SETAKEN newsletterno.59 2026September 特集 01 視察へ行ってきました(in西条市) P3 02 学会参加報告P4 Topic 03 せたがや版データアカデミーP5 04 「地域生活とコミュニティに関する調査2024」ダッシュボードを公開しましたP5 連載 05 社会調査マスターへの道《質的調査編》P6 おしらせ 20年目事業を開催します 特集1 視察へ行ってきました(in西条市) せたがや自治政策研究所は、調査研究の成果を生み出すだけでなく、人事異動の影響を受けにくい研究所体制の構築と、研究員の育成カリキュラムの検討を進めています。 今回、その取組みの一環として、愛媛県西条市の西条自治政策研究所を訪問し、研究所運営や研究員育成の仕組みについてお話を伺いました。 今回の視察で特に注目したのは、西条自治政策研究所が取り組む「3層構造の人材育成システム」です。せた研では、研究員が異動しても知見やノウハウが途切れず、組織として研究力を蓄積していくことが重要な課題となっています。 そこで、先進的な研究員育成の取組みを行っている西条市を訪問し、制度設計の考え方や運用上の工夫を学ぶこととしました。 西条市自治政策研究所では、入庁3年目職員全員を対象とした基礎研修から、選抜職員によるプレ研究、政策提言を目指す本格研究へと段階的に発展する「3層構造」の人材育成システムを構築しています。 各段階で常勤研究員が伴走支援を行い、実践的な政策形成能力の育成につなげていました。 研究所に配属された職員だけが研究を担うのではなく、庁内のさまざまな所管とつながりながら、政策形成に必要な視点や手法を広げていくこと。さらに、研究所経験者や関係部署とのつながりを生かし、研究の知見を庁内に還元していくこと。西条市自治政策研究所ではそうした循環を上手く作り上げていました。 せた研では今年度から「人づくりを重視する研究所」といった方向性を掲げています。 所管と連携しながら政策形成を支え、庁内に研究の輪が広がっていく、このような仕組みがせた研にも必要であると感じました。 特集2 学会参加報告 ●自治体学会in横浜 8/21(金)22(土)に、第40回自治体学会に参加してきました。 この自治体学会では、自治体職員はもちろん、議会議員研究者・市民など肩書を問わず多くの人々が議論・交流できる場として開催されています。 今回も多くの参加者が見受けられ、当研究所も参加してまいりました。 今回のテーマ『「自治体学」の未来ー横浜で語り合う市民自治とまちづくりー』として、市民自治や地域づくりを中心に多様な視点から研究発表や議論が行われました。 会場では発表後に質疑応答が行われ、立場の異なる参加者同士が意見を交わす様子が見られました。 また全国各地の実践や研究成果に触れることで、地域づくりや住民自治に関する視点や気づきを得ることができました。 さらに22日には、ポスターセッションに出展し来場者と意見交換を行いました。 ●地方行政実務学会in鳥取 8/29(土)30(日)は、第7回地方行政実務学会全国大会に参加しました。 当学会は、原則通算10年以上の自治体職員として勤務した経験をもつ研究者や現役の自治体職員で構成される学会になります。 今回も現場経験を有する研究者による実務に沿った研究や、自治体職員による実践事例の報告等があり、一般職員が研究員を務め、調査研究を進める当研究所としても非常に有意義な時間となりました。 今大会は『人口減少社会に立ち向かう』がテーマとして掲げられ、都道府県の中で最も人口が少ない鳥取県の平井知事のご挨拶により大会の口火が切られました。 筆者が個人的に特に印象に残ったのは、厚木市による財政情報をダッシュボードで可視化し、政策判断に活用する取り組みの報告と、早稲田大学の稲継教授が企画された政策過程理論・フレームワークの紹介及 び事例報告でした。いずれも研究所の取り組みになぞらえて考えることができ、大変参考になる内容でした。 Topic1 せたがや版データアカデミー 8月12日(水)に教育総合センター内でせたがや版データアカデミー(せたアカ)を開催しました。 今年度のせたアカはEBPM(根拠に基づく政策形成の考え方)の基礎知識と実践方法の習得を目的として開催しました。 せたがや版データアカデミーでは、「政策を根っこから考える」、「研究員と参加者同士による互学互修」、「トライ・アンド・エラーの大切さを体験する」といった場を設けております。 業務改善したい、論理的に物事を提案したい、他所管の職員と意見交流したいと感じている人にぴったりな講座になります。 