第６回世田谷区基本構想審議会　議事要旨

【日　　時】　平成25年２月15日（金）　午後６時30分～午後９時25分
【場　　所】　世田谷区役所第２庁舎４階　区議会大会議室
【出 席 者】
■委　員　　枝廣淳子、大杉覚、小林正美、竹田昌弘、永井多惠子、坂東眞理子、宮台真司、森岡淸志、森田明美、上野章子、宇田川國一、大森猛、永井ふみ、松田洋、宮田春美、宮本恭子、風間ゆたか、上島よしもり、桜井純子、高橋昭彦、田中優子、村田義則（以上22名）
■　区　　　保坂区長、板垣副区長、秋山副区長、田中基本構想・政策研究担当部長、宮崎政策経営部長、岩本地域行政担当部長、望月基本構想・政策研究担当課長、小田桐政策企画課長

【議事概要】
１　基本構想の検討について
（１）前文について
・「単身世帯対策」という表現はわかりづらいため見直すこととする。
・「原子力発電所の事故」は「福島第一原子力発電所の事故」とし、「災害への日ごろの備えがいかに重要」の文章の前に「改めて」を追加する。
・「わたしたちは」という表現は残したままとする。
・このほか「最長で２０年先までを想定」という表現については明確に期間を記載すべきかどうか、また、「かつてのような経済成長を前提とした社会はもはや望めません」には、「環境と資源の有限性」についても記載するのか、「もはや望めません」という表現が適切なのかについて意見があり、起草委員会で検討することとなった。
（２）九つのビジョンについて
・「一、個人を尊重し、人と人とのつながりを大切にする」において、「人と人とのつながりを何より大切」のうち「何より」は削除し、新旧住民差別の無い状況をめざすべきという意見がある一方で、居住年数により受けられる行政サービスもあるため、居住年数の記載の有無は起草委員会で議論することとなった。このほか、多様性のニュアンスを強調するために「男女が等しく」を「多様性を認め合い、だれもが等しく」という表現に修正するという意見があった。「だれでもいつでも」という表現について意見があった。
・「一、子育て家庭が住みたい自治体ナンバー１をめざす」において、「一体となって」は「柔軟に連携して」、「自治体ナンバー１」より「まちナンバー１」の方がよいという意見があった。また、ナンバー１の記載に「子ども若者が住みたいまち」という表現も追加した方がよいという意見があった。さらに、比較対象がわかりにくいなどから「ナンバー１」という表現が適切でないとする意見もあった。このほか、「学校任せにせず」ではなく、「学校の枠組みを超えて」という表現の方が望ましいという意見があった。
・「一、健康で安心して暮らしていける基盤を確かなものにする」では、「シェアハウス」よりも「多様な住まい方」がよいとの意見もみられたが、「住まい方」は広辞苑に載っていない表現であり、区民発表会の意見を重視し、このままとすることとなった。
・「一、しなやかな復元力を持つまちをつくる」では、「不燃化」に加えて「耐震化」を追記すべきとの意見があった。また、項目の名称に「復元力」だけでなく「防災力」も表現すべきであるとの意見があった。さらに、緊急避難道路について、定義の明確化が必要であるとの意見があった。
・「一、環境に配慮したまちづくりとライフスタイルを追求する」においては、「自転車の積極的な利用」から「自転車などの環境にやさしい交通手段」に変更する。
・「一、地域を支える産業を育み、職住近接が可能なまちにする」のうち、「商業、工業、農業」に加えて「サービス業」を追記し、「農地は重要です」から「農地も重要です」という表現に変更すべきとの意見があった。
・「一、文化・芸術・スポーツの活動をサポート、発信する」では、「多くの著名人」については著名ではなくても、立派な人はたくさんおり、こうした表現は不要との意見があった。
・「一、より住みやすく歩いて楽しいまちにする」のうち、「まず駅周辺」とあるが「まず駅周辺」という表現に疑問があるとの意見があった。また、道路について、「商店街と文化施設を結ぶ道路」という限定的な表現に反対する意見があった。
・「一、ひとりでも多くの区民が主体的に区政や公の活動に参加する」において、「公の機関・組織は情報公開を徹底」については、公開できない情報もあることや、自治会などの小さい単位でもすべきなのかという意見もみられた。
・区庁舎の建替の問題は、防災のあり方を考えるだけではなく、行政の規模を考える上でも重要な問題であるため、行政のあり方に関する議論が必要という意見があった。
・全体的にシェアハウスやソーシャルネットワーキングサービスなどの具体的な表現は、基本構想の期間が終了する20年後には風化しているという意見もあった一方で、合意した時点で何を意図していたのかを明示した方がよいという意見があった。
（４）世田谷区基本計画大綱たたき台（骨子）案
・大綱の中に、市民参加の仕組みや、その実現に向けた取り組みを明記した方がよいという意見、世田谷らしい住民参加のあり方を「（９）ひとりでも多くの区民が主体的に区政や公の活動に参加する」の中で例示するとともに、基本構想もこれにかかるように区民参加のあり方を加えて記載することとなった。
・「重点政策」は内容を絞って記載した方がよいという意見がある一方で、基本構想の九つのビジョンを基本計画でも踏襲する観点からは変更しない方がよいという意見もあった。このため、起草委員会で整理の方向性を議論することとなった。
（５）その他
・議論の時間をより確保する必要があるという意見があった。また同様の観点から、基本構想の議決の必要性について改めて検討すべきとの意見があった。
・審議会の時間内で意見を述べられなかったことは代案を示した上で、２月25日午前10時までに事務局に連絡することとなった。

２　その他
資料３～５および今後の日程について事務局より説明があった。



第６回世田谷区基本構想審議会　会議録（概要）

【日　　時】　平成25年２月15日（金）　午後６時30分～午後９時25分
【場　　所】　世田谷区役所第２庁舎４階　区議会大会議室
【出 席 者】
■委　員　　枝廣淳子、大杉覚、小林正美、竹田昌弘、永井多惠子、坂東眞理子、宮台真司、森岡淸志、森田明美、上野章子、宇田川國一、大森猛、永井ふみ、松田洋、宮田春美、宮本恭子、風間ゆたか、上島よしもり、桜井純子、高橋昭彦、田中優子、村田義則（以上22名）
■　区　　　保坂区長、板垣副区長、秋山副区長、田中基本構想・政策研究担当部長、宮崎政策経営部長、岩本地域行政担当部長、望月基本構想・政策研究担当課長、小田桐政策企画課長
【会議公開可否】　公開
【傍 聴 人】　８人
【会議次第】
議　題
１　基本構想の検討について
２　その他
【配付資料】　
１　世田谷区基本構想（起草委員会案）
２　世田谷区基本計画大綱たたき台（骨子）案
３　新たな基本計画に関する区民意見・提案発表会実施報告書
４　区民アンケート実施結果について（年齢別）
５　区長と区民の意見交換会の報告
６　基本構想・基本計画大綱の構成イメージ


第６回世田谷区基本構想審議会　会議録（本文）

午後６時30分開会
（森岡会長）
・第６回基本構想審議会を開会いたします。議事に入ります前に、まず本日の出席状況等につきまして事務局から報告をお願いします。

（事務局・望月基本構想・政策研究担当課長）
・それではご報告をいたします。本日の欠席の委員は、大橋委員、松島委員、桑島委員でございます。また、宇田川委員におかれましては、少し遅れるという連絡が入っております。以上です。

（森岡会長）
・ありがとうございました。次に配布資料の確認をお願いします。

（事務局・望月基本構想・政策研究担当課長）
・それでは配布資料の確認をいたします。ご確認ください、まず「次第」でございます。続きまして、Ａ４版の資料でございます。資料１として「世田谷区基本構想（起草委員会案）」というものがございます。資料２といたしまして「世田谷区基本計画大綱たたき台（骨子）案」というものがございます。あと、資料３「新たな基本構想に関する区民意見・提案発表会実施報告書」、資料４「区民アンケート実施結果について」、資料５「区長と区民の意見交換会の報告」、資料６「基本構想・基本計画大綱の構成イメージ」となります。配布資料は以上でございます。

（森岡会長）
・これまでは「前文」という言葉を入れておりましたが、今回は「前文」という言葉は取っています。読み上げます。
・「世田谷区基本構想（起草委員会案）世田谷区は、1932（昭和７）年から1936（昭和11）年にかけて、世田谷、駒沢、玉川、松沢、千歳、砧の２町４村が合併して生まれ、東京都内で最も多くの人が暮らす住宅都市へと発展しました。わたしたちは、国分寺崖線や多くの河川、農地などの貴重な自然環境と地域の文化、伝統を大切にしつつ、自治を追求し、寛容で活気あふれる社会を築いてきました。ただ金融、労働力、情報のグローバル化が進み、しかも高齢化のなかで、かつてのような経済成長を前提とした社会はもはや望めません。格差や少子化、社会保障の維持、単身世帯対策などの課題に取り組むには、新たな発想が求められています。また東日本大震災と原子力発電所の事故は、災害への日ごろの備えがいかに重要で、緊急の課題であるかを浮かび上がらせただけでなく、一人ひとりの生き方や地域社会に転換を迫りました。一方で先人から受け継いだ、世田谷のみずとみどりに恵まれた住環境や、多様性を尊重してゆるやかに共存する文化、地域性を子どもや若者の世代へ引き継いでいかなければなりません。これらの課題に立ち向かうため、わたしたちは基本構想として、今後めざす公共的なビジョンをまとめました。最長で20年先までを想定しています。区民が主体的に公に関わり、地域とのつながりをさらに深めていけば、自治はより確かなものになり、きっと多くの課題を克服できると考えています。区は自治体としての権限をより広げ、計画的に行政を運営し、区民や事業者とともに、基本構想の実現に努めます。」
・これがいわば前文にあたるところでございます。これまでの議論を踏まえまして、１番目に、とにかく誰もが排除されない寛容で多様性を認められた社会を継承して発展させていくということ。２番目として、それぞれが主体的に参加し、自治、ある意味では世田谷区における民主主義をになっていく。また区民や事業者や行政が基本構想をできるだけ共有するという目標を持つ。それから、基本構想はだいたいこの20年を見据える。区は基本構想に基づいて、計画的に行政を推進していくべきこと。みずとみどりに恵まれた住環境や多様性を尊重する文化、個性豊かな地域性を、より豊かに発展させて将来世代に継承していくこと。今、６つばかりの基本的な軸をあげましたが、これらについてはできるだけ、この前文にあたるところに入れ込むということで、起草委員会ではだいぶ討論して案をまとめました。
・また、昨年末に提示しました案では、区民の義務が出されていましたけれども、あまり区民に責務を負わせる表現は望ましくないのではないかという意見がありました。それを受けまして起草委員会においては、区民の主体的な参加を呼び掛けるメッセージとしまして義務的な表現は避ける、また、行政に対して区民の取り組みへのサポートを含めて、施策展開のあり方を義務づけるということを確認した上で、このように文案を整理しております。それでは、この前文にあたるところについて、ご意見があればお寄せいただきたいと思います。
・起草委員会ではだいぶ議論し、さまざまな人の貴重なご意見をできるだけ入れながら、それもできるだけ短い文章で表現し、かつ、できるだけ格調高い文章にしようと思いつつ、何回も文案を練っているうちに、この辺に落ち着いてきました。随分と頑張って、長時間いいものにしようとして、皆さんが知恵を出し合ったという経緯がございます。ビジョンということで最終的には決着をつけたということと、最長で20年先までを想定して、10年後にまた見直しをする可能性も含んだ表現として、「最長で20年先までを想定」という、非常に柔らかい表現にいたしました。

（小林委員）
・ビジョンの議論へ入る前に、これからの作業として基本計画大綱までの話と、それ先の基本計画について、私たちこの委員がどの程度関われるのかということを、少し事務局に説明していただいて、基本計画に盛り込むべきキーワードをここに書くべきなのか、あとに回したほうがいいのかという判断をしたいと思います。
（森岡会長）
・小林委員のお話は非常に重要なのでございますが、この後の議題に基本計画大綱について議題があがっております。基本構想について検討してから基本計画大綱につきまして、この場でお諮りをしたいと思っております。

（小林委員）
・でも枠組みは先におうかがいしておいた方がよいと思います。ここに盛り込むべき文言が、私たちがコントロールできる範囲なのか、もう基本計画に任せるべきかの判断を委員がしなくてはいけないと思います。

