが 自分らしく暮らすことができるようサポートすることを目的に、メルクマールせたがやとぷらっ とホーム世田谷が共同運営する窓口である。 平成26年9月に開所したメルクマールせたがやでは、不登校やひきこもりなど生きづらさを 抱えた若者とその家族を対象に個別相談、居場所、家族会などを運営してきた。ぷらっとホーム 世田谷は、生活困窮者自立相談支援センターとして、経済的困窮をはじめ、あらゆる生活の困り ごとを支援してきた。これまで、ひきこもりについては、若者はメルクマールせたがや、年齢を 問わない孤独・孤立などはぷらっとホーム世田谷が支援してきており、「リンク」は2機関がそ れぞれ培ったノウハウを活かし、ひきこもりや孤独・孤立状態にある当事者と当事者に係る全て の人と共に、その人らしい生活の再構築を目指している。 1)支援の流れ 上図は「リンク」における支援の流れを示したものである。最初の相談受付後、ぷらっとホー ム世田谷とメルクマールせたがやのスタッフが複数名体制で初回相談(インテーク)を実施する。 その後、週1回開催のリンク検討会でぷらっとホーム世田谷、メルクマールせたがや、「リンク」 の所管課である生活福祉課からなる参加人数約10名のスタッフ構成により、全ての初回相談内 容や最初の支援方針について検討を行う。ひきこもりや孤独・孤立の背景には、心理的課題だけ でなく、生活面における課題も多く存在する。そのため、どちらかの機関だけの見立てではなく、 2機関それぞれの得意分野を生かし、多職種の視点も加味したうえで、世帯構成員及び世帯全体 の状況把握に努めている。このように、多様な視点から課題整理と支援方針を検討し、協働体制 で支援を進めていくこととなる。また、相談内容は多岐にわたることが多く、「リンク」内にとど まらず、区内外の公的及び民間の社会資源や支援を必要とすることが多い。その場合、重層的支 援会議もしくは支援会議を開催し、様々な支援機関との協働体制を整える。 2)世田谷区のひきこもり支援ネットワーク ダイアグラム 自動的に生成された説明 (正方形/長方形) 上図は「リンク」が連携・協働してひきこもり、孤独・孤立状態にある人をサポートする際の イメージ図である。「リンク」では、世帯の抱える課題・問題に対して、多機関が共通の認識をも ち「協働」することを基本としたうえで、それぞれの機関の強みを活かし多方面からアプローチ する「機関連携」を、世帯状況に応じて、時期ごとに柔軟に組み立てていく。ひきこもり状態に ある人とその家族が抱える多様な困りごとに対し、当事者とその家族を支援の中心におき、世帯 全体にとってよりよい暮らしのかたちを、支援機関がともに模索していく。そのため、このイメ ージ図は段階的で一方通行のものではなく、必要な支援を複数機関が同時並行的に支援を進める かたちが表されている。 3)世田谷区ひきこもり支援連絡会 重層的支援協議会の見直しにより、令和6年度をもって、8050支援部会は閉会された。令和 7年度より、ひきこもりの支援を推進するために、関係機関が情報共有及び意見交換を行う「世 田谷区ひきこもり支援連絡会」が設置された。この連絡会の参加者構成はテーマにより異なるが、 ぷらっとホーム世田谷が事務局を務めており、メルクマールせたがやは「リンク」の共同運営機 関であることから毎回参加している。 2.「リンク」における活動実績 「リンク」における支援の流れ(p.56)にあるように、2機関でインテークを実施した後、リンク検 討会にて相談内容や利用者のニーズに応じて�@2機関(「リンク」登録) 、�Aメルクマールせたが やのみ、�Bぷらっとホーム世田谷のみ の中から継続相談の担当を決めている。 メルクマールせたがやは、インテーク及び上記�@、�Aで相談対応を行っているほか、�Bについ ても専門的なサポートを求められる場面で面談などに同席することがある。 1)「リンク」新規受入れ件数へのメルクマールせたがやの関与 令和7年度における「リンク」の新規受入れ件数99件のうち、主に相談対応する機関の登録 状況は、2機関対応の「リンク」登録が90件(91%)、2件(2%)がメルクマールせたがやでの登録 となった。「リンク」における相談は、生活面への支援に加え、心理面への支援を必要とする相談 が大半を占めることがわかる。 