講座中の質問はもちろん、受講後に所属部署での実践を検討する際も、研究員が伴走しながら全力でサポートします。 EBPMやデータ分析について気になる方がいらっしゃいましたら、是非研究所までご連絡ください! Topic2 2024年に実施した社会調査「地域生活とコミュニティに関する調査2024」の集計結果をダッシュボード化し、公開しました。 回答者の基本属性や各設問の結果について、地域・地区ごとに把握することが可能です。自由に閲覧可能ですので、ぜひお住いの地域や関心のあるテーマについてご覧ください。 連載 社会調査マスターへの道《質的調査編》 ●インタビューの準備=信頼構築の準備 事前の勉強(2025年度3月号)をし、インタビュー対象者の見当(2026年度5月号)がついたのであれば、いよいよインタビューの準備に取り掛かる段階です。 といっても、インタビューの準備は何をすればよいのでしょうか?ここから先の具体的な作業はケース・バイ・ケースのことも多いですので、何か決まりきった正解があるわけではありません。 ただ、いかに崇高な目的があろうと、インタビューは基本的には調査者側の都合によって行われるものです。であれば、調査者側の信頼性が重要になるのが自然です。 信頼を維持することを基本原則に、ケースに応じて以下の文面を準備することをおすすめします。 1.対象者へのインタビュー依頼文 まずは対象者に対して、インタビューの主旨と依頼文をまとめた文書を作成するところから始めましょう。 当たり前ですが、自分が何者で、何の目的で、どんな意義を感じて、このインタビューを実施するのかを丁寧に説明することが重要です。 それも形式的にこれらの項目について伝達すればよいわけでもなく、これを受け取った相手が、理解できるように配慮しなければ、信頼を得ることができません。 この手の依頼文の実例などは、社会調査法の本等で多く紹介されていますので、それらを参考にすればよいですが、あくまでも一つの信頼関係の構築プロセスであるというところは心に留めておきたいところです。 依頼文ができたら、紙面であれ、メールの添付文書であれ、相手方に送付したのちに、追って電話やメールを通じてインタビューの許諾をとり、日時や実施場所についてのすり合わせを行いましょう。 2.質問リスト その一方で、インタビューで質問する項目をA4用紙1枚程度にまとめておくことをおすすめします。 当然、実際のインタビューで、ここで書かれた項目通りに話が進むとも限らないのですが、目安としてこれを用意しておくと、インタビューをスムーズに進められます。 この質問リストについても決まったルールがあるわけではありません。ただ、インタビューの要になる質問を端的に列挙しておく方が良いと思います。 例えば私などは、多くても10項目程度にまとめるように心がけています。インタビュー当日は、流れに応じてここでの項目から派生させながら質問をしていくことできるのが最大のメリットです。 また、ここで作成した質問項目は、インタビュー当日に対象者の分も用意しておくと、これを対象者と眺めながら話を進めることができるので便利です。 もし可能であれば、前述したインタビューの依頼文にこれを添えて送っておけば、対象者は事前にイメージしておくことができますので、相手方の不安の払拭にもつながるでしょう。 同僚や同期といった身近な人に一度読んでもらって、助言をもらうのもいいですね。 繰り返すようにインタビュー実施に至るまでの準備は決まりきったものではありません。それだけに信頼の構築が何よりも重要なる過程でもあります。 インタビューの受け手が調査の対象者である以前に1人の人間であることを忘れず、誠実に向き合う努力が求められるのです。 【参考文献】玉野和志,2008『実践社会調査入門今すぐ調査始めたい人へ』世界思想社 おしらせ 設立20年を迎えるせたがや自治政策研究所では、これまでの研究成果を振り返るとともに、地域のつながり方が変化するなかで、行政・住民・地域活動団体・民間企業など多様な主体がどのように支え合い、新たなコミュニティを育んでいけるのかを、参加者の皆さんとともに考えます。 基調講演「自分事になる一歩目を考える:世田谷とシアトルの事例から」 パネルディスカッション「コミュニティの未来をひらく〜多様な主体による連携〜」 日時・会場・申込方法等の詳細は、決定次第チラシ等でお知らせします。 ご覧いただきまして誠にありがとうございました! よろしければNewsletterについてのアンケートにご協力ください!