（事務局・望月基本構想・政策研究担当課長）
・では、資料６というＡ３版資料をご覧下さい。これは基本計画基本構想大綱の構成イメージということで、この資料の昨年の10月の第３回審議会でもお示ししておりますが、基本構想の内容をたたき台として、出て来てきていますので、そこら辺を盛り込んだもので再度作り直しております。
・この資料の読み方ですが、左側が基本構想です。森岡会長からご説明いただいた一番左が前文になります。後ほどこの説明に入ると思いますが、中心部に九つのビジョンになります。中身について、この文章については省略しております。その下が区の役割です。これが基本構想の全体の構成でございます。
・その右側が基本計画大綱となりまして、この大綱を答申していただくというところまでが、この審議会で提案されたところでございます。基本計画大綱は、●印の下に書いてありますように、今後、行政のほうで基本計画を策定するにあたっての、基本的な考え方とか留意点のようなものを示していただくものとなっています。
・この基本計画大綱の構成につきましては、１番、策定の背景や視点、重点政策、分野別政策、その他(実現への方策)とありますが、これが基本計画の構成にあたるものでございます。
・３番の重点政策というのがありますが、これは基本構想の九つのビジョンに向け、先導性、緊急性、分野横断的な政策となっておりますが、その政策を行政のほうで決めるにあたっての留意点を示していただきます。これから本案の議題になりますが、この九つのビジョンというものが、この重点について、ここに表現されるということです。また、区の役割のほうから、今後20年間に重要ではないかということで、自治権拡充に重点政策でも改めて言及しています。
・あわせて、資料２の２ページをお開きいただけますでしょうか。今ご説明しましたなかで、資料２の２ページ重点政策なのですが、基本構想における九つのビジョンの実現に向けて、先導性、緊急性や分野横断的な観点から、次のような重点政策の検討を行うことが望まれるとしています。「望まれる」という表現としたのは、行政に対しての言葉になっています。この九つの柱に沿って、例えば個人を尊重し、人と人とのつながりを大切にするなど、人権を守る意識の普及啓発というような政策が、例示としてここに掲げています。例示についてご議論いただくということで具体的な方針をイメージできるようになっております。以上でございます。
・会長よろしいでしょうか。あと、先ほど資料の確認において、最後のほうにホチキス止めで、委員のみに配布しております第５回起草委員会資料４というのがございまして、これは、起草委員会で扱った資料の参考にということで、ご用意したものでございます。以上でございます。

（森岡会長）
・はい。ありがとうございます。

（小林委員）
・基本計画そのものは、区の行政のほうで策定していただき、私たちはこの基本計画大綱までが主ということですね。でも、ある程度、基本計画大綱において割と細かいことも、盛り込んでおいたほうが基本計画につながるということでよろしいですね。

（森岡会長）
・では、前文にあたるところについて議論したいと思います。

（上島委員）
・２段落目の中段ぐらいに、「単身世帯対策」という表現がありますけども、単身世帯対策というのが、ちょっと言葉としてあまりなじみではありません。
・また、「単身世帯」というのが、高齢者の単身世帯っていうこともありますし、若者の単身世帯もあります。これ見ますと、当初の行政の作られたところでは、単身世帯の増加という表現のほうがよいと思います。言葉をちゃんと、代案を示せということであれば、「単身世帯の増加などの変化から生ずる課題に取り組む」とか、そういう表現の方がよいかと思います。
・次の行になりますけども、東日本大震災と原子力発電所の事故とありますが、原子力発電所の事故は、「福島第一原子力発電所」とした方がよいかもしれません。
・その次になりますが、「災害への日ごろの備えがいかに重要」でというくだりがありますが、これまでも阪神淡路大震災以降も、その災害への日ごろの備えというものを、重要性を世田谷区としてもしっかりと取り組んできましたので、「改めて災害への日ごろの備え」という表現にしていくのが正しいのかなと思っております。
・そして、４段目に「これらの課題に立ち向かうためわたしたちは基本構想として」とありますが、「わたしたちは基本構想をまとめました」となっておりますが、「わたしたち」が不明確です。本来であれば世田谷区が責任を持って示すべきものですから、「世田谷区」とした方が明確ではないでしょうか。
・次に、「最長で20年先まで」とありますが、何かまた不明瞭な感じがいたします。当初の行政の案ですと、20年の間に取り組むべきものを示すというような表現になっておりますが、途中に変えるにせよ、「最長で」と盛り込む必要はなく、20年間を一応、目指して作るというもので、私はいいと思っております。取りあえず気が付いたところで以上でございます。

（森岡会長）
・いくつかございましたけど、多くの問題は起草委員会で持ち帰って表現等々検討するということで処理できると思いますが、大きな問題は二つございます。
・「わたしたちは」はあえて不明確であることと、その「最長で20年先」が例えば「今後の20年間に目指す公共的なビジョン」とかいうような書き方のほうがすっきりしていいのではないかということでした。
・この点については多少議論する必要があります。まず、「わたしたちは」は、「世田谷区は」に変えたほうがよろしいでしょうか。ここは、区民と事業者と行政という、そういうものが含まれて「わたしたちは」という表現、そういう意味合い込めております。その点「世田谷区は」とすると、ニュアンスはかなり違ってくるという点で重要な論点になります。

（宮台会長職務代理）
・もし、この基本構想が基本法のようなものと考えると、世田谷区民や世田谷区民の代表でいらっしゃる議員さんの方々が、世田谷区に従っていただくべきガイドラインを設定したということになります。
・そもそも、世田谷区行政が従うべきガイドラインとした時に、それが「世田谷区は」と宣言するのは少し妙です。「世田谷区民は」というふうに特定をすると、細かい憲法感とか、統治感にも関わってくるややこしい問題になってしまうので、「わたしたちは」というふうにぼかすのがよいと思います。国際的な目にさらされている、そういう時代ですので十分留意した方がよいと思います。

（竹田委員）
・多数決で、もう決めていったらどうでしょうか。

（森岡会長）
・どういうふうに決めたらいいでしょうか、ご意見ありますか。この場で決めていかないと、とても時間的に追いつかない。

（竹田委員）
・審議会や起草委員会でも議論をした結果、「わたしたちは」ということにした経緯があります。多くの委員のご意見を入れて作成し、私は自分の意見の90％以上を抑えてやってきました。上島さんも少しは我慢していだきたいと思います。
・「わたしたちは」を「区は」にすると、宮台先生がおっしゃったように、ちょっと小さくなる感じがします。もう相当議論してきましたので、多数決で一つずつ決めていったほうがいいと思います。

（森岡会長）
・順番にいきましょう。まず単身世帯対策というのは確かにちょっと表現としてはよくないかもしれません。しかし言い訳になりますが、できるだけ短く表現しようと、切り刻んでいた結果、この文章になっています。先ほどの単身世帯の増加などの変化とか、その辺は起草委員会で、もうちょっとこなれた言葉になるように文章表現を考えます。行数はこれ以上増やさないけども、字数はまだ11文字ぐらい残っていますのでなんとか修正してみます。
・それから原子力発電所、福島第一原子力発電所と名称を入れます。また、「あらためて」というのは、やっぱり必要だと思います。
・それから先ほどの件でございます。「わたしたちは」というのは、これはこのまま生かすことで世田谷区に変えないということでよろしいですか。

（村田委員）
・その「わたしたちは」を「世田谷区」というふうに変えた場合、行政がという意味ではないと思います。つまり議会が議決するわけですから、議会も含めて「わたしたちは」と議会で議決する立場から言うと、「わたしたちは」というのは議会そのものも指すとともに、行政機関も「わたしたち」ということにもなります。
・議会で議決した場合の「わたしたち」っていうのは、ある意味たぶん行政という世田谷区ということを意味しないのではないかと思っております。それでも森岡会長が言っていただけるように、ここで決めたい気持ちはわかりますが、なんかもう少し考える時間をいただきたいと思います。

（森岡会長）
・本日で決めないとスケジュールの観点から難しいと思います。これまで議論はし尽くしていると思います。議員の立場からすれば、「世田谷区は」のほうがわかりやすいのでしょうが、「わたしたちは」でよろしいでしょうか。

（上島委員）
・おっしゃることもわかります。「わたしたちは」に区民も含まれます。当然、区民に加わるということは、議会も加わっています。区民でも決して問題はないと思いますが、重いものを決めるという気持ちが非常に強く感じています。
・一番言いたいことは、この「わたしたちは」というのが非常に不明確だなってことです。要は世田谷区民と事業者ということなのか。それからこの「わたしたちは」が何を含めているのか明確に含めていただいたほうが、議会で議論しやすいと思います。ですから、決してここで「世田谷区」というふうに変えてくれないということだけではなくて、あくまで意見を求められたので、わたしはこう思いますと申し上げたまでです。多数決までして決めることではないと思います。
・できれば起草委員会で引き取っていただいて、一度ご検討いただくのが私はよいと思います。

（森岡会長）
・「わたしたちは」とか「世田谷区は」とかいう主語を全部取ってしまうという手もあります。つまり「これらの課題に立ち向かうため、今後の20年間にめざす公共的なビジョンとして、基本構想をまとめました」とすることも考えられます。

（小林委員）
・九つのビジョンのなかも同じようなことで、主語は「わたしたち」であり、区民と事業者と行政を指しています。何も主語が無いものは区という分け方で、ずっと書いてきています。正確な表現とするならばどこかに注で、用語の定義をちゃんと入れるべきではないでしょうか。私自身は「わたしたちは」がよいと思います。

（森岡会長）
・わかりました。会長の決断で「わたしたちは」でそのまま残します。また、その後のビジョンのところとの一貫性もあるため、「わたしたちは」という形で読んでいけば、「わたしたち」って何を指しているかわかるという形となります。私は注釈等で明示はしない方がよいと思います。
・その次に、「最長で20年先」という点につきましては、「今後の20年間でめざす公共的なビジョン」というほうがいいのではないかというご意見ですが、この点いかがでしょうか。

（竹田委員）
・例えば20年前をみると、つまり92年、93年ですが、現状を誰も予想していなかったと思います。バブルが崩壊して苦しかったけれど、もっと日本経済が駄目になるなんて、多くの人は予想しなかった。
・世の中の状況が大きく変わることも踏まえて「最長で20年先までを想定」としています。

（森岡会長）
・今の竹田委員のご説明でいかがでしょうか。ここのところは起草委員会としては、むしろ20年間のとかはっきり言わないで、やや曖昧な表現にしています。途中で10年後に見直すこともできるような文章表現に少し苦労しつつこういう表現にしているのですがいかがでしょうか。

（高橋委員）
・基本構想っていうのはこれまで苦悩しつつ20年間のビジョンを作った。ずっとそれできたものです。一方で、起草委員会のほうで揉んでいただいて、きょう出てきたものは、「10年で見直す」のですか。

（森岡会長）
・見直す可能性があることを示しているだけです。今後の20年間と明確に書いてしまうと、その縛りを受けて見直すことができなくなることを恐れています。最長で20年と考えておけば、20年でもよいし、危なければ10年、あるいは15年にもできる含みとなっています。

（高橋委員）
・10年間の世田谷区の持つべき方向、今、やっていくと僕は思っています。その大前提として最長20年、短くて10年で見直す可能性があるっていう、そこのなんか不安定な基本構想を作ることになるのでしょうか。それとも20年間のビジョンを策定するものとして審議会がスタートしたものと思っていました。

（森岡会長）
・基本はそうです。20年間これでやっていくと明確に謳いたいと思います。しかし、この過去の20年間を見てみますと、やはり途中で予想もしなかったことが起きる可能性も否定できません。そうするともう20年と明確にするよりも、少し幅を持たせた表現にしたほうが無難なのではないかというだけです。

（枝廣委員）
・このようなビジョンを作っている中で、ある程度長期的な方向性とか、20年というくくりはよいと思います。しかし、先が読めない時代なので、長期を見ながら今考えつつ、適応型で何かあったときには変えていけるような方向も確保しておかないとならないと思います。「１回決めたから突っ走るのだ」というのが一番危ないやり方ではないでしょうか。最善の知識で20年を見通してやっているけれど、何かあったときには常に柔軟に見直しをしていくようなものだという言葉を入れておかれたほうがよいと思います。

