(仮称) 世田谷区第三次男女共同参画プラン ~ジェンダー平等社会の実現を目指して~ (令和9年度~令和13年度) 素 案 (仮称)世田谷区第三次男女共同参画プラン 素案 目次 第1章 計画の概要 1ページ 1 趣旨と目的 2ページ 2 計画の性格と位置付け 3ページ 3 計画の期間 5ページ 4 計画の基本理念 5ページ 5 目指す社会の実現に向けた計画の方向性 6ページ 第2章 計画の背景 9ページ 1 社会状況や国、都等の動向 10ページ (1)社会構造の変化や現在の社会状況 10ページ (2)ジェンダーに関する現状 11ページ (3)国際的な潮流 15ページ (4)国の動き 16ページ (5)都の動き 20ページ 2 世田谷区を取り巻く状況 21ページ (1)区の現状 21ページ (2)区の動き 24ページ 3 策定に向けた検討 25ページ (1)後期計画の評価と今後の課題 25ページ (2)プラン見直しの視点 30ページ (3)策定の経過 32ページ 第3章 計画の内容 33ページ 1 計画の体系 34ページ 基本目標Ⅰ ジェンダー平等社会の実現に向けた総合的な取組みの推進 37ページ 課題1 ジェンダー平等の意識醸成 40ページ 課題2 性別や年齢等にとらわれない多様なライフデザインの実現と支援 46ページ 課題3 女性の活躍推進と就労に向けた支援 59ページ 課題4 男女共同参画センター「らぷらす」におけるジェンダー平等の推進 64ページ 基本目標Ⅱ あらゆる人の人権や尊厳が守られる社会の実現 67ページ 課題5 暴力やハラスメント防止の啓発 70ページ 課題6 配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援 76ページ 課題7 困難な問題を抱える女性への支援の充実 83ページ 課題8 性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 89ページ 基本目標Ⅲ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の推進 95ページ 課題9 性の多様性に関する理解促進と性的マイノリティへの支援 98ページ 課題10 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の理解促進 105ページ 課題11 性差に応じたこころと身体の健康支援 110ページ 区の推進体制 119ページ 方策1 ジェンダー平等推進のための体制整備・強化 122ページ 方策2 職員のジェンダー平等の推進 126ページ 方策3 多様な視点や連携による施策の充実 132ページ 2 進行管理 134ページ 第1章 計画の概要 1 趣旨と目的 平成11(1999)年に「男女共同参画社会基本法」が施行されたことを受け、区では平成19(2007)年に「世田谷区男女共同参画プラン」を初めて策定しました。 その後、平成25(2013)年9月に議決された世田谷区基本構想では、9つのビジョンの一つとして、「個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築いていく」ことが掲げられました。  この理念を踏まえ、区においては男女共同参画社会の定義を「男女だけではなく多様な性を含めたすべての人が尊重され、参画できる社会」とし、平成29(2017)年に「世田谷区第二次男女共同参画プラン」を策定しました。 さらに、平成30(2018)年には、「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を制定し、ジェンダー平等に向けた取組みを一層推進してきました。 しかしながら、政策や方針決定過程への女性の参画の少なさや、育児・介護等のライフイベントに際して女性にその負担が偏る状況が見られます。一方で、男性においても長時間労働や家族を養う経済力が求められるなど、固定的な性別役割分担意識とそれに基づく社会構造は依然として根強く残っています。 特に、女性については、出産を契機とした非正規雇用化、いわゆる「L字カーブ」の問題等により、所得の向上や経済的自立が妨げられる状況が続いています。また、ジェンダーに起因する暴力やハラスメント、妊娠・出産に伴う身体的負担などが複合的に重なることで、困難な状況に直面することも少なくありません。 こうした状況を踏まえ、人権尊重やジェンダー平等に関する意識の向上とともに、困難な状況にある女性への支援の充実、「暴力やハラスメントは許されない」とする社会の意識醸成は喫緊の課題となっています。 また、パートナーや家族の関係性のあり方が多様化していることを踏まえ、区では平成27(2015)年11月より、全国に先駆けてパートナーシップ宣誓を開始しました。令和4(2022)年11月からはパートナーの子どもや親を含めたファミリーシップ宣誓を開始し、「世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」として、実施しています。 本来、パートナーや家族のあり方は、当事者の意思により自由に決められるものにもかかわらず、社会の差別や偏見によりそれが制約される状況は、個人の尊厳が尊重されていない状況と言えます。このため、地域社会全体で理解を深めていくことが求められます。 そして、ジェンダーや性の多様性に関する課題について、地域の一人ひとりが当事者としての意識をもち、理解を深めていくことが重要です。 本プランは、これらの課題に対し、根拠に基づく分析と検討を行いながら施策を展開し、着実に取組みを進めることで、地域におけるジェンダー平等の実現を目指すものです。 2 計画の性格と位置付け 1)この計画は、ジェンダー平等社会の実現を目指すために、区の基本的考え方と課題達成のための施策を明らかにするものです。 2)この計画は、「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」第9条第1項に定める「行動計画」に該当し、第8条に定められた男女共同参画の基本的施策を総合的かつ計画的に推進するための計画です。 3)この計画は、「男女共同参画社会基本法」第14条第3項に定める「市町村男女共同参画計画」であり、国等の計画を踏まえるとともに、区の基本計画・実施計画・関連計画、DX推進方針等との整合性を図ったものです。 4)この計画は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下「女性活躍推進法」という。)」第6条第2項に定められた「市町村推進計画」に該当し、基本目標Ⅰを「世田谷区女性活躍推進計画」として位置付けます。 5)この計画は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下「DV防止法」という。)」第2条の3第3項に定められた「市町村基本計画」に該当し、基本目標Ⅱを「世田谷区配偶者等暴力の防止及び被害者保護のための計画」として位置付けます。 6)この計画は、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(以下「女性支援新法」という。)」第8条第3項に定められた「市町村推進計画」に該当し、基本目標Ⅱを「世田谷区困難な問題を抱える女性への支援のための計画」として位置付けます。 7)この計画は、区の「地域防災計画」との整合を図りつつ、災害対策におけるジェンダー平等を進めるための計画です。阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震、豪雨災害などの経験を踏まえ、平常時から地域社会におけるジェンダー平等を推進します。 図_「計画の性格と位置づけ」 3 計画の期間 令和9年度から令和13年度までの5年間とします。 4 計画の基本理念 区では、「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」においては、3つの基本理念を定めています。 条例の基本理念を踏まえつつ、本計画における基本理念を以下のとおり定めます。 世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例 基本理念 ●全ての人が、多様性を認め合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることができる。 ●全ての人が、自らの意思に基づき個性及び能力を発揮し、多様な生き方を選択することができる。 ●全ての人が、あらゆる分野の活動においてともに参画し、責任を分かち合う。 (仮称)世田谷区第三次男女共同参画プラン 基本理念 一人ひとりの人権や多様性が尊重され、誰もが自分らしい ライフデザインを描くことができる ジェンダー平等社会の実現 5 目指す社会の実現に向けた計画の方向性 区では、平成30(2018)年4月に「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を制定し、「世田谷区第二次男女共同参画プラン(及び後期計画)」に基づき、男女共同参画社会の実現に向けた取組みを推進してきました。 この間、国においては令和8(2026)年3月に「第6次男女共同参画基本計画」が閣議決定され、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5〔性別に関わらず平等に責任や権利や機会を分ちあい、あらゆる物事を一緒に決めてゆくこと(ジェンダー平等)の実現〕の達成に向け、政府が行うあらゆる取組みにおいて常にジェンダー平等及びジェンダーの視点を確保し施策へ反映していくこと(ジェンダー主流化)を位置付けました。また、国際社会における普遍的価値である人権の尊重、ジェンダー平等の実現及びジェンダー主流化の視点をあらゆる取組みの中に反映するとしています。さらに、令和5(2023)年6月には性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律が、令和6(2024)年4月には女性支援新法及び改正DV防止法が施行されるなど、人権尊重とジェンダー平等の実現に向けた動向がうかがえます。 一方で、社会的・文化的に形成された性別像〔性自認や性的指向についての社会通念、像を含む〕(ジェンダー)に起因する様々な差別や偏見、困難さは解消に向けて、少しずつ理解が進んできているものの、地域社会や様々な組織において根強く存在し、誰もが多かれ少なかれ影響を受け、自分らしいライフデザインを描きにくい状況があります。 全ての人が、区政や地域の意思決定に参画し、望む仕事を通じて経済的に自立することが目指せるとともに、福祉等の社会的なサービスを利用し、文化や芸術に触れ学ぶことができるなど、性別等にかかわらず、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、責任を担う社会(ジェンダー平等社会)の実現が求められています。 ジェンダー平等社会を実現することにより、誰もが自らの意思に基づいて、多様なライフデザインを描くことができるようになります。さらに、一人ひとりが尊重され、相互理解が進むことで、安心して暮らし続けられる、より身近な地域づくりにもつながります。 その実現に向けて、まずは職員一人ひとりがジェンダー平等の意識をもち、施策を展開していくことが重要です。加えて、地域においても、区民一人ひとりが日常の行動やコミュニケーションの中で、また事業者等は従業員が働きやすい職場環境の整備や事業活動を通じて、ジェンダー平等の視点を取り入れ、継続的に見直しを行っていくことが求められます。 こうした考え方を踏まえ、本計画では、これまでの計画の趣旨を土台としつつ、昨今の社会通念や社会状況の変化、国際的な議論の動向を踏まえ、目指すべき社会の実現に向けて、ジェンダー平等の視点を取り入れ、地域や行政の取組みに生かしていく「ジェンダー主流化」を推進します。 ※本文中の下線箇所は、本プランにおける用語定義です。 図_「ジェンダー平等社会の実現の図」 ~本プランにおける用語定義~ ジェンダー 社会的・文化的に形成された性別像(性自認や性的指向についての社会通念、像を含む) ジェンダー平等社会 性別等にかかわらず、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、責任を担う社会 ジェンダー主流化 ジェンダー平等の視点を取り入れ、地域や行政の取組みに生かしていくこと ジェンダー平等の視点 ジェンダーの観点を踏まえ分析・検討し、ジェンダー平等となるよう考えること 第2章 計画の背景 1 社会状況や国、都等の動向 (1)社会構造の変化や現在の社会状況 1)人口と世帯構成の変化 日本の人口は平成20(2008)年をピークに減少に転じており、令和38(2056)年には1億人を下回り、9,965万人となる見込みです。また、生産年齢人口は平成7(1995)年をピークに減少傾向となり、2030年代にはその減少がさらに加速すると推計されています。こうした背景の一つ、令和6(2024)年の出生数が約69万人で、合計特殊出生率は1.15と9年連続で低下していることが挙げられます。 一方、平均寿命を見ると、女性87.13歳、男性81.09歳、死亡最頻値は女性92歳、男性88歳となっており、いわゆる人生100年時代を迎えています。 さらに、単独世帯割合では、昭和45(1970)年から昭和60(1985)年までは2割前後で推移していましたが、令和2(2020)年には37.9%まで上昇しています。世帯の単独化が進行する中で、とりわけ高齢者の独居率が上昇すると見通されています。 また、令和7(2025)年の時点では、共働き世帯数は専業主婦世帯数の3倍以上となっており、妻がフルタイムで働く共働き世帯も増加傾向にあります。 2)意識・価値観・生活の変化と多様化 未婚の女性において仕事と家庭の両立を望む割合や、未婚の男性において将来のパートナーに対し、仕事と家庭の両立を望む割合が増加しており、若い世代を中心に意識の変化が進んでいます。 就業率については、男女ともに上昇傾向にあり、結婚や出産、育児等を機に、30代前後の女性の就業率が低下する、いわゆる「М字カーブ」の問題は改善傾向が見られます。 また、女性はライフステージに応じて働き方の希望が変化する傾向にあり、男性においても残業のない働き方や柔軟な働き方を望む意識が高まるなど、働き方に対する価値観も変化しています。さらに、女性起業家は増加傾向にあり、起業家全体に占める割合も上昇しています。有業者のうち、本業がフリーランスである数は209万人となり、有業者全体の3.1%を占めるなど、多様な就業形態が広がっています。 こうした中、働きながら介護を担うワーキングケアラーは増加しており、今後の高齢化の進展に伴い、さらに増加が見込まれます。未就学児の育児と家族の介護を同時に担うダブルケアの課題も顕在化している中、依然として家事・育児・介護の負担は女性に偏る傾向が見られます。 健康課題の観点では、就業する女性の増加、生涯出産数の減少に伴う月経回数の増加、晩婚化等による初産年齢の上昇、平均寿命の伸長などにより、女性の疾病構造が変化しています。また、男性においても更年期障害が見られるほか、長時間労働による健康への影響も指摘されており、それぞれの健康課題に関する理解の促進と支援の充実が求められています。 さらに、不妊治療を希望する人は増加しており、経済的負担の軽減や、治療と仕事の両立に向けた支援の必要性が高まっています。 (2)ジェンダーに関する現状 1)意思決定への参画 ① 地方公共団体の首長の男女比 グラフ_「地方公共団体の首長の男女比」 総務省「地方公共団体の議員及び長の所属党派別人員調」(令和7(2025)年12月31日時点) うち政令指定都市長は、内閣府「女性の政策決定参画状況調べ」より(令和7(2025)年) 地方公共団体の首長の女性割合は、特別区では約30%を示していますが、特別区以外では一桁台の割合となっています。 ② 地方議会議員の女性割合 表_「地方議会議員の女性割合」                             総務省「地方公共団体の議員及び長の所属党派別人員調」(令和7(2025)年) 地方議会議員の女性割合は、市区議会では21.1%となっていますが、都道府県議会では14.7%にとどまっています。 2)労働と所得 ① 年齢階級別労働力人口比率・正規雇用比率 グラフ_「年齢階級別労働力人口比率・正規雇用比率」                     資料:総務省「労働力調査」令和7(2025)年 就業する女性が結婚、出産、育児等により30代前後で減少する年齢階層別労働力比率のM字カーブの問題は徐々に解消されています。 しかし、年齢階級別正規雇用率は、25~29歳の62.8%をピークに低下し、30代、40代などは非正規雇用が中心となる、「L字カーブ」の問題が見られます。 ② 平均給与(実質)の推移(男女別、年齢階級別)                  グラフ_「平均給与(実質)の推移(男女別、年齢階級別)」 資料:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和5年版」令和5(2023)年※ 男性が年齢の高まりとともに、平均給与額が上昇していくのに対し、女性ではその傾向が見られません。また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2024年)」によると、男女間の賃金格差は縮小傾向にありますが、女性は男性の75.8%にとどまっています。 ※(備考):1.国税庁「民間給与実態調査」より作成。 2.1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与を令和2(2020)年基準の消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で補正して作成。 3.平均給与は、給与支給総額を給与所得者数で除したもの。 4.給与支給総額は、各年における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。なお、役員の賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれている。 ③ 共働き夫婦の有償労働と無償労働の時間の差(平日・日曜日)              グラフ_「共働き夫婦の有償労働と無償労働の時間の差(平日・日曜日))」 資料:国立女性教育会館「男女共同参画統計リーフレット2025」令和7(2025)年 総務省「社会生活基本調査」令和3(2021)年 「有償労働」を見ると夫が妻を上回っていますが、「家事・買い物等」や「家族のケア」を見ると妻が夫を大きく上回る状況となっています。 総じて、共働き夫婦の有償労働と無償労働の合計時間は妻の方が長い状況となっています。 3)ジェンダーに基づく暴力 暴力は、個人の尊厳を踏みにじる行為であり、暴力の根絶はジェンダー平等社会の実現に向けた喫緊の課題です。 とりわけ、女性に対する暴力は、その背景に社会におけるこれまでの固定観念や偏見等が存在しており、それらを取り除いていくためには、男女間の格差を是正し、ジェンダー平等の意識を根付かせていくことが重要です。 ① 配偶者間における犯罪の被害者の男女比・検挙件数                 グラフ_「配偶者間における犯罪の被害者の男女比・検挙件数」 資料:国立女性教育会館「男女共同参画統計リーフレット2025」令和7(2025)年 警察庁「配偶者間における犯罪(殺人、傷害、暴行)の被害者の男女別 検挙件数」令和6(2024)年 配偶者間における犯罪(殺人、傷害、暴行)の被害者の男女別検挙件数を見ると、暴行・傷害による被害者は、女性が約9割となっています。 ② 不同意性交等罪・不同意わいせつ罪認知件数・被害発生率                グラフ_「不同意性交等罪・不同意わいせつ罪認知件数・被害発生率」 資料:法務省「令和7年版犯罪白書」(令和7(2025)年) 女性を被害者とする不同意性交等罪の認知件数は年間3,780件であり、不同意わいせつ罪は年間6,629件となっています。また、被害発生率について男性と比較すると、高い割合となっています。 (3)国際的な潮流 1)国連SDGs目標5「ジェンダー平等の実現」 平成27(2015)年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」では、目標5として「ジェンダー平等の実現」を掲げ、さらに「ジェンダー平等の実現と女性・女児のエンパワーメントは、すべての目標とターゲットにおける進展において死活的に重要な貢献をするものである」としており、重要な共通課題として認識されています。 2)女子差別撤廃条約に基づく国際社会の動き 昭和54(1979)年に国連で採択された「女子差別撤廃条約」に基づき、女子差別撤廃委員会(CEDAW)は各国の取組状況を定期的に審査し、勧告を行っています。日本に対する第9回政府報告の最終見解では、ジェンダー平等の実現に向けた課題が指摘されており、今後の第10回政府報告の審査動向も含め、国際的な視点を踏まえた取組みの推進が求められています。 3)北京+30に向けた国際社会の動き 第4回世界女性会議において宣言・採択され、男女共同参画・女性活躍の国際的な基準となっている「北京宣言・行動綱領」が、令和7(2025)年に採択から30年を迎えたことを受け、令和6(2024)年11月に国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が開催され、アジア太平洋地域の取組みのレビューが行われるとともに、令和7(2025)年3月の第69回国連女性の地位委員会(CSW)において、世界的なレビューが行われました。北京+30を契機に、ジェンダー平等の推進に向けた国際的な議論が進められています。 4)デジタル社会の進展に伴う国際社会の動き 近年、国連女性の地位委員会(CSW)では、デジタル社会におけるジェンダー平等の推進が重要な議題として取り上げられています。令和5(2023)年の第67回会合においては主要テーマとされ、デジタル社会の構築にジェンダーの視点を反映する必要性が示されるとともに、オンライン上の暴力やデジタル分野におけるジェンダーギャップなどへの対応の重要性が確認されました。また、G7やG20の首脳宣言においても、デジタル分野の男女格差の是正や女性の経済参画の推進が課題として確認されており、デジタル社会の進展に対応したジェンダー平等の推進が国際的に求められています。 (4)国の動き 1)国の法令・計画等の状 図_「国の法令・計画等の状況」 2)国の法令 ●男女共同参画社会基本法 「男女共同参画社会基本法」は、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、平成11(1999)年6月に公布・施行されました。基本理念として、①男女の人権の尊重、②社会における制度又は慣行についての配慮、③政策等の立案及び決定への共同参画、④家庭生活における活動と他の活動の両立、⑤国際的協調の5つが掲げられています。 また、令和7(2025)年6月には、独立行政法人男女共同参画機構法の施行に伴い、独立行政法人男女共同参画機構の役割や民間団体等との連携及び協働の促進、人材の確保等について一部改正がありました。また、独立行政法人男女共同参画機構に関する附帯決議が付されています。 ●女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法) 「女性活躍推進法」は、女性の職業生活における活躍の推進について、基本原則等を定めることにより、男女の人権が尊重され、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かな活力ある社会を実現するため、平成27(2015)年に9月に施行されました。 また、令和8(2026)年4月には、取組みの推進等を図るため、10年の期限延長や情報公表の必須項目の拡大を含めた改正法や女性活躍推進法に基づく省令・指針の改正が施行されました。これまで従業員数301人以上の企業に公表が義務付けられていた男女間賃金差異や女性管理職比率について、101人以上の企業にも公表義務が付されました。 ●政治分野における男女共同参画の推進に関する法律 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」は、政治分野における男女共同参画を効果的かつ積極的に推進し、もって男女が共同して参画する民主政治の発展に寄与するため、平成30(2018)年5月に公布・施行されました。 また、令和3(2021)年6月には、男女問わず、立候補や議員活動等をしやすい環境を整備するため、家庭生活との両立支援のための体制整備(議会における妊娠・出産・育児・介護に係る欠席事由の拡大など)を明記したほか、セクハラ・マタハラ等への対応を新設するなどした改正法が公布・施行されました。 ●配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法) 「DV防止法」は、配偶者からの暴力にかかる通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、平成13(2001)年4月に公布されました。 この間、社会状況に合わせた改正が行われてきましたが、令和6(2024)年4月には、保護命令制度の拡充・保護命令違反の厳罰化等を定めた改正法が、令和7(2025)年12月には、接近禁止命令等の禁止行為の追加を行う改正法が施行されました。 ●困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法) 「女性支援新法」は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策を推進し、もって人権が尊重され、及び女性が安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現に寄与するため、令和6(2024)年4月に施行されました。 3)国の計画等 ●第6次男女共同参画基本計画の策定(計画期間 令和8年度~12年度) 男女共同参画社会基本法」に基づき、令和8(2026)年3月に本計画が閣議決定されました。