第10期 世田谷区 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画 素 案 (令和9年度〜令和11年度) (2027年度〜2029年度) 令和8年9月 世 田 谷 区 目 次 第1章 計画の策定について 1 1  計画策定の背景 2 2  計画の位置づけ 9 3  他の計画との関係 10 4  計画の期間 11 第2章 計画の基本的な考え方 13 1  計画の体系 14 2  基本理念 15 3  施策展開の考え方 17 4  計画目標 22 5  重点取組み 23 6  評価指標 24 第3章 各施策の展開 27 〇施策の体系 28 計画目標T  区民の健康寿命を延ばす 30 計画目標U  高齢者がより活躍できる地域づくり 40 計画目標V  安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る 48 W  認知症施策の総合的な推進 65 X  介護保険制度の円滑な運営 71 第4章 計画の推進体制 95 第5章 計画策定の経過 97 1  計画策定に向けた審議等の経過 98 第6章 資料編 105 1  第9期高齢・介護計画 取組み状況 106 世田谷区介護施設等整備計画 113 1  計画の基本的事項 114 2  計画の基本的な考え方 116 3  第10期の整備目標等 117 4  計画の進行管理 124 第1章          計画の策定について    1 計画策定の背景 2 計画の位置づけ 3 他の計画との関係 4 計画の期間 1  計画策定の背景  (1)高齢者人口の推移と将来人口推計   全国的に人口減少が続くなか、とりわけ85歳以上の高齢者の増加が顕著になると国は推計しています。世田谷区においては、これまで人口増加が続いてきましたが、令和4年(2022年)から令和5年(2023年)にかけて一時的に減少し、その後は再び緩やかな増加傾向にあります。  今後、令和22年(2040年)に向けて、区の高齢者人口は約52,000人増加すると見込まれています。その内訳を見ると、65〜74歳の前期高齢者が約44,000人と大半を占める一方で、85歳以上の高齢者も約6,000人増加する見通しです。  一方で、15〜64歳の生産年齢人口は一貫して減少していくと推計されています。その結果、区の高齢化率は上昇し、令和8年1月時点の20.7%から、令和22年には26.0%に達すると見込まれています。 (2)要介護認定の状況   ≪調整中≫  令和8年9月末時点での実績及び令和8年10月1日時点での推計は計画案にて掲載します。 (3)高齢者世帯の状況   高齢者の単身世帯及び高齢者のみで構成される世帯は、これまで一貫して増加してきました。今後も同様の傾向が続くと見込まれることから、2040年には全高齢者の約8割が高齢者のみの世帯となり、さらにその半数(約97,000人)が単身世帯となる見込みです。 (4)認知症高齢者数の推移   介護保険要介護認定調査において、令和7年度の認知症の日常生活自立度の判定がU以上の方の人数は、平成30年度から約3,900人増加しています。  (5)高齢者の就労状況  令和7年度の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査では、前期高齢者(65-74歳)の方々は仕事をしている、または就労意欲がある方の合計は62.0%となっています。これらの方々は介護保険認定率も低く、健康で就労意欲も高い状況にあります。 (6)65歳健康寿命(要介護2)と平均寿命の推移   65歳健康寿命(要介護2)及び平均寿命は、男女ともにこれまで着実に延伸してきています。しかしながら、平均寿命の延びに対して65歳健康寿命の延びは緩やかであり、両者の延び方には差が見られます。こうした傾向は、医療や介護を必要とする期間が長期化することを示唆しています。    ※65歳健康寿命(要介護2)と平均寿命について    65歳健康寿命(要介護2)とは、65歳の人が何らかの障害のために要介護認定を受けるまでの状態を健康と考え、要介護2以上の認定を受ける年齢を平均的に表した指標である。一方、平均寿命とは、0歳児が平均して何歳まで生きるかを示した指標であり、65歳未満の死亡も考慮される。このように、65歳健康寿命(要介護2)と平均寿命は対象としている年齢や測定している内容が異なることから、それぞれの数値を比較するのではなく、延び方について注視する必要がある。なお、場合によっては、65歳健康寿命が平均寿命を上回ることもある。  (7)人生の最期の場   令和7年度の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査では、高齢者の42.5%が人生の最期を自宅で迎えたいと回答しています。しかし、実際に亡くなっている場所は病院(医療機関)が52.1%で、自宅は23.2%に止まり、人生の最期として希望する場所と実際の状況の間には大きな乖離が存在しています。また、介護施設での死亡割合は約21.3%となっており、希望より高い割合を占めています。 ○これら区を取り巻く状況から導き出される区の方向性  区では、2040年に向け、85歳以上の高齢者が増加することが見込まれることや、平均寿命に対して健康寿命の延びは緩やかであることから、今後介護保険サービスの需要が高まることが想定されます。一方で、介護保険認定率が低く就労意欲も高い前期高齢者の大幅な増加が見込まれており、社会や地域での担い手となって活躍されることが期待されます。  また、今後サービスの担い手不足が深刻化する状況においても、介護保険サービスを安定的に受けることができるようにする必要があります。  これら区を取り巻く状況から、区では2040年に向け、以下の内容について重点的に取り組むこととし、計画目標に反映していきます。   2040年に向けて区として重点的に取り組むべき内容    ・介護保険サービスをできる限り使わなくても済むための取組み    ・高齢者のさらなる社会参加の促進    ・介護保険サービスを安定的に受けることができるための環境整備 2  計画の位置づけ   本計画は「第10期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(以下、「第10期高齢・介護計画」)」とし、老人福祉法第20条の8の規定に基づく市町村老人福祉計画及び介護保険法第117条の規定に基づく市町村介護保険事業計画として、一体的に策定するものです。あわせて、区における介護施設等の整備を計画に進めるための「世田谷区介護施設等整備計画」を内包しています。  さらに、国は「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」の中において市町村介護保険事業計画を「地域包括ケア計画」として位置づけ、地域包括ケアシステムを深化・推進することとしています。本計画はこうした国の方針とも整合を図りながら策定するものです。 3  他の計画との関係   本計画は、国及び東京都の高齢者施策や計画との調和・整合を図りつつ、区の主要計画(最上位計画である「世田谷区基本計画」、地域行政の推進に関する基本的な考え方や具体的な取組み等を定めた「世田谷区地域行政推進計画」、保健医療福祉の各分野に共通する基本的かつ横断的な施策の方向性を示す「世田谷区地域保健医療福祉総合計画」等)で掲げる基本的な考え方等を踏まえて策定します。そのうえで区全体、地域・地区、医療・保健・福祉全体の視点を総合的に捉えた計画とします。  ※世田谷区地域福祉活動計画(世田谷区社会福祉協議会)等の関連計画と調和・整合を保ちます。  4  計画の期間   本計画の期間は、令和9年度(2027年度)から令和11年度(2029年度)までの3年間とし、介護保険制度における第10期の計画期間に位置づけられます。 第2章          計画の基本的な考え方   1 計画の体系 2 基本理念 3 施策展開の考え方 4 計画目標 5 重点取組み 6 評価指標 1  計画の体系   第10期高齢・介護計画は、計画の「基本理念」と計画の方向性を示す「計画目標」、基本理念を実現するための「施策」の3層構造としています。施策については、第10期計画期間において重点的かつ横断的に取り組むべき「重点取組み」と各分野における取組みにより構成しています。また、基本理念を実現するために施策に取り組む際の視点や考え方については、「施策展開の考え方」として整理し、計画全体の方向性を明確にしています。  さらに、それぞれに設定する評価指標については施策の成果を適切に把握するためそれぞれの指標が時間軸(区民・社会へ波及する時間)を考慮したものとします。  2  基本理念    世田谷区ではこれまで、高齢化の進展を踏まえつつ、高齢者の知識や経験、主体性を尊重しながら、住民同士の支えあいや区民、地域活動団体、事業者との「参加と協働」のもと「世田谷版地域包括ケアシステム」の推進により、健康寿命の延伸、参加と活動の促進、介護・福祉サービスの確保に取り組んできたところです。   一方で、コロナ禍により高齢者の活動は大きく停滞し、ようやく回復の兆しが見え始めたものの、物価高騰など社会情勢の変化は長期化し、高齢者の生活のみならず、介護保険サービス事業所の経営にも影響を及ぼしています。  加えて、世田谷区においては令和22年(2040年)に向けて高齢者人口が一貫して増加する一方、生産年齢人口の減少が進むことで高齢化率は26.0%に達する見込みです。これに伴い、医療・介護需要の増大と人材不足が一層深刻化し、介護保険制度の安定的な運営にも影響を及ぼしかねない状況になっています。   こうした中、世田谷区では、国に先駆けて「認知症の本人を含む全ての区民が自分らしく生きる希望を持ち、本人の意思と権利が尊重され、安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を目指し「認知症とともに生きる希望条例」を制定しました。  また、「障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例」や「多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」に基づき、様々な施策に取り組むなど、多様性を認めあう地域社会づくりを進めています。  今後も、高齢者や医療・介護の現場で働く方が、年齢・性別、性自認、性的指向、国籍等にかかわらず、自分らしく生き生きと暮らし、働くことができるよう多様性を認め合う地域づくりや差別の解消、ハラスメントの防止に向けた施策を講じていくこととしています。  また、世田谷区基本計画では、区政運営の基本的な方向性として「持続可能な未来を確保し、あらゆる世代が安心して住み続けられる世田谷をともにつくる」ことを掲げ、参加と協働を区政の基盤に「乳幼児から高齢者までのあらゆる世代が安心して住み続けられるまちづくりを進める」こととしています。   これらを踏まえ、第10期高齢・介護計画は、中長期的な視点のもと、2040年に向けた施策展開の足掛かりとなる3年間として位置づけています。高齢者観の変化を的確に捉えつつ、高齢者福祉のさらなる向上と、介護保険制度の持続可能な運営の実現に向けて取り組むこととし、第9期計画に引き続き「住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を基本理念とし、高齢者の幸福感の向上を目指して取組みを進めていきます。  あわせて、介護保険事業の円滑な実施に向け、世田谷版地域包括ケアシステムの推進を目指して令和9年度から3年間の施策展開の考え方や目標、施策及び介護サービスの見込み等を定めます。  3  施策展開の考え方  (1)参加と協働の地域づくり   支援を必要とする高齢者が抱える課題は複雑化、長期化の傾向が強まっています。今後、高齢者人口の増加に伴い相談件数の増加も見込まれることから、あんしんすこやかセンター※や行政機関のみで対応することはますます困難な状況になってきています。  そのため、区においては保健福祉領域だけでなく、その他の関係所管も含め横断的に一層の連携を図っていくほか、区民を、施策の対象として捉えるのではなく、自ら地域をつくり支える存在として位置づけ、主体的な参加への意欲を引き出すコミュニティづくりにつなげるとともに、区民、事業者、行政のそれぞれが持つアイデアや技術、ノウハウなどを組み合わせることで新たな価値創造を可能とする地域社会の実現を目指していきます。  ※あんしんすこやかセンター 介護保険法上の地域包括支援センター(以下、同じ。)  (2)高齢者観の変化を的確に捉えた施策  高齢者の中には、就労や地域活動などに積極的に参加し、社会を「支える側」として活躍する方も増えています。また、区内高齢者の約9割がスマートフォン等の情報機器を保有し、SNSを通じた発信や多世代との交流が広がるなど、ライフスタイルも変化してきています。  こうした変化を踏まえ、高齢者が就労、地域活動、健康づくり・介護予防など、日常生活の様々な場面で知識や経験を生かし、多世代の交流を通じて役割や出番を見いだすことができるよう、時代の流れを的確に捉えた施策の展開を図ります。これにより、生きがいや心の豊かさ、幸福感の向上につなげていきます。  (3)世田谷版地域包括ケアシステムの推進   区では、国の示す地域共生社会の考え方に先んじて、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、高齢者だけではなく、障害者や子育て世代、生活困窮者など、困りごとを抱えた全ての区民を対象として平成26年度から「世田谷版地域包括ケアシステム」を推進してきました。  当初は、地域包括ケアシステムの要素である「医療」、「福祉サービス」、「住まい」、「予防・健康づくり」、「生活支援」を各分野において進めてきましたが、多様化したニーズに応えるために、令和6年度より「就労」、「教育」、「社会参加」、「防犯・防災」を新たな要素として加えるとともに、区民にとって最も身近な地区において伴走していく体制を整えることで「世田谷版地域包括ケアシステム」を強化し、変化し続ける課題に取り組んでいます。  身近な地区においては、平成28年度より「地域包括ケアの地区展開」として、地区まちづくりの拠点であるまちづくりセンター、地域包括支援センターであるあんしんすこやかセンター、地域福祉を推進する社会福祉協議会の三者を全地区で一体整備し、「福祉の相談窓口」を設け、福祉に関するあらゆる困りごとの相談を受け付けています。また、地区の課題を抽出し、三者に児童館を加えた四者が連携して地域資源の開発を行う「参加と協働の地域づくり」に取り組んでいます。  一方、地域福祉を取り巻く状況は刻々と変化し、区民の抱える困りごとも複雑化・複合化するとともに、制度の狭間の支援ニーズも増加傾向であり、継続的かつ長期的に関わっていくことも求められることから、地域づくり、人権擁護の推進、福祉人材の確保及び育成・定着支援、地区をバックアップする体制、先進技術の積極的な活用、保健福祉サービスの質の向上、福祉文化の醸成といった取組みを進め、世田谷版地域包括ケアシステムを下支えする基盤の整備を推進しています。 <世田谷版地域包括ケアシステムにおける今後の施策を展開する2つの柱のイメージ図> <参考>日常生活圏域と地域包括支援センター、行政の三層構造について   日常生活圏域とは、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域のことです。世田谷区では地域行政制度に基づく28の「地区」を日常生活圏域とし、各地区にあんしんすこやかセンターを設置しています。地区・地域・全区がそれぞれの役割を持って、計画目標の達成に向けて取組みを進めていきます。 4  計画目標   第10期高齢・介護計画の基本理念である「住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を実現し、高齢者が心から幸福だと感じられる生活を送ることができるよう、目指すべき方向性を示す3つの計画目標を定めます。 計画目標T 区民の健康寿命を延ばす  世田谷区民は全国的に見ても長寿であり、健康寿命、平均寿命ともに延びてきています。しかし、健康寿命の延びは平均寿命の延びに対して緩やかであるため、高齢者が生涯にわたり心身ともに健康で幸福感をもって生活できるよう、「区民の健康寿命を延ばす」ことを計画目標とします。  計画目標U 高齢者がより活躍できる地域づくり 新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類感染症に移行したことなどにより、停滞していた日常的な外出や地域活動・講座への参加など、高齢者の活動は活発さを取り戻してきました。しかし、地域活動に参加している高齢者の数は依然として多いとはいえず、また、就労意欲の高い前期高齢者の増加も見込まれます。高齢者が生きがいや役割を持って活動し、日々生活の中で幸福感を得られるよう、「高齢者がより活躍できる地域づくり」を計画目標とします。 計画目標V 安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉 サービスの確保を図る  高齢者の増加に伴い、支援を必要とする高齢者の数は今後も増加する見込みです。