（森岡会長）
・「柔軟に見直す」と基本構想に書いたら、みんなが疑問に思うので、「最長で20年先まで」という表現に落ち着いたということでございます。

（田中委員）
・本当に起草委員の皆さまのご苦労を重く受け止めていますが、そもそも論としてちょっと意見を申し上げたいことがあります。今、出てきた20年を見通すのかということですけれど、私たちは20年を見据えた基本構想だといってスタートしたのは、それはもう確かなことだと思います。しかし、この世の中の動きを見ていると、20年後なんて見通すことができるのかは疑問に思います。
・そこで、大きなネックとなるのは、私たち議会の会派の代表質問で取りあげようと思っているのですが、これは議決に付すべきものなのだろうかと疑問に思います。先ほども、20年間を想定することの危険性や、その「１回決めたらそれで突っ走るのだ」と、しかも議決することで縛りを持つものになると、議員もここまで責任持てるものなのか不安を感じています。
・ご苦労の結果、「最長で」という表現が入ってくるのですが、そもそも、議決ではなくて、例えば教育ビジョンのように議決事項でなくした方がよいと思います。議決しなくても、世田谷区の教育をどのように導くのか、どう検討するのか、ということの大きな根拠になり、そしてその下のもとで計画もきちっと作られ、実施計画も含んでいます。そのような形で、基本構想も特に地方自治法の改正によって議決事項ではなくなっていますし、また基本構想自体も策定しなければいけないということがなくなっています。
・こうした中で世田谷区では基本構想を作りたいという区長のご提案となっています。それを無理やり議決で縛ろうとすること自体に、こうした苦労が入らなくてはいけなくなってしまうのではないでしょうか。そうではなくても十分機能するので、議決が無くてもよいのではないでしょうか。
・もう一つは個別の議論に入っていってしまうと、「しなやな復元力を持つまちをつくる」のところで、「老朽化しつつある社会インフラを更新する」という一文があるのですが、庁舎問題について全く触れられていません。庁舎問題は建物の問題、ハードの問題だけではなく、区として、行政がどこまで大きな政府となるのかを示しています。本当に民間や区民の力でまちを作っていく、自治を推進していく小さな行政でいくのかをソフト面を明確に検討しないと、庁舎の規模も決まってこないと思います。地域行政をどうするのか、世田谷区の今後20年目指す方向は、どういうものなのか、という議論なくして庁舎問題は語れません。庁舎問題は今後20年を考えたら、この議論を避けた基本構想では、私は作る意味がないと思います。
・そういう意味では、議論するには非常に時間が足りていないということと、区民の方の発表の場なり、意見を聞く場なりありましたけれども、それをどう反映するのか、ということが不十分であるため、区民参加の議論も不十分な状況です。こうした状況で９月の議会で絶対議決するというスケジュールがあり、無理やり、時間がなくても基本構想の文言も１日で決めてしまうという運びになってはいないだろうか。それは本末転倒ではないかと思います。もっと十分な議論時間を取って、いろんな機会も作って、みんながもう少し納得できるような、そして庁舎問題どうするの？というところも、きちっと入れたものを作り込んだほうがよいと思います。そういうことも絡めて議決は辞めた方がよいと思います。それで時間を確保して、もう少しビジョンを考えませんか。今更かもしれませんが、ここまでの流れを見たからこそ、こういう考えにたどり着きました。会長を悩ませる発言で大変申し訳ありませんが、そこは考え直す余地はないのでしょうか。

（森岡会長）
・正直言うと、この段階になってそのようなご意見をおっしゃることは、私にとっては大変心外です。もっと早く言ってほしかったと思います。
・私自身もスケジュールは非常に短いと感じておりました。９月に議会で議決することや、広報のスケジュールは予め決められておりました。私としてもそれに従うほかないし、議会で議決することに私は使命を見いだしていました。そうでなければ、もっとたくさんの区民の意見を聞く機会たくさん設けて、区民の方にもいろいろと案を出していただいて、それをたたき台として、基本構想の案を作るという全く別のやり方も当然できたと思います。スケジュールの範囲でできることを、私は努力したつもりでございます。こうしたなかで、最低限のことだけはしたいと思って、いろいろいたしました。そういうタイムスケジュールを考えると、起草委員会で原案を決めて、そして細かい文言を直していただいていくしかない状況です。
・庁舎の問題にしましても、これは個別具体的な政策ですから基本構想のなかで書くわけにはまいりません。それは田中委員のおっしゃること、非常によくわかります。震災が起きて庁舎が真っ先につぶれたらどうしようもない。しかし、区民の視線から見えれば、庁舎の改築と書いてあったら、「お前らだけ救われる気か」という反発が起きるのは当然です。これは先ほどの3.11のときもすでにはっきりと出てきた問題ですので、非常に大事な問題ですから入れるように私もしたいと思います。
・田中委員のご発言は私も半分はごもっともだと思っています。でも、今のこの時点ではどうしようもないというのが私の判断でございます。申し訳ございません。

（田中委員）
・森岡会長がおっしゃってることは本当にもうその通りです。区長に議会の場でこういう話はきちっと申し上げようと思っていることなので。でも、審議会の委員でもあるので、この場でそういう考えがあるということをお伝えしておかないといけないと思いました。会長になんとかしろということではなく、区長から諮問されている審議会の立場からはどうしようもないと思います。私は会派をあげて、「もう一度見直しませんか、区長」と言いたいと思っています。
・また、誤解を招いたかもしれませんが、「庁舎の改築」という文言が入ればいいとかいう問題ではなくて、区の行政のあり方がということが、基本構想のなかで今後の行政自体がどうであるかが入っていません。それを象徴するのが「庁舎問題」なので、「庁舎改築をすべき」と入ればいいということでは決してありません。
・区の行政のあり方に関する議論は非常に足りていないのではないか。ビジョンとして、これからの世田谷区がどうあるべきで、行政はどこまでサービスをするのか。また、市民自治をどこまでするべきなのかという議論が足りていないと思います。そして、その議論はこの時間内で進めるのは非常に厳しいということが言いたかったことです。

（森岡会長）
・議論が錯綜しましたので、話を元に戻しまして問題は「最長20年間」の標記でございます。起草委員会が預かることでよろしいですか。

（村田委員）
・基本構想の表現の決め方ですが、今の「最長20年間」は預かりであって、先ほどの「わたしたちは」のところはこの場で決められました。当初は可能な限りこの場で決定というような趣旨だったと思うのですが、もう一度起草委員会で議論を踏まえて、もう一度審議会に出すことが可能なのか、もしくは具体的な表現まで含めて、ここで決めてしまうという進め方なのでしょうか。

（森岡会長）
・単に時間が経過しているので起草委員会に預かりとにしないと収まりがつかないと思ってそう申し上げました。気持ちとしてはこの場で決めたいと考えています。

（風間委員）
・会長の「預かり」のイメージは起草委員会で決めるということなのか、議論したものをもう１回審議会に出されるのか、どちらのイメージですか。

（森岡会長）
・起草委員会で決めて、それをこのように決めましたというご報告を審議会でするということしか、スケジュールの観点からあり得ません。

（松田委員）
・時間がもったいないと思いますので、私からの提案ですが、まず参考意見として、先ほどの竹田委員がおっしゃられたように多数決をここで採りましょう。その意見がどれだけ多いのかが今の話だと見えません。まず、参考意見として多数決を取り、その上で、起草委員会のほうで持ち帰っていただいて、その多数決の大小を踏まえた上で、変えるべきか変えないか議論するのが建設的かと思います。

（森岡会長）
・松田委員の意見を採用します。
・二つの今、案が出ています。一つはこのまま「今後めざす公共的なビジョンをまとめました。最長で20年先までを想定しています」とします。もう一つは、「今後の20年間に目指す公共的なビジョンをまとめました」として、「最長で20年先まで」は差し替える案です。どちらかしかあり得ません。

（宮台会長職務代理）
・「コンセプトの適切さ」と、「表現の適切さ」を分けて多数決をとっていただきたい。「20年」とはっきりさせるのか、変更の可能性の含みを持たせるのかなど、コンセプトは大事な問題なので決を採って参考にして、具体的な表現については起草委員会に預かった方がよいと思います。

（森岡会長）
・「20年間の」と明確に書くか、最長でという形で少しぼやかすかということですね。
・では、第一にこの原稿通り、「最長で20年先までを想定しています」というのがよいと思う方は手を挙げてください。私を除いて13名ですね。これを見ると圧倒的多数となります。
・念のために、「最長で20年先を想定します」を削除し、「今後の20年間に目指すビジョンである」というふうに明確に書くことに賛成の方は手を挙げてください。７ですね。13対７となりました。
・この結果を踏まえて、起草委員会に持ち帰って決めます。そして、次回の審議会で報告のみとなります。少数意見の方も文句がないようにしていただきたい。

（枝廣委員）
・１点目として２段落目の最初、「経済成長を前提とした社会はもはや望めません」というところですが、このままだと非常にたくさんの反発がくると思います。
・ここの書き方を、グローバル化や高齢化が進むから経済成長を前提とした社会が望めないわけではなく、すでに私たちの暮らしや経済が資源の限界を超えているので、その点が地球上での経済成長というのはあり得ない、という表現とした方がよいのではないでしょうか。
・「経済成長を前提としなくても、活発な経済活動と幸せな暮らしを送る社会への移行を進める必要がある」など、そういう書き方をされたほうがよいと思います。特に、事業者の方々は経済成長が「もう駄目だ」ということを、そのまま素直に受け取れる方は少ないと思います。文字数の提案が必要であれば後ほど文章でお送りします。

（森岡会長）
・私たち全体を考えていますので、これ以上行を増やしたくありません。字数も考えてご提案ください。私はこれで問題ないと思いますし、かつてのような高度成長を前提としたと記載しています。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・起草委員会では字数もこだわられたということも承知していますが、構想全体として文字数や行数は決められておりません。

（森岡会長）
・それはわかっております。
・起草委員会では、全文としてはほぼこのぐらいの長さで、これ以上長くはあまりしたくないというのは、ほぼ合意を得ていると私が判断しております。したがって、代案を出すときは文字数についても意識してほしい。
・本当に必要があって長くするときは構わないが、できるだけ短く、このなかで収まる文章で代案を作っていただきたい。そして、できればこの場でおっしゃってほしい。この審議会が終わるまでに示してほしい。このあと起草委員会で全体についてまた諮らないとならないのです。

（枝廣委員）
・今、政府としては２％の経済成長を目指すとしておりますので、こうした中で反対するような意見はいいにくい。
・そこで、「経済成長を前提とした社会はもはや望めない」という言い方はどうでしょうか。

（竹田委員）
・「かつて」という表現がされています。今の経済成長ではなくて、「かつての高度成長期」のようなイメージです。

（枝廣委員）
・そういう言い方だったらよいと思います。先ほど、森岡会長も「高度経済成長」とおっしゃったので、「かつての高度経済成長のような」を入れられるのでしたら問題ありません。

（森岡会長）
・「かつてのような経済成長を」では問題有りますか。例えば、「かつてのような高度経済成長」という、「高度」を一つ入れとくだけでも違いますね。ただ、「かつてのような経済成長」っていえば、だいたい高度成長を想起すると思います。

（枝廣委員）
・そういうご理解だったらこのままでも問題有りません。

（森岡会長）
・わかりました。

（宮台会長職務代理）
・「資源の限界や、環境の有限性」ならば、15字以内で入れられると思います。
・また、国で示されている経済成長は名目年２％程度であるため、あまり高い目標とはいえませんので、「かつてのような経済成長」については特に問題無いと思います。

（森岡会長）
・この文章全部変えなくてはなりません。せめて「高度成長等」と一字入れる。その案になってしまいます。

（上野委員）
・「基本構想の実現に努めます」だと、形だけのように思えますので、「目指します」はいかがでしょうか。

（宮台会長職務代理）
・「高齢化や、資源と環境と有限性のなかで」というふうに足すだけでも、意味も文体壊れなくて済むと思います。

（森岡会長）
・グローバル化、高齢化は社会変動であり、その次の言葉も変動を言わないと合わないと思います。

（宮台会長職務代理）
・「高齢化や、資源と環境の有限性」とすればよいのではないでしょうか。事業者からこの表現でも反発を受ける可能性は十分にありますが。

（森岡会長）
・「金融、労働力、情報のグローバル化が進み、しかも高齢化や資源と環境の有限性のなかで、かつてのような経済成長を前提とした社会はもはや望めません」のほうがよろしいですか。

（村田委員）
・「高齢化」っていうのは当面の話だと思います。もっと先の話と一緒になっているように思えます。そういうことも含めて「もはや望めません」っていうのは、私としては、共有はできません。