2)メルクマールせたがやの延べ相談件数に占める「リンク」の延べ相談件数 7869 5876 6334 4850 令和7年度のメルクマールせたがやのスタッフが「リンク」で対応した延べ相談件数は1,491 件であった。メルクマールせたがやの延べ相談7,869件のうち、約19%を占める。この割合は 昨年度と同様であり、平均すると毎月約124件の「リンク」相談を実施している。 「リンク」対応の延べ相談件数は、リンク初年度の令和4年度507件、倍増した令和5年度 1,021件(前年度比150%)、令和6年度1,184件(前年度比114%)、令和7年度1,491件(前 年度比121%)と右肩上がりの増加傾向にある。 3)メルクマールせたがやのアウトリーチ相談における、「リンク」件数の割合 令和7年度のメルクマールせたがやの延べアウトリーチ相談件数は296件であった。うち、 「リンク」で対応したものは延べ170件であった。メルクマールせたがやのアウトリーチ相談の 約57%を占める。「リンク」は生活の困りごとを支援するぷらっとホーム世田谷と協働体制を敷 いており、自宅や関係機関での訪問相談だけでなく生活支援に係るアウトリーチ相談にメルクマ ールせたがやのスタッフが同行する機会などが多いと考えられる。 4)「リンク」相談の出張相談会の活用 従来、メルクマールせたがやへの相談を希望する方を対象としていた出張相談会であるが、令 和5年度からは、「リンク」相談についても、区民の身近な場所での相談機会の提供として、各 総合支所の区民相談室を利用した出張相談の活用を開始している。「リンク」相談の場合、基本的 にはぷらっとホーム世田谷(就労支援のパソナ職員含む)とメルクマールせたがやの2機関での対 応となる。令和7年度の「リンク」相談の出張相談会延べ利用者人数は4名だった。 5)メルクマールせたがやを終結し、「リンク」登録となったケース 令和7年度は、メルクマールせたがやの支援を経て4名が「リンク」登録となった。当事者や 世帯全体が生活課題など多様で複雑な困難さや生きづらさを抱え、支援内容が多岐にわたる場合、 「リンク」の支援で知恵を出し合い強みを活かすことで、地域の関係機関との協働を円滑に進め やすい。 3.「リンク」の居場所/むすびば 『むすびば』は「リンク」が開設された令和4年度から、ぷらっとホーム世田谷とメルクマー ルせたがやが合同開催してきた居場所活動である。令和7年4月からは、メルクマールせたがや 主催での開催となり、各回、メルクマールせたがやスタッフが2〜3名で運営している。 ・利用対象:「リンク」もしくはメルクマールせたがやの利用登録があり、継続的に個別面接を している方 ・目的:地域の社会資源にはつながりにくい方でも安心して居られる場 ・対象層:おおよそ40代以上の方で、所属の有無に関わらず、孤独感・孤立感を感じている方 で人とのつながりを求めている方。人の話をじっくり聞いたり、自分のことについて話をして みたり、「トーク」を軸にして人と関わってみたい方。日々しんどさなどがあり、誰かと時間を 共有したいと思っている方など ・開催頻度:毎月1回、第2金曜14:00〜16:00 ・場所:メルクマールせたがや活動ルーム ・主な内容:テーマトーク/フリートーク 1)延べ参加者数 令和7年度のむすびばの延べ参加人数は55名(平均参加者4.6名)。ほぼ男性の参加で30代か ら50代の割合が高かった。リピーターが多くなっており、参加者からは新たな参加者に来ても らえるよう広報の工夫をしてほしいという希望や、全体の流れの見直しの意見も出ており、参加 者の自主性が発揮されるような工夫を随時行ってきた。現状では、女性の参加希望者がいた場合、 男性多数の中に新規に参加することになるため、女性スタッフが橋渡し役となるなどの工夫も必 要である。 メルクマールせたがやの居場所利用は39歳までとなっており、上記のような中高年層が利用 できる居場所としての役割もある。 ダイアグラム, テキスト 自動的に生成された説明 (正方形/長方形) �Y 広報・啓発活動 1.広報・啓発活動 2.視察・見学対応 �Y.広報・啓発活動 1.広報・啓発活動 1)ニュースレター メルクマールせたがやでは、毎月居場所活動のスケジュールとあわせてニュースレターを発行 している。