一方で、高齢者を支える生産年齢人口は減少が続くと見込まれています。こうした状況の中でも、医療や介護、福祉サービスが安定的に提供されるよう、高齢者が住み慣れた地域で「安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る」ことを計画目標とします。  5  重点取組み  第10期高齢・介護計画を2040年に向けた施策展開の足掛かりとして位置づけ、本計画期間における3つの重点取組みを定めます。  (1)健康づくりと介護予防の一体的な推進  健康寿命の延伸と介護予防に一体的に取り組み、介護保険サービスにできる限り頼ることなく、高齢者がいつまでも健康でいきいきと生活できるよう施策を展開します。 <関連施策>   ・健康づくり   ・介護予防 (2)外出や地域活動参加及び就労・就業の促進   高齢者がこれまで培ってきた知識や経験を活かし、生きがいや役割を持って地域や社会で活躍できるよう、外出や地域活動への参加、就労・就業の促進を図ります。  <関連施策>   ・参加と交流の場づくり   ・支えあい活動の推進  (3)介護人材の確保及び安定経営に向けた支援   高齢者が介護を必要とする状態になっても、介護保険サービスなどを安定的に利用でき、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、介護人材の確保・育成定着支援や介護サービス事業所の安定した経営基盤の構築に向けて取り組みます。  <関連施策>   ・介護人材の確保及び育成・定着支援 6  評価指標  (1)評価指標の考え方  評価指標は計画体系に沿ってそれぞれの指標が時間軸(区民・社会へ波及する時間)を考慮したものとします。また、重点取組みについては、新たに評価指標を設定し、本計画期間において達成すべき指標とします。  なお、重点取組みの評価指標は、関連する計画目標や各取組みの評価指標との関連性を意識するほか、重点取組みに関連しない取組みは個別に評価指標を設定します(計画の進行管理については、計画案にて第4章に掲載予定)。   (2)各項目の評価指標  計画目標T 区民の健康寿命を延ばす ・65歳健康寿命(要介護2) ・主観的健康観 ・年齢階層別の認定率(75-84歳) 計画目標U 高齢者がより活躍できる地域づくり ・地域の人からの役割期待度 ・仕事の満足度 計画目標V 安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る ・介護人材不足の解消状況 ・介護事業者の経営状況 重点取組み (施策) 計画期間の 達成指標 健康づくりと介護予防の一体的な推進 ・健康づくり・介護予防活動の有無・頻度 ・定期健診の受診状況 外出や地域活動参加及び就労・就業の促進 ・地域活動への参加状況 ・高齢者クラブの新規加入者数 ・三茶おしごとカフェの就職決定者数 介護人材の確保及び安定経営に向けた支援 ・スポットワーク支援助成事業を活用して採用につながった正規介護職員数 ・経営改善支援事業を活用して安定的経営に向けた改善につながった事業所数 各取組み 取組みの 直接的成果 「第3章 各施策の展開」に記載  第3章          各施策の展開 〇施策の体系 <目標値や目標設定の考え方については調整中> 計画目標T  区民の健康寿命を延ばす   世田谷区民の平均寿命は延伸を続け、男女ともに特別区において1位であり、全国的に見ても長寿であると言えます。一方、65歳健康寿命は65歳の高齢者が要介護認定を受ける状態までを健康と考え、認定を受ける年齢を平均的に表したものになりますが、平均寿命の延びに対して緩やかであり、平均寿命と健康寿命の延び方には差が見られる状況にあります。  平均寿命と65歳健康寿命の延び方の差が開くと、介護を必要とするようになってから亡くなるまでの期間が長くなると考えられるため、その分、高齢者やそのご家族の日常生活に何らかの支障が生じたり、経済的負担も大きくなったりします。  また、要介護認定率は横ばいの状況にあり、国や都と比較するとその差も小さくなってきていますが、依然上回っている状況です。  そのため、高齢者の方が健康であると感じ、いつまでも住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、健康づくりや介護予防、重度化防止により健康寿命の延伸を図っていきます。   ◆健康づくりと介護予防の一体的な推進  (1)計画目標 評価指標(案)(中期的指標) 現状 目標 @ 65歳以上の健康寿命 (出典:) ■目標設定の考え方  A 主観的健康観 (出典:) ■目標設定の考え方  B 年齢階層別の認定率(75-84歳) (出典:) ■目標設定の考え方  (2)重点取組み 評価指標(案)(計画期間の達成指標) 現状 目標 @ 健康づくり・介護予防活動の有無・頻度 (出典:) ■目標設定の考え方  A 定期健診の受診状況 (出典:) ■目標設定の考え方   1 健康づくり  2 介護予防  3 重度化防止  1 健康づくり (1)基本的な考え方  区民が高齢になっても、自らの心身の状況に合わせ、生きがいを持ちながら健康づくりに取り組み、地域において生き生きと暮らし続けられるよう、区の総合保健計画である「健康せたがやプラン(第三次)」と連携しながら健康長寿を推進していきます。健康長寿の推進に向けては、各種健(検)診や予防接種などの機会を通じて、区民が自らの健康状態に気づくことに加え、住民同士が支え合い、地域資源を活用しながら体験や学びを通じてヘルスリテラシーを高め、無理なく楽しく健康づくりに取り組むことが重要です。区民の主体的な健康づくりを後押しするため、高齢者福祉と保健医療の連携を強化し、世代間の切れ目をなくした包括的な支援や、栄養・口腔・運動・社会参加を柱としたフレイル予防の取組みを推進していきます。また、区民一人ひとりが日頃からかかりつけ医を持ち、日常的な健康管理や疾病の早期対応を意識した行動が定着するよう働きかけ、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現をめざしていきます。  (2)現状と課題  高齢期特有の課題である、加齢に伴う心身機能の低下、多疾患併存及び認知症の進行等による慢性疾患の重症化やフレイルの進行に対応するため、健診データ、質問票、医療・介護レセプト情報等を活用し、一人ひとりの状態に応じた健康支援及び相談を実施しています。令和6年度の東京都後期高齢者医療広域連合の医療費分析によると、脳梗塞や慢性腎臓病(透析あり)など、生活習慣病の重症化による疾患の入院費が高く、外来では糖尿病、脂質異常症、高血圧症の医療費が高いことが示され、適切な受療と生活習慣病の重症化予防が喫緊の課題となっています。また、健診受診者では「やせ」のリスク保有者が多く、低栄養・身体フレイル等の予防が必要です。  フレイルの一因である低栄養予防を目的に、食生活チェックシートを活用した普及啓発や健康づくり課による食生活相談、食育事業を実施していますが、今後は健康への意識が低い方へのアプローチ方法をあんしんすこやかセンターなどと連携し、検討する必要があります。また、65歳以上の高齢期は、一般的に歯の喪失が進み、口腔機能が低下する時期になるため、一人ひとりがかかりつけ歯科医を持ち、定期的・継続的な健診の受診や予防処置、保健指導を受け、自分の歯の状態が良好に維持されるよう管理していくことが重要です。  (3)取組み 取組み名@ 高齢者の特性を踏まえた保健事業の推進 取組み内容  特定のリスクを持つ高齢者に焦点を当て、個別に支援を行うハイリスクアプローチでは、医療レセプトや健診データを活用し、糖尿病性腎症重症化リスクのある対象者に対して、医療機関への受診勧奨や生活習慣の改善や服薬状況の確認を含めた保健指導を行う重症化予防事業を推進します。  地域全体の高齢者を対象に、予防や健康づくりを広く促進するポピュレーションアプローチでは、高齢者の生活機能向上を目的に、社会福祉協議会と連携し、医療専門職による通いの場での低栄養予防、運動機能向上、口腔機能改善等をテーマとした健康教室・健康相談を実施します。また、必要に応じてあんしんすこやかセンターへ情報提供を行います。  取組み名A 食・口と歯の健康づくりの質の向上 取組み内容  あんしんすこやかセンター「いきいき講座」などで、栄養講話及び体験型食育事業(野菜摂取量推定機器「べジチェック?」・食塩含浸ろ紙「ソルセイブ?」・食生活チェックシート)を実施していきます。高齢者の食支援に関わる管理栄養士などと連携を図り、家庭、施設、病院間で食形態を共有するツールなどを活用した低栄養予防の取組みを推進します。  また、全身の健康を支え、日々を生き生きと生活するためにも口と歯の健康づくりは重要になるため、歯科健診や歯科医師による相談の受付などの取組みを実施していきます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 「通いの場」において医療専門職が実施する健康教室の参加者数   2 介護予防 (1)基本的な考え方  2040年に向けて、国内人口に占める高齢者割合は、特に85歳以上が増加していくことが想定されている一方で、世田谷区の人口推計では増加していく高齢者人口の中で、65歳〜74歳の割合が特に増加していくことが想定されています。「介護予防」は、元気なうちから介護予防や認知症の知識を学び、介護予防の行動や認知症への備えを生活に取り入れることによって、フレイルや要支援等の状態になることの予防または軽減・悪化の防止に資する取組みです。高齢者がいつまでもいきいきと自分らしく住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、区民やNPO、医療機関(病院・診療所・歯科診療所・薬局等以下同じ)、介護事業者など、多様な主体の連携によって高齢者の身体活動の維持向上だけでなく、社会参加及び栄養・口腔の取組みも実施し、介護予防サービスを推進します。 (2)現状と課題  区では、住民等多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで地域での支えあいを推進するため、介護予防・日常生活支援総合事業(以下、「総合事業」)を平成28年4月に開始し、65歳以上の全ての区民を対象とする一般介護予防事業や要支援者等(要支援者、事業対象者※及び継続利用要介護者。以下同じ。)を対象とするサ−ビス・活動事業を実施しています。  一般介護予防事業では、介護予防講座等の普及啓発事業(はつらつ介護予防講座、楽しくはじめるフレイル予防講座、お口の元気アップ教室)等を行い、運動や食生活、社会参加などのフレイル予防の知識の普及啓発を行うとともに、各講座終了後に社会参加を促しています。  サービス・活動事業においては、介護事業者による従来の予防給付に相当するサービスのほか、訪問短期集中型サービス(専門職訪問指導)・通所型短期集中サービス(介護予防筋力アップ教室)を行っています。また、NPOやボランティアによる住民参加型・住民主体型のサービス(地域デイサービス・支えあいサービス)など、多様なサービスを展開しています。  また、総合事業の利用を通して要支援者等の介護予防を図るため、あんしんすこやかセンター等を対象とした研修の実施や、リハビリテーション専門職をはじめ多職種を地域ケア会議へ派遣すること等により、適切なアセスメントに基づくケアプラン作成に向けた、介護予防ケアマネジメントの質の向上を図っています。  総合事業以外に、区が独自に実施する事業として、元気なうちからも介護予防を意識し、外出促進を通じた健康増進、地域活動への参加、デジタルデバイドの解消等を目的としたせたがやデジタルポイントラリー事業も実施しています。  介護予防の取組みは、多くの高齢者が元気なうちから介護予防・フレイル予防について学び、介護予防・フレイル予防の取組みを生活の中に取り入れるなどセルフケアマネジメント能力を向上させることが重要です。そこで介護予防にまだ関心がない高齢者も含め、多様な機会や媒体を用いて普及啓発を行う必要があります。  また、増加が見込まれている認知症やMCI(軽度認知障害)の早期発見・早期対応と連動した健康づくりの取組みについても推進する必要があります。  加齢や身体機能の低下などの影響により、フレイルの進行が懸念される高齢者は、一般介護予防事業等で実施する介護予防普及啓発を通じたセルフマネジメント能力の向上や外出・社会参加を促す取組みや、事業終了後も「通いの場」活用した介護予防の取組みを継続し、高齢者が持っている能力を維持・向上し自分らしく生活できるよう支援していく必要があります。  そして高齢者が要支援状態になっても、高齢者が持っている能力を維持、向上できるようにするためには、ケアマネジャーやあんしんすこやかセンター職員などが高齢者のニーズを的確に把握し、適切なケアマネジメントを実施することが不可欠です。そのため、ケアマネジャーやあんしんすこやかセンター職員のケアマネジメントのスキルを向上させる必要があります。  これに加え、住民参加型・住民主体型サービスを継続して実施していくためには、担い手の確保も重要となっています。 ※事業対象者:要支援・要介護に該当しないが、基本チェックリスト(国が定める25の質問)で一定の生活機能の低下が見られる者 (3)取組み 取組み名 介護予防の普及啓発と介護予防・日常生活支援総合事業につなげる取組み 取組み内容  元気なうちから、介護予防にも効果のある高齢者の外出を促進するため、せたがやデジタルポイントラリー事業を実施するとともに、当該アプリ通知機能等の活用及びあんしんすこやかセンターが作成する広報誌並びに実態把握訪問の際に、介護予防について記載されたリーフレットを配布するなど介護予防について積極的に周知していきます。また、医療機関等、高齢者にかかわる関係機関と連携し、介護予防について普及啓発をしていきます。  介護予防について興味を持った高齢者が気軽に一般介護予防事業に参加できるようにするなど、利用者拡大を図り、介護予防の知識やセルフマネジメントについて普及啓発するとともに、介護予防の取組みを日常生活に取り入れ、健康応援ノート等を活用しながら取組みを継続できるよう支援していきます。  一般介護予防事業の中で、心身機能の低下やMCIの兆候がある高齢者を早期に把握し、あんしんすこやかセンターに紹介し、心身機能を維持・向上できるよう支援し、要介護状態に移行することを遅らせることができるよう支援していきます。また、サービス・活動事業や一般介護予防事業に参加した高齢者が社会参加を継続できるよう、多様な通いの場を充実させていきます。  高齢者が個人の身体状態に合わせ、介護予防の取組みを継続し、高齢者が持っている能力を維持・向上し、何らかの支援を受けながらも、地域で自分らしく日常生活を送れるようにするには、あんしんすこやかセンター職員が高齢者の自立支援のために必要な知識の習得や適切な介護予防ケアマネジメントを実施できるスキルを身に着けることが重要です。そのため、福祉人材育成・研修センターをはじめとした関係機関と連携した研修実施やケアプラン点検を通した実地指導を行い、あんしんすこやかセンター職員のスキルアップにつなげていきます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 一般介護予防事業の参加者数 (はつらつ介護予防教室、楽しくはじめるフレイル予防講座及びお口の元気アップ教室等)  3 重度化防止 (1)基本的な考え方  「重度化防止」とは、介護や支援が必要な状態となった方の要介護や要支援の状態等の軽減または悪化の防止であり、介護保険法においても、要介護状態の軽減または悪化防止に資するよう行われなければならないことが規定されており、介護サービスの提供にあたっては重度化防止の視点が必要とされています。そこで、重度化防止に向けた取組みの推進や必要なサービスの提供に向けた支援に取り組んでいきます。  (2)現状と課題  区では、「適切なケアマネジメントの推進」とともに「重度化防止の取組の推進」として、介護予防・日常生活支援総合事業や介護サービス事業所の職員向けの研修を実施するとともに、リハビリ専門職の連携体制の構築支援に取り組んでいます。  国では、令和6年度介護報酬改定において「自立支援・重度化防止に向けた対応」が示され、自立支援・重度化防止にかかる取組みの推進や科学的介護情報システム(以下、「LIFE」)を活用した質の高い介護など、多職種連携やデータの活用等を推進しています。  都では、令和7年度の高齢者施策の主な取組みの中で、「要介護度等の維持改善に向けた介護事業者の取組促進」を掲げており、科学的介護(エビデンスに基づく介護)の実現を目指し、各事業所においてPDCAサイクルを回しながらケアの質の向上に向けた取組みを行うことの浸透・定着を促進する「科学的介護定着促進事業」や利用者のADL(日常生活動作)及び要介護度の維持・改善に資する取組みを行った事業者に報奨金を支給することで、要介護高齢者の自立支援及び重度化防止の取組みを促進する「要介護等改善促進事業」などに取り組んでいます。  