（風間委員）
・「望めません」とすることには、少し違和感があります。もう一度、文章表現も含めて、起草委員会のほうで議論してもらうことでいかがでしょうか。

（森岡会長）
・いろいろ出てまいりましたので、「今の資源と環境の有限性のなかで」っていうのを入れるという案、また「もはや望めません」を少し変えるということ、先ほどの「世田谷区は」「わたしたちは」にするということで、検討したいと思います。
・ただし、20年間の問題は先ほど多数決を採りましたけど、これを踏まえて起草委員会で諮ります。起草委員会が審議会の後にあり、３月15日に再び集中審議を起草委員会で開催します。そこで、ほぼ決着を付けて３月28日の審議会で皆さんに、最終確認をしていただきます。

（桜井委員）
・起草委員会のなかで議論があってって、いろいろ書き方とか、言葉とかのやり取りがあったと思います。確認させていただきたいのですが、行数とかボリュームっていうのは起草委員会で基本ルールを決められたのでしょうか。
・起草委員会での言葉の議論などの縛りがあって狭められてしまうと、せっかくここで集まったにもかかわらず、あまり議論ができなくなってしまうと感じているのですが。森岡会長や起草委員会の努力もわかりますが、この縛りがあまりにも大きいと思います。

（森岡会長）
・さっきの言葉は強過ぎたと思います。
・田中部長の発言のとおり、行数自体を問題にしたことはないのはその通りです。したがって、伸ばそうと思えば伸ばせます。しかし、起草委員会がこの作業をしているなかで、九つのビジョンをきちっと６行でおさめて、文章の完成度をみながら最後は６行にするための必死の努力をし、Ａ４で３枚に収まるようにも必死に努力しました。
・こうした経緯を経てきますと、１行ぐらい簡単に増やせると言われると「カチン」と来るというだけのことです。
・つまり、先程強く申し上げたのは、代案を出すのならば同じ苦しみを味わってほしいと言いたかっただけです。私の言い方もまずかったと思います。その点については申し訳ございません。

（村田委員）
・これは起草委員の方への質問ですが、経済成長の話ですが、高齢化や資源と環境の有限性と、その高齢化はどの程度のスパンの話なのでしょうか。資源や環境の有限性は非常に長いスパンなのかなあと思いますが、高齢化はすでに始まっています。

（森岡会長）
・資源や環境の有限性は、宮台委員からのプランですけど、当然高齢化が浮きます。したがって、そうすると高齢化を取ってもいいかなというふうに私、頭のなかでは考えました。ただ、先ほど、言ったように起草委員会でお任せいただければ、そこで文案をもう１回練ります。しかもで、高齢化を取って資源や環境の有限性のなかでとしたほうがよいかもしれません。

（竹田委員）
・「資源や環境には限りがあり、金融、労働力、情報のグローバル化が進んでいます」としてはどうでしょうか。

（森岡会長）
・そのほうが、文章表現としてはよいと思います。その辺も含めて、起草委員会でもう１回文章を練り直します。きょうは時間がありませんから、３月15日に私たちで作業することにしたいと思います。では、九つのビジョンに移ってよろしいでしょうか。
・起草委員会案として、具体的に出ると皆さんが急に盛り上がるといういつものことですが、だいたいそのときは、時間が切羽詰まっているという状況です。九つのビジョンという表現にいたしました。これまで指針、行動的指針、さまざまな言葉が出ましたが、結局ビジョンという言い方が基本構想を示す点では一番、素直に落ち着くのではないかと考えました。また、九つ並べたので、九つのビジョンというタイトルにいたしました。
・この九つのビジョンで、九つの世田谷区の目指すべき姿を書いたということでございます。また、ビジョンには順番を付けないということを、起草委員会で相談をしまして、結局、一、二、三、四という順番ではなくて、一、一、という一つ一つ、対等な価値を持つとしました。では、最初のところだけ読み上げます。
・「一、個人を尊重し、人と人とのつながりを大切にする。個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障がいの有無、居住年数などにかかわらず、だれもが自分らしく暮らせる社会をつくっていきます。差別や偏見をなくし、男女が等しく社会の活動に参加し、活躍できるようにします。さらに人と人とのつながりを何より大切にして、一人ひとりが地域のなかで自分のライフステージに沿って居場所や役割を見いだし、長所を発揮できるよう努めます。世代を超えてだれでもいつでも集える場所も創設します。」これが最初のビジョンでございます。ご意見ございましょうか。

（田中委員）
・この最初１行目に「居住年数」という言葉が入っています。おそらく「長く住んでいる人が偉くて、新参者は駄目だとか、そういうことはない」という意味で入ったとは思います。ただ、住み続けたい、住み続けてもらいたい人を大切にしたい。いいかえると税金を払い続けてもらいたいということもある。そういう区民が、たくさん世田谷にいることがよいと思います。
・こうしたなかで、この「居住年数」に関わらずと言ってしまうと、例えば、行政サービスは世田谷がいいよと思われた人が、必要な時期だけ世田谷に住んで、そのサービスいらなくなったら安くて広い家が建てられるところに引っ越されると困ります。そういうサービスも、居住年数に関わらないという、誤解が生じる懸念があります。これはちょっと慎重に取り扱ってもらったほうがいいのかという気がします。

（森岡会長）
・これは例示ですから。ただ、普段よくあげる例は、属性的要因になります。かつては婚姻の有無とかもありましたが、入れると問題になるでしょう。居住年数を除いてしまうことも一つの手だと思います。

（竹田委員）
・この居住年数の部分を入れてほしいとおっしゃられた委員がおられますので、その委員から意見をうかがったほうがよいと思います。

（永井ふみ委員）
・「新旧住民が仲良く暮らせる町がいいな」という思いでこうような表現にしました。ただし、これ以外のところでみんなが仲良くすることが伝わってくるので無くてもよいと思います。

（宮台会長職務代理）
・新旧住民問題に関心があるので、ぜひ入れていただきたいと思います。いいとこ取りをする、さもしい地域住民もいるかもしれませんが、それをいちいちさもしくけなす人もいます。こうしたことを問題視するのではなく、そういう人間たちも包摂されて、よい方向に心が変わるような世田谷を指し示すという意味だと思います。

（森岡会長）
・多数決とっていきましょう。
・ここでは、いろんな意味が含まれた言葉を入れたい、「こういうことを大事にしている」、それをこれまでの議論から採集して入れ込んで、その上で文章として格調高く、かつ６行で指し示しています。居住年数の有無は両方意見がありますがどうしますか。

（小林委員）
・田中委員の考えは、初めてそういう読み方があるのかと思いました。素直に読めば、「新旧住民」のことをイメージするのではないでしょうか。

（永井多恵子委員）
・何年以上住んだ人に対してサービスするという法律や規定はありませんか。これらは新旧住民仲良くなるということと次元が異なります。

（宮台会長職務代理）
・それは関係ないと思います。
・以下の文章を読んでいただくとわかるように、「などにかかわらず、だれもが自分らしく暮らせる」という文章につながっています。自分らしく暮らせるということに、男女の隔てもなければ、居住年数の隔てもありません。

（永井多惠子委員）
・そうすると、在住何年みたいな法律もいけないということになりませんか。

（森岡会長）
・居住年数を入れて居住形態が入らないのかという議論もあります。取りあえず入れとくということでよろしいでしょうか。

（上島委員）
・居住年数は必要ないと思います。森岡会長が言われようにいろんな観点で言えば疑問も生じます。あと、永井多惠子委員が言われたことも非常に重要です。これから政策を考えていく上で、居住年数は、都営住宅等の制限がかかるものもあります。

（高橋委員）
・世田谷は入ってくる人も、出てくる人も非常に多いです。４年経過すると３分の１の人口が入れ替わると言われているほどです。
・この居住年数は、そういう意味において世田谷ってそういう意味では、新しい人が非常に多く入ってくることを示しています。現在でも人口増えていて、新しい人がどんどん入ってきています。そういう意味ではこの居住年数って、「昔からいる人だけがいいのだ」ということがないことを明確にすればよいのではないでしょうか。

（森岡会長）
・多数決で決めましょう。居住年数を入れる、入れないについて、いずれかに挙手してください。では、居住年数を入れるに賛成の人は11人、居住年数を入れないに賛成の方は９名ですね。これを参考にして起草委員会で決着を付けます。

（板東委員）
・「人と人とのつながりを大切にする」というのは、とても本当に重要で大切なことだと思いますが、命よりも大切なわけではありません。「何よりも」っていうと、ちょっと強すぎると思います。

（森岡会長）
・「何より」は削除します。

（桜井委員）
・この九つのビジョンの一番初めは人権に関わる項目だと思います。ここの部分は、男女に関わりなく対応、行政というところを強調してもらいたいと思います。だから「だれもが自分らしく暮らせる社会」っていうふうに書いてあるのだと思いますけども、そこから続いての、「男女が等しく社会の活動に参加し、活躍できるようにします」というところは、「男女」を強調しすぎていると思います。
・以前も男女共同参画というキーワードを申し上げましたので、もう一度、検討していただきたいと思います。

（森岡会長）
・前々からその意見はうかがっております。それは十分に起草委員会でも尊重し、かつ私も主張しましたが、文章表現上非常に悩み、この結果となっています。

（桜井委員）
・この「だれもが自分らしく暮らせる社会」となっているように、ここでも二重になっていると考えてもよいと思います。したがいまして、「だれもが自分らしく暮らせる多様性を認め合う社会」として、どこかで男女共同参画というキーワードを入れていただきたいと思います。

（森岡会長）
・男女共同参画は、起草委員会の内部で非常に議論いたしました。この言葉は、研究者や学者、行政で大変よく用いられる言葉です。参加と参画の違いも比較的よく議論されます。
・しかし、一般の区民で、この参加と参画を区別でき、どういう意味を持つかということをよく知っている方はそう多くありません。このため、男女共同参画という言葉をできるだけ使わず内容を示す別の表現にしています。
・今回の意見は、「男女が等しく社会の活動に参加して」の一文を変更して欲しいという意見でよいでしょうか。

（桜井委員）
・そうです。

（風間委員）
・先ほど、「何よりも」を削ったわけですから、２行目の「かかわらず」のあとに、「多様性を認め合い」という言葉入れるはいかがでしょうか。

（森岡会長）
・「かかわらず、多様性を認め合い、だれもが自分らしく暮らせる社会にする」で非常によいと思います。その代わりに、「差別や偏見をなくし、だれもが社会の活動に参加し活躍できるようにします」の「男女が等しく」は削除する方向でよいでしょうか。

（竹田委員）
・「誰もが」が重複してしまいます。

（森岡会長）
・重複しますね。そこの文言は起草委員会で考えましょうか。なお、取ったら激怒する部会長が１人おりますので、「差別や偏見をなくし」は取れません。

（上島委員）
・意見を聞いていただいて、起草委員会でご検討ください。判断は一任いたします。
・「ライフステージに沿って」は必要ないと思います。「自らの居場所選び」で十分じゃないかと思っております。
・また、「長所を発揮できるよう」ですが、長所という表現は違和感を覚えます。当初は、「個性や能力」という言葉を使われていましたが、これを縮めるために使われたのでしょうか。

（森岡会長）
・「自分のライフステージに沿って」っていう言葉も、「長所を発揮」という言葉も、委員のなかから出た意見です。

（上島委員）
・私が違和感を覚えただけですので、意見だけ言わせていただきます。
・あと、最後に「世代を超えてだれでもいつでも集える場所を創設します」とありますが、これめどは立つのでしょうか。要するに、「いつでも」は24時間、365日ということなのか。また「創設します」とあると財源的な裏付けも必要だと思います。

（竹田委員）
・各委員の案をつなぎ合わせて作ってあります。上島委員からも出していただければ入れました。
・各委員から出された意見について、一つ一つ「これはおかしい」とか言われると、どうしようもないと思います。結局、役所に当たり障りのないものを作れと言っているのと同じです。委員からいろいろ意見を出していただいて、その言葉をつなぎ合わして苦労して作ったのが、この起草委員会案なので、そこはご理解いただきたい。
・最後の「世代を超えてだれでもいつでも」は、区民の意見発表会で出た部分を入れています。区民の意見を入れたところは、これから後も出てきます。違和感を持つ方はいらっしゃるかもしれませんが、取り入れたほうがいいと思います。確かに予算措置のことも考えなければならないでしょうが、それでは構想を作る作業は先に進みません。また一生懸命発表していただいた区民の皆さんの気持ちを踏みにじることにもなります。それなりに苦労して入れたので、ぜひご理解をいただきたいと思います。