「女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(well-being)」の実現のため、令和7(2025)年に改正された「女性活躍推進法」に基づく情報公表の取組みの充実、各種ハラスメント対策の強化、仕事と健康課題の両立支援、テクノロジーの進展と利活用の広がりを踏まえた男女共同参画の推進、能登半島地震等を踏まえた災害対応への男女共同参画の視点導入、地域における男女共同参画の取組みなどを強化しながら取り組むとしています。 ●女性活躍・男女共同参画の重点方針2026(女性版骨太の方針2026) 従来からの取組みに加え、「女性の生涯にわたる健康支援」、「17の戦略分野における女性活躍」、「女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり」の3つを重点分野として焦点を当て、戦略的、体系的に取組みを強化していくこととしています。 また、全ての意思決定に女性が参画することを基本とし、男女共同参画の視点に立ち、男女別の影響やニーズの違いを踏まえた政策・事業の計画・実施や男女別のデータ収集・分析の強化を進め、社会のあらゆる分野における意思決定の質を向上させることが掲げられています。 ●新・女性デジタル人材育成プラン 令和7(2025)年6月決定の「新・女性デジタル人材育成プラン」では、この3年間におけるデジタル技術の進展を概観するとともに、女性がデジタルスキルを身につけることの意義として、「基経験年数に応じた着実な所得向上」、「育児・介護等と両立させた経済的自立の実現」、「企業等におけるキャリアアップ等」、「起業の促進」を示しています。 また、これらを踏まえ、「デジタルスキルを活かした女性活躍の具体的な姿」をパターン化し、支援メニューを提示しています。 ●性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画 「LGBT理解増進法」に基づき、令和8(2026)年6月に本計画が閣議決定されました。学術研究等の実施、知識の着実な普及、相談体制の整備などの講ずべき理解増進施策が明記されるなど、国民の理解の増進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な事項等が定められています。 4)その他男女共同参画に関する各種法制度の整備 ●雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法) 「男女雇用機会均等法」は、雇用の分野における男女の均等な待遇の確保をはかるとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進するため、昭和47(1972)年7月に公布されました。 この間、社会状況に合わせた改正が行われてきましたが、令和7(2025)年6月には、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」の公布に基づき、妊娠・出産・育児等を理由とする不利益取り扱いの禁止強化、ハラスメント防止との連動強化の取組みが定められました。 ●育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法) 「育児・介護休業法」は、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対し、職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、福祉の増進を図り、経済及び社会の発展等に資するため、平成3年5月に公布されました。 令和6(2024)年5月には、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等の措置を講ずることを定めた改正法が公布され、令和7(2025)年4月から段階的に施行されました。 ●刑法及び及び性的姿態撮影等処罰法 「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」及び「性的姿態撮影等処罰法」が令和5(2023)年5月に公布、同年7月から段階的に施行されました。 「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」では、これまでの「強制性交等罪」を「不同意性交等罪」へ、「強制わいせつ罪」を「不同意わいせつ罪」へ改正するとともに、公訴時効期間の延長の改正や16歳未満の者に対する面会要求等の罪などが新設されました。 また、「性的姿態撮影等処罰法」の成立により、性的な姿態を撮影する行為等の罰則が定められたほか、性的姿態等の画像などの複写物の没収、押収物に記録された性的な姿態の画像等の消去・廃棄などについて定められました。 ●ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法) 「ストーカー規制法」は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制等を行うことにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資するため、平成12(2000)年5月に公布されました。 令和7(2025)年12月10日には、紛失防止タグの位置情報を取得する行為や紛失防止タグを取り付ける行為等が規制対象となるほか、職権警告の創設、被害者への援助、情報提供の禁止などの追加について定めた改正法が公布され、同年12月30日から段階的に施行されました。 ●学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(こども性暴力防止法) 「こども性暴力防止法」は、児童への性暴力を防ぐため、子どもと接する業務に従事する者に対し、特定性犯罪前科の有無を確認する安全確保措置を義務付けるため、令和8(2026)年12月25日に施行されました。 ●性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法) 「LGBT理解増進法」は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本理念、国及び地方自治体の役割、基本計画の策定等を定め、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資するため、令和5(2023)年6月23日に公布・施行されました。 ●独立行政法人男女共同参画機構法 令和8(2026)年4月1日に施行に伴い、国立女性教育会館(NWEC)を改組し、男女共同参画促進施策の推進を図り、男女共同参画社会の形成の促進に寄与することを目的とした「独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA(ジーパ))」が新設されました。 JGEPAは、地方公共団体及び男女共同参画センターに対して好事例の共有や実践的な研修、助言等を行うことにより、取組みを支援する「地域支援」や「情報収集・提供」、「研修」、「調査研究」、「国際連携」などを行います。 (5)都の動き 1)東京都の条例・計画等の状況 図_「東京都の条例・計画等の状況」 2)東京都男女平等参画推進総合計画の改定 次期計画に向けては令和8(2026)年4月に答申がとりまとめられ、引き続き、「自らが希望する生き方を選択できる」という視点を軸に「自分らしく生きていく」「女性がいきいき働ける」「ささえる、ひろめる」「配偶者暴力対策」を方向性として位置付けています。 3)東京都パートナーシップ宣誓制度の運用開始 性的マイノリティのパートナーシップ関係にあるお二人に対し、日常生活における様々な場面での手続を円滑にするとともに、都民に多様な性について正しい理解と認識を深める啓発の一環として、令和4(2022)年11月1日より運用が始まりました。 4)第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の策定(計画期間 令和5年度~令和9年度) 「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を踏まえ、「第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」が令和5(2023)年3月に策定されました。「東京都パートナーシップ宣誓制度」が正式に位置付けられたほか、相談体制や連携などの強化が位置付けられています。 5)困難な問題を抱える女性への支援のための施策の実施に関する東京都基本計画の策定(計画期間 令和6年度~令和10年度) 東京都では、国の「女性支援新法」及び「基本的な方針」の内容を踏まえ、困難な問題を抱える女性の福祉の増進及び自立に向けた施策を総合的かつ計画的に展開していくための計画を令和6(2024)年3月に策定しました。本計画では、対象者の把握から地域での自立までの多様な支援を切れ目なく包括的に提供するとともに、本人の意思や意向を最大限尊重した支援の実施、同伴児童へのサポートの強化、困難な課題を抱える若年女性への支援、女性相談支援センター、女性相談支援員、女性自立支援施設を軸とした支援基盤の充実・強化と民間団体や関係機関との円滑な連携・協働の推進に取り組むことが明記されています。 2 世田谷区を取り巻く状況 (1)区の現状 1)年齢別人口構成図(世田谷区) グラフ_「年齢別人口構成図」 資料:世田谷区住民基本台帳 令和8(2026)年1月1日現在 令和8(2026)年1月1日現在、総人口は928,666人、男性は439,436人、女性は489,230人となっています。年齢別の人口構成を見ると、男女ともに50-54歳が最も多く、次いで45-49歳となっています。 2)年齢3区分別人口の推移(世田谷区) グラフ_「年齢3区分別人口の推移」 資料:世田谷区住民基本台帳 各年1月1日現在 年齢3区分別人口の推移を見ると、老年人口は毎年微増、生産年齢人口も増加傾向で推移しています。一方、年少人口は令和3(2021)年をピークに減少しています。 3)世帯数及び世帯人員の推移(世田谷区) グラフ_「世帯数及び世帯人員の推移」 資料:世田谷区住民基本台帳 各年1月1日現在 世帯数は増加傾向で推移しています。一方、世帯人員は毎年微減で推移しています。 4)将来人口推計(世田谷区) グラフ_「将来人口推計」 資料:世田谷区将来人口推計(令和5(2023)年7月)※ 将来人口推計(中位推計)を見ると、長期的な推計人口の最大値は令和24(2042)年の937,270人で、その後はゆるやかに減少に転じる予測となっています。 5)合計特殊出生率の推移(世田谷区・東京都・全国) グラフ_「合計特殊出生率の推移(世田谷区・東京都・全国)」 資料:世田谷区/世田谷区オープンデータカタログ、東京都/人口動態統計、国/人口動態統計 各年1月1日現在 世田谷区の合計特殊出生率は全国、東京都より低い数値で推移しています。令和3(2021)年にやや増加したものの、令和4(2022)年に1を切った以降は減少で推移、令和6(2024)年は0.93となっています。 (2)区の動き 1)世田谷区ファミリーシップ宣誓の運用開始 多様な家族のあり方を尊重するため、性的マイノリティカップルの子どもや親とともに宣誓することができる「世田谷区ファミリーシップ宣誓」を令和4(2022)年11月1日から開始しました。「世田谷区パートナーシップ宣誓」の取組みとあわせ、「世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」として実施しています。 2)世田谷区困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針の策定(方針の期間 令和7年度~令和8年度) 国は令和4(2022)年に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」を制定しました(令和6(2024)年4月施行)。これを受け区では、国から求められる支援の内容等に基づき、区の女性相談支援の窓口はもとより、各部署で行っている事業について、女性への支援の視点から現状や課題をまとめるとともに、今後の女性支援の方向性を示すため、令和7(2025)年3月に「世田谷区困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」を策定し、取組みを推進しています。 3)世田谷区犯罪被害者等支援条例の制定 犯罪被害に遭った方とその家族等の早期回復や生活再建に向けた支援を実施するため、令和7(2025)年4月に「世田谷区犯罪被害者等支援条例」を制定し、あわせて運用方針を策定しました。 条例及び運用方針に基づき、庁内の関係所管課や関係機関と連携しながら、相談支援、経済的支援、居住支援、日常生活支援などを行っています。 3 策定に向けた検討 (1)後期計画の評価と今後の課題 本プランの策定にあたり、「世田谷区第二次男女共同参画プラン後期計画」の指標及び施策の推進状況を確認し、今後の課題を整理しました。 ※【指標の評価】のアンダーラインは良好な評価点線は要改善の評価 基本目標Ⅰ あらゆる分野における女性活躍推進  【指標の達成状況】 No. 指標 目標 後期計画策定時の実績 直近の実績 1 区の審議会等の女性の占める割合 40%以上 令和3年度4月1日現在34.7% 令和8年度4月1日現在35.0% 2 庁内の管理監督的立場(部長・課長級及び係長級)の女性の占める割合 40%以上(管理職:30%) 令和3年度4月1日現在38.4%(管理職:18.9%) 令和8年度4月1日現在41.8%(管理職:25.5%) 3 固定的な性別役割分担意識の解消が必要だと考える人の割合 85%以上 令和元年度81.5% 令和6年度87.0%  A 女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定・公表している区内事業所数 150件 令和3年度(12月28日時点)73件 令和8年度(7月1日時点)132件 【指標の評価】 ○「区の審議会等の女性の占める割合」「庁内の管理監督的立場の女性の占める割合(管理職)」は、第二次プラン策定時より増加しているものの、目標値には達していません。 ○「固定的な性別役割分担意識の解消が必要だと考える人の割合」は、第二次プラン策定時より増加傾向にあり、目標値を上回ります。 ○「一般事業主行動計画」を策定・公表している区内事業所数は、後期計画策定時より伸びているものの、目標値を若干下回ります。 【今後の課題】 〇これまでの取組みにより、男女共同参画に関する意識は一定程度浸透してきました。一方で、固定的な性別役割分担意識や従来型の働き方慣行は依然として社会に根強く残っており、個人の生き方やキャリア選択に影響を及ぼしていると考えられます。 ○引き続き、固定的な性別役割分担意識の解消に向けた取組みを実施していくとともに、政策・方針決定過程における女性の参画促進について庁内はもちろんのこと、事業者に対しても、継続的な呼びかけが重要です。 基本目標Ⅱ ワーク・ライフ・バランスの着実な推進 【指標の達成状況】 No. 指標 目標 後期計画策定時の実績 直近の実績 4 区内事務所におけるポジティブ・アクションの認知度 80% 令和2年度40.7% 令和7年度44.0% 5 仕事と家庭生活をともに優先している人の割合 35% 令和元年度24.4% 令和6年度23.8% 6 町会・自治会長における女性の割合 20% 令和3年度4月1日現在16.0% 令和8年度4月1日現在19.4% B 両親学級・ぷれパパママ講座における男性の参加人数・参加率 平日1,070人(45.0%)休日2,000人(50.0%) 令和元年度平日694人(32.7%)休日1,345人(49.6%) 令和7年度平日554人(47.8%)休日1,531人(49.1%) C ワーク・ライフ・バランスに「既に十分に取り組んでいる」と考えている事業所の割合 20.0% 令和2年度14.8% 令和7年度20.0% 【指標の評価】 ○「区内事務所におけるポジティブ・アクションの認知度」は若干上がっているものの、40%台にとどまっており、目標の80%の半分程度の認知度となっています。 ○「仕事と家庭生活をともに優先している人の割合」は20%台で推移しており、目標の35%は達成できていません。 ○「町会・自治会長における女性の割合」は上昇しており、あとわずかで目標の20%を達成します。 ○「両親学級・ぷれパパママ講座における男性の参加人数・参加率」は平日の参加人数が減少していますが、参加率で見ると上昇し、目標値を上回っています。一方で休日の参加者数は増加していますが、参加率は横ばいとなっています。 ○「ワーク・ライフ・バランスに『既に十分に取り組んでいる』と考えている事業所の割合」は第二次プラン策定時以降、順調に実績値を上げていき目標値に到達しています。 【今後の課題】 〇就業形態やライフスタイルの多様化が進む中で、誰もが自分らしい生き方やキャリアを選択できる環境整備が求められています。そのため、事業者へ職場環境の整備を働きかけていくことが重要です。 ○ワーク・ライフ・バランスの普及啓発に向け、区民・事業者に対し継続的な普及・啓発を図るとともに、事業所への情報発信に工夫が求められます。 基本目標Ⅲ 暴力やハラスメントのない社会の構築  【指標の達成状況】 No. 指標 目標 後期計画策定時の実績 直近の実績 7 DV防止法の認知度(「法律名も内容も知っている」と回答した人の割合) 60% 令和元年度30.7% 令和6年度42.4% 8 「DVが100%加害者に責任があり、許せないものである」と考える人の割合 80% 令和元年度54.0% 令和6年度65.5% 9 デートDVの出前講座実施校数 中学校:10校高等学校:10校 令和2年度中学校:6校 高等学校:0校 令和7年度中学校:3校高等学校:0校 D 区職員へのDV防止研修の実施回数・参加人数 実施回数:2回参加人数:80人 令和2年度実施回数:1回参加人数:40人 令和7年度実施回数:1回参加人数:55人 E パワーハラスメント防止対策義務化の認知度 90.0% 令和2年度57.9% 令和7年度73.3% 【指標の評価】 ○「DV防止法の認知度」は増加傾向ではありますが、目標の60%には達していません。 ○「DVが100%加害者に責任があり、許せないものである」との考え方は浸透してきていますが、目標の80%には達していません。 ○「デートDVの出前講座実施校数」は目標値に達していません。 ○「区職員へのDV防止研修の実施回数・参加人数」は回数・参加人数ともに目標値に達していません。 ○区内事業所の「パワーハラスメント防止対策義務化の認知度」は増加していますが、目標値は達成していません。 【今後の課題】 〇DVや性暴力、ハラスメントに関する認知は一定程度進んでいるものの、区民一人ひとりの理解には十分結びついておらず、依然として課題が残されています。 〇潜在化し相談につながらない事案もあるため、関係機関との連携により早期発見から支援につなげるまでの仕組みづくりを強化していく必要があります。また、児童虐待や生活困窮など課題が複合化・多様化していることから相談員のスキル向上が求められています。 〇今後は、困難な状況にある女性に対し、ニーズに応じた適切な支援が行われる体制を充実させ、自立や生活の安定を促進することが求められています。 基本目標Ⅳ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の構築 【指標の達成状況】 No. 指標 目標 後期計画策定時の実績 直近の実績 10 がん検診の受診率 計画策定時の実績以上 令和2年度子宮がん25.7%乳がん23.7% 令和6年度子宮がん28.8%乳がん25.8% 11 ひとり親家庭の養育費相談の実施 計画策定時の実績以上 令和2年度7回利用者数30人 令和7年度6回 12 「性的マイノリティ」という言葉の認知度 90% 令和元年度88.8% 令和6年度94.7% F パートナーシップ宣誓の認知度*令和7年度企業の実績はパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の認知度 区民:45.0%企業:40.0% 令和元年度区民:30.4%令和2年度企業:26.5% 令和7年度区民:9.3%令和7年度企業:17.6% G 性的マイノリティへの人権施策等が必要だと考えている人の割合 80.0% 令和元年度74.6% 令和7年度56.4% 【指標の評価】 ○「がん検診の受診率」は第二次プラン策定時の実績値を上回っています。 ○「ひとり親家庭の養育費相談の実施」は第二次プラン策定時の実績以上を目標としていますが、後期計画策定以降に実施回数を見直したことにより、直近の実績は目標を下回っています。 ○「『性的マイノリティ』という言葉の認知度」は目標値を大きく上回り、約95%と高い認知度となっています。 ○「パートナーシップ宣誓の認知度」は、対象者を拡大した「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」となったことも影響し、低下傾向にあります。 ○「性的マイノリティへの人権施策等が必要だと考えている人の割合」は直近の実績が最も低くなっています。 【今後の課題】 〇性的マイノリティ等に関する認知度は着実に高まっているものの、理解の深化や当事者の置かれている状況、支援の必要性に対する意識にはばらつきが見られます。 ○「世田谷区パートナーシップ宣誓」そのものの認知に加え、その意義や目的に対する理解が十分に広がっていないため、引き続き、性の多様性に対する正しい理解促進が求められます。 〇性差に起因する健康課題について、十分な理解や支援が行き届いていない状況があり、理解促進を図ることが課題となっています。 推進体制 男女共同参画社会の実現に向けた方策  【今後の課題】 ○各分野において施策の進展が見られる一方で、分野や対象によって、指標や成果に差が生じており、課題の把握と対応にばらつきがある状況です。このため、ジェンダー統計の活用や調査分析を行い、証拠に基づく政策立案(EBPM)の推進と成果の見える化、改善サイクルの強化を図ることが重要です。 ○ジェンダー平等の取組みをより効果的に推進するための庁内体制の強化とジェンダー主流化の考えを全庁的に共有することが求められます。その前提として、職員のジェンダー平等に関する理解促進と意識向上が重要な鍵となります。また、職員が働きやすい職場環境の整備に向けて、各種休暇制度や勤務時間の是正・管理についての周知を図っていく必要があります。 ○男女共同参画センター「らぷらす」を地域におけるジェンダー平等推進の核として機能充実を図るとともに、幅広く区民が参加・交流する機会の提供が求められています。 ○社会課題の複雑化に対応し、地域課題の解決を図るために、地域・事業者など多様な主体との協働が重要です。 (2)プラン見直しの視点 (1)の指標の達成状況や今後の課題、また社会構造の動向やジェンダーに関する現状、国や都等の動きを踏まえ、プランの見直しを実施します。 1 意識の醸成から行動変容へ ―自分らしい生き方の実現に向けた総合的推進― ●区民への意識啓発から行動変容へとつなげる施策の強化 ●ライフステージや個々の状況に応じた多様なライフデザインを描ける支援の推進 ●性別にとらわれず誰もが自分の個性や能力を発揮できるジェンダー平等社会の実現に向けた地域・事業者・行政の総合的な推進 2 人権尊重と安全確保を基軸とした支援の強化 ―複雑化・深刻化する課題への対応― ●暴力を容認しない意識づくりから被害者支援に至るまでの一体的な取組みの実施 ●若年女性、男性、性的マイノリティなど多様な対象を含む被害者支援の実施 ●関係機関との連携による実効性を備えた相談体制の充実 ●人権と尊厳が尊重され、あらゆる人が守られる社会の実現に向けた施策の推進 3 多様性の理解から包摂へ ―尊重と支援を一体的に進める社会の構築― ●性の多様性の理解促進にとどまらない、尊重と支援を一体的に推進する視点へ発展 ●生涯にわたるこころと身体の健康、権利を包括的に捉えた支援を推進 ●次世代を担う子ども・若者への働きかけを強化し、誰もが理解し尊重し合いながら尊厳をもって生きることができる社会の実現 4 施策の実効性を高める推進基盤の強化 ―連携・見える化・体制強化― ●ジェンダー平等の視点に基づく推進体制の整備・強化と全庁的な主流化の推進 ●庁内の横断的な連携強化と多様な主体との協働の推進 ●施策の進行管理やジェンダー統計を活用した成果の見える化(EBPM)の強化に基づく、計画全体の実効性の向上 ■プラン体系の見直し 第二次プランは4つの基本目標と推進体制から構成されていますが、よりシンプルにわかりやすい計画とするため、第三次プランでは3つの基本目標と推進体制へと体系を再整理しました。 また、時代潮流や区の現状などから新たに取り入れるべき課題を追加しながら、見直しの視点を踏まえ、以下の体系としました。 