令和7年度に実施した在宅で暮らす要介護認定者を対象とした介護保険実態調査(区民編)では、要介護状態を改善することについての考えとして、「要介護状態を改善して、自立した生活を送りたい」が約30%と最も高く、介護保険サービスの利用によって変わったことについては、「特に変わった点はないが、運動機能や認知機能の現状維持に役立っていると思う」が約44%と最も高く、次いで「生活する上での心配事が減った」が約23%、「日常会話が増えた」が約20%という回答がありました。  1970年代前半生まれの「団塊ジュニア世代」が65歳以上になる2040年に向けて、高齢者人口の増加・生産年齢人口の減少が見込まれる中、介護保険制度の持続可能性及び質の高い介護サービスの提供の観点から継続的な「重度化防止」の取組みが必要となります。  また、取組みにあたっては、国・都における「重度化防止」に関連する取組みの動向を踏まえるとともに、必要な連携を図る必要があります。 (3)取組み 取組み名@ 適切な介護サービスの推進 取組み内容  介護や支援が必要な状態となった方の要介護や要支援の状態等の軽減または悪化の防止においては、必要なサービスが利用できるよう支援する仕組みであるケアマネジメントとサービスの担い手である介護サービス事業所等が重要な役割を担っています。  ケアマネジメントにおいては、利用者のニーズや心身の状態、生活環境等を十分に把握し、「個人の尊厳の保持」と能力に応じた「自立支援」を常に意識したうえで支援することが求められます。  一方、介護サービス事業所においては、根拠に基づき作成されたケアプランにおける「利用者の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に対応する「目標」が着実に達成されるよう、それぞれの専門性を活かした介護サービス等が提供されていくことが重要です。  また、介護DXの推進により、介護現場における生産性の向上とともに、LIFEからのフィードバックを活用し、根拠に基づくサービス提供に結び付けていくことが、介護サービスの安定的な供給と自立支援・重度化防止の両立において重要な要素となります。 上記を踏まえて区では次のとおり取り組みます。 ・介護給付適正化の一環として行うケアプラン点検やあんしんすこやかセンターによる包括的・継続的ケアマネジメント支援に引き続き取り組むとともに、ケアマネジメントの質の向上に資する研修等を通じて、適切なケアマネジメントを実践するための必要な専門知識、技術の習得を推進します。 ・他のケアマネジャーへの助言・指導、保健・医療・福祉サービスを提供する者との連携調整などのための知識・技術を習得した主任ケアマネジャーによる地区・地域における相互の連携や活動を支援します。あわせて、あんしんすこやかセンター等における地域の課題に即した研修会の開催に取り組みます。 ・ケアプランデータ連携システム及び介護情報基盤の普及促進に取り組むとともに、その利活用を通じた業務の効率化及び根拠に基づくケアプランの作成に向けた環境整備に取り組みます。 ・介護サービス事業所を対象とした自立支援・重度化防止に資する研修等の機会を提供するとともに、国・都の取組等に関する情報の適時・適切な発信に努めていきます。  取組み名A 介護予防・日常生活支援総合事業における重度化防止の取組み (「?介護予防」部分再掲) 取組み内容  一般介護予防事業の中で、心身機能の低下やMCIの兆候がある高齢者を早期に把握し、あんしんすこやかセンターに紹介し、心身機能の維持・向上できるよう支援し、要介護状態に移行することを遅らせることができるよう支援していきます。また、サービス・活動事業や一般介護予防事業に参加した高齢者が社会参加を継続できるよう、多様な通いの場を充実させていきます。  高齢者が個人の身体状態に合わせ、介護予防の取組を継続し、高齢者が持っている能力を維持・向上し、何らかの支援を受けながらも、地域で自分らしく日常生活がおくれるようにするには、あんしんすこやかセンター職員が高齢者の自立支援のために必要な知識の習得や適切な介護予防ケアマネジメントを実施できるスキルを身に着けることが重要です。そのため、福祉人材育成・研修センターをはじめとした関係機関と連携した研修実施やケアプラン点検を通した実地指導を行いあんしんすこやかセンター職員のスキルアップにつなげていきます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 「自立支援・重度化防止」に資する研修の参加者数 計画目標U  高齢者がより活躍できる地域づくり  地域課題が複雑・複合化し、行政だけでの課題解決に限界がある中にあっては、住民が主体的に地域で活動し、課題の解決に取り組む住民中心の地域づくりを進めることが重要です。また、高齢者が運動や適切な栄養の摂取だけでなく、地域活動や就労の活動を通して、生きがいや自分の出番、役割を見出すことが健康にもつながることが分かっています。  コロナ禍において実施した令和4年度の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査結果では、高齢者の外出や社会参加が停滞していることが分かりましたが、令和7年度の同調査では、これらの結果が改善しており、高齢者の活動は再び活発化してきていることが見て取れます。また、高齢者全体の38.6%、特に前期高齢者(65-74歳)では62.0%の方が就労または就労意向があり、高齢者になっても社会参加を希望する方が一定数いる状況が伺えます。  今後支援を必要とする高齢者の増加が見込まれるなか、高齢者の活動と参加を下支えすることで、「支えられる側」から「支える側」として自らの経験や知識を活かし、生きがいを持って地域や職場において全世代を支え、コミュニティをつくるという役割を持って活躍できるよう、参加と交流の場づくりや支えあい活動、就労・就業の促進等に取り組みます。  ◆外出や地域活動参加及び就労・就業の促進   (1)計画目標 評価指標(案)(中期的指標) 現状 目標 @ 地域の人からの役割期待度 (出典:) ■目標設定の考え方  A 仕事の満足度 (出典:) ■目標設定の考え方 (2)重点取組み 評価指標(案)(計画期間の達成指標) 現状 目標 @ 地域活動への参加状況 (出典:) ■目標設定の考え方 A 高齢者クラブの新規加入者数 (出典:) ■目標設定の考え方 B 三茶おしごとカフェの就職決定者数 (出典:) ■目標設定の考え方  1 参加と交流の場づくり  2 支えあい活動の推進  3 見守り施策の推進 1 参加と交流の場づくり (1)基本的な考え方  高齢者人口が増加する中、高齢者が地域社会と積極的に関わり、いつまでも元気でいきいきと暮らせるよう支援します。地域とのつながりを持ち続けるための活動の機会を提供し、長年の経験や知識を活かせる場を設けるとともに、高齢者が社会の一員として尊重され、地域社会の支え手として活躍できるよう、区民、事業者、地域活動団体など多様な主体と連携し、多世代と交流できる高齢者の地域参加促進施策を推進します。  令和7年度の高齢者ニーズ調査では、収入のある仕事をしているシニアの方は約5.4万人と推計される中で、今後働きたいと考えている方も約1万人いると推計されます。また、希望する就労日数や時間については、3日半日の割合が高く、様々な就労ニーズがあります。そのため通常の就労だけでなく、短時間労働、単発労働など多様な就業マッチングが可能となるよう各事業を推進していきます。  (2)現状と課題  代田陶芸教室や土と農の交流園講座などのいきがい講座や、烏山地域の”まちの縁側 ぶんぶくテラマチ”など高齢者が気軽に立ち寄れる居場所の提供のほか、高齢者クラブや社会参加を促進する団体への支援を通じて、さまざまな活動への参加機会を提供しています。これにより、高齢者の地域参加が進み、社会的孤立の防止や健康寿命の延伸、認知症リスクの低減などが期待されています。このため、社会参加への意欲がある方や、地域との関わりが希薄な方など、誰もが気軽に参加できるきっかけづくりが必要です。併せて、受動的なプログラムだけではなく、目的や生きがいを感じられるような多様なプログラムを提供し、地域活動団体等と連携しながら更なる検討を進めることが求められます。  現在、高齢者の就業に向けた施設・団体は三茶おしごとカフェ(「R60-SETAGAYA-」)、シルバー人材センター、世田谷サービス公社等があり、各機関が特徴を生かして取り組んでいます。  一方、令和7年度の産業基礎調査では、区内企業の経営上の課題のトップが人手不足であるものの、シニア人材の雇用意向では、35.7%が「採用する予定はない」との回答で、また、その理由は体力や健康、能力・スキルに対する不安となっており、シニア就労の選択肢を充実させるためには、さらなる事業者の理解促進や環境整備、雇用への働きかけが必要です。  (3)取組み 取組み名@ 高齢者の社会参加の促進への支援及び多様な居場所づくり 取組み内容  いきがい講座や生涯大学・市民大学などの生涯学習事業の実施のほか、烏山地域の”まちの縁側 ぶんぶくテラマチ”をはじめとする5地域における多様な居場所づくりに取り組んでいます。また、高齢者クラブへの支援や、高齢者社会参加促進支援補助金を活用し、高齢者の地域貢献活動や居場所づくりに取り組む地域活動団体への支援を実施しています。さらには、これらの活動を幅広く高齢者に周知するため、情報誌「いっぽ、外へ シニアお出かけスポット」等を発行するほか、区ホームページやSNSなど、多様な媒体を通じて広報を図っていきます。  取組み名A 就労の選択肢を充実させるための事業者への働きかけ等支援 取組み内容  シニア就労に関するデータの見える化を行うとともに、三茶おしごとカフェが行う事業者への求人開発、シルバー人材センターによる新たな就業機会の開発等において、シニア就労に対する事業者の理解促進と環境整備につながる働きかけにより就労の選択肢がより一層広がるよう努めます。 (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 各地域等の高齢者の居場所づくり事業の利用者数及び就労・就業に関する普及啓発講座の参加者数 2 支えあい活動の推進 (1)基本的な考え方  地域包括ケアの地区展開により、まちづくりセンター・あんしんすこやかセンター・社会福祉協議会に児童館を加えた四者が連携して、地域人材の発掘や地域資源の開発等に取り組むことで、地域の人と人とを繋ぎ、ネットワーク化を促進し、身近な地区において住民同士が支え合う活動が継続していく地域社会づくり(「参加と協働による地域づくり」)を推進します。 (2)現状と課題  身近な地区で住民同士が支え合う地域社会づくりを推進するため、まちづくりセンター・あんしんすこやかセンター・社会福祉協議会・児童館の四者連携を基本とし、地域住民や町会・自治会などの地域活動団体、NPO法人、事業者等と協力しながら、生活支援サービスや居場所づくり、活動の担い手となる人材等の地域資源を発掘・創出しています。これらの既存資源や新たに生まれた資源同士を結びつけることで、地域における効果的なマッチングを図り、持続可能な支えあいの仕組みづくりに取り組んでいます。  また、地区の課題や資源の把握・分析にあたっては、生活支援コーディネーター(社会福祉協議会職員)が、地区アセスメントの更新に関わるとともに、地区内の活動団体や事業者等、多様な社会資源へのアウトリーチを実施しています。  さらに、在宅生活を支え、孤立を防ぐために、「ふれあい・いきいきサロン」や「支えあいミニデイ」といった地域支えあい活動への支援を通じて、閉じこもりがちな高齢者の方々の健康保持や介護予防の推進にも力を入れています。社会福祉協議会では、登録・運営支援に加え、団体同士の交流会の開催等を通じて、地域内のネットワークづくりを促進しています。  コロナ禍における生活福祉資金の貸付等に伴う相談を通じて、これまで繋がりがなかった方々から福祉的な生活課題を多く把握し、既存のサービスや食支援の取組みに繋げることができました。一方で、孤立や孤独など、表面化していない課題を抱える方が地域に潜在していると考えられることから、今後はアウトリーチ等を通じた課題の把握が求められます。  「地区サポーター(社会福祉協議会への登録制の区民ボランティア)」など、地域活動に関心のある方々を対象に、地域支えあい活動や生活支援サービス、町会・自治会活動、福祉イベント等へのマッチングを行い、住民の地域活動への参加を促しています。今後は、継続的な地域づくり活動への参画につながるよう、地区サポーターの活動領域を広げるとともに、主体的に活動する人材の育成を進めていく必要があります。  地域支えあい活動団体では、参加者の高齢化や後継者不足に加え、コロナ禍による外出制限の長期化が活動意欲の低下に拍車をかけたことで、活動を終了する団体が増加しています。こうした状況を踏まえ、新たな活動団体の立ち上げに向けた支援や運営に関する助言を行うとともに、既存の活動団体に対しては、住民への参加支援や担い手の確保、活動内容に応じたマッチング等を通じて、継続的な活動の支援が求められます。 (3)取組み 取組み名 地域資源と人材を活かした支えあいの仕組みづくり 取組み内容  潜在化している個別課題や地域生活課題を把握・分析するため、四者連携を基本に、関係機関とも連携しながら、アウトリーチ型出張相談等の訪問調査を引き続き実施します。把握した課題は、まず地区の四者連携体制の中で共有し、課題解決に向けた方向性を検討する会議(第2層協議体)を開催します。その検討結果をもとに、住民主体の新たな生活支援サービスの創出や、世代を越えた人と人との繋がりづくりへと発展させるため、地域資源の発掘・創出、マッチングに取り組みます。あわせて、新たな地域資源の創出に加え、既存のコミュニティの活用やネットワーク化の促進・強化を図ることで、地域における見守りや災害時の支えあいの仕組みづくりを支援します。  また、福祉的生活課題や地域生活課題の解決に向けて主体的に関わる人材を、地域住民自らが育成していく活動を支援するため、地区サポーターや民生委員・児童委員などの地域活動に関わる方々への研修体制を整備します。こうした人材が地区の課題解決に取り組む協議体等へ積極的に参画できるよう、働きかけを強めていきます。さらに、高齢者と子どもとを繋ぐ場の確保など、地域における多世代・多方面の交流と支えあいの輪を広げていきます。  加えて、地域支えあい活動の推進にあたっては、住民による団体の立ち上げや継続を支える仕組みを整備するとともに、活動を担うスタッフの世代交代やノウハウの継承を通じて、安定した運営を支援します。 (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 地域住民の居場所や支えとなりうる地域資源数 ※子ども・若者関連施設、地域サロン、多世代交流の場等 3 見守り施策の推進 (1)基本的な考え方  区は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、支援が必要な高齢者等を早期に把握し適切な対応を図るため、4つの見守り施策や民間事業者と協力した見守り、ICT機器を活用した見守り等により、高齢者の生活状況の変化に対する住民や事業者、関係機関等による「気づき」を区やあんしんすこやかセンターにつなげる等により、地域での安心・安全な生活を支援します。 (2)現状と課題  区ではこれまで24時間365日の電話相談や定期的な電話訪問を行う「高齢者安心コール」、介護保険サービスを利用していない81歳以上の高齢者を民生委員が訪問する「民生委員ふれあい訪問」、あんしんすこやかセンターの見守りコーディネーターを中心に行う「あんしん見守り事業」、住民同士の声かけや見守り活動を推進する「地区高齢者見守りネットワーク」の4つの見守り施策を推進するとともに、多様な高齢者サービスや地域の支えあいによる見守りに取り組むとともに、事業者と見守りに関する協定の締結を進めるなど、高齢者が安全で安心な生活を送れるよう重層的な施策を展開してきました。  今後、区においてはひとり暮らしの高齢者が増えることにより、孤立死防止等の高齢者への見守りの必要はさらに高まっていきます。一方で、民生委員や町会・自治会など、これまでの地域での見守りを支えてきた方々の担い手が不足してきていることや、地域社会のつながりが希薄化してきていることにより、近隣住民や対面による見守りに抵抗感がある方が増加してきていることから、これまでの見守り施策だけでなく、時代の変化に応じた見守り施策が求められています。 (3)取組み 取組み名 時代の変化に応じた見守り施策の推進 取組み内容  デジタル社会の進展や、地域社会のつながりの希薄化などによる高齢者の方々の意識の変化を的確に捉え、これまでの地域人材等を活用したアナログ的な見守りに加え、ICT機器等を活用した見守りの推進を図っていきます。また、既存の事業については、利用者の反応や声を伺いながら段階的に縮小を図るなど、高齢者見守り事業の再構築を図っていきます。  この他、現在全区版地域ケア会議において議論を進めている「対象を限らない見守り」の方向性も踏まえ、今後の事業対象者や事業所管のあり方について検討していきます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 ICT見守り・安否確認機器補助件数 計画目標V  安心して暮らし続けるための医療・介護・福祉サービスの確保を図る  2040年(令和22年)に向けては、今後も高齢化が進展し、支援を必要とする高齢者の増加が見込まれています。