第3回世田谷区基本計画審議会 議事録 【日  時】 令和4年11月17日(木) 午後6時30分~午後8時34分 【場  所】 世田谷区役所第1庁舎5階 庁議室 【出 席 者】 ■委員 大杉会長、鈴木副会長、青柳委員(オンライン)、江原委員、小林委員、汐見委員(オンライン)、中村委員(オンライン)、長山委員、森田委員、涌井委員(オンライン)、安藤委員、佐伯委員、下川委員、羽毛田委員(以上14名) ■ 区 保坂区長(オンライン)、中村副区長、松村副区長、松村技監(オンライン)、加賀谷政策経営部長、舟波地域行政部長(オンライン)、田中保健福祉政策部長(オンライン)、畝目都市整備政策部長(オンライン)、知久教育総務部長(オンライン)、秋山政策企画課長、髙井経営改革・官民連携担当課長(オンライン)、箕田政策研究・調査課長、真鍋政策経営部副参事(計画担当) 開会 【大杉会長】  それでは、定刻になりましたので、第3回世田谷区基本計画審議会を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。  議事に入る前に、事務局より、本日の出席状況の報告と、配付資料の確認をお願いします。 【真鍋副参事】  それでは、事務局より御報告させていただきます。  本日は、尾中委員より欠席の連絡をいただいております。  また、青柳委員、汐見委員、中村委員、涌井委員がオンラインでの御参加となります。  なお、中村委員及び青柳委員におかれましては、御予定がございまして、本日、途中で御退席となりますので、御了承ください。  続きまして、配付資料でございますが、次第の下段に配付資料一覧を記載してございます。御確認いただきまして、不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。  また、参考資料でございますが、参考資料1は、第2回基本計画審議会の傍聴者からの御意見・御感想となります。前回同様、参考資料として共有を図らせていただければと存じます。  参考資料2と3につきましては、後ほど触れさせていただきたいと存じます。  配付資料の確認は以上でございます。 【大杉会長】  それでは、議事に入りたいと思います。 1 意見交換(目指すべき将来像、基本的な考え方・コンセプト、重点的に取り組むべき課題) 【大杉会長】  議題1、意見交換につきまして、まず事務局から御説明をお願いいたします。 【真鍋副参事】  それでは、意見交換の前に、配付資料並びに参考資料2について、御説明します。  まず、参考資料2を御覧いただけますでしょうか。  こちら、LWC指標の概要についてということで、参考情報として御説明をさせていただければと思います。  1ページを御覧ください。  現在、自治体には、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の地方版の作成が求められていまして、区では、平成27年に第1期総合戦略を策定しました。しかしながら、区の総合計画である基本計画ですとか実施計画と内容が重なりますので、第2期からは実施計画を総合戦略と位置づけて、一体的に管理しています。今回、国は地方創生総合戦略を抜本的に改訂しまして、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定することとしておりまして、区としても、こうした動向を注視しながら次期基本計画の検討を進める必要がございます。  「デジタル田園都市国家構想」では、下のほうに書いてありますけれども、「心ゆたかな暮らし」と「持続可能な環境・社会・経済」の実現を目指すとしておりまして、地域のウェルビーイングの向上にあたって、このLWC指標の活用を推奨しておりまして、検討が進められている最中でございます。  2ページを御覧ください。  LWC指標の構成でして、心の因子として2つ、行動の因子として2つ、環境の因子1つの5つの指標群で構成されてございまして、うち、上の4つは全て主観的な指標、つまり、アンケート調査などで把握されるものでございます。下の環境因子である「暮らしやすさ」のみ客観的指標と主観的指標から構成されています。  この「暮らしやすさ」の指標については、現在、全市町村のものが取れるということで、世田谷区のものを取ってきたのが3ページになります。  右側のレーダーチャートで緑の実線が客観的指標、オレンジの破線、点線が主観的指標でして、数値としては全国の偏差値で示されています。周りに項目が記載されていますけれども、オレンジの項目が身体的健康、紫が社会的健康、青が精神的健康となっておりまして、それぞれの項目を構成する指標が4ページ以降、身体的健康だったら、こういったもので指標を取っています。左側が客観、右側が主観ということで出ています。  実際、本日、これをご議論いただきたいわけではなく、前回の審議会でも指標の持ち方につきまして、例えばレーダーチャートのような形で、何が足りていて、何が足りていないかを見ていく必要性ですとか、もっと上位概念において指標を設定する必要があるろうというような様々な御意見をいただいた中で、国でもこうした指標の活用が検討されておりまして、区の立ち位置といいましょうか、特性、そういった現状を知る上でも、今後の検討にあたっても御参考になろうかと思いまして、本日、参考資料としておつけさせていただいています。  では、通常の資料に戻りまして、資料1から3を御説明します。  資料1-1は、前回もお示しした論点整理シートです。これに前回の第2回審議会の委員の皆様の御発言を追記しています。ですが、見にくいので、こちらを整理したものが資料1-2になります。同じものになります。  第2回で委員の皆様からいただいた意見を下線を引く形で追記しています。キーワードがあるものについてはそこに、キーワードがないような新たな視点については、キーワード・視点も追加しているという形です。こちらは後ほど御確認いただきながら意見交換をさせていただければと思います。  1-3を御覧いただいてもよろしいでしょうか。  先ほど資料1-2で説明しましたが、そちら記載のキーワードとか必要な視点、こういったものを基に、表の色つきの部分、こちらの例えば上のほう、基本方針(目指すべき将来像)について、少しまとめた形で、事務局案として記載してございます。  例えば、一番上で言いますと、多様性の尊重、苦しい人へ手を差し伸べられる社会、経済上の格差・貧困問題への対応、分野の狭間にある課題・複合的な問題への対応、地域で暮らし続けるための支援、こうしたいただいた視点から、表現がこれでいいかは今後の議論ですが、例えば、「多様な方々の人生が輝き、一番苦しい人に手を差し伸べられる地域社会」という将来像としてはどうかという事務局案になります。同様の形で整理させていただいて、「子どもの笑顔がより溢れ、生き生きと学べるまち」と続きまして、5つの将来像に整理してございます。あくまで事務局案ですので、本日の意見交換の御議論にあたってのたたき台、素材になればと思いまして示しております。  なお、キーワード欄に、括弧書きで【区民検討会議】という記載がございます。夏に行いました区民検討会議でも、「10年後こんな世田谷区になってほしい」をテーマに議論しております。そこで出されたで、もちろん審議会での議論と重なるところはありまして、重なるところは追加していませんけれども、これまで審議会の議論ではあまり出てこなかったキーワードなどは、ここに追記をさせていただいております。  その表の下段にいきますと、将来像の実現に向け分野横断的に重点的に取り組むべき課題について、同様の形で事務局案を5つ示させていただいております。  まだ将来像が固まっていない状態なのですけれども、この間の御議論の中でも、重点課題に関連する意見を多くいただいていますことから、将来像同様、議論にあたってのたたき台、素材になればという思いで示させていただいております。  続いて、資料2、前回に引き続きでございますが、区の基本的な考え方を示しております。  改めて2ページ、公共的指針として引き続きみんなで共有する目標、9つのビジョンがありますけれども、先ほど御説明した「将来像」の区案を作成するときには、このビジョンも意識をさせていただいているところでございます。  また、重点的に取り組む課題も事務局案を出させていただきましたけれども、そちらにつきましては、5ページ以降にございます6つの視点と委員の皆様方からいただいた御意見との重なり具合を勘案しながら作成をしたところでございます。  続いて、資料3でございます。本日、御欠席の尾中委員より提出していただいた意見でございます。  重点的に取り組むべき課題に係る御意見でして、区民とのコミュニケーションを図る共通プラットフォームを設置するべきではないかですとか、ミレニアル、Z世代が成人後に働く上での支援として、ビジネスマッチング支援やスタートアップ企業経営に向けた支援に力を入れてはどうかといったような意見をいただいております。  最後、繰り返しになりますけれども、資料1-3の文言、表現は、区としてのたたき台でございますので、表現、まとめ方等々、欠けている視点を含めて、様々な御意見を賜れたらというふうに考えております。  説明は以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  いろいろな資料がありましたけれども、前回まで委員の皆様からいろいろな御意見をいただきましたものを集約する形で、ただ、集約の仕方はどうしても事務局のほうでまとめるということもございますので、そこのまとめ方、それから、その文言のあり方というところで、また前回までにまだ出されていないこういう点も必要なのではないかというようなことも、今日の場では議論していきたいと思います。  次第でも、意見交換の内容としては、「目指すべき将来像」、「基本的な考え方・コンセプト」、「重点的に取り組むべき課題」が本日のテーマとなっておりますので、皆様から引き続き御意見をいただきたいと思っています。  今日の会議は、途中で退席される方が何人かおられますので、先に御意見を承る形で進めさせていただいてよろしいでしょうか。  それでは、まず、中村委員が比較的早く退室されるということですので、最初に御意見をいただければと思います。 【中村委員】  御配慮どうもありがとうございます。申し訳ありません。少し早めに出なければなりませんので、発言の機会を与えられまして感謝いたします。  まずは、事務局のほうで、論点整理シート①、②を整理していただきましたし、また、新たな資料も出していただきまして、作業に感謝いたします。論点整理シートについては、前回、前々回、私が発言させていただいたことを盛り込んでいただいておりますので、本当にありがとうございます。  ただ、資料1-3の性格がよく分かりませんでしたので、事務局で整理されたものだということであるならば、もう少し一生懸命1-3も見るべきではなかったかと今ちょっと反省しているところでございます。  私のほうからは、今日のテーマ、基本的な考え方・コンセプト、基本方針について意見があればということでしたので、幾つか述べさせていただきます。  まず、基本的な考え方・コンセプト、この資料1-3で言えば、茶色の部分ではなくて、上のほうの「計画策定にあたって」の考え方になるのではないかと思いますが、私は、もう少し区民の力を引き出すような、住民参加と活動を促す地域づくり、住民主体というようなことをもう少し前面に出していただいたらよろしいのではないかと思います。  世田谷区は様々な意味で23区の中で人口も多いし、人材も豊富であるという区の特性を生かすべきだというふうに思いますので、区民を施策の対象と捉えるのではなくて、自ら地域をつくり支える存在というようなことを位置づけていただくべきではないかというのが第1点でございます。  また、第1回目で、世田谷区も人口減少局面、少子化の問題に直面することを意識する必要があると述べさせていただきました。必ずしも世田谷区の人口が減るというようなことではないようですが、ただ、横ばいであり、これまでのように人口が右肩上がりに増えるという傾向はなくなるわけですので、子どもが生まれ、育ちやすい社会、子ども真ん中社会とか言われておりますが、子ども中心ということを基本コンセプトにして、若い世代の人が世田谷区に来て、定着し、住み続けられるということを、もう少し強調して出すべきではないかと思います。  