（田中委員）
・起草委員会の苦労は重々わかっていますが、その上でこの審議会を開いているわけですから、起草委員ではないメンバーが率直な意見を申し上げる場として、審議会を進めていただきたいと思いますので、違う意見を挙げた時にそういう雰囲気ではちょっと困ります。

（竹田委員）
・そういう趣旨ではなくて、上島委員が提案するのがいつも事務局の案なので、事務局の案がそんなにいいのかという趣旨です。せっかく委員が一生懸命苦労して作ったので、繰り返し事務局案を引き合いに出さないでほしいということです。

（森岡会長）
・次に、「一、子育て家庭が住みたい自治体ナンバーワンをめざす　家庭、学校、地域、行政が一体となって教育環境を整えます。子育て家庭を日常的に支援し、交流の機会をつくるなどして、子どもとその親が住みたい自治体ナンバーワンをめざします。区民やNPOによる子どもや若者のための活動も応援します。わたしたちは子どもの人権を守り、個性や能力を伸ばし、豊かな人間性を育みます。学校任せにせず、地域で子どもを育てます。また若者が希望を持って生活できるようサポートします。」これについてご意見ください。

（森田委員）
・起草委員会を欠席したため、言葉が抜けました。
・子育て家庭が住みたいというのと、子ども、若者が住みたいのでは全く意味が違います。ここは「自治体ナンバーワンをめざす」というのは、とても私は方向性としてはいいので、これはそのまま使っていただきつつ「子ども、若者が住みたい自治体ナンバーワンをめざす」という形に変えていただきたいと思います。
・子育て家庭は何のためにあるかというと、基本的に子どもや若者が育つためということを目的とするためです。ここは、むしろ子育て家庭が住みたいのではなくて、子ども、若者が住みたい、という意味において自治体ナンバーワンというのがよいと思います。子育て家庭は、基本的には乳幼児期を中心にした子どもの年代しか、ある意味では想定しないですね。一方で、若者というのは、現在では40歳までを想定します。そういう意味では40歳ぐらいまでの若い世代を、世田谷区は積極的に受け入れて、これに対する政策を前面に打ち出した区にするのだというような決意をここのところで十分に書き込みたいというのが私の思いです。

（桜井委員）
・子どもや若者が幸せになって、地域を担うという、育つという、そういうことが書かれていることが必要だなと思います。森田委員のご意見に賛成です。

（森岡会長）
・子育て家庭は、区民発表会で出たため挿入しています。
・起草委員会のなかでもこの子育て家庭という言葉を用いるときに、子ども、若者という言葉を入れてほしいっていう要望が出るだろうと考えておりました。これらを踏まえた上で、子育て家庭にしています。ここは子ども、若者というふうにしてほしいというご要望が強ければ変更します。
・ただ、子育て家庭を変更した時には、ニュアンスが違ってまいります。子育て家庭とすると、例えば子育てをするフルタイムで働いている母親、子育ての最中の親への支援っていう意味合いが非常に強くなります。しかし、ここでは子ども、若者を中心に置くのであればよいでしょうか。

（風間委員）
・子育て家庭当事者ですが、この世代だけが住みたい自治外ナンバーワンをめざすみたいな印象を持ってしまいます。一方で、子どもがその住みたい地域って、幼い子だと他の地域との比較も含めて難しいと思います。「子どもや若者が住みやすい」なら、しっくりくると思います。

（宮台会長職務代理）
・一文目の「家庭、学校、地域、行政が一体となって」、一体となってしまうのか気になりますね。地域、教育委員会、学校含めて一体になってしまうことが、いじめに対処できない背景にあります。これは「家庭、学校、地域、行政が柔軟に連携して」という表現の方がよいと思います。

（森岡会長）
・一文目の代案出されましたがいかがでしょうか。

（板東委員）
・協力してじゃ駄目ですか。

（宮台会長職務代理）
・協力というと、コミュニケーションし合わなければいけないというニュアンスが付きます。柔軟な連携という表現ならば、向こうがこれをしているのだったら、私たちは、穴を埋めていこうというふうに、自発的に、いいかえると「生態学的に」、自由自在に対応しながらお互い観察し合うというニュアンスになります。協力するは一体ととても似ているので私は賛成できません。

（森岡会長）
・この点については、「子どもや若者が住みやすい自治体」、あるいは「子どもや若者が住みたい自治体」とします。
・また、「一体」を「柔軟に連携して」等々、いろいろ案が出されました。この点につきましても起草委員会で検討いたします。

（田中委員）
・ナンバーワンという言葉は必要でしょうか。
・目指しているという感じが出るというアイデアなのかもしれませんが、そういうことじゃなくて、子ども、若者、子育て家庭が住みたいとか、住みやすいという町をめざすという表現でよいのではないでしょうか。何を比較してナンバーワンなのか、それも検討していただけたらと思います。

（村田委員）
・ナンバーワンは、私も不要だと思います。
・また、「学校まかせにせず」というのも、ちょっと違和感もあります。

（高橋委員）
・「学校まかせにせず」だと、学校が駄目みたいな雰囲気が出てしまいます。学校は非常に頑張っています。そういう意味では、前書いてあった「今までの学校の枠組みを超えて」というようなイメージを出せるとよいと思います。
・なお、僕は「ナンバーワン」は大好きです。

（宮田委員）
・私も「学校まかせにせず」は気になります。
・保護者が学校まかせにしているところが多分にあるので、そういう意味を指しているとも思いますが、家庭で頑張っている保護者の方もいますので「学校まかせにせず」っていう意図を少しご説明いただきたいと思います。

（森岡会長）
・「学校まかせにせず」は宮田委員が言及されたニュアンスです。そのあとの文章にある「地域で子どもを育てます」という流れを作るための表現です。
・現に学校への依存が非常に強いと思います。これ自体は学校を批判しているわけではありません。保護者の学校への依存が強くて、モンスターペアレンツのような問題もあります。学校の先生方も非常に苦労されているなかで、そういう過度な依頼心をやめて、地域で子どもを育てるようにしましょうということを示しています。

（宮田委員）
・恐らくそういうニュアンスだとは推察していましたが、学校は一生懸命教育を進めています。また、教育の基盤はやはり家庭ですし、地域で子どもを育てるっていうことは大事です。例えば、「学校まかせにせず」を抜いて、「地域全体で子どもを育てます」とかにしたほうが、保護者はわかりやすいでと思います。

（上島委員）
・「学校まかせにせず、地域で子どもを育てます」という文章自体が、私は必要ないと思います。
・１行目に「家庭、学校、地域、行政が柔軟に連携して」という表現使うとするならば、それで十分だと思います。文字数が限られているならば、ここを削除してはいかがでしょうか。
・もう一つは、「応援します」や「サポートします」とありますが、行政が主語の場合には、「支援」でよいと思います。
・また、「ナンバーワン」という表現は気になります。

（森岡会長）
・「支援」については同じ表現が続くため言い換えています。

（竹田委員）
・同じ言葉ばっかりになってしまいます。駄文の典型になってしまいます。

（上島委員）
・では起草委員会のほうで、また練ってもらえばと思います。
・「ナンバーワン」ですが、やめていただきたいと思います。世田谷区が子育て家庭が住みたい自治体ナンバーワンを目指すという意思を本当に取れるのでしょうか。つまり、様々な方が世田谷区にいるなかで、合意が取れればよいと思いますが。
・あと「子育て家庭を日常的に支援し、交流の機会を作るなどして、子どもとその親が住みたい自治体ナンバーワンをめざします」と書いてありますが、いわゆる行政サービスを要するに増やして、そういう人たちが住みたい世田谷区を作ることは本当の意味の子育てのための地域を作ることにはならないと思います。どういう地域を作るのか地域が自ら示すことが大事であり、この表現だとサービスをどんどん増やしてナンバーワンをめざすように表現されています。
・これはもう一度、起草委員会のほうでご議論いただきたいと思います。

（小林委員）
・「学校の枠組みを超えて地域で子どもを育てる」のは外してもいいと言われたのですが、私は第３部会の委員じゃないけども、第３部会で話し合った肝はそこだと思っています。
・災害もそうですけども、教育は、町内会や自治会を否定するものではなくて、それを超えて、やはり地域で子どもを見守る、高齢者を見守るっていうことをちゃんと入れてかないとならないと思います。最初の一文だけだったら、今までと全く同じだと思います。

（竹田委員）
・区民が主体的に公に参加すると前文でうたっていますし、全体を見ていただければ、ご理解いただけるのではないかと思います。次の項では高齢者の話になります。
・この部分だけを取りあげて、高齢者やナンバーワンという表現に疑問を持たれるのは、対応に窮します。全体で九つあり、それぞれテーマごとに分かれていますので、全体のなかでご意見をいただきたいと思います。
・ナンバーワンの表現は区民発表会のなかで出された言葉です。区民の皆さんの気持ちも大事にしなければならないと思います。
・この審議会にも区民から公募で選出された委員の方がいらっしゃいます。区民の意見を反映させるよう、表現を工夫しました。私自身は、ナンバーワンの有無はどちらでもいいですが、要は区民の意見を尊重していることをご了承いただければと存じます。

（板東委員）
・子育て家庭ではなく、子どもや若者に差し替えることで合意ができているようですが、その上の１行目のところで、教育環境とせず、生活や保育とかなどを示したことを全部カバーする表現のほうがよいと思います。

（森岡会長）
・起草委員会で、複数の委員から冒頭で「教育環境を整える」と明示せよという意見がありましたことが経緯となっています。

（板東委員）
・教育環境にもいろいろな定義があり、広い意味での教育環境だとは思いますが、ご検討いただきたい。

（森岡会長）
・この場合、教育環境について記述があり、子育て家庭など順番に表現しています。最初の言葉で全部表すのは、非常に困難であるためです。委員の要望を入れて、教育環境を最初に表現しているという背景がございます。冒頭の一文で全てを表現するのは困難だと思います。

（板東委員）
・子育て家庭は、教育環境というニュアンスではないのですか。

（森岡会長）
・異なると思います。なにかよい表現があれば、他の委員からもご意見いただきたい。

（宮台会長職務代理）
・上島委員の意見を踏まえて、「自治体」の代わりに「まち」という表現のほうがよいと思います。自治体というと日本では「行政サービスのシステム」を想定しがちです。これから必要なのは、自治を行政がサポートするという形ですので、全体としてこの子育て家庭を住みたいというこの段落では、人々の連携があって、それを行政がサポートすると、「自治体」はここで使わず、「まち」がよいのではないかと思います。

