世田谷区都市整備方針(世田谷区の都市計画に関する基本的な方針) 第二部、地域整備方針、後期 令和7年(2025年)7月 世田谷区 このテキストデータは、約108,000文字、標準的な速度での読み上げ時間は、約430分です。 最初に、「もくじ構成」になります。 はじめに 地域整備方針(後期)策定の考え方 ローマ数字のT.見直しの考え方 ローマ数字のU.計画期間と次期改定に向けて 序章 地域整備方針(後期)の位置づけと構成 ローマ数字のT.地域整備方針(後期)の位置づけ ローマ数字のU.地域整備方針(後期)の目的と役割など 第1章 世田谷地域 ローマ数字のT.世田谷地域の概況とまちづくりの主な課題 ローマ数字のU.世田谷地域の目標、骨格と土地利用の方針 ローマ数字のV.世田谷地域のテーマ別の方針 ローマ数字のW.世田谷地域のアクションエリアの方針 第2章 北沢地域 ローマ数字のT.北沢地域の概況とまちづくりの主な課題 ローマ数字のU.北沢地域の目標、骨格と土地利用の方針 ローマ数字のV.北沢地域のテーマ別の方針 ローマ数字のW.北沢地域のアクションエリアの方針 第3章 玉川地域 ローマ数字のT.玉川地域の概況とまちづくりの主な課題 ローマ数字のU.玉川地域の目標、骨格と土地利用の方針 ローマ数字のV.玉川地域のテーマ別の方針 ローマ数字のW.玉川地域のアクションエリアの方針 第4章 砧地域 ローマ数字のT.砧地域の概況とまちづくりの主な課題 ローマ数字のU.砧地域の目標、骨格と土地利用の方針 ローマ数字のV.砧地域のテーマ別の方針 ローマ数字のW.砧地域のアクションエリアの方針 第5章 烏山地域 ローマ数字のT.烏山地域の概況とまちづくりの主な課題 ローマ数字のU.烏山地域の目標、骨格と土地利用の方針 ローマ数字のV.烏山地域のテーマ別の方針 ローマ数字のW.烏山地域のアクションエリアの方針 終章 区民主体の身近なまちづくりを進めるために ローマ数字のT.地域のまちづくりにおける都市整備方針の位置づけ ローマ数字のU.区民主体の身近なまちづくりの実現に向けて アクションエリアの総括図 地域整備方針(後期)と都市整備の基本方針との関係性 資料編 ローマ数字のT.検討経緯 ローマ数字のU.用語解説  もくじ構成は、以上になります。 ここからは、「はじめに」の章になります。 はじめに「地域整備方針(後期)策定の考え方」 ローマ数字のT.見直しの考え方 1.第一部「都市整備の基本方針」の見直しの考え方 計画期間は、平成25年(2013年)9月に策定した「世田谷区基本構想」に即し、平成26年度(2014年度)から概ね20年間としています。 平成26年(2014年)4月に策定した『第一部「都市整備の基本方針」』(なお、これ以降は「都市整備の基本方針」と省略して表現します。)の13ページに示す6つの「世田谷区をとりまく状況」に加え、対応が求められる「新たなとりまく状況」について考え方を整理し、区の行政全般に係る基本的事項として、まちづくりを進めるに当たり十分に考慮していきます。 「世田谷区をとりまく状況」については、今後10年間の社会情勢や他自治体の事例等により研究を深めながら、概ね10年後に全面改定する「都市整備の基本方針」において、改めてまちづくりとの関連性を整理し、施策展開へ反映していきます。 さらに、『第二部「地域整備方針(後期)」』(なお、これ以降は「地域整備方針(後期)」と省略して表現します。)の策定に当たり時点修正を行ったことにより、「都市整備の基本方針」と異なることとなった事項は「地域整備方針(後期)」を優先するものとして、「地域整備方針(後期)と都市整備の基本方針との関係性」において列挙します。 2.第二部「地域整備方針」の見直しの考え方と主な視点 平成27年(2015年)4月に策定した『第二部「地域整備方針」』(なお、これ以降は「地域整備方針」と省略して表現します。)は、策定後、概ね10年を経過し、これまでの区の取組み状況等を踏まえ、「地域のアクションエリアの方針」を中心に見直します。 「地域整備方針」の見直しに当たっては、次に示す4つの点を考慮します。 (1)上位計画等との整合や分野別整備方針・計画の反映 (2)世田谷区をとりまく状況等とその対応を整理 (3)これまでの取組み状況や事業等の進捗状況を踏まえた検討 (4)各地域の区民意見の把握 区をとりまく「まちづくりに係る新たな要素」について、各地域のまちづくりに密接に関わる主なものは、地域特性を踏まえ、「地域整備方針(後期)」の「地域のテーマ別の方針」や「地域のアクションエリアの方針」に、適宜反映します。 (1)上位計画等との整合や分野別整備方針・計画の反映 令和6年(2024年)3月に策定した「世田谷区基本計画」の基本方針及び重点政策、分野別政策、実施計画との整合を図ります。 令和6年(2024年)3月に策定した「世田谷区地域行政推進計画」と、「世田谷区都市整備方針(平成27年4月)」(なお、これ以降は「都市整備方針」と省略して表現します。)における地域のまちづくりとの整合を図るため、「地域整備方針(後期)」の「終章」において、関係性を整理します。 「都市整備方針」の策定以降に策定・改定した分野別整備方針・計画等について、適宜、必要な反映を図ります。  なお、各地域の「地域の骨格と土地利用の方針」及び「地域のテーマ別の方針図」における「みどりの拠点」については、平成30年(2018年)3月に策定した「世田谷区みどりの基本計画」の位置づけを反映し、時点修正を行います。 主な分野別整備方針・計画の策定・改定状況は、次の通りです。 世田谷区防災まちづくり基本方針(平成28年3月) 世田谷区耐震改修促進計画(令和3年4月) 世田谷区豪雨対策基本方針(平成28年3月) 世田谷区豪雨対策行動計画(改定)(令和4年3月) 世田谷区みどりの基本計画(平成30年3月) 世田谷区第四次住宅整備方針(令和3年6月) 風景づくり計画(平成27年4月) せたがや道づくりプラン(平成28年3月見直し) 世田谷区地域公共交通計画(令和7年4月) 世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画(令和3年7月) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第3期)(令和7年3月) 世田谷区がけ・擁壁等防災対策方針(平成28年10月) 生きものつながる世田谷プラン(平成29年3月) (2)世田谷区をとりまく状況等とその対応を整理  「都市整備の基本方針」の策定から概ね10年が経過した中、「都市整備の基本方針」の13ページに示す6つの「世田谷区をとりまく状況」をもとに、さらに対応が求められる「新たなとりまく状況」を含め、「世田谷区をとりまく状況とその対応」及び「まちづくりに係る新たな要素への対応」として整理します。 @世田谷区をとりまく状況とその対応  「世田谷区をとりまく状況」に加え、この間の社会情勢の変化などにより、対応が求められる「新たなとりまく状況」について考え方を整理し、区の行政全般に係る基本的事項として、まちづくりを進めるに当たり十分に考慮していきます。  なお、今後10年間の社会情勢や他自治体の事例等により研究を深めながら、概ね10年後に全面改定する「都市整備の基本方針」において、改めてまちづくりとの関連性を整理し、施策展開へ反映していきます。 少子高齢化・人口減少時代への突入 「都市整備の基本方針」策定時の「世田谷区将来人口の推計(平成26年2月)」における人口は、今後概ね10年間は増加し、その後も増加傾向が続くと見込んでいました。推計期間中の年少人口は増加傾向にあり少子化は進まないものの、その後減少傾向に転じると見込んでいた中、実際にも総人口は概ね増加傾向が続くとともに、年少人口は令和3年度(2021年度)まで増加傾向が続き、それ以降減少に転じました。 令和5年(2023年)7月に取りまとめた「世田谷区将来人口推計」における人口は、令和24年(2042年)をピークに減少に転じ、年少人口は今後10年間で減少傾向、高齢者人口は増加傾向としており、少子高齢化・人口減少時代への対応の重要性がますます高まっています。 区では、これまでまちづくりの観点から、「世田谷区基本構想」に基づき、より住みやすく歩いて楽しいまちづくり(いわゆる、「ウォーカブル」)を進めているほか、すべての人にやさしいユニバーサルデザインの考え方に基づくまちづくりに取り組んできました。また、ひとり親の子育て世帯への支援等を進めるなど、引き続き、少子高齢化・人口減少時代に対応した取組みを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに将来人口推計における人口構造の変化の図を掲載しています) 安全・安心への関心の高まり 「都市整備の基本方針」策定時の「世田谷区民意識調査」においては、今後本区が積極的に取り組むべき事業として、「災害に強いまちづくり」や「防犯・地域安全の対策」が上位を占めていました。 令和6年(2024年)5月に実施した「世田谷区民意識調査」においても10年前と同様、「災害に強いまちづくり」や「防犯・地域安全の対策」が上位を占めており、区民アンケート調査(令和5年度実施)においても安全・安心への関心は、引き続き高い状況にあります。 区では、災害に強いまちづくりについて、震災時に火災などの危険性が高い区域を指定し、防火性の高い建築物を誘導していく新たな防火規制区域の指定や、延焼による焼失がほぼゼロの「燃え広がらない・燃えないまち」を実現するための不燃化特区制度を導入するほか、耐震診断や耐震改修等の支援による建築物の耐震化の促進に向けた取組みを進めてきました。 建築物の不燃化や平成12年(2000年)以前に建てられた新耐震基準の木造住宅建築物も含めた耐震化を促進するなど、引き続き、安全・安心な暮らしの確保に向けた取組みを進めていきます。 さらに、令和4年(2022年)12月に「世田谷区都市復興プログラム」を改定するとともに、継続して復興まちづくりに関する実践訓練を実施しています。事前復興まちづくりについても理解を促進するため、専門家による区民向け講演会の実施や区民参加の実践訓練を行うなど、引き続き、被災後の早期復興をめざした環境整備に取り組んでいきます。 防犯・地域安全の対策については、車道と歩行空間の分離や夜間照明の確保、防犯効果を高める見通しの良い公園づくりなど、まちの防犯に配慮した道路や公園の整備、防犯カメラの整備支援や防犯パトロール団体への支援など、区民の安全・安心な暮らしの確保に向けた取組みを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに区民意識調査結果の推移の図を掲載しています) 地球環境問題への関心の高まり 「都市整備の基本方針」策定時は、国や東京都における温室効果ガス排出規制の強化や、生物多様性に関する新たな国家戦略の推進など、地球環境問題への関心が高まりをみせていました。区では、平成22年(2010年)5月に「世田谷区環境基本計画」を策定し、本区がめざすべき環境像を明らかにしたほか、平成29年(2017年)3月には「生きものつながる世田谷プラン」を策定し、生物多様性の恵みが将来に受け継がれ、人々がその豊かさを実感し大切にしている街をめざすこととしました。 また、その実現に向けたまちづくりの取組みとして、みどりとみずの保全・創出、住まいにおける再生可能エネルギーの利用や省エネルギー化のほか、公共交通や徒歩・自転車利用の促進などを進め、環境と共生した「低炭素都市づくり」への対応を進めてきました。 近年では、夏の猛暑や巨大化した台風、線状降水帯に伴う集中豪雨など、観測記録を更新するような異常気象がたびたび発生し、河川氾濫や都市型水害などによりインフラ等にも影響を及ぼしており、これまで以上に気候変動に伴う自然災害リスクが高まり、人々が生存するための都市基盤が揺るがされています。区においても令和元年(2019年)の台風19号による浸水被害など、風水害の甚大な被害が発生しています。 区では、こうした気候危機の状況を区民、事業者とともに考え行動するため、令和2年(2020年)に行った「気候非常事態宣言」において令和32年(2050年)までに二酸化炭素排出量実質ゼロを宣言しました。さらに、令和5年(2023年)に策定した「世田谷区地球温暖化対策地域推進計画」において、令和12年度(2030年度)の温室効果ガス排出量削減目標として、国や東京都を上回る平成25年度(2013年度)比57.1パーセント削減を掲げ、この実現に向けて、環境分野のみならず、区役所の率先行動、都市整備分野、廃棄物分野、産業分野などあらゆる分野で気候変動対策を推進していきます。 都市整備分野では、広く国や都、区の取組みとして、多摩川の二子玉川地区堤防整備や、谷沢川流域の浸水被害を防ぐための分水路整備、雨水流出抑制施設の設置などの水害対策を進めています。また、路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装、建物の屋上緑化や緑陰の確保などの暑熱対策などのほか、多様な生きものが生息・生育できるみどりの保全など生物多様性を保全する取組みを進めていきます。 都市の成熟化・意識の多様化 「都市整備の基本方針」策定時は、全国的に都市化の進行が落ち着きを示し、地方都市においては集約型都市への再編の動きが見られ、都心周辺区などでは農地の宅地化が続いていました。区においては、依然として農地の宅地化が進みつつも都市農地の活用などの取組みを進めてきました。 個人の意識や価値観についても、自然との調和、生活の質や潤い、安全・安心、地域の中での人との関わり合い、心の豊かさを求めるなど、成熟化・多様化していました。区では、個人の意識や価値観については、「世田谷区基本計画」や「世田谷区地域行政推進計画」などにおいて、「多様性の尊重」という観点から、個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、エル・ジー・ビー・ティー・キューなどの性的指向及びジェンダー・アイデンティティ、国籍、文化の違いや障害の有無などに関わらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築いていくとしています。 まちづくりにおいては、これまで、福祉的環境整備を進めてきた梅ヶ丘駅周辺地区など、すべての人にやさしいユニバーサルデザインの考え方によるまちづくりを進めてきましたが、より広い多様性の視点によるまちづくりへの対応が求められています。 区では、障害の有無に関わらず、誰もが楽しく遊べる公園づくりに向けた取組みの一つとして、インクルーシブ遊具の設置を進めています。また、高齢者や障害者の移動を支援する新たなモビリティなど、多様化する移動手段と歩行者が共存できる安全対策やインフラ整備の取組みを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに 歩道と施設の敷地の段差解消、連続した誘導用ブロックの敷設(梅ヶ丘駅周辺)の写真と、インクルーシブ遊具を設置した公園(区立岡本公園)の写真を掲載しています) 地域・住民が主体となるまちづくり 「都市整備の基本方針」策定時は、まちづくりの進め方について、規制緩和や地方分権の進展などにより、まちづくりが区民に近い存在となり、平成25年(2013年)には国から全員参加のもと自助・共助・公助のバランスの取れた政策を検討していく必要があるとして、共助社会づくりの重要性が示されました。 区では、昭和57年(1982年)に「世田谷区まちづくり条例」を制定し、その後、平成3年(1991年)の地域行政制度の発足、平成6年(1994年)の「世田谷区基本構想」の改定などを受け、各地区の特性に応じたまちづくりや世田谷まちづくりセンター(現在の世田谷トラストまちづくり)、世田谷まちづくりファンドの設置等へ対応するため、平成7年(1995年)に条例を改正し、区民・事業者・区が協働した区民主体のまちづくりを進めてきました。 また、「地域整備方針」では区民・事業者・区が協働し、まちづくりを優先的に進める地区として「アクションエリア」に位置づけ、まちづくりを進めてきました。地区のまちづくりにおける区民との協働による取組みでは、機会を捉え子ども参加によるオープンパークやアンケート調査等の取組みを実施しているほか、様々なまちづくり活動団体・大学・事業者等が連携した取組みや、事業者を中心とした自主的な取組みなど、様々な主体によるまちづくりも進められています。 こうした次代の社会を担う子ども・若者のまちづくりへ参加する機会の創出、様々な主体の取組みに対する区の支援などの対応が求められています。 地域における区民に身近なまちづくりや公園づくり等においては、子ども・若者の意見聴取やまちづくり等への参加に向けた取組みを、機会を捉えながら進めていきます。また、民間企業等との官民連携や、エリアマネジメントの取組みなど、様々な主体との連携を進めるとともに、様々な取組みに対する区の支援を進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに子ども参加によるアンケート調査(代田地区)の写真と、二子玉川でのエリアマネジメントの取組み(多摩川河川敷を活用したキッチンカー事業)の写真を掲載しています) 都市財政の逼迫 「都市整備の基本方針」策定時は、日本が成熟型社会へと移行し、高度成長を遂げた時代のような経済成長が見込めない中で、福祉部門の支出や公共施設の維持・管理・更新のための支出が増えるものと想定していました。 区の財政状況は、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰等への対応から歳出額が増加したほか、今後も子ども・子育て関連施策の充実や超高齢社会への対応をはじめ、多様な行政需要等への対応が求められています。 区では、将来的な財政見通しに基づき、公共施設を管理・保全・更新するため平成29年(2017年)3月に「世田谷区公共施設等総合管理計画」を策定し、令和6年(2024年)3月には一部改訂を行ったほか、財政負担の軽減や公共サービスの向上を図るため、平成29年(2017年)4月に「世田谷区官民連携指針」を策定し、民間企業等と区の連携を推進するなどの取組みを進めてきました。 さらに、多様な行政需要に対応するための人材需要も増加し、限られた人材の中で効率よく対応していくことが求められており、デジタル技術の活用などディーエックスの推進による業務の効率化及び多様な主体との協働や公的サービスの提供を民間に委ねるピーエフアイ手法等のほか、施設管理を事業者に包括的に委託する包括管理業務委託の検討など、民間活力を活用した外部委託化なども進めていきます。 さらに、6つの「世田谷区をとりまく状況」に加え、この間の社会情勢の変化などにより、対応が求められる「新たなとりまく状況」として以下が挙げられ、これらについても区の行政全般に係る基本的事項として考慮しながら、まちづくりを進めていきます。    持続可能なまちづくりの実現 エス・ディ・ジーズ(持続可能な開発目標)とは、平成27年(2015年)9月の国連サミットで採択された、持続可能な世界の実現のため、包括的な17のゴールと169のターゲットで構成された、令和12年(2030年)までに世界中で取り組む国際目標です。 区では、「世田谷区基本計画」において、エス・ディ・ジーズのゴールと各分野別政策との関連を明らかにすることで、関連性を意識しながら分野横断的な施策展開を図り、持続可能な社会の実現をめざしています。 まちづくりにおいても、「世田谷区基本計画」で示した、各分野別政策と関連するエス・ディ・ジーズのゴールを意識しながら、都市整備領域の分野別整備方針・計画に基づき施策を進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷区基本計画の分野別政策に関連するエス・ディ・ジーズのゴールと本方針に関連する個別計画等の表を掲載しています) ディーエックスを推進するためのデジタル技術の活用 区では、「世田谷区基本計画」に基づき、時代に即したデジタル技術の活用によるディーエックスの取組みを推進しています。 国においては国土交通省が主導するスリーディ都市モデルやオープンデータ化プロジェクトであるプラトーの構築が進められています。区においてもジーアイエスオープンデータの提供や、スマートフォンのアプリを活用した区民等から道路・公園の損傷、異常箇所の通報を受け付けるシステム導入のほか、特定地域の来訪者属性分析等として人流ビッグデータを活用試行するなど、デジタル技術を活用した取組みを進めています。 まちづくりにおいても、三軒茶屋や下北沢において、区民との意見交換のツールとしてデジタル技術を活用した双方向のオンライン会議を実施するほか、障害のある方への参加機会の提供として、音声コードや音声読み上げ機能などを活用した情報提供、区民意見聴取におけるオンライン受付の取組みなどを進めています。 さらに、まちづくりにおけるデジタル技術の活用の検討や、アイシーティーの活用による交通手段の多様化をめざすほか、様々な世代や障害の種別等に応じた適切な情報提供、意見聴取や意見交換などのツールとして、デジタル技術の活用についても検討していきます。 Aまちづくりに係る新たな要素への対応  区をとりまく「まちづくりに係る新たな要素」について、各地域のまちづくりに密接に関わる主なものは、地域特性を踏まえ、「地域整備方針(後期)」の「地域のテーマ別の方針」や「地域のアクションエリアの方針」に、適宜反映していきます。 ■官民連携 区では、区民・事業者・区が協働した区民主体のまちづくりを進めており、公共サービスの更なる充実をめざし、民間企業等との官民連携による取組みを進めています。 まちづくりにおいては、官民連携の取組みとして、区民の移動利便性向上効果を目的とした民間シェアサイクル事業者と協定を締結するなど、従来のまちづくりのルールを定める地区計画や地区まちづくり計画制度などに限らず、様々な主体により地域のまちの姿を実現するためのまちづくりの取組みが進められています。 本方針における「アクションエリア」に限らず、区全体において、新たなまちづくりの取組みも含め、地域におけるまちづくりを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに官民連携による民間施設の活用(せたがやキューズガーデン)の写真、官民連携によるシェアサイクルポートの設置(二子玉川公園)の写真を掲載しています) ■脱炭素 区では、気候変動や地球環境問題への関心の高まりの中で、「都市整備の基本方針」策定時の「まちづくりの主な課題と対応」に示していた低炭素都市づくりの取組みから、更に脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めています。 まちづくりにおいては、地区の特性に応じて、地域づくりと一体となった地域の脱炭素化やみどりの保全・創出などにより、地域の持続可能性の向上や地域課題の解決につなげていく「脱炭素で持続可能なまちづくり」の実現に向けた取組みを進めています。 住宅都市である本区においては、エネルギー性能の高い住宅づくりや住宅における再生可能エネルギーの創出・利用を進めるとともに、エネルギーの地産地消の推進や大規模な土地利用転換の機会を捉えた地域の自立電源の整備の検討、環境負荷をかけない移動の促進、適応策となるみどりの保全・創出などにより、都市の脱炭素化を進めていきます。 ■グリーンインフラ 区では、グリーンインフラを「自然環境が持つ様々な機能を目的に応じて積極的かつ有効に活用することで、安全で快適な都市の環境を守り、街の魅力を高める社会基盤や考え方のこと」と捉え、「世田谷区みどりの基本計画」や「世田谷区豪雨対策行動計画(改定)」、「世田谷区環境基本計画」などに位置づけています。また、区と区民、事業者がそれぞれの立場でグリーンインフラに取り組むための指針として、「せたがやグリーンインフラガイドライン(令和6年3月)」を策定し、みどりの保全や豪雨対策を推進しています。 まちづくりにおいては、「地域のテーマ別の方針」の「水害を抑制するまちづくり」や「みどりとみずを守り育てるまちづくり」に位置づけるなど、グリーンインフラの観点も踏まえた取組みを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここにグリーンインフラの取組み(シモキタ雨庭広場)の写真、グリーンインフラの取組み(区立保健医療福祉総合プラザ(うめとぴあ))の写真を掲載しています) ■ウォーカブル 区においては、平成25年(2013年)9月に策定した「世田谷区基本構想」の九つのビジョンの一つとして「より住みやすく歩いて楽しいまちにする」を掲げ、区民とともに、地域の個性を活かした都市整備を進めてきました。 国においても、人中心のウォーカブルな公共空間の必要性について、国土交通省が令和3年(2021年)5月に策定した「ストリートデザインガイドライン」においては、「まちなかの人とクルマの交通量と、それぞれに要している面積との「アンバランス」が生じていることから、道路と駐車場で区域面積の過半を占めてしまうような空間利用の現状を、人々のための空間へ転換することが必要である。」などとしています。 区では、国土交通省が募集する「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成をめざしたウォーカブルなまちづくりをともに推進する「ウォーカブル推進都市」について、令和元年(2019年)に賛同しました。 まちづくりにおいては、三軒茶屋駅周辺における滞在性を向上させる公共的な空間の利活用の取組みや、下北沢駅周辺においても、歩行者が主体の安全・快適で、回遊性のあるまちづくりに取り組んでいます。引き続き、各地区の特色や資源を活かしながら、区民の健康増進にもつながる「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成に向けて、ウォーカブルな視点に立った取組みを進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに公共空間を活用した社会実験(三軒茶屋駅周辺)の写真、小田急線上部利用による歩行空間の創出(下北沢駅周辺)の写真を掲載しています) (3)これまでの取組み状況や事業等の進捗状況を踏まえた検討 「地域整備方針」の策定後、「地域のテーマ別の方針」及び「地域のアクションエリアの方針」に係る、概ね10年間の地区計画や地区まちづくり計画等の策定状況やまちづくりの取組み状況、関連する事業等の進捗状況を整理し、各地域や地区における今後のまちづくりの方向性や方針を検討します。 (4)各地域の区民意見の把握 「地域整備方針(後期)」の策定に当たり、各地域において実施した、区民アンケート調査や意見交換、オープンハウス、意見募集等により、区民意見を把握した上で、見直しの検討を行います。 なお、令和4年(2022年)9月に制定した「世田谷区地域行政推進条例」に基づき、令和5年度(2023年度)に実施した車座集会やタウンミーティング等におけるまちづくりに係る区民意見も把握した上で、各地域や地区における今後のまちづくりの方向性や方針を検討します。 U.計画期間と次期改定に向けて 「地域整備方針(後期)」の計画期間は、令和7年度(2025年度)から概ね10年とします。 「都市整備方針」の次期改定は、「世田谷区基本構想」にあわせ、概ね10年後を予定しています。(「都市整備の基本方針」策定の概ね20年後) 次期改定に当たっては、社会情勢の変化や、今後、概ね10年を経過した時点のまちづくりの進捗状況等を踏まえ、「都市整備の基本方針」及び「地域整備方針(後期)」について全面的な改定を実施します。 なお、今回の見直しに当たり、「地域整備方針(後期)」の「はじめに」において整理した、「世田谷区をとりまく状況とその対応」や対応が求められる「新たなとりまく状況」については次期改定(全面改定)に向けて検討を進め、適宜反映していきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに都市整備方針の計画期間と改定の考え方の図を掲載しています) ここからは、「序章」になります。 序章 地域整備方針(後期)の位置づけと構成 ローマ数字のT.地域整備方針(後期)の位置づけ 1.位置づけと地域区分 「都市整備方針」は、「世田谷区まちづくり条例」を根拠とし、都市計画法第18条の2に定められた「市町村の都市計画に関する基本的な方針」として定めるもので、本区の長期的な視点に立った都市づくり・まちづくりの総合的な基本方針です。 「都市整備方針」は、二部構成となっており、第一部の「都市整備の基本方針」において、区全体としての将来都市像や各地域に共通する都市づくりの基本方針を示しています。第二部の「地域整備方針(後期)」では、地域のまちの姿や特性を活かした身近なまちづくりの方針を示します。 (なお、PDFファイル版では、ここに都市整備方針の構成を示す図を掲載しています) 「地域整備方針(後期)」における地域区分は、各地域の特性(歴史的経緯、土地利用、道路・交通など)と地区におけるこれまでのまちづくりを踏まえ、総合支所の地域を単位とします。 (なお、PDFファイル版では、ここに5地域区分の地図を掲載しています) 2.地域整備方針(後期)で示す内容 「地域整備方針(後期)」においては、都市整備領域の分野別整備方針・計画に基づき進める広域的な施策については詳述せず、地域のまちの姿や地区の特性を踏まえた身近なまちづくりの方針を示します。そして、この方針をもとに、地区の特性を踏まえた地区計画や地区まちづくり計画などを中心とした、具体の身近なまちづくりを進めていきます。 このことについて、「世田谷区まちづくり条例」においては、都市整備方針に定めるまちづくりに関する目標を実現するため、都市施設等についての整備等に関する方針(分野別整備方針)を定めるものとしており、広域的な道路整備、交通政策や公園・緑地の整備などは、「都市整備の基本方針」を踏まえ、それぞれ分野別整備方針を策定し、広域的な施策に関する整備などの取組みを進めていくこととしています。 「地域整備方針(後期)」においては、身近なまちづくりの方針として「都市整備の基本方針」を踏まえた、「地域のテーマ別の方針」と、地区を対象とした「地域のアクションエリアの方針」などを示します。 身近なまちづくりは、「地域整備方針(後期)」、都市整備領域の分野別整備方針・計画、「世田谷区地域行政推進計画」等に基づき、効率的・効果的に進めていきます。 (なお、PDFファイル版では、ここに都市整備方針の計画体系の図を掲載しています) ローマ数字のU.地域整備方針(後期)の目的と役割など           1.目的と役割 「地域整備方針(後期)」は、地域の個性を活かした身近なまちづくりを進めるため、地域の目標を定めた上で、より身近で区民生活に密着した地域や地区におけるまちづくりの考え方を明らかにすることを目的とします。そして、これらを地域の区民や事業者と区(総合支所)が共有し、それぞれの役割に応じ、協働して地域や地区のまちづくりを実現するための方向性を示す役割や、区民一人ひとりがまちづくりの担い手となる区民主体の身近なまちづくりのガイドラインとしての役割を果たします。 なお、「まちづくりを実現するための方策」については、「第一部 都市整備の基本方針」第4章に示しています。 