一方で、生産年齢人口の減少が見込まれることから、サービスの担い手確保や業務効率化が大きな課題となっています。  しかし、令和7年度の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査では、介護サービス事業所が令和6年度中に採用した全職員のうち、新卒採用者は約6%にとどまり、担い手の裾野が広がっていないことや、在籍年数別割合は3年未満の職員が約40%を占め、離職者も約3人に2人が採用後3年未満の職員であることから、職員の定着も課題となっている状況が見て取れます。  また、同調査結果では、人生の最期を自宅で迎えたいと回答した人は約43%となっていますが、令和7年度死亡個票分析結果では、実際に亡くなった場所は、自宅が約23%にとどまっています。  高齢者が医療や介護などが必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、区民、地域活動団体、事業者、区が連携し、介護人材の確保、育成、定着支援を強化するとともに、医療と介護の連携などに積極的に取り組みながら、医療・介護・福祉サービスの確保を図ります。  ◆介護人材の確保及び安定経営に向けた支援 (1)計画目標 評価指標(案)(中期的指標) 現状 目標 @ 介護人材不足の解消状況 (出典:) ■目標設定の考え方  A 介護事業者の経営状況 (出典:) ■目標設定の考え方 (2)重点取組み 評価指標(案)(計画期間の達成指標) 現状 目標 @ スポットワーク支援助成事業を活用して採用につながった正規介護職員数 (出典:) ■目標設定の考え方 A 経営改善支援事業を活用して安定的経営に向けた改善につながった事業所数 (出典:) ■目標設定の考え方  1 相談支援の強化  2 在宅医療・介護連携の推進  3 介護人材の確保及び育成・定着支援  4 権利擁護支援の推進  5 安心して暮らし続けられるための支援 1 相談支援の強化 (1)基本的な考え方  あんしんすこやかセンターは、身近な「福祉の相談窓口」として、高齢者のみならず、障害者、子育て家庭、生活困窮者などの相談を受けるとともに、参加と協働の地域づくりにより課題の解決を図る取組みを一層推進していきます。  また、地区版地域ケア会議の実践による地域課題の把握から、地域・全区の地域ケア会議における地域資源開発、政策形成に繋げ、区民が安心して暮らし続けられる地域づくりを進めます。 (2)現状と課題  あんしんすこやかセンターは、身近な福祉の相談窓口として、総合的な相談支援、認知症ケアの推進、見守り支援、権利擁護の推進、地域支援ネットワークの構築、ケアマネジャー等への支援、介護予防ケアマネジメント、在宅医療・介護連携の推進等の高齢者を主な対象者とした取組みから、障害者、子育て家庭、生活困窮者等の一次的な相談対応まで、様々な役割を担っています。  また、これまではあんしんすこやかセンター業務の多様化や社会的需要の増加、高齢者人口の増加などを背景に、相談件数は一貫した増加傾向が続いていましたが、近年では高止まりしている状況です。  一方で、支援を望まない方や、個人ではなく家庭全体に対した支援が必要なケース、複数の分野にまたがる相談など、時間をかけて丁寧に対応する必要がある相談が増加しています。  地域においては、介護予防を目的とした自主組織の立ち上げ支援や地域資源の発掘を行った結果、地域活動の自立化など一定の効果を得られましたが、時間の経過とともに担い手も高齢化しています。  近年様々な専門相談機関が整備され、区民がより専門的な相談支援を受けられるようになりましたが、一方でそれぞれの専門相談機関の担当外の相談については、制度の狭間にこぼれ落ちてしまう可能性もあります。  また、家族全体が支援対象となるケースなどでは、支援の対象者の年齢や課題・希望なども様々であるため、相談支援が複雑化・長期化しやすい傾向にあります。  このような課題がある中であんしんすこやかセンターが区民に寄り添った支援を実施するために、区民の方々が抱える課題の早期発見に努めるとともに、今まで以上に総合支所保健福祉課をはじめとした区の関係所管や各種専門相談機関との関係を深め、制度の狭間に落ちない連携が求められます。  高齢者観は世代交代とともに刻々と変化しています。例えば、これまでの高齢者は、インターネットには不慣れとされてきましたが、すでに国調査では60歳代の90%以上の方々がSNSをはじめとしたインターネットを日常的に利用しているため、高齢者の居場所や活躍の場も、これまで同様の町会や地域の活動から、インターネット上での交流まで多様化していきます。さらに、これまで定年退職とされてきた65歳を超えても就業を続ける方の割合も年々増加しています。このような時代の変化に対応するためにも、あんしんすこやかセンターの業務を常に見直し、デジタル基盤技術なども活用しながら、支援のあり方を前進させていく必要があります。  地域活動については、支援が必要な高齢者が増加する一方で、現役世代の減少、前期高齢者の就業率の増加、地域を支えてきた方の高齢化等に伴い、担い手不足がさらに深刻化していきます。さらに、世田谷区においては、共働き世帯が多いことや、マンションへの居住が増えることによる地域のつながりの希薄化など、都市型ライフスタイルの影響もあります。これらに対しあんしんすこやかセンターとしては、アウトリーチ等を通して、ボランティアをはじめとした社会資源の発掘を行う必要があります。 (3)取組み 取組み名 課題を取りこぼさない相談支援 取組み内容  高齢者の抱える課題や困り感を早期に把握し、早い段階で、適切な支援等につなげることができるよう、あんしんすこやかセンター職員による個人宅への訪問等活動の充実を図ります。  こうした取組みにあんしんすこやかセンター職員が注力できるよう、デジタル基盤の活用等による業務の効率化を進めることによって業務負担の軽減を図ります。  また、必要な支援が滞ることがないよう、あんしんすこやかセンター等が受けた相談や多様化・複雑化する課題に対し、より素早く最適な対応をするため、各総合支所保健福祉センター及びまちづくりセンター、社会福祉協議会地区事務局等との連携を一層強化します。  さらに、刻々と変化する高齢者観を把握し、時代に即した支援を行うためにも、各地区の相談内容や地域づくり活動などから課題を分析し、高齢者の活躍の場の創出や担い手の確保、区の施策等に繋げるとともに、各種専門相談機関等の地域資源との連携強化を図ることによって、区民に寄り添い支援する体制を構築します。 (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 あんしんすこやかセンター職員の訪問相談件数 2 在宅医療・介護連携の推進 (1)基本的な考え方  今後、高齢者人口がさらに増加し、高齢者のみ世帯や高齢者単身世帯が増えることが見込まれています。これに伴い、医療と介護の複合的なニーズを抱える85歳以上の高齢者が一層増加し、在宅医療の需要や高齢者の救急搬送もさらに増加することが見込まれます。  このような状況の中、東京都では、区市町村を、在宅療養において医療・介護など地域の関係機関の連携体制の構築等を担う「在宅療養に必要な連携を担う拠点」として位置付けています。また、2040年とその先を見据えた新たな地域医療構想では、外来医療・在宅医療や介護との連携を含めた地域の医療・介護提供体制の構築が目指すべき方向性として示されるなど、医療・介護の連携を地域で推進する重要性は一層高まっています。  医療と介護の両方を必要とする高齢者が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、地域の医療・介護の関係機関が連携して在宅医療と介護を一体的に提供する、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築を推進していきます。  (2)現状と課題  区では、住み慣れた地域で医療や介護を受けながら生活する在宅療養や、人生の最終段階における医療・ケアの希望を身近な人と繰り返し話し合い、思いを共有するACP(アドバンス・ケア・プランニング:人生会議)を、区民に広く周知・啓発するため、「在宅療養・ACPガイドブック」の配布、講演会・シンポジウムや区民向けミニ講座の開催、区内大学と連携したACP普及啓発ポスターの作成・掲示などの取組みを行っています。  また、医療職・介護職などの多職種が参画する医療・介護連携推進協議会や死亡小票分析調査等を通じて、地域の課題抽出や対応策の検討を行っています。あわせて、在宅療養を支える区内の医療資源を把握し、介護関係者や区民が適切にサービスを選択・活用できるよう、「せたがやケアサーチ(介護事業者・在宅医療資源情報検索システム)」を活用した情報提供を行っています。  さらに、在宅での生活を希望する区民を地域で支えるため、地区連携医事業を活用した医療職・介護職間のネットワークづくり、地区医師会を主体とした24時間診療体制構築への支援、在宅療養相談窓口における相談支援の充実、多職種連携研修の実施など、多様な取組みを進めています。  加えて、医療・介護関係者の連携強化を図るため、お薬手帳を活用した連絡カード「あなたを支える医療・介護のケアチーム」や、ICTを用いた多職種ネットワーク構築事業(地区医師会運営)など、既存ツールの周知・活用により情報共有を推進しています。  本人の意思が尊重され、希望する医療・ケアや看取りが実現できるよう、今後もACPの普及啓発をさらに推進することが求められています。高齢者本人のみならず、家族等や医療・介護関係者をはじめ、地域全体へと広がりのある効果的な取組みを行う必要があります。  また、区民が住み慣れた地域で適切な在宅医療や介護サービスを受けることができ、希望する場所での看取りが可能となるよう、多職種間の顔の見える関係の構築や、ICT等の情報共有ツールの積極的・効果的な活用を通して、在宅医療を担う医療機関はもとより、外来医療を担うかかりつけ医や病院も含めた医療関係者と介護関係者との連携体制をより一層強化し、これらの取組みを通して、24時間、在宅での療養や看取りを支える体制の確保を図っていくことが必要です。 (3)取組み 取組み名 医療・介護の連携強化 取組み内容  医療と介護の両方を必要とする高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けながら、本人や家族が希望する医療・介護サービスが適切に提供されるよう、医療職・介護職の連携体制を強化していきます。医療・介護連携推進協議会で、在宅医療・介護連携にかかる現状分析や課題の把握・抽出等を行いながら、医療・介護連携における4つの場面(日常の療養支援、入退院支援、急変時の対応、看取り)を意識して、PDCAサイクルを踏まえた取組みを継続的に進めていきます。  本人や家族の希望に沿った在宅療養生活や看取りを実現するため、在宅療養相談窓口における相談支援体制の充実を図るとともに、在宅医療やACPの一層の普及・啓発に取り組みます。世田谷区終活支援センター等の関係機関との連携や若年層への働きかけなど、多層的な周知を図っていきます。あわせて、本人の急変時などに家族や周囲の関係者がACPを適切に共有できるよう、新たなツールの導入について検討を進めていきます。  また、多職種が連携して在宅療養を支える体制を構築するため、地区連携医事業や多職種連携研修などの取組みの更なる充実を図り、多職種間の顔の見える関係づくりを進めていきます。このほか、既存の情報連携ツールの内容や効果的な活用方法等について検討し、医療・介護関係者が迅速に情報共有できるよう支援していきます。  さらに、医療と介護の両方を必要とする高齢者が地域で安心して在宅療養生活を送ることができるよう、地区医師会をはじめ地域の関係機関と連携し、在宅での24時間対応可能な診療・看取り体制の確保を図り、これらの取組みを通じて、地域における在宅療養体制の構築を進めていきます。 (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 多職種連携研修の受講者数 3 介護人材の確保及び育成・定着支援 (1)基本的な考え方  区の将来人口推計では、2040年にかけて高齢者人口が一貫して増え続ける一方で、生産年齢人口の減少が見込まれており、高齢化の進展に伴い介護サービスの需要が増大する中、介護職員、介護支援専門員、看護職員などの介護事業所における介護人材の確保は喫緊の課題です。誰もが自分らしく地域で安心して暮らし続けられるよう、介護サービスの安定的な供給を図るため、介護人材の確保及び育成・定着支援のための施策を総合的に展開していきます。 (2)現状と課題  生産年齢人口の減少等により、全産業的に人材確保が大きな課題となる中、介護分野はとりわけ厳しい状況が続いています。東京都における令和8年1月の職業別有効求人倍率は、全職種1.51倍に対し、介護サービス職業従事者では8.96倍と高い水準にあります。  令和7年度に実施した介護保険実態調査(事業者編)では、介護人材の確保状況について、事業所の回答は、「大いに不足」、「不足」、「やや不足」の合計が全体(「当該職種はいない」、「無回答」を除く)の約8割を占めており、令和6年度の常勤職員の離職率についても約18%と他業種と比較して高水準となっています。また、同調査では、利用申込者の受け入れ状況について、事業所の回答は、「あまり余裕がない」、「余裕がない」の合計が全体(「現在は事業を休止している」、「無回答」を除く)の約3割を占めており、居宅介護支援事業所においては、約5割を占めています。  区では、中長期的な視点も含めた介護人材対策を検討・推進するため、令和3年度に区内職能団体、ハローワーク、など支援団体、行政が一体となった「世田谷区介護人材対策推進協議会」を立ち上げ、横断的な課題の共有とともに、効果的かつ適切な施策を検討しています。また、世田谷区福祉人材育成・研修センターでの介護職員の資質や専門性を向上させる研修を実施するほか、介護職の魅力発信事業、介護職の住まい支援など介護人材の確保及び育成・定着に資する取組みを進めています。  介護の仕事は他職種に比べ、大変な仕事というイメージが依然強くあります。高齢者福祉の向上に必要な職種であり、やりがいのある仕事として認識してもらえるよう、特に若い世代の人材をより多く確保するため、さらなる介護職の魅力向上を推進していく必要があります。  介護事業者は、物価高騰や人材の不足等、社会状況の急激な変化による影響を受け、経営が厳しい状況です。そうした中でも介護事業者が人材の確保・育成・定着に取り組めるよう、各種助成事業を実施する必要があります。また、安定した経営基盤の構築に向け、介護事業者の経営改善支援の取組みを進めていく必要があります。  介護人材が不足する中、働き方が多様化し、若年層を中心に副業や時間の有効活用のためにスポットワークを利用する方が増えており、新たな介護人材確保の手段として、介護事業者におけるスポットワークの活用促進に取り組む必要があります。また、生産年齢人口が減少する中では、就労意欲のある高齢者や外国人人材を介護人材として積極的に確保・育成・定着を図る必要があります。 (3)取組み 取組み名 介護人材の確保及び育成・定着に向けた支援 取組み内容  介護職のイメージを刷新するため、映像作成事業者などのクリエイティブ職の力を生かした介護職の魅力発信動画やポートレート写真を活用し、各種イベントでPRするなど、介護のしごと魅力発信事業のさらなる充実に取り組みます。また、世田谷区福祉人材育成・研修センターにおいて、未来の担い手となる小中高生に対して福祉現場を体験する事業を実施するとともに、運営ボランティアとしての大学生の活用を図ることで、介護職を将来の仕事の選択肢のひとつとして意識してもらうような取組みを行います。  介護事業者の人材の確保・育成・定着を図るため、事業者が介護職員の負担軽減のために借り上げた宿舎にかかる経費の助成や、高齢者施設における職員研修費の助成など、処遇改善に向けた各種助成事業を推進します。  また、安定した経営基盤の構築に向け、区内の介護事業者に対して、介護事業所の経営課題の分析や経営改善に向けた伴走型支援を行う「経営改善支援事業」を推進し、各事業所の経営改善の取組み結果や成果を検証するとともに、成果を区内介護事業者全体に波及させるため、成功事例の横展開に取り組みます。加えて、世田谷区介護人材対策推進協議会にて介護現場の生産性の向上に関する検討を進めるなど、介護事業所における生産性の向上の支援に取り組みます。  多様な人材を介護人材として活用し、介護の担い手の裾野を広げるため、介護事業所の業務を切り出し、未経験者の活用による現場の業務負担軽減、雇用を見据えた体験入職の機会としてのスポットワークの活用を支援する「スポットワーク支援助成事業」を推進します。加えて、就労や地域貢献を望んでいる高齢者に介護施設等でのボランティア活動を促進するほか、区内外国人人材交流会の実施など、多様な人材の確保及び育成・定着に取り組みます。