ニュースレターでは、実施したイベントの様子や居場所プログラムの紹介など、メル クマールせたがやの活動が伝わるように作成している。ニュースレターは、利用者に配布するだ けでなく関係機関にも送付している。 ニュースレターの例(令和7年10月) 2)ホームページにおけるブログ メルクマールせたがやでは、広報の一環として居場所活動の様子をブログで発信している。 QR コード 自動的に生成された説明 (https://3cha.tokyo) ブログでは、ニュースレター同様にイベント・プログラムの内容について写真を掲載しながら 紹介している。ブログの読者に、メルクマールせたがやの取組みや活動の様子が伝わるような内 容を意識して作成している。なお、ホームページは居場所だけでなく家族会や出張セミナーの周 知の場としても活用している。 3)事業紹介(研修会・会議体講師、会合の出席など) 事業紹介は、具体的な活動内容や利用者の様子などを周知し、若者・ひきこもり支援に係る地 域の支援者にメルクマールせたがやを知っていただくことを目的としており、地域に理解者が増 えることが、潜在的なニーズの掘り起こしにつながると考えている。また、「リンク」を運営する 一機関として、ひきこもりの課題を有する世帯を支援している支援者に、有効に「リンク」を活 用していただけるよう、ぷらっとホーム世田谷とともに、「リンク」の機能や8050問題への多機 関協働での支援の進め方に関して、積極的に研修などでの広報に努めている。 令和7年度は学会発表を行い、全国に向けて「リンク」の活動を通じた社会課題解決のありよ うを提示し、参加者から意見をもらう機会を得た。 研修会・会議体(リンク) <区内> あんしんすこやかセンタースキルアップ研修 講師 “ぽーと”及び基幹相談支援センター初任職員研修 講師 世田谷区福祉人材育成・研修センター ひきこもり(8050問題)の理解・支援力向上研修 講師 研修会・会議体(メルクマール) あんしんすこやかセンタースキルアップ研修 昭和女子大学見学実習 世田谷区精神障害者共同ホーム連絡会 講師 世田谷区任用スクールカウンセラー連絡会 世田谷地域中高生支援者懇談会 烏山地域中高生支援者懇談会 講師 野毛青少年交流センター地域懇談会 希望丘青少年交流センター運営委員会 子ども家庭支援センター及び児童相談所職員 新任・横転者研修 講師  一般演題:世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」〜いわゆる「ごみ屋敷」事例から見えてくる課題と求められる支援〜 学会発表(リンク) 第32回日本精神障害者リハビリテーション学会  自主シンポジウム:医療×地域連携〜「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム」「重層的支援体制整備事業」を考える〜 4)情熱せたがや、始めました。(略してねつせた!)による情報発信 世田谷区では、若者による若者向けのソーシャルネットワークサービスを利用した情報発信を 行っている。長期休暇の時期などにあわせて、メルクマールせたがやの利用を促すメッセージを 発信した。 5)地域と若者の交流 若者と地域の交流の機会として、野毛青少年交流センター主催の「のげ青縁日」、池之上青少年 交流センター主催の「青年文化祭」、池尻児童館主催の「がやがや村祭り」にせたがや若者サポー トステーションと一緒に世田谷若者総合支援センターとして「ワニたたき」という子ども向けの 出店を行った。また、池尻児童館の餅つき大会にも利用者と一緒に参加した。 2.視察・見学対応 メルクマールせたがやには、毎年区内外を問わず視察や施設見学の申込みがある。特に、居場 所のコンセプトや機関連携など実際の運営について質問を受けることが多い。ひきこもりの方が どのようにして利用に至るのか、相談支援と居場所支援の取組みについて意見交換をすることが あり、メルクマールせたがやとしても、視察を通して他の自治体の取組みを知る貴重な機会とな っている。 1)視察対応 令和7年度の主な視察対応は以下の表の通りである。「リンク」が開設したことにより、メル クマールせたがやには主に若者支援施策に係る内容が多く、「リンク」には主にひきこもり支援 や重層的支援体制整備事業に係る内容の依頼が多い。