2.構成の考え方 「はじめに」では、「都市整備の基本方針」及び「地域整備方針」の見直しの考え方等を示します。 「序章」では、第1章以降の各地域で示す方針に共通する考え方を示します。 「第1章」から「第5章」では、世田谷、北沢、玉川、砧、烏山地域の順に、それぞれ以下の内容を示します。 ローマ数字のT.地域の概況とまちづくりの主な課題 最初に、地域のなりたち、地域の姿、地域の現況等のデータからなる「概況」を示します。 現況等のデータでは、位置、面積、人口、土地利用、防災、みどり、道路などの項目について示します。 次に、「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、概況、区民意見などを踏まえ、「都市整備の基本方針」における5つのテーマに沿った「まちづくりの主な課題」を示します。 ローマ数字のU.地域の目標、骨格と土地利用の方針 最初に、「都市整備の基本方針」における都市づくりビジョンと、まちづくりの主な課題などに基づき、概ね10年後を見据えた「目標・地域のまちの姿」を示します。 次に、「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プラン、土地利用構想及び都市施設配置構想と、地域のまちの姿に基づき、概ね10年後を見据えた「地域の骨格と土地利用の方針」を示します。 ローマ数字のV.地域のテーマ別の方針 地域のまちの姿を実現するため、「都市整備の基本方針」における5つのテーマに沿った「地域のテーマ別の方針」を示します。 5つのテーマとは、「テーマT 安全で災害に強いまちをつくる」、「テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる」、「テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる」、「テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる」、「テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる」のこと (なお、PDFファイル版では、ここに5つのテーマの図を掲載しています) ローマ数字のW.地域のアクションエリアの方針 地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたり、まちづくりを優先的に進める地区に関する方針として、特定のエリアを対象に、「地域のアクションエリアの方針」を示します。 「終章」では、「都市整備方針」と「世田谷区地域行政推進計画」との関係性や、区民主体の身近なまちづくりの実現に向けた考え方を示します。 (なお、PDFファイル版では、ここに地域整備方針(後期)の目的と役割、構成の図を掲載しています) 3.「ローマ数字のU.地域の目標、骨格と土地利用の方針」について (1)目標・地域のまちの姿 「目標・地域のまちの姿」は、「世田谷区地域行政推進計画」の各地域経営方針におけるまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、まちづくりの主な課題などに基づき設定します。 5つのテーマに沿った、まちの姿の具体像を明らかにします。 (2)地域の骨格プラン 地域の骨格プランは、「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、地域の骨格を示すものです。 地域の骨格は、以下に示す拠点や軸などから構成されます。 「都市整備の基本方針」で示した「地域生活拠点」などに加えて、「地域整備方針」において「地区生活拠点」を位置づけます。 (なお、PDFファイル版では、ここに地域の骨格プランで示す拠点や軸などの図を掲載しています) (3)地域の土地利用の方針 地域の土地利用の方針は、原則9つに区分した土地利用ごとに方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。 土地利用の区分は、原則として「都市整備の基本方針」における土地利用構想の6つの区分と整合します。 (なお、PDFファイル版では、ここに地域の土地利用の方針で示す土地利用の区分の図を掲載しています) 4.「ローマ数字のV.地域のテーマ別の方針」について 地域のテーマ別の方針は、本区全体を対象としたテーマ別方針に加えて、地域の特性を踏まえ、まちづくりの主な課題を解決し、地域のまちの姿を実現するため、各地域の全域を対象に、今後、概ね10年間にわたる方針として示します。 方針図は、「都市整備の基本方針」における将来目標を実現するためのテーマ別方針TからXより、地域の課題などを踏まえ主要な要素を抽出し、重ね合わせて示します。また、必要に応じて新たな要素を加えます。 (なお、PDFファイル版では、ここに5つのテーマの重ね合わせによる方針図を掲載しています) 5.「ローマ数字のW.地域のアクションエリアの方針」について 「地域整備方針」では、地域のまちの姿を実現するために、区民・事業者・区(総合支所)が協働し、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区として「アクションエリア」ごとにその整備方針を示し、まちづくりを進めてきました。「地域整備方針(後期)」においても、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進めていく地区を「アクションエリア」として位置づけ、その整備方針を示し、まちづくりを進めていきます。 「アクションエリア」のうち、地区の特性を踏まえ、地区計画や地区まちづくり計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区を「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」とし、「赤色のアクションエリア」で示します。また、既に策定されている地区計画や地区まちづくり計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区を「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」とし、「黄緑色のアクションエリア」で示します。 なお、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」には、既に策定された沿道地区計画に基づき、まちづくりを進めていく地区と、土地区画整理事業が完了し既に策定された地区計画に基づき、まちづくりを進めていく地区も含みます。 平成27年(2015年)4月に策定した「地域整備方針」における「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」のうち、区民のまちづくりの気運の高まりや大規模な土地利用転換等を契機とするまちづくりの意識の醸成などに応じて、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行い、まちづくりを進めていく地区については、「地域整備方針(後期)」において新たに「赤枠で黄緑色のアクションエリア」で示し、これらの関係性を次に示します。 (なお、PDFファイル版では、ここにアクションエリアの関係性の図を掲載しています) 地域のまちづくりについては、近年、区と事業者が連携した取組みや、事業者が中心となりまちづくりに取り組むケースも見られます。これらは、必ずしも地区計画や地区まちづくり計画などの策定を前提としないものの、「地域のまちの姿」の実現に貢献している取組みとなっています。こうしたまちづくりの動向も踏まえ、「アクションエリア」においては地区計画や地区まちづくり計画などによる「まちづくりのルール」のほか、事業者発意による取組みや、官民連携による取組みといった新たな考え方を含めます。 例えば、事業者発意による取組み、公共施設の整備とあわせたまちづくり、エリアマネジメントなどの取組み、まちづくり誘導指針や個別方針・計画の策定、官民連携 など なお、「アクションエリア」だけではなく、地域全体において、区民のまちづくりの意識の高まり等や区民・事業者の自主的な活動等に応じて、新たに地区のまちづくりを検討し、「地域のテーマ別の方針」に基づきまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに地域全体における地区のまちづくりの考え方の図を掲載しています) ここからは「第1章 世田谷地域」になります。 第1章 世田谷地域 ローマ数字のT.世田谷地域の概況とまちづくりの主な課題 1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の東部に位置し、区役所をはじめ税務署・法務局・都税事務所など、官公庁が多く立地しています。 明治40年(1907年)の玉川電車(現在の東急田園都市線)の開通や、大正12年(1923年)の関東大震災に伴う罹災者の移住などにより、市街化の進展に拍車がかかりました。 環状7号線の東側は、大正から昭和にかけて農地が宅地化され、郊外型ベッドタウンのはしりとなった地域であり、古くから宅地化が進んだ密集市街地が広がっています。 西側は一部で農地も見られる住宅地となっていますが、近年は、宅地の細分化や中高層マンションの建設が進んでいます。 世田谷地域の町名は、池尻(ただし四丁目33から39番を除く)、三宿、太子堂、三軒茶屋、若林、世田谷、桜、弦巻、宮坂、桜丘、経堂、下馬、野沢、上馬、駒沢一・二丁目です。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 古くから宅地化が進んだ密集市街地では、都市基盤が未整備で、老朽化した建築物が多いことなどから、防災性の向上をめざすこととし、市街地の不燃化や災害時の避難路の確保、延焼防止のための道路の整備を進めています。 貴重な資源である農地が減少する傾向にあります。一方、本地域のみどり率は、近年増加傾向にあります。また、地域住民一人当たりの公園面積は、区の平均を下回っています。 三軒茶屋や経堂、松陰神社前など、駅を中心に発達している商店街は、従来から地域のコミュニティ活動ができる場としてもにぎわいを見せています。玉川通り(国道246号)沿いの三宿交差点付近では、個性的な店が集まり、新たなにぎわいを生み出しています。また、三軒茶屋には「優良ホール」に選定された世田谷パブリックシアターがあり、全国から人々が訪れています。 (3)地域の現況等のデータ 区内5地域で、住居系の土地利用面積割合は、北沢地域に次いで高く、また、人口、世帯数及び人口密度が最も高い地域です。 専用住宅の平均宅地面積が最も小さい状況にあります。 不燃化特区における太子堂・若林地区や区役所周辺地区は、不燃領域率が向上しており、延焼による焼失率がほぼゼロなると言われている70パーセントに近づいています。 ●位置・面積・地勢 ・本区の東部に位置し、東側は渋谷区と目黒区に隣接 ・面積は1,232.4ヘクタール、5地域で3位 ・本地域は東に向かって流れる烏山川が形成した広い谷と標高20メートル以上の武蔵野台地からなり、特に地域西部は一段高い、「しもすえよしめん」という地形面に属するため、区内でも最も標高の高い地域の一つとなっている ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、252,995人、5地域で1位、平成26年比約15,100人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、145,459世帯、5地域で1位、平成26年比約13,900世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、205人パーヘクタール、5地域で1位、平成26年比12人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、1.74人パー世帯、5地域で4位、平成26年比 0.07人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、約7,200人増加、推計時点(令和5年)より10年後までの増加人数(見込み) 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、19.4パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には20.9パーセントの見込み(区平均23.0パーセント) ●土地利用 住居系の割合、55.0パーセント、区平均50.4パーセント、北沢地域に次いで高い、平成23年比1.0ポイント増加 商業系の割合、6.9パーセント、区平均6.2パーセント、平成23年比0.4ポイント減少 公園系の割合、3.1パーセント、区平均5.8パーセント、平成23年比0.1ポイント減少、なお、公園系土地利用は、公園のほか運動場など民間施設を含む ●地域資源 せたがや百景は、ボロ市と代官屋敷、松陰神社と若林公園、世田谷線(玉電)が走る など18箇所 地域風景資産は、双子の給水塔の聳え立つ風景、池尻稲荷神社を中心とする旧大山道、三宿の森緑地 など19箇所 上記のほか、西澄寺、大吉寺、旧林愛作邸、烏山川緑道、蛇崩川緑道、大山道、瀧坂道 など多くの地域資源がある ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 ●建築物 棟数密度、51.1棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、平成23年比 1.2棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、9,745棟、平成23年比3,090棟増加 利用建ぺい率、51.6パーセント、区平均47.7パーセント、5地域で最も高い、平成23年比 1.4ポイント増加 利用容積率、162.0パーセント、区平均136.6パーセント、5地域で最も高い、平成23年比 12.6ポイント増加 ●宅地 平均宅地面積、205.6平方メートル、区平均230.9平方メートル、平成23年比 6.8平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、123.6平方メートル、区平均143.6平方メートル、5地域で最も小さい、平成23年比 12.2平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、14,775敷地、平成23年比22.1パーセント増加 ●防災 耐火率67.7パーセント、区平均64.3パーセント、平成23年比5.7ポイント増加 不燃領域率69.1パーセント、区平均67.8パーセント、平成23年比4.3ポイント増加 木防建ぺい率、16.7パーセント、区平均17.1パーセント、平成23年比 2.4ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、8.5棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、平成23年比3.6棟パーヘクタール減少 ●みどり みどり率、17.6パーセント、区平均24.4パーセント、平成23年比 0.9ポイント増加 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、1.22平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、平成26年比0.04平方メートルパー人減少 生産緑地面積、3.9ヘクタール、平成23年比1.1ヘクタール減少 ●道路 道路率、18.2パーセント、区平均17.3パーセント、5地域で最も高い、平成23年比0.1ポイント増加 細街路率、35.9パーセント、区平均31.9パーセント、平成23年比3.1ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、62.2パーセント、区平均50.8パーセント 主要生活道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、45.4パーセント、区平均38.3パーセント なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしています 2.まちづくりの主な課題  「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 密集市街地や延焼遮断帯となる都市計画道路及び公園のほか、延焼遅延帯となる主要生活道路等が未整備な地区が多いことなど、道路の整備や沿道の不燃化が課題となっています。 道路や公園などの都市基盤施設が十分に整備されないまま、高密度に市街化が進んでいる地区があり、防災上課題となっています。 広域避難場所周辺の不燃化・耐震化及び避難路の整備が課題となっています。 局所的集中豪雨の増加に伴い、更なる対応が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること 地域住民一人当たりの公園面積が少なく、区の平均を下回っているため、公園の整備が求められています。 まとまったみどりが比較的少なく、樹林地や農地などのみどりの保全・創出が課題となっています。 専用住宅の平均宅地面積は減少傾向にあり、宅地の細分化、低層住宅と中高層住宅の混在が課題となっています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 広域生活・文化拠点である三軒茶屋駅周辺地区や地域生活拠点である経堂駅周辺地区、区役所周辺地区においては、にぎわいや活気の維持・誘導、まちの魅力や安全性の向上が課題となっています。 地域生活拠点である経堂駅周辺地区、区役所周辺地区をはじめ、区民の身近な活動・交流の場となるような拠点については、機能の充実や特性を活かした拠点づくりが課題となっています。 地域のコミュニティ活動などへの参加者が減少傾向にあり、地域の活性化が課題となっています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること ボロ市と代官屋敷や松陰神社、世田谷城阯、大山道、瀧坂道などの歴史的資産や、屋敷林、社寺林、緑道などの自然資源が点在しており、地域資源としての魅力を活用するまちづくりが望まれています。 拠点のにぎわいのある界わいや魅力ある街並み、地域風景資産などを地域資源として活用することが望まれています。 まちの個性を活かした新たな地域資源の創出が求められています。 大規模な土地利用転換が想定される地区では、地域の特性を踏まえた適切な土地利用の誘導が求められています。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 都市計画道路や主要生活道路の整備が遅れていることから、住宅地内の生活道路に通過交通が流入していることが課題となっています。 密集市街地をはじめとした、幅員6メートル以上の道路及び狭あい道路の整備が不十分な地区があり、整備が求められています。 快適に移動できる歩行環境や自転車利用環境及び交通安全対策の更なる取組みが望まれています。 ローマ数字のU.世田谷地域の目標、骨格と土地利用の方針         1.目標・地域のまちの姿 「世田谷区地域行政推進計画」の世田谷地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。 世田谷の歴史と文化を大切にし、交流とにぎわい、活力のあるまち 安心して豊かな気持ちで暮らせるまち 災害に強く安全で、いつまでも住み続けたいまち これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 建築物の不燃化・耐震化が進み、道路や公園などが整備された、防災性が高く災害に強い安全で安心なまち みどりを保全・創出し、良好な住環境が維持された、快適に暮らせるまち 各拠点の特性を活かした、誰もが交流でき利用しやすい、にぎわいと活力のあるまち 歴史的資産や文化・自然・知的資源を活かし育む魅力あふれるまち 交通ネットワークや生活道路などの交通環境の整備が進み、誰もが安心して安全で快適に移動できるまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン  「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 三軒茶屋駅周辺地区は、交通の要衝に位置するとともに、キャロットタワーが本区の文化や観光の発信地であり、商業・サービス、業務、文化などの機能が充実し、多くの人でにぎわう本区を越えた広域的な交流の場として「広域生活・文化拠点」と位置づけています。 経堂駅周辺地区は、地域内での小田急線沿線住民の生活において中心的な役割を果たすことから、区民の日常生活に必要な商業・行政サービス等が集積し、活気とにぎわいあふれるまちづくりを進め、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 区役所周辺地区は、住宅地と業務・商業・文化施設等が共存し、文教的な土地利用を誘導するまちづくりを進め、地域の「核」となる区民の身近な文化・交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。あわせて、区役所が地域の防災機能を担っていることを踏まえ、「災害対策拠点」にも位置づけています。 豪徳寺駅・山下駅などの各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 沿道において生活利便施設の立地を誘導する世田谷通り(補助51号線)とその沿道などを「主要生活交通軸」と位置づけています。 拠点や軸等と位置づける場所は、次の通りです。 生活拠点の広域生活・文化拠点は、三軒茶屋駅周辺地区 生活拠点の地域生活拠点は、経堂駅周辺地区、区役所周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、豪徳寺駅・山下駅、千歳船橋駅、松陰神社前駅、上町駅・世田谷駅、池尻大橋駅、駒沢大学駅の各周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、区役所周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状7号線、環状8号線、玉川通り(国道246号)の各道路とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、茶沢通り(補助210号線)、補助154号線、世田谷通り(補助51号線)の各道路とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、三宿の森緑地一帯、世田谷公園一帯、下馬中央公園・学芸大学付属高校、駒沢オリンピック公園、区役所一帯、馬事公苑・東京農業大学一帯、桜丘すみれば自然庭園一帯 (2)地域の土地利用の方針  9つの区分のうち、該当する8つの区分の土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 三軒茶屋駅の周辺地区は、本区を越えた広域的な交流の場として、商業・業務・文化などの機能が充実するよう土地利用を誘導します。 経堂駅の周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業、業務機能が集積し、区民の身近な交流の場となるよう土地利用を誘導します。 駒沢大学駅、豪徳寺駅・山下駅、千歳船橋駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業等の機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状7号線、環状8号線、玉川通り(国道246号)の沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 補助26号線、世田谷通り(補助51号線)、補助52号線、補助128号線、補助154号線、茶沢通り(補助210号線)などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F住商複合地区 区役所周辺の住商複合地区は、住宅と業務・商業施設等が共存する土地利用を誘導するとともに、低中層住宅と中高層住宅との調和を図り、市街地の住環境を保全します。 G準工業地区 池尻、経堂、弦巻の準工業地区は、生産環境の維持・保全とともに、周辺の住環境との調和を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) ローマ数字のV.世田谷地域のテーマ別の方針                 まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。  地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる ●延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 延焼遮断帯を構成する都市計画道路の整備にあわせ、沿道の不燃化を進めます。 ミニ防災生活圏の形成を図るため、延焼遅延帯の整備を促進します。 ●防災生活圏内の安全性を向上させる 防災生活圏内では、建築物の不燃化や耐震化、地先道路の整備、無電柱化の推進、ブロック塀等の生垣化等による安全対策、消防水利の整備などにより、地区の防災性の向上を図ります。 区役所周辺地区などの密集市街地では、地区計画制度や補助事業等を活用し、建築物の不燃化や耐震化、道路や公園の整備、行き止まり路の解消など、総合的な防災まちづくりを進めます。 ●避難時の安全性を向上させる 国士舘大学一帯などの広域避難場所等への避難路の安全性向上や防災拠点、緊急輸送道路の機能確保を目的として、周辺の建築物の不燃化・耐震化を進めるとともに、安全で安心できる避難場所の形成を図ります。 ●復興に備える 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 ●災害時の拠点機能を強化する 区役所が災害対策拠点であることを踏まえ、防災や減災の観点に加え、人や物資の流れが円滑になるよう配慮し、災害に強い拠点を形成します。 ●水害を抑制する 浸水被害を軽減するため、グリーンインフラの観点も踏まえた雨水流出抑制施設の設置を進めます。 ●日常の安全・安心を確保する 建築物の建て替えの機会を捉え、効率的・効果的な狭あい道路の拡幅整備を進め、日常の安全・安心なまちづくりを進めます。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる ●みどりとみずを守り育てる 脱炭素地域づくりにもつながる公共公益施設や生産緑地地区、民有地の多様なみどりを保全・創出し、これらの水循環を支えるみどりの基盤をしっかりと守り、良好な市街地環境の形成を図り、グリーンインフラとして活用します。 三軒茶屋駅周辺では、公園の活用に関するマネジメントを検討し、公園と隣接する施設や公共的空間との連携による魅力あるまちづくりを進めます。 ●地区特性に応じたみどり豊かな住宅地を形成する みどり豊かで良好な住環境を維持・保全するため、敷地内の緑化や敷地面積の最低限度をはじめ、地区特性に応じたまちづくりに関するルールづくりを進めます。 大規模敷地の建て替えでは、都市基盤整備や公園・公開空地の整備、緑化などを誘導します。 屋敷林、社寺林、農地などの多様な生きものが生息・生育する場の保全とともに、生きものに配慮した場を創出し、区民や事業者及び関連団体等との協働によるみどり豊かなまちづくりを進めます。 ●住みやすいまちをつくる 複数のまちづくりが連続して行われる区域において、必要が生じた場合は、統一的なまちづくりの方針を示し区域全体の融合を図ります。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる ●特性に応じた拠点の魅力を高める 広域生活・文化拠点である三軒茶屋駅周辺地区や地域生活拠点である経堂駅周辺地区、区役所周辺地区は、拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させるとともに、歴史や文化、街並み等、まちの資源の活用などにより地域の魅力を高めます。 松陰神社前駅周辺地区や上町駅・世田谷駅周辺地区などの地区生活拠点や商店街は、区民の日常生活に必要な環境を確保するとともに、地域のコミュニティ活動ができる場としての機能を誘導します。 ふれあい広場をはじめとする人々が集う公園・緑地・公共的空間などの活用により、地域のコミュニティ活動ができる拠点づくりを進めます。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる ●自然資源や歴史的資産、風景資産を活かし、まちの魅力を高める 良好な風景を形成する屋敷林や社寺林、都市の貴重な資源である緑道や農地など、日常生活に身近な自然資源の魅力を区民と共有し、大切にします。 世田谷のボロ市などの文化財や世田谷代官屋敷などの史跡、大山道などの古道のほか、地域に点在する歴史的資産を活かし、まちの魅力を高めます。 拠点周辺のにぎわいのある界わいや街並みなどを活かし、誰もが訪れたくなる魅力的なまちづくりを進めます。 大規模な土地利用転換等が想定される地区においては、地域の特性を踏まえて歴史的資産などの保全・活用を図り、周辺と調和した適切な土地利用を誘導します。 ●新たな地域資源を創出する まちの魅力や特性を活かしたルールづくりや、地域の知的資源の活用などにより、新たな地域資源の創出を図ります。 ●地域資源をPRし、愛着を高める 自然・歴史・風景・にぎわいなど、地域の資源を発信し、区民の活動を支援することなどにより、地域への愛着を高めます。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる ●地先道路の整ったまちをつくる 幹線道路、地区幹線道路と主要生活道路で囲まれた地区ごとに、まちづくりのなかで地先道路の適切な配置を検討し、整備を進めることにより、地区の安全性と快適性、防災性を向上させます。 ●誰もが安全・快適に利用できる交通基盤とする 道路整備や駅周辺の拠点整備などでは、歩行環境、自転車利用環境などを整え、誰もが安全で快適に移動できる環境の整備に取り組みます。 世田谷区役所周辺地区では、「世田谷区移動等円滑化促進方針(令和5年6月)」における「促進地区」として、駅や官公庁施設、福祉施設、商業施設など高齢者、障害者等が日常生活において利用する施設・経路の移動等の円滑化を促進します。 新たなモビリティの普及やアイシーティーの活用による、交通手段の多様化をめざします。 ●歩いて楽しめる魅力づくりを進める 座れる場づくりの推進により、安全で安心な歩行者ネットワークを形成するなど、人中心の歩いて楽しいまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.世田谷地域のアクションエリアの方針  地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 1-1 経堂駅周辺地区(継続) 駅周辺における交通結節機能の強化、防災性の向上及び魅力的な商業環境の育成、環境にやさしいまちの形成を図り、地域生活拠点として活気やにぎわいを維持、発展させるとともに、市街地環境の動向にあわせ、駅前広場の機能の確保等、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 周辺住宅地の不燃化を図ることにより、防災性の向上を図ります。 1-2 駒沢一丁目1番地区(新規) 土地利用転換の際は、歴史的資産の保全・活用を図るためのオープンスペースの確保など、地域の特性を踏まえて、高度利用を図りつつ周辺と調和した適切な土地利用を誘導します。 みどり豊かで環境にも配慮した健全で安全な住宅地を形成するため、地区計画などを策定しまちづくりを進めます。 1-3 三軒茶屋一丁目地区(新規) 三軒茶屋駅周辺地区とあわせて、にぎわいの創出や利便性の向上を図り、住宅地との調和に配慮したまちづくりに取り組みます。 良好な住環境の保全や安全で災害に強いまちを形成するため、地区計画などを策定し、まちづくりを進めます。 1-4 三軒茶屋駅周辺地区(継続) 「三茶のミライ(三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画)(令和4年3月)」に基づき、三軒茶屋の歴史と個性を継承・強化し、まちの滞在性・回遊性・防災性を向上するため、区民・事業者との連携・協働によるソフトとハードが一体となったまちづくりを進めます。 地区の拠点性を活かし、文化・産業・行政機能の計画的な更新・配置・機能集積や、地区の回遊性を高める歩行空間・地下空間の充実など「三茶のミライ」に掲げるまちの空間の実現を図ります。 三軒茶屋駅付近においては、市街地再開発事業の事業者等との連携により、老朽木造建築物の更新による防災性の向上及び広場空間の形成によるにぎわいの創出や南北移動の円滑化などを誘導し「三茶のミライ」の具体化に向けて取り組みます。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 1-5 旭小学校周辺地区(継続) みどり豊かで環境にも配慮した健全で安全な市街地を形成するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 1-6 池尻三丁目西地区(継続) 生活利便性に富み、みどり豊かで良好な住環境の形成及び防災性に優れた安全で安心できる都市環境の形成を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-7 池尻四丁目・三宿二丁目地区(移行2) 建築物の不燃化の促進などにより、防災性の向上を図るとともに、良好な住環境の保全を図るため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 1-8 上馬二丁目地区(継続) 居住環境の悪化を防止し、緑化を推進し、落ち着きのある街並みを創出するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-9 環七沿道地区(継続) 後背地の住環境保全と延焼遮断帯の形成のため、沿道地区計画に基づきまちづくりを進めます。 1-10 環八沿道地区(継続) 沿道地区計画に基づき、後背地の住宅地との調和を図りながら商業・業務地として誘導するとともに、建築物の不燃化を促進し、みどりと潤いのある良好な沿道の街並みを形成します。 1-11 経堂駅東地区(継続) 住宅と商業・業務の調和のとれた活力ある健全な市街地環境の形成を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-12 経堂農大通り沿道地区(継続) 安全で快適な買い物空間を形成し、良好で活力ある商業環境を適切に誘導するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-13 区役所周辺地区(継続) 地区内の広域避難場所周辺を災害に強い市街地として誘導するとともに、みどり豊かで暮らしやすい住環境を保全・創出するため、防災街区整備地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 公共施設や大規模な建築物の建設及び道路などの改修の際には、意匠やユニバーサルデザインなどについて、これまでの「やさしいまちづくり」を継承するとともに、区役所周辺については施設の特性を活かした活気のある全区的な文化・交流拠点として、一体感を持つまちづくりを進めます。 1-14 豪徳寺駅周辺地区(継続) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全を図るため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 1-15 桜丘区民センター周辺地区(継続) 空間的なゆとりがある低層戸建て住宅と集合住宅などが調和した快適な住環境の維持・保全を図ります。 1-16 桜丘二丁目西地区(継続) 良好な住環境づくりと商店街の活性化を図るため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。また、区民まちづくり協定の周知により良好な住環境の実現を図ります。 1-17 世田谷二丁目千種住宅地区(継続) みどり豊かなゆとりと潤いのある住宅地として、良好な住環境の維持・保全を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-18 太子堂二・三丁目地区(継続) いつまでも住み続けられる災害に強い市街地の形成を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 広域避難場所周辺の不燃化を進め、安全性の向上を図ります。 1-19 太子堂四丁目地区(継続) 安全で住みやすく快適なまちを実現するため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 1-20 太子堂五丁目・若林二丁目地区(移行2) 良好な住環境の保全を図るため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 1-21 千歳船橋駅周辺地区(継続) 地区生活拠点の実現に向けて、駅周辺商店街の活性化を図るとともに、周辺住宅地との調和を図りながら、活力があり快適に生活できる魅力あるまちづくりを進めます。 1-22 都営下馬アパート周辺地区(移行2) みどり豊かでゆとりある良好な住環境の形成及び、健全な商業市街地の形成を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 広域避難場所周辺の不燃化を進め、安全性の向上を図ります。 1-23 補助52号線沿道若林・梅丘・豪徳寺・宮坂地区(移行2) 都市計画道路の整備にあわせ、沿道の建築物の不燃化や土地利用の誘導、周辺の住環境との調和のため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 1-24 三宿一丁目地区(継続) 住み続けることができる安全で快適な住環境をもつ市街地への誘導及び形成を図るため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 広域避難場所周辺の不燃化を進め、安全性の向上を図ります。 1-25 若林一丁目地区(継続) 防災性の向上、住環境の改善を図り、安全・安心に住み続けられるみどり豊かな街を実現するため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷地域のアクションエリアの地図を掲載しています) ここからは、「第2章 北沢地域」になります。 第2章 北沢地域 ローマ数字のT.北沢地域の概況とまちづくりの主な課題 1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の北東部に位置し、南北に環状7号線が通っており、小田急線、京王線、井の頭線、世田谷線の鉄道等の結節点となっている下北沢、明大前、下高井戸、豪徳寺などの駅周辺で商業地が形成されています。 明治期の北沢地域は純農村の姿をとどめていましたが、大正から昭和にかけての私鉄の開通や関東大震災に伴う罹災者の移住などにより人口が急増し、郊外住宅地へと大きく姿を変えてきました。 昭和のはじめの都市基盤整備は、区画整理や耕地整理に加え、旧松沢村全村に及ぶような面的な建築線指定により行われました。その結果、現在でも良好な住宅地として残されているところが多くあります。 戦後の人口急増の中、環状7号線沿いの地区などで木造賃貸住宅が増加し、木造住宅が密集する地域が形成されました。 北沢地域の町名は、代田、梅丘、豪徳寺、代沢、羽根木、大原、北沢、松原、赤堤、桜上水、池尻四丁目33から39番です。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 下北沢駅周辺では小田急線の地下化に伴う上部空間を活用したまちづくりが進められています。エリアマネジメントといった新たなコミュニティ形成への動きがあります。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、明大前駅をはじめ各駅周辺のまちづくりが進められています。 木造住宅が密集する地域では、都市基盤が未整備で老朽化した建築物も多いことから、防災性の向上を図るため、建築物の不燃化の促進、延焼遮断帯となる道路の整備等を進めています。 梅ヶ丘駅周辺では、「福祉のまちづくり」が進められてきましたが、「うめとぴあ」、「児童相談所」等の開設を受け、更なる取組みが進められています。 「せたがや梅まつり」や「下北沢音楽祭」など特色ある行事やイベントが行われています。また、「まもりやまテラス」や「さくら花見堂」など、学校跡地を活用したコミュニティづくりが進められています。 (3)地域の現況等のデータ 人口密度は区内5地域で世田谷地域に次いで高く、平均世帯人員は最も少ない状況です。 住居系の土地利用面積割合は5地域で最も高く、平均宅地面積は最も小さい状況です。 耐火率や不燃領域率は改善してきているものの、5地域で最も低い状況です。 みどり率及び地域住民一人当たりの公園面積は5地域で最も低い状況です。 細街路率が5地域で最も高く、都市計画道路の整備率が最も低くなっており都市基盤に課題があります。 ●位置・面積・地勢              ・本区の北東部に位置し、東側は渋谷区と目黒区、北側は杉並区に隣接 ・面積は865.2ヘクタール、5地域で4位 ・本地域の北部は、区内でも標高が比較的高く、北沢川を谷として起伏のある地形を形成 ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、153,674人、5地域で4位、平成26年比約9,400人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、91,339世帯、5地域で3位、平成26年比約8,900世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、178人パーヘクタール、5地域で2位、平成26年比 11人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、1.68人パー世帯、5地域で5位、平成26年比 0.07人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、約3,300人増加、推計時点(令和5年)より10年後までの増加人数(見込み) 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、20.2パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には21.7パーセントの見込み(区平均23.0パーセント) ●土地利用 住居系の割合、59.4パーセント、区平均50.4パーセント、5地域で最も高い、平成23年比1.4ポイント増加 商業系・工業系の割合、6.3パーセント、区平均7.0パーセント、平成23年比0.3ポイント減少 公園系の割合、4.5パーセント、区平均5.8パーセント、平成23年比2.2ポイント増加 なお、公園系土地利用は、公園のほか運動場など民間施設を含む ●地域資源 ・せたがや百景は、北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り、淡島の灸の森巖寺、梅と桜の羽根木公園など17箇所 ・地域風景資産は、校庭で子どもたちを見守る松の木(池之上小学校内)、北沢地域に隠れている石造物群、代田の丘の61号鉄塔、桜上水「江戸城御囲い松」の兄弟松、緑丘中学校・校庭の大ケヤキなど11箇所 ・主な文化財は、世田谷城跡、豪徳寺仏殿、桜上水・八幡神社旧本殿 ・上記のほか、小田急線上部利用施設など多くの地域資源がある ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 建築物 棟数密度、54.2棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、5地域で最も高い、平成23年比1.3棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、6,066棟、平成23年比1,727棟増加 宅地 平均宅地面積、191.7平方メートル、区平均230.9平方メートル、5地域で最も小さい、平成23年比 7.2平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、138.7平方メートル、区平均143.6平方メートル、平成23年比12.7平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、9,075敷地、平成23年比23.0パーセント増加 防災 耐火率、58.2パーセント、区平均64.3パーセント、5地域で最も低い、平成23年比5.0ポイント増加 不燃領域率、59.4パーセント、区平均67.8パーセント、5地域で最も低い、平成23年比4.0ポイント増加 木防建ぺい率、21.3パーセント、区平均17.1パーセント、5地域で最も高い、平成23年比1.1ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、8.5棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、5地域で最も高い、平成23年比3.8棟パーヘクタール減少 みどり みどり率、17.3パーセント、区平均24.4パーセント、5地域で最も低い、平成23年比0.2ポイント増加 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、1.10平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、5地域で最も小さい、平成26年比0.02平方メートルパー人減少 生産緑地面積、4.0ヘクタール、区全体の4.8パーセント、平成23年比0.6ヘクタール減少 道路 道路率、17.2パーセント、区平均17.3パーセント、平成23年比0.1ポイント増加 細街路率、41.6パーセント、区平均31.9パーセント、5地域で最も高い、平成23年比3.4ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、27.9パーセント、区平均50.8パーセント、5地域で最も低い 主要生活道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、25.1パーセント、区平均38.3パーセント なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしている 2.まちづくりの主な課題 「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 道路や公園などの都市基盤施設が十分に整備されないまま、高密度に市街化が進んでいる地区があり、防災上課題となっています。 老朽木造住宅が密集している市街地や、延焼遮断帯となる都市計画道路が未整備な地区は、避難路の確保や延焼の抑制など防災上の課題があります。 局所的集中豪雨の増加に伴い、更なる対応が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること みどり率は増加傾向であるものの、区内5地域の中で最も低くなっています。 地域住民一人当たりの公園面積は5地域の中で最も小さく、公園やオープンスペース等を確保し、魅力的な空間にすることが求められています。 住居系の土地利用割合が5地域で最も高く、平均宅地面積は最も小さくなっています。また、低層住宅と中高層住宅の混在や住宅と商業施設の混在など、土地利用の課題があります。 まとまったみどりが比較的少なく、樹林地や農地などのみどりの保全・創出が課題となっています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 広域生活・文化拠点である下北沢駅周辺地区や地域生活拠点である明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区においては、商店街などの商業地のにぎわいや活気を誘導するとともに、まちの安全性の確保が求められています。 身近な最寄り駅周辺は、区民の活動・交流の場としての活性化が望まれています。 小田急線の連続立体交差事業により整備された鉄道駅の周辺や、京王線の連続立体交差事業で拠点となる鉄道駅の周辺について、にぎわいのある良好な市街地の形成を図ることが求められています。 みどりの拠点である公園・緑地等は、誰もが自然環境を享受できることが望まれています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること 羽根木公園や北沢川緑道、桜上水の農地などの身近な自然資源や豪徳寺などの文化財をはじめとする歴史的資産、瀧坂道などの古道、駅周辺のにぎわいのある界わいなどを、地域資源として活用することが望まれています。 連続立体交差事業などの都市基盤の整備により、街の機能や風景の変化が見込まれます。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 踏切での交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断などの原因となる開かずの踏切の解消に向け、京王線の連続立体交差事業が進められており、それに伴い駅周辺において快適に移動できるまちづくりが求められています。 都市計画道路の整備が遅れており、拠点間の交通ネットワーク形成が課題となっています。また、生活道路に通過交通が流入していることや狭あい道路が多いことから、歩行者や自転車利用者の安全性の向上が求められています。 人口構造の変化や下北沢駅周辺及び豪徳寺などへの外国人観光客の増加に対応するため、更にユニバーサルデザインの観点等によるまちづくりが求められています。 ローマ数字のU.北沢地域の目標、骨格と土地利用の方針 1.目標・地域のまちの姿  「世田谷区地域行政推進計画」の北沢地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。  ともに支えあい、絆をはぐくみ、健康で活力あるまち  夢(未来)と歴史が共鳴する、多様な人々が交流できるまち  災害に強く、安全・安心で住みよいま  これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 建築物の不燃化・耐震化が進み、道路や公園などが整備され、防災性が向上した、安全で災害に強いまち みどりの拠点を中心として、みどりを保全・創出し、地区の特性に応じて適正な土地利用がなされた、みどり豊かで住みやすいまち 駅周辺の商業地が保有する文化、街並みなどの個性を活かし、にぎわいや活気のある、活動・交流の拠点をもつまち 屋敷林や農地などの自然資源が保全され、暮らしの風景やにぎわいのある風景が活用された、地域資源の魅力を高めるまち 連続立体交差事業や都市計画道路の整備にあわせて地区のまちづくりが進み、交通環境の質が高く、誰もが安全で快適に移動できるまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン  「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 下北沢駅周辺地区は、若者をはじめ多くの人が回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実し、本区を越えた広域的な交流の場として「広域生活・文化拠点」と位置づけています。 明大前駅周辺地区や下高井戸駅周辺地区などは、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 代田橋駅、桜上水駅などの各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 地域生活拠点である梅ヶ丘駅周辺地区は、全区的な保健医療福祉である「うめとぴあ」の整備にあわせ、「保健福祉のまちづくり重点ゾーン」と位置づけています。 地域の中央を南北に貫き、等々力から区役所周辺を経由し、明大前に至る補助154号線とその沿道などを、「主要生活交通軸」と位置づけています。 拠点や軸等と位置づける場所について、 生活拠点の広域生活・文化拠点は、下北沢駅周辺地区 生活拠点の地域生活拠点は、明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、代田橋駅、桜上水駅、東北沢駅、世田谷代田駅、豪徳寺駅・山下駅、池ノ上駅、新代田駅、東松原駅、松原駅の各周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、北沢総合支所周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の保健福祉のまちづくり重点ゾーンは、梅ヶ丘駅周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状7号線、甲州街道(国道20号)の各道路とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、茶沢通り(補助210号線)、補助154号線の各道路とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、和田堀給水所、三宿の森緑地一帯、羽根木公園、区役所一帯、桜上水一帯 (2)地域の土地利用の方針 9つの区分のうち、該当する7つの区分の土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 下北沢駅の周辺地区は、本区を越えた広域的な交流の場として、商業・文化などの機能が充実するよう土地利用を誘導します。 明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業・行政サービス等が集積し、区民の身近な交流の場となるよう土地利用を誘導します。 代田橋駅、桜上水駅、東北沢駅、世田谷代田駅、豪徳寺駅・山下駅、池ノ上駅、新代田駅、東松原駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業・業務機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状7号線と甲州街道(国道20号)の沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 補助26号線、補助52号線、茶沢通り(補助210号線)などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F準工業地区 北沢五丁目の準工業地区は、公共公益施設の機能を維持するとともに、周辺の住環境との調和を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) ローマ数字のV.北沢地域のテーマ別の方針                  まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。  地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 延焼遮断帯を構成する都市計画道路の優先的な整備にあわせ、沿道の不燃化を進めるとともに、緑化の推進や空地の確保を進め、延焼遅延帯の形成の促進を図ります。 防災生活圏内の安全性を向上させる 地区の安全性を高めるため、建築物の不燃化や耐震化、危険なブロック塀や狭あい道路の改善を進めます。 震災時に消防活動が困難とされる区域では、消防活動や避難を円滑にするための地先道路の整備を進め、行き止まり道路や狭あい道路を解消するとともに、消防水利を確保し防災性の向上に配慮した公園などを配置します。 北沢五丁目・大原一丁目地区などの密集市街地では、防災まちづくりの事業などを活用して、建築物の不燃化や耐震化の取組みを強化し、共同化や無接道敷地の解消等を促進します。 避難時の安全性を向上させる 広域避難場所等への避難路の安全性を高めるとともに、周辺の建築物の不燃化や耐震化を進めます。 復興に備える 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 水害を抑制する 浸水被害を軽減するため、グリーンインフラの観点も踏まえた雨水流出抑制施設の設置を進めます。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる みどりとみずを守り育てる みどりのネットワークを形成するため、みどりの拠点を核として、樹林地や農地、公園・緑地、緑道のみどりを保全し、道路や住宅地などにおいて連続した緑化を進め、グリーンインフラとしての活用も推進します。 誰もが身近に利用できる場として、公園や緑地を適正に配置し、面積を確保します。また、都市基盤整備とあわせて新たなみどりの創出を図ります。 より住みやすい住環境を確保する みどりのある住みやすい良好な住環境を形成するため、脱炭素地域づくりの視点も踏まえながら地区特性に応じたまちづくりに関するルールづくりを進めるとともに、区民や事業者が進めるみどりの保全や創出の取組みを支援します。 大規模敷地の建て替えや土地利用転換では、都市基盤整備や公園・公開空地の整備、緑化等の環境配慮を誘導します。都市計画事業においては事業期間中の環境保全に努めます。 地域に残された貴重な農地の保全に努めるとともに、農地を宅地化する場合は、良好な住環境の形成に必要な道路などの整備を一体的に進めます。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める 広域生活・文化拠点である下北沢駅周辺地区や地域生活拠点である明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区は、拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させるとともに、歴史・文化や街並み・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 桜上水駅や世田谷代田駅周辺地区などの地区生活拠点は、区民の日常生活に必要な環境を確保するとともに、地域コミュニティの場としての機能を誘導します。 都市計画事業が進められている駅周辺においては、事業期間中のまちのにぎわいや活力の維持に努め、にぎわいや防災、みどり、風景などに配慮した活動・交流の拠点づくりを行います。また、まちの機運や駅前整備等とあわせて官民連携によるまちの維持・管理・運営などに取り組み、まちの安全性や魅力を高めます。 誰もが利用できるみどりの拠点とする みどりの拠点をはじめとする公園・緑地等は、誰もが快適に利用できるようにオープンスペースやみどり、各種施設をバランス良く配置するとともに、アクセス環境を充実させます。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 自然資源の魅力を高める 良好な風景を形成する屋敷林や社寺林、都市の貴重な資源である農地、富士山の眺めなど、日常生活に身近な自然資源の魅力を区民と共有し、大切にします。 風景の魅力を高める 文化財をはじめとする歴史的資産や古道などを活かし、地域に残る歴史や文化を大切にした暮らしの風景づくりを進めます。 駅周辺のにぎわいのある界わいや各地で行われるイベントなどをまちの風景として、地域の人にも訪れる人にも魅力的な場所となるよう活かし、まちの顔となる風景づくりを進めます。 新たな地域資源を創出する 大規模な土地利用転換の際は、まとまったみどりの創出や公開空地の整備などを進め、新たな地域資源をつくります。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 公共交通の安全性・利便性や快適性を高める 連続立体交差事業にあわせ駅前広場を整備するとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして、駅周辺地区を一体とした沿線まちづくりを進めます。 歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める 都市計画道路等の整備を進め、地先道路への通過交通を抑制し、歩行者と自転車利用者の安全性の向上を図ります。また、歩道の整備や事業者の協力による歩道状空地などにより安全な歩行空間を確保します。 公共施設等の整備や大規模な土地利用転換の際は座れる場づくりを促進します。 歩行者の安全性を高め、防災性の向上を図るために、まちづくりのなかで地先道路の適切な配置を検討し、整備を進めます。 各拠点や施設をつなぐ 各拠点をつなぐ都市計画道路の整備にあわせ、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用の促進を図ります。 交通環境の質を高める 道路や緑道の整備では、環境や防災、風景などに配慮するとともに、ユニバーサルデザインによる整備を進めます。保健福祉のまちづくり重点ゾーンである梅ヶ丘駅周辺地区では、「世田谷区移動等円滑化促進方針」における「促進地区」として、駅や商店街、各種拠点施設との移動等円滑化などのまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.