令和4年度の調査研究の総括と今後の展望 大杉 覚(せたがや自治政策研究所所長) 1.はじめに 令和4年度は、「3か年計画」の中間年にあたる2年度目であり、2年単位のプロジェクトの終了年次であり、研究の総括や政策提言に向けた3年度目=最終年度を見据えた時期にあたる。所員の熱心な取組み、 そして、関係各位からのご協力により、本報告書の通りの取りまとめに至ったことをあらためて感謝申し上げたい。 さて、本報告書を取りまとめるにあたって、本章では、令和4年度の調査研究のアウトプットの全体像を整理し、令和5年度以降に取り組むべき課題とその対応の道筋を示しておきたい。 2.令和4年度調査研究のアウトプット 令和4年度調査研究は、令和3年度調査研究を踏まえて概ねの取りまとめが行われ、その成果は本活動報告書各章で詳述されるとおりである。 大別すると、地域コミュニティに関する調査研究(プロジェクトA−1)、地域行政に関する調査研究(A−2、B)、データの整備と活用(プロジェクトC)がある。前者二者について直近の調査研究テーマとの関係で流れを示すと、図1のようになる。 なお、令和4年度より、有識者による懇談会を開催し、本研究所の研究に対して、懇談会を構成する有識者から適宜意見を提示いただいた。懇談会での主要な意見及びその対処については、表1を参照してほしい。 3.「3か年計画」最終年度である令和5年度の調査研究について 上述のとおり、令和4年度で調査研究を終えたが、研究論文や政策提言としての体裁を整えた取りまとめが残されたものもある。 「3か年計画」最終年度である令和5年度は、これらの取りまとめを仕上げるとともに、区民や区役所内に向けて適切な情報共有が図れるかたちで発信することに力点が置かれる必要がある。 昨年度に続き、令和2年度の報告書で書いた次の文章を再度提示するならば、「適切な自治体経営がより豊かな地域資源の形成を実現する。豊かな地域資源の形成がよりよい地域社会の形成につながる。 そして、よりよい地域社会の形成が自治体経営の基盤を強化し、より向上させる。地域ガバナンスの好循環をこのように定式化したとき、こうした循環システムが適切に構築され、円滑に機能するよう、 調査研究を踏まえた具体的な提言によって世田谷区政をサポートするのが、せたがや自治政策研究所のミッションである」ことを、研究所所員一人一人が踏まえた取組みが求められるといえる。