視察対応では、相談窓口機能だけではない 継続的な相談支援や居場所活動の他、協議会の運営や多機関連携について意見交換を行った。 視察対応(メルクマール) 中野区子ども・若者支援センター せたエール 千葉市こども未来局 浜松市こども若者総合相談センター 大田区子ども家庭支援センター NPO法人フリー・ザ・チルドレン、国立青少 年教育振興機構、東京工科大学教員 視察対応(リンク) 世田谷総合支所生活支援課 川崎市健康福祉局 厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 【用語解説】 □ アウトリーチ:主に社会福祉の領域で使われる用語で、「支援者側から地域に出向いて支援を 必要とする人に必要な支援と情報を届ける活動」のこと。メルクマールせたがやでは、利用者 の自宅への訪問相談や地域に出向いての出張相談会などを実施している。また、他機関との連 携や支援ネットワーク構築も広義のアウトリーチ活動である。 □ アセスメント:「査定」と訳される用語で、相談者との面接場面でのやり取りの様子や聴取し た情報などを基に、相談者の心理状態や力のある部分といった能力、課題などを見立て、今後 の支援方針を計画すること。相談者を理解し、適切な支援を提供することを目指す。 □ インテーク訪問:初回の相談を訪問で実施すること。通常、初回相談はメルクマールせたがや への来所で実施するが、本人や家族が来所困難な場合は電話での相談希望を受けて訪問による 初回の相談を実施している。支援を必要とする人へのアウトリーチ支援活動のひとつ。通常の 訪問と同様にインテーク訪問においても、ひきこもりの本人の了承を前提としており、本人か らの明確な拒否がある場合は実施しない。 □ エンパワメント:個人や集団が本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させることを意味 する用語。利用者が本来の力を発揮できるようになることで、自ら主体的に課題解決に取り組 めるようになると考え、支援者は利用者の強みや能力を尊重した肯定的な働きかけを行う。 □ サテライト:ここでは、「拠点」という意味で使用している。メルクマールせたがやは世田谷区 の三軒茶屋が本拠地であるが、世田谷区は区役所機能が5地域に分かれており、広域で人口も 多い自治体であることから、区民の身近な場所で支援を届けるためには「拠点」が各地域に必 要と考えており、サテライトとして出張相談会を4地域の総合支所や希望丘青少年交流センタ ー「アップス」で定期開催している。 □ 生物・心理・社会モデル:遺伝子や身体機能などの生物学的な面、気分や行動といった心理学 的な面、生活する社会環境や文化などの社会的な面という3つの側面から、課題や困難な状況 を包括的に捉えるという考え方。精神科医のエンゲルによって提唱されたモデル。 □ ピアサポート:「同じ悩みを抱える仲間同士の支え合い」を意味する用語。メルクマールせた がやにおいては、居場所活動はひきこもりに悩む本人同士のピアサポートの場であり、家族会 はひきこもりに悩む家族同士のピアサポートの場になっている。対等な関係性の中でお互いに 支え合いながら成長し、課題を解決していく。 □ 本人:ここでは、「ひきこもりなど生きづらさを抱えた方」を指す用語として使用している。メ ルクマールせたがやはその方々の多様な自立や望む生き方をサポートする機関であり、家族が 利用主体の場合も“家族を通した「本人」への支援”を実施している。 ○ アクセス 【東急田園都市線・世田谷線】 三軒茶屋駅 徒歩3分 【小田急バス】〔下61〕駒沢陸橋−北沢タウンホール 三軒茶屋バス停 徒歩1分 世田谷若者総合支援センター 令和7年度メルクマールせたがや事業報告書 <令和7年4月〜令和8年3月> 令和8年8月 発行 編集・発行 世田谷若者総合支援センター メルクマールせたがや 事業運営 公益社団法人 青少年健康センター【茗荷谷クラブ】 〒154-0004 東京都世田谷区太子堂2‐16‐7 世田谷区役所三軒茶屋分庁舎5階 TEL 03−3414−7867 なやむな FAX 03−6453−4750 HP https://www.city.setagaya.lg.jp/02412/8950.html QR コード https://3cha.tokyo/ QR コード