北沢地域のアクションエリアの方針            地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 2-1 京王線沿線(新規) 南北・東西のつながりによる街の回遊性・快適性の向上をめざし、にぎわいと交流の軸を育むまちづくりを進めます。 2-2 下北沢駅周辺地区(移行1) 広域生活・文化拠点として、商業・文化などの地域資源を活かすとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして下北沢の魅力を発展させます。 地区計画及び地区まちづくり計画に基づき、良好な街並みと建築物の不燃化を適切に誘導するとともに、歩行者主体のまちづくりを進めるため、駐車場地域ルールの活用を検討します。 小田急線の連続立体交差事業に伴い、交通結節機能、道路ネットワーク機能、防災機能、環境空間機能を強化するため都市計画道路の補助54号線や世区街10号線(駅前交通広場)を整備し、駅周辺まちづくりを地域主体の取組みと連携しながら進めます。 2-3 下高井戸駅周辺地区(移行1) 地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気とにぎわいを創出するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業や都市計画道路等の整備に伴う土地利用の変化に対応し、駅周辺の活気ある良好な商業環境の育成と地区の防災性向上、区民まちづくり協定を踏まえたまちづくりを進めるため、地区計画の策定等を検討します。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設け、補助128号線を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-4 代田地区(継続) 地区まちづくり計画の原案提案を踏まえ、良好な住環境の保全・育成等に向けて、地区まちづくり計画の策定等を検討します。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 2-5 梅ヶ丘駅・豪徳寺駅・山下駅周辺地区(移行2) 保健福祉のまちづくり重点ゾーンとして、平成27(2015)年4月に策定した「梅ヶ丘駅・豪徳寺駅・山下駅界わいまちづくりデザイン指針」に基づき、ユニバーサルデザインによるまちづくりを進めます。 公共施設や大規模な建築物の建設及び道路などの改修の際には、意匠やユニバーサルデザインなどについて、これまでの「やさしいまちづくり」を継承し、一体感を持つまちづくりを進めます。 2-6 環七沿道地区(継続) 後背地の住環境保全と延焼遮断帯の形成のため、沿道地区計画に基づきまちづくりを進めます。 2-7 北沢三・四丁目地区(継続) 防災まちづくり等を推進するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、茶沢通りの道路拡幅、公園の整備を進めます。 2-8 北沢五丁目・大原一丁目地区(継続) 防災まちづくり等を推進するため、防災街区整備地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-9 経堂駅東地区(継続) 良好な住環境の保全のため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 2-10 区役所周辺地区(継続) 地区内の広域避難場所周辺を災害に強い市街地として誘導するとともに、みどり豊かで暮らしやすい住環境を保全・創出するため、防災街区整備地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-11 豪徳寺駅周辺地区(継続) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-12 桜上水駅周辺地区(継続) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-13 桜上水三・四丁目中部地区(継続) 地区計画に基づき、みどりの拠点としてみどり豊かで落ち着きのある環境を維持します。 集合住宅及び教育文化施設の集積を活かし、地域の防災性能の向上に資する広域避難場所及び防災生活圏の形成を図ります。 2-14 西部地域桜上水地区(継続) 農地などのみどりを保全・育成し、農地と住宅地が共存する土地利用を誘導するため、地区計画に基づきまちづくりを進めます。 地区の防災性、利便性を確保するため、道路などの基盤整備を進めます。 2-15 代田橋駅周辺地区(移行2) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 代田橋駅周辺地区については、京王線の連続立体交差事業や放射23号線の整備等にあわせ、地区の防災性の向上を図ります。また、和田堀給水所の整備にあわせ、みどりや防災の拠点の形成を図ります。 2-16 放射23号線沿道地区(新規) 2-17 補助26号線沿道代沢・北沢地区(新規) 2-18 補助52号線沿道若林・梅丘・豪徳寺・宮坂地区(移行2) 都市計画道路の整備にあわせ、沿道の建築物の不燃化や土地利用の誘導、周辺の住環境との調和のため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 2-19 明大前駅周辺地区(移行2) 地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気ある良好な商業環境を育成するとともに、良好な住環境を保全し地区の防災性を向上するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、区南北の交通ネットワークを充実させるため、都市計画道路の補助154号線や駅前広場を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-20 代々木上原駅から梅ヶ丘駅間の小田急線上部(移行2) 小田急線の連続立体交差事業に伴い平成27年(2015年)8月に策定した「小田急線上部利用計画」に基づき防災性の向上やみどりの創出を図るため、駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設などを整備し、周辺と調和した連続性のあるまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域のアクションエリアの地図を掲載しています) ここからは、「第3章 玉川地域」になります。 第3章 玉川地域 ローマ数字のT.玉川地域の概況とまちづくりの主な課題 1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の南東部に位置し、面積は区内5地域の中で最も広いエリアです。地域には玉川通り(国道246号)、目黒通り、環状8号線の幹線道路が通っています。鉄道は、田園都市線、大井町線、東横線、目黒線の各路線が通っており、二子玉川、用賀、等々力などの各駅を起点とするバス交通網とあわせて、地域の公共交通サービスを担っています。 大正から昭和にかけて、民間による宅地開発や玉川全円耕地整理事業などが行われたことで、地域の大部分で都市基盤が整い、都市近郊の住宅市街地として発展してきました。 市街地再開発事業が完了した二子玉川駅周辺は、区や本地域における交流の一大拠点として発展しています。また、目黒通りから多摩川を跨ぐ「等々力大橋(仮称)」の整備が進行中であり、都市間の連携強化や神奈川方面への道路交通網の更なる向上が期待されています。  玉川地域の町名は、東玉川、奥沢、玉川田園調布、玉堤、等々力、尾山台、上野毛、野毛、中町、上用賀、用賀、玉川、瀬田、玉川台、駒沢三から五丁目、駒沢公園、新町、桜新町、深沢です。 (なお、PDFファイル版では、ここに玉川地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 みどり率は区の平均をやや上回っており、農地も比較的多くあります。しかしながら、近年では相続等に伴う農地の転用や土地の細分化などが進み、みどりが年々減少する傾向にあります。 駒沢オリンピック公園など大規模な公園が多くある一方、区民が気軽に憩うことのできる身近な広場や公園が不足している地区もあります。 二子玉川や用賀には大規模な商業店舗やオフィスが集積しています。各商店街では、地域コミュニティの場として機能するとともに、多世代が交流する様々なイベントが行われ、まちに活気を生み出しています。 地域には、玉川八景と呼ばれた眺望で江戸時代から風光明媚な景勝地としても知られていた国分寺崖線をはじめ、23区唯一の渓谷で東京都指定名勝である等々力渓谷など、身近で自然に触れあえる場所が多くあり、区内外から多くの人が訪れます。また、五島美術館や宮本三郎記念美術館、長谷川町子美術館などの文化施設が数多くあります。 (3)地域の現況等のデータ 区内5地域で、人口、世帯数ともに世田谷地域に次いで多い地域ですが、人口密度は5地域中4番目と低い状況にあります。 玉川地域の人口は、令和10年(2028年)にピークを迎え、その後減少に転じる見込みです。 街区は概ね格子状に配置された地区が多く、道路率、みどり率ともに高く比較的ゆとりのある住宅地等が形成されています。 ●位置・面積・地勢 ・本区の南東部に位置し、東側は目黒区と大田区、南側は多摩川を挟んで川崎市に隣接 ・面積は1,580.9ヘクタール、5地域で1位 ・地域の多くは標高30から40メートル前後の武蔵野台地に属し、九品仏川や呑川が浅い谷を形成。地域の南縁部は多摩川低地に属し、武蔵野台地との境は標高差20メートル程度の急斜面の国分寺崖線を形成 ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、226,480人、5地域で2位、平成26年比約11,300人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、115,208世帯、5地域で2位、平成26年比約9,300世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、143人パーヘクタール、5地域で4位、平成26年比 7人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、1.97人パー世帯、5地域で2位、平成26年比 0.06人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、5人減少、推計時点(令和5年)より5年後にピークを迎え、その後減少に転じる。今後10年間で減少の見込み 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、21.0パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には25.1パーセントの見込み(区平均23.0パーセント)で、5地域で最も高い ●土地利用 住居系の割合、48.1パーセント、区平均50.4パーセント、5地域で2番目に低い、平成23年比0.4ポイント増加 商業系の割合、7.0パーセント、区平均6.2パーセント、5地域で最も高い、平成23年比0.3ポイント減少 工業系の割合、0.7パーセント、区平均0.8パーセント、平成23年比0.3ポイント減少 ●地域資源 ・せたがや百景は、等々力渓谷と等々力不動、多摩川の緑と水、馬事公苑界わい など27箇所 ・地域風景資産は、用賀プロムナード、富士見橋より見た富士山の見える眺望、奥沢海軍村ゆかりの風景 など19箇所 ・主な文化財は、浄真寺(梵鐘や三仏堂等)、上野毛稲荷塚古墳 ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 建築物 棟数密度、43.5棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、平成23年比2.6棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、6,621棟、平成23年比1,863棟増加 宅地 平均宅地面積、244.7平方メートル、区平均230.9平方メートル、平成23年比15.6平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、154.7平方メートル、区平均143.6平方メートル、平成23年比16.9平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、10,085敷地、平成23年比26.3パーセント増加 防災 耐火率、66.7パーセント、区平均64.3パーセント、平成23年比2.9ポイント増加 不燃領域率、70.3パーセント、区平均67.8パーセント、平成23年比1.7ポイント増加、5地域で最も高いが、一部に50パーセント未満の地域がある 木防建ぺい率、16.1パーセント、区平均17.1パーセント、平成23年比0.9ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、5.2棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、平成23年比2.4棟パーヘクタール減少 みどり みどり率、25.8パーセント、区平均24.4パーセント、平成23年比0.7ポイント減少 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、3.82平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、平成26年比約0.14平方メートルパー人増加 生産緑地面積、22.2ヘクタール、平成23年比3.2ヘクタール減少 道路 道路率、18.2パーセント、区平均17.3パーセント、5地域で最も高い、平成23年比2.1ポイント増加 細街路率、21.7パーセント、区平均31.9パーセント、5地域で最も低い、平成23年比2.6ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、66.0パーセント、区平均50.8パーセント、5地域で最も高い 主要生活道路の整備(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、61.5パーセント、区平均38.3パーセント、5地域で最も高い なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしている 2.まちづくりの主な課題  「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 地域の多くで都市基盤が整っていますが、一方で、幅員6メートル以上の道路や空地が不足している地区について、地区全体の防災性を高めるとともに、避難路の沿道や避難場所の周辺地区などの防災性を高めることが必要です。 豪雨時の大規模水害や内水氾濫などの水害に備えた、河川改修や下水道整備のほか、雨水流出抑制施設の設置等の総合的な対応が求められています。 国分寺崖線をはじめ起伏のある地形を有し、がけや擁壁の崩壊による土砂災害を未然に防ぐ対応が求められています。 防災と並び防犯に対する住民意識が高まっており、道路と宅地が相互に見通せる防犯性の高いまちづくりが求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること みどり率は区の平均をやや上回っていますが、一方で、農地などの民有地のみどりが減少しつつあることから、豊かな自然や農地の保全、新たなみどりの創出に加え、連続したみどりとみずの空間づくりを進めることが必要です。 相続等による宅地の細分化や大規模な開発などによるみどりの減少を防ぎ、ゆとりのあるみどり豊かな住宅地の維持、保全を図っていくことが必要です。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 広域生活・文化拠点である二子玉川駅周辺地区においては、区民・事業者・区が連携して、駅周辺で一体的なまちづくりを進めることが必要です。 地域生活拠点である用賀駅周辺地区、等々力駅・尾山台駅周辺地区などをはじめ、活動・交流の核となるような拠点については、機能の充実と活性化を図ることが必要です。 大規模な公園が多くありますが、一方で、区民が気軽に憩うことができる身近な公園や広場が不足している地区があり、整備を計画的に進めることが必要です。 身近に買い物ができる商店などが減少しており、住宅街における利便性の向上が課題となっています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること 地域資源の魅力を高めるまちをつくるため、多摩川や国分寺崖線、等々力渓谷などの自然資源を守りながら地域資源として活用が望まれています。 また、九品仏浄真寺やサザエさん通り、五島美術館などの歴史・文化資産の活用も望まれています。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 鉄道とバスその他の公共交通機関の乗換えが不便な地区が多く、交通結節機能の強化が必要です。 鉄道による地域の分断や、踏切による交通渋滞の発生などの課題に対して快適に移動できるまちづくりが求められています。 交通渋滞の発生や住宅地への通り抜け車両の進入が増加しており、広域的な道路ネットワークの形成が必要です。 身近な交通機関である自転車の利用環境を向上させることが必要です。 ローマ数字のU.玉川地域の目標、骨格と土地利用の方針 1.目標・地域のまちの姿 「世田谷区地域行政推進計画」の玉川地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。 地域で育む安全・安心と笑顔のまち 国分寺崖線や等々力渓谷などの自然豊かな住みよいまち にぎわいと元気あふれる魅力的なまち これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 地震や火災、水害など災害に強く、防犯にも配慮した安全で安心して暮らせるまち 先人たちから受け継いだ、みどり豊かで都市基盤の整った街並みを維持・発展させるとともに、農のある風景を守り伝え、環境にやさしく快適で住みよいまち 二子玉川をはじめとした、地域の個性を活かした商業地のにぎわいや、業務などの機能が充実した交流と生活の拠点が身近にあり、誰もが歩いて暮らせるまち 国分寺崖線や等々力渓谷などの豊かな自然資源をはじめ、サザエさん通りや九品仏浄真寺等の歴史・文化資源を活かした、魅力あふれるまち 人・自転車・車が安全に行きかう道路と、利用しやすい公共交通機関の環境整備が進み、誰もが安心して快適に移動できるまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン  「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 二子玉川駅周辺地区は、市街地再開発事業が完了し、都市基盤の整備や土地の高度利用、都市機能が更新されました。また、自然環境と調和し安全で魅力ある商業・業務・居住機能を備えた、本区を越えた広域的な交流の場として「広域生活・文化拠点」と位置づけています。 用賀駅周辺地区は、駅前を中心に、商業・業務機能の集積を図りながら、周辺の住宅地と調和した市街地の形成を図っており、等々力駅・尾山台駅周辺地区は、地域の行政の中心で、まちなか観光の拠点でもあります。また、奥沢・自由が丘駅周辺地区は、自由が丘駅に隣接し、良好な居住環境で利便性の高い住宅地と健全な商業地の調和を図っていることから、それぞれ、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 桜新町駅、九品仏駅などの各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 玉川総合支所周辺地区については、総合支所が地域の防災機能を担っていることを踏まえ、「災害対策拠点」に位置づけています。 みどりに恵まれ、多様な生きものが生息・生育し、みどりとみずの風景が連なった国分寺崖線とその周辺を、「水と緑の風景軸」と位置づけています。  拠点や軸等と位置づける場所について 生活拠点の広域生活・文化拠点は、二子玉川駅周辺地区 生活拠点の地域生活拠点は、用賀駅周辺地区、等々力駅・尾山台駅周辺地区、奥沢駅・自由が丘駅周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、桜新町駅周辺地区、九品仏駅周辺地区、上野毛駅・中町周辺地区及び東深沢商店街地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、玉川総合支所周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状8号線、玉川通り(国道246号)、目黒通りの各道路とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、補助154号線、世田谷通り(補助51号線)、多摩堤通り(補助125号線)の各道路とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、馬事公苑・東京農業大学一帯、駒沢オリンピック公園、園芸高校一帯、九品仏一帯、等々力渓谷・玉川野毛町公園、二子玉川公園・上野毛自然公園、五郎様の森一帯、駒沢緑泉公園、砧公園一帯、岡本静嘉堂緑地一帯 みどりの拠点及び水と緑の風景軸の水と緑の風景軸は、国分寺崖線とその周辺 みどりの拠点及び水と緑の風景軸の環境保全ゾーンは、多摩川 (2)地域の土地利用の方針  9つに区分した土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 二子玉川駅の周辺地区は、本区を越えた広域的な交流の場として、商業・業務、文化・交流・レクリエーションなど多様な機能のほか、これらを補完する多様な世代に向けた機能が充実するよう高度利用も含めた土地利用を誘導します。 用賀駅、等々力駅・尾山台駅、奥沢駅・自由が丘駅の各周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業、行政等の機能が集積し、地域の「核」となるよう土地利用を誘導します。 桜新町駅、上野毛駅・中町、九品仏駅の各周辺地区は区民の日常生活における商業・サービス機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 東深沢商店街地区など住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状8号線、玉川通り(国道246号)、目黒通りの沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 補助154号線、補助212号線などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F住商複合地区 用賀駅の西側の住商複合地区は、業務・商業施設等の立地を維持します。 G準工業地区 桜新町などの準工業地区は、生産環境の保全とともに周辺の住環境との調和を図ります。 H河川環境地区 多摩川及びその河川敷は、自然環境の保全やみどり豊かで水辺に親しめる環境の創出を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに玉川地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) ローマ数字のV.玉川地域のテーマ別の方針               まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。  地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 未整備の都市計画道路や主要生活道路の整備を促進し、延焼遮断帯に囲まれた防災生活圏と延焼遅延帯に囲まれたミニ防災生活圏の形成を図ります。 防災生活圏内の安全性を向上させる 新町二丁目地区などの消防活動困難区域や不燃領域率の低い地区では、地先道路の整備を進め、災害に強い道路ネットワークの形成を図ります。 公園や小広場の整備、消防水利の充実、ブロック塀の安全対策、建築物の不燃化や耐震化と隣棟間隔の確保など総合的な防災・減災対策を進めます。 大規模敷地では地域の安全性に貢献するよう、建て替えなどの機会にあわせ、防災上有効なスペースの確保を促進します。 復興に備える 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 災害時の拠点と物資輸送ルートを確保する 玉川総合支所が災害対策拠点であることを踏まえ、防災や減災の観点に加え、人や物資の流れが円滑になるよう配慮し、災害に強い拠点を形成します。 幹線道路や緊急輸送道路沿いの建築物の不燃化・耐震化を進めます。 水害や土砂災害を抑制する 河川に近い区域や、浸水被害が想定される地区を中心に豪雨・浸水対策を進めます。 浸水被害を軽減するため、グリーンインフラの観点も踏まえた雨水流出抑制施設の設置を進めます。 国分寺崖線沿いに多く分布する土砂災害特別警戒区域等において、公共施設のがけや擁壁の安全性を確保するため、定期的な巡回点検等により適切な維持管理に努めます。また、土地所有者等への必要な支援に取り組みます。 日常の安全・安心を確保する 生活道路の整備に当たっては、隅切り等の整備による見通しの確保と、スピードを出しにくい道路構造や通過交通の抑制などの検討を進めます。 また、交通安全に配慮したまちづくりを進めるとともに、道路と宅地が相互に見通せる沿道の環境づくりを進め、明るく防犯性の高いまちづくりをめざします。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる みどりとみずを守り育てる 建築物の壁面後退などによるオープンスペースの創出、道路沿道での視覚効果の高い緑化、屋上緑化などにより、脱炭素地域づくりにもつながるみどりの創出を図ります。 みどりとみずのネットワークを形成するため、呑川親水公園、呑川緑道、九品仏川緑道、谷沢川、丸子川などの多くの緑道や水辺、街路樹及び民有地のみどりなどで連続した緑化を進め、多様な生きものが生息・生育できるみどり環境と水環境の創出を図り、グリーンインフラとしての活用も推進します。 農地等を生産緑地地区、屋敷林を市民緑地や保存樹林地などに追加指定を進めるとともに、農地保全重点地区や国分寺崖線付近の生産緑地地区などでは、農地や屋敷林等を主に都市計画公園・緑地に位置づけるなど、保全を図ります。 良好な住環境の維持・向上を図る 国分寺崖線から多摩川沿いにかけての地域は風致地区制度などを活用し、みどり豊かでゆとりのある住宅地等の形成を図ります。 上用賀地区、玉川田園調布地区などをはじめとする、都市基盤の比較的整った良好な住宅地等において土地の細分化を防止するとともに、みどりの保全・創出を図ります。 住宅団地の建て替えの際は、周辺環境との調和をめざし、一団地の住宅施設の変更や周辺を含めた地区計画の策定など、地区の特性にあわせた施策の展開を図ります。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる 活力ある生活拠点とする 広域生活・文化拠点である二子玉川駅周辺地区は、商業・業務・文化・交流・レクリエーションなど様々な機能を備え、にぎわいと居住、自然環境の調和が図られた魅力ある拠点とするため、区民・事業者・区が協働してまちづくり活動を進めます。 また、生活利便施設の集積やコミュニティの場の形成を進めるなど、人の交流や買い物・散策が楽しめる新たなまちの形成をめざします。 奥沢駅・自由が丘駅周辺地区をはじめとする地域生活拠点では、建築物の壁面後退などによる歩行空間やみどり空間の確保に努めるとともに、交通結節機能の強化を図り、活気ある拠点の形成をめざします。 九品仏駅周辺地区などの地区生活拠点では、生活利便施設の集積、オープンスペースやみどりの確保に努め、身近で親しみやすい拠点の形成を図ります。 大井町線及び東横線の立体化の促進にあわせ、各駅周辺の交通結節機能の強化やにぎわい、交流のある拠点の形成をめざします。 身近に活動・交流の場をつくる 上用賀公園、玉川野毛町公園など、特色ある公園の整備を進めます。また、東玉川、奥沢、等々力地区等の公園の少ない地域で、身近な公園・広場の整備について用地取得の機会を捉え、区民にとって身近な活動・交流の場づくりを進めます。 住宅街における買い物などの利便性の維持・向上のため、幹線道路や地区幹線道路の沿道では周辺環境に配慮しながら、生活利便施設の誘導を図ります。 地区の特性を活かした産業環境づくりを進める 活力ある産業環境を形成するため、幹線道路である環状8号線や玉川通り(国道246号)、目黒通りの沿道において、魅力ある沿道型業務施設等の立地を促進します。 準工業地区は、生産環境の保全・充実により、ものづくりの振興を図ります。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 地域の貴重な自然資源を守り、育てる 国分寺崖線や、等々力渓谷などの豊かな自然を保全します。 多摩川は、自然環境の保全に配慮し、水際の環境整備など、みどりとみずに親しめる空間づくりを進めます。 深沢八丁目無原罪(むげんざい)特別保護区、瀬田四丁目旧小坂緑地、九品仏一帯など、地域の歴史を伝える貴重なみどりである社寺林や屋敷林を保全します。 風景の魅力を高める 新町住宅など歴史ある良好な住宅地、大山道や筏道といった古道や文化財など地域に残る歴史的資産などを活かした魅力ある風景づくりを進めます。 水と緑の風景軸(国分寺崖線とその周辺)や界わい形成地区(奥沢1から3丁目等)、風致地区に指定されている地域をはじめ、富士山や多摩川を望む国分寺崖線など、地域の豊かな地形やみどりを活かした個性ある風景づくりをめざします。 地域資源を有効活用する 五島美術館や宮本三郎記念美術館、長谷川町子美術館をはじめとする文化施設など地 域の資源を活かした魅力あるまちづくりを進めます。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 渋滞を解消し、住宅街の通過交通を減らす 大井町線及び東横線の立体化を促進し、鉄道により分断されていた歩行者・自転車・自動車交通の円滑化を図ります。 東京外かく環状道路(東名高速から湾岸道路間)をはじめとする広域的な道路ネットワークの形成を促進し、環状8号線や玉川通り(国道246号)、目黒通りの渋滞解消、住宅街への通り抜け車両の減少を図ります。 快適で利用しやすい交通環境の整備を進める 駅の交通結節機能を強化し、公共交通ネットワークの充実を図ります。 