私は、前回、青柳委員が、地域が人を育てる力が完全に落ちているという御発言がありまして、その発言は大変印象的でありましたし、私としては重く受け止めたいと思います。ですので、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるという前に、住みたくなる地域、子ども・子育てによい環境の地域にしていくという政策が必要ではないかというふうに思いました。  2つ目は、基本方針に関することですが、子ども・若者への支援というようなことが出ておりますが、これまでの子ども・子育て政策の分野は、他の福祉、介護行政に比べて遅れている面があるのではないか、いろいろ困難な面があるのではないかと思っております。これまで児童相談所は都道府県、市区町村の行政とは分断されてまいりました。1歳半健診などの保健と福祉の連携もどうも欠けがちでございます。それから、全てのお子さんの育ちを扱う部門、成育部門と、困難を抱えたお子さんや御家族を扱う部門、支援部門が必ずしも有機的に機能していないようにも見受けられます。  また、福祉行政と教育行政が分断されている。幼児期は福祉が中心、小学校、中学校に入ると学校教育が中心、高校になると、その学校も市町村の手から離れ、都道府県の行政になる、こういうふうに子ども・子育て行政は非常に難しい面があると思います。  その中で世田谷区は、23区でいち早く児童相談所もつくっていただきましたので、制度、組織、年齢による壁を克服して、全ての子どもに健やかな成長を支援し、誰一人取り残すことない支援を実現することを基本方針にできないかということ。それから、子ども・子育てへの支援の充実という言葉もずっと使われてきていますが、何かこう、支援だけでよいのかなと。むしろ、子どもが生まれ育つ上で、よい地域にする、子どもを中心に据えた組立てにできないかというふうに思います。  あと3点でございます。  65歳以上人口は増え続けますが、世田谷区の場合、要介護認定に該当する方、つまり、要介護の方は、その65歳以上人口の2割程度でずっと推移してきております。8割の高齢者は元気ですので、高齢者が社会に参加、活動しやすい地域づくりを目指していただきたいと思います。  そして、高齢介護の分野では、世田谷区の特色として、全国平均と比較して、有料老人ホームなどが非常に多くて、また、そういった有料老人ホームなどに訪問する訪問介護、ヘルパーさん、訪問看護の比重も大きくなっています。つまり、これらを見ますと、介護の分野でも、株式会社などの果たす役割が大きくなっています。  世田谷区を考えますと、大変大企業もありますし、そういったことを考えますと、もう少し高齢者の日常生活の支援を考えた場合、移動、買物等のニーズもあり、もっともっと民間企業との協働ということについても考えていくべきではないかと、その辺についてももう少し前に出して計画づくりをしていただきたいと思います。  最後に、計画策定にあたって重視すべき考え方などの点ですが、医療、介護、福祉の分野では、事業者の方、それから職能団体が果たすべき役割は非常に大きなものがあります。各種審議会などで事業者団体や職能団体の代表委員が入っておられます。医師会、歯科医師会、薬剤師会だけで、審議会の委員の6名を常に占められています。計画推進にあたって、事業者、職能団体の果たす役割の大きいことの反映だと思いますので、その分、それらの方々の責任や果たすべき役割、あるいは期待されることを記述してはどうかというふうに思います。  以上でございます。どうぞよろしくお願いします。 【大杉会長】  ありがとうございます。  いろいろな点を御説明いただきました。続いて、また皆さんから御意見をいただきたいと思うんですが、青柳先生も少し早めに退室されるということですので、もしよろしければ、このタイミングで御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。 【青柳委員】  中村先生みたいにきちんと用意してきていないのですが、資料1-3のところに、1つは、区民の生命を守るというところがございますけれども、やはり今、日本全体で首都圏の直下型地震と、それから南海トラフの可能性が30年以内に70%の確率だと言われています。しかも、首都圏の場合には95兆円ぐらい、それから、南海トラフの場合は225兆円ぐらいの経済損失が出るだろうと。これは3.11の16兆9,000億円に比べると、5倍とか、とんでもない数が推定されている。だから、切りがないわけですけれども、それに対するある程度の対応というものを自治体としては考えておかなければいけないのではないかということを申し上げたいと思います。それが1つ。  もう1つは、この間、能登半島の先に行ったら、11月の初め頃にもかかわらず、収穫祭等々が終わった後のお祭りですけれども、地域の30家族ぐらいしかいない人たちが、自分のうちで作った野菜と、それから、4家族ぐらいが漁師の家なんですけれども、その日釣った魚を持って集落の小さな社で本当にささやかなお祭りを、お祭りというか、ただ集まってみんなで自分たちで作ったもの、あるいは捕ったものを食べて、地元のお酒を少し飲むというような形で、それが実にコミュニティとして和やかでいいんです。この風景は全く世田谷の中にはない。それから、豊かそうに見えるマンションは余計にそういうものには背中を向けているというようなことで、そういうところで、どれだけ地域愛をつくっていくのかと。そのための仕掛けとして、やはり最初はごくごく小さな地域でのお祭りみたいなものをやっていくとか、お祭りではなくて西洋式の、それこそハロウィンでも何でも構いませんが、そういう何か地域の人たちが集まって、顔と顔を合わせて体を動かすというようなものが、もう少し都会の中にもあっていいのではないか。  例えば、新居浜では、9月のお月見のために市役所の前の駐車場を空けて、そこにみんなが集まって小さなステージを作って地域のバンドが演奏したりなどする。それから、そこでござを敷いた人たちが、お月見をしながらお酒を飲むというようなことが行われています。  いろいろな地域で、地域のための工夫が、東京以上に地方では様々に工夫されています。そういう意味での都会での地域の工夫という、コミュニティを醸成するような、何でもないお祭りであるとか、集会であるとか、そういうものをもっともっとつくらないと、それこそ直下型が起こった後の、そのときに初めて絆、絆などと言うわけですけれども、そういうときに非常にしっぺ返しを食らう可能性が都会には大いにあると思います。  ですから、むしろ我々は、世田谷というと先端的だと考えているけれども、実は、そういうコミュニティという意味では遅れているところだというふうに捉えることも必要ではないかなと思います。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。お二人の委員より、非常に全般的に関わるいろいろな論点を出していただけたと思います。まず、この審議会としても、まとめの方向に向かっていく前に、皆さんから一通りいろいろな意見を出していただきたいと思っていますので、特にこの件でということではなくて、今、お二人の委員からいただいたことにかぶせる形で展開していただいても構いませんし、事務局のほうで用意していただいた資料を御覧いただいて、気づかれた点など、ぜひいただきたいと思います。  それでは、いかがでしょうか。 汐見委員、どうぞ。 【汐見委員】  すみません。今日はちょっと地方に出ていまして、こんなところからですが、今、お二人の先生がおっしゃってくださったこと、私が考えたこととつながりましたので、少し発言をさせていただきたいと思います。  御丁寧にまとめてくださったので、よく分かりましたけれども、せっかくこうやって審議会の議論を重ねているわけですから、やっぱりもう少し、なるほどなというふうなものに、私自身は、ここのところをもう少し書いていただけないかということは幾つかございました。  私は教育畑の人間ですから、子ども・若者支援と教育の充実というところについて、ある程度、責任を持って発言しなければいけないと思っているんですが、まず最初に、今日、後で配ってくださった資料2の追加の資料の3ページのところに基本構想が緑であって、その下に基本計画が紫、青、そしてこれはピンクなんでしょうか、そういう形にあるんですが、基本構想のところに、「個人」、「子ども教育」、「健康」といって、最後に「参加」と並んでいるというところに、正直に言いまして違和感を持ちました。  なぜかと申しますと、どの分野であったとしても、これを実現するためには、区民の子どもも含めた参加ということがなければ、これは新しいまちづくりにはつながらないのではないか。「参加」というのが別にあるような感じで書かれていることが違和感の正体なんです。  私は、学校教育を変える1つのキーワードも「参加」だと思っているんです。9ページのところに、子ども・若者支援と教育の充実とあって、その文章の4-0のところに、後半に「教育は、大きな変革期にあります。教育委員会では、文部科学省のGIGAスクール構想に基づき」云々とあります。生徒は今、一人一人タブレットを持っているわけですよね。でも、タブレットを持っていても、大事な考え方が変わらなければ、授業の方法が少し変わったという程度で終わってしまうと思っているんですよね。  今、全国で面白い公教育をし始めているところの1つは、その地域の社会的な課題、あるいは文化的な問題も含めてなんですが、その地域の社会的な課題を学校を通じて子どもたちがどう解決したらいいのかということを、授業というところ、授業というのは僕はよくない言葉だと思っているんですが、英語で言えば「Study」ですね、子どもたちの集団研究を通じて、例えば、うちの街は高齢者が増えていて、高齢者が元気がなくなるといろいろな問題が起こる。じゃあ、高齢者が元気に生活して頑張っているような、そういう街にうちの街を変えるためにはどうしたらいいのか。これが今年の1年間の社会科の授業のテーマだというような授業に変えていくわけですよね。子どもたちは、全国のお年寄りが元気に頑張っている街をまずは調べてみよう、そこで初めてネットを使って、そしてGIGAスクール構想が初めて生きてくるわけですよね。  北海道のこういう街では、実はこういうことをやっている。じゃあ、みんな、夏休みにその街へ調べに行こう。1年間を通じて、うちの街では、こういうふうなことをやれば、お年寄りがもっと元気に社会参加、そして、様々な役割を担うというような街にできるのではないか。これが私たちが1年間調べて出した結論ですというような、そういうものをいろいろなレベルでやっていく。  実は、隠岐島の隠岐島前高校というところが、生徒もいなくなって廃校寸前になったときに、この島前高校の改革を担ってくれないかの募集があって、私の知人が手を挙げて行って、数年で島前高校が全国でも有名な高校になるというV字回復をさせました。有名な話なんですが、それは全て島前高校の生徒たちが、自分たちでどうしたらここがみんなが元気になるまちづくりができるだろうかということを調べ回って提案したということがあって、それから漁業の魅力とか、そういうものを全国にも発信して、それだったら、ここの高校へ行きたいということで、隠岐島の島前高校に来ている生徒のかなりが全国から集まってきている生徒になっていますが、そういうふうなことを提案したのは、全部、実は生徒なんです。  私は、今はこれだけの情報社会になって、ツールもこれだけ縦横無尽に発達して、子どもたちも社会の中で生きて、社会の問題はいろいろ言われるけれども、相変わらず子育て支援とかという書き方をしたら、子どもたちはいつも支援されているほうにしか映らないんですよね。違うのではないかということです。子どもたちは、今の社会の主人公として生きていかなければいけないんですから、もうそのことを、まだ働かなくてもいい年齢で、一生懸命考えて、私たちはこういうふうに考える、こうやったら変わるのではないか。そういうことをあらゆるレベルでやっていく。  世田谷区では、そうやって1年間にいろいろ調べたそういった提案を世田谷区の生徒たちの発表会でいろいろ提案して、そして街や行政は、そのある部分を採用して一緒にやっていくというようなことが、もう当たり前になっている。