（森岡会長）
・起草委員会では、最初「地域ナンバーワン」としていましたが、「地域」だとわかりにくく、地域はどの範囲なのか議論になると思いやめました。
・一つ一つやっていると、永遠とやらないとなりません。通して読んで、議論したいと思います。
・「一、健康で安心して暮らしていける基盤を確かなものにする。一人ひとりが心とからだの健康や病気の予防を心がけ、できる範囲で公の役割を担えるような地域づくりを進めます。高齢化が進み、単身・小家族化していますが、安心して暮らしていけるように身近な地域で保健・医療や福祉サービスの基盤を確かなものにします。世田谷で実績のある地域の見守りや支援の活動をさらに広げ、シェアハウスなどの新たな住まいを希望する人も応援します。支援が必要な人とその家族を支える人材を地域で育てます。」
・「一、しなやかな復元力を持つまちをつくる。老朽化しつつある社会インフラを更新するとともに、建物の不燃化や緊急避難道路の整備、豪雨対策など、災害に強い地域づくりに力を尽くします。小学校を防災とコミュニティの拠点とします。わたしたちは防災・減災の意識と知識を持ち、災害弱者になりやすい人への支援も含めた連携を深めていきます。暮らしに不可欠なエネルギーや食糧などをある程度自分たちでまかなえるようにして、何かあってもしなやかに、すみやかに立ち直れるまちをつくります」
・「一、環境に配慮したまちづくりとライフスタイルを追求する。わたしたちは将来の世代に迷惑をかけないよう、環境に配慮したまちづくりとライフスタイルを追求していきます。地球環境の問題も意識し、小さなエネルギーと省資源の暮らし、ごみの抑制、再生可能エネルギーの拡大、エネルギーの地産地消、公共交通機関や自転車の積極的な利用を進めます。また農地、屋敷林といった武蔵野の風景をはじめ、23区内でも希少なみずとみどりを継承し、その質と量の向上を図ります。」
・「一、地域を支える産業を育み、職住近接が可能なまちにする。地域を支える商業、工業、農業などの産業を育成していきます。活気のある商店街や食の地産地消を可能にする農地は重要です。わたしたちは各分野で「世田谷」ブランドを創造し区内外に伝えます。区内に数多くある大学、NPOなどの専門性や人材を生かします。ソーシャルビジネスなどによって、若者や子育て中の女性、障がい者、お年寄りも働き手となる職住近接が可能なまちにします。仕事と生活の両方を大事するワークライフバランスに気を配ります。」
・「一、文化・芸術・スポーツの活動をサポート、発信する。区内から多くの著名人が出ている文化・芸術・スポーツの分野では、区民の日常的な活動をさらにサポートし、より多くの人に親しむ機会を提供します。区民が生涯を通じて学び合い、文化やスポーツを楽しみ、世代を超えて交流できる地域の拠点をつくります。」そこで生まれた文化や芸術をわたしたちは国内外に発信していきます。また、今も残る世田谷の伝統行事や昔ながらの生活文化も将来の世代に引き継ぎます。」
・「一、より住みやすく歩いて楽しいまちにする。世田谷区は他の自治体に先駆け区民とともに総合的なまちづくりに取り組んできました。自然環境に恵まれた住宅地であるとともに、産業が地域を支え、文化・芸術・スポーツも盛んなまちにふさわしい都市整備を今後も進めます。まず駅周辺やバス交通、商店街と文化施設を結ぶ道路などを整えます。歴史ある世田谷の風景、街並みは守りつつ、地元の意見をよく聞きながら都市をデザインします。そして、より住みやすく、歩いて楽しいまちにしていきます。
・「一、ひとりでも多くの区民が主体的に区政や公の活動に参加する。区民一人ひとりが自治のにない手であり、区政に参加する機会を数多くつくります。ソーシャル・ネットワーキング・サービスも利用します。区民が地域自治を進めるための枠組みをつくります。区民が意見を述べるため、区をはじめ公の機関・組織は情報公開を徹底します。区民と区、公の機関・組織との情報の共有も必要です。わたしたちは町会・自治会やNPOなどの活動にも加わり、地域の課題に主体的に向き合う区民が１人でも多くなるよう努力します。」
・「区の役割。区はこの基本構想の実現に向けて、次の役割を担います。基本構想に基づいて、基本計画や実施計画などをつくります。基本構想や基本計画などについて、外部評価を実施し、計画から実施、評価、それを受けた改善のサイクルをつくり、検証しながら進めていきます。きめ細かい地域行政を展開するとともに、総合支所、出張所、まちづくりセンターなどでも区民が区政に参加する機会を数多くつくっていきます。持続可能な自治体経営に向けて、行政改革を進めるとともに財政基盤を強化します。自治体としての権限を広げるため、今後も都区制度の改革や財政自主権の確立に積極的に取り組みます。国や都と協力し、近隣自治体とも連携して広域的な課題に取り組みます。国内外の自治体との関係を深め、それぞれの特色を生かして、災害時の協力体制などを築くほか、国際交流も進めていきます。」以上です。
・どこでも結構でございます。この点はちょっと気になるというところがあればご意見下さい。また、あえて具体的な言葉を入れたところがございます。この入れた点の多くは、市民提案発表会等々で出たご意見を入れ込んでいます。

（田中委員）
・「庁舎問題」はちょっと含み置きいただきたい。
・防災の最後のところ、「何かあってもすみやかに、しなやかに」とありますが、「何かあっても」は「災害が起こっても」と言ってよいと思います。
・３ページ目の「ひとりでも多くの区民が主体的に区政や公の活動に参加する」のところの、下から２行目ですが、「わたしたちは町会・自治会やNPOなどの活動にも加わり」と言い切ってしまっていますが、「努力はします」という表現でよいと思います。

（森岡会長）
・「加わる」が、「努力にします」にかかるようには読めませんか。

（田中委員）
・そうは読めないと思います。

（森岡会長）
・「活動に加わるなど」と「など」を追加して、少しぼやかします。

（枝廣委員）
・「しなやかな復元力を持つまちをつくる」で「何かあっても」を「災害があっても」に変えるというご意見ですが、このしなやかな復元力と言ったときに災害だけじゃなくて、例えば食料の輸入が難しくなることも想定したほうがよいと思います。変更するならば、そこまで含めた言葉にした方がよいのではないでしょうか。

（森岡会長）
・「何かあっても」しか表現できないと思います。

（田中委員）
・災害という言葉を広く捉えると、地震や自然災害に特定せず、そういったこともすべて含まれると思います。

（森岡会長）
・ちょっと厳しいと思います。やはり「何かあっても」だと思います。

（村田委員）
・「しなやかな復元力」とありますが、やはり「減災」とか、「災害から住民の命を守る」ことが、第一にあり、その上で「しなやかな復元」ではないかと思います。
・１行目の建物の不燃化と同時に耐震化も大きいと思います。文量の制限があるのであれば、例えば「社会インフラの更新」とし、耐震化のニュアンスも入ると思います。

（森岡会長）
・老朽化しつつある「社会インフラの更新、」よりも「建物の不燃化・耐震化や緊急避難道路の整備」と修正します。ただ、ビジョンを示す「しなやかな復元力」はこれで成立しているので、このままとさせていただきます。

（田中委員）
・「強い防災力としなやかな復元力をもつまち」とか、防災力があるまちをめざしたい。防災力みたいなものを掲げたいという村田委員のご意見は同感です。

（森岡会長）
・「強い防災力としなやかな復元力を持つまちをつくる」でよろしいですか。

（上野委員）
・「環境」のところですが「公共交通機関や、自転車の積極的活用」とありますが、20年後にもしかすると車もガソリンを使わず、発電量を使わない移動手段が出る可能性もあります。あまり限定したような書き方をされると違和感があります。

（森岡会長）
・特に技術革新については、それこそどうなるかわからないので難しいと思います。

（枝廣委員）
・上野委員の意見はわかりますので、「公共交通機関、自転車など環境負荷の少ない移動手段の積極的な利用」とすれば挿入できると思います。

（森岡会長）
・「公共交通機関や自転車など環境負荷の少ない移動手段」でよいですか。

（竹田委員）
・「環境負荷の少ない」は「環境にやさしい」がよいと思います。

（森岡会長）
・字数から考えると「環境にやさしい」にしましょう。
・もう１回確認しますと、「公共交通機関や自転車など環境にやさしい移動手段の積極的な利用を進めます」でよいでしょうか。

（村田委員）
・「防災」ですが、緊急避難道路の整備とありますが、ここでいう緊急避難道路って何か定義でしょうか。

（森岡会長）
・もともとの案は誰の意見でしょうか。

（高橋委員）
・私が言ったかもしれません。
・緊急避難道路は緊急輸送道路とかも言われますが、要するにいざというとき道路は緊急避難道路と言われます。こうした道路が整備されていなければ、その避難所も全然、対応できません。
・緊急避難道路ならば、区民の皆さまは重要だということはわかると思いますが。

（村田委員）
・何か定義があるのでしょうか。

（高橋委員）
・定義というよりも一般的な言葉のような気がします。

（上島委員）
・緊急避難道路の定義は、まちによって状況が違います。要するに、倒壊があったときに避難できる道路を確保していきますという意味で捉えるべきだと思います。
・村田委員からすると、私はそこまで求めるべきものだと思います。ただ、あくまで構想ですから、これを法令レベルよりも、大綱ないしは基本計画でその辺の文言はしっかりとするべきかと思います。

（板東委員）
・「地域を支える産業を育み」のなかで、商業、工業、農業だけがあがっておりますけども、世田谷が一番これから伸ばすべきは福祉サービス、あるいは文化サービス、生活サービス、サービスの分野が非常に重要だと思います。

（森岡会長）
・また、農業の次に、「各種サービス業」を挿入します。

（竹田委員）
・「各種」は不要だと思います。「サービス業」でよいと思います。

（森岡会長）
・では「サービス業」とします。

（上島委員）
・「健康で安心して」のところですが、シェアハウスは少し違和感があります。やはり基本計画などで示されてはよいと思います。

（森岡会長）
・区民の発表会のときに、自分の住宅を開放して、いろんな若い人を入れてシェアハウスとしてずっと住み続けたい、それを地域の資産にして継承していこうという、非常に素晴らしい発表がありました。これに感動してシェアハウスを入れています。

（上島委員）
・非常に面白い発表だったかと思います。
・文言としてその辺のところは、大綱とか基本計画のところに移して、それを掲載されるのであれば、それがわかる表現を考えていただければよいと思います。多様な住まい方などの表現がよいと思います。

（竹田委員）
・今の件に反論ですが、とにかく区民発表会の表現は、全部上島さんのお気にめさないのでしょうか。

（上島委員）
・そういうことではありません。

（竹田委員）
・先ほどからおっしゃっていることは全部そうですよ。区民の意見を取り入れ、世田谷区の特色が出ないといけないと思います。区長も変わり、公募委員の方もたくさん参加し、区民発表会も開きました。それで前回と同じになりましたじゃ、この審議会の沽券にかかわります。
・区民の方の意見を入れ、特色を出して、世田谷区独自の基本構想を作ろうとしてきました。ぜひご理解いただきたい。
・先ほどから上島委員の意見をおうかがいしていると、要するに、いつも通り行政のお膳立て通りにやればいいんだとしか聞こえません。少しでも、新しくてよいものを作ろうと思って進めていることを理解していただきたい。

（上島委員）
・決して行政の今までの規定通りに進めて欲しいとは思っておりません。あと、区民の意見も非常に良かったと思います。しかし、それを汲むことと、文言として同じ表現を入れないとならないことは違うと思います。

（森岡会長）
・竹田委員の反論に加えて、非常に技術的な問題もあります。多様な住まい方、新たな住まい方という表現も検討しましたが、広辞苑や大辞典にも「住まい」はあるけども、「住まい方」は載っていません。極めて特殊な言い方だと思います。
・そうすると、基本構想に入れる言葉で広辞苑に載ってない言葉は使えないだろうと考えた一方で、シェアハウスなどと付けないと収まりが悪いという結果、このような表現としています。こうした経緯もあるということはご承知おきください。

（上島委員）
・私の意見ということでお聞きいだければと思います。
・あと、もう一つは「しなやかな復元力を持つまちをつくる」ということで、「小学校を防災とコミュニティの拠点とします」と書かれております。もちろん、これの方向でよいのですけども、これも、構想のなかでこういう表現を取られたというのは、たぶん意味があったからだと思います。またこれも異質な感じがしますので、その辺は工夫をしていただきたいと思います。
・「産業」のところで地域を支える産業のところですが、「活気のある商店街や食の地産地消を可能にする農地は重要です」とあります。この文章ですと、「活気のある商店街や食の地産地消を可能にする農地が重要です」とも読め、表現が係っているところが農地にも読めます。うまく表現していただきたいと思います。
・あと、世田谷ブランドは産業にとどまらないと思います。今まで議会で議論してきた世田谷ブランドのニュアンスと少し意味合いが違ってくると思います。これも、大綱等に入れていただく言葉のほうがよろしいと思います。

（森岡会長）
・今のところでね、「活気のある商店街も食の地産地消を可能にする農地も重要です」に変更すればいかがでしょうか。

（上島委員）
・また、産業で「仕事と生活の両方を大事するワークライフバランスに気を配ります」とあります。
・これについては２点ありまして、一つは職住近接のことをおっしゃっているのだろうと思いますが、内容的に１つめのビジョンのほうがよいと思います。
・あと、「気を配ります」は少し変だと思います。例えば「着実に進めてまいります」とか、言い切ったようがよいと思います。

（竹田委員）
・主語は「わたしたちは」だから「気を配ります」になります。

（森岡会長）
・ワークライフバランスに挿入すべきか、これは後で考えます。

（上島委員）
・次の文化・芸術ですが、「著名人」とありますが、「区内には多くの人材が豊富である」といった表現のほうがよいとおもいます。著名でなくても立派で力ある方、能力ある方はいらっしゃいます。
・最後になりますが「ひとりでも多くの区民が」の最後のところですね、ここのところについては、「区民が地域自治を進めるための枠組みをつくります」というふうに書いてあります。どのようなものを想定されてのこの表現になりますか。
・また、「区民と区、公の機関・組織との情報の共有も必要です」というこの文章は必要でしょうか。その前に「情報公開を徹底します」と書いてあります。なかなか情報の共有といっても、区とまた他の機関との情報共有や、区民の情報においても区から提供できない情報もあります。以上です。