新たなモビリティの普及やアイシーティーの活用による、交通手段の多様化をめざします。 歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める 都市計画道路や主要生活道路の整備、建築物、商店街の壁面後退などにより安全で快適な歩行空間や座れる場づくりを推進するとともに自転車走行環境などを整え、誰もが安全で快適に移動できる環境の整備に取り組みます。 (なお、PDFファイル版では、ここに玉川地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.玉川地域のアクションエリアの方針  地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 3-1 奥沢駅・自由が丘駅周辺地区(継続) 奥沢と自由が丘それぞれの特性を活かしながら、生活利便施設の集積や建築物の壁面後退などによる、回遊性のある、歩いて楽しいまちの実現を図ります。 建築物の壁面後退などにより歩行空間やみどり空間の確保に努めるとともに、交通結節機能を強化し、駅と一体となった活気ある拠点を形成します。 自由が丘駅周辺の駐輪施設の拡張の検討を進め、自転車利用環境の向上を図ります。 奥沢駅周辺は、コミュニティの核となる駅前空間や公共施設の再整備を進めるなど、災害に強く安全な拠点の実現を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-2 上野毛駅・中町周辺地区(継続) 上野毛駅周辺は生活利便施設の集積、歩行空間の充実などにより活気ある商店街の形成をめざすとともに、地区にふさわしい商店の立地を進め、近隣の住宅地に配慮した商店街の形成を図ります。 雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-3 九品仏駅周辺地区(継続) 区民に身近な商店街の形成や、駅前空間の整備を図るとともに、みどりの多い周辺環境と調和した住環境の形成を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-4 桜新町駅周辺地区(継続) サザエさん通りや長谷川町子美術館などの地域資源を活かしながら、街並みと調和し、歩いて買い物がしやすい商店まちづくりを進めます。 準工業地区において生産環境の保全とともに住環境と調和した住工共生のまちづくりを進め、地区全体において住・商・工のバランスのとれたまちの形成を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-5 新町・駒沢四丁目地区(継続) 幅員6メートル以上の道路ネットワークの形成、建築物の不燃化などにより、災害に強いまちづくりを進めるとともに、防犯の視点を考慮した、安全で快適な住環境の形成を図ります。 3-6 玉川野毛町公園周辺地区(継続) 野毛三丁目から等々力渓谷へと連なるみどり空間の一層の充実・保全を図るとともに、住宅地においては環境と調和した住宅地の形成を図ります。 3-7 等々力駅・尾山台駅周辺地区(継続) 等々力駅周辺は、地域行政の中心としての役割や、等々力渓谷を有する観光拠点であることを踏まえ、交通結節機能を強化するとともに、住・商のバランスがとれ、周辺の豊かな自然環境にも配慮した、住民にも来街者にもやさしいみどり豊かなまちの実現を図ります。 玉川総合支所が災害対策拠点であることを踏まえ、大井町線の立体化と等々力大橋(仮称)の整備を促進し、災害時の人や物資の円滑な移動空間の確保を図ります。 尾山台駅周辺は生活利便施設の集積や、建築物の壁面後退などでオープンスペースを確保し、歩いて楽しいまちの実現を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-8 馬事公苑周辺地区(継続) 馬事公苑一帯が広域避難場所であることを踏まえ、災害時に円滑な避難ができるよう、大規模敷地を中心に避難上有効なオープンスペースを確保するとともに、周辺の不燃化や安全対策を進めます。 区のスポーツ施設及び防災拠点としての機能を整備するとともに、災害時に活用できる公園づくりを進めます。 大規模敷地における土地利用転換に当たっては、公共施設の誘導を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 馬事公苑を中心に、みどり空間の一層の充実・保全を図ります。 防災・減災対策に加え、これまで培ってきたみどり豊かで良好な街並みの維持・保全を図ります。 主要生活交通軸である世田谷通り(補助51号線)や、用賀中町通り沿道などにおいては、地域における生活利便施設の誘導を図ります。 3-9 東玉川・奥沢地区(継続) 災害に強く防犯性の高い、みどり豊かでゆとりのあるまちを形成するため、幅員6メートル以上の道路ネットワークの形成、オープンスペースの確保、建築物の不燃化、隣棟間隔の確保に加え、住宅街への通過交通の進入防止やスピードの抑制、道路と宅地の相互が見通せる生活道路の検討などを進めます。 雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-10 東深沢商店街地区(継続) 商店街がにぎわいとコミュニティの中心となるよう、生活利便施設の集積や建築物の壁面後退などによりオープンスペースの充実、みどりの創出を図ります。 狭あい道路の拡幅整備を促進し、災害に強い安全なまちづくりを進めます。 雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-11 二子玉川駅周辺地区(継続) 広域生活・文化拠点として、にぎわいや魅力、良好な自然環境を維持し、地域活力の増進と地域の発展を図るため、エリアマネジメント等により区民・事業者・区が連携して、駅周辺で一体的なまちづくりの取組みを進めます。 居住者・来街者・就業者等に向けた商業・業務、文化・交流・レクリエーションなどの場づくりを進めるとともに、これらを補完する多様な世代に向けた機能を誘導し、高度利用を含めた街の更なる発展を図ります。 安全で快適にまちなか散策や回遊できる歩いて楽しいウォーカブルなまちづくりを進めます。 多摩川沿いの地区における堤防整備の促進や流域対策推進地区では雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 また、兵庫島公園周辺や二子玉川公園と連続した水際環境の整備など、みどりとみずのネットワークづくりを進めます。 幅員の狭い生活道路における交通安全の課題解決に取り組みます。また、生活利便施設の集積により、にぎわいとコミュニティの充実を図ります。 玉川三丁目地区は、地区まちづくり計画に基づいて老朽建築物の不燃化や区画道路の整備を進めるなど、安全な市街地の形成を図ります。 3-12 用賀駅周辺地区(継続) 駅前を中心に商業・業務機能の集積を図りながら、周辺の住宅地と調和した市街地の形成を図ります。また、隣接する桜新町駅周辺地区と一体となった補助212号線の沿道環境の形成を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 3-13 奥沢一から三丁目等地区(新規) 奥沢1から3丁目等界わい形成地区における風景づくりの方針や基準に基づき、みどりの持つ様々な機能を活かすとともに、これまでの奥沢の街並みを継承する風景づくりを地域住民とともに進めます。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-14 環八沿道地区(継続) 沿道地区計画に基づき、後背地の住宅地との調和を図りながら商業・業務地として誘導するとともに、建築物の不燃化を促進し、みどりと潤いのある良好な沿道の街並みを形成します。 3-15 瀬田五丁目周辺地区(移行2) 地区計画に基づき、区画道路などの都市基盤整備を進めながら、農業公園を中心とした農のある風景の保全とみどり豊かな住宅地の形成を図ります。 3-16 玉川田園調布一・二丁目地区(継続) 地区計画及び地区まちづくり計画に基づき、敷地の細分化防止、壁面線の指定、緑化などを進めるとともに、地域住民と協働してみどり豊かでゆとりのある住宅街の形成を図ります。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 3-17 目黒通り沿道地区(継続) 目黒通りが緊急輸送道路であることなどを踏まえ、地区まちづくり計画に基づき、沿道の建築物の耐震化・不燃化を進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに玉川地域のアクションエリアの地図を掲載しています) ここからは、「第4章 砧地域」になります。 第4章 砧地域 ローマ数字のT.砧地域の概況とまちづくりの主な課題  1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の西部に位置し、主に住宅地が広がる台地と、農地と住宅が混在する多摩川沿いの平地からなります。台地と平地の境には、貴重な湧水や植物、樹林地を持つ国分寺崖線が広がっています。 大正の終わりに成城学園の立地を契機に誕生した成城は、当初より計画的なまちづくりが行われ、にぎわいと落ち着きをあわせ持つ「学園のまち」として発展しました。 比較的古くから大学や映画撮影所、研究所があり、また、世田谷美術館が立地するなど教育・文化施設が多く存在する創造的・文化的環境の整った地域でもあります。 地域内には、区のイメージを代表するみどりと調和した良好な住宅地が広く分布していますが、社宅の廃止や事業所の移転などにより大規模な集合住宅も増えています。  砧地域の町名は、成城、祖師谷、千歳台、船橋、喜多見、宇奈根、鎌田、岡本、大蔵、砧、砧公園です。 (なお、PDFファイル版では、ここに砧地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 水と緑の風景軸である国分寺崖線のみどりをはじめ、砧公園など大規模な公園があり、地域住民一人当たりの公園面積は5地域の中で最も大きく、みどり率も30パーセントを超え最も高い状況にあります。また、区内の生産緑地地区の約4割が本地域にあります。しかしながら、みどり率、生産緑地地区ともに減少しています。 千歳船橋駅から喜多見駅までの各駅周辺には、ウルトラマン商店街をはじめ地域の特性に合った個性的な商店街があり、区民の生活を支えています。 岡本公園民家園や次大夫堀公園民家園では、往時の世田谷の農村風景と生活環境などを再現し、四季折々に様々な催し物を行い、現代に生きる文化財として注目を集めています。 環状8号線が南北に通っているものの、地域内の道路ネットワークはまだ十分に形成されておらず、都市基盤整備が不十分な状況です。 地域の南西部では、東京外かく環状道路の事業が進められており、今後の地区の変化を見据えたまちづくりが求められています。 (3)地域の現況等のデータ  住居系の土地利用面積割合と人口密度が、区内5地域で最も低く、公園系の割合が最も高い地域です。 専用住宅の平均宅地面積は最も大きい状況にありますが、100平方メートル未満の敷地数は過去10年間で27.3パーセント増加しています。また、道路率は増加傾向にあるものの、5地域で最も低い状況となっています。 ●位置・面積・地勢 ・本区の西部に位置し、西側は調布市と狛江市、南側は多摩川を挟んで川崎市に隣接 ・面積は1,354.9ヘクタール、5地域で2位 ・本地域は多摩川低地と武蔵野台地とに大きく分けられ、武蔵野台地を野川や仙川、谷戸川が侵食。野川の左岸側には国分寺崖線が延び、標高差20メートルを超える急傾斜地となっている ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、165,024人、5地域で3位、平成26年比約8,600人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、79,569世帯、5地域で4位、平成26年比約6,500世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、122人パーヘクタール、5地域で5位、平成26年比7人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、2.07人パー世帯、5地域で1位、平成26年比0.07人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、約2,400人増加、推計時点(令和5年)より10年後までの増加人数(見込み) 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、20.9パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には24.1パーセントの見込み(区平均23.0パーセント) ●土地利用 住居系の割合、44.4パーセント、区平均50.4パーセント、5地域で最も低いが、平成23年比1.3ポイント増加 商業系の割合、5.3パーセント、区平均6.2パーセント、平成23年比0.2ポイント減少 工業系の割合、0.8パーセント、区平均0.8パーセント、平成23年比0.5ポイント減少 公園系の割合、9.9パーセント、区平均5.8パーセント、5地域で最も高い、平成23年比0.2ポイント減少 なお、公園系土地利用は、公園のほか運動場など民間施設を含む ●地域資源 ・せたがや百景は、船橋の希望丘公園、祖師谷つりがね池、宇奈根氷川神社 など25箇所 ・地域風景資産は、静嘉堂緑地の自然林、岡本の富士見坂−岡本3丁目の坂、成城の桜並木といちょう並木、成城の富士見橋と不動橋、喜多見・歴史の道・慶元寺・氷川神社界わい など22箇所 ・上記のほか、世田谷美術館、ウルトラマン商店街、野川、仙川、登戸道、筏道 など多くの地域資源がある ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 建築物 棟数密度、39.2棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、5地域で最も低い、平成23年比1.4棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、3,340棟、平成23年比940棟増加 利用建ぺい率、43.3パーセント、区平均47.7パーセント、5地域で最も低い、平成23年比1.1ポイント増加 利用容積率、118.4パーセント、区平均136.6パーセント、5地域で最も低い、平成23年比5.9ポイント増加 宅地 平均宅地面積、273.4平方メートル、区平均230.9平方メートル、5地域で最も大きい、平成23年比19.5平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、163.3平方メートル、区平均143.6平方メートル、5地域で最も大きい、平成23年比18.4平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、6,663敷地、平成23年比27.3パーセント増加 防災 耐火率、64.0パーセント、区平均64.3パーセント、平成23年比3.8ポイント増加 不燃領域率、69.6パーセント、区平均67.8パーセント、平成23年比2.3ポイント増加 木防建ぺい率、15.6パーセント、区平均17.1パーセント、5地域で最も低い、平成23年比1.2ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、4.6棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、5地域で最も低い、平成23年比1.9ポイント減少 みどり みどり率、33.0パーセント、区平均24.4パーセント、5地域で最も高い、平成23年比0.7ポイント減少 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、6.72平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、5地域で最も大きい、平成26年比0.21平方メートルパー人減少 生産緑地面積、31.6ヘクタール、平成23年比8.3ヘクタール減少、5地域で最大の減少率 道路 道路率、15.9パーセント、区平均17.3パーセント、5地域で最も低い、平成23年比0.1ポイント増加 細街路率、28.1パーセント、区平均31.9パーセント、平成23年比6.6ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、40.6パーセント、区平均50.8パーセント 主要生活道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、28.3パーセント、区平均38.3パーセント なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしている 2.まちづくりの主な課題  「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 消防活動が困難とされる区域や近距離の避難が困難とされる区域が多く見られ、区域を含む地区全体の防災性を高めることが必要です。 豪雨時の大規模水害や内水氾濫などの水害に備えた、河川改修や下水道整備のほか、雨水流出抑制施設の設置等の総合的な対応が求められています。 国分寺崖線をはじめ起伏のある地形を有し、がけや擁壁の崩壊による土砂災害を未然に防ぐ対応が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること みどり率は区内5地域のうちで最も高く、みどりとみずが豊かな地域ですが、宅地化の進行等により樹林地や農地など民有のみどりは減少傾向にあり、自然環境の保全や再生への対応が求められています。 人口は10年後まで増加を続ける予測となっており、開発などによる街並みやみどりへの影響を踏まえた対応が求められています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 成城学園前駅周辺地区は主要な地域生活拠点としての役割を担えるよう、地区特性を活かした機能の充実が必要です。 地域生活拠点である祖師ヶ谷大蔵駅周辺地区をはじめ、区民の身近な活動・交流の場となるような拠点については、機能の充実と活性化を図ることが必要です。また、身近に商店街のない地区への対応が必要です。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること 地域資源の魅力を高めるまちをつくるため、本区が誇る自然資源である国分寺崖線の風景や、多摩川沿いに残る世田谷の原風景ともいえる農村風景などの活用が望まれています。 また、多くの埋蔵文化財が発掘され、江戸初期に大名の陣屋が置かれていたことや、学園のまち成城、映画撮影所、世田谷美術館などがあり、このような歴史・文化資源の活用も望まれています。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 都市計画道路や主要生活道路の整備が遅れており、道路率は区内5地域で最も低い状況にあり、各拠点や施設をつなぐ道路や南北交通のネットワークの形成が必要です。 歩行空間の確保やベンチ等の設置による安全性・快適性の向上とあわせて、自転車利用環境の向上が求められています。 コロナ禍の影響による利用者減少など、厳しい状況にある公共交通事業者の状況を踏まえつつ、高齢化の進行を見据えた移動環境の確保・維持が望まれています。 広域からの通過交通による環状8号線や世田谷通り(補助51号線)などの交通渋滞の発生や、住宅地への通り抜け車両の流入が見られ、対応が必要です。 ローマ数字のU.砧地域の目標、骨格と土地利用の方針 1.目標・地域のまちの姿  「世田谷区地域行政推進計画」の砧地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。 災害等に強い安全・安心のやすらぎのあるまち みどり豊かで持続可能なライフスタイルを実現するまち 歴史と伝統を大切にあらゆる世代のにぎわい・交流のあるまち これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 地震や火災、水害など災害に強い市街地が整備された、安全・安心のまち 多摩川緑地、砧公園、国分寺崖線などがもつ、恵まれた自然・生態系を大切にするまち にぎわいと元気あふれるコミュニティの形成された生活拠点と、誰もが利用できる身近なみどりの拠点のあるまち みどりとみずと農の豊かな原風景と、ゆとりある街並みを後世に残すまち 南北方向等の道路が整備され、歩行者や自転車利用者にとって安全で快適に移動できる交通ネットワークが充実したまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン 「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 成城学園前駅周辺地区は、駅西口の駅前広場や砧区民会館、まちの玄関口となる複合的な駅ビルなどが整備され、商業などの機能が充実し、区民の交流の「核」であるとともに地域外に居住する区民も多く利用する拠点として「主要な地域生活拠点」と位置づけています。 祖師ヶ谷大蔵駅周辺地区は、住宅地と駅周辺及び商店街通りの商業地が調和した、安全で暮らしやすいまちづくりを進め、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 千歳船橋駅、喜多見駅の各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 世田谷通り(補助51号線)や地域の中央を南北に貫き、二子玉川駅周辺から成城学園前駅周辺を経由する補助216号線、補助217号線及び多摩堤通りとその沿道などを、「主要生活交通軸」と位置づけています。 砧公園一帯、岡本静嘉堂緑地一帯、成城みつ池緑地一帯などを「みどりの拠点」と位置づけるとともに、みどりに恵まれ、多様な生きものが生息・生育し、みどりとみずの風景が連なった国分寺崖線とその周辺を、「水と緑の風景軸」と位置づけています。 拠点や軸等と位置づける場所について、 生活拠点の主要な地域生活拠点は、成城学園前駅周辺地区 生活拠点の地域生活拠点は、祖師ヶ谷大蔵駅周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、千歳船橋駅、喜多見駅の各周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、砧総合支所周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状8号線とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、補助216号線、補助217号線及び多摩堤通り、世田谷通り(補助51号線)の各道路とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、砧公園一帯、岡本静嘉堂緑地一帯、祖師谷公 園、成城みつ池緑地一帯、成城学園一帯、次大夫堀公園一帯、蘆花恒春園・希望丘公園一帯、外環道東名ジャンクション(仮称)の上部空間及び周辺地域 みどりの拠点及び水と緑の風景軸の水と緑の風景軸は、国分寺崖線とその周辺 みどりの拠点及び水と緑の風景軸の環境保全ゾーンは、多摩川 (2)地域の土地利用の方針 9つに区分した土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。 なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 成城学園前駅の周辺地区は、地域外に居住する区民も多く利用する場として、商業・業務、文化、行政等の機能が充実するよう土地利用を誘導します。 祖師ヶ谷大蔵駅の周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業・業務、行政等の機能が集積し、区民の身近な交流の場となるよう土地利用を誘導します。 千歳船橋駅と喜多見駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業・業務等の機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状8号線の沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 世田谷通り(補助51号線)や補助54号線などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F住商複合地区 世田谷通り(補助51号線)の北側などに見られる住商複合地区は、大学や研究所等の立地を維持します。 G準工業地区 船橋などの準工業地区は、生産環境の保全とともに、住環境との調和を図ります。 H河川環境地区 多摩川及びその河川敷は、自然環境の保全やみどり豊かで水辺に親しめる環境の創出を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに砧地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) ローマ数字のV.砧地域のテーマ別の方針 まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。 地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 延焼遮断帯を構成する都市計画道路の優先的な整備にあわせ、沿道の不燃化を進めるとともに、緑化の推進や空地の確保を進め、延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進めます。 延焼遅延帯として重要な役割を担う主要生活道路の整備を促進します。 幅員8メートル以上の既存道路、鉄道敷・河川、大規模施設用地、大規模な住宅施設、公園・運動場、公共施設、連担する不燃建築物などの既存ストックを活用し、これらをつなげて延焼遅延効果を持つ空間のネットワーク形成を図ります。 防災生活圏内の安全性を向上させる 祖師谷地区などの防災上課題のある地区は、建築物の不燃化や耐震化、地先道路の整備や狭あい道路の拡幅整備、消防水利の確保、ブロック塀の安全対策、管理不全な建築物等の対策などを進めます。 消防活動困難区域を解消するため、地先道路の整備を進め、地域の防災性の向上を図ります。 都市基盤が未整備なまま市街化が進行している地区は、土地区画整理事業や開発行為、建築物の個別建て替えなど、様々な機会を捉えて道路整備に取り組みます。また、地区計画制度を活用し安全性の向上を図ります。 土地区画整理事業を施行すべき区域については、東京都の「周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン」を踏まえ、区画道路率の確保など地域の安全性を高めるまちづくりに取り組みます。 砧公園・大蔵運動公園一帯などの広域避難場所等へのアクセス路としての安全性を高めるため、歩道幅員の確保や、無電柱化などを進めるとともに、広域避難場所等の周辺の地先道路整備に優先的に取り組みます。 復興に備える 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備、防災生活圏内の安全性を向上させるなどの継続的な都市基盤や市街地の整備に取り組むとともに、災害情報の周知や防災機器の設置などの短期的な取組みを並行して行うことで、人の命を守る災害に強いまちづくりに取り組みます。 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 水害や土砂災害を抑制する 河川に近い区域や、浸水被害が想定される地区を中心に豪雨・浸水対策を進めます。 野川や仙川などの治水能力の向上を促進するとともに、グリーンインフラの観点も踏まえ、雨水を貯留浸透させる自然面の確保や、道路・公園、民有地などにおける雨水流出抑制施設の設置を進めます。 国分寺崖線沿いに多く分布する土砂災害特別警戒区域等において、公共施設のがけや擁壁の安全性を確保するため、定期的な巡回点検等により適切な維持管理に努めるとともに、樹林地の保全と両立する斜面保護対策を検討し、対応に努めます。また、土地所有者等への必要な支援に取り組みます。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる みどりを守り育てる 本地域は、国分寺崖線、まとまった農地、公園・緑地等の、みどりの資源に恵まれています。これらを保全するとともに、緑道や街路樹、民有地のみどりなどでネットワークを形成します。 公共公益施設の新築や改築時には、既存樹木を保全し活用するとともに、新たなみどりの創出を図ります。 国分寺崖線や街路樹などのみどりは、適切に維持管理し、暑熱環境を緩和する緑陰の確保に努めるとともに、多様な生きものが生息・生育できるみどり環境づくりに取り組みます。 民間開発や民間住宅などの建築に際しては、緑化地域制度の運用や条例による緑化指導などにより、みどりの保全・創出を図ります。 環状8号線などの幹線道路等の沿道の緑化を進めます。 農地等を生産緑地地区、屋敷林を市民緑地や保存樹林地などに追加指定を進めるとともに、特に野川の西側に広がる農地保全重点地区や国分寺崖線付近の生産緑地地区などでは、農地や屋敷林等を主に都市計画公園・緑地に位置づけるなど、保全を図ります。 みずを守り育てる 多摩川、野川、仙川などのみず資源を保全しつつ、多自然川づくりなどにより、多様な生きものが生息・生育できる水辺環境の再生を図ります。 国分寺崖線などの湧水・地下水の一層のかん養・保全のため、雨水浸透施設の設置を進めるほか、緑地や農地等の自然面を保全・創出し、グリーンインフラの取組みや潤いのある風景づくりに努めます。また、自然のみずとのふれあいの場や、災害時に必要な水の供給源などとして活用します。 地区特性に応じたみどり豊かな住宅地等の整備を進める 開発行為や土地区画整理事業などの機会を捉え、公園・緑地等の設置を進めます。また、開発行為などに伴う宅地内の緑化を進めるため、「世田谷区みどりの基本条例」の届出に際し、必要に応じて緑地協定を誘導します。 国分寺崖線など本地域特有の自然環境や風景を守るため、風致地区制度などを活用し、みどり豊かでゆとりのある住宅地等の形成を図ります。 大規模な住宅団地の建て替えなどにあわせて、地区計画などの手法も活用し、周辺の住環境などに配慮したまちづくりを誘導します。 外環道東名ジャンクション周辺地区では、周辺環境に配慮しながら適正な土地利用を誘導し、みどりとみずとの調和をめざしたまちづくりを進めます。 また、主要生活交通軸となる道路の沿道などでは、日常生活に必要なものが買える商業施設などが立地し、安全・安心で暮らしやすいまちの形成をめざします。 