高校生になると、本当に国の政策だって採用できるような案をどんどんどんどん出していくというな、そういうようなことを学校でやるんだとなったら、みんな学校に喜んで行くようになると思うんです。  そういう意味で、私は、参加と言っても、ここでは課題解決への参加型学校というような形に学校のイメージを変えていく。そういうことをやらないと、新しい提案というものにはつながらないような気がするんですよね。  同じことを別の形で、ちょっと別の分野で言いますと、社会福祉法人というものと私は付き合いが多いんですが、社会福祉法人というのは、何をミッションとしている団体かといいますと、企業が経済活動をしていくためには、一番大事なことの1つは、マーケットリサーチですよね。結局、市民がどういうことを今求めているのか、そのマーケットのニーズを調査するということなしに、いくらやっても空回りしますよね。  実は、社会福祉法人というのは、同じような論理で経営していかなければいけないと思っているんですが、社会福祉法人がやるのは、住民の中にどういうニーズがあるかということの徹底した調査をやるということだと私は思っているんです。住民の中にこういうニーズがある。例えば、障害を抱えた家庭が、子どもの就労にすごく苦労しているというのであれば、そういう障害を抱えた家庭での若者の就労を支援するような組織を社会福祉法人が協力してつくっていこうではないか。地域の中に障害者が様々に運営しているようなところがたくさんできてくる。  実はこれ、神戸でもう既にやっています。私はそこにずっと関わっているんですが、どうしてこういうアイデアが次々出てくるのかと言ったら、それは私たちの仕事は、地域のニーズを調査するところから始まっているんだと言う。そこでこんなことが、困っていることがあったら、じゃあ、それは私たちの力でやろう。  実は今、兵庫県の社会福祉法人が全部集まっている団体の中で、そういう県の抱えているニーズというものを、もう1回みんなで必死になって調査して、その解決を法人で提案していくというようなことが始まっています。  私は、参加という形でやるのであれば、そういう社会福祉法人、それから今、保育園などは株式会社もかなりやっていますけれども、株式会社も僕は同じだと思うんですが、それは福祉ということの新しいあり方だと思っているんです。だから、福祉行政もそういう形で参加型でやっていく、そういうことも、もっともっと大胆に提案していただければというふうに思いました。それが1つ。  あとは、今、青柳先生がおっしゃってくださったこととつながるんですが、私は、人々が何かのときに気軽に集まったり、支え合ったりするというためには、場合によっては、小さな規模でも構わないんですが、何かイベント、私の言葉で言えば、小さな地域の祭りというものがときどきあるということが、かなり大事ではないかと思っているんですよね。ここに新しい地域をつくると言ったときに、何がきっかけになるかといっても、簡単にアイデアは出てこないんです。だけれども、ここでは、こういうことが祭りで行われるんだとなったら、かなり一挙に変わる。  その1つのモデルと私が考えているのは、ロンドンなんです。ロンドンで、もう10年ちょっと前になりますけれども、子どもの電話相談、チャイルドラインを創設したウテさんという女性がいるんですが、彼女はあれをやった後に何を始めたかといったら、ロンドンの、特にイーストゾーンの辺りなんですが、七十何か国の人たちが、今はもっと住んでいるのかな、だけれども、隣近所との付き合いがもう本当に無くて、いろいろな困難があっても、お互いが支え合ってという形にはなっていない。これをどう克服するかということを考えたときに、よし、地域で祭りをやろうということで、ロンドン・プレイということを始めたんです。それは、この地域、例えば何丁目と何丁目と何丁目の人たちが集まって、今度の土曜日と日曜日、一切、車が入ることを禁止して、その道路で、ありとあらゆるイベントをやるということなんです。警察はそれに協力して、全部自動車が入れないようにします。そこで、例えばテントを張って寝転んで一晩語り合ってもいいし、夕方になると、ワーッとテーブルが並んで、みんな1品持ち合って食事をしますし、音楽好きの人は、これはチャンスだと言って路上で演奏会をします。子どもたちは、初めて車が通らない道路で自由に遊んでいいということで、様々なゲームをやっていく。そして、町内対抗の綱引き合戦をやるだとか、大道芸人が来ていろいろなことをやるとかというようなことが、2日間徹底してやっていくんですね。そういうことを手を挙げたら、多少のお金を援助してということで、ウテさんたちがやって、中身をどうつくるかということについては一切関知しなくて、それはみんなで考えてください。そういうふうにやったら、これは面白いということで、あちこちいろいろなところから始まったんですよね。  ウテさんたちは、その後どういう変化があったかの調査をした結果、やはり隣近所の人たちと付き合っていこうという割合が3倍に増えたというデータが出てきました。これはいいということで、実はその後、ロンドン・プレイがイングランド・プレイという形に発展しています。これはイギリスなりのやり方なんですけれども、昔からのお祭りをもう1回再興するということももちろんいいんですが、世田谷のように新しく移り住んだ人たちがというふうになってしまうと、そう簡単にはいかない。だけれども、今風の、みんなが楽しく集まって、その日はもう気兼ねなく隣近所と楽しみができるんだというような、そういうことを何か考えていくというようなことを新しく提案していかないと、横につながっていくということが最後の支えになっていくということで、それはしかし、日常的にそういうことを体験したがゆえに、横とのつながりが深くなっているんだということが成り立つかが難しいのではないかと思ったんです。  だから、それが1つのモデルで、できたら何かそうやって地域ごとに世田谷らしい住民のお祭りがあるというようなことを何か企画していただければなと思ったということです。この2つです。失礼しました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  先ほど最初の中村委員、青柳委員に続いて、汐見委員からも、「祭り」という言葉も何回か出てきましたけれども、地域のつながり、横のつながりということを非常に強調された議論があったかと思います。  今、汐見委員が最初の点で言われた点について、事務局からお答えいただいてもいいんですが、私からも発言させていただきますと、先ほど、資料2の3ページの「参加」というのが、この「個人」、「子ども教育」、「健康」等々と横並びというご意見がありました。確かにこれは基本構想で9つのビジョンを立て、1つの項目に入れられていますが、実は基本構想そのものに、その中の一節として、「区民は主体的に公にかかわり、地域とのつながりをさらに深め、自立して自治をより確かなものにします」というふうに参加の理念がうたわれているんですね。  ですから、まず参加、区民の参加ありきというところから、それを公共的指針として掲げた基本構想があって、さらにそれをより確かなものにするという意味で、9つのビジョンの中の1つにも、最後、「参加」というふうに付け加えていると御理解いただければと、私もこの基本構想をつくったときには関わっておりましたので、そのように考えていますが、事務局から、補足的に何かありますか。 【真鍋副参事】  すみません。ありがとうございます。  参加と協働というのは、本当に全てのところに対して必要なことだと思っています。ですから、基本方針であったり、重点政策のところでは、少しターゲットを絞ったような書き方をしていますが、ここはまだこれから議論していくところなのであれですけれども、参加と協働をどこに入れているかというと、一番下、「計画推進にあたって重視すべき考え方」になります。つまり、これらの目指すべき将来像であったり、将来像に向かって重点的に取り組む課題、区でつくっていくこととなる分野別施策、これら全てを具現化していくために、推進していくためには、常にDXであったり、情報発信等もありますけれども、情報発信は参加と協働のための情報発信でありセットだと思っていますけれども、こういったものをやっていかなければいけないというところで、ここに置いています。  どのように整理して見せていくかというのは非常に難しいところもあるのですが、その辺りもお知恵をいただきながら、どういうふうに落としていくとそれが具体化していきやすいかとかも含めて、様々な御意見を頂戴できればと思っております。 【大杉会長】  そういう意味で言いますと、今、事務局は資料1-3で説明されましたけれども、参加と協働に当たるようなことを、この最後だけでなく、やっぱり最初にも来なければいけないことかなというふうに思います。  ほかにいかがでしょうか。  では、どうぞ。 【安藤委員】  安藤でございます。  今、青柳先生とか中村先生とかが言われたことと結構かぶるところもあるんですけれども、私は、この1-3の資料を見たときに非常に違和感があったのが、やはり参加と協働のところがちょっとぼけているというか、一番最初にそれがないと、それこそ憲法の一番最初のところではないですけれども、非常にそこがはっきり方針として打ち出せないのではないかと。自分でもちょっと、どんな感じで基本方針をつくれるかと試して並び替えとかをしてみたんですけれども、やはり一番最初に参加、今であれば、それこそデジタルデモクラシーとか、そういったような要素も含めて、住民なりの参加と協働というものがないと、下のほうのそういった要素を生かしていくことができないので、そこはぜひ一番上のところに位置づけて、この背骨にしていただきたいなというふうに思いました。  同様に、例えば生命を守っていきましょうとか、コロナの対策のところでも、世田谷モデルということで、いろいろな取組を世田谷区はされていると思うんですけれども、参加と協働とともに、一番大事なことは、やはり区民の生命を守ることということではないかと。特に、やはりいろいろな、今後どういうリスクがあるか分からないとみんな不安な状況にあると思います。そういったときに、この基本方針の中にちゃんと明確に全てのことに優先して区民の生命を守っていくんだと、そういったところを参加と協働と生命を守るという、二大テーマを本当の背骨として位置づけていくというふうにすると、全体の流れが非常にすっきりして、全ての指針になり得るのではないかとまず思いました。  あとは、教育のところも少し感じたことがございます。  ここの資料のところで、子ども・若者への支援と教育の充実というふうなことで1つまとめていただいていると思います。ちょっと私が思うのは、子ども・若者への支援という話と、教育の充実というのは、似ているようで違うのではないかと思っていまして、ここは明確に2つに分けて、子どもや若者を支援していくという話と、それから、教育そのもの、公教育そのものを充実させていくというところは、ちゃんと分けて、それぞれを内容を充実して議論していかないと、非常に重要なところが小さくなってしまうのではないかとい、これを見ていて思いました。  あとは、教育のところで言いますと、やはり先ほども先生方のほうからございましたけれども、私も気になっているのが、参加と協働といったところを学校生活の中で体験として身につけていくというところがすごく大事なのではないかと。  例えば、ネットの議論とかを見ていると、例えばなぜ表現の自由とかが大事なのかとかといったところに、とんちんかんなことを言っている人たちがすごく多いです。憲法とかの勉強をしていればすぐ分かるんですけれども、なぜ基本的人権が守られなければいけないのとか、いじめがいけないとかというのもあれですけれども、そういったなぜ人権が守られなければいけないのかとか、個人の尊厳が守られなければいけないのかとか、多様性が保たれなければいけないのかとか、そういったようなところが、そういった言葉が世間にあふれているので、何となく分かっているかもしれませんけれども、学校の教育の中でも、例えば授業とかの中で、できれば独立の科目として取り上げてでも、しっかりそこをベースとしてまず押さえてもらって、その上で学校の運営とかのところにも生徒の自主的な意思といったものが反映されて、今のうちから参加と協働というものができていくこと。