また、世田谷区介護人材対策推進協議会における検討や区の実情も踏まえ、引き続き介護人材確保に向けた様々な施策に取り組みます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 スポットワーク支援助成事業の活用事業所数   4 権利擁護支援の推進 (1)基本的な考え方  地域共生社会の実現に向けては、認知症や知的・精神障害などにより判断能力が十分でない方も、等しく個人としての尊厳を重んじられ、自発的な意思が尊重されながら、自分らしい生活を継続し、地域社会に参加できる環境づくりが求められます。  また、今後さらに高齢者人口の増加が見込まれる中で、頼れる身寄りがいないなど不安を抱える方が人生の最終段階に備える「終活」として行うべき課題は、老後の介護や医療、葬儀や遺品整理、相続など、多岐にわたります。  こうした状況を踏まえ、区では、成年後見制度の適切な利用を促進するとともに、終活に関する相談支援体制を整備し、総合相談事業や高齢者終身サポート事業を通じて、すべての区民が人生の最後まで安心して、尊厳をもって暮らせる地域社会の実現を目指します。  (2)現状と課題  区では、高齢者人口の増加に伴い、認知症や精神障害等により判断能力が十分でない方が増えており、成年後見制度等の支援が必要と推定される方も年々多くなっています。成年後見センターへの相談件数も右肩上がりで推移する一方、制度の利用者数は横ばいからやや減少傾向にあり、相談の増加と利用の動向との間に乖離が見られます。  制度の利用が進まない背景には、制度自体の分かりにくさや申立て手続の煩雑さ、費用負担への不安などがあると考えられます。また、本人や家族が制度の必要性を理解していない、あるいは利用を拒否するケースもあり、支援者が対応に苦慮する場面もあります。  こうした中、成年後見制度については、民法の改正により制度の見直しが行われたところですが、制度の理解促進や本人の意思決定を支える支援の重要性は一層高まっています。  これらを踏まえ、本人の自己決定権を尊重し、本人の意思及び選好や価値観を反映させる意思決定支援の取組みが支援者に浸透するよう、支援スキルを高めていくことが求められています。  さらに、今後も制度の需要が高まることが見込まれる中で、区民後見人等の担い手の確保・育成や、法人後見を担う社会福祉協議会の負担軽減も大きな課題です。特に、後見報酬が得られにくいケースや長期的な支援が必要な若年障害者への対応など、法人後見の継続的な担い手の確保が急務となっています。  一方、終活に関しては、これまで成年後見制度の相談の中で、相続や遺言等に関する法律相談、老い支度講座や終活講座などを実施してきましたが、終活に関する多様な相談ニーズに総合的に対応できる体制には至っていませんでした。そのため、区民が目的ごとに相談先を探さなければならない状況が続いていました。  また、頼れる身寄りがいないことにより生活上の課題を抱える高齢者に対しては、日常生活支援や入院・入所手続き、死後事務など、これまで家族・親族が担ってきた支援が求められています。こうした中、近年、民間の終身サポート事業者が増加し、令和6年6月には内閣府等により「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」も示されましたが、サービス利用料が高額になることもあり、資力が十分でない区民にとっては利用が困難な状況です。  (3)取組み 取組み名@ 成年後見制度の利用促進 取組み内容  成年後見制度の利用が必要であっても、自ら助けを求めることが難しい方が、適切な支援につながるよう、区職員やあんしんすこやかセンター職員、ケアマネジャー、福祉関係者など、地域の支援者に対する制度の普及啓発を進めます。また、相談員による専門相談や地域での相談会、弁護士による法律相談を通じて、制度の利用促進を図ります。  制度の利用を妨げる要因と考えられる申立て手続きの煩雑さや費用負担に対応するため、申立て費用や後見人等への報酬に対する助成を継続するとともに、制度説明や申立て支援を行うセミナー及び講座を実施します。  加えて、本人の意思や価値観を尊重した意思決定支援の考え方が支援者に浸透するよう、研修の充実や地域への普及啓発を進めるとともに、専門職による相談機能や地域連携ネットワークの強化を図ります。  さらに、成年後見制度の安定的な運用に向けて、担い手の確保・育成を進めます。地域で制度を支える区民成年後見人については、社会福祉協議会による支援員活動や研修を通じて、知識やスキルの向上を図るとともに、後見監督人としての関与を通じて支援体制の充実を図ります。また、当初からの受任に加え、法人や専門職からの引継ぎによる受任も活用し、限られた人材を有効に活用する工夫を今後も進めていきます。  なお、法人後見については、新たな担い手の確保・育成が引き続きの課題であることから、社会福祉協議会が持つノウハウの提供や、法人後見に取り組む団体との情報共有・交流を通じた支援を促進します。 取組み名A 世田谷区終活支援センターによる相談支援 取組み内容  令和8年度より世田谷区終活支援センターを開設し、終活に関する総合相談事業と、民間の高齢者等終身サポートサービスを経済的な理由等により利用が困難な方を対象に、契約により低廉な利用料で高齢者終身サポート事業を実施します。  総合相談事業では、電話、来所、訪問、メール、オンラインと区民が相談しやすい手段を複数用意するとともに、各総合支所の区民相談室を利用した出張相談を実施します。専門的な相談については、弁護士による専門相談を行います。また、終活講座の実施やエンディングノートの配布などの普及啓発にも取り組みます。  高齢者終身サポート事業では、電話や訪問による見守り支援を行いながら、必要に応じて金銭管理手続き支援、入院入所手続き支援、賃貸物件契約・更新時の緊急連絡先対応、火葬・納骨支援、死後の賃貸物件対応を行います。 (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 成年後見制度と終活に関するセミナー、講座の参加者数   5 安心して暮らし続けられるための支援    高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、介護予防や生きがいづくり、介護保険サービスの安定的な運用など高齢者を中心とした施策の推進のみならず、高齢者を取り巻く多分野において関係所管が連携しながら、支援を行っていきます。  <@民間賃貸住宅への入居支援策の推進>   (1)−@ 基本的な考え方  高齢者等の住宅確保要配慮者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、民間賃貸住宅への入居支援等の施策を推進していきます。   (2)−@ 現状と課題  住まいサポートセンターにおいて、区と協定を結んだ不動産店団体の協力のもと、民間賃貸住宅の空き室情報を提供するお部屋探しサポートや、住まいの専門家による住宅相談、保証人がいない方に区と協定を締結した保証会社を紹介する保証会社紹介制度等を実施し、高齢者等の民間賃貸住宅への入居支援を行っています。  また、居住支援協議会において、高齢者等の住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居促進を図るため、区の住宅所管と福祉所管、また不動産団体や居住支援法人等が連携し、居住支援の理解促進を図るためのセミナーの実施や、居住支援施策に関する情報共有、課題や支援ニーズに関する意見交換等を行っています。  また、令和7年10月より施行された居住サポート住宅認定制度において、制度の普及啓発を図るとともに、住宅所管と福祉所管の連携のもと、対象住宅の認定を行っています。  特に単身高齢者などに対しては、孤独死や死亡後の残置物処理等の入居後の課題への不安により、賃貸人の拒否感が大きいため、賃貸人や管理会社の理解促進を図るとともに、不動産団体や居住支援法人、区の福祉所管との連携を通じ、居住支援施策の充実を推進していく必要があります。  <A災害や健康危機への対応>   (1)−A 基本的な考え方  区は、2030年度(令和12年度)までに、「首都直下地震等による人的・物的被害を概ね半減」するとした減災目標を定めました。減災目標の実現を見据え、区民や地域活動団体、事業者、関係機関と連携し、震災や風水害時などにおける防災・応急対応・復旧などの災害対策に取り組みます。また、災害から自らの身を守るための行動や、安全な場所への避難に加えて、在宅避難も含めた多様な避難方法の周知を進めるとともに、自宅や避難所での生活に配慮を要する高齢者などへの支援の推進にも取り組んでいます。  また、高齢者が、健康危機(医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態のこと。以下同じ。)に対する意識を持ち、健康危機発生時には正しい情報のもとに適切な行動をとることができるよう健康危機に関する情報発信に取り組みます。さらに、区は、新興・再興の感染症の感染拡大、自然災害や熱中症等に伴う健康被害などの健康危機に万全の体制をもって対処できるよう、関係機関と連携し、平時からの体制整備に取り組みます。   (2)−A 現状と課題  過去の震災では、住民同士の助け合いにより多くの命が救われており、自助・共助の重要性が明らかになっています。区では地域防災計画を令和7年に修正し、区民や地域団体、事業者と連携し、適切な避難行動や日頃の備えの普及啓発を進めています。こうした取組みを通じて、自助・共助の意識を高め、地域の防災力向上に努めています。  在宅避難や日頃の備えを自ら実践するための意識には依然としてばらつきがあり、備蓄や住まいの安全対策が十分に進んでいない区民も存在します。高齢者等が災害時に身の安全を確保し、適切な避難行動と避難生活を行えるよう、日頃から備えを促すことが重要です。より実効性のある啓発手法や、地域防災力の向上が課題となっています。  また、避難行動要支援者については、引き続き福祉サービス事業者との連携による安否確認や避難生活の支援体制を整備するとともに、震災や風水害など災害種別に応じて仕組みを構築していく必要があります。  区は、新型コロナウイルス感染症対応で把握された課題を踏まえ、令和6年3月に「世田谷区感染症予防計画」を、令和7年4月に「世田谷区健康危機対処計画兼業務継続計画(感染症対策編)」を策定し、また令和8年3月に「世田谷区新型インフルエンザ等対策行動計画」を改定しました。これらの計画に基づき次なる感染症の発生に備え、新興・再興感染症や新型インフルエンザ等感染症の発生時の対応力を強化する必要があります。  梅雨明け直後の気温上昇により、高齢者を中心に熱中症による救急搬送者数が増加していることを踏まえ、熱中症予防対策にも積極的に取り組んできました。今後も熱中症による救急搬送者数を減らすため、熱中症予防対策に関する普及啓発を強化する必要があります。  また、震災等災害発生時に、傷病者への医療救護活動や避難所等の避難者への保健活動を展開するため、東京都、地区医師会等の医療関係団体、災害拠点病院等の関係機関と連携して災害時の保健医療体制の強化に取り組んでいます。災害時に区が設置する医療救護本部や災害拠点病院等に設置する緊急医療救護所、被災状況等に応じて一部の避難所に設置する避難所救護所の運営体制の整備を進めるとともに、災害関連死等の被害を減らすため、震災等災害発生時に迅速に保健医療福祉活動を開始できるよう、関係所管が連携して取組みを推進する必要があります。  <B高齢者の消費者被害対策や防犯対策の強化>   (1)−B 基本的な考え方  今後も高齢化率は上昇を続け、悪質商法などによる高齢者の消費者被害やトラブルの防止と救済・解決は重要な課題であり、各種啓発や消費生活相談を行い高齢者の安心安全の確保に努めます。  特殊詐欺等の犯罪被害に遭いやすい高齢者が安全で安心して暮らせることができるよう、区は警察や関係団体、事業者、町会・自治会等をはじめとする地域住民の方々と連携し、地域ぐるみで隙間なく犯罪防止対策に取り組んでいきます。   (2)−B 現状と課題  高齢者の多くは「お金」「健康」「孤独」という3つの不安を抱えていると言われ、悪質な事業者は言葉巧みにこれらの不安をあおり、必要のない契約や不利な契約を結ばせる事例が多発しています。また、一般的に高齢者は在宅時間が長いため、事業者の電話や訪問によって被害やトラブルに遭うケースが多くなっています。  区では「安全安心まちづくり」の取組みとして、24時間安全安心パトロール、防犯カメラの整備支援、特殊詐欺被害の未然防止に向けた自動通話録音機の貸出等を実施しています。また、災害・防犯情報メール等様々な広報ツールによる注意喚起を行うとともに、地域住民や事業者による注意啓発活動や見守り活動を支援、促進しています。  平成14年以降減少傾向にあった区内の刑法犯認知件数は令和5年から増加に転じ、特殊詐欺の手口は多様化、巧妙化しています。最近では、高齢者のスマホ利用の普及による架空請求メールやワンクリック詐欺、インターネットバンキングによる不正送金などインターネットやメール等を介して被害に遭うケースも増加しています。  今後、区の高齢者人口や高齢化率の増加が見込まれる中で、高齢者の犯罪被害防止に地域ぐるみでより効果的な対策を推進します。 (3)取組み 取組み名@ 民間賃貸住宅の入居支援施策の推進 取組み内容  引き続き、住まいサポートセンターによるお部屋探しサポートや住宅相談、保証会社紹介制度等の実施を通じて、高齢者等の民間賃貸住宅への円滑な入居促進を図ります。  また、住宅確保要配慮者のセーフティネット機能の強化を図るため、居住支援協議会を通じて、住宅所管と福祉所管、不動産団体、居住支援法人等の関係機関の連携を強化し、入居支援施策のさらなる充実を図ります。  取組み名A 災害や健康危機への対応 取組み内容  防災の普及啓発と地域防災力の向上については、区民が自ら考えて家庭での備蓄や建物の安全確保などの防災対策を進めるとともに、在宅避難を含む適切な避難行動を選択できるよう、各種媒体及び機会を活用した情報発信等により普及啓発を行います。また、区民、地域活動団体及び関係機関との相互連携・相互支援を強化し、地域防災力の一層の向上を図ります。  また、避難行動要支援者への支援の推進については、協定を締結している地域団体への名簿提供により安否確認を行う体制を整えるとともに、個別避難計画の作成・更新、介護サービス事業者等との協定締結等による避難支援、風水害に備えた避難場所の確保・福祉避難所協定施設との平時からの連携強化・訓練の実施など、避難行動要支援者への支援を推進します。  新型コロナウイルス感染症を踏まえた感染症対策の強化については、各種計画に基づき、研修等を実施することにより、感染症対策の強化に取り組むとともに、関係機関(区内の医療機関・警察・消防等)との定期的な連絡会を開催し、協力体制の強化に取り組みます。  熱中症予防に関する啓発活動の推進については、熱中症予防に関する情報について、暑熱順化に関する内容を追加するなど、より充実した内容にするほか、熱中症予防に関する情報発信を熱中症予防「お休み処」に協力いただいている団体や官民連携等により実施するなど、強化します。  震災等災害発生時の備えと保健医療体制の整備については、関係機関(区内の医療機関・警察・消防等)との定期的な連絡会を開催し、平時から情報共有を行うとともに、関係機関との訓練、研修等を通じて、連携・協力体制の維持・強化に取り組むとともに、災害時の医療救護体制や保健活動に関する情報発信や平時の備えに関する啓発等を行います。 取組み名B 高齢者の消費者被害対策や防犯対策の強化 取組み内容  高齢者の消費者被害やトラブルの防止については、「せたがや消費生活センターだより」「区のおしらせ せたがや」「ホームページ」などの各種広報媒体を活用した啓発を行います。また、出前講座(地域団体などの学習会に区民講師を派遣)等による啓発を行います。また、消費者安全確保地域協議会の運用により、福祉部門や事業者など高齢者と接する機会の多い関係者と、消費者被害やトラブルの最新の状況とその対策を共有しながら連携した見守り活動を行います。  高齢者の消費者被害やトラブルの救済・解決については、消費生活相談における適切な助言、情報提供、あっせん等によるサポートや、ケースに応じて、あんしんすこやかセンターと連携をした対応を行うほか、弁護士やインターネット取引にかかる専門家等を活用して消費生活相談員の相談力の向上に努め、困難事例の解決を図ります。  地域における高齢者の防犯対策の強化については、防犯意識の向上のために様々な犯罪対策や相談窓口を掲載した防犯冊子「世田谷区スクラム防犯ガイドブック」をはじめ、各種啓発パンフレット、区ホームページ、災害・防犯情報メール等の広報ツールや地域イベント、防犯教室等を効果的に活用し、一層の注意喚起、啓発活動に取り組みます。  特殊詐欺対策の推進については、区内警察署との連携、24時間安全安心パトロールを活用した特殊詐欺警戒エリアでの注意喚起や巡回パトロール等の効果的な警戒活動を実施します。また、特殊詐欺の被害防止に効果のある自動通話録音機の貸出しを引き続き強化するとともに、携帯電話にかかる特殊詐欺被害防止対策として警視庁アプリ「デジポリス」の普及啓発を実施するほか、区が設置する「特殊詐欺相談ホットライン」を高齢者等の身近な相談窓口として、相談しやすい環境づくりに努めていきます。  見守り活動の普及促進として、民生委員やケアマネジャー、訪問介護員などの介護事業者、見守り協定締結事業者等の関係機関との連携を強化し、防犯情報や防犯対策等被害防止の意識啓発を図るなど、高齢者等の見守り体制を充実させます。