土地区画整理事業を施行すべき区域のうち、土地区画整理事業による整備が困難な地区については、東京都の「周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン」を踏まえ、土地区画整理事業に代わる整備手法の検討を行い、無秩序な市街化を抑制します。 住宅地から排出される二酸化炭素の大部分を占める電気及び都市ガスなどの脱炭素化を推進するとともに、みどり豊かな自然環境の保全や、太陽光発電設備及び蓄電池の設置による災害時の自立電源の確保等、様々な地域課題をあわせて解決していくことで持続可能な地域づくりに取り組みます。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる 活力ある生活拠点とする 主要な地域生活拠点である成城学園前駅周辺地区は、おしゃれでみどり薫る拠点とするため、駅周辺の活力ある商業地と閑静で良好な住宅地の双方が調和し、風景に配慮したまちづくりを進めます。 地域生活拠点である祖師ヶ谷大蔵駅周辺地区は、まちのにぎわいに満ちた拠点とするため、風景に配慮した地域のコミュニティの場となるような商店街の形成を進めます。 地区生活拠点である千歳船橋駅と喜多見駅周辺地区は、地区の交流の場となる拠点とするため、区民の日常生活に必要な環境を確保するとともに、身近なコミュニティの場としての機能を誘導します。 身近に商店街がない地域の利便性の向上のため、幹線道路や地区幹線道路の沿道等では周辺環境に配慮しながら、生活利便施設の誘導を図ります。 誰もが利用できるみどりの拠点とする 砧公園一帯は、みどり、文化、スポーツなどの様々な機能の施設整備を進め、誰もが利用できる魅力あるみどりの拠点とします。 砧公園一帯などのみどりの拠点で行われているみどりを守り育てる活動を活性化し、みどりの豊かさを実感できる機会や場づくりを推進します。 活力ある産業環境とする 環状8号線沿道や世田谷通り(補助51号線)の一部沿道は、敷地や街区の規模、後背地の住環境などに配慮しながら、魅力ある沿道型商業・業務・サービス施設等の立地を進めます。 船橋五・六丁目の準工業地区は、生産環境の保全とともに住環境と調和した住工共存のまちづくりを進めます。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 自然資源の魅力を高める 国分寺崖線の緑地や湧水などの自然環境は、多様な生きものを育む場として、また貴重な地域風景資産の一部として、後世に残していけるよう保全します。また、民有樹林地や水辺についても、公有化に努め、公園・緑地とすることで、自然資源の確保を進めます。 住宅地においては、垣・さくの緑化、敷地内の緑化を進めるとともに、保存樹木・保存樹林地の保全に努め、みどりの保全・創出を図ります。 みどりとみず及び農のある風景が多く残る地区では、自然や生態系を大切にし、国分寺崖線や農地の保全、環境共生等に係る、世田谷・みどりのフィールドミュージアムなどの活用により、身近なみどりとみずの魅力に触れることのできる学習・体験の場を提供します。 風景の魅力を高める 水と緑の風景軸(国分寺崖線とその周辺)や風致地区に指定されている地域をはじめ、地域の豊かな地形やみどりなどの風景特性を活かした個性ある風景づくりをめざします。特に喜多見や宇奈根に多く分布する遺跡や寺社等の良好な樹林地を保全し周辺の風景の魅力を高めます。 農地が比較的まとまって残っている地区は、農地を都市の貴重な資源と捉え農のある風景として保全に努めます。 まちの骨格となる幹線道路等の沿道緑化や街並みの統一などの風景づくりを進めます。また、古道や水辺、緑道等は、舗装材の工夫などにより風景づくりを進めます。 次大夫堀公園や岡本静嘉堂緑地などの整備改修の際は、その周辺地域の風景づくりを大切にする考え方で取り組みます。 喜多見地区などには、世田谷の原風景ともいうべき、社寺やみどり豊かな農地、古道などが残っており、こうした資産を活かしたまちづくりを進めます。 富士山への眺めを多くの人が楽しむことができる岡本の富士見坂などの景観重要公共施設や、世田谷を特徴づける風景と感じられる場所は、地域住民との連携により保全や整備などに取り組みます。 地域資源を有効活用する 大規模な土地利用転換の際は地区計画制度を活用して、まとまったみどりの創出や沿道のみどりの保全・創出、公開空地の整備などを進めます。 東名ジャンクション(仮称)の整備に伴い創出される上部空間等の利用については、殿山遺跡等の記憶の継承や次大夫堀公園と野川の連携、国分寺崖線からのみどりのネットワークなど、砧の原風景である地域特性を踏まえた有効活用を図ります。 民家園や学園のまち成城、映画撮影所、世田谷美術館など地域の歴史・文化資源を活かした魅力あるまちづくりを進めます。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める 道路や公園、河川・水路・緑道等を活用し歩行空間を確保するとともに、ベンチ等の設置に取り組むことで、安全で誰もが楽しいウォーカブルなまちづくりを進めます。 広幅員の道路が少ない砧地域において、自転車で安全かつ快適に通行できるよう自転車利用環境の改善を図ります。 各拠点や施設をつなぐ 各拠点や主要施設をつなぐ地区幹線道路や主要生活道路の整備促進のため、計画的かつ継続的な取組みを進めます。 南北方向の交通渋滞の解消と主要生活交通軸の形成のため、これを構成する都市計画道路等の整備にあわせ、交通ネットワークの形成を図ります。また、沿道では地域間交流のシンボル軸としての風景の質の向上や緑化などを進めます。 新たなモビリティを活用したコミュニティ交通の実証運行など、公共交通不便地域の移動環境の改善につなげ、誰もが快適に移動ができるまちづくりを進めます。 交通環境の質を高める 駅周辺や日常生活の主要な動線となる道路は、ユニバーサルデザインの視点に立った整備・改善を進めます。 東京外かく環状道路(東名高速から湾岸道路間)をはじめとする広域的な道路ネットワークの形成を促進し、環状8号線や世田谷通り(補助51号線)の渋滞解消、住宅地等への流入抑制や安全性確保に向けた取組みを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに砧地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.砧地域のアクションエリアの方針              地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 4-1 成城学園前駅周辺地区(移行1) 主要な地域生活拠点の実現に向けて、駅周辺の活力ある商業地と良好な住宅地の双方が調和したまちづくりを、駅周辺の関係団体等と連携しながら進めます。また、脱炭素化や誰もが楽しいウォーカブルなまちづくりに取り組みます。 駅西口交通広場や駅前小広場の整備、駅周辺の既存道路や歩行空間の改良等を行い、安全で快適な歩行者環境整備のまちづくりを進めます。 4-2 祖師谷一丁目地区(新規) 耐火性の低い建築物が密集するとともに、災害時の活動に有効な空間が不足している地区において、建築物の不燃化など防災機能の向上を図り、地区の安全性を高めるまちづくりに取り組みます。 4-3 祖師谷五・六丁目地区(新規) 耐火性の低い木造建築物などが密集している地区において、延焼被害の防止、建築物の不燃化の促進等により、地区内の防火性を高める安全・安心なまちづくりに取り組みます。 4-4 外環道東名ジャンクション周辺地区(継続) 区画道路などの都市基盤整備にあわせ、安全・安心で利便性の高い土地利用を図るとともに、誰もが移動しやすく生活環境の心地よいみどり豊かな市街地の形成、周辺地区と連続する野川沿いのみどりとみずのネットワークなどの充実を図ります。 また、主要な道路沿道での生活利便施設や東京外かく環状道路の上部利用等と沿道の事務所・店舗等が一体となった利便性が高く、地域交流を育むまちづくりに取り組みます。 東名ジャンクション(仮称)の整備に伴い創出される上部空間等の活用については、高速道路や関連施設の事務所などとのゾーン区分を調整しつつ、緩衝緑地帯の整備を図るとともに、憩いの公園や運動施設などの地域コミュニティの場の創出、防災機能の確保などに向けた整備を進めます。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 4-5 大蔵地区(継続) 国分寺崖線の自然環境の保全や良好な居住環境の維持のため、国分寺崖線に配慮した住宅の誘導、道路・公園等の都市基盤整備を進め防災機能及び生活利便性の高い安全・安心なまちづくりを進めます。 4-6 大蔵三丁目地区(移行2) 国分寺崖線の自然環境の保全とスカイラインに配慮した街並みの形成及び周辺の居住環境に配慮したまちづくりを進めます。 広域避難場所としての防災機能の向上を図るとともに、快適な歩行者空間や便利で安全な道路ネットワークの形成のための整備を進めます。 4-7 鎌田一丁目地区(継続) みどりの確保と狭あい道路の解消などを行い、みどり豊かで防災性の高いまちづくりを進めます。 流域対策推進地区として、雨水流出抑制施設設置の促進や豪雨対策を推進し、水害を抑制するまちづくりを進めます。 4-8 環八沿道地区(継続) 沿道地区計画に基づき、後背地の住宅地との調和を図りながら商業・業務地として誘導するとともに、建築物の不燃化を促進し、みどりと潤いのある良好な沿道の街並みを形成します。 4-9 喜多見駅周辺地区(継続) 地区生活拠点の実現に向けて、駅周辺の商業地と良好な住宅地の双方が調和したまちづくりを進めます。 4-10 砧一・三丁目地区(継続) 地区の防災性の向上を図るとともに、安全で快適かつ文化的な住環境及び周辺環境と調和したまちづくりを進めます。 広域避難場所である砧公園・大蔵運動公園一帯への避難経路の確保や歩行者の安全性の向上のため、区画道路や歩行空間の整備を進めます。 4-11 砧三・五丁目世田谷通り沿道地区(継続) 世田谷通りの商店街として、土地の合理的かつ健全な高度利用と広域避難場所への安全な避難路の形成を図るまちづくりを進めます。 4-12 成城一から九丁目地区(移行2) 良好な住環境・自然環境の維持保全を基本とし、みどりとゆとりに包まれた成城らしい街並みを継承したまちづくりを進めます。また、脱炭素化など持続可能なまちづくりに取り組みます。 4-13 成城八丁目地区(継続) より高い水準の住環境を実現するため、みどり豊かで良好な住宅地を保全・形成します。 4-14 祖師ヶ谷大蔵駅周辺地区(継続) 地域生活拠点の実現に向けて、住宅地と駅周辺及び商店街通りの商業地が調和した暮らしやすいまちづくりと、道路拡幅や交差点改良などにより防災機能を高める安全なまちづくりを進めます。また、駅周辺における建築物の共同化など、まとまった土地利用転換が行われる際には、土地の有効利用を図りつつオープンスペース等の確保による回遊性の向上や、商業・業務等の機能が集積した賑わいの創出を図ります。 商店街通りは、買い物空間の確保や無電柱化などを推進し、歩行者にとって安全で快適な交通環境となるよう整備を進めます。 4-15 祖師谷二丁目地区(移行2) 住宅団地の建て替えにあわせ、地域に必要な道路や公園などの都市基盤の整備を進めるとともに、グリーンインフラ施設の整備や樹木保全、オープンスペースの確保を誘導するなど、地域における利便性や防災性を強化し、隣接する住宅地と調和するみどり豊かなまちづくりを進めます。 4-16 千歳台六丁目地区(継続) 地区内の防災性の向上を図り、安全・安心なまちづくりを進めます。 土地区画整理事業が完了した区域については、土地区画整理事業の効果を維持しつつ、建築物の誘導など良好な住環境のあるまちづくりを進めます。 4-17 千歳船橋駅周辺地区(継続) 地区生活拠点の実現に向けて、駅周辺商店街の活性化を図るとともに、周辺住宅地と調和し、防災機能を備えた活力があり快適に生活できる魅力あるまちづくりを進めます。 4-18 宇奈根地区、大蔵・岡本・鎌田地区、大蔵・喜多見地区、喜多見・成城地区、喜多見地区、喜多見北部地区、成城地区、祖師谷地区、千歳台地区(継続) みどり豊かな住環境を生み出すとともに、農地などの自然環境を保全・育成し、農地と住宅地が共存するまちづくりを進めます。 土地区画整理事業が完了した区域については、土地区画整理事業の効果を維持しつつ、建築物の誘導など良好な住環境のあるまちづくりを進めます。 4-19 宇奈根西部地区、宇奈根東部地区、打越地区、鎌田前耕地地区、喜多見南部地区、喜多見東住宅地区、喜多見宮之原住宅地区、砧五丁目地区、成城四丁目住宅地区、田直地区、千歳台二丁目住宅地区(継続) 地区計画に基づき、土地区画整理事業の効果を維持しつつ、建築物の誘導など良好な住環境のあるまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに砧地域のアクションエリアの地図を掲載しています) ここからは、「第5章 烏山地域」がはじまります。 第5章 烏山地域 ローマ数字のT.烏山地域の概況とまちづくりの主な課題 1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の北西部、武蔵野台地のほぼ南端に位置し、仙川、烏山川の流れがつくる小さな起伏はあるものの、比較的平坦な台地となっています。 大正4年(1915年)の京王線開通以降、郊外住宅地としての開発により人口が増加し、駅周辺を中心に発展し続けていますが、現在も、農地や宅地のみどりが見られ、武蔵野の自然豊かな風情が残っています。 北烏山には、関東大震災後、都心部から移転してきた寺院が集まった「烏山寺町」と呼ばれる地区があります。また、芦花公園駅周辺は、文豪徳冨蘆花が移り住んだ「蘆花恒春園」や「世田谷文学館」があり、歴史と文化の薫り高い地区となっています。 昭和23年(1948年)に京王線の駅周辺を除く過半の地域に対し、緑地と農地保全を目的とした緑地地域が決定されました。その後、昭和44年(1969年)に緑地地域が廃止され同時に「土地区画整理事業を施行すべき区域」として決定され、その多くが未施行のまま現在に至っています。 烏山地域の町名は、上北沢、八幡山、上祖師谷、粕谷、給田、南烏山、北烏山です。 (なお、PDFファイル版では、ここに玉川地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 東西に京王線が通り、都心へのアクセスは便利ですが、南北交通の不足や開かずの踏切により、相互の交流・交通が遮断されています。その解消を目的とした京王線の連続立体交差事業により、一部側道の整備や高架橋の構築が進められています。 広域的な幹線道路として甲州街道(国道20号)と環状8号線が整備されており、地域全体の道路ネットワークの形成に向けて、補助54号線整備などの都市計画道路整備事業などが進められています。 みどり率は、区の平均をやや上回っていますが、生産緑地面積がこの10年で16.6パーセント減少するなど、民有地のみどりが減少しています。 区民の憩いの場である蘆花恒春園や祖師谷公園があり、またこの10年で松沢病院脇の将軍池広場、キューズガーデン内にある給田松の香公園などが整備されました。しかし、地域住民一人当たりの公園面積は、区全体の平均を下回っているため、(仮称)北烏山七丁目緑地の整備など、引き続き計画的に公園整備を進めています。 千歳烏山駅周辺の商業地域は身近な日用品店や飲食店などが多く、生活の利便性を高めています。烏山区民センターとその前の広場を利用した地域のイベントが積極的に開催され、年間を通してにぎわいが見られます。 (3)地域の現況等のデータ 住居系の土地利用面積割合は平成23年(2011年)時点では、砧地域に次いで2番目に低いものの、区内5地域で過去10年間の変化量が最も多く、1.7ポイント増加しています。公共系に変化はなく、5地域で最も高い割合を占めています。 道路率は区平均より低いものの、過去10年間で0.3ポイント増加しました。また、細街路率は6.7ポイント減少し、砧地域に次いで3番目に低い割合です。一方で、主要生活道路の整備率は5地域で最も低く、都市計画道路の整備率も区平均を下回っています。 ●位置・面積・地勢 ・本区の北西部に位置し、北側は杉並区、西側は三鷹市と調布市に隣接 ・面積は771.5ヘクタール、5地域で5位 ・本地域は武蔵野台地上に位置し、地域のほとんどが標高40メートル以上、北西端では50メートルを超える高台となっている ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、119,968人、5地域で5位、平成26年比 約6,100人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、64,861世帯、5地域で5位、平成26年比 約5,900世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、156人パーヘクタール、5地域で5位、平成26年比 9人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、1.85人パー世帯、5地域で3位、平成26年比 0.08人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、約100人増加、推計時点(令和5年)より10年後までの増加人数(見込み) 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、21.0パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には23.8パーセントの見込み(区平均23.0パーセント) ●土地利用 住居系の割合、48.3パーセント、区平均50.4パーセント、平成23年比1.7ポイント増加し、玉川地域を抜く 商業系の割合、5.3パーセント、区平均6.2パーセント、平成23年比0.4ポイント減少 公園系の割合、6.0パーセント、区平均5.8パーセント、平成23年比0.2ポイント増加 なお、公園系土地利用は、公園のほか運動場など民間施設を含む 公共系の割合、11.5パーセント、区平均9.9パーセント、5地域で最も高い、平成23年比変化なし ●地域資源 ・せたがや百景は、烏山西沢つつじ園、旧甲州街道の道筋、上北沢の桜並木 など13箇所 ・地域風景資産は、烏山寺町、蘆花恒春園花の丘、祖師谷公園 など15箇所 ・上記のほか、徳富蘆花旧宅、烏山川、水無川、仙川、瀧坂道、光風亭、蒼梧記念館 など多くの地域資源がある ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 建築物 棟数密度、41.6棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、平成23年比1.1棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、2,128棟、平成23年比 662棟増加 宅地 平均宅地面積、254.9平方メートル、区平均230.9平方メートル、平成23年比12.9平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、136.9平方メートル、区平均143.6平方メートル、平成23年比12.6平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、5,994敷地、平成23年比24.7パーセント増加 防災 耐火率、61.0パーセント、区平均64.3パーセント、平成23年比2.9ポイント増加 不燃領域率、66.2パーセント、区平均67.8パーセント、平成23年比2.2ポイント増加 木防建ぺい率、17.3パーセント、区平均17.1パーセント、平成23年比0.7ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、6.7棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、平成23年比 2.4棟パーヘクタール減少 みどり みどり率、25.1パーセント、区平均24.4パーセント、平成23年比0.7ポイント減少 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、2.08平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、平成26年比0.05平方メートルパー人増加 生産緑地面積、21.1ヘクタール、平成23年比4.2ヘクタール減少 道路 道路率、17.0パーセント、区平均17.3パーセント、平成23年比0.3ポイント増加 細街路率、33.9パーセント、区平均31.9パーセント、平成23年比6.7ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、40.4パーセント、区平均50.8パーセント 主要生活道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、12.5パーセント、区平均38.3パーセント、5地域で最も低い なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしています 2.まちづくりの主な課題  「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 主要生活道路の整備率は区内5地域の中で最も低く、都市計画道路も区平均を下回っており、震災時における避難路や延焼遮断等機能の確保等により地区全体の防災性の向上が課題となっています。 宅地の細分化による住宅などの密集化が進行し、災害時の延焼被害を拡大させないまちづくりが求められています。 細街路率は、依然として区平均より高く、円滑な消防活動等のための市街地形成が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること みどり率は区の平均をやや上回っているものの、樹林地や農地などのみどりの減少が見られるため、みどりの保全や創出が課題となっています。 相続等による宅地の細分化や大規模な開発などによるみどりの減少を防ぎ、ゆとりのあるみどり豊かな住宅地の維持、保全を図っていくことが望まれています。 大規模な住宅団地が点在し、老朽化の進行とともに居住環境の改善を図っていくことが望まれています。 道路、公園等の都市基盤が未整備なまま宅地開発などが進行した地区もあることから、道路、公園・緑地等の計画的な整備が課題となっています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 駅周辺地域において、商業・交流機能を充実させるなど、にぎわいとコミュニティの中心となるまちの形成を図ることが求められています。 京王線の連続立体交差事業や駅前広場整備により、駅前商店街の分断、回遊性の阻害、公共交通の分散などを解消し、にぎわいの形成を図ることが求められています。 区民の身近な活動・交流の場となる公園等が不足する地区もあることから、計画的な整備と活用が望まれています。 買い物動線となる狭い道路への自転車や自動車の流入により、歩行者の安全性や快適性が損なわれており、都市の骨格となる道路ネットワークの整備を計画的に進めることが望まれています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること 蘆花恒春園や烏山寺町などの歴史的資産が点在しており、地域資源としての活用が望まれています。 みどり率が減少している中、樹林地や農地などの自然資源を守りながら地域資源として、活用が望まれています。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 地区幹線道路や主要生活道路の整備の遅れ、公共交通不便地域における交通弱者の移動手段の確保、歩道と車道の段差をはじめとするまちなかのバリアの存在など、誰もが安全・快適に移動できる環境が整っていないことが課題となっています。 地区の基幹となる道路の整備が遅れ、住宅地内の生活道路に通過交通が流入することから、快適に移動できる歩行空間、自転車利用環境及び交通安全への取組みが望まれています。 地域分断などの原因となる開かずの踏切の解消に向け、京王線の連続立体交差事業が進められており、それに伴い駅周辺において快適に移動できるまちづくりが求められています。 ローマ数字のU.烏山地域の目標、骨格と土地利用の方針 1.目標・地域のまちの姿 「世田谷区地域行政推進計画」の烏山地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。 武蔵野の面影を残す自然と文化の落ち着きの中で安心と安全をともにつくるまち 地域がつくる、活気あふれるにぎわいと笑顔のあるまち あらゆる世代がいきいきと元気で暮らせるこころのふるさと烏山 これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 地域の軸となる主要な道路整備を通じて、誰もが安全で快適に移動でき、災害時に延焼遮断や延焼遅延、避難路確保等が可能な災害に強いまち 農地や屋敷林の保全と、公園等の整備や民有地の緑化を進め、無秩序な市街地開発を抑制した、武蔵野の面影が残るまち 大規模な住宅団地の建て替えなどに際し、自然環境と調和した道路や公園、公共公益施設等の整備を進め、新たなコミュニティの拠点を創出していく住みやすいまち 烏山寺町のたたずまい、蘆花恒春園、文学館などを核とした歴史と文化、風土が調和した魅力あるまち 京王線の連続立体交差事業や周辺道路の整備などを通じて、南北の交流と人々が集う魅力あふれるまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン  「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 千歳烏山駅周辺地区は、京王線の南北両側にそれぞれ商店街が密度高く広がり、商業・サービス、交流などの機能が充実し、区民の交流の「核」であるとともに地域外に居住する区民も多く利用する拠点として「主要な地域生活拠点」と位置づけています。 上北沢駅、八幡山駅、芦花公園駅の各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 地域の中央を南北に貫き、成城学園前駅周辺から千歳烏山駅周辺に至る補助216号線とその沿道を、「主要生活交通軸」と位置づけています。 大規模公園である蘆花恒春園・希望丘公園一帯、祖師谷公園や、烏山寺町一帯、給田一丁目一帯、松沢病院の中にあるまとまりのあるみどりを「みどりの拠点」と位置づけています。 拠点や軸等と位置づける場所について、 生活拠点の主要な地域生活拠点は、千歳烏山駅周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、上北沢駅、八幡山駅、芦花公園駅の各周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、烏山総合支所周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状8号線と甲州街道(国道20号)の各道路とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、補助216号線、補助217号線の一部とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、烏山寺町一帯、蘆花恒春園・希望丘公園一帯、 祖師谷公園、給田一丁目一帯、松沢病院 (2)地域の土地利用の方針 9つの区分のうち、該当する7つの区分の土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 千歳烏山駅の周辺地区は、地域外に居住する区民も多く利用する場として、商業や交流等の機能が充実するよう土地利用を誘導します。 上北沢駅、八幡山駅、芦花公園駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業等の機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 旧甲州街道沿いや住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状8号線と甲州街道(国道20号)の沿道は、集合住宅や事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 補助54号線、補助215号線、補助216号線などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F準工業地区 八幡山二丁目などの準工業地区は、供給処理施設の機能を維持するとともに、周辺の住環境との調和を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに烏山地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) V.烏山地域のテーマ別の方針               まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。  地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 補助54号線などの延焼遮断帯を構成する都市計画道路の整備にあわせ、沿道の不燃化を進めます。 延焼遅延帯として重要な役割を担う主要生活道路の整備を進めます。 防災生活圏内の安全性を向上させる 木造建築物が密集し防災上課題のある地区では、建築物の不燃化や耐震化、緊急時・災害時に活用される道路の整備に向けた取組みを地区の住民とともに進めます。 地区内に公園や広場等を整備する際に、防災活動の拠点として、消防水利の整備などを進めます。 消防活動困難区域を解消するため、地先道路の整備を進め、地域の防災性の向上を図ります。 復興に備える 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 災害時の拠点機能を強化する 烏山総合支所が災害対策拠点であることを踏まえ、災害対策機能を強化するとともに、公共施設の再編等も視野に、更なる機能強化を図ります。 水害を抑制する 浸水被害を軽減するため、グリーンインフラの観点も踏まえた雨水流出抑制施設の設置を進めます。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる みどりとみずを守り育てる 民有地のみどりが多く残る住宅地では、市民緑地・特別緑地保全地区など各種制度の活用や、地域ぐるみの緑化推進により、脱炭素地域づくりにもつながるみどりのまちづくりを進めます。 環境保全や雨水浸透などの多面的な機能を有する貴重な資産であり、都市にあるべきものとして位置づけられた農地について、区民の理解・関心を高めるとともに、農地保全重点地区における農業公園の整備などの保全策を進めていきます。