特に今後であれば、生徒たちにもデジタルツールを使って実際のデジタルデモクラシーの一部を今のうちから体験してもらう、そういうふうな経験をしてもらって、それでやっとこういった計画のところが、今後、10年後、彼らがスタートラインに立つときに、違和感なく行動できるのではないかと、そういうふうに思いました。  以上でございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。森田委員、どうぞ。 【森田委員】  私は今、議論の中ですごく感じたことは、子どもたちは、基本的には参加と協働の中核にしなければならないということです。さきほど、汐見先生、中村先生も、ど真ん中というふうにおっしゃったのは、ど真ん中にいなかったし、参加ということの権利も与えられていなかったし、そういう状況の中で育ってきたということでしょう。多分、今の若い方たちはそうだと思います。だから、学校の中でも、そして家庭でも、地域でも、ど真ん中に置かれなかった子どもたちが、今、若者たちになってきていて、突然大人としてその役割を果たせる力を持っているか、あるいは、そういう環境が整えられているかということを考えてみる必要があるだろうと思うんです。  だからこそ、今、子ども・若者施策というところは、参加と協働をうたわなければならないし、教育のところでも参加と協働、まさに自分たち自身が教育のど真ん中にいるんだということを自覚できるような取組が非常に重要であると思います。  私は、この審議会に、今回、30歳前後の方たちが参加してくださっていること、子ども・若者分野の委員会には、そういった世代の人たちが委員として参加してくれていることは、すごく大事なことです。つまり、継続的に意見が言えて、そして安心してそこで活動できる環境ができてきました。そしてその中で仕組みの中の一員としてその価値を形成していく主体になっていきます。今までこうした力を育てられてこなかった人たちが、社会の中で真ん中にいて活動していくためには、こうした工夫や配慮をしなければなりません。この10年間、相当に、実は世田谷はやってはきたんですが、それでもやはり様々な状況から検証すると、まだ十分ではない。そういう意味で、今回、こういった計画をつくるというときに、若者たちの意見がどこまできちんと入るかが重要と思います。またとりわけ、今、不足しているのは、中・高校生、大学生ぐらいの、ちょうど次の世田谷を担う人たちの継続的な意見の場、あるいは支援や活動の場が少ないので、ここのところをしっかりサポートするようなことが、今すごく重要なのではないかと思っています。ぜひ今回、この計画をつくる段階で、しっかり組織をつくってほしいと思います。なかなか意見反映というところまでいきませんので、そこはやはり早めに組織をつくって、反映していくような形の構造をつくっていただきたいなというのが私のお願いです。  さらに、母語を外国語とする人たちが、たくさん今、世田谷に来ていらっしゃいますけれども、この方たちの問題だとか、障害のある人たちもものすごく増えてきているんですが、かなりここの中の意見反映というのは弱いので、こういう方たちについては、やはり継続的なサポートをしながら意見を聴取していく。スポット的に意見をもらうということはなかなか難しい方たちなので、やっぱりどこかでそういった組織をきちんと形成して意見をもらっていくというような手法も考えなければいけないのではないかと思います。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今、この計画づくりにあってもというふうに出ましたけれども、小学生、中学生、高校生といったような次の世代を担うといいますか、この計画自体が次の世代にバトンタッチしていかなければいけないものと考えたときに、やはりそういう人たちの声がこの計画の中にどういうふうに入ってくるのか、地域の中でやっぱりど真ん中の存在としてあなた方がいるんですよというメッセージとしても重要かと思います。今のところ、仕組みといいますか、このような形でそういう意見を反映させるみたいなことは、事務局のほうでお答えいただけますか。 【真鍋副参事】  まだ仕組みというところまではできていないのですけれども、当然、意見を聞くということはやっていきたいというふうに考えています。  基本的に区としてある程度の方針ができるのが来年5月に骨子、9月に素案、そこの中でパブコメとかをやっていきますけれども、そういったタイミングで、区としてこういうことを考えているというところを示しながら、小・中学生のアンケートもやっていこうと思って、今、予算の要求をしているところです。  それと、今日、報告事項で少しお話をしようと思っていたんですけれども、新たな区民参加の手法として、デジタルツールを活用してということで、まずは夏に行った区民検討会議の委員さんを対象として、継続的に意見交換、一方通行でなく、区民同士が意見を重ね合わせられるようなイメージですが、そういったものをつくってやっていこうと思っています。他の自治体でも先行してやっているところがあるんですけれども、若い方からの御意見が通常のパブリックコメントと比較し多いということもありまして、そういったツールも使いながら、若者の意見聴取も行っていきたいと考えています。  ただ、恐らく森田委員が言ったのは、もう少し継続的な場ということだと思います。計画に反映するのは、どうしても期間があることなので、少し単発的になると思うんですけれども、おっしゃるとおり、そういった場は非常に重要だと思っています。  森田委員にも先月出席いただきましたが、子どもの声を聞く場をつくりました。スポット的ではありましたが、ただやっぱり子どもたちが抱えている課題は非常に大きかったというふうに私のほうでも受け止めています。  そういったところは、日頃から顔を知った信頼関係をつくった上で、子ども・若者が、例えば親には言えないけれども、この場では言えるとか、そうしたものをちゃんと受け止めて、うまく親、学校、そういったところにつなげていくようなつなぎ役が必要だと思っています。私も子ども関係の部署におりましたので、そういったところは、児童館ですとか、もうちょっと若者向けの青少年交流センターというものを、区では今、3館やっていますけれども、そういうところが継続的な意見が言える場所として力を発揮していきたいということで、そういう方向で今、検討を進めているところです。 【森田委員】  やっぱりスポット的に話を聞くということでは弱いと思います。考え続ける、あるいは一緒に考えていくというような視点がないと、なかなかここの計画、大きな計画ですので、そこに意見反映というところはできません。とりわけ中・高校生たちは、10年後にはもう中核になっていく人たちですので、そういう意味で言えば、この人たちにきちんと世田谷のこれからということを一緒に考えてもらうというのはすごく大事です。  これは私は、東日本大震災の復興の過程で、中・高校生支援をしてきましたが、10年たったら、まさにその地域のど真ん中にいる人たちに育っているわけです。だから、やっぱりここで中・高校生に対してきちんとかかわれるかどうかということが私は勝負だと思うんです。これは審議会の中でもよく語られることですが、世田谷区は、私立学校に行く子どもたちがすごく多くて、公の学校教育は何をするのか、そして私立学校とどういうふうにジョイントしていくのかということも、しっかり教育のあり方として考えないといけないと思います。やっと大学が少し区と協力体制を組めるようになってきましたけれども、それでもやはりまだまだ非常に弱いと感じがしますので、こういった次の世代、今まであまり関わってこなかった次の世代を、きちんと市民としてこの中に位置づけていくという政策を打たないと、本当の意味で世田谷区の10年後というのはないのではないかに思っています。 【大杉会長】  ありがとうございます。それでは、涌井委員、どうぞ。 【涌井委員】  ありがとうございます。今、皆様が参加と協働についての御意見、これは非常に重要だというふうに私も思っています。  まずは、世田谷モデルというのは、参加と協働のシステムをどううまく組み立てられるのかというところにかかっているのではないかなという気がしてなりません。  同時に、その参加と協働というのは、よりよいコミュニティの醸成ということとも非常にイコールだというふうに思うわけです。  この基本計画の大綱というのは、最上位計画であることは言うまでもないわけでありますけれども、私が1つ疑問に思うのは、この間も空間情報をちゃんと出してくださいということをずっと申し上げてきたんですが、今日も残念ながらそれはないんですけれども、要するに、90万以上の区民がいて、これを全部均質に捉えた問題解決の仕方というものでいいのかということが非常に気になるわけです。もちろん大綱というのは基本的な方針ですから、これは世田谷区は共通してこういう目標を掲げますと、これは正しいやり方だと思うんですけれども、少なくとも最後には、別な形でそれぞれの地区の特性を尊重しながら、これ、特性というのは、社会的な特性もあり、自然的な特性もあろうかというふうに思います。そういう特性をきちんと踏まえた上で、それに沿った地区独自のコミュニティをどう醸成していくのかということについて、きちんと世田谷区は着眼していますよという、その点だけは、ぜひ盛り込んでいただきたいなというのが私の考えであります。  世田谷は均質ではないということですので、それぞれの地区にそれぞれの課題があり、それぞれの特性がある。社会的、自然的な特性がある。それらの集合体が世田谷であるということを考える上では、決して、全体にはこうするんだということはあったとしても、それぞれの特性の中から出てくる課題にどう向き合っていくのかという姿勢が感じられるようなつくり込みの仕方をしていただきたいというふうに思うところです。  以上でございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。今言われた地域の特性というところが、確かにちょっと感じ取りにくいようなまとめ方にまだなっているかと思いますので、非常に大切な視点だと思います。  では、どうぞ。 【小林委員】  小林でございますけれども、初めてリアルに参加させていただきます。  今の涌井委員の意見はすごく賛成で、やはり地面に落としたようなリアルなフィジカルな将来像みたいなものがないと、抽象的な話になってしまうかなと思います。  それで、特に触発されると思うんですけれども、先ほどから生命を守ることもすごく大事ですし、協働、参加するというのは、それは手段みたいに聞こえますけれども、私は目的かなと。居場所があって、生きがいがあって、それでいい公益をみんなでつくっていくというのは、手段に見えますけれども目的かなと。私、環境屋さんなので、生態系はそうなっているものですから、要らないものをほかの人が使ったり、食うか食われるかだけでは全くないので、そういう意味で、協働とか参加というのは目的足り得ると思うんです。  そう思うんですけれども、そこから先はすごく違和感があるところで、これだけ言いたかったんですけれども、前に1回言いましたけれども、じゃあ、世田谷だけよければいいのかと。何を世田谷でしたいのかということがすごくあって、さっきは世田谷の中の地域差みたいなこと、これは世田谷でないとできない、これはすごくいいと思います。  じゃあ、もうちょっと目をフィジカルに広げると、世田谷の外の世界には私たちはどう関わるのかというところがずっとなくて、外の世界というのは、東京都かもしれませんし、田舎かもしれませんし、あるいは国際社会みたいに、世田谷にたくさん来ていますけれども、そうではない現地に参加できる。あるいは、物を言わない動物だったり、生き物ではない生態系、そういう人たちなり、物にどう関わるのかという視点が全くないなという気がすごくしまして、だから、世田谷だけよければいいというのも、それもいいと思いますよ。世田谷がいいところだから、みんな来いと、日本中来い、これもあるとは思いますね。  あと、それはできないから、せめて見本をする。日本のほかの地域はまねしてくださいということもあります。あるいは、世界のほかの国はまねしてくださいということもあるかもしれない。だけど、何を狙っているのか。ここでテーマをつくっておしまい、マルというのではなくて、やっぱりいろいろな人たちがいらっしゃるので、その協働もやはりないと、何か独りよがりな協働かなと。  例えば、聞いていてもすごく思うんです。