また、地域の自主防犯団体による注意啓発や見守り活動を促進させる支援に取り組みます。  (4)評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 消費者被害対策にかかる普及啓発講座(出前講座等)への参加者数 W  認知症施策の総合的な推進 1 基本的な考え方  第9期計画における認知症施策は地域づくりを重視し、「高齢者の活動と参加を促進する」という計画目標に紐づく一施策として「認知症施策の総合的な推進」を位置づけ、多様な取組みを進めてきました。  一方、MCI(軽度認知障害)の増加や若年性認知症への対応、初期段階に効果のある薬の登場、認知症基本法の施行など、認知症を取り巻く状況は大きく変化し、医療、介護、地域づくり、権利擁護、家族支援など多領域にまたがる課題として、その重要性が一層高まっています。こうした状況を踏まえ、第10期計画では認知症に関する独立した章を設け、施策を体系的に整理します。これにより、認知症の人が地域で安心して暮らし続けられるよう、支援や環境整備を総合的に進める体制を明確にし、今後の方向性を示していきます。  2 現状と課題 (1)これまでの経緯  区では、令和2年4月に認知症在宅支援施策の専門的・中核的拠点として「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター」を開設し、認知症施策を推進しています。また、あんしんすこやかセンターに認知症専門相談員を配置し、研修等を通じて相談支援の質の向上に努めています。  さらに、認知症の本人を含むすべての区民が自分らしく安心して暮らし続けられる地域共生社会の実現を目指し、令和2年10月に「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」を施行し、その推進計画として「世田谷区認知症とともに生きる希望計画」を策定しています。 (2)(再掲)区の認知症高齢者数の推移  介護保険要介護認定調査において、令和7年度の認知症の日常生活自立度の判定がU以上の方の人数は、平成30年度から約3,900人増加しています。 (3)MCIについて  MCI(軽度認知障害)とは、認知症と診断される一歩手前の状態です。放っておくと認知症に進行しますが、食事や運動、社会参加などの生活習慣を改善することで健常な状態に戻る可能性があります。 (4)認知症および軽度認知障害の有病率に関する国の将来推計@  令和4年の認知症及びMCI(軽度認知障害)の性年齢階級別有病率が今後も一定であると仮定した場合、令和22年の認知症の高齢者数は5,842,000人、MCIの高齢者数は6,128,000人と推計されています。  認知症は加齢とともに有病率が上昇し、90代では約半数が認知症となります。一方、MCIは65歳以降で増加し、80代後半でピークを迎えた後、徐々に有病率が低下しています。 (5)認知症および軽度認知障害の有病率に関する国の将来推計A  平成24年調査と比較すると、認知症の有病率は15%から12.3%へと低下している一方で、MCI(軽度認知障害)の有病率は13%から15.5%へと上昇しています。 (6)区における認知症及び軽度認知障害の将来推計  区の高齢者人口の将来推計に、国が令和5年に公表している有病率の将来推計(A)を用いて算出すると、令和22年には区の認知症高齢者数が約36,000人、MCI(軽度認知障害)が約38,000人、合計で約74,000人に達すると見込まれています。これは、高齢者人口のおよそ3割に相当します。 (7)今後の課題  こうした基盤のもと、2040年に向けて増加が見込まれる前期高齢者と90代の超高齢世代への認知症対応を強化します。前期高齢者ではMCI(軽度認知障害)が一定数存在することから、健康づくりやセルフマネジメントに着目した早期支援を充実させ、MCIや認知症に早期に気づき備えられる環境整備と介護予防・フレイル予防と連動した取組みを進める必要があります。一方、超高齢世代には、診断前後の迅速な支援と生活を支える切れ目ない体制の整備が求められています。あわせて、世田谷版地域包括ケアシステムのもと、身近な地区で気軽に相談できる環境づくりと医療・介護・地域資源の連携を強化し、認知症になってからも地域で生活を続けられる環境づくりを推進していきます。 3 取組み 取組み名@ 認知症への備えの推進 取組み内容 (1)認知症への早期の気づきから早期対応に係る取組みの推進  区民が身近な場で自身の認知機能を気軽に確認できるよう、ICTを活用した認知機能チェックの機会をイベントや講座等で提供し、必要に応じて、医師やあんしんすこやかセンター職員による個別相談を行うなど、早期の気づきと適切な支援につながる体制づくりを進めます。また、高齢者が日常的に利用する薬局等と連携した取組みについても検討を進めます。 (2)発症や進行を緩やかにする健康づくりの支援  運動や栄養、社会参加などへの取組みを通じて、介護予防・フレイル予防と認知症の備えを区民一人ひとりが自分ごととして捉え、日常生活の中で認知症に備えられるよう両施策を一体的に推進します。 (3)意思決定支援の推進  本人の尊厳と権利を尊重し、希望を聴きながら意思決定支援が行えるよう関係者の意識醸成を進めるとともに、本人が思いや希望を表出し、身近な人と共有できる環境を整えていく。 (4)日常生活の備えと工夫  認知症になる前から、またなってからも、生活に必要な「備え」や「工夫」について、認知症あんしんガイドブック(認知症ケアパス)等を活用し、情報提供を行います。 取組み名A 身近な場所での相談体制の充実 取組み内容 (1)本人や家族への相談支援体制の強化  もの忘れ相談窓口(あんしんすこやかセンター)の認知度を高めるとともに、職員研修やインフォーマルな情報提供を通じて、継続的で総合的な相談支援体制を強化します。 (2)診断後の支援につながる相談・医療連携  認知症の診断を受けた後に適切な支援や情報が得られない期間(「認知症診断後の空白期間」)を短縮するため、地区医師会及び認知症疾患医療センター等区内の医療機関や薬局などとあんしんすこやかセンター等の連携を進め、早期の気づきと適切な支援につなぐ体制を整えます。 (3)若年性認知症に対応した相談支援の強化  若年性認知症の方が速やかに相談につながり、関係機関が連携した対応ができる相談支援体制の充実を図ります。また、通所や就労など本人の状況に応じた活動や本人同士が出会う機会や場づくりを進めていきます。  取組み名B 認知症ケアに資するサービス提供体制の充実 取組み内容 (1)医療・介護・相談支援の連携強化  あんしんすこやかセンター、介護事業所や病院、診療所、歯科診療所、薬局ほか医療機関と連携体制の構築を進め、認知症であっても住み慣れた地域で生活できる環境整備を推進します。 (2)安全・安心を守るセーフティネットの整備と区民への啓発  関係機関や地域住民との連携を強化し、日頃から地域内のネットワークを構築させていくことにより、早期からの行方不明時等に迅速に対応できる体制の充実に取組みます。  認知症や認知症が疑われる方等の生命・財産を守るため、行方不明時の対策や虐待防止、消費者被害防止に向けた情報発信及び関係機関等との連携、成年後見制度の利用促進等、セーフティネットの充実に取り組みます。また、こうした支援制度や見守りの仕組みが区民に十分に知られ、必要なときに活用されるよう、安心・安全を守るセーフティネットについての普及啓発を行い、地域全体で支える意識の醸成を図ります。 取組み名C 認知症及び認知症の人に対する理解の促進 取組み内容 (1)多様な媒体や機会を活かした理解と行動を促す区民への啓発  認知症は誰もがなり得ることを踏まえ、多様な媒体やアクション講座(世田谷版認知症サポーター養成講座)、講演会などの機会を活用して、認知症の本人の暮らしの姿や認知症に関する情報を発信することによって、区民が認知症や認知症の人を身近に感じることができ、理解を深める機会を広げます。 (2)多様な世代、民間事業者への普及啓発と専門職の対応力向上  区立小中学校、高校、大学等に加え、区内の民間事業者に対してアクション講座の普及を図り、子どもや若者をはじめ、民間事業者が認知症を学ぶ機会を作ります。また、医療、介護に携わる専門職に対して認知症の本人に寄り添った生活の継続を支える視点や意思決定支援、行動・心理症状(BPSD)への対応等の理解を深めていきます。 (3)本人の思いを発信し活躍できる場の創出  本人が自ら思いを発信できる場や社会で活躍できる場を広げるとともに、本人同士が出会える機会の創出やピアサポート(当事者同士の支え合い活動)を推進します。 (4)地域全体で取り組む協働のアクション展開  地域のネットワークや地域包括ケアの地区展開による活動等を活かして、区民・地域団体・関係機関・事業者等が、本人とともに協働する「アクション」について、チーム立ち上げ時だけでなく、その後の運営や改善にも本人が主体的に関わる体制を強化し、活動の質を高め、地域全体で認知症のある人の声を活かす環境づくりを進めます。  4 評価指標(取組みの直接的成果) 評価指標(案) 令和8年度 (見込み) 令和9年度 令和10年度 令和11年度 認知機能測定ツールを活用した気づきの機会の実施回数   認知症や認知症の人の理解につながる講座などの参加者数※知る講座・イベント・アクション講座等 X  介護保険制度の円滑な運営  「介護保険法」及び「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」に基づき、区は保険者として、介護保険事業計画の中で、介護給付費のサービス種類ごとの見込み量等を推計するとともに、第10期における介護保険料など介護保険の円滑な実施を図るために必要な事項を定めます。  また、介護保険制度への信頼を高め、制度の持続可能性を確保するため、給付適正化事業や制度の趣旨普及を進めるとともに、低所得者への配慮等を図ります。また、サービスの質の向上及び安定的な供給に向けた取組みを推進していきます。  さらに、国が示した推計手順等を用いて、令和22年(2040年)までの中長期的な推計を行い、推計した結果を区民や事業者等と共有することで、介護予防や身近な地域での活動について認識を深め、地域包括ケアシステムの推進を図ります。 1 介護サービス量の見込み (1)被保険者数の推計  区が作成する「世田谷区将来人口推計」をベースに、令和8年度までの分析及び住所地特例対象者数を加味し、性別・年齢階層別に各年度の被保険者数を推計します。 (2)要介護・要支援認定者数の推計  被保険者に対する要介護・要支援認定者の割合を示す「認定率」は、性別・年齢階層別で割合が異なることから、過去の動向等を踏まえ、性別・年齢階層別の「認定率」を推計します。その上で、各年度の被保険者数と認定率を乗じて要介護度別の認定者数を推計します。 (3)介護施設・居住系サービス量の見込み  施設サービス、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護及び居住系サービス(認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護)の見込み量は、過去の要介護・要支援認定者別の利用状況を分析するとともに、「世田谷区介護施設等整備計画」(以下、「施設等整備計画」)に基づく介護施設等の整備目標を踏まえて推計します。 (4)居宅・地域密着型サービス量等の見込み  居宅・地域密着型サービス等の見込み量は、要介護・要支援認定者数に対するサービス利用者数の割合や一人あたりのサービス利用回数・給付費等の実績を分析し、推計します。また、「施設等整備計画」の整備目標を踏まえて、他のサービスの見込み量を調整する予定です。 (5)標準給付費の見込み  各サービスの見込み量に、介護報酬改定の影響等を反映して推計した総給付費に、過去の実績や介護保険制度改正の影響を踏まえて見込んだ特定入所者介護サービス費、高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費、審査支払手数料を合わせて標準給付費を推計します。 【標準給付費の見込みに反映した主な改正内容】 ・第10期の制度改正を掲載する予定 2 地域支援事業の量の見込み  地域支援事業は、高齢者ができるだけ地域で自立した生活を営むことを支援する区のサービスです。介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の各事業について、適切にサービスを提供するために必要なサービス量を推計します。 【地域支援事業の内訳】 <サービス・活動事業> ○介護予防・生活支援サービス事業  訪問型サービス、通所型サービス、介護予防ケアマネジメント 等 ○一般介護予防事業 一般介護予防事業、せたがやシニアボランティア・ポイント事業 <包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)> ○あんしんすこやかセンターの運営 <包括的支援事業(社会保障充実分)> ○在宅医療・介護連携推進事業 ○生活支援体制整備事業 〇認知症包括支援事業 ○地域ケア会議推進事業 <任意事業> ○介護給付適正化事業 ○家族介護支援事業 認知症ケア推進事業、家族介護慰労事業、高齢者等おむつ支給等事業、 高齢者見守りステッカー事業、家族介護教室 ○その他の事業 福祉用具・住宅改修支援事業、認知症サポーター等養成事業、 成年後見制度利用支援事業、高齢者安心コール事業 3 第1号被保険者の保険料   第1号被保険者の保険料については、令和9年度から令和11年度までの第1号被保険者数の見込み、標準給付費及び地域支援事業費の推計、国が示す保険料算定に必要な係数等をもとに設定します。 (1)介護保険事業の財源構成と第1号被保険者保険料の仕組み  介護サービスを利用する場合、原則として費用の1割〜3割が利用者負担となり、残りの費用が保険から給付されます。  介護保険の財源は、国・都・区の公費と、65歳以上の第1号被保険者、40歳から64歳の第2号被保険者の保険料で負担しています。保険者(区)は、3年間の計画期間ごとに必要な費用を見込み、所得段階別に第1号被保険者の保険料を設定することとされています。  (2)第10期介護保険料設定の考え方  第9期までの介護保険料設定の考え方や国が示す保険料設定の考え方等を踏まえ、様々な観点から慎重に検討を行い、第10期の介護保険料を設定します。  検討の主なポイント ・低所得者への配慮(国の消費税率の引き上げの財源を活用した低所得者対策、区独自の保険料減額等) ・保険料上昇の抑制(保険料段階の多段階化と保険料率の設定、介護給付費準備基金の活用等)  (3)第1号被保険者保険料の収納管理  第1号被保険者の保険料は、介護保険法に基づき、年金から差し引いて徴収する特別徴収、若しくは納付書や口座振替等で支払う普通徴収により収納しています。  区では、収納率の向上を目指し、納付機会の拡大や納期限までに納付のない被保険者に対する徴収の強化に取り組んできました。  負担の公平性、公正性の確保のため、また、保険料の上昇を抑制するため、引き続き徴収強化に取り組みます。  納付機会の拡大として、コンビニ収納、スマートフォンアプリを利用した電子マネー及びクレジットカード決済、口座振替等の各種支払い方法を増やしてきました。今後、更なる利便性の向上のため新たな支払い方法の検討を進めていきます。  また、徴収の強化に向けて、適切な債権管理のもと、計画的に納付勧奨を行うとともに、経済的な事情により納付が困難な方に対しては分割納付相談などのきめ細かな対応を行っていきます。 (4)第1号被保険者の保険料段階と保険料 (5)第1号被保険者の保険料(基準月額)の推移 (6)中長期的な推計  第10期の見込み量の推計手順等を用いて、2040 年までの中長期的な推計を行います。  なお、第10期以降の制度改正・報酬改定は情報がありませんので、推計には反映していません。また、総給付費以外の給付費については、推計方法が異なるため、本計画書には掲載していません 4 円滑な運営に向けた取組み (1)給付適正化の推進  介護保険制度の信頼を高め、持続可能な制度を維持するためには、介護給付を必要とする方を適正に認定し、利用者のニーズに沿った必要なサービスを過不足なく提供することが重要です。  介護保険制度では、サービス利用には要介護認定を受ける必要があること、要介護度に応じた区分支給限度基準額の範囲内で保険給付が行われること、また、サービス提供はケアプランに基づき実施されるといったように、適正化の仕組みが制度として内在しています。  そのため、この制度の枠組みを活かしながら、区では、国の「介護給付適正化計画」に関する指針に基づき、都と連携を図りながら、介護給付の適正化に資する事業に取り組んできました。  今後、国から示される介護保険事業計画の基本指針の内容を踏まえつつ、引き続き、都とも連携を図りながら、効果的・効率的な給付適正化の取組みを進めていきます。   現在国より示されている給付適正化事業  ・要介護認定の適正化  ・ケアプラン等の点検  ・医療情報との突合・縦覧点検  (2)制度の趣旨普及・低所得者への配慮等 @制度の趣旨普及  介護保険制度は、介護を必要とする人を社会全体で支えるための社会保障制度であることから、区民の介護保険制度の理解の促進を図るとともに、介護保険制度の信頼を高めることが重要となっています。  