（森岡会長）
・先ほどの「区民が地域自治を進めるための枠組み」は様々なニュアンスがありますが、例えば申し上げると、地域行政計画があります。ここでは、特定の範囲の住民が集まって自分たちでこの地域をどうするのかプランを立て、それを行政に反映させるような枠組みを想定しています。

（永井ふみ委員）
・区民意見発表会で区民の方が提案されたことの一つですが、「近隣自治」という言葉ですとか、「地区ごとに区民が主体となって、地区の特色を踏まえた独自のビジョン」というような言葉をいただいておりました。非常に大事なことだなと思ったので、こういうふうな形で入れています。

（宇田川委員）
・「ひとりでも多くの区民が主体的に治政や公の活動に参加する」というなかで、「区をはじめ公の機関・組織は情報公開を徹底します。区民と区、公の機関・組織との情報の共有も必要です」とありますが、今度は共有も必要ですと記載されています。
・「わたしたちは町会・自治会やNPOなどの活動にも加わり、地域の課題に主体的に向き合う区民が１人でも多くなるよう努力します」もこの通りですが、情報公開は結構なのですが、まちの小さい組織の情報公開、なんでも情報公開となると負担が大きいと思いますし、みんな言ってくると対応に追われてしまいます。この辺では、情報公開は入れなくてもよいと思います。

（森岡会長）
・ここでは「公の機関・組織」という前提を付けております。しかも今は、情報公開は非常に重要ですので現行の表現とさせていただきたいと思います。

（村田委員）
・「より住みやすく歩いて楽しいまちにする」という項目の第１行目ですが、ここでは世田谷区のまちづくりの歴史について書かれたところだと思います。「引き続き発展させる」とか、その前の文章も「そうしてきました」という過去形で示すだけではなくて、今後の姿勢を示す言葉を入れたらよいと思います。
・「商店街と文化施設を結ぶ道路」と書かれていますが、よくイメージが沸きません。どなたか特別な思いがありましたら説明いただけたらなと思います。
・「文化・芸術・スポーツも盛んなまちにふさわしい都市整備を今後も進めます」という流れで、「まず駅周辺」とありますが、まず駅周辺なのかもご説明いただきたい。

（森岡会長）
・「盛んなまちにふさわしい都市整備」にかかって、まずは駅周辺のことの整備という意味合いだと思います。

（村田委員）
・「文化・芸術・スポーツも盛んなまちにふさわしい都市整備」がなぜ、「まず」駅周辺なのでしょうか。

（森岡会長）
・商店街と文化施設を結ぶ道路はあとで説明します。全ての委員の意見を踏まえてこの文を入れたというメモがあります。それを見て確認をします。
・時間が予定よりも50分超過しています。実はこの後、冒頭で申し上げたように基本計画大綱についての話がまだ残っています。これに移るためには、そろそろ基本計画大綱に話を移す必要があります。本日は、雪も降っていないので大丈夫でしょうが、帰れなくなる人が出るのは非常に不安です。他にご意見はありますか。

（風間委員）
・私も「まず駅周辺やバス交通、商店街と文化施設を結ぶ道路などを整えます」とあると、最初にここから整備するみたいなニュアンスは容認できません。表現を考え直してください。
・20年後を考えたときに、シェアハウスっていう言葉は風化してないかも含めて検討していただきたいと思います。ソーシャル・ネットワーキング・サービスも同様です。長いですので、新しいネットワークサービスなど、おそらく20年後残ってないような言葉ではないかと思います。これらも検討していただければと思います。

（森岡会長）
・ソーシャル・ネットワーキング・サービスに変わる一般的な表現があるのか検討してみます。

（宮台会長職務代理）
・この基本構想を基本法に類するものとして考えた場合には、例えば陳腐化してしまうシェアハウスとか、ソーシャル・ネットワーキング・サービスみたいな言葉が入っていてもよいと思います。それは憲法学的な定説で、これを起草した、あるいは区民の人が合意した時点で、そのSNSを重視するとか、シェアハウスを重視するという、この文言には何を意識していたのかということを汲み取ることができるからです。あまり細かく陳腐化を恐れる必要はないと思います。

（森岡会長）
・わかりました。今の宮台先生の意見を採用します。

（村田委員）
・区の役割ですが、四つ目の「持続可能な自治体経営に向けて」とありますが、これはどういう意味で持続可能な自治体経営なのでしょうか。通常は財政的なものに使うと思いますが、世田谷区など東京の23区が持続できないとなれば、全国の自治体はもう大変なことだと思います。

（大杉委員）
・ご指摘いただいた持続可能な自治体経営ですが、当然ながら置かれた自治体の状況によって、その意味合いが違ってくると思います。
・確かに世田谷区は全国的にみればトップクラスの財政基盤を持ち、自治体経営を行っていく状況は整っていると思いますが、そうしたなかでやはり地域のなかで、さまざまな課題もあります。こうした状況のなかで今やっていかなければいけない、そういったものも、一つ一つここに書き込むことはなかなかできないので、持続可能な自治体経営というありがちな言葉になっています。

（森岡会長）
・よろしいですか。
・基本計画大綱のほうに話を移します。先ほど、事務局からも説明してもらいましたが、その説明に加えることがあればよろしくお願いします。

（事務局・望月基本構想・政策研究担当課長）
・先ほどの説明に特に加えることはございません。

（森岡会長）
・それでは、皆さま、資料の２、世田谷区基本計画大綱ただき台(骨子)案でございます。まず、構成でございます。計画大綱の構成、１．策定の背景、２．視点として、(１)基本計画の位置づけ、基本方針として①、②、それから３番目として重点政策。重点政策として10個あがっております。それから、それぞれの政策について、その政策の趣旨がわかるような例示を行う。この例示はあくまでも、構想とかビジョンの趣旨をよく生かし、かつ理解するための例示であるというふうにお考えください。４番目が分野別政策、５番目が実現の方策となっております。まず、この構成でよろしいかどうかご検討いただければと思います。
・問題は中身でございまして、まだこれ十分に書き込んでおりません。１．策定の背景、２．視点等々につきましては、今度も書き加えられると思います。
・特に重要なのは、重点政策でございます。先ほど、最初の段階で小林委員のご質問に対して、望月基本構想・政策研究担当課長が説明してございましたように、この重点政策が、今、我々が検討した九つのビジョン、10番目として特に自治権の拡充ということを加えて、入れてございます。
・議論すべき問題は、一つはこの順番でよろしいのか。これは構想のときには、一、一、一とありますが、順番通り１から10の番号があります。重点政策で順番を変える前に基本構想の順番も変えたほうよろしいかとは思いますが、いずれにしてもこの順番でよいかご検討下さい。
・それから、例示する政策についてもご意見いただきたいと思います。最初に、基本計画大綱に盛り込んでおくことについて、９番目の「ひとりでも多くの区民が主体的に区政や公の活動に参加する」ということに関わりまして、松田委員から事前にご意見いただいております。まず、松田委員からご発言をただきます。

（松田委員）
・今回、この審議会を行うにあたって、事前に、事務局の方に何度か質問させていただいて、ぜひ私から時間をいただきたいという要望をさせていただきました。ありがとうございます。
・私から、皆さんに確認をしたいところが一つあります。基本計画大綱のポイントは住民参加の実現性をどう明示するかというところです。資料を用意いただいたのですが、これまで区が行っていた行政参画の仕組みになります。これまでも区として、住民参加という機会は設けております。例えばワークショップもやっております。あとメールでの住民の意見聴取もやっております。またアンケートでも定期的に行っています。ただ、私が非常に疑問なのが、これが果たして政策としてどれだけ反映されて、実行に移されたのかことです。この担保がないと、いかに計画を立てて、ワークショップを開いたとしても、どう反映されるのかというのがわかりません。
・疑問に思っていろいろ調べたところ、デンマークの例にたどり着きました。デンマークは560万人を超える国なので、世田谷区の５倍強の国です。デンマークの場合はどうしているのかというと、住民の会議体を設け、その意見は議会を参考して尊重されるという言葉があります。
・私はここまで尖がった計画として世田谷区として出さないと、これまでと同じような民主主義、議会での民主主義で、間接的な民主主義で区民が参加されないものになってしまうと思います。そこで計画を立てるにあたり、この計画がどう実行されるのか、そして区民の意見がどう反映されるのか、住民の参加という曖昧な記載ではなくて、条例化も含めてもっと踏み込んだものにならないといけないと思います。まず、そこについて皆さんのご意見をいただきたいと思います。これは私の個人的な意見ですので、例えば当審議会として「そこまでいらない」ということであれば、私が皆さんと違った認識なのかと改めて認識もできます。
・やはり法を変えるときに、これまでの書き方からやはり変えないと、今後20年、実際に実現するというところでは、やはり一区民として審議会だけではない、ほかの新しい手段が反映されるかまではわかりませんが、「大変尊重される」というようなとこまで読み込んでいかないと、成り立たないというのが私の意見です。みなさんが賛成であれば、どう明記して、どう実現していくかは、基本計画大綱に組み込む上で、この審議会で皆さんと一緒に議論する一つの肝になると思っています。以上です。

（森岡会長）
・ご意見、ございますか。

（宮台会長職務代理）
・デンマークの会議体として有名なのでは、コンセンサス会議と言われるもので、実はその会議のやり方と、今、松田委員のおっしゃった議会が尊重するべきだということとの間には、密接の関係があるので説明をさせていただきます。
・コンセンサス会議は、単なる話し合いではなくて、まず徹底した情報公開と、あと立場の異なる専門家を呼んで、徹底的にディスカッションをさせ、それを住民が聞き、そして住民との間で質疑応答を行うものです。
・これは言い換えると役人が、申請をした段階でシナリオがほぼ決まっている、審議会制度のいわば異なる方法という意味があります。この結果、要は明らかになった新しい事実や住民の持っている価値観は、議会にとっても大変ありがたいものである。議会は、コンセンサス会議のような仕組みを持っていないため、立場の異なる専門家と議論を徹底して聞いて、当事者である住民が納得をどういうふうにしていくのかというふうなプロセスを持っていない。いいかえると、議会が従来よりも十分な情報や価値観を踏まえた上で、より実りのある設定ができるときに実施します。これを住民の活動が支えているとイメージです。
・実は住民の会議体、あるいは住民投票を、いわゆる行政による拘束型ではなくて、諮問型、つまり参考にするべきであるという流れにあります。当然、その会議体が、どういう理念の下で運営されているのかにも寄りますし、議会が尊重すべき住民の会議体ということで、明確な手続きに従っており、情報の公開やさまざまな言葉の価値観の提示が存在するという前提にあります。

（森岡会長）
・ありがとうございました。ほかにご意見ございましょうか。

（松田委員）
・ちょっと時間も押していますので、まず私から伺いたいことは２つあります。まず１つは、今後、世田谷区の方向性を考える上で、住民参加、今まで世田谷区はやってきたと思います。それを今後、20年間に向けて発展的な住民参加の仕組みを導入したほうがよいのではないかと思います。これについては、時間もないので、多数決もよいのですが、皆さんの考えとしてどっちなのかっていうのをうかがいたいと思います。

（小林委員）
・松田委員はすごい最もだと僕は思いますが、非常にきわどい提案であって、やはり代議制で、選挙制度で一応、民意が反映されているという前提で、今まで進められてきたと思います。その住民参加の直接的なものを重ねていくっていうのは、今までのことをやっぱり否定することになります。その辺の議論は、やっぱりもっと時間をかけてやらないとならないと思います。

（竹田委員）
・スイスも同じように住民の会議が国会と対峙するようにあります。大事なのは、無作為に選ばれた人で構成することです。希望者による住民会議では、多様な意見が反映されない。無作為に100人選び、声を掛けて30人ぐらい来てもらえるのがいいと思います。
・無作為抽出という条件付きで松田委員の意見に大賛成です。議会について言えば、世田谷区議会の数字は調べてませんが、この間の衆院選で自民党に入れた人は、投票に行かなかった人を含めると、有権者の４人の１人程度です。そういう現実を謙虚に受けとめて政治はやらないといけないと思うし、住民に近い地方自治では、議会を補うものとして、住民会議のようなものがあっていいと思います。

（松田委員）
・基本計画大綱が決まり、計画が決まったときに、住民参加の仕組みが保証とか、尊重されるものが明記されてないと、今までの住民の参加のプロセスとなんら変わらないと思います。そこが、一番危惧しているところです。
・大綱を決める初めの段階で、方向性が見定めてないとぶれると思います。大綱の重点施策を考える前に、まずそこの住民の位置づけってどうなのか。まず、参加ってどこまでやっていくのかという大前提がないと、何のための計画なのかっていうのがぶれると思います。