若者は大事だなと思うんですけれども、私などおじいさんになってくると、だんだん思うんですけれども、老人は世田谷に来てくださいとかは言っていないですね。慎重に聞いていたんですけれども。今いる人に頑張ってもらいたいということは言っているんですけれども、老人来いとは言っていない。でも、若者と子育ては来てもいい、というようなことなんです。そうすると、何を目指しているのかなというふうにちょっと思う。だから、協働とかと言うのだったら、やっぱり、いや、ここは大事なんですよ。じゃあ、個人は何する、家族は何する、コミュニティは何をする。それから国や都が何をする。だけど、区は違うことをするかどうかですね。区の行動の、この基本計画の付加価値は何なのかということをやっぱり議論していただかないと、あまり計画論になっていないと思うんです。何か将来像を言っているのかもしれませんけれども、計画ではないと思います。なので、そこら辺も詰めていただいて、できれば地球の経営をできるような人が住む街にしてほしい。個人的な意見ですけれども、そんなふうに思いました。ちょっと違和感があったところだけ。 【大杉会長】  ありがとうございます。  実際、世田谷の地域を支えている人たちを取っても、別に世田谷の中の人だけではなく、日々通ってこられたりとか、いろいろな形で関わられている方もおられるわけですので、そういった方々との関わりということに関しても、今、小林委員が言われたようなことは非常にあてはまる重要な点かなというふうに思いました。そうした視点もやはりきちんと持っていく、基本的な視点として組み込んでいかなければいけないのかなというふうに私も感じたところです。  はい、どうぞ。 【長山委員】  長山です。 今日、事務局のほうでお示しいただいた参考資料2、LWC指標についてですが、完全にスルーされてしまっています。まずは、この場に出した意味が、どういう意図があるのかということを教えてください。これはデジタル田園都市国家構想の流れの中で出てきています。この後の流れからすると、その地方版をつくるということになっていて、そのときに、このLWC指標を使う。「ウェルビーイング」というキーワードがあって、前回の審議会でもその点が出ていたので、これは参考になるのではないかということですが、事務局がこれをどのように活用して、基本計画の中にどのような形で組み込んでいくのか、KPIのような形で入れていくのかどうか、もう少し説明していただきたいです。  中身の話で言いますと、非常に面白いデータであって、やはり参考にはなるだろうし、少なくともこれは議論の前提として知っておかなければいけないと思いました。ですので、これはスルーできるような話ではなくて、しっかりとこれを議論しなければならないのではないか。LWC指標をどのような形で基本計画等々に活用するのかということに関して、ただの参考資料として終わらせない。なぜなら、これは地方においては、皆さんこれから使っていくことになり、データがたまって標準的なものになっていく可能性があるから。  ただ、少し注意すべきは、そもそもこの話は、デジ田から来ているので、空間的な情報に関して、どうしてもデジタル、サイバー空間ということがあります。個人のそれぞれのニーズに対して、マスではなく、個人のカスタマイズされた行政サービスというように変わっていくという流れを踏まえておくべきです。LWC指標には、個人についても、協調的幸福というところで、場や関係性というところの因子はあるにせよ、やはり個人の因子というところが根底にはなっています。 デジタル田園都市国家構想は、某委員も言っていますが、昔の全国総合開発計画みたいな形で、国主導で、その際は、均一的に空間を捉えて進めていく方向性になっています。ある意味、上から、外からの開発ということで、地域側の立場に立てば、大いに問題をはらんでいます。全国総合開発計画の時代が終わって、21世紀からは、地域を単なる空間(スペース)ではなく、場(プレイス)として捉えるようになり、地域の多様性や固有性を踏まえた地域産業政策が展開されるように変わってきた流れにありました。しかしながら、デジタル田園都市国家構想では、また昔の全国総合開発計画の時代へのより戻しが起きそうなので注意が必要です。デジ田の評価は、世田谷区としてどうするか。その上で、あえて世田谷版のLWCみたいな形を作るならば、非常に面白いと思いました。  いずれにしましても、個人の多様なニーズをどうやって汲み取るのか、個人の意見をどうやって抽出するのかというときに、スポット的ではなく、継続的に蓄積していく仕組みが必要であり、そこはデジ田が言っているようなDXを活用して、地域のDXという文脈に結びつけることになるでしょう。地域サイドから作りあげるデジタルプラットフォームの有り様をしっかり検討すべきです。  その際、先ほどの涌井先生の話でもありましたが、世田谷区という地域を抽象的な空間と捉えるのではなく、地域の計画、世田谷の場合は5つの地域計画というとことが重要です。昔の全総にように、世田谷全体というところで先に答えを出した上で、後から地域計画という形に落とし込むという進め方は如何なものかと思います。むしろ地域計画から積み上げていくプロセスに。5つの地域ごとに、地域の総合支所、まちづくりセンターといった、現場からの積み上げにより、基本計画を議論するといった進め方があっても良いのではないかと思いました。これは基本計画自体のこれからの策定のプロセスに、どういう形でそれを組み込むかということにもなってくるので、今からは難しいかもしれませんけれども、そういった手法も考えていただければと思いました。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございました。  ちょっと今、参考2の扱いといいますか、事務局では、現段階ではどういうお考えかをお示しいただけますか。 【真鍋副参事】  あまり長くしゃべるとお時間がもったいないので簡単に。2つお答えさせてください。  1つは、LWC。こちらについては、まだ活用するかどうかも決めていないです。今、国は、デジ田系の交付金のうち、タイプ2、タイプ3は、これを必ず使いなさいというふうに言っています。それ以外は別に強制ではない。ただ、使ってねというような言い方をしています。総合戦略をつくりなさいとなったときは、こういったものを指標として活用できますよと言われるのではないかなというふうに思っています。  ただ、これが今は全国の偏差値でやっています。だから、例えば参考2の世田谷区のレーダーチャートで言うと、住環境がとても低いんですけれども、これは何かというと、どういう指標を使っているかは裏を見れば分かるんですけれども、土地が安いことが暮らしやすい、家賃が安いことが暮らしやすい、だから世田谷区は低い。それが安くなることが本当にいいのかどうかというのは、資産を持っている方もいらっしゃいますから、そういうことではない。一義的に見ますとそうなります。なので、今はあくまで現状を知るところで使い、例えば、もうちょっとデータが集まってくると、人口規模が近い都市とか、環境が近い都市と比べて、「あれ? 世田谷区って、ここがもうちょっと上がっていくといいんじゃない? じゃあ、ここに力を入れていこう」といった議論にするのがよくて、この全体的な円を上げましょうなどというのは、無理な話だと思っていますが、こういう比較ができるようになった。区でも主観的な調査をして、どう思いますかという数値を上げましょうといったことを、この間、成果指標においてやりましたけれども、あくまでそれは区の独自調査だから比較はできない。それに対してこういうものを使うと比較ができるので、1つ使う活用の方法はあるというふうには思っているんですけれども、まだまだどうなるか分からないので、今回参考資料として出したのは、先ほど申し上げたように、区の立ち位置とか特徴とかということを見て、こういうところをやっていく必要があるのではないかということで議論の幅が広がるかなというふうに思ってお出ししたので、具体的にはまだ目標指標にすると決めているわけではありません。  もう1点が、涌井先生と、今、長山先生から言われた地域の話、あまり出せていなくて申し訳ございません。現行基本計画でも地区計画というものがあって、個々の地区計画をつくっています。御覧いただいたら、分かるのですけれども、長山先生おっしゃるとおり、特徴は多少書いてありますけれども、この10年間で、この地域は何をやっていくんだというところまで明確に書いているものではありません。この9月末に地域行政推進条例並びに地域行政推進計画というものをつくりまして、その中で5地域、様々なDXも含めていろいろなことをやっていきます、事業進化させますよと言っているんですけれども、その中の1つとして、地区の課題を明らかにするために、地区のアセスメントをしっかりやって、地区の課題をきちんと把握します。それを地域の中で共有して、地域の経営方針をつくりますということを計画に掲げています。  この地域経営方針なるものが、恐らく地域の特徴を捉えた地域の計画になってくると思いまして、それをどうやって基本計画に落とし込むかとか、関連づけさせるかというのは、これからの課題なんですけれども、審議会の委員の方々にそれを全部見てもらって、この地域はという議論をしていただくことを考えているのではなくて、こういうものがあるということお伝えした上で、答申にはしっかりとそういった地域の個別の課題にしっかり着目して地域の計画をつくりなさい、といったことが書かれるということが望ましいのかなと事務局では思っているところです。  回答になっているか分からなくてすみませんけれども、以上です。 【大杉会長】  よろしいでしょうか。  最初のLWC指標については、便宜的に言えば、交付金との関係ということもあるでしょうけれども、やはり今回我々がこういう基本計画を立てるということは、自らの評価軸を打ち立てるということでもありますので、まさにそのことをしっかりと考えて、使えるものは使うし、いかがというところは、そこは取捨選択して考えていく。独自に打ち出すべきものは何なのかということも、この議論の中でしっかりと確認していきたいなというふうに思います。  では、江原委員、どうぞ。 【江原委員】  今のお話とちょっとずれてしまうので、いつお話ししようか悩んでいたんですが、皆様のこれまでの議論、大体そうだ、そうだと思いながら伺っていたんですが、自分自身がやはりこの全体の1-3を見ていて、ちょっと違和感があったことがあって、どういうふうに説明すればいいのかがよく分からなかったんですが、いろいろ考えていくうちに、どうもライフスタイルとか、ライフサイクルとか、そういうことに絡むところの多様性というか、その辺の配慮が少しないのかなという感じがだんだん分かってきました。多様な方々の人生が輝き云々、多様性の尊重という言葉はあるんですが、家族の多様性とか、ライフスタイルの多様性みたいなことが、今、ものすごく急激に進んできていまして、従来の福祉とか、それから従来の支援、ヤングケアラーの話も同じですけれども、家族のあり方や暮らし方、一人暮らしが増えているとか、そこがものすごく変わっているということ、それとともに、そのことによって、人々のアイデンティティーもかなり揺らいでいる。従来型の高齢者はそうですが、家族を前提とした社会のあり方になじんでいた者にとっては、突然、はしごを外されたように、一人で生きていけみたいな、そういうような感じ、孤独の問題が一番人生、イギリスの辺りで孤独省ができたとかという話がありますけれども、非常に精神的な影響があると言われるように、様々なところでものすごく揺らいでいるんです。そこのところの多様性という観点がちょっと見えないのかなというのは1つありました。  教育の充実のところにもちょっと違和感を感じて、まさに皆さんがおっしゃってくださったとおりなんですが、子ども・若者の支援と教育の充実をなぜ重ねるんだと思ったとき、私が一番思ったのは、リカレント教育とか、中高年の教育とか、学び直しとか、人生二度とか三度とか、そういうことができないと、これから生きていけない。まず今の若い人はそうです。1回目の職業教育で一生生きられるなどという社会ではないです。これからどんどん知識が陳腐化しますので、そうすると、何度でも学べるみたいな社会をつくっていかなければいけない。