そのため、様々な情報の伝達手段を用いて制度の理解促進を図っていきます。  サービスの担い手である介護サービス事業所には、区のホームページや電子メールによる情報提供(メール情報便)を活用して、様々な情報を提供することでサービスの質の向上などを図ってまいりました。引き続き、社会状況や介護サービス事業所の状況等を踏まえながら、必要な情報を迅速に提供していきます。 A低所得者への配慮等  低所得者の第1号被保険者の介護保険料については、区独自の保険料負担の減額制度も含めて、第10期の第1号被保険者の介護保険料を設定する中で検討していきます。  また、国が定める利用者負担軽減制度である「高額介護(介護予防)サービス費」、「高額医療合算介護(介護予防)サービス費」、「特定入所者介護(介護予防)サービス費」について、制度周知に努めていきます。  さらに、より生計が困難な低所得者を対象に、介護サービス利用時の利用者負担分の一部を助成する「生計困難者等に対する利用者負担額軽減事業」を実施していきます。事業の実施にあたっては、国・東京都が実施している助成制度に区独自の助成を上乗せするとともに、事業者に負担のかからない区独自の利用者負担助成制度を実施していきます。 (3)サービスの質の向上と安定的な供給  近年の物価高騰や生産年齢人口の減少による人材不足など、介護保険制度を取り巻く環境が厳しさを増す中においても、質の高いサービス提供と安定的なサービス供給を維持していくことが介護保険制度の持続可能性を確保する上で重要です。  区では、介護サービス事業者が制度の担い手としての役割を十分に果たし、需要に応じたサービス提供を安定的に確保するため、次のとおり事業者に対する取組みを推進していきます。 @ サービスの質の向上 ア 事業者への適切な指導・監査の実施  介護保険法に基づき、介護サービス事業者に対し、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について、周知徹底を図るため指導を行います。指導にあたっては、介護保険法に基づく運営指導、講習等による集団指導を実施し、介護サービス事業所の適正な運営とサービスの質の確保に向け、効率的・効果的な指導に取り組みます。   また、重大な基準違反や介護報酬の請求に関する不正・不当がある場合等には、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置をとることを目的に監査を実施します。  イ 第三者評価の受審支援・活用  福祉サービス第三者評価を通して、介護サービス事業者が自らサービスの質の向上に取り組み、また受審情報の公表により運営の透明性を担保できるように、介護サービス事業者に受審費用を補助することで、継続的な受審を推進していきます。  区民が介護サービスを選択する際の情報のひとつとして、第三者評価結果(東京都福祉サービス評価推進機構により公表)が有効に活用されるよう、第三者評価制度の普及啓発に取り組みます。 ウ 苦情・事故の軽減及び改善に向けた取組み  区民等の苦情申立てに対して、保健福祉サービス苦情審査会が中立公正な立場で審査し、区長へ意見を述べ、区長は審査会の意見を尊重してサービス等の改善に努めます。  苦情の改善により介護サービス事業者のサービスの質の向上につなげるとともに、区民のためのセーフティネット機能を果たすためにより一層制度を周知していきます。  区への苦情・事故報告は集約し、「質の向上Navi」等による情報発信や、苦情・事故の個別ケースについて保健福祉センターが介護サービス事業者等に助言やフィードバックすることで、苦情・事故の軽減及び改善につなげます。 A サービスの安定的な供給 ア 介護サービス事業者における生産性向上のための取組み  介護人材の確保が課題となっている中、利用者からの相談対応や直接的な介護の提供にマンパワーを集約させ、介護サービスの質の向上にもつなげていくためには、ICT等を活用して業務の効率化を図る必要があります。このため区では、令和5年度より運用が開始されているケアプランデータ連携システムについて、区内事業所における導入及び導入に伴う業務フローの見直しなどにより、各事業所の介護報酬請求等に係る事務の効率化を支援する取組みを行っています。このシステムは、令和10年4月までに全国での運用開始が見込まれる介護情報基盤へ統合されることから、今後、介護情報基盤への移行及び活用の支援体制を整備していきます。  一方、デジタル機器や次世代介護機器導入に係る支援制度など、都により行われる支援制度もあります。また、中小規模の介護サービス事業者が多いことなどを踏まえ、今後は、こうした事業者間の垣根を超えた業務の提携や連携などを視野にしていくことも必要と考えられるため、介護サービス事業者を支援する各種制度に関する情報を収集し、積極的に発信していきます。 イ (再掲)介護人材の確保及び育成・定着支援  介護事業者の人材の確保・育成・定着を図るため、事業者が介護職員の負担軽減のために借り上げた宿舎に係る経費の助成や、高齢者施設における職員研修費の助成など、処遇改善に向けた各種助成事業を推進します。  また、安定した経営基盤の構築に向け、区内の介護事業者に対して、経営課題の分析や経営改善に向けた伴走型支援を行う「経営改善支援事業」を推進し、各事業所の経営改善の取組み結果や成果を検証するとともに、成果を区内で介護サービスを提供する事業者全体に波及させるため、成功事例の横展開に取り組みます。    第4章          計画の推進体制    1 計画の推進体制 2 計画の進行管理  第5章          計画策定の経過   1 計画策定に向けた審議等の経過 2 シンポジウム及びパブリック コメントの実施結果  1  計画策定に向けた審議等の経過  (1)高齢者のニーズ等の把握  @令和7年度高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査  令和7年10月から12月にかけて、世田谷区にお住いの高齢者や居宅介護サービス利用者の状況及び世田谷区に所在している介護事業者の事業運営等の実態を把握・分析し、計画の基礎資料とするため、アンケート調査を実施しました。  <区民編> 調査名 対象者 調査方法 高齢者ニーズ調査 (A調査) 65歳以上で、介護保険要介護認定の要介護1〜5の方を除いた方 7,000人 郵送による 配布及び回収 WEB回答併用 介護保険実態調査 (B調査) 介護保険第1号被保険者のうち、在宅の要介護1〜5の方 2,000人 介護保険実態調査 (C調査) 介護保険第2号被保険者のうち、在宅の要介護1〜5の方 100人  <事業者編> 調査名 対象者 調査方法 介護保険実態調査 (D調査) 令和7年8月31日時点で区が把握している区内の介護サービス事業所 1,084件 郵送による 配布及び回収 WEB回答併用  <在宅介護実態調査>  令和7年12月に在宅で生活している要支援・要介護認定者の介護実態や介護者の就労状況を把握し、検討の基礎資料とするための調査を行いました。  対象:在宅で生活している要支援・要介護認定の更新申請に伴う認定調査を受けた方 1,200人  いずれも詳細は、区ホームページ「令和7年度世田谷区高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査報告書」でご覧いただけます(HPID:32833)。 (2)世田谷区地域保健福祉審議会への諮問   区は令和7年11月14日の第92回審議会において、「第10期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」策定にあたっての考え方を諮問しました。審議会では、専門的な議論を深めるため、学識経験者、区民、事業者、医療関係者で構成する部会を設置し、審議を行うこととしました。 (3)高齢者福祉・介護保険部会における審議(第1回〜第4回)  令和8年2月から7月にかけて4回の部会を開催しました。部会では、第10期高齢・介護計画策定にあたっての考え方をはじめ、第9期高齢・介護計画の取組み状況、介護保険事業計画の運営状況、重要な施策の展開等について審議が行われました。また、部会の審議をより深めるため、各委員から高齢者の保健・医療・福祉に関して、日ごろの実践活動を踏まえた現場の課題や、その課題解決のために第10期高齢・介護計画に盛り込むべき内容等についてご意見をいただきました。第4回部会では、第10期高齢・介護計画の策定の考え方について、中間まとめ案の審議が行われました。  <世田谷区地域保健福祉審議会及び高齢者福祉・介護保険部会の審議等の経過> 開催日 会議名 主な案件 令和7年11月14日 第92回地域保健福祉審議会 第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定にあたっての考え方について(諮問) 令和8年2月6日 第1回高齢者福祉・介護保険部会 @高齢者福祉・介護保険部会の運営について A世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の位置づけ及び第9期計画について B世田谷区の地域包括ケアシステムについて C区を取り巻く状況と今後の方向性について D介護保険の見直しに関する意見について(概要)(国資料) E第10期高齢・介護計画の策定及び進め方について 令和8年3月13日 第93回地域保健福祉審議会 第10期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けた検討状況について 令和8年3月19日 第2回高齢者福祉・介護保険部会 @第1回高齢・介護部会の主な意見要旨について A令和7年度高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査結果(速報版)及び第9期高齢・介護計画評価指標結果について B各委員による実践活動を踏まえた計画策定への意見について 令和8年5月20日 第3回高齢者福祉・介護保険部会 @第2回高齢・介護部会の主な意見要旨について A第10期高齢・介護計画策定にあたっての考え方骨子(案)について B施策の審議について 令和8年7月1日 第4回高齢者福祉・介護保険部会 @第9期高齢・介護計画の取組状況について A介護保険事業の実施状況について B施策の審議について C第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定にあたっての考え方 中間まとめ(案)について 令和8年7月24日 第94回地域保健福祉審議会 @第9期高齢・介護計画の取組状況について A介護保険事業の実施状況について B第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定にあたっての考え方 中間まとめ(案)について <世田谷区地域保健福祉審議会 委員名簿> <世田谷区地域保健福祉審議会 高齢者福祉・介護保険部会 委員名簿> (4)庁内における検討及び計画の策定   区は、令和8年1月に、関係所管で構成する高齢者福祉・介護保険事業計画策定検討委員会を設置し、庁内検討を行いました。 <高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定検討委員会 構成員> 検討委員会 幹事会 総合支所保健福祉センター所長(代表) 総合支所保健福祉センター生活支援課長(代表) 総合支所保健福祉センター生活支援課長(代表) 総合支所保健福祉センター保健福祉課長(代表) 総合支所保健福祉センター保健福祉課長(代表) 総合支所保健福祉センター保健福祉課地域支援担当係長(代表) 総合支所保健福祉センター健康づくり課長(代表) 総合支所保健福祉センター健康づくり課長(代表) 生活文化政策部市民活動推進課長 生活文化政策部市民活動推進課長 生活文化政策部市民活動推進課生涯現役推進担当係長 経済産業部工業・建設業・雇用促進課長 経済産業部工業・建設業・雇用促進課長 経済産業部工業・建設業・雇用促進課工業・建設業・雇用促進担当係長 保健福祉政策部長 保健福祉政策部地域包括ケア担当参事 保健福祉政策部保健福祉政策課長 保健福祉政策部保健福祉政策課長 保健福祉政策部保健福祉政策課保健福祉計画担当係長 保健福祉政策部保健福祉政策課指導係長 保健福祉政策部保健医療福祉推進課長 保健福祉政策部保健医療福祉推進課長 保健福祉政策部保健医療福祉推進課推進担当係長 保健福祉政策部生活福祉課長 保健福祉政策部生活福祉課長 保健福祉政策部生活福祉課生活福祉担当係長 高齢福祉部長 高齢福祉部高齢福祉課長 高齢福祉部高齢福祉課長 高齢福祉部高齢福祉課管理係長 高齢福祉部高齢福祉課計画担当係長 高齢福祉部高齢福祉課介護人材担当係長 高齢福祉部高齢福祉課事業担当係長 高齢福祉部介護保険課長 高齢福祉部介護保険課長 高齢福祉部介護保険課管理係長 高齢福祉部介護保険課事業者支援担当係長 高齢福祉部介護予防・地域支援課長 高齢福祉部介護予防・地域支援課長 高齢福祉部介護予防・地域支援課介護予防・地域支援担当係長 高齢福祉部介護予防・地域支援課認知症在宅生活サポート担当係長 世田谷保健所長 世田谷保健所副所長 世田谷保健所健康企画課長 世田谷保健所健康企画課長 世田谷保健所健康企画課計画担当係長 世田谷保健所健康推進課長 世田谷保健所健康推進課長 世田谷保健所健康推進課こころと体の健康担当係長 都市整備政策部居住支援課長 都市整備政策部居住支援課長 都市整備政策部居住支援課居住支援担当係長 (5)第9期高齢・介護計画の取組み状況 第9期高齢・介護計画(令和6年度〜令和8年度)2年目までの実績等を把握し、第10期高齢・介護計画の取組み状況を整理しました(詳細は第6章に記載しています。)。 第6章          資料編    1 第9期高齢・介護計画 取組み状況 2 介護保険の状況 3 日常生活圏域(まちづくりセンター単位)の状況  1  第9期高齢・介護計画 取組み状況  第9期高齢・介護計画(令和6年度〜8年度)の2年目までの主な取組み内容についてまとめました。計画期間の実績(見込み)については、重点取組みや計画を上回ったり、下回った取組みを中心に計画案にて掲載します。  (1)区民の健康寿命を延ばす   ■健康づくり   @保健事業と介護予防の一体的な取組みの推進   ・「通いの場」での医療専門職の健康教室等を通じたフレイル予備群の把握 ・低栄養や筋力低下等の状態に応じた保健指導や、生活機能向上に向けた健康相談等の支援 ・あんしんすこやかセンターと連携した医療・介護予防事業等につなぐ取組みの推進   A区民の健診データ等を活用した重症化予防の取組みの推進    ・糖尿病性腎症重症化予防事業の、後期高齢者医療保険への対象拡大   Bがん検診等による早期発見と相談機能の充実 ・要精検率(要精密検査になった割合)等の分析の結果をもとに対策型がん検診の質の向上と精度管理の推進 ・アピアランス支援の視点を取り入れたがん相談の充実や図書館等での出張相談    ・関係所管と連携したオンライン相談や、各種がん相談の認知度向上   Cこころの健康づくりに関する包括的な支援体制づくり ・メンタルヘルス不調等への早期対応に向けた相談窓口情報の充実と夜間・休日電話相談の実施    ・関係所管と連携した当事者の家族や区民へのこころの健康に関する理解促進   D食・口と歯の健康づくりの質の向上 ・食生活チェックシートを活用した低栄養予防の普及啓発 ・高齢者施設の管理栄養士と作成した栄養情報項目等を活用した施設・病院・家庭等における低栄養防止のための食連携の推進 ・オーラルフレイル対策や歯科健診の受診率向上の取組み   E予防接種の事業の充実 ・B類疾病として定期予防接種に指定されている予防接種における個別勧奨の実施 ・新型コロナワクチン接種希望者が速やかに接種できるための必要な体制の確保 ・任意接種となっていた帯状疱疹予防接種費用助成の開始  ■介護予防   @介護予防のための外出・社会参加促進の取組み ・「通いの場」を充実させるための介護予防手帳の配布、世田谷いきいき体操の普及啓発、区民が主体的に取り組む介護予防の活動支援の実施 ・オンライン形式介護予防講座の継続、高齢者の外出や交流、地域活動の参加等に繋がる事業の実施    ・関係所管と連携した介護予防の取組みの推進   A介護予防・生活支援サービスのさらなる充実 ・社会福祉協議会と連携した支えあいサービス提供ボランティアの確保 ・地域デイサービスや介護予防筋力アップ教室の地域的な偏在解消に向け、新たな担い手がサービスに参入しやすい環境づくりの推進   B多様な手法による介護予防ケアマネジメントの質の向上 ・福祉人材育成・研修センターと連携した、より効果的な介護予防ケアマネジメント研修の実施 ・あんしんすこやかセンターへの巡回によるケアプランの点検や地域ケア会議へのリハビリテーション専門職の派遣  ■重度化防止   @適切なケアマネジメントの推進 ・介護給付適正化の一環として行うケアプラン点検やあんしんすこやかセンターによる包括的・継続的ケアマネジメント支援の充実と適切なケアマネジメントを実践するための質の向上に資する研修の実施 ・主任ケアマネジャーによる地区・地域における相互連携や活動の支援 ・あんしんすこやかセンターや職能団体との協力、連携を通じ、地域の課題に即した研修会の開催   A介護サービス事業所の取組み支援 ・介護サービス事業所の自立支援・重度化防止に関する加算取得に向けた対応 ・事業者団体及び職能団体と連携した介護サービスの質の向上や利用者のニーズに沿ったサービス提供に資する取組みや自立支援・重度化防止に資する研修等の実施   B介護予防・日常生活支援総合事業の取組み ・理学療法士や管理栄養士などの専門職の訪問指導の活用促進 ・利用者が参加しやすいような介護予防筋力アップ教室の開催 ・あんしんすこやかセンター職員や居宅介護支援事業所の専門知識、技術の習得支援 (2)高齢者の活動と参加を促進する   ■参加と交流の場づくり   @高齢者の社会参加の促進への支援 ・高齢者が長年培った豊かな知識・経験等を生かし活躍できる機会の提供 ・高齢者の地域貢献事業や高齢者クラブ及び生涯現役ネットワークの主体的活動支援   A高齢者の多様な居場所づくり ・高齢者のニーズに応じた様々な居場所づくり ・高齢者の外出のきっかけとなる情報誌の発行やSNSを利用した周知による居場所の利用促進   B生涯学習や文化活動ができる環境づくり ・生涯大学やいきがい講座(陶芸・工芸)などのシニア世代の継続的な「学び」の機会提供 ・いきがい講座の実施期間や回数、内容の見直し ・自主グループでの地域活動継続を目標とした生涯学習セミナーのプログラム充実  ■就労・就業   @総合的な連携枠組みの整備    ・高齢者就業に関わる各機関の連携を高める枠組みの整備   Aあったかサロンの今後の対応    ・あったかサロン運営の充実に向けた新たな活動場所の展開やニーズに即した対応  ■支えあい活動の推進   @地域資源の開発とネットワークづくりの強化 ・アウトリーチ型出張相談等による潜在的な個別課題・地域生活課題の把握・分析 ・把握した課題の地区内共有と第2層協議体の開催による地域資源の発掘・創出及びマッチングの推進 ・既存コミュニティの活用及びネットワーク化の促進・強化による地域の見守り及び災害時の支えあいの仕組みづくりの支援   A地域人材の発掘・育成・活用 ・地区サポーター等、地域で活動する人材への研修体制の整備と課題解決を担う協議体等への地域人材の積極的参加の促進    ・多世代交流を担う高齢者と子どもをつなぐ人材の確保   B地域支えあい活動の支援 ・地域支えあい活動団体の持続的運営に向けたスタッフの世代交代の促進とノウハウの継承支援  ■見守り施策の推進   @4つの見守り施策の着実な実施    ・4つの見守りの着実な実施と見守り協定締結事業者拡大   Aハイブリッド型見守り施策の検討 ・ICT機器を活用した新たな見守りサービスの検討  ■認知症施策の総合的な推進   @早期発見と適切な初期対応    ・早期発見に向けた、もの忘れ自己チェックリスト等の利用促進 ・もの忘れ相談窓口(あんしんすこやかセンター)の周知充実と必要に応じ医療機関とつながることができる体制整備 ・認知症診断後の相談支援体制の充実 ・地域にある支援をまとめた認知症あんしんガイドブック(認知症ケアパス)の配布   A認知症の理解、認知症観の転換の促進 ・多様な機会や媒体を活用した条例の理解を深める取組の推進 ・教育委員会や区立小中学校、高校、大学等におけるアクション講座の普及に向けた連携の推進による子どもや若者が認知症を学ぶ機会の創出 ・子ども向けアクションガイド(アクション講座のテキスト)を活用した子どもや若ものが認知症を知り、できることを考えるきっかけづくり   B「備え」や「予防」の推進 ・介護予防の取組等の機会を活用した必要な情報提供の実施 ・認知症あんしんガイドブック等を活用した「備え」や「工夫」に関する情報提供の実施 ・「私の希望ファイル」の地区アクション等での推進及びケアマネジャー等専門職に対する本人の希望に寄り添う意識醸成   C本人発信・社会参加の推進 ・本人発信や社会で活躍できる場の拡充、本人同士が出会える機会の創出、ピアサポート(当事者同士の支え合い活動)の場づくり、認知症バリアフリーの推進   D若年性認知症への対応 ・若年性認知症の方の相談支援体制の充実 ・若年性認知症の方の状況に応じた活動の推進及び本人同士が出会う機会や場づくりの推進   E地域づくりの推進 ・区民・地域団体・関係機関・事業者等が本人とともに協働する「アクション」の全区展開    ・地域づくりの推進役が活動できる環境整備 ・警察署や関係機関等との連携強化による安全・安心な外出を守る取組みの推進   F暮らしと支えあいの継続の推進    ・医療機関と連携したもの忘れ相談や診断直後のケアの充実 ・意思決定支援・権利擁護等における本人及び家族等介護者への関わりや相談支援体制の強化 ・行方不明時の対策、虐待防止、消費者被害防止に向けた情報発信、成年後見制度の利用促進等によるセーフティネットの充実 (3)安心して暮らし続けるための医療・福祉・介護サービスの確保を図る  ■相談支援の強化   @あんしんすこやかセンターの相談支援の充実 ・相談支援充実に向けたマニュアル整備や研修の充実、好事例の共有及び複雑・複合化する相談等に対応するための必要人員確保及び関係機関との連携強化 ・相談等におけるオンライン活用の推進と高齢者へのデジタル機器等の利用促進 ・誰もが必要なときに相談できるための多様な手段による周知   A地域ケア会議の充実 ・あんしんすこやかセンターのスキルやノウハウを習得するための研修や好事例の共有、事例の検討  ■在宅生活の支援と安心できる住まいの確保   <在宅生活の支援>    @在宅生活を支える取組みの充実と見直し ・時代に合わせた事業の見直しと民間企業との連携を視野に入れた事業充実 ・中等度難聴者等を対象とした補聴器購入費助成開始と対象者拡充    A家族介護者に対する支援 ・特別養護老人ホームの職員等による実演を交えた家族介護教室の実施 ・介護者の負担軽減に役立つ知識等を学べる講座の継続的な実施 ・在宅で介護している方に対する相談窓口等の適切な情報提供の推進 ・介護者同士が悩みや不安を分かち合う場となる介護者の会等の実施    B他機関連携による相談体制の充実 ・区内医療・福祉サービス事業所の職員を対象としたヤングケアラー支援研修の実施 ・ヤングケアラーの認識を深め支援につなげるための情報周知及び当事者への支援に向けた各種相談窓口に関する情報発信   <民間賃貸住宅の入居支援>    @民間賃貸住宅への入居支援策の推進 ・住まいサポートセンターによる民間賃貸住宅の情報提供や相談、保証会社紹介制度による民間賃貸住宅への円滑な入居の促進 ・居住支援協議会での賃貸人等向けセミナーの実施を通じた高齢者等の入居理解促進及び不動産団体、居住支援法人等との連携による入居支援策の研究・検討   <虐待対策の推進>    @高齢者虐待対策の推進 ・高齢者虐待対策地域連絡会等の実施による関係機関との連携強化や虐待対応のネットワークの充実及び介護サービス従事者の対応力向上のための研修の実施  ■成年後見制度の推進   @成年後見制度の普及啓発及び利用促進 ・早期に支援が必要な方を適切に制度につなぐための、支援者に対する普及啓発    ・費用負担が困難な方を対象とした申立て費用及び報酬助成の仕組みの検討    ・権利擁護支援の推進に向けた人材育成   A権利擁護支援の地域連携ネットワークの強化と支援者のスキルアップ    ・権利擁護支援における地域連携ネットワークの強化や支援者向け研修の充実   B成年後見人等の担い手の確保・育成の推進    ・区民成年後見人の養成に向けた研修の実施及び受任促進 ・社会福祉協議会の法人後見ケース支援員活動・研修を通じた知識及びスキル向上    ・専門職受任ケースから区民成年後見人への引き継ぎに向けた検討  ■在宅医療・介護連携の推進   @在宅医療・ACPの普及啓発 ・「在宅療養・ACPガイドブック」の配布、講演会・シンポジウムや講座の開催、ポスター掲示等による在宅医療・ACPの普及啓発の実施   A在宅医療・介護のネットワークの構築 ・あんしんすこやかセンターの在宅療養相談窓口における在宅療養相談支援の実施    ・医療と介護の多職種間の顔の見える関係づくりに向けた地区連携医事業の実施 ・東京都地域リハビリテーション支援事業(区西南部)が実施する多職種連携研修・交流会への支援    ・医療職と介護職の連携体制の構築に向けた多職種連携研修の開催 ・地区医師会が主体として進めている在宅医療における24時間診療対応の構築等に向けた検討・支援の実施   B在宅医療・介護関係者間の情報の共有支援 ・医師会が主体で進めているICTを活用した多職種ネットワークの構築事業の支援 ・在宅療養資源マップのWeb運用化等による医療・介護関係者の地域資源情報検索の利便性向上及び関係者間の情報共有支援  ■介護人材の確保及び育成・定着支援   @さらなる介護職の魅力発信    ・介護の仕事に対するイメージ刷新に向けた、介護の魅力発信事業のさらなる充実    ・小中高生等に対し介護職をしごとの選択肢のひとつとしてもらうための取組み   A多様な人材の確保・育成 ・外国人人材の活用事業支援、就労意欲のある高齢者や他業種等からの就労支援等、介護の担い手のすそ野を広げる取組みの実施   B働きやすい環境の構築に向けた支援 ・DX等の活用による利用者の生活の質の向上及び介護職員の負担の軽減・介護現場の生産性の向上 ・介護職員向けの研修や利用者等への理解促進などの普及啓発  ■安全・安心の取組み   <災害への対応>    @災害への備えの普及啓発と地域防災力の向上 ・区民が自ら考え、防災対策が図られるための情報発信、普及啓発 ・地域防災力向上のための区民や地域活動団体等による相互連携、相互支援強化    A避難行動要支援者への支援の推進     ・避難行動要支援者の安否確認の強化、個別避難計画の作成・更新     ・介護サービス事業者等との協定締結等     ・風水害に備えた避難場所の確保、福祉避難所協定施設との平時からの連携強化   <健康危機への対応>    @新型コロナウイルス感染症を踏まえた新興・再興感染症対策の充実 ・「感染症予防計画」、「健康危機対処計画」に基づく健康危機体制の強化 ・区内の医療機関・警察・消防等との協力体制の維持・強化     ・感染症に関する発生動向、予防対策等の情報発信    A日常生活における健康被害の予防啓発活動の推進 ・熱中症等の予防啓発、予防に関する情報発信の官民連携による実施など、新たな工夫を加えた高齢者の健康被害防止の取組みの一層の強化    B震災等災害発生時への備えと保健医療体制の整備 ・区内の医療機関・警察・消防等との平時からの情報共有や協力体制の維持・強化     ・災害時等の医療救護体制や保健活動に関する情報発信     ・医療救護活動拠点の活動環境整備   <消費者としての高齢者の保護>    @消費者保護施策の推進 ・「せたがや消費生活センターだより」などを活用した消費生活に関する情報や相談事例、悪質商法等への対処法等に関する情報の発信     ・出前講座の実施などによる地域における啓発活動 ・消費者安全確保地域協議会等を活用した各見守り関係者との消費者被害の動向の共有及び対策の協議等、様々な立場からの見守りの連携 ・高齢者の身近な相談窓口として気軽に相談しやすい環境づくりとあんしんすこやかセンターとの連携 ・弁護士等を活用した相談力の向上と複雑困難な相談事例の解決   <地域における防犯対策の強化>    @防犯意識の向上 ・様々な犯罪防止対策や相談窓口を掲載した防犯冊子「世田谷区スクラム防犯ガイドブック」の発行 ・各種啓発パンフレット、災害・防犯情報メール等の様々な広報ツール、地域のイベント、防犯教室等を活用した注意喚起、啓発活動の実施    A特殊詐欺対策の推進 ・区内警察署と連携した24時間安全安心パトロールカーを活用した特殊詐欺警戒エリアへの注意喚起や周辺パトロール等による効果的な警戒活動の実施 ・特殊詐欺被害防止のための自動通話録音機の貸出の推進及び金融機関等と連携した携帯電話抑止装置の設置による被害未然防止対策の実施 ・区が設置する「特殊詐欺相談ホットライン」による身近な相談窓口の開設    B見守りの充実 ・民生委員や介護事業者、見守り協定締結事業者等との連携強化、高齢者宅訪問時の防犯情報や防犯対策などの意識啓発等による見守り体制の充実     ・地域の自主防犯団体による注意啓発活動、見守り活動促進にかかる支援     ・地域の安全安心まちづくりの推進を目的とした防犯カメラの整備促進 世田谷区 介護施設等整備計画 (令和9年度〜令和11年度)    (2027年度〜2029年度)      1 計画の基本的事項 2 計画の基本的な考え方 3 第10期の整備目標等 4 計画の進行管理 5 参考 (日常生活圏域ごとの整備状況(令和8年度末見込み)) 1  計画の基本的事項 (1)計画の趣旨  世田谷区将来人口推計(令和5年7月)による令和30年(2048年)までの推移では、65歳以上の高齢者人口は一貫して増加するとしています。このうち、前期高齢者人口(65歳〜74歳)は2042年をピークに減少に転じると予測される一方で、後期高齢者人口(75歳以上)は、2035年ごろまではおおむね横ばいで推移し、その後増加に転じるとしています。  こうした状況のもと、地域の中長期的な人口動態や介護ニーズの見込み等を適切に捉え、介護施設等の整備を計画的に推進するため、「世田谷区介護施設等整備計画」を策定します。 (2)計画の位置づけ  本計画は、3年間を計画期間として策定する世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(以下、「高齢・介護計画」)に内包される、区の介護施設等の整備に関する計画です。  また、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(以下、「医療介護総合確保法」)第5条に規定する「市町村計画」に該当する計画です。 (3)計画の対象区域及び施設等 @対象区域  本計画では、日常生活圏域を医療介護総合確保法第5条第2項第1号における「医療介護総合確保区域」として位置づけています。 A対象施設等  ・医療介護総合確保法第5条第2項第2号ロの厚生労働省令で定める施設の一部  ・医療介護総合確保法第5条第2項第2号ハの厚生労働省令で定める老人福祉施設の一部  ・広域型の介護施設及び老人福祉施設等 (4)計画の期間  本計画は、高齢・介護計画に内包される計画であることから、本計画の期間は、第10期高齢・介護計画にあわせ、令和9年度〜令和11年度とします。 2  計画の基本的な考え方 〇高齢者ニーズ調査では、要介護認定者の約6割が自宅での生活を希望しており、介護が必要な高齢者が安心して在宅生活を継続できるよう地域密着型サービス拠点の整備を進めます。 〇一人ぐらしの高齢者や高齢者のみの世帯が増加しており、支援や介護が必要な高齢者向けの多様な住まいの整備を進めます。 〇特別養護老人ホームは、第6期(平成27〜29年度)からの中長期目標である「1,000人分の定員増」を目指し、計画的な整備を継続します。整備にあたっては、引き続きショートステイの併設も誘導していきます。ただし、第11期(令和12〜14年度)以降の新規整備については、需要を見極めながら慎重に検討を進めます。 〇建築費の高騰や工事の長期化の影響等により、近年、新規整備が進みにくい状況にあることを考慮した目標設定とします。 3  第10期の整備目標等 (1)整備目標等を定めるサービス種別 (2)その他のサービス種別(抜粋)  以下に掲げるサービスについては、整備目標を設定はしませんが、高齢者が地域で安心して暮らし続けられるよう、次のような考え方のもと対応していきます。 @介護老人保健施設  利用者の減少が見られ、区内施設でも休止・廃止が続いており、整備・運営主体となる医療法人等の新たな施設整備の意向に対しては、慎重に検討することとします。 A介護医療院  要介護高齢者の長期療養・生活のための施設であり、東京都も整備を推進していく方針であることを踏まえ、整備・運営主体となる医療法人等の意向に応じて、新たな施設整備について検討します。 B特定施設入居者生活介護  介護付き有料老人ホーム等の特定施設入居者生活介護には、介護専用型(地域密着型特定施設入居者生活介護を含む)と混合型があります。介護専用型については、東京都の第9期高齢者保健福祉計画における総量管理上の整備可能定員数に達しています。混合型は、事業者から開設の事前相談を受けた場合には、事前相談計画書の内容や東京都の総量管理等を勘案の上、特にサービスの質の観点から事前相談計画書を確認のうえ、その結果を東京都に報告します。 Cサービス付き高齢者向け住宅  サービス付き高齢者向け住宅については、高齢者が安心して暮らせる住まいの実現と介護サービスの質の向上の観点から、サービス付き高齢者向け住宅の整備における基準を設け、整備を検討する事業者に対して、整備・運営にあたっての留意事項、地域との交流が図られる環境づくり等を働きかけていきます。 4  計画の進行管理  本計画に基づく整備の進捗状況については、第10期高齢・介護計画に合わせ、世田谷区地域保健福祉審議会などに定期的に報告し、進行管理を行います。