第二次プラン体系 基本目標Ⅰ あらゆる分野における女性活躍推進 課題1 固定的な性別役割分担意識の解消 課題2 女性の活躍推進と政策・方針決定過程への女性の参画促進 課題3 女性のキャリア形成と多様な働き方の支援 基本目標Ⅱ ワーク・ライフ・バランスの着実な推進 課題4 ワーク・ライフ・バランスの普及・啓発 課題5 男女がともに家事、育児、介護を担える支援の充実 課題6 防災・地域活動等への参画促進 基本目標Ⅲ 暴力やハラスメントのない社会の構築 課題7 配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援の充実 課題8 性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 課題9 暴力を容認しない意識づくり 基本目標Ⅳ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の構築 課題10 性差に応じたこころと身体の健康支援 課題11 ひとり親家庭等が安心して生活できる環境づくり 課題12 性的マイノリティ等多様な性への理解促進と支援 推進体制 男女共同参画社会の実現に向けた方策 方策1 男女共同参画センター「らぷらす」の機能の充実 方策2 区職員の男女共同参画推進 方策3 推進体制の整備・強化 第三次プラン体系 基本目標Ⅰ ジェンダー平等社会の実現に向けた総合的な取組みの推進 課題1 ジェンダー平等の意識醸成 課題2 性別や年齢等にとらわれない多様なライフデザインの実現と支援 新規 課題3 女性の活躍推進と就労に向けた支援 課題4 男女共同参画センター「らぷらす」におけるジェンダー平等の推進 基本目標Ⅱ あらゆる人の人権や尊厳が守られる社会の実現 課題5 暴力やハラスメント防止の啓発 課題6 配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援 課題7 困難な問題を抱える女性への支援の充実 新規 課題8 性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 基本目標Ⅲ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の推進 課題9 性の多様性に関する理解促進と性的マイノリティへの支援 課題10 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の理解促進 新規 課題11 性差に応じたこころと身体の健康支援 区の推進体制 方策1 ジェンダー平等推進のための体制整備・強化 新規 方策2 職員のジェンダー平等の推進 方策3 多様な視点や連携による施策の充実 (3)策定の経過 1)世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会への諮問及び審議 「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例(平成30(2018)年3月6日条例第15号)」第10条に基づき、区長の附属機関として設置されている「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」に計画の策定にあたっての考え方について諮問を行いました。 また、同審議会の「男女共同参画推進部会」において、計画の内容について具体的な検討を進めるとともに、「多文化共生推進部会」とも検討状況の共有を行いました。 2)庁内での検討体制 副区長を長とし、区の部長級職員で構成される「世田谷区男女共同参画推進会議」、課長級職員で構成される「世田谷区男女共同参画推進会議幹事会」に報告し、意見を聴取しました。また、本プランの策定検討にあたり、課長級職員で構成される庁内検討会と係長級職員で構成される作業部会も立ち上げ、具体的な内容の検討を行いました。 3)世田谷区立男女共同参画センター「らぷらす」との検討 地域におけるジェンダー平等の推進拠点である「らぷらす」において、区の現状と課題について意見交換するとともに、本プランの内容について検討を行いました。 4)男女共同参画に関する各種調査結果の活用 ①世田谷区男女共同参画に関する区民意識・実態調査(令和6(2024)年度実施) ②区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査(令和7(2025)年度実施) ③世田谷区区民意識調査(毎年度実施) ④世田谷区職員の男女共同参画に関する意識調査(令和7年(2025)年度実施) 第3章 計画の内容 1 計画の体系 図_「基本目標」「区の推進体制」 基本目標 課題 施策 基本目標Ⅰジェンダー平等社会の実現に 向けた総合的な取組みの推進 課題1ジェンダー平等の意識醸成 1ジェンダー平等社会の実現に向けた意識啓発 2子ども・若者が性別にとらわれず多様な未来を描くための意識啓発 3従業員それぞれの働き方を尊重するための意識啓発 課題2性別や年齢等にとらわれない多様なライフデザインの実現と支援 1育児、介護等をともに社会で支えるための支援 2ひとり親家庭が安心して生活できる環境づくり 3多様な働き方の支援 4地域活動への参画促進 5子どものキャリア教育と若者のライフデザイン形成支援 6働きやすい環境整備のための事業者への支援 課題3女性の活躍推進と就労に向けた支援 1女性のキャリア形成と多様な働き方の支援 2女性活躍の取組みを推進する事業者への働きかけ 3地域や防災分野における女性の参画促進 課題4男女共同参画センター「らぷらす」におけるジェンダー平等の推進 1男女共同参画センター機能の強化 2区民等の学びと活動を促進する機能の充実 3区関係所管課、関係機関、地域活動団体等との連携 基本目標Ⅱあらゆる人の人権や尊厳が守られる社会の実現 課題5暴力やハラスメント防止の啓発 1暴力の防止と見過ごさず行動するための意識づくり 2デートDVの防止及びインターネット等に対するリテラシー向上の啓発 3職場におけるハラスメントの防止に向けた普及・啓発 課題6配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援 1ニーズに応じた相談事業の実施 2被害者の安全確保と生活再建に向けた支援 3関係機関との連携を通じた支援の充実 4被害者支援と児童虐待防止の連携 課題7困難な問題を抱える女性への支援の充実 1女性相談支援員の体制強化及び支援の充実 2居場所の創出と生活力の向上支援 3関係機関や民間団体との連携 課題8性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 1相談窓口の周知と被害者支援 2国や都、関係機関との連携 基本目標Ⅲ多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の推進 課題9性の多様性に関する理解促進と性的マイノリティへの支援 1性の多様性を尊重し合える社会の実現に向けた意識の醸成 2子ども・若者への性の多様性に関する啓発 3安心して働くための事業者への啓発 4防災や医療・福祉分野等における性的マイノリティに関する取組み 5パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組み 6性的マイノリティの相談体制・居場所づくりの充実 課題10リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の理解促進 1自分も相手も大切にするためのリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 2生涯を通じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの取組み 課題11性差に応じたこころと身体の健康支援 1多様なライフデザインを描くための健康支援 2従業員のウェルビーイング(多様な幸せ)を高めるための健康経営の促進 区の推進体制 方策1ジェンダー平等推進のための体制整備・強化 1ジェンダー主流化推進のための意識醸成 2ジェンダー主流化の実装に向けた実践 3庁内推進体制の強化 4審議会等の女性登用率の向上 方策2職員のジェンダー平等の推進 1庁内の管理監督的立場への女性の登用 2職員の仕事と生活の両立支援 3職員のハラスメントの防止 4職員の多様な性に対する理解促進 方策3多様な視点や連携による施策の充実 1「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」におけるフォローアップ 2国や都、他自治体との連携強化 3ジェンダー平等に関わる地域活動団体との連携・協力 基本目標Ⅰ ジェンダー平等社会の実現に向けた総合的な取組みの推進 基本目標Ⅰジェンダー平等社会の実現に向けた総合的な取組みの推進 ◇「男女共同参画社会基本法」では、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意志によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべき社会を形成すること」を目標としています。 ◇世田谷区においても「世田谷区基本計画」では「多様性の尊重」を掲げ、一人ひとりが自分らしく生き、全ての人が尊重される社会の実現に向け、多様性を認め合うとともに、人権課題への理解を深め、あらゆる人権侵害の根絶を目的としています。 ◇一人ひとりが性別にとらわれることなく、自分らしいライフデザイン*を描き、個性や能力を十分に発揮することができる社会の実現を目指します。 課題・施策の体系 課題 施策 課題1ジェンダー平等の意識醸成 1ジェンダー平等社会の実現に向けた意識啓発 2子ども・若者が性別にとらわれず多様な未来を描くための意識啓発 3従業員それぞれの働き方を尊重するための意識啓発 課題2性別や年齢等にとらわれない多様なライフデザインの実現と支援 1育児、介護等をともに社会で支えるための支援 2ひとり親家庭が安心して生活できる環境づくり 3多様な働き方の支援 4地域活動への参画促進 5子どものキャリア教育と若者のライフデザイン形成支援 6働きやすい環境整備のための事業者への支援 課題3女性の活躍推進と就労に向けた支援 1女性のキャリア形成と多様な働き方の支援 2女性活躍の取組みを推進する事業者への働きかけ 3地域や防災分野における女性の参画促進  課題4男女共同参画センター「らぷらす」におけるジェンダー平等の推進 1男女共同参画センター機能の強化 2区民等の学びと活動を促進する機能の充実 3区関係所管課、関係機関、地域活動団体等との連携 脚注「ライフデザイン」将来のライフイベント(進学、就職、結婚・育児、住宅の確保、資産の形成、老後など)について、自分の価値観に基づき計画を立てて考えていくこと。また、環境や状況に変化が生じた場合でも、自らの意思で人生を選択していくこと。 現状把握指標 社会に対する区民の意識を把握するための指標 指標名 固定的な性別役割分担意識の解消が必要だと考える人の割合 (〔「男は仕事、女は家庭」という考え方には共感する〕の否定派の割合) 令和6年度 87.0% 成果指標  区の施策の効果を把握するための指標 課題1 指標名 講座・研修等の受講者のうち、ジェンダー平等について、自分自身に関わる課題として考えることができた人の割合 現状値 今年度取得 令和13年度目標値 調整中 課題2 指標名 将来の夢や目標を持っている児童・生徒の割合 現状値 小学生 80.5% (令和6年度) 中学生 64.4%(令和6年度) 令和13年度目標値 小学生 83.0% 中学生 70.0% 課題3 指標名 せたがや女性防災コーディネーターによる地域啓発研修の参加者数 現状値 1,493人 (令和7年度) 令和13年度目標値 4,043人 課題4 指標名 らぷらすサポーターのイベント等への参加人数 現状値 35人 (令和7年度) 令和13年度目標値 50人 重点事業 成果指標の最終目標値を達成するために重要となる事業 課題1 らぷらすフェスタの実施 p.44 課題1 学校出前授業の実施 p.45 課題2 区立小・中学校におけるキャリア教育の充実 p.58 課題3 せたがや女性防災コーディネーターによる地域啓発研修の実施 p.63 課題4 区関係施設や地域活動団体等との連携 p.66 課題1ジェンダー平等の意識醸成 ■現状と課題■ ●国においては、平成15(2003)年に「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるように期待する」との目標を掲げ、女性活躍推進に取り組んできましたが、経済、政治など遅れが見られる分野もあり、継続的な取組みが求められます。 ●女性の活躍を阻害する要因として、固定的な性別役割分担意識*や性差に関する偏見、さらには社会制度・慣行の影響が挙げられます。特に、家事・育児・介護等の負担が女性に偏る傾向が強く、仕事とライフイベントの両立が困難な状況にあります。その結果、キャリア形成の遅れや中断を余儀なくされる状況が多く見られます。令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識を否定する回答は約9割に達していますが、女性の否定割合は男性を9ポイント上回っており、男女間で意識の差が見られます。 ●一方、男性においても、家族を養う経済力が重視され、仕事優先とする固定的な性別役割分担意識による負担が依然として大きい状況にあります。多くの男性が「仕事」と「家庭生活」の両立を望んでいるにもかかわらず、実際には長時間労働や育児休業を取得しにくい職場環境などにより、その実現が困難となっている点が課題です。 ●固定的な性別役割分担意識の解消に向けた取組みは、今後も継続していく必要があります。特に、次世代を担う若い世代への意識啓発が重要です。 ●あわせて、事業者に対しても、意識啓発の促進及び働きやすい職場環境の整備に向けた働きかけが求められます。 脚注「固定的な性別役割分担意識」例えば「男性は仕事、女性は家庭(家事・育児・介護)」などといった性別を理由にして役割を分ける考え方のこと。 ① 「男は仕事、女は家庭」という考え方(固定的な性別役割分担意識)に対する現況    表_「男は仕事、女は家庭」という考え方には共感する グラフ_「「男は仕事、女は家庭」という考え方(固定的な性別役割分担意識)に対する現況」【女性】【男性】 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識に対する《否定派》の割合は87.0%となっています。しかし、性別で比較すると、女性の《否定派》の割合は、男性を大きく上回っており、男女間で意識の差が見られます。 ② 「男性である」がゆえに生じる、男性特有の負担感や生きづらさ              グラフ_ 「「男性である」がゆえに生じる、男性特有の負担感や生きづらさ」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、男性は特有の負担感や生きづらさとして、「家族を養う経済力」や「『家』を背負っていかなければならない責任感を求められる」を挙げています。また、「弱音を吐いたり、悩みを打ち明けるのは恥ずかしいという考え方が存在する」と回答する割合も高い傾向にあります。こうした状況から、男性においても、固定的な性別役割分担意識に基づく社会的な負担が存在するとともに、悩みを相談しにくい状況があることがうかがえます。 ③ 「ワーク・ライフ・バランス」に関する希望と現実                  グラフ_「「ワーク・ライフ・バランス」の希望」 グラフ_「「ワーク・ライフ・バランス」の現実」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「ワーク・ライフ・バランス」に関する希望については、男女ともに「『仕事』と『家庭生活』をともに優先したい」とする割合が最も高く、次いで「『家庭生活』を優先したい」「『仕事』と『家庭生活』と『地域生活』をともに優先したい」の順になっています。一方、現実の状況を見ると、女性は「『家庭生活』を優先している」「『仕事』を優先している」「『仕事』と『家庭生活』をともに優先している」の順で割合が高く、男性は「『仕事』を優先している」「『仕事』と『家庭生活』をともに優先している」「『家庭生活』を優先している」の順となっており、女性は家庭を、男性は仕事を優先している状況が見られます。 ■施策の方向性■ 1 ジェンダー平等社会の実現に向けた意識啓発 自らの意思に基づき、個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向け、固定的な性別役割分担意識の解消を図るとともに、ワーク・ライフ・バランスに関する周知・啓発を引き続き行います。 2 子ども・若者が性別にとらわれず多様な未来を描くための意識啓発 子ども・若者が、性別にとらわれることなく主体的に将来を考え、自分らしい人生選択ができるよう、固定的な性別役割分担意識の解消に向けた周知・啓発を行います。 3 従業員それぞれの働き方を尊重するための意識啓発 従業員が従来の慣行にとらわれない、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方へ転換できるよう、個人への意識啓発に加え、事業者に対しても、固定的な性別役割分担意識の解消及びワーク・ライフ・バランスに関する周知・啓発を行います。 ■事業展開■ 1 ジェンダー平等社会の実現に向けた意識啓発 No. 事業名 担当課 1-1 男女共同参画タウンミーティングの実施 人権・男女共同参画課 地域におけるジェンダー平等を推進することを目的に、区民や地域活動団体等を対象としたタウンミーティングを開催します。 1-2重点 らぷらすフェスタの実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、ジェンダー平等に関する様々な問題や社会課題をテーマに講演会を実施し、区民等の意識啓発を図ります。 行動量名らぷらすフェスタの実施回数 現況値1回(令和8年度) 令和9年度1回 令和10年度1回 令和11年度1回 令和12年度1回 令和13年度1回 1-3 男女共同参画理解促進講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、ジェンダー平等に関する様々な問題や社会課題をテーマに講座を実施し、意識啓発を図るとともに、区民等の主体的な参加を促します。 1-4 情報誌「らぷらす」の発行 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、ジェンダー平等に関する様々な問題や社会課題について、区民等へ情報提供や周知・啓発を図ることを目的に発行します。 1-5 男女共同参画センター「らぷらす」におけるHP・SNS等、様々な媒体を用いた情報発信 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、HP・SNS等、様々な媒体を使用しながら、男女共同参画に関する情報発信を行います。 No. 事業名 担当課 1-6 男女共同参画センター「らぷらす」における関連図書資料等の収集・提供 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、男女共同参画に関する新着図書の紹介、ギャラリー展示、シネマサロン等により、周知・啓発を行います。 2 子ども・若者が性別にとらわれず多様な未来を描くための意識啓発 No. 事業名 担当課 2-1重点 学校出前授業の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、小学校・中学校・高等学校を対象に、男女共同参画をテーマとした出前授業を実施します。 行動量名学校出前授業の実施回数 現況値5回(令和7年度) 令和9年度6回 令和10年度6回 令和11年度6回 令和12年度6回 令和13年度6回 2-2 男女平等教育等の人権教育の推進 教育指導課 「道徳科」では男女平等や分け隔てない関わりを、「社会」では女性の人権について学習を行います。 2-3 区立学校教職員を対象とした研修の実施 事業推進担当課 「若手教員育成研修」「中堅教諭の資質向上研修」等の教員研修において人権課題について理解を深めます。 2-4 家庭教育学級の実施 生涯学習課 子どもの教育に関わる、家庭、学校、地域社会における様々な問題について保護者としての関わり方や解決方法などを学び合います。 3 従業員それぞれの働き方を尊重するための意識啓発 No. 事業名 担当課 3-1 事業者向けリーフレットによる周知・啓発 人権・男女共同参画課 事業者向け啓発紙の配布により、事業者へジェンダー平等に関する周知・啓発を図ります。 課題2性別や年齢等にとらわれない多様なライフデザインの実現と支援 ■現状と課題■ ●現在、我が国の総人口は少子高齢化により減少傾向で、平均寿命は男女ともに80歳を超えるとともに、死亡最頻値は女性92歳、男性88歳と、まさに人生100年時代を迎えています。また、高齢者の独居率が上昇するなど、社会状況が大きく変化する中、長期的な視点でライフデザインを考えていくことが重要となります。 ●共働き世帯の増加が進む中、ワーク・ライフ・バランスの実現には依然として課題が多く、家事・育児・介護の負担は女性に偏る傾向が見られます。令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、女性では「保育サービスや介護サービスなど、育児・介護に関する社会的サポートの充実」を望む回答が最も多くなっています。一方、男性では「長時間勤務の見直し」を求める回答が最も多く、育児休業制度についても「収入が減少する」ことを理由に利用を控える傾向が見られます。 ●高齢化の進展に伴い、介護に関する課題は増えています。特に50歳前後の世代においては、仕事と介護を両立するワーキングケアラー*となることや、離職を余儀なくされたミッシングワーカー*となるおそれが指摘されています。 ●ワーク・ライフ・バランスの実現に向けては、令和7(2025)年度「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」において、「仕事の見直しや長時間労働の削減」が重要と考える事業者が5割を超えており、実際に約半数の事業者が取組みを進めています。 ●個々の多様なワーク・ライフ・バランスの実現に向けては、生活スタイルや雇用形態の多様化に対応し、多様な働き方を選択できる環境の整備が求められています。 ●ひとり親家庭は、子育てと生計を立てる役割をひとりで担っており、日常生活や収入等、様々な場面で困難に直面することがあります。地域で孤立することなく、安定した生活を送ることができる環境づくりを行う必要があります。 ●また、女性や若者など様々な人材が地域活動に参画することは、多様性が尊重される地域社会の形成及び誰もが暮らしやすく、働きやすい地域づくりの推進につながります。 ●区民一人ひとりが、仕事や地域活動を通して能力や個性を発揮し、多様なライフデザインを実現できるよう、幼少期からのキャリア教育が必要です。あわせて、働きやすい職場環境の整備に向け、事業者の理解促進を図ることが重要です。 脚注_「ワーキングケアラー」家族や親族の介護をしながら、仕事をしている人のこと。 「ミッシングワーカー」求職活動をしないことにより、完全失業者数に含まれず、雇用統計などで把握できない(見えない)人のこと -仕事と生活の両立の現況- ① 家事をいつもしている人の割合                          グラフ_「家事をいつもしている人の割合」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、家事を担っている人の割合について、「食事のしたく」「食料品・日用品の買い物」「洗濯」「部屋の掃除」「風呂やトイレの掃除」のいずれの項目についても、女性が担う割合が男性に比べて大きい傾向が見られます。男性が家事を行う割合は上昇しているものの、依然として女性が家事の大部分を担っている状況がうかがえます。 ② 仕事と生活の調和を図る上で重要なこと                        グラフ_「仕事と生活の調和を図る上で重要なこと」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、仕事と生活の調和を図る上で重要と考えられている事項について、女性では「保育サービスや介護サービスなど、育児・介護に関する社会的サポートの充実」が最も多く、男性では「長時間勤務の見直し」が最も多くなっています。 また、男性においては、心配事として「収入面の減少」、必要と思うこととして「長時間勤務の是正」を挙げる回答が見られます。これらの結果から、男女ともに、固定的な性別役割分担意識の影響を受けている状況がうかがえます。 このため、個人の意識にとどまらず、事業者に対する意識啓発の取組みに加え、制度の整備に向けた働きかけを行う必要があります。 ③ 介護者と本人の関係及び介護者の性別・年齢と男性の介護への参加を進めるために必要なこと  グラフ_「介護の性別」 グラフ_「介護者と本人の関係」 グラフ_「介護者の年齢」 グラフ_「男性の介護への参加を促進するために必要な取組み 令和7(2025)年度「介護保険実態調査」によると、主な介護者のうち配偶者が23.6%を占め、また、全体の64.1%が女性となっています。 さらに、家族介護者の62.1%が60代以上、50代も25.6%を占めており、仕事と介護を両立する、いわゆるワーキングケアラーとなっている状況がうかがえます。このような中、介護・看護を理由とした離職も一定数存在しています。 加えて、50代及び60代の家族介護者については、今後、老老介護へ移行する可能性も高いことが懸念されています。 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、男性の介護への参加を促進するために必要な取組みとして、「男性が取りやすいような介護休暇制度を整備する」が最も多く挙げられています。次いで、「労働時間を短くしたり、在宅勤務、フレックスタイムの導入などを企業に働きかける」が挙げられています。 これらの結果から、介護においても、制度整備や柔軟な働き方の推進が求められている状況がうかがえます。 -ひとり親家庭の現況- ④ 世田谷区におけるひとり親家庭の年間就労収入と養育費の受取状況            グラフ_「年間世帯就労収入」 グラフ_「養育費の受取状況」 令和5(2023)年度「ひとり親家庭調査」によると、年間の世帯の就労収入が0~300万円未満であると回答した合計が5割を超えています。こうした状況の中、養育費を受け取っているひとり親は約3割にとどまり、ひとり親家庭の生活の安定と向上に向けた支援が求められています。 -社会参加の現況- ⑤-1 日常的に交流の持てるグループやサークル、団体などの、自主的な活動への参加 グラフ_「日常的に交流の持てるグループやサークル、団体などの、自主的な活動への参加  令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、日常的に「参加している」と回答した割合は、女性は60代の割合が最も高く、次いで20代までとなっています。