そういう時期になっているのに、なぜ子ども・若者なのだろうなというような感じ、それがあって、それもライフスタイル、ライフサイクルみたいなことと絡んでいるのかなという印象を受けます。一人暮らしとか、それから皆さんで、多様性の尊重で苦しい人に手を差し伸べられて参加とおっしゃるんですが、何か自分で劣等感を抱えていたりすると、例えば今の社会の中で、これが普通のライフスタイル、普通のライフサイクルだみたいになっていると、まず参加しないですね。ひきこもりになってしまっていたり、失業していたりということで、参加の最初のところが、そこで悩んでしまう人が山ほどいる。これはやっぱり多様化が必要なんですね。多様化するという価値観みたいなものが、否応なく私たちの社会、多様化せざるを得ないように進展しています。  先日、社会学会で話したときに、海外の生殖医療の現状を聞いたんですけれども、精子提供とかをしたときに、全部、情報を開示するんですね。様々な形での親との形、親であるとは何であるかみたいなことが何種類も出てくるんですよ。それが家族になっていて、私たち、生まれたときに、自分は誰の子ということで、どのように安心感を持っているかというところが、そのところによって本当に多様化しているんです。そういう問題も含めて、家族とは何かとか、親とは何であるべきかとか、性別とはという話までありましたけれども、それだけではなくて、そういうものに、この先、向かっていく社会なんです、私たち。そこのところをどういうふうに説明すればいいか、ちょっと分からなかったんですが、そんなことを考えながら、全体の1-3の資料を読ませていただきました。  皆さんの議論には基本的に賛成です。どうもありがとうございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  とても大切なことで、ちょっと宣伝めいたことになって恐縮なんですけれども、11月26日、来週の土曜日、私は、せたがや自治政策研究所の所長もしておりますけれども、そちらのほうで、「コロナ禍における『つながり』を考える」というシンポジウムを行います。ちょっと宣伝で、新曲の宣伝ではないですからいいですよね。そういうものをオンラインでさせていただいて、申し込みの締切は21日までということなんですけれども、そうした人のつながりというものを、前提となる今のライフスタイルとか、ライフサイクルの変化というところからしっかり考えていかないと、そもそも参加とか協働という手前の段階のところでのつながりが失われてきている。そのあり方が変わってきているというところを捉え直さなければいけないというのは、まさしく重要な点かなというふうにも思っております。ちらしを配らせていただきますので、ぜひそちらのほうにも御参加いただきたいなというふうに思っています。貴重な御指摘ありがとうございました。  今、こういうライフサイクルとか、そういうようなことが出てきましたけれども、ぜひ。では、どうぞ。下川さん。 【下川委員】  下川でございます。  全ての御意見がすごく私にとっても貴重でして、それぞれについてお伝えしたいことがあるんですけれども、できるだけ短くお伝えできるように頑張ります。  今お話を伺っていまして、ちょうど私も今日、電車で来ようか、それともバスで来ようか、すごく迷いながら、前回、バスで遅れそうになったので、電車で来させていただきました。そのときに、やはり世田谷内の移動において、非常にまだまだ難しいなと、自分の住んでいるエリアからここまでの移動が難しいんですけれども、8年ほどロボットと一緒に生活をし、ロボットが家族として生活をしている友人であり研究者である方がいるんですけれども、1年ほど前に、その方と一緒にいろいろと共生社会について議論を重ね、Robot Friendlyプロジェクトが立ち上がりました。その際に、やはりロボットと一緒に移動するということが非常に難しかったということがあるんですけれども、あと、お店に入るということも。レストラン側もいきなりロボットと一緒に来られたときに、どういうふうに対応すればいいかが分からなかったりとか、様々なことがある中で、分からないけれども、寄り添おうと思っているというようなシールを作りましてということがあるんですけれども、今日、交通手段を使いながら、その子が移動しようと思ったら、どうやって世田谷内を移動すればいいんだろうと思いながら来ていたことを、お話を伺いながら思い出しました。  ちょっと長くなってしまいましたが、私の中では2点ありまして、1つは、区民が当事者になる。また、先ほどのところに少し戻ってしまうんですけれども、どうすれば当事者になれるのかというところを常に考えておりました。  その中で、1つは、私自身も区民検討会議に無作為に選んでいただいて、参加している中で初めて今、ここの場にいさせていただいていると思うんですけれども、正直、このような取組があることも知らなかったところもありまして、また、一般であっても聴講することができるということさえも知らないぐらいの状況でありました。ただ、日頃から友人たちとお酒の場でしたり、またはいろいろな場で生活の雑談のところから、どうすればもっと住みやすくなるかなとか、いろいろと出てくる話がたくさんありまして、まちづくり、よく話していたなということを、興味といいますか、自分事として考えている人たちはたくさんいるのに、なかなか区政というところだと、そこまでは距離があるところも含めて当事者になるにはどうすればいいのかなというところを感じておりました。  前回も参加と協働のところで述べさせていただいたんですけれども、産学官連携の取組に若いうちから関わることというところの話で、実は私の住んでいるエリアが、毎月毎月結構大きめなイベントを学生主導で企画していくようなエリアなんですけれども、そこでようやく3年ぶりに、コロナ禍、先月、イベントがありました。久しぶりに3年ぶりのイベントに参加して感じたことが、やっぱりこのイベントが地域コミュニティをつくっていたんだなということです。この空白の2年間の間、学生さんたちとはなかなか関わる機会はなかったんですけれども、やはりイベントの最中でしたり、様々な時間を経て、街を歩いていても、挨拶する機会とかも増えたりもしまして、本当にやって影響があるんだなということを感じました。  あともう1つが、話が随分変わるんですけれども、学生に向けて食育という観点から、環境や多様性、ウェルビーイング、SDGsに触れる機会の創出を行うというところについて考えておりました。それは世田谷区の緑が多い、その強みも生かしましたブランド戦略として目指してもいけることなのかなと考えておりました。  2021年に「環境白書」に初めて代替肉が、もっと身近な環境に優しい食事、もっと身近な食の1つの選択肢になっていくことが書かれまして、それは2050年の温室効果ガス削減に向けたところの1つなんですけれども、環境問題に対して食というのは身近ですし、若い方たちもすごく巻き込みやすいところでもあると思います。  例えばの例で言いますと、茨城県のつくば市でしたり、静岡市の御殿場市で、学校給食においてそういった時間を1年に2、3回つくっていたりとか、あとは最近ですと、八王子のほうで環境に優しい食事を定期的に、月に一度、体験するような取組などをしているんですけれども、区として取り組んでいるところはない中で、この食育の観点での取組は、環境面だけではなく、次世代の質の高い学校教育でしたり、自然との共生、ウェルビーイング、多様性の尊重というところにもつながっていくことなのかなということを考えておりましたので、述べさせていただきます。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  Robot Friendlyプロジェクト、面白いですね。ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。  では、どうぞ。羽毛田さん。 【羽毛田委員】  羽毛田でございます。  前回、前々回と今回、いろいろな御意見を拝聴して大変勉強になっています。  私は、その中で個人としても地域活動にこれから関わっていきたいなと思って、この10月、11月に、いろいろな地域の方と接する機会を設けて、幾つか気づきが得られたのでお話しさせていただければと思います。  私、今、共働きで、子どもがいて保育園に預けているというような形で、子育て施策の恩恵をすごく受けている一人と思っているんですけれども、子どもを育てていて思うのは、本当に子どもは探究心の固まりで、勝手に育つものというのはあります。なので、汐見先生や安藤さんがおっしゃっていたような形で、僕も非常に共感するところがあって、教育というと、上から教えるものというイメージ、言葉のイメージがついてしまっているんですけれども、そこは使い続けてもいいんですが、うまく子どもの探究心を阻害しない、育つ環境を用意するというような考え方に変えていければなと思っています。課題解決への参加型学校というのはすごく共感して伺っていました。  最近、プレーパークというのが世田谷に4つほどあって、私、世田谷に来て5年ぐらいなんですけれども、一番すばらしい活動だなと思ったのが、そのプレーパークなんです。自分の責任で自由に遊ぶというコンセプトで、三、四十年前からつくられたもの。  何がすばらしいのかというと、実際上は、子どもを連れていけば、一日中勝手に遊び続けてくれる本当に魅力的なところというのはあります。地域活動としてすばらしいのは、当時、まさに地域主導でつくられ始めたもの。行政、区であったり、消防は、非常にフレキシブルな対応をして今に至るというところです。  そのプレーパークの運営の方にお話をお伺いできる機会があって、非常に重要だなと思ったのが、ここ、子育て支援の施策が非常に充実してきている。保育園の待機児童もなくなったと。その反動なのか、積極的に地域活動に、プレーパークの運営に関われる人材が減っているというような指摘がありました。10年間の施策の裏側でそういうこれまでの地域主体の良質な活動の運営が、やや岐路に立っているのかなというところを感じた次第です。うまくこれまでのレガシー、良質な活動を維持して、よりよくしていくような仕掛けを考えていきたいなというふうに個人としても思っています。  2点目、教育についてですけれども、何を重視すればいいのかなということを考えてみています。計画策定にあたって書いていただいている視点で、インクルーシブな視点というのがあって、これまでも福祉だとか防災で、弱者優先、一番困っている人に手を差し伸べてあげるような社会にしようというような視点を書いていただいています。ここについては思うところが1点あります。  世田谷区に限った話ではないんですけれども、私の個人的なエピソードなんですが、子どもを2人とか3人連れて電車に乗ったり、バスに乗ったりするんですけれども、ほぼ席を譲られたことはない。私だけではなくて妻もです。これは世田谷区だけか分からないです。昔、シンガポールに住んでいたことがあります。シンガポールの電車の中にいると、若者が座っていて、50代ぐらいの方が乗ってくると、本当に自然にすぐに席を譲るというようなことを頻繁に目にしました。席を譲ることだけが弱者優先ではないとは思うんですけれども、子どもの頃からマナーに近い形で、体に染みついているんだなというのがよく見て分かります。なので、インクルーシブで福祉であったり、防災であったりということを今後進める上でも、教育の非常に重要なテーマ、なぜそれをやらなければいけないのか、そうすることで、みんながなぜ幸せになれるのかということを、何か体験も通して子ども・若者に分かってもらうようにならなければ、若者だけではなくて、大人もかもしれないんですけれども、そういうふうに思っています。  2点目が、町内会の幹部の方にお話を伺うことができました。私、若林に住んでいるんですが、非常に意欲的に活動されている方で、何が面白かったかというと、今の話の継続になるんですが、インクルーシブな視点でのいろいろなセミナーとか企画をやられていました。例えば、単身の高齢者の方の防災避難はどうするべきかであったり、ペットを飼っている人の防災はどうすればいいのかとか。私はあまり縁がないので考えたことがなかったんですけれども、まさにインクルーシブ、困った、一番そのときに困るであろう人を意識した企画を考えている。多分本当に地域の草の根で、これをやればみんな興味を持つのではないかということで企画をしている、意欲的でしなやかに活動している方だなと思ってお話を伺いました。  