また、宅地化に際しては環境負荷の低減や緑化に配慮した適切な開発の誘導を進めます。 烏山寺町一帯などのみどりの拠点と水辺や緑道等を中心とした、地域内のみどりが連続するよう、公共公益施設や宅地内の緑化を進め、良好な市街地環境の形成を図り、グリーンインフラとしての活用も推進します。 武蔵野の面影を残す住みやすい住環境を確保する 地区計画制度などの活用により、地区の特性に応じた区画道路等の整備や敷地面積の最低限度の規制などを誘導し、より良い住環境の維持・保全に取り組みます。 建て替えが見込まれる比較的大規模な住宅団地は、周辺環境や周辺地域への貢献を誘導し、優良な住宅の創出やオープンスペースの確保、緑化などについて、適切な誘導を進めます。 大規模敷地の建て替えや土地利用転換では、都市基盤整備や公園・公開空地の整備、緑化等の環境配慮を誘導します。 土地区画整理事業を施行すべき区域内で、農地の宅地化や開発による市街化が進行した地区では、東京都の「周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン」を踏まえ、土地区画整理事業に代わる整備手法の検討を行い、無秩序な市街化を抑制します。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる 区の北西部を支えるにぎわいとコミュニティの中心となるまちをつくる 主要な地域生活拠点である千歳烏山駅周辺地区は、鉄道の南北両側にそれぞれ複数の商店街が密度高く広がっていることや、多目的な活動に利用できる広場と一体となった烏山区民センターが駅前に立地していることなどを活かし、商業の誘導や、交流機能などの充実を図るとともに、誰もが利用できるようユニバーサルデザインによる整備を進め、本区の北西部を支えるにぎわいとコミュニティの中心となるまちを形成します。 京王線沿線各駅で、にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める 京王線の各駅周辺地区は、連続立体交差事業の進捗にあわせ、地区まちづくり協議会など区民主体のまちづくりの活動を支援しながら、沿線まちづくりの気運醸成に取り組みます。 また、側道や駅前などが整備された後のまちの姿を見据えて、地区特性にあわせて、駅周辺のにぎわい形成や安全・快適な歩行空間などの街並みの改善などを進めます。 身近に公園等の活動・交流の場をつくる 人々が集う公園・緑地・オープンスペースなどの活用により、区民にとって身近な活動・交流の場づくりを進めます。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 風景の魅力を高める 烏山寺町などの歴史的資産と屋敷林や社寺林、松沢病院周辺などのみどりの資産がある地区では、まちの魅力を高めるため、区民周知に努めるとともに、地域住民が地域の資産を守り・育て・つくるための活動を支援します。 地域資源を有効活用する 公園や水路などの身近な地域資源を活かし、親しみやすい地域の空間づくりを通じ魅力を高めます。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 公共交通の安全性・利便性や快適性を高める 京王線の連続立体交差事業にあわせ駅前広場を整備するとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして、駅周辺地区を一体とした沿線まちづくりを進めます。 地区の生活道路の整ったまちをつくる 主要生活道路や地先道路の整備を進めることにより、地区内の移動の利便性の向上を確保します。 誰もが安全・快適に利用できる交通基盤とする 道路整備や駅周辺の拠点整備に際して、公共交通の導入可能な環境や自転車走行環境などを整え、安全で快適な移動の実現とあわせて、歩行者と自転車利用者の安全性の向上に取り組むとともに、座れる場づくりなど、居心地が良く歩きたくなるまちづくりに取り組みます。 (なお、PDFファイル版では、ここに烏山地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.烏山地域のアクションエリアの方針            地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 5-1 上祖師谷三丁目地区(新規) 耐火性の低い木造建築物などが密集している地区において、延焼被害の防止、建築物の不燃化の促進等により、地区内の防火性を高める安全・安心なまちづくりに取り組みます。 5-2 烏山北住宅・烏山松葉通り住宅地区(継続) 地区計画に基づき、延焼遮断機能の確保などの防災性の高い市街地の形成、安全で快適な道路・歩行者ネットワークの形成に向け、まちづくりを進めます。 コミュニティの拠点として地域に親しまれる公園・広場を確保するとともに、周辺環境と調和した市街地の形成をめざします。 5-3 北烏山七丁目地区(岩崎学生寮周辺地区)(継続) 烏山寺町一帯のみどりの拠点として、みどりを保全・創出するとともに、生物多様性に配慮した生きものの拠点をつくります。 多世代の地域住民が活動・交流できるよう、みどりを活かした地域の防災性を高めるとともに、各種施設を適切に配置することで、安全・安心して集うことができる基盤整備を図ります。 5-4 京王線沿線(新規) 南北・東西のつながりによる街の回遊性・快適性の向上をめざし、にぎわいと交流の軸を育むまちづくりを進めます。 5-5 千歳烏山駅周辺地区(地区計画区域)(継続) 駅周辺の整備とあわせ、商店街への通過交通の流入を抑制し、歩きやすく回遊性のある商業環境の魅力アップを図り、安全で快適な歩行者空間の整備を進めます。 整備を進める都市計画道路の補助216号線と駅前広場周辺は、市街地再開発事業との連携により整備を進め、地権者の生活再建と、まちの玄関口として防災力や交通結節機能の強化を図り、京王線の連続立体交差事業を契機とした南北の回遊性向上の拠点として、歩行者空間や広場を創出し、主要な地域生活拠点にふさわしい活気とにぎわいづくりを進めます。 安全で快適な歩行者空間の整備とともに、人々の交流のため、駅周辺の公共施設の再編等、施設の充実も図ったまちづくりを進めます。 5-6 八幡山三丁目地区(八幡山団地地区)(継続) 広域避難場所としての機能の維持・向上のため、公園、緑地等のオープンスペースの整備を進めます。 みどり豊かで良好な住環境の形成及び保全を図ります。 住宅団地のみどりなどを活かした、みどりのネットワークの形成及び保全を図ります。 コミュニティの拠点として地域に親しまれる公園・広場を確保するとともに、周辺環境と調和した市街地の形成をめざします。 5-7 補助54号線沿道地区(補217以西)(新規) 都市計画道路の補助54号線の整備にあわせ、周辺の地区計画、都市計画道路・主要生活道路の整備状況や地区の課題・特性等も踏まえながら、沿道の建築物の不燃化や土地利用の誘導など、沿道のまちづくりを検討します。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 5-8 粕谷二丁目・南烏山一丁目地区(継続) 地区計画に基づき、みどり豊かで良好な住環境の形成及び保全を図ります。 5-9 上北沢駅周辺地区(継続) 京王線の連続立体交差事業にあわせ、駅前環境の整備改善と商店街の商業環境の充実を図り、コミュニティの場となる地区生活拠点を形成します。 桜並木を含む民有地のみどりを保全・創出し、みどり豊かな住宅地の形成を図ります。 5-10 上北沢二丁目地区(松沢病院地区)(移行2) 周辺の住環境と調和を図りながら、病院のみどりや外周の公園・広場が連続したみどり豊かな、安全で快適な歩道などを維持・保全します。 5-11 上祖師谷四丁目地区(継続) 地区計画に基づき、みどり豊かで良好な住環境の形成及び保全を図ります。 5-12 烏山西団地地区(移行2) 防災性に優れた安全で安心できる市街地の形成や、地域に親しまれるみどり豊かで良好な住環境の形成をめざします。 地域の生活道路をつなぐ便利で安全な道路ネットワークの形成をめざします。 5-13 環八沿道地区(継続) 沿道地区計画に基づき、後背地の住宅地との調和を図りながら商業・業務地として誘導するとともに、建築物の不燃化を促進し、みどりと潤いのある良好な沿道の街並みを形成します。 5-14 北烏山二丁目北部地区(継続) 地区計画に基づき、みどりを重視した街並みと周辺市街地に配慮した定住性の高い住宅地の形成を図ります。 5-15 北烏山三丁目地区(継続) 地区まちづくり計画に基づき、農地を保全し、みどり豊かな快適で安全な市街地を形成するよう誘導します。 5-16 北烏山九丁目地区(継続) 地区まちづくり計画に基づき、道路・公園等の整備を進め、みどり豊かな住環境のあるまちづくりを進めます。 5-17 給田一丁目地区(第一生命グラウンド周辺地区)(移行2) 広域避難場所としての機能維持・向上を図るとともに、都市計画道路の補助217号線・主要生活道路122号線(六所神社前通り)の整備に際し、地区内の防火性を高める安全・安心なまちづくりに取り組みます。 引き続き、みどり豊かで良好な住環境を維持するとともに、地区内外の移動の利便性の向上を図ります。 5-18 千歳烏山駅周辺地区(地区計画区域外)(移行2) 道路が狭く、戸建て住宅や集合住宅が混在する地区は、街並みや住環境の改善を図るとともに、道路と街区が整備されたみどり豊かな地区は、落ち着きのある住宅地として街並みの維持・保全を図ります。 5-19 千歳通り北部沿道地区(継続) 地区計画に基づき、住宅と商業、業務等が調和した防災性の高い市街地環境の形成や、みどり豊かで潤いのある良好な街並み景観の形成、安全で快適な歩行者空間の確保などを図るとともに、周辺の道路整備に伴う交通環境の変化や区民意識の高まり等を捉えて新たなまちづくりにつなげていきます。 5-20 補助54号線沿道地区(補216から補217)(新規) 周辺の住環境との調和や道路整備の状況等も踏まえながら、沿道の不燃化や土地利用など、沿道のまちづくりを進めます。 5-21 芦花公園駅周辺地区(移行2) 日常生活の利便に資する商業環境の充実を図り、地区住民や来訪者の活動・交流の場として地区生活拠点を形成します。 防災性の高い市街地環境を形成するとともに、良好な住環境を保全し、地域の文化・歴史的資産、豊かなみどりなど、地域の魅力を活かしたコミュニティを育むまちづくりを進めます。 5-22 粕谷・南烏山地区、上北沢・桜上水・八幡山地区、上北沢地区、上祖師谷・給田地区、北烏山・給田地区、北烏山東部地区、北烏山南部地区、北烏山北部地区(継続) 地区計画に基づき、みどり豊かな住環境を生み出すとともに、農地などの自然環境を保全・育成し、農地と住宅地が共存するまちづくりを進めます。 5-23 北烏山七丁目住宅地区、大道北地区(継続) 土地区画整理事業の効果の維持増進を図り、北烏山七丁目住宅地区については、建築物の誘導など良好な住環境のあるまちづくりを進め、大道北地区においては、農地と住宅が調和したみどり豊かな市街地の形成を誘導します。 (なお、PDFファイル版では、ここに烏山地域のアクションエリアの地図を掲載しています) ここからは、「終章」になります。 終章  区民主体の身近なまちづくりを進めるために ローマ数字のT.地域のまちづくりにおける都市整備方針の位置づけ 世田谷区では、区役所のほかに5つの地域に総合支所、28地区にまちづくりセンターを設置し、地域の実情や区民の声を受け止め、きめ細かな行政サービスやまちづくりを行う「地域行政制度」を平成3年(1991年)から導入しています。令和4年(2022年)には、区政運営の基盤である地域行政制度について、地区がその要となるよう改革することを目的に「世田谷区地域行政推進条例」(これより、「推進条例」と省略します。)を制定しました。 また、「推進条例」に基づき令和6年(2024年)3月には「世田谷区地域行政推進計画」を策定し、地域行政の推進に関する施策等を進める上で基本的な考え方と施策の方向性、具体的取組み等を示しました。 「地域整備方針(後期)」における身近なまちづくりは、「世田谷区地域行政推進計画」との整合を図り、実施するとともに、「世田谷区実施計画」や分野別整備方針・計画の行動計画等に基づき進行管理を進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに世田谷区地域行政推進計画との関連性の図を掲載しています) ローマ数字のU.区民主体の身近なまちづくりの実現に向けて  区民主体の身近なまちづくりを実現するために、区民と事業者と区の責務を明確化するとともに、区民・事業者・区の協働のまちづくりをより一層進めます。 「世田谷区地域行政推進計画」において定める各地域経営方針の実現や地区の個性を活かしつつ、より住みやすいまちにしていくためには、地区の住民などが中心となる区民主体のまちづくりを進めることが大切です。 誰もがお互いを尊重しながら、区民一人ひとりが担い手となり、区民主体のまちづくりを進めていくことが大切です。 まちづくりは、10年、20年先の「あるべきまちの姿」を共有し、その実現に向けた取組みを区民主体で進めていくものであるため、次代の社会を担う子ども・若者のまちづくりへの参加がとても大切です。 区民主体のまちづくりは、「地域整備方針(後期)」における「地域のテーマ別の方針」を重ね合わせて示したように、様々な主体が連携して総合的に進めていくことが大切です。  区は、子ども・若者を含むすべての区民がまちづくりに関心を持ち、子ども・若者もまちづくりに参加しやすい工夫をしながら、区民主体の身近なまちづくりを実現するために、次のような取組みを進めていきます。 区全域において区民主体の新たなまちづくりを進めていくため、多様な主体による自主的なまちづくり活動を支援する仕組みの充実を検討していきます。 アクションエリアにおいては、引き続き、法令に基づく地区計画や地区まちづくり計画などによる「まちづくりのルール」を活用するとともに、地域の魅力や価値を高める区民・事業者が主体となる自主的なエリアマネジメントの取組みや、「地域のまちの姿」の実現に貢献している官民連携など、区民主体の新たなまちづくりについても推進していきます。なお、アクションエリアの展開においては、序章における「アクションエリアの関係性」や「地域全体における地区のまちづくりの考え方」に示すよう取組みを進めます。 このため、「世田谷区まちづくり条例」に基づき、様々な支援を行うとともに、必要に応じて、隣り合う地区や隣接する他区市、東京都など関係機関との調整等に努めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに身近なまちづくりの進め方のイメージの図と、アクションエリアの総括図を掲載しています) ここからは、「地域整備方針(後期)と都市整備の基本方針との関係性」になります。 地域整備方針(後期)と都市整備の基本方針との関係性 「地域整備方針(後期)」の策定に当たり時点修正等を行ったことにより、「都市整備の基本方針」と異なることとなった以下の事項は本方針を優先します。 序章「ローマ数字のT.位置づけ・体系」の「1.都市整備方針の位置づけ」に示す「都市整備方針の位置づけ」 序章「ローマ数字のT.位置づけ・体系」の「2.体系」の「都市整備方針の計画体系」に示す「都市整備領域の分野別整備方針・計画」及び「都市整備領域以外の方針・計画」の名称 序章「ローマ数字のW.計画期間と次回の改定について」 第1章「ローマ数字のU.世田谷区をとりまく状況」 第1章「ローマ数字のW.まちづくりの主な課題と対応」の「みどりとみずの保全・創出と環境との共生」に示す「環境と共生した低炭素都市づくりへの対応」 第2章「ローマ数字のU.都市づくりの骨格プラン」の「2.新たな機能を持つ拠点等」に示す「(2)保健福祉のまちづくり重点ゾーン」 第2章「ローマ数字のU.都市づくりの骨格プラン」の「都市づくりの骨格プラン」に示す「みどりの拠点」、「みどりの拠点(点在型)」 なお、みどりの拠点の名称、範囲は、「世田谷区みどりの基本計画」を反映している。 第2章「ローマ数字のV.土地利用構想」の「土地利用構想」に示す「住宅ゾーンU(住宅ゾーンT以外の住宅ゾーン)」、「主な公園・緑地(概ね3ヘクタール以上)」、「大規模な敷地(公共公益施設、住宅団地等)(概ね4ヘクタール以上、複数の敷地が連坦するものも含む)」 第2章「ローマ数字のW.都市施設配置構想」の「都市施設配置構想」に示す「都市計画公園・緑地(開設)及び(未開設)」、「広域避難場所」 第3章「ローマ数字のT.安全で災害に強いまちをつくる」の「ローマ数字のT.安全で災害に強いまちをつくる」方針図に示す「重点整備地域」、「広域避難場所」、「避難所(区立小・中)」 第3章「ローマ数字のT.安全で災害に強いまちをつくる」の「ローマ数字のT.安全で災害に強いまちをつくる」方針図などに示す「豪雨対策モデル地区」 第3章「ローマ数字のU.みどり豊かで住みやすいまちをつくる」の「基本的な考え方」に示す「低炭素都市化への対応」 第3章「ローマ数字のU.みどり豊かで住みやすいまちをつくる」の「ローマ数字のU.みどり豊かで住みやすいまちをつくる」方針図に示す「主な公園・緑地」、「水辺再生事業・構想重点整備区域」、「土地区画整理事業を施行すべき区域(うち未施行区域)」 第3章「ローマ数字のV.活動・交流の拠点をもつまちをつくる」の「ローマ数字のV.活動・交流の拠点を持つまちをつくる」方針図に示す「商業関連施設(商店街)」、「みどりの拠点」、「みどりの拠点(点在型)」 第3章「ローマ数字のW.地域資源の魅力を高めるまちをつくる」の「ローマ数字のW.地域資源の魅力を高めるまちをつくる」方針図に示す「主な公園・緑地」、「1,000平方メートル以上の樹林地が敷地内にある寺社」、「文化財」 第3章「ローマ数字のX.誰もが快適に移動できるまちをつくる」の「ローマ数字のX.誰もが快適に移動できるまちをつくる」方針図に示す、「都市計画道路・高速道路」、「大規模な公園」、「主要な公共公益施設」 第3章「ローマ数字のX.誰もが快適に移動できるまちをつくる」の「5.交通環境の質を高める」に示す「低炭素都市づくり」 第4章「ローマ数字のU.総合的なまちづくり行政の推進」の「2.執行能力を高める」に示す「各テーマ別方針と主な分野別整備方針の関係」の「分野別整備方針」の名称 第4章「ローマ数字のU.総合的なまちづくり行政の推進」の「3.様々な領域との連携を図る」に示す「低炭素社会をつくる」 資料編「ローマ数字のU.用語解説」の「新たな防火規制区域」、「一団地の住宅施設」、「延焼遅延帯」、「温室効果ガス」、「景観重要公共施設」、「広域避難場所」、「国分寺崖線」、「敷地面積の最低限度」、「主要生活道路」、「準工業地域」、「生産緑地・生産緑地地区」、「生物多様性」、「世田谷・みどりのフィールドミュージアム」、「専用住宅」、「地域行政制度」、「地区幹線道路」、「特定整備路線」、「都市復興プログラム」、「不燃領域率」、「東京都の防災都市づくり推進計画」、「保存樹木・保存樹林地(制度)」、「水と緑の風景軸」、「みどり率」の解説 資料編「ローマ数字のU.用語解説」の「豪雨対策モデル地区」は本方針において「流域対策推進地区」に用語を変更。同様に「電線類の地中化」は「無電柱化」に用語を変更 ここからは、「資料編」になります。 ローマ数字のT.検討経緯 1.区民参加の経緯 令和5年(2023年)10月から12月、5地域におけるオープンハウス 5地域におけるオープンハウスでは、令和5年(2023年)10月から12月にかけて、次のとおり各地域がこれまで進めてきたまちづくりの取組み状況等について、展示パネル等により情報発信を行いました。 世田谷地域:11月12日から17日、21日、12月4日 北沢地域:11月25日、11月27日から12月1日 玉川地域:11月19日から22日、24日 砧地域:11月7日、11日、20日、24日 烏山地域:10月28日から11月30日です。 次に、 11月11日、砧地域意見交換(参加者19人)、烏山地域意見交換(参加者13人) 11月12日、世田谷地域意見交換(参加者6人) 11月16日、烏山地域意見交換(参加者8人) 11月19日、玉川地域意見交換(参加者18人) 11月25日、北沢地域意見交換(参加者20人) 11月から12月、区民アンケート調査(回収数1,013票)、区民アンケートウェブ調査(回収数72票) 次に、各地域の『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会は、「世田谷区地域行政推進条例及び同計画」に基づく区民の意見を聞く機会として開催しました。 令和6年(2024年) 7月27日、烏山地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会(参加者31人) 8月2日、玉川地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会(参加者12人) 8月3日、北沢地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会(参加者18人)、砧地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会(参加者30人) 8月10日、世田谷地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)の意見交換会(参加者26人) 7月から8月 7月27日から8月30日、『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)について意見募集(意見提出人数:27人) 11月16日、世田谷地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)の説明会(参加者21人) 烏山地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)の説明会(参加者28人) 11月23日、北沢地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)の説明会(参加者22人) 玉川地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)の説明会(参加者8人) 砧地域『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)の説明会(参加者24人) 11月15日から12月6日、『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)について区民意見募集(意見提出人数:36人、合計意見件数:86件) 令和7年(2025年) 2月18日から3月3日、世田谷区まちづくり条例第9条に基づく方針案の公告・縦覧・意見書受付(意見提出人数:1人、合計意見件数:1件) 2.検討経緯 世田谷区都市整備方針の見直しに当たり、課題や内容、策定手続きなどについて検討するために庁内に「世田谷区都市整備方針検討委員会」(なお、これ以降は「検討委員会」と省略して表現します。)を設置しました。 令和6年(2024年) 1月11日、第1回検討委員会、主な議題、地域整備方針見直しの進め方について 5月31日、第2回検討委員会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)について 9月27日、第3回検討委員会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)について 12月19日、第4回検討委員会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(案)について 令和7年(2025年) 3月26日、第5回検討委員会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(案)について 3.審議経緯 世田谷区都市整備方針の見直しに当たり、都市計画審議会での審議を効率的に行うため、見直しに係る専門的事項をより具体的かつ詳細に調査、審議するため都市計画審議会内に臨時委員を含む専門部会「世田谷区都市整備方針見直しに係るアドバイザリー会議」(なお、これ以降は「アドバイザリー会議」と省略して表現します。)を設置しました。 令和5年(2023年) 6月2日、第117回都市計画審議会、主な議題、方針改定と部会の設置について諮問 10月20日、第1回アドバイザリー会議、主な議題、世田谷区都市整備方針見直しについて、意見交換等の開催及び区民アンケートの実施について 12月28日、第2回アドバイザリー会議、主な議題、世田谷区都市整備方針見直しについて、区民アンケート調査の実施結果等について 令和6年(2024年) 1月19日、第120回都市計画審議会、主な議題、区民アンケート調査結果等及びこれまでのアクションエリアに係る区の取組み状況等について報告 3月19日、第3回アドバイザリー会議、主な議題、都市整備方針(地域整備方針)の見直しの考え方について 5月20日、第4回アドバイザリー会議、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)について 6月24日、第122回都市計画審議会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(たたき台)について 9月25日、第5回アドバイザリー会議、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)について 10月30日、第124回都市計画審議会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(素案)について 令和6年(2024年) 12月12日、第6回アドバイザリー会議、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(案)について 令和7年(2025年) 1月15日、第125回都市計画審議会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(案)について 3月25日、第7回アドバイザリー会議、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』(案)について 4月25日、第126回都市計画審議会、主な議題、『第二部「地域整備方針(後期)」』諮問 アドバイザリー会議委員名簿(敬称略) 氏名、役職、区審議会等の順で掲載しています 杉崎 和久、法政大学法学部政治学科教授(部会長)、都市計画審議会 中林 一樹、東京都立大学名誉教授・明治大学研究推進員、都市計画審議会会長 坂井 文、東京都市大学都市生活学部都市生活学科教授、都市計画審議会 松本 暢子、大妻女子大学社会情報学部教授、住宅委員会委員長 村山 顕人、東京大学大学院工学系研究科教授、環境審議会 アドバイザリー会議を終えて、委員からの次回全面改定に向けたコメント 杉崎部会長のコメント 世田谷区がめざす街の将来の姿について、少しずつ検討や試行的な取組みを進めていけるとよい。 個別のアクションエリアに関して、各地区の状況を把握できるよう、アイシーティー化するなど、常にカルテ化する仕組みを整備し、進行管理することが大切である。 次期改定の際は、これまで世田谷が世田谷らしく取り組んできた協働のまちづくりのことなどをもっと大切にし、誇らしげに表現して欲しい。   中林委員のコメント 次期の全面改定が概ね2035年となる中、その20年後の2055年頃までが計画期間となり、最も高齢化が進んでいる時期でもあるという大きな流れが見えているため、これから10年間の取組みの中で、こうした高齢社会への長期的な観点で世田谷区のまちづくりを見直していけるとよい。 官民連携やディーエックス、アクションエリアの活用などは、世田谷区らしいまちづくりを実現するための手段になる。手段としての官民連携などのあり方、アクションエリアの活用方法等の課題や考え方を次期改定に向けて整理できるとよい。 震災時には、平時のまちづくりでは考えていないことを復興まちづくりとして行わなければならないため、平時のまちづくりのトレンドではなく、めざすべき事前復興の目標について記載できるとよい。 脱炭素やエス・ディ・ジーズ、多様性の問題などについては、これまでと違う世田谷区らしいまちづくりの進め方として整理し、次期改定の際に反映できるとよい。   坂井委員のコメント 社会インフラや都市施設などについて、持続可能な展開という視点で、どのようにマネジメントし、更新していくかなど、管理まで合わせて考えていくことにより、次期改定の際に反映できるとよい。 「住む」ということが多様化しているため、次期改定時の際に、ライフスタイルや多様な人の関わりなどの社会学的なアプローチについて検討できるとよい。 松本委員のコメント 都市整備方針は、整備という視点で書かれるのが一般的であるが、社会インフラや公営住宅等の老朽化に対して、維持管理や更新などの対策についても検討できるとよい。 方針検討における区民参加について、地域ごとの住民参加の仕組みや時代に応じたツールを活用したまちづくりなどを次期改定に向けて検討していけるとよい。 住宅都市としてどのような世田谷区を目指してしていくか議論を進めていけるとよい。 村山委員のコメント 今回の改定において気候変動対策に関する記述を追加したことは第一歩だと考える。次期改定に向け、都市計画やまちづくりにおける具体的な気候変動対策を考え、都市計画で可能な取組みを明確にし、実現していけるとよい。 地区計画の内容にグリーンインフラや環境の要素を盛り込むようなアプローチを次期改定に向けて考えていけるとよい。 新しいアプローチやツールを活用していくことを検討し、次期改定までに実験的に取組み、改定時に反映していくような考え方があるとよい。 ローマ数字のU.用語解説 ここからは、本文中の用語解説になります。 あ行の用語 アイシーティーとは、 インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジーの略。情報や通信に関する技術。 新たな防火規制区域とは、 災害時の危険性が高い地域のうち、特に震災時に発生する火災等による危険性が高い区域について、建築物の耐火性能を強化するため、「東京都建築安全条例」に基づき都知事が指定する区域。区域内においては、原則として、耐火建築物等または準耐火建築物等とし、延べ面積が500平方メートルを越えるものは耐火建築物等としなければならない。 新たなモビリティとは、 デマンド型交通、グリーンスローモビリティ、超小型モビリティ、自動運転など、既存の交通移動手段ではなく、新しい技術による移動手段のこと。 一団地の住宅施設とは、 「都市計画法」に基づく都市施設の一つで、良好な住環境を有する住宅及びその居住者の生活の利便の増進のため、必要な施設を一団の土地に集団的に建設した集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設。 