男性は20代までの割合が最も高く、次いで60代となっています。さらに、配偶者の有無で見ると、配偶者がいない男性の参加割合が最も高い結果となっています。 ⑤-2 日常的に交流の持てるグループやサークル、団体などの自主的な活動へ参加しない理由      グラフ_「日常的に交流の持てるグループやサークル、団体などの自主的な活動へ参加しない理由」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、活動に参加していない理由として、男女ともに「時間に余裕がないから」が高い割合を占めています。また、男性では「情報がないから」「関心がないから」とする回答の割合も高くなっています。 さらに、「自分自身どんな活動がしたいかわからないから」とする回答は同程度となっており、活動について考える機会の提供や情報発信を図る必要があると考えられます。 -子どものキャリア教育の現況- ⑥-1 世田谷区におけるキャリア教育の取組み                        グラフ_「世田谷区におけるキャリア教育の取組み」 キャリア教育とは、児童生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育成し、キャリア発達を促す教育です。 世田谷区では、区立全幼稚園・認定こども園、全小・中学校において、「せたがやキャリア教育カタログ」を配布し、キャリア教育の推進と理解を深めています。 取組状況としては、区立幼稚園・認定こども園の87.5%、小学校の73.8%において「人間関係・社会形成能力」に関する取組みが実施されています。  また、中学校では「自己理解・自己管理能力」に関する取組みが69.0%となっています。 さらに、「キャリアプランニング能力」に関する取組みについては、中学校で実施校の割合が増加する傾向が見られます。 ⑥-2 職場体験活動の日数別に見た学習意欲向上                       グラフ_「職場体験活動の日数別に見た学習意欲向上」 中学校のキャリア教育の一環として実施されている職場体験活動については、多くの学校が中学2年時に実施しています。また、実施日数が多いほど、生徒の学習意欲が向上していると認識している学校の割合が高い傾向が見られます。 特に、取組日数が「1日」から「2日」、「4日」から「5日」と増加する場合においては、学習意欲向上に関する認識の割合が10ポイント近く高くなる結果が示されています。 ■施策の方向性■ 1 育児、介護等をともに社会で支えるための支援 育児、介護等をともに社会で支え、保護者や介護者等の負担を軽減することにより、誰もが自分らしいライフデザインが描けるよう、支援の充実を図ります。 2 ひとり親家庭が安心して生活できる環境づくり ライフステージに合わせたキャリアアップ支援や日常生活における多面的な支援の充実を図るとともに、男女共同参画センター「らぷらす」においては、地域における孤立を防止し、つながりの創出に向けた支援に取り組みます。 3 多様な働き方の支援 雇用形態にとらわれない多様な働き方を選択できるよう、セミナーの実施に加え、相談や交流を通じた多様な働き方を支援します。 4 地域活動への参画促進 地域活動への参画機会の創出及び情報発信の充実により、区民の地域活動への参画を促進し、多様なライフデザインの実現を支援します。 5 子どものキャリア教育と若者のライフデザイン形成支援 子ども・若者が、進学や職業選択等において、主体的に考えられるよう、キャリア教育を推進するとともに、ライフデザイン形成の支援を実施します。 6 働きやすい環境整備のための事業者への支援 仕事と家庭生活の両立及びワーク・ライフ・バランスについて、事業者の理解促進を図るとともに、従業員が働きやすい環境の整備に向けた支援を実施します。 ■事業展開■ 1 育児、介護等をともに社会で支えるための支援 No. 事業名 担当課 1-1 両親学級の開催 健康推進課各総合支所保健福祉センター健康づくり課 妊婦及びパートナーを対象に、妊娠中から産後の過ごし方、育児のお話、食事診断、沐浴などの育児体験を実施します。 1-2 せたがや0→1子育てエール(ファミリー・アテンダント事業)の実施 子ども家庭課 0歳5か月~11か月の子を育てている家庭を毎月訪問し、子育て支援情報やデジタルギフトを提供します。また、希望に応じて、相談先やサポートにつなげます。 No. 事業名 担当課 1-3 バースデーサポート事業の実施 子ども家庭課 子育てに関するアンケートを実施し、回答者へデジタルギフトを配布します。また、必要に応じてネウボラ・チーム等が電話等でフォローします。 1-4 ネウボラ・チームの連携による伴走支援の強化 子ども家庭課健康推進課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課各総合支所保健福祉センター健康づくり課 保健師等専門職からなるネウボラ・チームが、地域・医療機関等と緊密に連携し、妊娠期から子育て家庭を切れ目なく支援します。 1-5 産前・産後訪問支援事業(さんさんプラスサポート事業・ツインズサポート事業)の実施 子ども家庭課 産前・産後に養育に不安等がある家庭(妊娠期から1歳未満の子)や多胎児をもつ家庭(妊娠期から3歳未満の子)を訪問支援ヘルパーが家事育児補助等を行い、虐待リスク等の高まりを未然に防ぎます。 1-6 産後ケア事業の拡充 児童相談支援課 産後の心身が不安定な時期にご家族などから支援を受けられない方に、宿泊・日帰り・訪問で、母子のケアを行います。 1-7 保護者のニーズを踏まえた多様な保育の充実 保育課子ども・若者支援課乳幼児教育・保育支援課 幼稚園による預かり保育、緊急一時保育、定期利用保育、病児・病後保育事業等を充実し、保護者ニーズに対応します。 1-8 ファミリー・サポート・センター事業の実施 子ども家庭課 あらかじめ紹介した援助会員(有償ボランティア)が保護者に代わり、子ども(生後5か月~小学校6年生まで)の短時間の預かりや保育園等の送迎を行います。 1-9 おでかけひろば事業の整備 子ども家庭課 就学前の親子や妊婦とその家族が、身近な地域で交流や気軽な相談、子育て情報の収集ができるつどいの場です。 1-10 おでかけひろばにおける「ほっとひと息事業(レスパイト事業)」の実施 子ども家庭課 保護者のレスパイトのため、スタッフや他の保護者が子どもの見守りを行います。 1-11 赤ちゃん・子どものショートステイの実施 児童相談支援課 保護者の疾病・出産などの入院や出張等で子どもの養育・保育ができないときに短期間の一時預かりを行います。 No. 事業名 担当課 1-12 ようこそ児童館へ事業の実施 児童課 出産後、赤ちゃん訪問の際に絵本引換券を渡し、児童館や子育て支援施設を利用するきっかけとしてファーストブック(絵本)を配布します。 1-13 世田谷子ども・子育てテレフォン(電話相談事業)の実施 児童相談支援課 夜間・休日の子育てに関する相談を受け付けるとともに、必要に応じて、専門機関の紹介や区の子育て支援サービスにつなげます。また、子ども本人からの相談も受け付けます。 1-14 男性のための料理教室の実施 各総合支所保健福祉センター健康づくり課 バランスのとれた食生活を自ら実践できるよう、男性を対象とした料理教室を開催し、食生活の支援を行います。 1-15 父親の育児支援事業 児童課 父親の育児支援及び保護者同士の交流などを目的として、ベビーマッサージ等の育児講座や、わらべうたや手遊び、いもほりなど、男性も参加しやすく、親子で楽しめる事業を実施します。 1-16 あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)での介護相談の実施 介護予防・地域支援課 各地区で高齢者等からの介護等福祉に関する相談を受けるとともに、専門機関につなげる等の支援を行います。 1-17 家族介護教室の実施 高齢福祉課 在宅で家族等を介護する方の負担軽減を目的とし、実技を交えて介護のコツを伝える教室を特別養護老人ホーム等に委託し、年6回開催します。 2 ひとり親家庭が安心して生活できる環境づくり No. 事業名 担当課 2-1子どものための養育費等個別相談会の実施 子ども家庭課 ひとり親などを対象に、養育費等の離婚に関する悩みの個別相談会を、オンライン、対面で実施します。 2-2 ひとり親家庭等の子どもの学習支援 子ども家庭課 学習習慣や基礎学力の定着、高校受験のサポートに向け、小学生から高校生まで対象に応じた多様な学習支援を実施します。 2-3 ひとり親家庭の高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の実施 子ども家庭課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 高等学校を卒業していないひとり親家庭の親または子どもの高等学校卒業程度認定試験のための講座受講料の一部を交付します。 No. 事業名 担当課 2-4 養育支援等ホームヘルパー訪問事業の実施 児童相談支援課 日常生活の自立が困難なひとり親家庭にホームヘルパーが訪問し、児童の養育を支えるための家事支援及び育児・養育支援を行います。 2-5 母子生活支援施設への入所 子ども家庭課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 当事者の視点に立って、入所者の安全で安心な暮らしや退所者等の地域での暮らしを支援します。また、当事者主体の支援力の向上に向けて、施設職員や関係機関の人材育成を行います。 2-6 ひとり親世帯家賃低廉化補助事業の実施 居住支援課 ひとり親世帯が対象住宅に入居した場合、家賃の一部を補助することで居住の安定と福祉の向上を図ります。 2-7 母子・父子自立支援プログラムの実施 子ども家庭課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 面談により希望や経験を伺った上でプログラム策定員がプログラムを策定し、ハローワークと連携もしくは自立支援教育訓練給付金事業を活用して就業支援を行います。 2-8 母子家庭及び父子家庭自立支援教育訓練給付金の支給 子ども家庭課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 就業に有利な教育訓練講座を受講した場合に、受講終了後に受講額の6割または8.5割を支給します。 2-9 母子家庭及び父子家庭高等職業訓練促進給付金の支給 子ども家庭課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 就業に有利な資格取得を目指す際の生活の負担軽減のため、一定期間について訓練促進給付金及び修了支援給付金を支給します。 2-10 地域のひとり親家庭支援拠点 子ども家庭課 母子生活支援施設の多機能化の一環として、妊娠期から子どもが高校生世代になるまで切れ目なく支援するために、地域のひとり親家庭等に対する相談支援や情報提供等を実施します。 2-11 母子家庭及び父子家庭を対象とした居場所事業や講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、母子家庭や父子家庭を対象とした居場所事業等により、情報や交流の場を提供します。 3 多様な働き方の支援 No. 事業名 担当課 3-1 創業セミナーの実施 世田谷区産業振興公社経済課 創業準備及び創業直後における支援を実施します。 3-2 キャリアカウンセリング相談の実施 世田谷区産業振興公社工業・建設業・雇用促進課 職業選択や仕事のキャリア形成、求職活動の仕方、面接対策や応募書類の書き方など就職に関する相談を実施します。 3-3 高齢者の就業相談の実施 世田谷区産業振興公社 工業・建設業・雇用促進課 就職に関する相談を受けるとともに、健康で働く意欲のある60歳以上の方が、知識、経験、技能を活かせる就業機会を提供します。 3-4 SETAGAYA PORTにおける交流の実施 経済課 新たな価値創出や気づきにつながる交流機会の創出や環境の構築に取り組みます。 3-5 HOME/WORK VILLAGEにおけるコワーキングスペースの利用促進 経済課 世田谷区産業活性化拠点(HOME/WORK VILLAGE)に整備したコワーキングスペースの利用を促進することで、新たな交流や価値を創出し、産業の活性化につなげます。 4 地域活動への参画促進 No. 事業名 担当課 4-1 企画講座の開催 各総合支所地域振興課 社会的な課題や日常の関心事を学ぶことを目的に、区民主体の企画・運営により講座を開催します。 4-2 生涯学習セミナーの開催 各総合支所地域振興課 18歳以上の区民を対象に身近なテーマを学び、仲間づくりを通じて地域活動を知り、継続的な学習と交流を促します。 4-3 区立小・中学校のPTAや「おやじの会」活動の活性化・参画促進 生涯学習課 「オール世田谷おやじの会」等との共催による情報交換会やPTAスポーツ大会を通じ、男性保護者の参画と親睦を促進します。 4-4 おやじと子どもフェスタの開催 生涯学習課 親子のふれあいとおやじの会相互の交流を目的に、地域団体によるダンス・演奏の発表や、おやじの会による屋台などのコーナーを設けた「おやじと子どもフェスタ」を実施します。 4-5 生涯現役ネットワークへの支援 市民活動推進課 中高年世代の区民が、健康を維持しながら経験や知識を活かし、地域社会を支える側として活躍できるよう、「せたがや生涯現役ネットワーク」への支援を通して地域活動への参加を促進します。 No. 事業名 担当課 4-6 生涯現役情報ステーションでの地域活動団体等に関する情報発信 市民活動推進課 ひだまり友遊会館内に「生涯現役情報ステーション」を設置し、高齢者や定年後を見据えた中高年者を対象に、地域活動、区政、福祉サービス、健康等の暮らしに役立つ情報を提供します。 5 子どものキャリア教育と若者のライフデザイン形成支援 No. 事業名 担当課 5-1 若者総合支援センター事業の実施(せたがや若者サポートステーション)工業・建設業・雇用促進課世田谷区産業振興公社 若年者に対して就職や就職の準備に向けた相談やセミナー等を実施します。 5-2 青少年交流センターにおける若者のライフデザイン形成支援 子ども・若者支援課 多様な分野で活躍する大人を講師に迎えたワークショップを行うなど、若者が新しい価値観に出会うプログラムをはじめとした様々なサポートに取り組みます。 5-3重点 区立小・中学校におけるキャリア教育の充実 教育指導課 キャリア教育の推進と理解をさらに深めることをねらいとして、世田谷区立全幼稚園・認定子ども園、 全小・中学校のキャリア教育に係る取組みを掲載した「せたがやキャリア教育カタログ」を配布します。 行動量名「せたがやキャリア教育カタログ」の配布校数 現況値全区立小・中学校(令和7年度) 令和9年度全区立小・中学校 令和10年度全区立小・中学校 令和11年度全区立小・中学校 令和12年度全区立小・中学校 令和13年度全区立小・中学校 5-4 中学生を対象とした職場体験の実施 教育指導課 勤労観・職業観を育てるために、一部の特別支援学級を含む中学校を対象に3日間、様々な職場で仕事を体験する取組みを行います。 6 働きやすい環境整備のための事業者への支援 No. 事業名 担当課 6-1 男女共同参画先進事業者の表彰 人権・男女共同参画課 仕事と生活の両立、女性活躍推進の取組みなどを先進的に実施する事業者の表彰を行うことにより、意識醸成を図ります。 6-2 講演会やセミナーの開催 世田谷区産業振興公社工業・建設業・雇用促進課 企業経営者や関心のある方向けに労務に関連したセミナー等を実施します。 6-3 中小企業両立支援助成金制度等の周知及び法全体の周知 世田谷区産業振興公社工業・建設業・雇用促進課 企業経営者向けに中小企業両立支援助成金制度等に関連したセミナーを実施します。 6-4 メールマガジン等による情報提供(多様な働き方やワーク・ライフ・バランスに関する普及啓発)経済課 事業者へテレワークやフレックス制、時短労働など多様な働き方に関する理解をさらに促し、意識の普及・啓発を図ります。 課題3女性の活躍推進と就労に向けた支援 ■現状と課題■ ●就業は生活の経済的基盤ですが、女性の就業の状況を見ると、年齢階級別正規雇用比率は25~29歳をピークに低下し、30歳以降は非正規雇用が高まる、いわゆるL字カーブ*の傾向が見られます。特に既婚女性からは家事・育児と仕事の両立の困難さや、長時間労働や責任の増大が想定される管理職を敬遠する傾向が見られ、女性の所得向上や経済的自立の障壁となっています。 ●「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画は、従業員101人以上の事業者に対し、策定・届出、公表及び周知が義務付けられていますが、令和7(2025)年度「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」によると、その認知度は4割にとどまっており、一層の周知が必要です。 ●あらゆる分野における女性活躍を推進していくためには、ライフステージに応じた多様な働き方を選択し、能力を十分に発揮できる環境を整備することが求められています。 ●近年、日本では大規模な自然災害が頻発しており、被災時には多くの人が日常生活を維持することが困難となることも想定されます。このため、災害対応や避難所運営においては、女性や子ども、高齢者、性的マイノリティ*など多様な視点を反映することが重要です。 ●令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、避難所運営や設備に女性の視点を反映することを望む意見が多くなっています。首都直下地震等の発生が懸念される中、区においても、防災分野における女性の参画を促進するとともに、ジェンダー平等の視点を取り入れた防災体制の整備を進める必要があります。 脚注_「L字カーブ」女性の正規雇用比率などが20代後半をピークに低下し、その後も回復しにくい傾向を示すグラフの形状のこと。「性的マイノリティ」レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性別が異なる人・性別に違和感がある人)など性のあり方が少数派の人々を広く表す総称。クイア(性的マイノリティを包括する言葉)・クエスチョニング(自らの性のあり方がわからない、固定化していない人)を加えた「LGBTQ」とも呼ばれている。 ① 町会・自治会長の女性割合                           グラフ_「町会・自治会長の女性割合」 令和元(2019)年以降の町会・自治会長に占める女性の割合は、増減を繰り返していますが、令和8(2026)年は19.4%と最も高い割合となっています。 ② 係長相当職以上の女性管理職を有する事業所                       グラフ_「係長相当職以上の女性管理職を有する事業所」 令和7(2025)年度「区内企業の意識・実態調査」によると、区内事業所における女性管理職を有する事業所の割合は、70.1%であり、令和2(2020)年度調査(64.7%)と比較して増加しているものの、伸び悩んでいる状況にあります。人材確保や多様な視点を反映する観点からも、女性のキャリア形成を支援するとともに、管理職への登用につながる働きかけが必要です。 ③ 防災分野で男女共同参画の視点を活かすために区に求めること                        グラフ_「必要な取組み」 グラフ_「防災会議における女性委員の割合」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、防災分野において男女共同参画の視点を活かすために必要な取組みとして、「避難所運営に女性の視点を活かす」が61.2%と最も高く、次いで「避難所設備に女性の意見を反映させる」が60.6%となっています。これらの結果から、災害時の避難所においては、運営面及び設備面の双方においてジェンダー平等の視点を反映することが求められています。 東日本大震災や熊本地震、能登半島地震、豪雨災害など大規模な自然災害が相次ぐ中、防災や復興の分野における女性の参画の重要性は一層高まっています。特に、「地域防災計画」への女性の参画や、女性の視点を反映した避難所運営の推進が求められています。  このような状況の中、区においては、防災会議における女性委員の割合は、東日本大震災後の平成25(2013)年に10%を超え、能登半島地震が発生した令和6(2024)年には約17%となるなど、着実に増加しています。 ■施策の方向性■ 1 女性のキャリア形成と多様な働き方の支援 女性の就労や起業等に関する様々なニーズに応じた講座や相談の実施や情報提供を通じて、女性が自らの意欲と能力を発揮できる働き方の実現に向けた支援を実施します。 2 女性活躍の取組みを推進する事業者への働きかけ 一般事業主行動計画策定・公表等の状況を把握し、事業者への働きかけを行うことで、女性が能力を十分に発揮できる環境づくりに向けた取組みを後押しします。 3 地域や防災分野における女性の参画促進 地域におけるジェンダー平等の推進に向け、女性リーダーの参画を促進するとともに、女性防災コーディネーターの育成を通じて、災害対策や避難所運営にジェンダー平等の視点を反映します。 ■事業展開■ 1 女性のキャリア形成と多様な働き方の支援 No. 事業名 担当課 1-1 女性の就労・起業や再就職に関する講座や相談の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、女性の就労や起業等に関する様々なニーズに応じた講座や相談を実施します。 1-2 女性起業家支援事業の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、女性起業家が地域とのつながりを深めながら継続的に事業を展開していくための学びやネットワークにつなげることを目的に、女性起業家による講演、起業・経営相談会、交流会を実施します。 1-3 女性の就労や働き方に関するリーフレットの配布 人権・男女共同参画課 女性のキャリア形成や多様な働き方の支援に関する情報をまとめた「働きたい・働く女性のための講座・相談等のご案内」を配布します。 1-4 再就職に関するセミナーの開催 世田谷区産業振興公社工業・建設業・雇用促進課 再就職を目指す女性に向けて年間を通して就職支援セミナーを実施します。 2 女性活躍の取組みを推進する事業者への働きかけ No. 事業名 担当課 2-1 女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定・公表等している区内事業者数の把握 人権・男女共同参画課 「一般事業主行動計画」の策定や男女間の賃金格差を公表している区内事業者について、毎年状況を把握し、働きかけを行います。 3 地域や防災分野における女性の参画促進 No. 事業名 担当課 3-1 地域防災計画や避難所運営等へのジェンダー平等の視点の導入 災害対策課 地域防災計画に乳幼児や妊産婦などに対する配慮を位置付けていることを踏まえ、女性や子どもなどのニーズの把握し、環境整備の手法を検討します。 3-2 防災士資格取得助成事業の実施 災害対策課 防災士資格取得助成事業において、女性リーダーの育成を促進します。 3-3重点 せたがや女性防災コーディネーターによる地域啓発研修の実施 災害対策課 せたがや女性防災コーディネーターが講師となり、多様性に配慮した女性の視点からの防災対策を普及・啓発する地域啓発研修を実施します。 行動量名地域啓発研修の実施回数 現況値17回(令和7年度) 令和9年度15回 令和10年度15回 令和11年度15回 令和12年度15回 令和13年度15回 3-4 女性の視点で考える防災に関する講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、ジェンダー平等の視点を踏まえ、防災意識を高めるため、女性の視点で考える防災・減災講座を開催します。 3-5 町会・自治会長の女性割合状況調査の実施 人権・男女共同参画課 町会・自治会長における女性割合を把握し、地域活動における女性リーダーの参画を促進します。 課題4男女共同参画センター「らぷらす」におけるジェンダー平等の推進 ■現状と課題■ ●男女共同参画センター「らぷらす」は、平成3(1991)年に開設以来、30年以上にわたり、世田谷区の男女共同参画推進の拠点施設として《講座・研修》《情報収集・提供》《相談》の各機能を通じ、区民の主体的な活動を支援し、地域におけるジェンダー平等の推進に取り組んできました。 ●一方で、令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「らぷらす」を「知っている」と回答した割合は、17.3%にとどまっており、認知度の向上が課題となっています。 ●男女共同参画センターの基本機能である《講座・研修》《情報収集・提供》を通じて、ジェンダー平等に関する理解を深める機会を提供するとともに、《相談》事業により、ジェンダーに起因する悩みや困りごとに寄り添うことで、地域におけるジェンダー平等の推進を図ることが必要です。 ●また、区民の主体的な活動を促進するため、活動の拠点としての機能を強化するとともに、「地域に開かれた『らぷらす』」として、関係機関・地域団体・行政が「お互いの顔が見える関係性」を構築しながら、信頼に基づく協働を進めていくことが重要です。 ●今後も、社会情勢や区民のニーズを踏まえ、《講座・研修》《情報収集・提供》《相談》等の事業を着実に実施するとともに、「らぷらす」の取組みの周知を図り、関連施策や関係機関、地域活動団体等との連携を通じて、機能の一層の充実を図る必要があります。 図_「「らぷらす」の事業と連携の図」 ■施策の方向性■ 1 男女共同参画センター機能の強化 社会情勢の変化を踏まえた《講座・研修》《情報収集・提供》《相談》等の事業を着実に実施するため、有識者からの意見聴取や相談事業間の連携強化を図り、男女共同参画センターの機能充実を推進します。 2 区民等の学びと活動を促進する機能の充実 区民交流スペースや研修室の貸出を通じて、区民及び地域活動団体等の主体的な活動を支援するとともに、ジェンダー平等の理解を深める機会の創出を図ります。 