世田谷は均質ではないという涌井先生の御指摘も本当にそのとおりだなと思っていて、うまく地域独自で考えた工夫とか企画をベストプラクティスで横展開できるものはどんどん広げて、そういう普及も重要な、区というか行政側ができる仕掛けなのかなと感じています。  最後に、多分、長山先生がプロだと思うんですが、「SETAGAYA PORT」の運営の方にお話を伺いました。これはちょっと個人的にも興味があったので登録していたら、意見を聞かせてくださいというふうにコンタクトをいただいて話をしたんですけれども、今、世田谷ローカルのいろいろなスタートアップの取組が進んでいますが、課題は何ですかと聞いたら、やっぱりどうしてもスケーラビリティが出しづらいローカルな課題を解決しようとしていて、それは難しいですよねというようなことはおっしゃっていました。  今回のテーマにも「世田谷モデル」とか、キーワードは書いているんですけれども、まだ私自身には解はないですが、世田谷ならではの産業振興の意義だったり、テーマだったり、アドバンテージというのは、より明確に研ぎ澄ましていくことで、世田谷でやる、それに共感できる人、もっと人材も外からも集まってくるというような、そういういい循環が生み出せるといいのではないかなというふうに感じた次第です。  ちょっとばらばらになってしまったんですけれども、以上でございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  非常に生活の実感から出た御意見であるとか、いろいろなことを調べていただいて、大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。  では、佐伯委員、どうぞ。 【佐伯委員】  佐伯でございます。  今日、お話の中で、結構皆さん、若者であったり、子どもについての話が出ている中で、実際に私が今、この中で一番そういう立場に近いのではないかなと思って、あっ、すごい考えてくださっているんだなと思って話を聞いていました。  私も2点に分けて話をさせていただくと、まず1点目が、やっぱりお祭りであったり、そういう地域のコミュニティという話が出ていて、私も実際に5年前まで中学生だったので、そういう中で地域の祭りだったり、そういうものに友達と行ったりするのは、友達との仲が深まるだけではなくて、地域の方と関われて、すごく心温まる思い出だったなと思います。  でも、コロナになってからは、やっぱりそういうものがないので、地域の方と関われる機会が少ないなというふうに感じていたところなので、それは何かコミュニティだったりすることで、もっと区民が区政に関わっていけるのではないかなと思いました。  2つ目が、実際、私も19年間ずっと世田谷に住んでいて、世田谷区立の学校に通い続けていたので、事務局の方だったりが、この10年で行っている政策の影響を受けていた立場として、昔からの教育スタイルがちょっと変わっていないことが問題なのではないかなと思いました。皆様のお話の中でも出ていたんですけれども、DX化とかの単語が出ているんですけれども、私はこれに参加するまで、それ、何? みたいに思っていましたし、情報とかの教育があまりないので、昔の必要であったことも、今はちょっと私たちと立場が違うので、教育とかはやっぱり変えていかなければいけないかなと思います。  具体的な例ですと、選挙権が18歳になったということなんですけれども、私の周りで選挙に行っている人たちは少なくて、なぜかというと、やっぱり政治がちょっと、学校であまり習っていなくて、誰に投票したらいいか分からないとか、どういう政策とか、文字では書いてあっても、それがどういうことにつながるか分からないみたいな人が多いので、それをもっと教育の中で関わらせていただきたいなというのと、多様性というのが話されている中で、でも、実際、私も体験したんですけれども、ちょっとよく分からない校則みたいなものが学校には多くて、例えば、髪が肩にかかったら三つ編みにしなければいけないとか、日焼け止めを没収されたとか。そういうことが、実際に私もこの間まで金髪だったのを皆さん覚えていると思うんですけれども、やっぱり金髪と黒髪になってから、ぱっと見た時の先入観の印象がちょっと違うかなと思って、金髪はちょっと頭悪そうみたいなこととか、思っていないかもしれないんですけれども、黒髪になったらちょっと真面目に見えるかなみたいな、そういうようなことがある限り、やっぱり多様性といくら言っても、先入観が皆さんから消えないと変えていけないかなと。それはもちろん髪色だけではなくて、性別であったりとか、年齢とか、そういうことをもっと考えていけると、皆さんに寄り添った案ができるのではないかなと思いました。  すみません。短いですが、以上とさせていただきます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  時間はまだもうちょっとあるんですけれども、大体お一人ずつ、少なくとも1回以上お話しされてきていて、副会長が満を持して、いかがですか。 【鈴木副会長】  鈴木です。何点か。  さっき森田さんが話されたところで、ちょっと関連で話したかったんですけれども、1点、ど真ん中であるべき若い人とか子どもが継続的に意見を反映させられるような仕組み、「継続」というのがキーワードで必要ですという話をされていました。私も大賛成というか、そのとおりだなと思っていて、そこに付け加えたいものが、多様なというような言葉を入れたいと。それは今日の中でもずっとあるんですけれども、子どもの意見とかと言っても、区民委員の方の意見もそうなんですけれども、やはりそこで意見を出せる人、私、川崎の子どもの権利委員会の委員長もやっているんですけれども、よく言われる意見は、やはり区民、子どもで参加できる人は、言い方は悪いですけれども、積極的で、エリートという言葉はちょっと不適切なのでしょうけれども、一定のそこに参加できるような土台がある人がやはり意見を言っている。それは特権的であったりとか、一部の意見ではないかという話があって、僕はそれはすごく、自分の研究テーマが社会的弱者なので感じるんですよね。なので、その意見を集約する、継続的にという土台をつくるときに、やはり拾えていない人がどこなのかということを常に研究をするとか、分析をするということがセットでないといけないし、拾えていない人の声をどうやって拾うのかというのがセットなんだと。よく行政がやるのは、いろいろな利益代表とか区民に聞いて、こういう意見がありましたというので聞いたことにするんですけれども、それでは拾えていない部分が必ずありますよと、それは一人一人は誰かの代表ではないので、だとしたら、拾えていないところはどこなのかと。拾えていないところがありますよねというところは考えないといけないのだろうなということが1点です。  もう1点が、ここは後で回答というか、会長に教えていただきたい点なんですけれども、世田谷からすると、大元でど真ん中で参加と協働、今日ずっと話が出てきていて、一時期、参加と協働で、参加というのがどういう言葉なのかという話でいうと、参加ではなくて参画ですよねという動きがあって、それに対しては、どういうコンセプトで参加と協働としているのかなというのは、何かしらの説明なりは欲しいなと。だから、参画も含めた意味での主役、ど真ん中で言えば、住民がど真ん中、主役ですよね、主人公ですよねという話と、参加というものをどう折り合いをつけて使っている言葉なのか。協働というのだったら、その意味で主役、主権者の住民と対等に行政がやっていく、みんながつくっていくという意味なんですよねという意味で使われているのかなとも思うんですけれども、そこの説明をしてほしいということがあります。  それとの関連なんですけれども、論点は続いていて、そもそも基本構想・基本計画の意味づけが何なのかというちょっと大きい話をしてしまうと、僕の専門分野の法律からすると、当然、憲法13条があるわけであって、個人の尊厳をうたっていて、その意味でいうと、幸福追求権もちゃんと規定をしていて、何かというと、僕の立場からすると、多様性をダイバーシティの話とインクルージョンを実現しているのが、規定しているのが憲法13条だという立場なんですよね。  もう1つ言うと、地方自治で言えば、地方自治法の1条の2で、住民の福祉の増進、それがど真ん中で一番重視するんですよねと。それとの関係で、この基本構想で使っている言葉が、それをどう広げているのか、同じなのかというような整理は必要なのではないのかなというふうに思っています。ただ、僕も全国のいろいろな自治体を知っているので、そこの整理をしているところはないです。ないんですけれども、基本構想で言うんだったら、ここもいっぱい出ているんですけれども、ウェルビーイングも使っていますよね。ウェルビーイングをどういう意味で使っているのかという話で言うと、僕の専門分野からすれば、これは憲法13条の実現なんです。だから、多様性とかダイバーシティという言葉も、インクルーシブという言葉も、ウェルビーイングという言葉も、憲法、法律の話からすれば同じ概念で、それを実現しましょうね、個々人の一人一人を安全安心に、どうやって幸福で笑顔で、というような言葉はいろいろありますけれども、そういうことを狙っていくんです。それは揺るがないと思うんです。さっき地域の話があったんですけれども、地域ではなくて、世田谷区は、ど真ん中で目指さなければいけないのは、命だし、安全だし、幸福ですよねと。その言葉をぶつぶつ違う言葉を並べているんですけれども、この並べ方は何なのだろうなと。下のほうではウェルビーイング、上のほうでは多様性というようなことで、あと、輝いているとか、いろいろ使っているんですけれども、その辺は整理が必要なのだろうなというふうには思います。1回整理したほうが分かりやすいというか、これだけ日本の最先端というか、学識の先生方がいらっしゃるので、専門分野もある中で、ちょっと意味の使い方は各分野によって違うのは当然なんですけれども、ここでそろえておくと、目指す姿が明確になるのかなというふうには思いました。  あと2、3点、検討はありますが、言葉の問題で言うと、DXもそうなんですけれども、いろいろなところでDXという言葉が、さっき、手段とか手続ではなく目的化していくんですけれども、ここで使うDXは何なのかというのは、やはり具体例も含めて、ちょっと示していただきたいなと。DX、DXと、多分皆さんが思い描いている、この委員の中でもみんな違うと思うんですよね。どこの部分でのDXなのかとか、抽象論なのか、具体論なのか。区政の中で入れるのだとしたらどうなのか。いろいろなところでDX化とかもできていますけれども、じゃあ、そこは何をやっているのかとかということがあると僕のほうでも分かるなと、それは次のときでも何か示していただきたいなということがあります。  最後になりますが、災害です。僕はここで発言しなければいけない立場なのだと思うので、災害のところが、やはりさっきの参加というのが1個だけマルがあって違和感がありますねというのと一緒で、マルが災害のところに並んで1個ポンとあるのも僕は違和感があって、災害対策は、やっぱり日常のセットの問題ですよねと。何か災害が特別に独立してあるわけではなくて、災害は日常の延長なので、災害の日常化、または日常の中での災害対策というようなものが示せる必要があるのかなと。行政職員で言えば、災害対策課、危機管理課があります。僕もそこにいましたけれども、それは災害のときに動くのではなくて、日常の中にぶち込んでおかないと対応できないですよと、行政職員の仕事であれば、自分の、例えば福祉計画とかの仕事をしながら、災害があったときに、その対策を日常的にもやっておくということが当たり前の話なので、そこのところが入れ込む必要があるのかなというふうに思いました。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございました。  言葉の問題を中心にいろいろ論点を定義していただきましたけれども、非常に重要な点で、事務局のほうとしても今日の資料1-3などをそろえるときも、これまでの委員の出された意見をまとめた形ですので、本当に言葉遣いとしてはまだ全然整理されていないかと思います。  