（森岡会長）
・わかりました。結局、要するに松田委員の意見を生かすとすると、大綱の３の重点政策の(９)ですね。その例示のところで、そこでかなり具体的なことを書いてもいいと思います。
・まず、第一に、今、日本の自治体でも、あるいは諸外国でも、さまざまな、ある種に間接民主主義に対する、間接民主主義の隙間を埋めるための直接民主主義的な方法というのが、いろいろ話されています。方法は、三つも、四つもいろいろあります。そういうなかの一つをこの間、ワークショップという、無作為抽出のワークショップ、これは、区長の発案で実施しました。結果として大成功でした。こういうやり方が、世田谷区で今後も続けていくことがよいのか、あるいはもっとほかの例えば熟議型の、討論式の方法もございます。そして、デンマークの方法もあります。さまざまなやり方のどれが世田谷区にふさわしいかということを、ぜひ、私たちも勉強しなきゃいけないけれども、区のなかでも勉強していただきたい。そのなかで、世田谷区としては、こういうやり方がよいのだということを住民に説明し、そういう世田谷区らしい住民参加のやり方を進めていっていただきたい。ここでは、この間の区民の発表会、ワークショップ、さまざまな方法で実施して良かったと思っています。いずれも私は、とても成功だったと思っています。そういう形も、今後も、引き続きかけていきたいし、住民協議会のようなものが、この世田谷区に合うかどうかよくわかりませんが、それは出張所とか、支所単位で何をするかとかいうことも含めて、これから真剣に勉強して計画して、実施に移してほしいと思います。そのことを含めた書き方を(９)のなかでしておきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

（竹田委員）
・今のお話だったら、基本構想にもう少し入れないとニュアンスが弱いと思います。

（森岡会長）
・基本構想には具体的なことがあまりかけないと思います。

（竹田委員）
・もう少し、今おっしゃったようなことなら、そもそも基本構想の９番目のところに、ビジョンにやはりもう少し入れるべきだと思います。大綱でいきなり出てくると少し唐突な感じがします。

（森岡会長）
・市政に参加する機会を数多くつくりますというなかに込めましたが、それでは弱いでしょうか。

（竹田委員）
・弱いと思います。

（森岡会長）
・基本構想の中にこういう文言を入れられるのかちょっと考えましょう。それをさらに具体化したものを、大綱の重点政策の９番目に入れるようにしましょう。それでいかがでしょうか。

（松田委員）
・はい。

（田中委員）
・その例示として入れるようにしましょう、最後、会長おっしゃった例示って具体的にどんなイメージで入れようということですか。

（森岡会長）
・要するに区民が参加する、区民が参加する場について、いろいろ新しい試みがあるから、それを区は伝承して、一番世田谷区にとってふさわしいやり方は何かということを考えながら、新しい区民参加の場所づくりや機会づくりを積極的に進めていくことを明示したいと思います。それ以上の例示が必要かどうかは、ちょっと検討しないとわかりません。

（田中委員）
・わかりました。具体的な手法を例示に入れるということではなくて、今、例示の一番上が、「多様な区民参加の場と機会づくり」ってなっています。例えば、基本構想には多様なとか、新しいという表現はいかがでしょうか。

（森岡会長）
・もうちょっと具体的なことを表現に入れようと思います。

（田中委員）
・わかりました。

（森岡会長）
・要するに諸外国やほかの自治体でも実施していることを学びながら、世田谷区ではこういうやり方があり、いくつかのやり方を組み合わせることを検討して進めるべきだと記載します。
・だからどうなるかわかりませんが、そういう機会を多く作るようにし、区政に反映させましょうという表現で入れておきたいと思います。
・次に、重点政策の順番と、例示です。例示といってもそんなに具体的なことを入れられるわけではなく、個別具体的な政策に反映できるものではありません。むしろ、この基本構想の趣旨をよく生かすことができるような例示を考えいただき、本日は時間がございませんので、ご意見を事務局までお寄せいただきたいと思います。それで、次回の起草委員会が３月15日にございますので、２月末日ぐらいまでだったらよろしいですか。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・確かに起草委員会から本日までの間に期間が短かったので、意見を言っていただくのは非常に難しかったと思います。それは事務局の責任でお詫びをいたします。
・意見を取っていただくというのは大変よいのですが、起草委員会は次回３月15日ということは動かさないことでよろしいですか。

（森岡会長）
・はい。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・そのときに、基本計画大綱と本日の出た意見を踏まえた構想の文案の検討をあらためて一緒に行っていただくということでよろしいですか。
・できれば〆切は25日月曜日の朝はいかがでしょうか。月曜日の朝にして、週末入れたほうが、恐らく意見を出しやすいと思いますが。

（森岡会長）
・では、２月25日（月）の10時までとして、その日に午後から、私が見ますから。

（永井ふみ委員）
・こんなタイミングで意見を申し上げるのが非常に心苦しいのですが、重点施策と分野別政策の柱立てがこれでよいように思えません。重点政策にある九つは総花的です。基本構想はこれでよいと思われますが、こちらは分野別政策にフィットしやすいように捉えています。
・重点施策はもっと数が少なくて、総花的ではない大事な五つぐらいとかにならないのかと思います。また、大綱と基本計画の関連もよくわかりません。

（森岡会長）
・大綱では基本構想で我々があげたビジョンをそのまま尊重しつつ、プラスいくつか付け加えたりもできることを示しています。そして、重点政策ではさらに例示することで、基本構想の趣旨を把握しながら、基本計画を作るときは絶対これを生かすように意思表示をするものです。

（永井ふみ委員）
・そういう意味では、やはり基本計画大綱と基本計画そのものの関連性がわからなくなりました。現行の基本計画では重点政策というのが、重点的取り組みに位置づけられています。

（森岡会長）
・基本計画の重点施策とは違います。

（竹田委員）
・基本構想の九つに対応するものが分野別になっています。その中から大事なものを選んで、重点政策を作ったほうが合理的ではないでしょうか。
・前例踏襲とか、役所の枠にはめる必要はないと思います。区長も変わりましたし、審議会で自由に決めればいい。これはちょっと別なものにしたほうがよいかもしれません。
・九つのビジョンを分野別政策に落とし、そのなかでとりわけ重要なものを重点施策として、今、永井さんおっしゃったように四つか五つ、あるいは三つか四つ出すとして、自治権の拡充問題は別に分けた方がよいと思います。

（森岡会長）
・私が恐れるのは、そうした時に基本計画で基本構想を無視することになるのが一番怖いと思っています。つまり、行政が基本計画を作る時に、基本構想を絶対無視できないようにするためにこれを提案したいと思います。
・竹田委員がおっしゃったのは非常によくわかります。それで、一方で事務局からあがってくるものを分野別計画にしたいと思っていた。重点政策はそういう縦割りじゃない、横断的なものをできるだけ載せるということです。そうすると基本構想の趣旨を生かした形で重点政策のほうが、いろんな意味で良かったのですが。

（竹田委員）
・いや、基本構想に合わせて部局を変えてもらったらよいでしょう。

（森岡会長）
・この点はきょう決めないと、ちょっと時間がないと思います。

（竹田委員）
・例示の項目出しぐらいは、まだいくらでもできると思います。

（森岡会長）
・分野別政策はこの重点政策の方がよくて、それで重点政策はそのなかの重点になるとすると、これまでの発想をひっくり返してしまいます。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・本日お出しした資料は起草委員会でも何度かいろんな案が出て、九つの柱を中心に重点的な政策として取りあげたほうがよいだろうという経緯で、ここに集約されています。加えて自治権のことは大事なので、重点政策のほうに考え方を載せるという起草委員会の委員があったので、それらを踏まえて作ったものです。
・それに対して、本日ここで確定するか、もしくは意見があったら言っていただいて、その判断を起草委員会の集中討議のときに検討する方向性でよいでしょうか。

（宮台会長職務代理）
・その重点政策は基本構想をスライドさせて持ってきています。これは基本法的な精神です。確かに九つの分野、あるいは十の分野がありますが、それはいわゆる行政の縦割りの従来のやり方とは、必ずしもマッチしていません。
・ここで分野別政策の分野というのは従来の行政の各分野に、どういうふうに落とし込むのか、重点政策をいわば区政の仕組みにどういうふうに落とし込むのかということと理解しています。したがいまして、これは現行の案ではないと矛盾します。

（森岡会長）
・これはこれである種、合理的になっています。だからそこのところを組み替えるとなると、相当議論しないといけないと思います。

（竹田委員）
・そんなに違いますか。言葉の遊びだと思いますが。

（永井ふみ委員）
・やはり議論の時間が足りないというのが正直な感想です。
・９月の議会に間に合わせるようにお手伝いできればと思いますが、３月までのピッチを早めるとか、回数を増やすとか、資料は説明せずに意見交換から入るなど、議論の時間を起草委員会でも増やさないと難しいと思います。
・メールでのキャッチボールでは、全然まとまりませんし、この間４時間かけて議論して、やっと案が出せた状況でもあります。次回の審議会で終了するということでよいとは言い切れないと感じています。

（森岡会長）
・この場で議論していても時間が経つばかりなので、どうするかは起草委員会で議論しましょう。
・審議会にお諮りしてことを運んでいきますが、次回の審議会は３月28日となります。ほとんどを入れ替えるような作業が発生した場合には、起草委員会で作業をすることを前提として作業進めていきますけど、それでもよろしいですか。そうしないと全体のスケジュールを考えると間に合いません。
・いいかえると、従来のやり方とは違うやり方を取るということです。と起草委員会で決め、そのことを審議会でもう一度、お諮りして了承してから作業を進めてはもう間に合いません。したがって、タイムスケジュールとしては、次の審議会のときには、私たちが検討したその重点政策と分野別政策をお出しするしかありません。一任していただけますね。
・そのように進めてまいります。取りあえず、以上をもちましてきょうの議論を終了ということにしたいと思います。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・先ほど申し上げた通り、非常に日程が厳しくなってきました。審議会の委員さんにとっては検討される時間が短いなかでしたので、基本構想についてまだ議論し足りないことがある場合には、それも含めて事務局のほうでメール等で預かってもよろしいでしょうか。

（森岡会長）
・はい、構いません。それでは２月25日午前10時まででお願いいたします。

（事務局・田中基本構想・政策研究担当部長）
・基本構想については、先ほど会長が言われたような原則的に代案でお寄せいただくというような形でお願いできればと思います。基本計画大綱のほうについては、本日、初めてご覧いただいたものということもありますが、具体的な提案として出していただくということでお願いしたいと思います。

（事務局・望月基本構想・政策研究担当課長）
・では、資料のほうご説明だけ簡単にさせていただきます。
・資料３ですが、新たな基本構想に関する区民意見・提案発表会の実施報告書です。これも、前回の審議会のなかで校正中というものでお配りしております。校正が終了いたしましたので、本日、あらためてお配りしました。
・また資料４でございます。区民アンケートの実施結果についてということで、これは実は、前回の審議会においてご報告しました区民アンケート結果について、委員の方から年齢別についても欲しいということでおうかがいしましたので、審議会の皆さんにもお配りしました。
・次の資料５でございます。区長と区民の意見交換会の報告ということで、これはそれまでの報告済みですので、それ以降の分ということで２回実施しております、その報告でございます。参考にご覧いただければと思います。資料の説明は以上です。
・あと日程の連絡です。第６回起草委員会が３月15日金曜日18時30分から。あと第７回審議会は先ほどもお話ありましたが、３月28日木曜日18時30分です。あと、次の第８回につきましては、まだご案内差し上げていませんが、４月18日（木曜日）を予定しておりますので、ご承知おきいただければと思います。
・以上で事務連絡が終了いたします。なお、議事録についてなんですが10日前後日数をいただきまして、内容の確認のご依頼をさせていただきます。また、本日の審議会のビデオは５日後に公開いたしますので、本日のご発言の訂正等がございましたら、２月20日までに事務局までご一報ください。以上でございます。

（森岡会長）
・ありがとうございます。ではこれをもちまして本日の審議会を終了いたします。長い間ありがとうございました。なお、起草委員会の先生方、大変申し訳ありませんが、このあと５階の第５委員会室で起草委員会を開始しますので、宜しくお願いいたします。

午後９時25分閉会