3 区関係所管課、関係機関、地域活動団体等との連携 区関係所管課をはじめ、関係機関や地域活動団体等、幅広い主体との連携を強化し、地域におけるジェンダー平等の推進を図ります。 ■事業展開■ 1 男女共同参画センター機能の強化 No. 事業名 担当課 1-1 アドバイザリー委員会の実施 人権・男女共同参画課 有識者・学識経験者等とともに、事業の方向性や施設の運営などについて意見交換し、今後の事業運営に活かします。 1-2 運営協議会の実施 人権・男女共同参画課 地域のステークスホルダーとともに、事業の方向性や施設の運営などについて意見交換し、今後の事業運営に活かします。 1-3 拡大カンファレンスの実施 人権・男女共同参画課 相談・居場所事業から把握できるニーズを各相談事業の相談員等と共有することにより、事業間の連携強化を図ります。 1-4 災害時の女性支援拠点としての相談機能の整備 人権・男女共同参画課 災害時における各種相談や就労支援等生活再建支援を含めた女性支援の拠点としての機能強化を図ります。 2 区民等の学びと活動を促進する機能の充実 No. 事業名 担当課 2-1 区民の主体的な活動の支援 人権・男女共同参画課 個人や団体などを対象に、交流コーナーや団体活動スペース、研修室などを提供し、ジェンダー平等に関する活動を支援します。 2-2 若者世代に向けたジェンダー平等に触れる機会の創出 人権・男女共同参画課 若者世代が施設を訪れ、ジェンダー平等の考えに触れられるよう、学生に向け研修室を自習室として開放するとともに、書籍やパネル等の展示を行います。 2-3 子育て世代に向けた施設の開放人権・男女共同参画課 施設利用者だけでなく、施設に立ち寄った子育て世代に対し、子ども室と授乳室、親子スペースを開放するとともに、絵本や紙芝居なども配架し、親子で利用できる環境を整備します。 2-4 区立図書館における情報発信 中央図書館 男女共同参画センター「らぷらす」と連携した展示等の情報提供に加え、「らぷらす」の図書室の本を図書館で返却可能にするなど利便性の向上を図ります。 3 区関係所管課、関係機関、地域活動団体等との連携 No. 事業名 担当課 3-1 独立行政法人男女共同参画機構(ナショナルセンター)との連携 人権・男女共同参画課 会議や研修への参加を通じ、専門的知見を取得するとともに、男女共同参画機構所蔵のパネル及び図書を活用し、区民等のジェンダー平等に関する意識の啓発に取り組みます。 3-2 登録団体連絡会の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」を利用する登録団体の活動を互いに紹介し、交流することにより、登録団体間でのネットワークを構築し、地域におけるジェンダー平等を推進します。 3-3 区民企画協働事業の実施 人権・男女共同参画課 地域における課題やニーズを発掘するとともに、区民等の主体的な活動を支援することで、地域におけるジェンダー平等を推進します。 3-4重点 区関係施設や地域活動団体等との連携 人権・男女共同参画課 区の関係施設や地域活動団体等との連携を通じて、地域におけるジェンダー平等を推進します。 行動量名会議・研修等への参加回数 現況値5回(令和7年度) 令和9年度7回 令和10年度8回 令和11年度9回 令和12年度10回 令和13年度10回 3-5 らぷらすサポーターの創出 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」が実施する事業にサポーターを募集し、区民等の主体的な参画の場を創出します。 基本目標Ⅱ あらゆる人の人権や尊厳が 守られる社会の実現 基本目標Ⅱあらゆる人の人権や尊厳が守られる社会の実現 ◇暴力やハラスメントは、重大な人権侵害であり、いかなる理由があっても許されない行為です。この認識のもと、全ての人が人権を尊重され、安全かつ安心して生活できる環境の確保が求められています。 ◇女性に対する暴力の背景には、社会における男女の置かれた状況の違いや根深い偏見等が存在しています。人権尊重の意識啓発や固定的な性別役割分担意識の解消に取り組むとともに、男性、子ども、性的マイノリティなど多様な被害者の存在にも配慮し、あらゆる人に対する暴力を許さない社会意識の醸成を図ります。 ◇依然として存在する男女間の格差については、ジェンダー平等の観点から是正を進めるとともに、女性を取り巻く様々な困難の解消を図り、個人の意思が尊重され、安心して自立した生活を営むことができる環境の整備を目指します。 ◇性犯罪・性暴力は個人の尊厳を著しく侵害する行為であり、被害者がひとりで抱えこむことなく相談できる社会の意識醸成と、迅速かつ適切な支援につながる体制の充実を図ります。 課題・施策の体系 課題 施策 課題5暴力やハラスメント防止の啓発 1暴力の防止と見過ごさず行動するための意識づくり 2デートDVの防止及びインターネット等に対するリテラシー向上の啓発 3職場におけるハラスメントの防止に向けた普及・啓発 課題6配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援 1ニーズに応じた相談事業の実施 2被害者の安全確保と生活再建に向けた支援 3関係機関との連携を通じた支援の充実 4被害者支援と児童虐待防止の連携 課題7困難な問題を抱える女性への支援の充実 1女性相談支援員の体制強化及び支援の充実 2居場所の創出と生活力の向上支援 3関係機関や民間団体との連携 課題8性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 1相談窓口の周知と被害者支援 2国や都、関係機関との連携 現状把握指標 社会に対する区民の意識を把握するための指標 指標名 「DVが100%加害者に責任があり、許せないものである」と考える人の割合 令和6年度 65.5% 成果指標 区の施策の効果を把握するための指標 課題5 指標名 講座・研修等の受講者のうち、DV(デートDV)にあたる言動について理解が深まった人の割合 現状値 (調整中) 60.6% (令和8年度) 令和13年度目標値 (調整中) 80.0% 課題6 指標名 支援関係者のうち、相談対応時にDVや児童虐待の視点等を意識したいと回答した人の割合 現状値 (調整中) 72.7% (令和8年度) 令和13年度目標値 (調整中) 90.0% 課題7 女性相談窓口の認知度 現状値 (調整中) 12.8% (令和8年度) 令和13年度目標値 30.0% 課題8 世田谷区犯罪被害者等相談窓口の認知度 現状値 (調整中) 7.6% (令和8年度) 令和13年度目標値 20.0% 重点事業 成果指標の最終目標値を達成するために重要となる事業 課題5 DV等暴力防止に向けた講座の実施 p.74 課題6 DV被害者支援と児童虐待防止に携わる官民組織の連携 p.82 課題7 女性相談窓口の案内及び周知強化 p.86 課題7 調整中 課題8 犯罪被害者等相談窓口や支援策の周知 p.93 課題5 暴力やハラスメント防止の啓発 ■現状と課題■ ●暴力やハラスメントは、個人の尊厳を損ない、安全で安心して生活し、働くことを困難にするものであり、ジェンダー平等社会の実現を阻害する大きな課題です。特に、配偶者等からの暴力(DV)や性犯罪・性暴力、職場等におけるハラスメントは、相談に至りにくく、問題が潜在化しやすい傾向があります。 ●令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、DV防止法の認知度は9割以上と高いものの、内容まで理解している人は約半数にとどまっています。特に、男性において女性より理解度が低い傾向が見られます。また、令和7(2025)年度「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」では、約4割の事業所がハラスメントについて「問題になったことがある」または「実態としてはある」と回答しており、職場におけるハラスメントが依然として身近な課題であることがうかがえます。 ●令和5年度「男女間における暴力に関する調査」によると、交際相手からの暴力(デートDV)の被害経験については、「なかった」との回答が最も多いものの、10代では男女ともに1割以上、20代では女性で2割以上、男性でも1割以上が被害経験を有しています。このことから、若年層においても一定割合でデートDVが発生している実態がうかがえます。また、被害内容としては、「心理的攻撃」の割合が高く、身体的暴力に至らない段階においても、精神的な負担や関係性における支配が生じている可能性が示唆されます。 ●区では、DV防止や性暴力防止、人権尊重に関する講座や啓発イベントの実施、教育現場等における若年層へのデートDV防止の取組みなどを進めていますが、暴力やハラスメントを「自分ごと」として捉え、具体的な行動につなげる意識の醸成には、なお課題が残されています。 ●暴力やハラスメントの防止に向けては、「許されない行為」であるとの認識を一層広げるとともに、周囲が見過ごすことなく支援につなげる意識の醸成が重要です。また、若年層を取り巻く環境においては、インターネットやSNS等の普及に伴い、同意のない性的画像・動画の撮影や拡散、リベンジポルノ*や生成AIを悪用したディープフェイクポルノ*等の「デジタル性暴力*」といった新たな課題が顕在化しており、リテラシー向上の取組みが求められています。さらに、ハラスメント対策については、事業者への法令周知や相談体制の整備に加え、管理職及び従業員の意識改革を進めるための継続的な取組みが必要です。 ●今後は、暴力やハラスメントに関する理解を深める段階から、周囲が主体的に行動する「アクティブ・バイスタンダー*」の視点を踏まえた取組みへと発展させ、区民一人ひとりが支え合う社会の実現に向けて、意識啓発をより一層推進していく必要があります。 脚注_「リベンジポルノ」元交際相手や元配偶者、またインターネットで知り合った人が別れた腹いせや嫌がらせ目的として、性的な画像や動画を同意なく不特定多数の人に公開する行為やその画像等のこと。「ディープフェイクポルノ」AI(人工知能)の技術を用いて、実際の人物の偽物の性的な画像や動画を生成する行為やその画像等のこと。「デジタル性暴力」デジタル機器・情報通信技術(ICT)を用いた性暴力被害のこと。例えば、SNSを通じて性的な画像・動画を要求されたり、それらの画像や盗撮されたものを同意なく拡散されること(リベンジポルノ等)、またAIの技術を用いて性的な画像や動画を生成されることなどを指す。「アクティブ・バイスタンダー」ハラスメントや暴力、差別が発生した際に、傍観せず積極的に行動し、被害を軽減する第三者のこと。 ① ドメスティック・バイオレンスに関する区民意識(固定的性別役割分担意識との相関)      グラフ_「ドメスティック・バイオレンスに関する区民意識(固定的性別役割分担意識との相関)」 ドメスティック・バイオレンスの認識について、「男は仕事、女は家庭」といった固定的性別役割分担意識の《肯定派》と《否定派》を比較すると、概ね《肯定派》において「ドメスティック・バイオレンスである」との認識が低い傾向が見られます。このことから、固定的性別役割分担意識が、その認識の差の一因となっている可能性がうかがえます。 また、《肯定派》と《否定派》の間で、認識の差が最も大きい項目は男女で異なり、女性では「見たくないのにポルノビデオや雑誌を見せる」、男性では「友人や実家との付き合いを禁止する」となっています。これらの結果から、性別等によって問題として捉えられやすい行為や、被害として認識される場面に差異が生じていることが示唆されます。 ②-1 SNSに起因する事犯 学識別の被害児童数の推移                            グラフ_「SNSに起因する事犯 学識別の被害児童数の推移(小・中・高・その他)」 グラフ_「小学生の推移」 SNSに起因する事犯の被害児童数は、令和元年以降、減少傾向にあるものの、依然として高い水準で推移しています。 学識別に見ると、令和6(2024)年における小学生の被害児童数は、平成27(2015)年と比較して約4倍に増加しており、低年齢層におけるリスクが相対的に高まっている状況がうかがえます。 ②-2 SNSに起因する事犯 重要犯罪等の被害児童数の推移                            グラフ_「SNSに起因する事犯 重要犯罪等の被害児童数の推移」 SNSに起因する事犯の被害児童数のうち、重要犯罪等の事案では、「不同意性交等」「不同意わいせつ」及び「略取誘拐」が多くを占めています。特に、令和6(2024)年は「不同意性交等」が令和5(2023)年と比較して約3倍に増加しており、深刻な状況が見られます。 ③ 区内事業所におけるハラスメント問題の有無とその内容                            グラフ_「区内事業所におけるハラスメント問題の有無とその内容」 令和7(2025)年度「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」によると、ハラスメントについて「問題になったことがある」または「実態としてはある」と回答した事業所は約4割に上り、職場におけるハラスメントが依然として発生している状況がうかがえます。特に、パワーハラスメントが8割以上を占めており、職場の上下関係や指導・マネジメントのあり方に関する課題が顕著となっています。 一方で、「問題になったことも実態としてもない」と回答した割合が59.2%と最も高いことから、潜在的に生じているハラスメントが把握できていない可能性も考えられます。このため、「どのような行為がハラスメントに該当するのか」について、一層の周知・啓発を図る必要があります。 ■施策の方向性■ 1 暴力の防止と見過ごさず行動するための意識づくり 暴力の未然防止及び被害発生時に早期相談・支援につなげるため、暴力に該当する行為についての理解促進や相談窓口の周知・啓発を図ります。 また、暴力やハラスメントの被害が疑われる場面において、見過ごさず適切に行動できるよう、「いかなる暴力も許されない」という意識を社会全体で醸成します。 2 デートDVの防止及びインターネット等に対するリテラシー向上の啓発 子ども・若者を対象に、デートDVにあたる行為や相談窓口などの基本的知識や情報の周知・啓発を図ります。あわせて、インターネットやSNSを通じたコミュニケーションの多様化を踏まえ、関連するリテラシーの向上の取組みを実施します。 3 職場におけるハラスメントの防止に向けた普及・啓発 ハラスメント防止に向けた周知・啓発を図るとともに、中小事業者に向けたハラスメント相談窓口の設置に関する支援を実施します。 ■事業展開■ 1 暴力の防止と見過ごさず行動するための意識づくり No. 事業名 担当課 1-1 DV防止啓発物の充実 人権・男女共同参画課 DV防止カード、DV防止パンフレット(日本語・英語・中国語・韓国語)を配布し、広く周知・啓発を行います。 1-2重点DV等暴力防止に向けた講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、DVやデートDVに関する基礎知識の習得や情報提供を目的とした講座を実施し、DVやデートDV防止に向けた理解促進を図ります。 行動量名DV等暴力防止に向けた講座の実施回数 現況値10回(令和7年度) 令和9年度10回 令和10年度10回 令和11年度10回 令和12年度10回 令和13年度10回 1-3アクティブ・バイスタンダー講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、ハラスメントや差別が生じる背景、アクティブ・バイスタンダーの役割などの基礎的な知識を習得する講座を実施します。 2 デートDVの防止及びインターネット等に対するリテラシー向上の啓発 No. 事業名 担当課 2-1 若年層への周知・啓発 人権・男女共同参画課 若年層を対象にデートDV防止リーフレットを学校等に配布するとともに、学校出前授業を通じて、周知・啓発を図ります。 2-2 デートDV防止ファシリテーターの養成 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、大学生のデートDV防止に関する知識習得と理解促進を図るため、インターンシップを通じ、ファシリテーターを養成します。 2-3 パンフレット等の発行(「子どもの虐待防止ハンドブック」「DVによる心理的虐待」等) 児童相談支援課 子どもの虐待対応について、基礎的な内容を中心に、気づきのポイントや対応に関する仕組みや取組みなどを取り上げた関係者向けハンドブックや、区民向けリーフレットを作成・配布します。 2-4 子どもの虐待に関する関係機関向け人材研修の実施 児童相談支援課 児童虐待に関する知識を深め、未然に防止するために、基礎講座の開催や依頼に応じた出前講座・研修講師派遣等を行います。 2-5 児童・生徒の情報活用能力の育成 教育DX推進担当課 子どもたちが様々な情報やICTサービス等を適切かつ効果的に活用して課題解決を図れるよう、ICTリテラシー教育を推進します。 3 職場におけるハラスメントの防止に向けた普及・啓発 No. 事業名 担当課 3-1中小事業者向けハラスメント相談窓口外部委託サービスの実施 世田谷区産業振興公社工業・建設業・雇用促進課 社内に窓口を設置することが難しい区内の中小事業者を支援するため、外部相談窓口を有料で提供します。 課題6配偶者等からの暴力(DV)の防止と被害者支援 ■現状と課題■ ●DVは心身に深刻な影響を及ぼし、その後の生活にも大きな困難をもたらすことから、被害者への切れ目のない支援が重要です。 ●DVは家庭内で起こることで潜在化・深刻化しやすい特徴があります。また、子どもへの直接的な暴力がなくても心理的影響を及ぼすことから、児童虐待との関連も大きいとされています。また、男性、子ども、障害者、高齢者、外国人、性的マイノリティなど、多様な状況や立場にある被害者への配慮が求められています。 ●令和5(2023)年のDV防止法改正により、保護命令制度の拡充等、法的支援体制は強化されつつありますが、令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、DVや性暴力、児童虐待への対応が十分でないと感じている区民が一定数存在しており、特に女性においてその割合が高いなど、意識面で課題が見られます。 ●区では、「配偶者暴力相談支援センター」機能を整備し、関係各課・民間団体との連携により、一時保護や生活再建に向けた支援を実施しています。また、各種相談窓口を設置し、安心して相談につながる体制を整備しています。各総合支所子ども家庭支援センターにおける相談状況を見ると、相談件数は増加傾向にある一方、相談実人数に大きな変化が見られないことから、継続的な支援を必要とするケースの増加がうかがえます。 ●一方、被害が潜在化し、早期に支援へつなぐことが難しいケースも多く見られます。被害の態様も多様化しており、若年層の女性被害者や、経済的理由により加害者から離れられない被害者、さらに男性の被害者も一定数存在するものの、男性は相談に至りにくい傾向があります。また、DVと児童虐待への対応が個別に行われることにより、支援が断片化するおそれや、多様な背景を有する被害者に対して支援が行き届きにくいといった課題も指摘されています。 ●今後は、被害の早期把握と相談体制の強化を図るとともに、安全確保及び生活再建に向けた支援を実施し、あわせて、関係機関や地域との連携を一層強化し、DV被害者支援と児童虐待防止の取組みを一体的に進めていくことが重要です。 ① 配偶者からの暴力の被害経験(男女別・被害経験内容別)               グラフ_「配偶者からの暴力の被害経験(男女別・被害経験内容別)」【女性】【男性】 内閣府の調査によると、男女別・被害経験内容別の「配偶者からの暴力の被害経験」では、男女ともに「心理的攻撃」の被害が最も多く、かつ複数回にわたり受けている割合が高い傾向にあります。また、女性は男性に比べて「性的強要」の被害の割合が高くなっています。 心理的攻撃は外見上から把握しにくく、被害として認識されにくいことから、長期化・深刻化しやすい特徴があるとされています。さらに、性別によって被害の内容や傾向に違いが見られることから、被害実態に応じた支援及び啓発を推進する必要があります。 ② 各総合支所子ども家庭支援センターにおけるDVの相談延べ件数・実人数の推移  グラフ_「各総合支所子ども家庭支援センターにおけるDVの相談延べ件数・実人数の推移」 区では、各総合支所の子ども家庭支援センターに女性相談支援員を配置し、DV相談として、支援対象者からの相談に対応しています。 各総合支所における延べ相談件数は、令和元(2019)年度以降、増加傾向が続いています。一方で、相談実人数には大きな変化が見られないことから、継続的な支援を必要とするケースの増加が、延べ相談件数の増加につながっていると考えられます。 また、相談者に複雑な事象が生じる中で、一人の相談者に対して複数回の対応を行うケースが増加しています。今後も、相談者一人ひとりに寄り添った継続的かつ適切な支援の実施が求められます。 ③ 世田谷区立男女共同参画センター(「らぷらす」)における男性相談の件数の推移                         グラフ_「世田谷区立男女共同参画センター(「らぷらす」)における男性相談の件数の推移」 男性相談の件数は増加傾向にあり、DVに関連すると考えられる相談も増加しています。 一方で、固定的性別役割分担意識や相談に対する心理的なハードルなどを背景に、男性は支援につながりにくい傾向があると指摘されています。実態に比して相談ニーズが十分に顕在化していない可能性が考えられます。こうした状況を踏まえ、男性が相談しやすい環境の整備を進めるとともに、効果的な周知方法や内容について検討を進める必要があります。 ④ DV及び性暴力に関する人権問題に対する対応状況について(被害者支援、被害防止対策)              グラフ_「DV及び性暴力に関する人権問題に対する対応状況について(被害者支援、被害防止対策)」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、DVや性暴力に対して対応がなされていない(あまりなされていない/なされていない)と考える人は半数を超えています。特に、「起こさせないための対策」については、女性は8割以上、男性は6割以上が「なされていない」と認識しており、未然防止の取組みが十分でないと受け止められている状況がうかがえます。 こうした状況を踏まえ、区が実施する取組みを継続するとともに、加害行為に関する正しい理解の促進や、各種支援・相談事業に関する情報が広く区民に行き渡るよう、周知・啓発の一層の強化を図る必要があります。 ■施策の方向性■ 1 ニーズに応じた相談事業の実施 DVに関する相談については、複合的な課題が絡み合う場合が多いことから、多様な悩みや状況に応じた相談事業を実施し、きめ細かい対応を図ります。 2 被害者の安全確保と生活再建に向けた支援 一時保護による安全確保から中長期的な生活再建に至るまで、被害者の状況に応じた総合的な支援を推進するとともに、関係各課や民間団体との連携を図ります。 また、複合的な困難さを抱える被害者に対して、きめ細かい支援の充実を図ります。さらに、一時避難にかかる宿泊費用の助成や加害者更正プログラム受講支援について、他自治体の取組状況などを踏まえ、検討を進めます。 3 関係機関との連携を通じた支援の充実 関係機関との連携により、複合的な課題を抱える被害者を早期に支援につなげるとともに、支援の充実を図ります。 4 被害者支援と児童虐待防止の連携 DVが生じている家庭では、面前DV等の児童虐待が併存する場合があるなど、密接に関連が見られることから、児童相談所や関係所管課等との連携を図ります。 あわせて、被害者支援と児童虐待防止の取組みを相互に連携させ、被害の早期把握と切れ目のない支援につなげることで、一体的かつ効果的 ■事業展開■ 1 ニーズに応じた相談事業の実施 No. 事業名 担当課 1-1 配偶者暴力相談支援センターにおける相談の実施 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 女性相談支援員により、DV被害者の安全確保に必要な助言等、関係機関との連携等の支援を行います。 1-2 女性のための悩みごと・DV相談の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、女性が抱える人間関係や暴力・ハラスメントなどの様々な悩みについて相談事業を実施します。 1-3 男性相談の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、男性が抱える人間関係や生き方などの様々な悩みについて相談事業を実施します。 No. 事業名 担当課 1-4 家族関係、離婚、養子縁組、相続などに関する「家庭相談」の実施 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 養育費、離婚、相続等、家庭生活の法律的な問題について、家庭相談員が相談に応じ、助言指導を行います。 1-5 暴力被害者に対する健康問題及び回復に関する相談の実施 各総合支所保健福祉センター健康づくり課 被害者のこころと身体の回復のための個別相談や関係機関連携で支援を行います。 1-6 子どもの権利擁護機関「せたホッと」相談・救済事業の実施 子ども・若者支援課 子どもの権利擁護委員が、子どもの権利の侵害についての相談に応じ、必要な助言や支援等を行います。 2 被害者の安全確保と生活再建に向けた支援 No. 事業名 担当課 2-1 配偶者暴力相談支援センターや民間シェルター等への緊急一時保護の実施 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 緊急の保護が必要なDV被害者の相談に応じ、一時保護を実施します。また、女性相談支援員が保護施設入所に必要な支援を行います。 