今朝も私、ある研究会に出ていたら、ウェルビーイングの話が出てきて、SDGsももちろん重要なんだけれども、もうサステナブルなウェルビーイングだよなみたいな話になって、ますます言葉の整理の問題としては混迷を深めるばかりになってくるところもあるんですけれども、ただ、非常に重要な問題、これもここ20年ぐらいずっと同じようなことを言われ続けているんですが、「参加」と「参画」とか、例えば、私、個人的に言うと、企画段階から関わるということなしに参加なんていうのは意味がないと思っているんですよ。ただそれは出席だろうという。それをもって出席する、その場にいることだけをもって参加というふうにカウントするなんていうのは、ちょっとそれは意味のないことではないかというふうに思っていたりする人もいれば、そうではなくて、「参加」と「参画」を分けますという人もいますし、言葉の整理はこれからしっかりとしていきたいなというふうにも思っております。ほかの「ウェルビーイング」とか「DX」もそうでしょうけれども、ぜひそういう点も皆様からもいろいろな御意見をいただきたいと思いますが。  あと、いかがでしょうか。何か全体を通して、皆さんの意見も、では、どうぞ、安藤さん。 【安藤委員】  安藤です。  ちょっと教育のところについて、1つ、自分の体験も含めて触れさせていただきたいと思います。  私は出身が名古屋なんですけれども、東京というのは世田谷もですけれども、東京と名古屋と一番教育において違うのが、中学の私立への進学率です。全然意識が違います。令和2年のデータですけれども、世田谷ですと34%、私立、国公立のほうに進んでいます。一方、名古屋市については14%です。これ、名古屋が田舎だから低いのかというふうに思ったら、実は23区だけが突出していて、例えば、ほかの政令指定都市も大体軒並み10%台ぐらいです。これを考えると、もちろんすばらしい私立がいっぱいあるからみんな通っているわけなんですけれども、本来、もう少し公立学校への中学からの進学率が高ければ、出さなくていい費用をみんな結果的に出していることにもなっているのではないかと。正直、世田谷区は非常に生活費が高いので、いい場所でみんな喜んで来ているんですけれども、本当に、先ほどのウェルビーイングではないですけれども、特にある程度、中・高生を抱えた親たち世代のウェルビーイングが高いかというと、ちょっとどうなのかなと。世田谷区だけではなくて、そういった割と高所得な区が基本的に抱えることかもしれませんけれども、そういったところがあるのではないかと。  その一方で、例えば桜丘中学のような全国的に見てもすばらしい教育をしている中学がある。何かそういったものをもっと普遍的に世田谷に取り入れていけば、みんな普通に公立の学校に行って、それから都立に行って、大学に行くという、本当にごく普通のモデルが、よりできるのではないかというふうにずっと思っています。  もしそういったものができれば、先ほど来、世田谷区でいろいろなことをやりたいというふうに言っている施策を教育していくといったところのカバーも結果的に広がるのではないか。今、自動的に3分の1の方が私立の中学に進まれるということは、結果的にそういった方たちに対して、区の施策が及びにくくなっているのではないかと。  なので、そういったところを少し引き上げていくと、例えばそういった方たちのところに、そういうポリシーを広げることもできるし、直接お金を給付していることと同じような位置づけにもなるのではないかというふうなこともあります。それから、これだけ家賃とかが高くなっている、不動産のものなどを見ると、本当に最近びっくりしますけれども、こういったときに、いくら世田谷に行きたくても、ちょっと引いてしまうくらい高くなっていますけれども、それでもあえて世田谷に行きたい、子育てをしながら世田谷に行きたいというふうなときに、やっぱり教育が充実している。例えば桜丘みたいな形で、世田谷に来れば、安心して、安く、しかも高いレベルの公教育を受けられるというふうにすれば、それこそ今、区レベル、区の中で例えばそういうふうにしているという話がありますけれども、東京都全体でも、それだから世田谷に住もうというふうな意欲を高めることもできるのではないかなと非常に強く思っております。  全然そういったモデルとかがないのであれば、そこのモデルからつくるんだという話になりますけれども、立派なモデルとかがある中で、そういったことをうまく広げていく。いろいろ資料を調べてみると、やっぱり区の中学校とかでも、いろいろな段階があるというのは分かりました。そこを一律に入れるのは難しいというふうな事情も多分あるんだと思うんですけれども、そこをできないならできない理由を少しずつ見つけながら、公教育をよりアクセスしやすい形にしていくことができないのかなというふうに、ちょっと問題意識として持っております。 【大杉会長】  ありがとうございます。 2 報告事項 【大杉会長】  それでは、ちょっと時間的にもそろそろ終わりの時間に迫ってまいりましたので、次第でいいますと、議題2の報告事項のほうに入らせていただこうと思います。  事務局より御説明をお願いいたします。 【真鍋副参事】  では、事務局より報告させていただきます。  先ほど少し触れましたが、参考資料3を御覧いただいてもよろしいでしょうか。参考資料3の1ページを御覧ください。  区民検討会議、本日も4名、代表して出ていただいていますけれども、夏に実施した区民検討会議委員と継続的な意見交換を行うために、「Decidim」というツールを導入して実施したいというふうに考えております。下段に記載してございますが、Decidimというのは、市民参加のためのデジタルプラットフォーム、オンラインで多様な区民の意見を集約するというものでございます。  2ページに運用イメージを載せています。  登録した方が意見を入力すると、このプラットフォーム上で共有されて、また別の登録者がその意見に対してでも、別の意見でも入力できるということで、いつでも、時間とか場所の制約のないオンライン上のワークショップみたいなものをイメージしています。今後は、区民検討会議を代表して審議会委員を務めている区民委員の方々に、Decidim上の議論にも参画していただいて、その他の方々の意見も含めて、集約された意見を審議会の中で御発言いただくことで、審議会の議論に反映していきたいというふうに考えております。  今後のツールの利用イメージが3ページにございますが、まず、区民検討会議委員と行った後、運用面で課題なども検証しながら対象を広げたい。ここでステークホルダー意見聴取に活用していきたいと思っています。このステークホルダー意見、たくさんステークホルダーはいるんですけれども、今回、このタイミングで考えているのは、区の附属機関、50ぐらいあります。そうした附属機関に団体が入っていまして、日頃から区の施策などにも関わっていただいている団体さんに、現在の審議会の検討状況を少し整理したものをお示しし、団体を代表する立場から御意見をもらうということを考えておりまして、そこにも活用していきたいと考えています。結果をなるべく早く審議会に示したいということで、1月の第5回の審議会にはお示ししたいと考えております。  そうしたものを踏まえて、来年度には区が骨子案、素案等をつくっていくんですけれども、骨子案の段階で区民意見募集を行いますけれども、そのときにより広く活用できればなというふうに考えております。こうしたツールを、比較的年齢層とかにも偏りのあるパブリックコメントなどと併用することで、もう少し若い人が、気軽に使ってくれるかなというふうに考えていまして、幅広い層からの区民意見聴取につなげたいということで考えています。  報告は以上になります。 【大杉会長】  ありがとうございます。  ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問ございますでしょうか。 【鈴木副会長】  1点だけ。 【鈴木副会長】  人数はどういう基準で考えているんですか。これ、49名とかと書いてある。 【真鍋副参事】  こちらは、既に夏に実施して、無作為抽出で450人程度に参加しませんかということでご案内をお送りして、いいですよと回答いただいた49名の方で、7、8月に3回、区民検討会議という会議を実際のワークショップとしてやっています。その中から、今回、5名の方が区民委員になっているわけですけれども、代表でない方は、もうそれっきりで終わっているんです。ただ、その方々も非常に積極的な御意見を出してくれたし、こういう場はよかったとも言ってくださったし、何かこういうものがあれば、引き続きやりたいという話もいただいた中で、今回こういうものを使ってやっていくということで、そのときの委員さんになります。  やはりいろいろ検証しなければいけないなと思っているのが、通常、区にご意見をいただくと、シークレットです。パブコメとかだと、区の考えをお返しする時に意見が出るんですけれども、今回のものはすぐに見られるので、ある意味、掲示板に近いですから、いろいろと課題はあるだろうなと思っています。ですので、課題も検証して、どういう決まり事、どういうルールをつくって、全ての区民に開放するかということも見なければいけないというふうに思っているところです。 【大杉会長】  ほかにいかがでしょうか。  Decidim、初めて聞かれた方もおられるかと思いますけれども、徐々に取り入れようかというようなところも現れ出してきておりまして、もともとバルセロナのほうで、カタロニア語なんでしたかね、Decidimは。英語では「decide」に当たるような言葉だと思います。  今回はちょっと実験的なという形にはなるんだと思うんですが、今までとは違う参加手法を試みてみようということですので、楽しみにしたいなというふうに思っております。  ほかにございますでしょうか。  特段ないようでしたら、一通り次第どおり進めさせていただき、お時間にもなりましたけれども、よろしいでしょうか。  保坂区長、どうぞ。 【保坂区長】  長時間、どうもありがとうございました。保坂です。  1点、教育に関してお話が、いろいろなところ、汐見先生をはじめ出ていましたが、ちょうど現在、世田谷区の教育に係る方針を、総合教育会議という会議体を通して、教育委員も含めて議論を開始したところなんです。前回、実は汐見先生に、発題、問題提起をしていただいたんですが、ですので、これも今つくろうとしている基本計画とクロスしながら、教育をどのように変えていくべきかという議論が進んでいます。同時に、この基本計画の審議会においても、教育の要素も重要なので、何らかの形で、教育委員及び区民も参加している総合教育会議の議論と、この基本計画の議論をうまく交差させて、共有しながらいくような方策を考えたいというふうに思います。その点だけちょっと申し添えさせていただきます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今日も教育の問題は多く出てきましたし、従来とは違って、やっぱり教育の在り方というのが行政の仕組みとしても変わってきたところがあって、より区長部局と、行政と密に連携させながら進めていくべきところかなというふうにも思っている次第ですので、何かいい形での連携がこの計画の中でも生かしていければなというふうに思います。  それでは、最後に、事務局より連絡事項をよろしくお願いします。 【真鍋副参事】  本日も貴重な意見をありがとうございました。  事務局より、2点、事務連絡です。  議事録、動画の取扱い、前回と同様ですけれども、議事録は1週間後にメールしますので、御自身の発言を御確認いただきまして、修正等をお送りください。動画は25日に公開予定です。すみません。22日の正午までに、何かあれば御連絡ください。  事務連絡の2点目は、第4回審議会、12月8日木曜日6時半から、こちらで行います。時期が近いので、一両日には開催の案内をお送りしますが、第8波とかの影響で、状況が状況でしたら、もしかするとオンラインでの御参加を促進させていただく可能性はございますので、その辺は御理解いただければと思います。  事務連絡は以上です。 【大杉会長】  それから、先ほど私が宣伝させていただいた「コロナ禍における『つながり』を考える」、こちら、もしお時間の都合がつくようでしたら、ぜひ御参加いただきたいと思います。 それでは、第3回基本計画審議会はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。 ―― 了 ―