インクルーシブ遊具とは、 障害の有無に関わらず、誰もが楽しく遊べる遊具のこと。 ウォーカブルとは、 「歩く」を意味する「ウォーク」と「できる」の「エイブル」を組み合わせた造語で、「歩きやすい」、「歩きたくなる」という意味で使われている。国土交通省では、「居心地が良く、歩きたくなる」空間づくりを促進し、魅力的なまちづくりを推進している。 ウォーカブル推進都市とは、 「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成をめざし、国内外の先進事例などの情報共有や、政策づくりに向けた国と地方とのプラットフォームに参加し、ウォーカブルなまちづくりをともに推進する国土交通省の取組み。 雨水流出抑制施設・雨水浸透施設とは、 地表に降った雨水が短時間で一挙に下水道管や河川等に流れ込むことを防ぎ、河川等への負担を軽減するための施設。主に雨水を地下へ浸透させる雨水浸透施設(雨水浸透ますや雨水浸透トレンチ等)と、雨水を一時的に貯留して流出を抑制する雨水貯留施設(雨水タンクや貯留槽等)がある。 エスディジーズ(持続可能な開発目標)とは、 サスティナブル デベロップメント ゴールズの略。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界をめざす国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成される。 エリアマネジメントとは、 地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業者・地権者等による主体的な取組みのこと。 エル・ジー・ビー・ティー・キューとは、 レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、クエスチョニング(性のあり方をあえて決めないまたは決められない人)またはクイア(多様な性を包括する言葉)の頭文字をとった言葉。 延焼遮断帯とは、 東京都の「防災都市づくり推進計画」で定められた、地震に伴う市街地火災の延焼を阻止する機能を果たす道路、河川、鉄道、公園等の都市施設及びこれらと近接する耐火建築物等からなる帯状の不燃空間。震災時の避難経路、救援活動時の輸送ネットワークなどの機能も担い、防災上の重要度から骨格防災軸、主要延焼遮断帯、一般延焼遮断帯に区分されている。 延焼遅延帯とは、 「世田谷区防災まちづくり基本方針」で定められた、主要生活道路、幅員8メートルの既存道路、鉄道敷・河川、広域避難場所、大規模施設用地、一団地の住宅施設、公園・運動場、公共施設といった不燃的要素からなる線的または面的な延焼遅延効果を持つ帯状の不燃空間。 沿道地区計画とは、 「幹線道路の沿道の整備に関する法律」に基づく制度。幹線道路沿道において、道路交通騒音により生ずる障害の防止と適正かつ合理的な土地利用の促進を図るための地区計画。一般的な地区計画で定めることができる事項に加え、建築物の間口率や高さの最低限度、建築物の構造に関する防音上必要な制限等を定めることができる。 オープンデータとは、 機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで広く公開されたデータ。 温室効果ガスとは、 京都議定書が対象としている温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、ろくふっ化硫黄で構成。本区における令和3年度(2021年度)の温室効果ガス排出量のうち約90パーセントを二酸化炭素が占める。 か行の用語 界わい形成地区とは、 「世田谷区風景づくり条例」に基づく風景づくり重点区域の一つ。地区の風景特性を活かした風景づくりを進めるため、住民主体で地区独自の風景の将来像を共有し、風景づくりの方針や基準等を定めて指定。 環境空間機能とは、 都市の特性や駅の特性に応じた「都市の顔」としての空間となるために必要な交流機能、サービス機能など。 幹線道路とは、 区内においては全区レベルでの骨格の軸となり、防災生活圏を構成する骨格防災軸または主要延焼遮断帯となる道路。また、広域にわたり都市間をつなぐ道路。 官民連携とは、 官民が連携して公共サービスの提供を行うこと。区では、協定、官民協働、パーク・ピーエフアイ、ピーエフアイ等、公有資産活用、指定管理者制度、その他民間提案において実施する事業などを官民連携と定義している。 気候非常事態宣言とは、 地球温暖化に起因する強力な台風や集中豪雨が頻発し、今後も極端な高温や大雨が発生する可能性がより高くなるとされている。こうした気候危機の状況を区民・事業者と共有し、エスディジーズがめざす持続可能な社会の実現に向け、ともに行動していくため、令和2年(2020年)10月16日に「世田谷区気候非常事態宣言」を行った。 旧耐震木とは、 新耐震設計基準の施行(昭和56年(1981年))以前に建てられた木造建築物。相対的に耐震性能が低いと考えられている。 狭あい道路とは、 幅員4メートル未満の道路で、一般交通の用に供されているもの。 共同化とは、 権利者の異なる複数の敷地を統合して、一つの建築物を建築すること。 緊急輸送道路とは、 「東京都地域防災計画」で定められた、震災時の救助や物資輸送などを円滑に行うため、応急活動の中心となる防災拠点や庁舎等を相互に結ぶ道路。避難や消火活動等を行う上でも有効な空間となることが期待できる。 区民まちづくり協定とは、 「世田谷区まちづくり条例」に基づく制度。地区計画等と比べ法的拘束力が弱い反面、協定の元になる取り決めを住民同士で自由に定めることができることが特徴。 グリーンインフラとは、 自然環境が持つ様々な機能を目的に応じて積極的かつ有効に活用することで、安全で快適な都市の環境を守り、街の魅力を高める都市基盤や考え方のこと。 景観計画区域とは、 「景観法」に基づき、景観行政団体が策定する景観計画で定められた区域。景観計画区域では、良好な景観の形成に関する方針が定められているとともに、行為の制限として、建築物または工作物の形態・色彩・意匠の制限、高さの最高限度または最低限度、壁面の位置の制限、建築物の敷地面積の最 低限度などのうちから必要なものが定められている。 景観重要公共施設とは、 「景観法」に基づき、良好な景観の形成に重要なものとして指定された、風景づくりに寄与し地域のシンボルとなる道路、公園などの公共施設。 建ぺい率とは、 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。 広域避難場所とは、 大学敷地や都立公園など、震災時における火災の延焼などにより自宅、一時集合所が危険な状態になった時に避難する大規模な空地等。 公開空地とは、 広義には、オープンスペース(公園や広場など、道路や建築物に利用されていない空地)と同様であるが、狭義には「都市開発諸制度」等を活用して事業者が計画する建築物の敷地内の空地のうち、日常一般に開放され、歩行者が自由に通行または利用することができる部分。 公共交通不便地域とは、 鉄道駅から500メートル以上、バス停留所(1日の運行本数が30本未満のバス停留所を除く。)から300メートル以上離れている地域に加え、地形勾配を考慮した地域。 国分寺崖線とは、 立川市から大田区まで豊かなみどりに覆われた崖の連なりのこと。多摩川が10万年以上の歳月をかけて武蔵野台地を削り取ってできた段丘で、その周辺には樹林や湧水などが多く残り、生きものにとっても重要な生息・生育空間になっている。「みどりの生命線」とも言われる。 骨格防災軸とは、 延焼遮断帯の一つであり、広域的な都市構造から見て骨格的な防災軸の形成を図る路線。約3から4キロメートルメッシュで構成されている。 個別対応事業適用路線とは、 「せたがや道づくりプラン」において位置づけられた路線であり、個別対応事業(密集市街地内の主要生活道路について、事業協力が得られる箇所から物件移転などの補償を行い順次事業用地を取得する事業手法)を適用している路線。 さ行の用語 細街路率とは、 幅員4メートル未満の道路延長が、道路総延長に占める割合。 再生可能エネルギーとは、 石油、石炭などの枯渇性エネルギーに対して、資源枯渇のおそれのない太陽、水、風、波、地熱、氷雪などの自然物や自然現象、再生産が可能なバイオマスを利用するエネルギーまたはその資源。 ジーアイエス(地理情報システム)とは、 ジオグラフィック インフォメーション システムの略。位置に関する様々な情報を持ったデータを総合的に管理・加工し、地図の作成や高度な分析などを行うシステム技術の総称。 シェアサイクルとは、 相互利用可能な複数のサイクルポートが設置された、面的な都市交通に供されるシステム。 ジェンダー・アイデンティティとは、 自己の属する性別についての認識に関するその同一性の有無または程度に係る意識。 市街地再開発事業とは、 「都市再開発法」に基づき、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るために、公共施設の整備、建築物及び建築敷地の整備などを行う事業。 敷地面積の最低限度とは、 住宅地の住環境保全などのために定める建築する敷地面積の最低限度。都市計画では、用途地域、地区計画などによって定めることができる。 事前復興とは、 復興時の課題解決に要する負担軽減や復興まちづくりに関する合意形成の円滑化を図るため事前に準備等を行う取組みのこと。具体的には、復興計画の検討に必要な条件整理や復興の将来像・目標像の検討、訓練の実施による復興業務を迅速に進められる人材育成や体制づくり等の取組みが挙げられる。 市町村の都市計画に関する基本的な方針とは、 区市町村が、都市計画区域マスタープラン及び「基本構想」に即し、区市町村の区域を対象として、地域に密着した見地から、「都市計画法」第18条の2に基づき定めた都市計画に関する基本的な方針。 市民緑地とは、 「都市緑地法」に基づき、都市に残された民有地のみどりを保全し、地域に憩いの場を提供することを目的として定められた制度。 周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドラインとは、 東京都が平成14年(2002年)3月に策定した、周辺区部9区(大田、世田谷、中野、杉並、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川)における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備等の指針となるガイドライン。 主要生活道路とは、 幹線道路と地区幹線道路に囲まれた区域内の交通を集め、幹線道路や地区幹線道路に連絡する道路。延焼遅延効果を持っており、ミニ防災生活圏における不燃的要素の一つ(幅員10から13メートル)。 準工業地域とは、 「都市計画法」に基づく用途地域の一つで、住宅と工場が共存する地域。周辺環境を著しく悪化させるおそれのない工場のほか、住宅や商店など多様な用途の建築物を建築できる。 消防活動困難区域・消防活動が困難とされる区域とは、 震災時に、消防車両の通行不能や消防に使用可能な水の不足などによって、消防活動が困難と予想される区域。ここでは、幅員6メートル以上の道路から消防ホースが到達しない140メートル以遠の領域を示す。 消防水利とは、 火災が発生した時に消火活動を行うため、消防隊や消防団が使用する消火栓や防火水槽。 暑熱とは、 夏の暑さのこと。 スリーディ都市モデルとは、 都市空間に存在する建築物や街路といったオブジェクトに名称や用途、建設年といった都市活動情報を付与することで、都市空間そのものを再現するデータのこと。都市計画の立案、防災などへの活用が期待される。 生産緑地・生産緑地地区とは、 「生産緑地法」に基づき、都市計画に定める地域地区の一つで、都市における農地等の適正な保全を図ることにより、良好な都市環境の形成に資することを目的とする地区。 性的指向とは、 人の恋愛・性愛がどういう対象に向かうのかを示す概念。具体的には、恋愛・性愛の対象が異性に向かう異性愛、同性に向かう同性愛、男女両方に向かう両性愛を指す。 生物多様性とは、 様々な場所で多様な生きものが互いに関わりを持って生きていること。生物多様性は、食料や水、安定した気候、心の安らぎなど、地球上のあらゆる生命を支えている。 世田谷区地域行政推進条例とは、 安全・安心で暮らしやすい地域社会の実現をめざし、区政運営の基盤である地域行政制度について、地区がその要となるよう改革するため令和4年(2022年)9月に制定した条例。 世田谷区土地利用現況調査とは、 本区が、概ね5年ごとに、区内のすべての建築物と敷地について、形態や利用状況などを把握するために実施している調査。 世田谷区まちづくり条例とは、 安全で住みやすい快適な環境の市街地の整備、開発及び保全を推進することを目的に、昭和57年(1982年)に本区が全国に先駆けて制定した条例。 せたがや百景とは、 昭和59年(1984年)に、「発見 わがまちのいい風景」をキャッチフレーズに区民から「好ましい風景」の推薦を募り、区民投票で選定した100の風景。推薦いただいた延べ2,700景(重複を整理して約400景)から「せたがや百景選定委員会」が選定基準をもとに200景まで候補を絞り、区全域で投票を行い100景を選定した。投票数は92,000件にのぼり、高い関心を集めた。 世田谷・みどりのフィールドミュージアムとは、 地域全体(フィールド)を一つの博物館(ミュージアム)として捉え、学習・体験の場とする考え方。世田谷の自然や生きものについての知識が得られ、自然への関心が深められるよう、成城学園前駅周辺地区、喜多見4・5丁目農の風景育成地区、二子玉川公園周辺地区で、案内板やマップを整備している。 線状降水帯とは、 次々と発生する雨雲(積乱雲)が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる強い降水域のこと。 専用住宅とは、 「世田谷区土地利用現況調査」において、居住を目的とした建築物のうち集合住宅以外の、戸建て住宅や、住宅を主とする塾・教室・医療等の併用住宅(店舗や作業場などを除く)と定義している。 た行の用語 耐火率とは、 耐火建築物と準耐火建築物の建築面積が、全建築物の建築面積に占める割合。 大深度地下とは、 「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づき、地下室の建設のための利用が通常行われない深さ(地下40メートル以深)と、建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない深さ(支持地盤上から10メートル以深)のうちいずれか深い方の地下。 タウンミーティングとは、 行政に対する住民の意見・提案を聴取することを目的として、地域の課題などをテーマに開催する住民と直接対話する集会のこと。 多自然川づくりとは、 河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生きものの生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するために、河川管理を行うこと。 脱炭素とは、 地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を防ぐため、石炭や石油等の化石燃料からの脱却をめざすこと。 玉川全円耕地整理事業とは、 昭和29年(1954年)の事業完了まで30年をかけ、旧玉川村全域(全円)を対象に施行された耕地整理事業。自動車時代に適合する広幅員道路や街区を形成する区画道路の整備など、現在の玉川地域の都市基盤を築いた。 地域行政制度とは、 地域住民に密着した地域行政を展開するため、全国に先駆けた都市内分権として、平成3年(1991年)にスタートした制度。地区(出張所・まちづくりセンター)、地域(総合支所)、全区(本庁)の三層分権型を確立した、世田谷区独自の行政制度。 地域風景資産とは、 「世田谷区風景づくり条例」に基づき、区民等が地域の個性や魅力を共有し、風景づくりを推進する手掛かりとなるような風景で、区民等の参加により選定されたもの。 地下水の(一層の)かん養とは、 雨水や河川水などが地下に浸透して帯水層に流れ込み、地下水をゆっくりと養うこと。 地区幹線道路とは、 地区の交通を分担する地区サービス道路で、隣接する区や市を結ぶ役割を担う。主要延焼遮断帯または一般延焼遮断帯として防災生活圏を構成する道路(幅員15メートル以上)。 地区計画・地区計画制度とは、 「都市計画法」に基づく制度。比較的小さな範囲の地区を対象に、地区の方針と建築物の用途、形態などのルールや、道路、公園などの配置を細かく定めることで、その地区にふさわしい良好なまちづくりを進めることができる。 地区まちづくり協議会とは、 「世田谷区まちづくり条例」に基づく団体。地区住民等が、地区まちづくり計画の原案の作成や地区まちづくりの実現に向けた、自主的な活動を行うことを目的とする。 地区まちづくり計画とは、 「世田谷区まちづくり条例」に基づき、区民参加で策定するまちづくりに関する計画。地区の特徴に応じて、きめ細かいまちづくりのルールを定めることができる。 地先道路とは、 各宅地から主要生活道路や地区幹線道路までを結ぶ道路であり、日常生活の中で利用する最も基本となる道路。 駐車場地域ルールとは、 「東京都駐車場条例」において、建築物単位に一律の基準によって駐車場の附置義務が定められているが、駐車場整備計画の区域内や鉄道駅等から概ね半径500メートル以内の区域等において、条例で定める一律の基準によらず、地域特性に応じた駐車施設の配置や附置義務基準の設定を独自に定めることができる制度。 ディーエックス(デジタル・トランスフォーメーション)とは、 デジタル トランスフォーメーションの略。将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して組織・業務モデルの柔軟な改変・新たな創出をすること。 東京外かく環状道路とは、 都心から約15キロメートル圏を環状方向に結ぶ延長約85キロメートルの高規格幹線道路。 東名ジャンクション(仮称)とは、 東京外かく環状道路と東名高速道路の接続地点。 道路率とは、 対象区域の全面積に対する、私道を含む道路面積の割合。 特定整備路線とは、 震災時の延焼遮断や避難路、緊急車両の通行路となるなど、震災時に特に甚大な被害が想定される、「整備地域」(東京都の「防災都市づくり推進計画」において、震災時に特に甚大な被害が想定される地域)の防災性の向上を図る都施行の都市計画道路。 特別保護区とは、 「世田谷区みどりの基本条例」に基づき、区内にある樹林地、水辺地及び動物生息地と一体となったみどりのある土地で特別に保護する必要がある一定の緑地を指定し、建築行為など一定の行為を制限することにより、緑地の保全を図る制度。 特別緑地保全地区とは、 「都市緑地法」に基づき、都市計画に定める地域地区の一つで、都市の良好な緑地を永続的に保全し、将来に継承していくことを目的とし、建築や造成などの行為を規制(許可制)するとともに、土地所有者への税の優遇などを設けている。 都市計画法とは、 都市計画の内容及びその決定手続き、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とした法律。土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業など、都市計画の内容及びその決定手続などに関し必要な事項が定められている。 都市再生整備計画とは、 「都市再生特別措置法」に基づき、都市の再生に必要な公共公益施設の整備等を重点的に実施すべき土地の区域を対象に作成する計画。都市再生整備計画事業は、地域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづくりを実施し、全国の都市の再生を効率的に推進することにより、地域住民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的とする。 都市施設とは、 都市の中で安全で快適な生活をするために必要不可欠な施設で、良好な都市環境を保持するための施設の総称。「都市計画法」では、道路、都市高速鉄道、公園、緑地、水道・電気・ガス等の供給施設、下水道、ごみ焼却場、河川、一団地の住宅施設などが列挙されている。 都市復興プログラムとは、 都市の復興、住宅の復興について、「自助」、「共助」、「公助」の基本理念のもと、区民や事業者、区が協働して行う震災復興の進め方や取組み内容を整理し、都市復興のプロセスを時間経過とともにまとめたもの。 土砂災害特別警戒区域とは、 「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき、急傾斜地の崩落等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域。 土地区画整理事業とは、 市街地開発事業の一つ。「土地区画整理法」に基づき、公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を図るために行われる事業。土地所有者が土地の一部を提供し、道路や公園などの公共施設を生み出すとともに、宅地の形状を整え、再配置する。 土地区画整理事業を施行すべき区域とは、 昭和44年(1969年)に緑地地域(昭和23年(1948年)指定)の全域が指定解除され、同時にその地域を対象に、公共施設の整備改善や宅地の利用増進を図ることを目的として、「都市計画法」に基づき決定された区域。 な行の用語 内水氾濫とは、 下水道管渠の能力を上回る降雨や河川の水位上昇により、下水道管渠や水路等から水が溢れ、その水が低地に集まる現象。 農地保全重点地区とは、 「世田谷区みどりの基本条例」に基づき定めるみどりの重点地区の一つ。農地保全のため、積極的にみどりの保全及び創出の推進を図る必要があると認められる地区。「世田谷区農地保全方針」に基づき7地区を指定している。 農の風景育成地区とは、 東京都が、都市の貴重な農地を保全し、農のある風景を将来に引き継ぐために創設した「農の風景育成地区制度」による地区。この制度では、農地や屋敷林などが比較的まとまって残る地区を農の風景育成地区に指定し、都と区市町が協力して、農地等の保全を図るために、都市計画制度などを積極的に活用することとしている。 は行の用語 ピーエフアイとは、 プライベート・ファイナンス・イニシアチブの略。公共施設等の建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用することで、地方公共団体が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供する手法。 ビッグデータとは、 ボリュームが膨大でかつ構造が複雑であるが、そのデータ間の関係性などを分析することで新たな価値を生み出す可能性のあるデータ群のこと。例えば、ソーシャルメディア内のテキストデータ・画像、携帯電話・スマートフォンが発信する位置情報、時々刻々と生成されるセンサデータなどがある。 風致地区・風致地区制度とは、 「都市計画法」に基づく地域地区の一つで、都市の風致を維持するために定められる制度。建築物の建ぺい率、高さの最高限度、壁面の位置が制限される。区内では国分寺崖線を中心とした地域に、多摩川風致地区が指定されている。 不燃化特区・不燃化特区制度とは、 東京都の「防災都市づくり推進計画」において、震災時に特に甚大な被害が想定される「整備地域」の中でも地域危険度が高いなど、特に重点的、集中的に改善を図るべき地区について、区からの提案に基づき、東京都が期間や地域を限定して、老朽建築物の建て替え・除却助成等の支援を行う制度。 不燃領域率とは、 市街地の「燃えにくさ」を表す指標。市街地における道路、公園などの空地面積の割合である「空地率」と、耐火及び準耐火建築物等の建築面積の割合である「不燃化率」から算出される。不燃領域率が70パーセントを超えると市街地の焼失率はほぼゼロとなる。 プラトーとは、 国土交通省が令和2年度(2020年度)にスタートした取組みで、スマートシティをはじめとしたまちづくりのデジタル・トランスフォーメーションを進め、人間中心の社会を実現することにある。国土交通省が主導し、地方公共団体や民間企業等と連携して、都市活動のプラットフォームデータとしてスリーディ都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進めることで、まちづくりのディーエックスを推進していく。 包括管理業務委託とは、 受託した民間事業者の創意工夫やノウハウの活用により効率的・効果的に運営できるよう、複数の業務や施設の維持管理を包括的に委託すること。 防災街区整備地区計画とは、 「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」に基づく制度。防災機能が著しく低い密集市街地において、災害時における延焼防止、避難路確保のため必要な道路、建築物等を一体的かつ総合的に整備するための地区計画。地区の防災機能の確保の観点から主要な公共施設を「地区防災施設」と位置づけ、沿道の建築物を耐火構造化することなどにより、地区の延焼防止機能を高めたり、一次避難場所等を確保したりすることができる。 防災生活圏とは、 東京都の「防災都市づくり推進計画」で定められた、延焼遮断帯に囲まれた圏域。火を出さない、もらわないという視点から、市街地を一定のブロックに区切り、隣接するブロックへ火災が燃え広がらないようにすることで大規模な市街地火災を防止する。防災生活圏は、日常の生活範囲を踏まえ、概ね 小学校区程度の広さの区域としている。 防災都市づくり推進計画とは、 「東京都震災対策条例」第13条の規定に基づき、震災を予防し、震災時の被害拡大を防ぐため、主に、延焼遮断帯の形成、緊急輸送道路の機能確保、安全で良質な市街地の形成及び避難場所等の確保など、都市構造の改善に関する諸施策を推進することを目的として定める計画。防災都市づくりに関する施策の指針や目標等を定める「基本方針」と、基本方針に基づく具体的な整備計画などを定める「整備プログラム」で構成。 防災都市づくり推進計画における整備地域、重点整備地域とは、 東京都の「防災都市づくり推進計画」において、地域危険度が高く、かつ、老朽化した木造建築物が特に集積するなど、震災時に特に甚大な被害が想定される地域を「整備地域」に指定している。 「整備地域」の中でも防災都市づくりに資する事業を重層的かつ集中的に実施し、早期に防災性の向上を図るべき市街地を「重点整備地域」に指定している。 保存樹木・保存樹林地とは、 「世田谷区みどりの基本条例」に基づき、区内の民有地にある、長い年月を経て大きくなった樹木やまとまった樹林を指定し、保全を図る制度。指定により維持管理の一部を区が支援している。 ま行の用語 まちづくり誘導指針とは、 「世田谷区まちづくり条例」に基づき、周辺に及ぼす影響が大きい土地利用転換が予想されるなど、まちづくりを速やかに誘導する必要があると認める区域について、都市整備方針及び分野別整備方針の内容を踏まえて、まちづくりの整備等の誘導に係る指針を策定する制度。 まちなか観光とは、 区民がまちの中を散策して、区内に点在する見所・魅力を再発見する取組みを世田谷独自の観光事業の一つとして提案し、これにより世田谷のまちを将来に向けて守る区民意識を醸成するとともに、区外からの集客にもつなげること。 水と緑の風景軸とは、 「世田谷区風景づくり条例」に基づく風景づくり重点区域の一つ。成城から玉川田園調布までつながる国分寺崖線及び崖線と一体となって風景をつくりだしている区域を指定している。 密集市街地とは、 老朽化した木造の建築物が密集し、道路や公園等の公共施設が十分に整備されていないことなどにより、火事または地震等が発生した場合に、延焼防止機能や避難機能が確保されていない市街地。 みどりのネットワークとは、 環境保全、防災などみどりが持つ様々な機能をより効果的に発揮させるためには、みどりの軸や拠点、身近なみどりなどで構成されるみどりのネットワークにより連続性を充実させることが重要となる。また、みどりのネットワークにより、多様な生きものの生息・生育環境が確保される。 みどり率とは、 地域全体面積に対する、みどりが地表を被う部分(樹木地、草地、農地、屋上緑化)に水面と公園内の緑に被われていない部分を加えた面積の割合。 ミニ防災生活圏とは、 「世田谷区防災まちづくり基本方針」で定めた、防災生活圏内の概ね500メートルメッシュの広さ、かつ主要生活道路や緑道など既存のストックを活用した延焼遅延帯で囲まれた一定の地区で、居住環境の改善と防災性能の向上を図る圏域。 無電柱化とは、 道路の地下空間を活用して、電力線や通信線などをまとめて収容する電線共同溝などの整備による電線類地中化や、表通りから見えないように配線する裏配線などにより道路から電柱をなくすこと。 木防・木防建ぺい率とは、 木防とは木造建築物と防火木造建築物をあわせた名称。木防建ぺい率とは、燃え広がりやすさの指標。敷地面積に対する木造及び防火木造建築物の建築面積の割合。 や行の用語 優先整備路線とは、 「せたがや道づくりプラン」において、計画期間である平成26年度(2014年度)から令和7年度(2025年度)までに事業化をめざすと位置づけた路線。 ユニバーサルデザインとは、 年齢、性別、国籍、能力等に関わらず、できるだけ多くの人が利用しやすい生活環境とする考え方。 容積率とは、 建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合。 ら行の用語 流域対策推進地区とは、 豪雨対策の効果を早期に発現するため、過去の浸水状況や地区計画等で流域対策の推進が図られる地区、東京都と連携した流域対策の取組みを推進する必要がある地区等の選定項目を踏まえて、「世田谷区豪雨対策行動計画(改定)」において、6地区を指定している。 緑化地域・緑化地域制度とは、 「都市緑地法」に基づき、みどりが不足している市街地などにおいて、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定割合以上の緑化を義務づける制度。 緑地協定とは、 「都市緑地法」に基づき、土地所有者等が生垣の設置など自らの土地の緑化や緑地の保全の取組みを、法的な根拠を持つ地域のルールとして位置づける制度。 緑地地域とは、 戦災都市の復興計画を目標とした「特別都市計画法」に基づき、昭和23年(1948年)に東京区部の周辺部に指定された地域。郊外部に自然環境と生産農地の保全を目的とした地域を確保するとともに、区部における市街地が際限なく連坦して膨張することを防止しようとしたもの。昭和44年(1969年)に全域が指定解除され、同時に土地区画整理事業を施行すべき区域として都市計画決定された。 連続立体交差事業とは、 市街地において道路と交差している鉄道を、一定区間連続して高架化または地下化することで立体化を行い、多数の踏切の除却や新設交差道路との立体交差を一挙に実現する都市計画事業。 方針の内容は以上となります。 最後に、奥づけになります。 発行は、世田谷区 編集は、総合支所 まちづくり課、都市整備政策部 都市計画課 問い合わせ先は、都市計画課 電話番号:03-6432-7174