2-2 子ども家庭支援センターにおける安全確保と生活再建に向けた支援 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 シェルター等保護施設への同行支援、各手続きや受診等への同行支援、入所後の面接、関係者会議等を行います。 2-3 情報連携の自動応答不可設定及びマイナポータルでの自己情報不開示設定の確実な運用 マイナンバー担当課 自治体間等におけるDV等被害者に関する情報連携の記録を保護するため、自動応答不可設定及び不開示設定の確実な運用を行います。 2-4 DV被害者への同行支援・同行警備の実施 人権・男女共同参画課 DV被害者の自立した社会生活の促進を図るため、DV被害者の希望に応じて、同行支援(通訳同行を含む)・同行警備を実施します。 2-5 DV被害者保護のための経済的支援の実施 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課各総合支所保健福祉センター生活支援課 女性相談支援員が、DV被害者の生活再建に向け、生活保護など必要な手続き等の情報提供や関係部署への連絡・調整等を行います。 No. 事業名 担当課 2-6 子ども家庭支援センターによる子育て支援 各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課各総合支所保健福祉センター健康づくり課 DV被害者と子どもの支援に関する制度、サービス等の情報提供、関係機関との連絡・調整を行います。 2-7 DV被害者に対する特例的な国民健康保険加入、資格確認書の交付 国保・年金課 子ども家庭支援課等と連携し、必要に応じて国民健康保険への一時的な特例加入及び資格確認書の交付を行います。 2-8 公営住宅への入居機会の提供 住宅課 DV被害者に公営住宅への入居機会を提供するため、じゅうフォメーションや区営住宅等の募集案内において情報提供を図ります。 2-9 子どもの就学、転校の配慮 学務課 DV被害を理由に住民登録を行わず、区内に居住するDV被害者について、子どもの区立小・中学校への入学または転校に関する相談支援を行います。 2-10 住民基本台帳事務における支援措置に基づく住民票等の交付拒否による申出者等の保護 住民記録・戸籍課各総合支所区民課 住民基本台帳事務の支援措置を実施するとともに、支援措置情報の活用ガイドラインに基づき庁内 連携を強化します。 3 関係機関との連携を通じた支援の充実 No. 事業名 担当課 3-1 区職員向け「DV支援対象者対応職員ハンドブック」の配布 人権・男女共同参画課 関係各課を中心として全庁に配布し、区職員のDV被害者対応力向上を図ります。 3-2 DV被害者支援団体連絡会の開催 人権・男女共同参画課 DV被害者の問題解決や自立支援の充実に向けて、DV被害者の支援に携わる民間団体、区職員、関係機関による連携会議を開催し、連携を強化します。 3-3 DV防止ネットワーク会議の開催 人権・男女共同参画課 区及び関係団体、関係機関等が配偶者からの暴力等の防止、被害者の早期発見及び保護を目指すとともに、これらの問題に対する認識の共有及び相互の連携を図ります。 3-4 DV被害者に対する啓発物の充実、日本年金機構との連携 国保・年金課 日本年金機構の配偶者・親族からの暴力被害者の秘密保持の申出等の制度に関し、対象者に窓口で資料を配り情報提供を行います。 4 被害者支援と児童虐待防止の連携 No. 事業名 担当課 4-1 配偶者暴力相談支援センター機能と子ども家庭支援センター・児童相談所のケース対応における連携 人権・男女共同参画課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課児童相談支援課児童相談所 子ども家庭支援課、児童相談所で児童虐待相談やDV相談を受けた場合、両者の係属状況を確認の上、必要に応じて連携して子どもや家庭への支援を行います。 4-2重点 DV被害者支援と児童虐待防止に携わる官民組織の連携 人権・男女共同参画課児童相談支援課 「世田谷区DV防止ネットワーク代表者会議」と「世田谷区要保護児童支援全区協議会」を一体的に開催し、情報共有と連携のための知識習得を図ります。 行動量名連携団体数 現況値48団体(令和8年度) 令和9年度48団体 令和10年度48団体 令和11年度48団体 令和12年度48団体 令和13年度48団体 4-3 DV被害者支援と児童虐待防止に関する広報・周知の一体的展開 人権・男女共同参画課児童相談支援課 児童虐待防止と女性に対する暴力を防止する運動の一体的な広報・周知を行います。 課題7困難な問題を抱える女性への支援の充実 ■現状と課題■ ●女性は社会において依然として困難な状況に置かれる場合が多いです。社会情勢の変化に伴い、高齢化や単独世帯の増加、就労環境や生活上の課題の多様化が進む中、特に貧困に陥りやすい高齢女性やひとり親家庭、若年女性など、複合的な困難を抱える女性の増加が指摘されています。 ●労働の面では、正社員・正職員であっても女性の賃金は男性の水準に比べて低く、日本における男女間の賃金格差は国際的に見て大きい状況にあります。また、身体的な面では、月経、妊娠、出産等に伴う課題が女性に生じやすく、これらが就労や日常生活に影響を及ぼす場合があります。さらに、DV、性暴力、性的虐待については男性も被害に遭うものの、女性の方がより多くの被害に遭っていることが指摘されています。 ●こうした状況を踏まえ、国は令和4(2022)年に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」を制定し、令和6(2024)年4月に施行しました。区では、同法に基づき令和7(2025)年3月に「世田谷区困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本な的方針」を策定し、方針を踏まえた取組みを推進しています。 ●困難な問題を抱える女性への支援にあたっては、複数の課題が複雑に関連する場合が多く、一体的かつ包括的な支援が必要となります。このため、女性相談支援員の体制強化や人材育成による支援機能の充実が重要です。また、障害、高齢、生活困窮、児童福祉などの分野と連携した支援が求められることから、庁内連携の強化に加え、独自性や柔軟性を有する民間団体との連携を促進し、多様なニーズに対応した支援を実施していく必要があります。 ① 各総合支所子ども家庭支援センターにおける女性相談の実件数の推移                 グラフ_「各総合支所子ども家庭支援センターにおける女性相談の実件数の推移」 女性相談件数の推移を相談手段別に見ると、令和5(2023)年度以降、「電話等相談」「来所等相談」ともに増加傾向にあります。また、来所による相談の多くは、DVや「子ども、親・親族・交際相手・その他の者」からの暴力に関する内容が占めており、暴力に関する相談が主要な課題となっている状況がうかがえます。 ② 女性相談で受け付けた相談内容                           グラフ_「女性相談で受け付けた相談内容」 相談内容の傾向として、相談者がそれまでの生活を手放すことへの強い不安感から、避難するという選択をしないまま、ハラスメントや暴力の加害者がいる環境での生活を継続する事案も見られ、DVサバイバー*やACEサバイバー*となる人も一定数存在しています。こうした状況を背景に、相談者の抱える課題やニーズは複合的かつ多様化しており、女性相談支援員には専門性と対応力が求められ、業務における難易度が高まっている状況にあります。 ③ 女性相談の来所者の年代                              グラフ_「女性相談の来所者の年代」 来所者の年代を見ると、40代~50代の女性からの相談が多くなっています。特に、子育て中の女性からのDV相談等の場合は、同伴児童への面前DV等の虐待も生じている可能性があることから、迅速な対応が求められます。 ④ 若年女性相談者の背景課題                             グラフ_「若年女性相談者の背景課題」 若年女性相談者の背景課題として、「親からの暴力等」が最も多くなっています。また、「交際相手からの暴力等」や「出産」を背景課題とする事案も一定数あります。「出産」に関しては、妊娠・出産に関する問題への対応が困難な状況に陥り、民間の支援団体への相談を契機として行政の支援につながる相談者もいます。若年女性を支援していく上で、相談から支援へ円滑に移行し、継続的な支援を確保する観点から民間支援団体との連携が重要となっています。 ■施策の方向性■ 1 女性相談支援員の体制強化及び支援の充実 女性相談支援員の専門性及び対応力の向上に向け、研修を体系化するとともに、主任級及び統括級の設置により体制の強化を図ります。あわせて、相談窓口に関する積極的な情報発信を行い、支援の充実を推進します。 2 居場所の創出と生活力の向上支援 若年女性については、相談窓口や福祉的支援につながりにくい現状を踏まえ、身近な場所で安心して関われる「居場所」づくりを通じて、早期に相談や支援につながる入口の拡充を図ります。また、中年層単身女性については、雇用・収入面の不安や年金問題、社会的孤立など複合的な課題を抱えやすいことから、情報へのアクセスや人とのつながりを支える環境整備を進めるとともに、居場所等の充実を図ります。これらの取組みを進めるにあたり、男女共同参画センター「らぷらす」における事業を推進するとともに、民間団体等との連携・協働による中長期にわたる支援や、心身の被害回復に資する社会資源の創出を図り、支援体制の強化を進めます。 3 関係機関や民間団体との連携 困難な状況に置かれる女性への中長期的な支援や心身の回復を見据えた支援が重要となります。また、居所や居場所の提供等の行政による支援のみでは十分な対応が困難な支援を推進するため、関係機関や民間団体との連携の強化を図ります。 ■事業展開■ 1 女性相談支援員の体制強化及び支援の充実 No. 事業名 担当課 1-1重点 女性相談窓口の案内及び周知強化 人権・男女共同参画課各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課 困難な問題を抱える女性が相談につながるよう、相談窓口の積極的な周知を進めます。 行動量名イベント、研修等への参加、情報発信の回数 現況値8回(令和7年度) 令和9年度15回 令和10年度15回 令和11年度15回 令和12年度15回 令和13年度15回 1-2 相談の充実に向けた体制整備 人権・男女共同参画課 DV等相談支援専門員を中心とした相談体制の更なる充実を図ります。 1-3 女性のためのサポートブックの配布 人権・男女共同参画課 女性が社会生活を営む上で抱えている様々な問題について、相談できる窓口を掲載したサポートブックを活用し、周知・啓発を図ります。 No. 事業名 担当課 1-4 女性相談支援員のスキル向上 人権・男女共同参画課 研修プログラムを体系化するとともに、キャリアラダーを構築していくための研修カリキュラムを作成し、スキル向上を図ります。 1-5 主任・統括職のあり方検討 人権・男女共同参画課 女性相談支援員の専任化に伴い、より専門性に応じた職(統括職)を設置します。 1-6 支援調整会議(実務者会議・個別ケース検討会議)の連携を通じた質の向上 人権・男女共同参画課 法律に基づき設置する支援調整会議(実務者会議・個別ケース検討会議)において、支援について庁内横断的に検討し、質の向上を図ります。 2 居場所の創出と生活力の向上支援 No. 事業名 担当課 2-1 若年女性に対する居場所事業の充実 子ども・若者支援課 若年女性が気軽に立ち寄り、安心して過ごせる居場所の充実を図ります。 2-2 中年層単身女性を対象とした居場所事業の充実や情報提供 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、中年層単身女性を対象とした居場所事業を実施するとともに、様々な情報提供を行います。 3 関係機関や民間団体との連携 No. 事業名 担当課 3-1 支援調整会議(代表者会議・幹事会)の開催 人権・男女共同参画課 関係機関や民間団体等を交えた支援調整会議で情報の共有を図るとともに、より深い議論ができるよう幹事会を開催します。 3-2 若年女性に対する官民の女性相談・支援機関等と協働した支援の実施 人権・男女共同参画課子ども・若者支援課 民間団体等との連携による支援を進めます。 3-3 中年層単身女性に対する地域団体との連携支援人権・男女共同参画課 地域団体との連携による中年層単身女性への支援を行います。 3-4 就労支援の現場、福祉所管課、男女共同参画センター「らぷらす」の連携強化 人権・男女共同参画課工業・建設業・雇用促進課生活福祉課保健福祉政策課 就労支援に関して、関係所管課・関係機関等が連携できるよう、機会の創出を図ります。 No. 事業名 担当課 3-5 民間団体との連携・協働各総合支所保健福祉センター子ども家庭支援課人権・男女共同参画課 包括的な支援のため、民間団体の実施する支援メニューや運営体制を把握し、民間団体との協働方法を検討します。 3-6 居住支援法人やURとの連携による住まい等の創出 人権・男女共同参画課居住支援課 困難な問題を抱える若年女性や中年層単身女性などへ居場所や住まいの創出にあたり、UR(独立行政法人都市再生機構)との連携について検討します。 課題8性犯罪・性暴力の防止と被害者支援の充実 ■現状と課題■ ●性犯罪・性暴力は、年齢や性別、配偶者・パートナーの有無にかかわらず、誰にでも起こり得る重大な人権侵害です。しかし、被害内容の性質や被害を周囲に知られることへの不安等から、相談につながりにくい傾向があり、被害者に対する偏見や誤解も依然として存在しています。 ●国では、令和5(2023)年に「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」を策定し、令和5(2023)年度から令和7(2025)年度までを「更なる集中強化期間」として取組みを推進しています。さらに、同年の刑法改正等による「性犯罪に対処するための刑事法」の整備、「こども性暴力防止法」の公布(令和8(2026)年12月施行)など、制度面の強化が図られています。 ●東京都では、被害直後からの総合的な支援体制として、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「性暴力救援センター・SARC東京」を設置しています。被害者が安心して相談でき、適切な支援につながるためには、これらの周知に加え、プライバシーの保護や二次被害の防止が重要です。 ●区では、令和7(2025)年に「世田谷区犯罪被害者等支援条例」及び運用方針を策定し、庁内や関係機関と連携しながら、相談支援、経済支援、居住支援、日常生活支援等を実施し、犯罪被害者等の早期回復と生活再建に向けた支援を行っています。条例制定後は、「世田谷区犯罪被害者等相談窓口」の相談件数は増加傾向にあり、特に性被害・性犯罪については、医療機関の受診や警察との連携を含めた迅速かつ適切な対応の重要性が高まっています。 ●被害者が必要な支援につながる過程では、医療、警察、福祉、民間支援団体など、複数の機関が関わることから、連携強化が重要です。あわせて、被害直後から速やかに医療につながる体制の整備を進めるとともに、国や都との連携のもと、医療機関等の協力を得ながら、地域における切れ目のない支援体制を構築していくことが重要です。 ●今後は、性被害を「相談してもよい問題」と捉える社会の意識を醸成し、性別を問わず相談しやすい環境整備を推進するため、周知・啓発が求められます。その上で、相談窓口の周知と被害者支援の充実、国・都及び関係機関との連携強化を一体的に進め、性犯罪・性暴力の防止と被害者の尊厳を守る支援体制の充実を図ることが求められます。 ① 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの相談件数の推移                 グラフ_「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの相談件数の推移」 性犯罪・性暴力の被害者を適切な支援につなげることが重要であることから、被害直後から総合的な支援を行う「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」が各都道府県に設置されています。東京都では「性暴力救援センター・SARC東京」がその役割を担っています。 全国のワンストップ支援センターへの相談件数は年々増加し、令和7(2025)年度は前年度比12.7%増となっています(11月を除き、前年同月を上回る水準で推移)。相談件数の増加は、支援体制の周知の進展や、相談しやすい環境の整備が進んでいる側面がある一方で、性犯罪・性暴力が依然として社会に根強く存在している実態も示しているものと考えられます。 ② 無理やりに性交等をされた被害の相談経験                      グラフ_「無理やりに性交等をされた被害の相談経験」 内閣府の調査によると、被害を受けた人(総数)の55.7%がどこにも相談しておらず、性別で見ると女性の55.4%、男性の60.0%が未相談です。このことから、男性の方が相談につながりにくい傾向が見られます。 また、内閣府がワンストップ支援センターに実施したヒアリング調査によると、男性は被害によるショックや羞恥心、自責感が強いことに加え、被害を他者に話すことへの抵抗感や、相談内容が周囲に知られることへの不安が大きいとされています。このため、支援につながりにくい事案が複数報告されています。 ③ 電話相談における被害時と相談時の年齢                         グラフ_「電話相談における被害時の年齢」【被害時の年齢】 グラフ_「電話相談における相談時の年齢」【相談時の年齢】 電話相談における中学生以下の割合を「被害時の年齢」と「相談時の年齢」で比較すると、相談時の年齢の方が高く、低年齢期に性暴力被害に遭った場合でも、ワンストップ支援センターにつながりにくく、中学卒業以降になってから相談に至る事案が多いことがわかります。 低年齢期では、被害が性暴力であるとの認識が難しいことや、身近な大人によるグルーミングによって、関係性の中で心理的支配が段階的に形成されることから、被害を被害として認識されにくい状況があります。そのため、被害が潜在化し、長期化・深刻化しやすい傾向が指摘されています。 ④ 世田谷区犯罪被害者等相談窓口における性犯罪・性被害に関する延べ相談件数                    グラフ_「世田谷区犯罪被害者等相談窓口における性犯罪・性被害に関する延べ相談件数」 世田谷区では、犯罪被害者等が速やかに安全で安心な生活を取り戻せるよう、令和7(2025)年4月1日に「世田谷区犯罪被害者等支援条例」及び運用方針を施行し、早期回復と生活再建に向けた支援を推進しています。 これに伴い、相談窓口への相談件数は増加傾向にあり、特に性被害・性犯罪については、医療機関や警察との連携を要する緊急性の高い事案への迅速かつ適切な対応が求められています。 今後は、相談窓口の周知に加え、性被害を相談することができる課題として捉える社会の認識を醸成し、性別を問わず相談しやすい環境の整備を推進する必要があります。 ⑤ 緊急避妊薬へのアクセス改善と性犯罪・性被害者への支援                    グラフ_「緊急避妊薬へのアクセス改善と性犯罪・性被害者への支援」(全国)薬局で購入できることをどこで知りましたか (全国)薬局での販売可否判断の結果 性暴力被害に遭った場合、速やかに緊急避妊へアクセスできることが重要です。しかし、産婦人科の受診に対する心理的なハードルの高さや、デートレイプ等の被害時には相談自体が難しいことから、必要な支援につながりにくいという課題が指摘されてきました。 こうした課題を踏まえ、厚生労働省は「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和5年3月改訂)において、一定の要件のもと、初診からのオンライン診療による緊急避妊への対応を認めるなど、制度の柔軟化が進められています。 さらに、令和7(2025)年10月には日本で初めて薬局販売(OTC化)が承認され、アクセス向上の取組みが進展しています。 「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査」によると、試験販売の購入者の8割以上がインターネットで情報を得ており、また購入希望者の約9割が販売可とされていることから、入手のハードルは着実に低下していることがわかります。 このように、緊急避妊薬へのアクセス環境が改善する中、区では性犯罪・性被害に遭われた方に対し、緊急避妊薬を購入した場合の費用を助成するなど、被害者支援の一層の充実を図っています。 ■施策の方向性■ 1 相談窓口の周知と被害者支援 性犯罪・性暴力被害については、「恥ずかしくて誰にも言えない」「自分が我慢すればよい」「信じてもらえないかもしれない」等の理由から、相談をためらうケースが少なくありません。子ども・若者の場合、自分が受けた被害が性暴力であるとの認識が難しい場合があることや加害自体を生まないためにも「性犯罪・性暴力に該当する行為」について周知・啓発を行います。さらに、被害発生時に速やかに相談につながるよう、相談窓口に関する周知・啓発を一層推進し、あわせて、犯罪被害者等相談窓口を中心に相談対応を行い、被害者の早期回復及び生活再建に向けた支援を推進します。 2 国や都、関係機関との連携 性犯罪被害を受けた方が速やかに医療機関を受診できるよう、緊急避妊薬の購入等に関する支援を含め、区内の医療機関及び関係機関との連携を強化します。また、国の啓発事業や東京都の支援を活用しながら、多面的な支援を推進します。 ■事業展開■ 1 相談窓口の周知と被害者支援 No. 事業名 担当課 1-1 犯罪被害者等相談窓口における支援 人権・男女共同参画課 性犯罪・性暴力被害に遭われた方からの相談により、経済的支援や日常生活の支援等、必要な支援を実施します。 1-2重点 犯罪被害者等相談窓口や支援策の周知 人権・男女共同参画課 犯罪被害者等相談窓口や支援策について、関係機関との連携や様々なイベント等の機会を通じて、周知を図ります。 行動量名イベント、研修等への参加、情報発信の回数 現況値6回(令和7年度) 令和9年度15回 令和10年度15回 令和11年度15回 令和12年度15回 令和13年度15回 1-3 中学生向けリーフレットの配布 人権・男女共同参画課 性犯罪被害を含む犯罪被害の内容やこころや身体への影響などの基本知識、二次被害防止に向けた対応などをまとめたリーフレットを中学生向けに配布し、理解促進を図ります。また、区や関係機関の相談窓口の周知を行います。 2 国や都、関係機関との連携 No. 事業名 担当課 2-1 「若年層の性暴力被害予防月間」に合わせた普及啓発 人権・男女共同参画課 「若年層の性暴力被害予防月間」に合わせ、ポスター掲示やチラシ配布等の周知・啓発を行います。 2-2 関係機関との連携による情報共有と支援等の充実 人権・男女共同参画課 被害者支援都民センター、性暴力救援センター・SARC東京、区内警察署等との連携により、相互に情報共有を行うとともに、支援の充実と相談員のスキルアップを図ります。 2-3 薬剤師会との連携による支援の充実 人権・男女共同参画課 緊急避妊薬の薬局販売(OTC化)に伴い、区内一部の薬局に相談窓口の案内と緊急避妊薬等の費用助成に関するポスターを掲示し、支援策を周知するとともに、犯罪被害者等相談窓口につながりやすい環境を整備します。 基本目標Ⅲ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の推進 基本目標Ⅲ 多様性を認め合い、尊厳をもって生きることができる社会の推進 ◇世田谷区基本構想のビジョンに掲げるように「個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築いていく」ためには、多様な背景や立場への理解と相互の尊重が重要です。 ◇区では平成30(2018)年に「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を制定し、取組みを推進しています。また、国においては、令和5(2023)年に「LGBT理解増進法」を制定するなど、関連施策が進められています。 ◇法制度を踏まえ、性的マイノリティの抱える課題への理解促進及び支援を進め、人権が尊重される社会の実現を目指します。 ◇ジェンダー平等社会の形成にあたっては、身体的性差に対する理解が重要であることから、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)」*の視点を踏まえ、生涯を通じた心身の健康に関する理解と支援を推進し、性差を相互に尊重し合える社会を目指します。 課題・施策の体系 課題 施策 課題9性の多様性に関する理解促進と性的マイノリティへの支援 1性の多様性を尊重し合える社会の実現に向けた意識の醸成 2子ども・若者への性の多様性に関する啓発 3安心して働くための事業者への啓発 4防災や医療・福祉分野等における性的マイノリティに関する取組み 5パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組み 6性的マイノリティの相談体制・居場所づくりの充実 課題10リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の理解促進 1自分も相手も大切にするためのリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 2生涯を通じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの取組み  課題11性差に応じたこころと身体の健康支援 1多様なライフデザインを描くための健康支援 2従業員のウェルビーイング(多様な幸せ)を高めるための健康経営の促進 脚注_「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」妊娠・出産・避妊・性感染症など、性や生殖に関わる全てにおいて、身体的・精神的・社会的に健康で、自分自身で意思決定ができる権利のこと。 現状把握指標 社会に対する区民の意識を把握するための指標 指標名 性的マイノリティへの人権施策等が必要だと考えている人の割合 令和8年度 (調整中) 60.4% 成果指標 区の施策の効果を把握するための指標 課題9 指標名 講座・研修等の受講者のうち、性の多様性を尊重するために、自分ができることをイメージできた人の割合 現状値 (調整中) 48.0% (令和8年度) 令和13年度目標値 (調整中) 70.0% 課題9 指標名 パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の認知度 現状値 9.3% (令和7年度) 令和13年度目標値 30.0% 課題10 指標名 こころとからだ、性の健康について理解できたと回答した人数 現状値 2,167人 (令和7年度) 令和13年度目標値 2,300人 課題11 指標名 講座・研修等の受講者のうち、性差によるそれぞれの健康課題について、ともに配慮することが大切であると思う人の割合 現状値 今年度取得 令和13年度目標値 調整中 重点事業 成果指標の最終目標値を達成するために重要となる事業 課題9 多様な性に対する理解促進の強化 p.103 課題9 「セクシュアル・マイノリティフォーラム」の開催 p.103 課題10 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 p.108 課題11 こころと身体の健康講座の実施 p.117 課題9性の多様性に関する理解促進と性的マイノリティへの支援 ■現状と課題■ ●区では、平成30(2018)年に「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を施行し、「全ての人が、多様性を認め合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることができる」「全ての人が、自らの意思に基づき個性及び能力を発揮し、多様な生き方を選択することができる」「全ての人が、あらゆる分野の活動においてともに参画し、責任を分かち合う」の3つの理念を掲げ、施策を推進しています。 ●また、区では渋谷区とともに全国に先駆けて「世田谷区パートナーシップ宣誓」を開始しており、この宣誓の取組みは全国に広がりを見せています。さらに、令和4(2022)年11月からは、性的マイノリティの子どもや親を含めた「世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」*へと取組みを拡充し、理解促進を図っています。 ●令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると「性的マイノリティという言葉の認知」は、前々回調査の約70%、前回調査の約89%に続き、今回調査では約95%に達しており、区民の理解は着実に進んでいます。 ●一方で、「性のあり方は個人の趣味・嗜好によるものである」といった誤った認識は56.5%と依然として高い割合にあり、引き続き周知・啓発の必要性があります。 ●多様な性のあり方への理解を促進するため、区民や事業者に向けた効果的な啓発を推進するとともに、特に子ども・若者への継続的な啓発を通じて、地域全体の意識醸成を図る必要があります。また、LGBT理解増進法やこれに基づく国の基本計画の策定を契機として、多様な性のあり方を尊重する社会の実現に向けた取組みを一層推進することが求められています。あわせて、性的マイノリティが安心して生活し、働くことができる環境づくりを進めるとともに、直面する様々な困難さの軽減・解消に向けた取組みを着実に推進していく必要があります。 脚注_「世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣言」双方または一方が性的マイノリティであるカップルが、お互いを人生のパートナーとすることを宣誓する「パートナーシップ宣誓」とカップルの子どもや親を含め宣誓する「ファミリーシップ宣誓」の総称。 ①-1 性的マイノリティという言葉の認知                                グラフ_「性的マイノリティという言葉の認知」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「性的マイノリティという言葉の認知」は、94.7%と高い水準にあり、女性(95.8%)は男性(93.7%)を上回っています。 また、過去の同調査を見ると、平成26(2014)年度の70.0%から令和元(2019)年度は88.8%、令和6(2024)年度では94.7%と推移しており、認知度は着実に向上しています。 ①-2 性のあり方に関する意見                             グラフ_「性のあり方に関する意見」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「性のあり方に関する意見」について、「性のあり方は個人の趣味・嗜好によるものである」という誤った認識が56.5%と、依然として5割以上を占めており、継続的な理解促進が必要です。 一方、「性のあり方は個人の趣味・嗜好によるものではない」は24.1%で3割には満たないものの、令和元(2019)年度の17.3%からは約7ポイント増加しており、理解の進展も見られます。 ② アウティングによる精神的苦痛の認識                       グラフ_「アウティングによる精神的苦痛の認識」 令和7(2025)年度「性の多様性に関する意識調査」によると、「アウティングされることは、アウティングされた人に大きな精神的苦痛をもたらす可能性がある」との認識について、年代による認識の差がみられました。アウティングを含む性の多様性への配慮に関する意識啓発を継続的に進めていく必要があります。 ③ 性的マイノリティの方々が暮らしやすい社会になるために必要なこと         グラフ_「性的マイノリティの方々が暮らしやすい社会になるために必要なこと」 令和6(2024)年度「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」によると、「性的マイノリティの方々が暮らしやすい社会になるために必要なこと」について、「周囲の理解や偏見・差別の解消」が最も多く79.2%となっています。区民一人ひとりの意識の変容を促す取組みの推進が重要と考えられます。 また、法制度や社会制度の整備に加え、人格形成期にある若年層への働きかけとして、学校教育における取組みの重要性が認識されています。  ④ 職場において、性的マイノリティへの配慮としてどのような取組みをしているか    グラフ_「職場において、性的マイノリティへの配慮としてどのような取組みをしているか」 令和7(2025)年度「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」によると、「職場において性的マイノリティへの配慮としてどのような取組みをしているか」については、上記3つの項目について、「実施している」の回答が一定数見られます。 一方で、「実施していない」とする回答はいずれも約6割を占めており、事業者の取組みは十分に進んでいるとは言えない状況にあります。 性的マイノリティへの支援を推進するためには、事業者の理解と協力が不可欠であることから、区内事業者の状況を踏まえつつ、取組みの促進に向けてより一層の働きかけが必要です。 ■施策の方向性■ 1 性の多様性を尊重し合える社会の実現に向けた意識の醸成 「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」に基づき、性の多様性への理解促進に取り組みます。リーフレット、SNS等様々な媒体を活用した周知・啓発により、地域における理解促進を図り、ALLY*の広がりを促進します。また、性的マイノリティのご家族が利用できる行政サービスについて、定期的に情報を把握し、公表することで、行政サービス利用に向けた利便性の向上を図ります。 2 子ども・若者への性の多様性に関する啓発 子ども・若者が差別や偏見なく多様な性を尊重できるよう、リーフレットの配布や各種媒体を活用した周知・啓発を図ります。また、年齢や発達段階に応じた手法により理解促進を図ります。 3 安心して働くための事業者への啓発 事業者に対し、性的マイノリティへの理解促進を図るとともに、従業員や顧客に対する適切な配慮を促します。また、就労環境やサービス提供においても性の多様性の視点を反映するよう、周知・啓発を図ります。 加えて、採用活動の場面でのソジ・ハラスメント*についても防止を呼びかけます。 4 防災や医療・福祉分野等における性的マイノリティに関する取組み 防災分野においては、「地域防災計画」に基づき、避難所運営や災害対応に性的マイノリティの視点を反映するとともに、災害時に安心して過ごせる環境整備を推進します。あわせて、医療・福祉分野においても、「地域保健医療福祉総合計画」の理念等を踏まえ、性的マイノリティに配慮した取組みを推進します。 5 パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組み 多様な性及び多様な家族のあり方を尊重し、地域で安心して暮らしていけるよう、「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」を継続して実施するとともに、認知度向上を図ります。 6 性的マイノリティの相談体制・居場所づくりの充実 性的マイノリティが抱える困難さの軽減・解消に向け、相談や交流の場の充実を図ります。 脚注_「ALLY(アライ)」性的マイノリティの方々への理解を深め、立場を尊重する人のこと。「ソジ・ハラスメント」性的指向や性自認に関連して、差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせをする行為。 ■事業展開■ 1 性の多様性を尊重し合える社会の実現に向けた意識の醸成 No. 事業名 担当課 1-1重点 多様な性に対する理解促進の強化 人権・男女共同参画課 パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓を行った当事者へのインタビュー動画や「性の多様性HAND BOOK」等を活用し、様々なイベント等の機会を通じ、理解促進を図ります。 行動量名イベント、研修等への参加、情報発信の回数 現況値 令和9年度21回(令和7年度) 令和10年度25回 令和11年度25回 令和12年度25回 令和13年度25回 1-2重点 「セクシュアル・マイノリティフォーラム」の開催 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、性の多様性について知り、考える講演会として、「セクシュアル・マイノリティフォーラム」を開催します。 行動量名「セクシュアル・マイノリティフォーラム」の実施回数 現況値1回(令和8年度) 令和9年度1回 令和10年度1回 令和11年度1回 令和12年度1回 令和13年度1回 2 子ども・若者への性の多様性に関する啓発 No. 事業名 担当課 2-1 実践的な人権教育の計画的な実施 教育指導課 全校が作成する人権教育全体計画に世田谷区重点人権課題である、「子ども」「外国人」「障害者」「性自認」「性的指向」を位置づけ、多様な性に関することやその他人権教育の理解促進を図ります。 2-2 多様性への理解を深めるための授業の実践事例や教材の検討 教育指導課 世田谷区人権教育推進委員会において、実践事例を集め、全校が使用できる教材等を検討します。 2-3 小学校高学年向けリーフレットの配布 人権・男女共同参画課 区立小学校高学年を対象にリーフレットを配布し、多様なあり方に対する理解促進を図ります。 2-4 中学生向けリーフレットの配布 人権・男女共同参画課 区立中学生を対象にリーフレットを配布し、性の多様性や性的マイノリティに関する理解促進を図ります。 3 安心して働くための事業者への啓発 No. 事業名 担当課 3-1 区内企業向け定着促進研修の実施 工業・建設業・雇用促進課 定着率を向上させるために、支援を希望する区内中小企業等に対し、社員向け研修や企業等向けのコンサルティング等を行い、若手社員の基礎的能力向上や社内環境の整備を支援します。 3-2 事業者向けリーフレットの配布 人権・男女共同参画課 事業者の性的マイノリティ等多様な性への適切な配慮の指針となるリーフレットにより、事業者の取組みを支援するとともに、理解促進を図ります。 4 防災や医療・福祉分野等における性的マイノリティに関する取組み No. 事業名 担当課 4-1 地域防災計画への配慮等の取組みの位置付け 災害対策課 災害時における多様性への配慮やその対応等の理解、避難所生活における配慮等の検討を地域防災計画に位置付け、取組みを推進します。 4-2 住まいの確保の支援 住宅課 区営・区立住宅について、同性カップルを入居対象者とし、住まいの確保を支援します。 4-3 世田谷区福祉人材育成・研修センターでの研修による理解促進 保健医療福祉推進課 世田谷区福祉人材育成・研修センターにて、様々な研修を実施し、性的マイノリティ等多様な性に対する理解促進を図ります。 5 パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組み No. 事業名 担当課 5-1 世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組み 人権・男女共同参画課 世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓を実施し、パートナーや家族の多様なあり方を受け止め、尊重します。 5-2 世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組みの関係機関への働きかけ 人権・男女共同参画課 区内医療機関や不動産業者等に、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取組みに対する協力について、働きかけを行います。 6 性的マイノリティの相談体制・居場所づくりの充実  No. 事業名 担当課 6-1 性的マイノリティに関する相談の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」にて、「セクシュアル・マイノリティのための世田谷にじいろひろば電話相談」を実施します。 6-2 性的マイノリティに関する居場所事業の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」にて、「セクシュアル・マイノリティのための世田谷にじいろひろば交流スペース」を実施します。 6-3 民間賃貸住宅の空き室情報の提供 居住支援課 LGBTQの方等を対象に民間賃貸住宅の空き室情報を提供し、住まい探しを支援します。 課題10リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の理解促進 ■現状と課題■ ●リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)は、平成6(1994)年にエジプトのカイロで開催された「国際人口・開発会議(ICPD)」において提唱されました。 ●この概念は、一人ひとりが適切な知識と自己決定権をもち、自分の意思で必要なヘルスケアを受けることができ、自らの尊厳と健康を守れることをいいます。いつ何人子どもを産むのか産まないのかを選ぶ自由、安全で満足のいく性生活、安全な妊娠・出産、子どもが健康に生まれ育つこと等が含まれます。こうした理解は、思春期の段階から促進していくことが重要です。 ●「世田谷区における思春期世代等に対するこころとからだのアンケート調査」によると、自分の身体を大切にしようとする意識は全体として高い一方で、そう感じていない人も一定数存在しており、身体を大切にしたいという意識が十分でない層も含め、全ての人が自らの身体を大切にする意識をもち、行動につなげられるよう支援していく必要があります。 ●「世田谷区における思春期世代等に対するこころとからだのアンケート調査」によると、性感染症や妊娠に関する情報を知る手段として「インターネットで調べる」との回答が最も高い割合を占めています。インターネットは身近で利便性の高い情報源である一方で、掲載されている情報の正確性や信頼性に差があり、必要な情報に適切にアクセスすることが難しい可能性もあると考えられるため、思春期世代が正しい知識や安全な相談先を知ることで、適切な判断・行動がとれるようにする必要があります。 ●また、性に関する知識や情報は、思春期に限定されるものではなく、生涯を通じて必要とされるものです。このため、年齢やライフステージに応じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解と実現に向けた取組みを推進していくことが求められます。 ①-1 自分の体や健康に対する考え方                                     グラフ_「自分の体や健康に対する考え方」 「世田谷区における思春期世代等に対するこころとからだのアンケート調査」の結果によると、「自分の体や健康を大切にしたい」と回答した人(「そう思う」「少しそう思う」)は97.3%に達しており、身体を大切にしようとする意識は非常に高いことがうかがえます。一方で、「あまり思わない」「思わない」と回答した人も一定数存在しています。 また、性別で見ると、「そう思う」と回答した割合は女性が男性よりも6.1ポイント高く、意識の差が見られます。 ①-2 「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の認知度                             グラフ_「「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の認知度」 性別を問わず「言葉も意味も知らなかった」とする割合が約8割を占めています。性に関する知識や性的同意、妊娠等に関する理解を深め、性や生殖に関する権利を理解し、認識するとともに、自他の尊厳を尊重した生活を送るためには、用語の認知にとどまらず、意味についても理解促進を図ることが必要です。 ①-3 性感染症や妊娠等について知りたいと思った時の方法                      グラフ_「性感染症や妊娠等について知りたいと思った時の方法」 性感染症や妊娠等について知る方法は、「インターネットで調べる」が89.1%と最も高く、次いで「友達に聞く」(27.2%)、「医師などの専門家に聞く」(22.8%)となっており、性感染症や妊娠に関する情報の多くをインターネットから得ている傾向があります。 ■施策の方向性■ 1 自分も相手も大切にするためのリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 乳幼児期から思春期までの各ライフステージに応じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する取組みや性感染症に関する知識の普及啓発を通じ、子ども・若者が自分と相手をともに大切にする意識を育み、理解を深めます。 2 生涯を通じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの取組み リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、性別や年齢にかかわらず、すべての人に関わる重要な権利であるとの考えのもと、生涯を通じてリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解を深め、学ぶ機会の創出を図ります。 ■事業展開■ 1 自分も相手も大切にするためのリプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 No. 事業名 担当課 1-1 乳幼児期から自分や相手の体を大切にする健康教育 乳幼児教育・保育支援課保育課 教育・保育施設において、乳幼児期より健康教育を行い、プライベートゾーンなど自分や相手の体を大切にする意識を育みます。 1-2重点 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解促進 健康推進課 思春期世代に性と生殖に関する健康や権利の正しい知識を身に付けてもらうことと生涯の心身の健康意識向上に向け周知・啓発を図ります。 行動量名出張リプロダクティブ・ヘルス/ライツ講座の実施回数 現況値14回(令和7年度) 令和9年度30回 令和10年度30回 令和11年度30回 令和12年度30回 令和13年度30回 1-3 性教育の推進 教育指導課 小学校の体育(保健内容)及び中学校の保健体育において、理解を深める学習を行います。 1-4 思春期保健部会の開催 健康推進課 思春期世代における「こころとからだの一体的な健康づくり」の推進に向け、人権・医療・保健・福祉・教育の連携のもと施策等の検討を行います。 1-5 思春期世代への専門家による性感染症予防の健康教育などの実施 感染症対策課 区内高校からの依頼に応じ、保健師等専門家による健康教育を実施します。 1-6 エイズに対する差別や偏見をなくし、予防を促すための周知・啓発 感染症対策課 エイズ予防月間における展示や区内イベント等での啓発活動を通じ、エイズに対する差別や偏見をなくすとともに、予防についても広く周知を行います。 1-7 エイズや性感染症の抗体検査・相談の実施 感染症対策課 予約不要、匿名、無料でHIV・性感染症(クラミジア・梅毒)の検査・相談を実施します。 2 生涯を通じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの取組み No. 事業名 担当課 2-1 生涯を通じたリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する理解を深めるため、講座を実施します。 課題11性差に応じたこころと身体の健康支援 ■現状と課題■ ●日本では平均寿命の延伸により、いわゆる人生100年時代を迎え、画一的なライフコースから、一人ひとりが自らのライフデザインを選択する時代へと変化しています。このような中、ライフステージに応じて主体的に心身の健康を維持・向上できる環境の整備が求められています。 そのために、身体的性差に対する理解を深めるとともに、医学的・科学的な知識や情報を入手し、包括的な健康支援を推進する必要があります。特に、妊娠・出産や女性特有の疾病を経験する可能性がある女性にとっては、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康/権利)の理解が重要です。また、この概念は、全ての人に関わるもので、社会全体での理解促進が不可欠です。 ●「男女共同参画白書」(内閣府男女共同参画局)によると、女性はキャリア形成期や責任の重い職務に就く時期に健康課題が生じやすく、男性は役職定年から定年期にかけて健康課題が顕在化する傾向が見られます。このことから、制度に基づく支援に加え、職場においても性差を踏まえた支援のあり方が求められています。さらに、女性の就業状況の変化に伴い、妊娠・出産の時期は多様化しており、妊活や不妊治療への関心の高まりに対応した取組みの重要性が増しています。 ●また、「男女の健康意識に関する調査」(内閣府男女共同参画局)によると、女性の31%が特有の健康課題によりキャリアアップや就業の継続を断念した経験があると回答しており、働く世代の女性がキャリア形成において困難を抱えている状況がうかがえます。 ●一方、「男女共同参画白書」(内閣府男女共同参画局)によると、全ての年代で女性より男性の自殺者が多く、特に40歳から59歳では、女性の2倍以上となっています。男女とも主な要因は「健康問題」ですが、男性では「経済・生活問題」や「勤務問題」の割合も高く、働く世代の男性が仕事や経済面に起因する強い心理的負担を抱えている可能性も見られます。 ●さらに、「男女の健康意識に関する調査」(内閣府男女共同参画局)によると、「更年期障害に関わる症状の有無」では、女性が16.7%、男性が7.6%となっており、男女とも症状が日常生活に支障を及ぼす割合が高いことが示されています。更年期は、女性のみならず男性において重要な健康課題として認識し、対応を図っていく必要があります。 ●このように、性差に応じて健康課題が異なる中、誰もが多様なライフデザインを描くことができるよう、区民一人ひとりの理解に加え、事業者においても従業員の健康に配慮した取組みを推進していくことが求められます。 ① 女性特有、男性特有の病気の総患者数                         グラフ_「女性特有、男性特有の病気の総患者数(女性)(男性)」 令和5(2023)年度「令和5年患者調査」(厚生労働省)によると、男性特有の疾病は50代以降で多く見られる傾向にあります。一方、女性特有の疾病については、月経障害や女性不妊症が20代から40代前半、子宮内膜症や子宮平滑筋腫が30代から40代、乳房の悪性新生物や閉経期及びその他の閉経周辺期障害(更年期障害)、甲状腺中毒症(バセドウ病等)は、40代から50代に多く見られます。 このように、女性はキャリア形成期や責任ある職務を担う時期に健康課題が生じやすく、男性は役職定年から定年期にかけて健康課題が顕在化する傾向が見られます。 ②-1 月経不調の生活(仕事や家事・育児・介護)への支障の程度                              グラフ_「月経不調の生活(仕事や家事・育児・介護)への支障の程度」 令和6(2024)年度「男女共同参画白書」(内閣府男女共同参画局)によると、月経不調の生活への支障の程度は、若い世代ほど高い傾向にあり、「かなり支障がある」の割合は、20~29歳で42.3%、30~39歳でも35.4%となっています。 これらの結果から、多くの女性が月経不調による支障を抱えながら生活している状況が示されます。 ②-2 職場において月経に関して困った経験                              グラフ_「職場において月経に関して困った経験」 令和6(2024)年度「男女共同参画白書」(内閣府男女共同参画局)によると、職場において月経に関して困った経験として、業務に集中できない、生理用品の交換のタイミングが作れないなど、様々な課題が挙げられています。 こうした状況から、女性の社会進出が進む一方で、職場環境が十分に対応していない可能性が示されています。 ③-1 不妊に悩む夫婦の割合の推移                            グラフ_「不妊に悩む夫婦の割合の推移」 令和6(2024)年度「男女共同参画白書」(内閣府男女共同参画局)によると、婚姻年齢の上昇や晩婚化に伴い、初産年齢は上昇傾向にあり、不妊治療を受ける夫婦も増加しています。 一方で、実際に検査や治療を受けたことのある夫婦は22.7%(5組に1組)にとどまっており、経済的負担の軽減や治療と仕事を両立するための支援が求められています。 ③-2 世田谷区「妊活オンライン相談事業」*における相談件数等の推移           グラフ_「世田谷区「妊活オンライン相談事業」における相談件数等の推移」 相談件数は近年横ばいで推移していますが、新規会員登録数は概ね増加傾向にあり、妊活に対するニーズの高さがうかがえます。 脚注_「妊活オンライン相談事業」主に妊活や不妊治療等を行っている当事者や家族等に専門職(不妊症看護認定看護師、胚培養士、臨床心理士等)による最新医療の情報も含めた専門性の高い相談支援を行う事業。 ④ 更年期障害に関わる症状の有無及び症状による生活への支障                              【更年期障害に関わる症状の有無】 ※「症状があり、更年期障害だと思う」の割合、()内は症状あり(計)の割合 ※最も高い割合にグレー地 表_「更年期障害に関わる症状の有無」 【更年期障害に関わる症状による生活への支障】 ※「支障があると思う(計)」の割合(少し+ある程度+かなり支障があると思うの計) ※男女で5ポイント以上差があるものに赤字 表_「更年期障害に関わる症状による生活への支障」 令和5(2023)年度「男女の健康意識に関する調査」(内閣府男女共同参画局)によると、更年期障害に関わる症状の有無では、女性では50代で最も割合が高く、生活への支障も88.7%と高い水準となっています。 一方、男性の更年期障害についても近年注目されており、50代では約1割の人が症状を自覚しています。生活への支障については、40代から60代のいずれの年代においても8割を超えており、男女ともに大きな健康課題となっています。 ⑤ 自殺者の状況                                   グラフ_「全国の自殺者数」 グラフ_「女性の自殺の原因・動機」 グラフ_「男性の自殺の原因・動機」 令和7(2025)年度「令和7年中における自殺の状況」(厚生労働省及び警察庁)によると、令和7年度中の全国の男性自殺者数は女性の約2倍となっています。年代別に見ると、19歳以下を除き全ての年代で男性が女性を上回っており、特に40~49歳では女性の約2.8倍、50~59歳では女性の約2.6倍多くなっています。 また、自殺の原因・動機については、男女ともに「健康問題」が最も多い一方で、男性では「経済・生活問題」「勤務問題」の割合が女性に比べ高くなっています。 ■施策の方向性■ 1 多様なライフデザインを描くための健康支援 性差やライフステージに応じた健康課題に関するニーズを踏まえ、理解を深めるための学習機会を提供するとともに、各健康課題に対応した取組みを推進します。 2 従業員のウェルビーイング(多様な幸せ)を高めるための健康経営の促進 従業員が健康課題と仕事を両立できるよう、事業者に対し、周知啓発を図るとともに、セミナーを実施します。 ■事業展開■ 1 多様なライフデザインを描くための健康支援 No. 事業名 担当課 1-1重点 こころと身体の健康講座の実施 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」において、性差に応じたこころと身体の健康に関する講座を実施します。 行動量名性差に応じた健康講座の実施回数 現況値 令和9年度4回(令和7年度) 令和10年度4回 令和11年度4回 令和12年度4回 令和13年度4回 1-2 こころの健康に関する相談 健康推進課各総合支所保健福祉センター健康づくり課 区民や家族及び関係者を対象に、精神科医師や保健師によるこころの健康に関する相談を行います。 1-3 女性の健康づくりに関する普及・啓発 各総合支所保健福祉センター健康づくり課 健康教室等を通じて女性特有の健康課題に対する正しい知識の普及・啓発を行います。 1-4 世田谷区自殺対策協議会の開催 健康推進課 学識経験者や地域関係機関等と連携し、自殺者の状況把握や課題、対策等、自殺予防に関する施策を協議します。 1-5 性差に応じたがん(子宮がん、乳がん)に対する検診の実施 健康企画課各総合支所保健福祉センター健康づくり課 がんの早期発見・早期治療を目的として、性差に応じたがん検診を実施します。 1-6 妊活オンライン相談等事業 健康推進課 不妊治療や将来子どもを持ちたい等の悩みに、専門性の高い相談及び区民への理解促進と啓発を実施します。 1-7 区施設への生理用品の設置 人権・男女共同参画課 必要な時に生理用品にアクセスできる環境を整えるため、区の一部施設へ生理用品を無償で設置します。 2 従業員のウェルビーイング(多様な幸せ)を高めるための健康経営の促進 No. 事業名 担当課 2-1 世田谷区地域・職域連携推進連絡会における取組み 健康企画課 地域・職域保健の関連団体による連絡会を設置し、連携事業として、区内事業所等を対象とした健康経営セミナーを実施します。 区の推進体制 区の推進体制 ◇ジェンダー平等施策を総合的かつ効果的に推進するため、あらゆる分野の施策にジェンダー平等の視点を取り入れるとともに、庁内体制の強化やジェンダー統計*の活用等により推進基盤の強化を図ります。 ◇あわせて、施策の実施主体である職員のジェンダー平等に関する意識の向上を図ります。さらに、区内外の組織や関係団体との連携を進め、多様な視点を施策に反映しながら、持続的な推進体制の構築を図ります。 課題・施策の体系 課題 施策  方策1ジェンダー平等推進のための体制整備・強化 1ジェンダー主流化推進のための意識醸成 2ジェンダー主流化の実装に向けた実践 3庁内推進体制の強化 4審議会等の女性登用率の向上 方策2職員のジェンダー平等の推進 1庁内の管理監督的立場への女性の登用 2職員の仕事と生活の両立支援 3職員のハラスメントの防止 4職員の多様な性に対する理解促進 方策3 多様な視点や連携による施策の充実 1「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」におけるフォローアップ 2国や都、他自治体との連携強化 3ジェンダー平等に関わる地域活動団体との連携・協力 脚注_「ジェンダー統計」ジェンダーに基づく生活や意識における偏り、格差などを明らかにする統計のこと。 成果指標 区の施策の効果を把握するための指標 方策1 指標名 「ジェンダー主流化」という言葉の認知度 現状値 (調整中) 53.0% (令和8年度) 令和13年度目標値 (調整中) 80.0% 方策1 指標名 区の審議会等における女性委員の割合 現状値 35.0% (令和8年度) 令和13年度目標値 40.0% 方策2 指標名 男性の育児休業取得者のうち1月以上の取得率 現状値 77.6% (令和7年度) 令和13年度目標値 85.0% 方策2 指標名 庁内の管理監督的立場(部長・課長級及び係長級)に占める女性の割合 現状値 41.8% 管理職(部長・課長級のみ)に占める女性の割合 25.5% (令和8年度) 令和13年度目標値 43.0%以上 管理職(部長・課長級のみ)に占める女性の割合 33.0%以上 重点事業 成果指標の最終目標値を達成するために重要となる事業 方策1 庁内の会議体等を通じた推進 p.124 方策1 ジェンダー平等意識向上のための研修実施 p.124 方策2 女性職員の理想とするキャリア形成に向けた支援 p.129 方策1ジェンダー平等推進のための体制整備・強化 ジェンダー主流化やEBPM*の推進等、ジェンダー平等の実現に向けた取組みを着実に推進するとともに、その基盤となる庁内推進体制の強化を図ります。 ① 施策を検討する上でジェンダー平等の視点を意識することが必要だと思う割合        グラフ_「施策を検討する上でジェンダー平等の視点を意識することが必要だと思う割合」 「あらゆる場面において必要だと思う」とする回答が最も多い一方で、「事業内容に応じて必要だと思う」も次いで多くなっています。これらの結果を踏まえ、庁内での統一的な考え方のもと、各施策にジェンダー平等の視点を適切に取り入れるための方向性を示す必要があります。 ② 審議会等の女性登用率の推移                                  グラフ_「審議会等の女性登用率の推移」 令和8(2025)年度の審議会・委員会等における女性委員の占める割合は、全体で34.8%となり、近年ほぼ横ばいとなっています。 今後は、目標である40%の達成に向け、特に女性委員の割合が低い会議体に対し、積極的な登用を促進していく必要があります。 ■施策の方向性■ 1 ジェンダー主流化推進のための意識醸成 地域におけるジェンダー平等の一層の推進に向け、ジェンダー主流化の考え方の浸透を図り、施策にジェンダーの視点を取り入れます。そのため、各会議体や全庁的な周知を通じて、共通認識を形成し、部局横断的な取組みを推進します。 2 ジェンダー主流化の実装に向けた実践 ジェンダーによる差異や課題を可視化し、実効性のある施策につなげるため、ジェンダー統計の収集及び分析を行います。性別に加え、年齢、国籍、性自認・性的指向等の交差性(インターセクショナリティ)の視点踏まえながら分析を進めます。 あわせて、「(仮称)ジェンダー平等ガイドライン」を策定し、ジェンダー統計の分析・活用に関する基本的な考え方及び庁内における運用ルールを整備するとともに、モデル事業の実施による具体的な手法を示し、取組みの推進を図ります。なお、性別等の情報収集に際しては、性的マイノリティに配慮した適切な運用を図ります。 3 庁内推進体制の強化 「(仮称)ジェンダー平等ガイドライン」の作成を通じ、ジェンダー主流化の考え方に基づく施策展開を支援し、庁内の推進体制を強化します。 4 審議会等の女性登用率の向上 審議会等における女性委員の登用状況を継続的に把握し、登用率が低い会議体については、所管課への働きかけ等のポジティブ・アクション(積極的改善措置)により、女性登用の一層の促進を図ります。 ■事業展開■ 1 ジェンダー主流化推進のための意識醸成 No. 事業名 担当課 1-1重点 庁内の会議体等を通じた推進 人権・男女共同参画課 部長級の会議等を通じて、職員へジェンダー平等やジェンダー主流化等の考え方を浸透させ、庁内におけるジェンダー主流化を推進します。 行動量名全庁への周知回数 現況値5回(令和8年度) 令和9年度10回 令和10年度10回 令和11年度10回 令和12年度10回 令和13年度10回 No. 事業名 担当課 1-2重点 ジェンダー平等意識向上のための研修実施 人権・男女共同参画課 管理職向け、職員向けの研修を実施し、庁内におけるジェンダー主流化を推進します。 行動量名研修の実施回数 現況値管理職向け0回(令和8年度) 職員向け1回(令和8年度) 令和9年度管理職向け1回 職員向け1回 令和10年度管理職向け1回 職員向け1回 令和11年度管理職向け1回 職員向け1回 令和12年度管理職向け1回 職員向け1回 令和13年度管理職向け1回 職員向け1回 1-3 職員への定期的なセルフチェックの実施 人権・男女共同参画課 職員のジェンダー平等に関する意識・実態や基礎的知識の定着を把握するため、年に1回セルフチェックを行います。 2 ジェンダー主流化の実装に向けた実践 No. 事業名 担当課 2-1 ジェンダー統計を活用したモデル事業の実施 人権・男女共同参画課 全庁においてジェンダー主流化を推進するため、ジェンダー統計の活用や具体的な手法を示していくモデル事業を実施します。 2-2 「男女共同参画に関する区民意識・実態調査」の定期的実施と結果公表 人権・男女共同参画課 区民の男女共同参画意識・実態を把握し、施策へ活かしていくため、次期プランの検討に合わせ、5年に1回調査を実施します。 2-3 「区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査」の定期的実施と結果公表 人権・男女共同参画課 区内企業の男女共同参画意識・実態を把握し、施策へ活かしていくため、次期プランの検討に合わせ、5年に1回調査を実施します。 3 庁内推進体制の強化 No. 事業名 担当課 3-1 「(仮称)ジェンダー平等ガイドライン」の策定 人権・男女共同参画課 職員に向けジェンダー平等の考え方を示していくため、「(仮称)ジェンダー平等ガイドライン」を策定し、全庁へ周知します。 4 審議会等の女性登用率の向上 No. 事業名 担当課 4-1 審議会の女性登用率調査の実施 人権・男女共同参画課 区の審議会等附属機関及び各種検討委員会委員の女性割合を把握し、政策・方針決定過程における女性の参画を促進します。 4-2 区の外郭団体理事の男女比率調査 人権・男女共同参画課 区の外郭団体理事の女性割合を把握し、政策・方針決定過程における女性の参画を促進します。 方策2職員のジェンダー平等の推進 ジェンダー平等社会の実現に向けては、職員一人ひとりがジェンダー平等に関する理解と意識をもつことが重要です。テーマごとに、職員の意識やニーズを踏まえ、研修や庁内発信により周知・啓発を図ります。また、区は区内最大規模の事業者の一つであることから、率先して働きやすい職場環境の整備に取り組み、労働慣行の見直しや女性活躍の促進を牽引していく必要があります。 ① 家族に育児・介護が必要になった場合、「男性は仕事、女性は育児・介護」という考え方についてどう思うか   グラフ_「家族に育児・介護が必要になった場合、「男性は仕事、女性は育児・介護」という考え方についてどう思うか」【令和3年度】【令和7年度】 令和7年度では、「否定派」が約8割と依然多数を占めており、固定的な性別役割分担意識の解消は着実に進んでいるものの、「肯定派」はやや増加しています。男女別に見ると、特に女性の割合が男性より高くなっており、女性においては固定的な性別役割分担を一定程度受け入れざるを得ない状況があることも考えられます。このため、従来の労働慣行の見直しや職場環境の整備が求められます。 ② 庁内の管理監督的立場(部長・課長級及び係長級)の女性の占める割合                              グラフ_「庁内の管理監督的立場(部長・課長級及び係長級)の女性の占める割合」 管理監督的立場及び管理職における女性の割合は年々上昇しています。区では、令和7(2025)年4月に特定事業主行動計画の改定を行い、管理職33%、管理監督的立場40%以上の目標を掲げ、さらなる推進に取り組んでいます。 ③ 区職員の育児休業取得率・介護休暇取得人数                                 グラフ_「育児休業取得率」 グラフ_「介護休暇取得人数」 男性職員の育児休業取得率は年々上昇しており、令和3(2021)年以降は1か月以上取得する割合が70%を超えています。区では、特定事業主行動計画において85%の目標を掲げており、今後も取得の促進を図る必要があります。 また、介護休暇の取得は低い状況にありますが、「世田谷区役所版 両立支援ハンドブック 介護と仕事との両立編」により制度の周知を行い、職員が適切に休暇制度等を活用できるよう支援しています。 ④ 職場におけるハラスメントをなくすために、重要だと思うもの                                  グラフ_「職場におけるハラスメントをなくすために、重要だと思うもの」 「職員一人ひとりがハラスメントにあたる言動をよく理解すること」「管理職がハラスメントについて正確に理解し対応すること」を必要とする回答が多く、ハラスメントに関する理解の一層の促進が求められています。 また、「相談しやすい雰囲気づくりと相談体制(外部相談窓口など)の充実を図ること」「相談者等に不当な扱いをしないこと」を求める回答も多く、相談者への配慮を徹底した対応が必要とされています。 ■施策の方向性■ 1 庁内の管理監督的立場への女性の登用 管理監督的立場にある女性職員の登用率を継続的に把握・公表するとともに、女性管理職の経験に触れる機会の創出や管理職試験に向けた支援を行い、女性職員のキャリア形成を支援し、登用の促進を図ります。 2 職員の仕事と生活の両立支援 「世田谷区役所版 両立支援ハンドブック」の活用を促進し、ライフステージやライフイベントに応じた休暇制度等の周知と利用促進を図ります。また、勤務時間の適正管理に努めるとともに、休暇取得に向けた職場内の意識啓発を推進します。 3 職員のハラスメントの防止 「職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針」に基づき、ハラスメントの未然防止を図るとともに、研修等を通じて職員一人ひとりの理解促進及び意識啓発を推進します。 4 職員の多様な性に対する理解促進 職員一人ひとりが区民や職員に対し、性の多様性を尊重した適切な対応を行えるよう、ガイドラインの整備等を通じて理解促進を図ります。 ■事業展開■ 1 庁内の管理監督的立場への女性の登用 No. 事業名 担当課 1-1 女性活躍推進に向けた昇任意欲向上の取組み 人事課人権・男女共同参画課 特定事業主行動計画において目標を明確化するとともに、取組み状況や男女間の賃金格差を公表します。また、女性活躍推進研修の実施や育休中の昇任選考受験の勧奨を行います。 1-2重点 女性職員の理想とするキャリア形成に向けた支援 人事課人権・男女共同参画課研修担当課 キャリアデザインサイト「おしごとライブラリ」により女性活躍推進を含む様々なロールモデルを提示するとともに、女性活躍推進研修を実施し、キャリア形成に向けて支援を行います。 行動量名研修参加者数(累計) 現況値37人(令和7年度) 令和9年度40人 令和10年度80人 令和11年度120人 令和12年度160人 令和13年度200人 2 職員の仕事と生活の両立支援 No. 事業名 担当課 2-1 「ワーク・ライフ・バランス・デー」の啓発 人権・男女共同参画課職員厚生課環境政策課 毎週水曜日を「ワーク・ライフ・バランス・デー(一斉定時退庁日)」とし、職員の仕事と生活の両立を考える機会とします。 2-2 妊娠中及び出産後の女性職員に対する休暇等支援制度の周知徹底及び職場における健康や安全への配慮 人事課 早出・遅出勤務を広く周知し、職員のライフプランに合わせた柔軟な働き方を推進します。 2-3 育児休業・介護休暇等を取得しやすい環境の整備 人事課職員厚生課 子育て・介護中の職員が休暇制度等を適切に活用できるよう、両立支援制度の周知と多様な働き方の整備を推進します。 2-4 男性職員の子育て目的の休暇の取得促進 人事課職員厚生課 育児を行う男性職員が休暇制度等を積極的に活用できるよう、庁内全体に制度の周知を行い、休暇が取得しやすい職場環境の整備に取り組みます。 2-5 仕事と生活の両立に向けた勤務時間の適正管理に関する取組み 職員厚生課 様々な機会を通じて全庁に向け、超過勤務の縮減や年次有給休暇の取得促進等を働きかけます。 2-6 生理研修の実施 人権・男女共同参画課 生理の仕組みや基本的な知識を学び、女性特有の健康課題について理解を深め、互いに理解し、働きやすい職場づくりのために実施します。 3 職員のハラスメントの防止 No. 事業名 担当課 3-1 区職員へのDV防止研修の実施 人権・男女共同参画課研修担当課 DVに関する基礎知識やDV被害者への対応等について研修を実施し、DV被害者への支援体制の充実と関係所管課との連携を強化します。 3-2 「職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針」に基づく取組みの推進 職員厚生課人事課 管理監督者や全庁に対し、ハラスメントに対する正しい知識と認識を持ち、ハラスメントを未然に防ぐよう呼びかけを行います。 3-3 職員への「職場のハラスメント」の防止に関する研修の実施 職員厚生課人事課研修担当課 ハラスメントに関する基本的な知識等の習得を図ることにより、ハラスメントを未然に防ぐ、継続的な意識啓発を行います。 3-4 区立小・中学校内及び教育指導課へのセクシュアル・ハラスメントに関わる相談窓口の設置 教育指導課 セクシュアル・ハラスメントに関する相談窓口を設置し、相談を受け付けます。 4 職員の多様な性に対する理解促進 No. 事業名 担当課 4-1 「性的マイノリティ理解促進研修」の実施 人権・男女共同参画課健康推進課 性の多様性に関する基礎知識や職員としての対応等について研修を実施し、性の多様性に関する理解促進を図ります。 4-2 保健福祉領域基本初任者研修による理解促進 保健医療福祉推進課 保健福祉領域内の初任者向けに多様な性を含む男女共同参画施策について研修を行い、理解促進を図ります。 4-3 職員向け対応マニュアルによる周知・啓発 人権・男女共同参画課 性的マイノリティの方々へ配慮した統一的な対応を行うため、職員向けの性的マイノリティに関する対応マニュアルを作成し、全庁に向けて周知します。 4-4 庁内ALLYの創出 人権・男女共同参画課 庁内における性的マイノリティの理解促進を図るとともに、当事者をはじめとした来庁者に安心感を持ってもらうため庁内ALLYを創出します。 4-5 プライド月間におけるレインボーフラッグの掲出 人権・男女共同参画課 当事者をはじめとする来庁者に対し、性的マイノリティへの理解を促進する区の立場を表明するため、プライド月間である6月の1か月間、各窓口にレインボーフラッグを掲出します。 方策3多様な視点や連携による施策の充実 「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」に基づき、「男女共同参画」と「多文化共生」の取組状況を共有しながら連携を図り、PDCAサイクルを通じてプランの推進を図ります。 あわせて、地域活動団体との協働や国、都、他自治体との連携を強化し、多様な視点を踏まえた総合的かつ計画的な施策の充実を図ります。 ■施策の方向性■ 1 「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」におけるフォローアップ プランの推進にあたっては、PDCAサイクルに基づき、毎年度「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」に報告及び意見聴取を行います。審議会等での意見を踏まえ、取組みの見直しや政策立案に反映させることで、進行管理及びフォローアップを実施します。 また、条例に基づき、区民や事業者から男女共同参画及び多文化共生に関する苦情・意見・相談が寄せられた場合には、速やかに調査を行い、必要に応じて適切に対応します。さらに、必要に応じて「世田谷区男女共同参画・多文化共生苦情処理委員会」に諮問し、その意見を踏まえた対応を行います。 2 国や都、他自治体との連携強化 国及び都の関連計画や制度改正の動向を踏まえ、区の施策と整合を図りながら、情報共有及び相互協力を推進します。また、広域的な対応が求められる課題については、他自治体や専門機関との連携により、支援体制の充実や情報連携の強化を図ります。 3 ジェンダー平等に関わる地域活動団体との連携・協力 地域におけるジェンダー平等の意識の浸透を図るため、ジェンダー平等の推進に取り組む地域活動団体等の発掘、育成及び支援を行うとともに、これら団体と連携・協働を推進するための体制を構築します。 ■事業展開■ 1 「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」におけるフォローアップ No. 事業名 担当課 1-1 「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」における意見聴取 人権・男女共同参画課文化・国際課 「世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」において意見を聴取し、施策へ活かします。 2 国や都、他自治体との連携強化 No. 事業名 担当課 2-1 全国市長会、特別区長会等への要望 人権・男女共同参画課 ジェンダー平等の実現に向け、必要な取組みについて全国市長会、特別区長会等で要望を行います。 3 ジェンダー平等に関わる地域活動団体との連携・協力 No. 事業名 担当課 3-1 地域活動団体との連携強化 人権・男女共同参画課 男女共同参画センター「らぷらす」にて開催する登録団体連絡会において地域活動団体との連携強化を図り、地域におけるジェンダー平等を推進します。 2 進行管理   計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善(Action)からなるPDCAサイクルに基づき、検証・評価を実施し、その結果を事業へ反映することで、取組みの着実な推進を図ります。 (1)検証・評価 基本目標ごとに成果目標を設定し、その達成状況について定期的に検証・評価を行います。あわせて、重点事業については、具体的な行動指標を設定し、取組みの着実な推進を図るとともに、その進捗状況についても適切に検証・評価を行います。 (2)検証結果の報告・反映 成果目標の達成状況や重点事業の進捗状況については、年に1回報告します。 また、男女共同参画推進部会や男女共同参画推進会議において今後の取組みについて検討し、その結果を踏まえ、必要な改善を事業に反映します。  図_「PDCAサイクル」 生活文化政策部 人権・男女共同参画課 令和8年9月