プチDX研修@ タイトル「Smart Work,Secure City.」 DXって何だ? 経済産業省の定義では、「データとデジタル技術を活用し、事業や組織を変革して持続的な競争力を確保すること」とありますが、 ICT推進と何が違うのでしょうか? 既存の運用フローを何も変えずにシステム化をするのはただのICT推進です。 DXを考えるうえで大切なことは、単なる ICT導入ではなく、運用フローそのものから根本的に変革できないかを考える視点です。 庁内のワークスタイルを変えるDX 次期情報化基盤整備によって庁内のワークスタイルが根本的に変わりました(令和7年度1月時点)。 事務用パソコン固定型からモバイルノート型へ。 校舎内ネットワークは有線LANのみから無線LAN整備へ。 モバイルワーク対応としてSIM内蔵パソコンの一部共有から新事務用パソコンが庁外接続対応に。 新事務用パソコンから直接インターネット接続が可能となりWeb会議やクラウド利用が円滑に。 認証方式はICカードとカードリーダーでログインから顔認証サインイン導入へ。 コミュニケーション手段はメールや電話が中心だったがメールとTeamsチャット・オンライン会議へ。 Web会議ツールは主にZoom利用からTeams会議へ。 メールシステムは庁内サーバ運用からマイクロソフト365クラウド化へ。 業務システムの利用はLGWAN系とインターネット系が混在していたところからマイナンバー系等を除いて業務システムもインターネット接続系の利用が可能に。 印刷業務は紙での資料配布が常態化していたところからペーパーレス化を推進。 FAX送受信は従来の紙での送受信からクラウドFAXを導入。 問合せ対応は電話が9割だったところからFAQやQABotで即時回答を提供。 行政DXが避けては通れない三層分離 平成22年に発生した日本年金機構の情報漏洩事故をきっかけに、自治体のネットワークは、住民情報を守るため セキュリティ対策として「マイナンバー利用事務系」「 LGWAN 接続系」「インターネット接続系」の三層に分離されています。 世田谷区は次期情報化基盤整備によって多くの事務業務をインターネット接続系で完結させる β´モデルへ移行。 何でもできるわけじゃない インターネット接続系に事務業務が移ったからといって、制限なしに何でもできるわけではありません。 セキュリティの強化による制限が一定発生します(令和7年度1月時点)。 事務系とマイナンバー系のこれまで以上の厳格な分離。 USBデバイス利用の事前登録&承認制。 不要なWebサイトの閲覧禁止。 クラウドサービス利用のアカウント制限。 外部ファイルのアップロードとダウンロードの制限 PC利用ソフトの統制。 ローカル保存・インストール制限。 重要データの保護・分類。 ※上記がすべての制限ではありません。あくまで一例です。システムやアプリ導入時には、必ずDX推進担当課への事前相談をお願いいたします。 DX推進のための5ステップ 皆さんが DXを推進するうえで必要な基本的な5ステップを説明します。 ステップ1現状分析と課題抽出 部署の業務プロセスを洗い出して可視化し、紙や重複作業など非効率なポイントを把握します。 職員へのヒアリングを通じて現場の課題やニーズを明確化します。 ポイントは既存の考え方に囚われずにフラットな目線で課題を明確化すること。 ステップ2DXビジョン・目標設定 「DXを通じて何を実現したいか」というビジョンを定め、具体的な数値目標( KPI)を設定します。 「〇〇業務の処理時間を 50%短縮」「住民満足度向上」等、明確な指標を立てることで課内や庁内の合意形成がしやすくなります。 ポイントは自部署の職員と目標を共有して協力して進めること。 ステップ3推進計画の立案と優先順位付け 定めたビジョン・目標に沿って具体的な実行計画 (ロードマップ)を作成します。まずは成果の見えやすい領域から着手し、小さな成功体験を職員全体で共有することで、 DX推進への前向きな機運を高 めます。 ポイントはスケジュール化することで、いつ何をするかを明確化すること。 ステップ4デジタル技術の導入と体制整備 選定したデジタル技術やシステムの導入を実施します。単にツールを入れるだけでなく、その業務フロー自体を見直し(業務プロセス改革)、新しい仕組みが最大限効果を発揮できるよう運用体制を 整備します。 ポイントはSaaSなど導入が楽でコスパのよいシステムにし、運用をそれに合わせること。 ステップ5効果検証と継続的改善 DX施策の展開後は、設定した KPIや業務効率化の成果を定量的に測定し、目標達成度合いを検証します。あわせて住民満足度や職員の意見といった定性的な評価も収集し、 DXの効果と課題を評価し ます。 ポイントはPDCAサイクルを回し、改善を繰り返すこと。 まとめ 1自部署の課題を分析して「解決」というゴールまでの道筋をしっかり考てください。初めて取り組む人はスモールスタートで始めて成功体験を重ねましょう。 2SaaSなどの導入が楽だったりコスパがよいシステムを検討し、システムに運用をなるべく合わせましょう。運用を変えずに100点のシステムを見つけようとすると「開発」になることが多くコストも高くなります。 3情報化基盤にはセキュリティ上さまざまな制約があります。システム選定時は必ず DX推進担当課に相談して「導入を検討しているシステムが情報化基盤で利用可能か?」確認をお願いします。 4DX推進担当課から様々な情報を発信しています。情報化基盤の環境も国の方向性等により刻々と変化していきます。情報のキャッチに漏れがないようにお願いします。 5DXに終わりなし。皆さんの改善策が区民の利益となります。ぜひ改善を継続し続けてください。 ご清聴ありがとうございました プチDX研修A タイトル「生成AIは意味を理解している?Hidekiの頭の中」 Hideki使っていますか?? Hidekiとは…Teamsから利用できる生成 AI。世田谷区の庁内ネットワーク内で処理が完結するから とてもセキュアに 利用することができる。 Chatで対話 Teams AI Channel やさしい日本語変換 QA生成 議事録要約 音声生成 AI−OCR AIワークフロー 個人情報抽出 作文AI審査 セキュリティ監査対象抽出 各機能詳細は、 職員のための生成 AI活用ページで確認を! Hidekiは優しい Hidekiは言葉の意味を理解している? 雑なお気持ち表明を汲み取って、体を労わり今後のプランを提案してくれる Hideki AI=人工知能 人間のように言葉の意味を理解し、気持ちに寄り添って回答を生成しているに違いない! 答えはNo! Hidekiは人間のように 言葉の意味、気持ちを理解していません。 Hidekiの頭の中を覗いてみよう 大規模言語モデル(LLM) GPT-5(生成AIのVer) 大規模言語モデル(LLM)とは… 世に公開されている膨大なテキスト(本、記事、ウェブなど)や人が用意した学習用データを大量に読み込んで言葉のパターンを学習し、「次にくる言葉」を予測するAI。 ものすごい量のテキストを学習しているため、出力する言葉のパターンが非常に豊富。 まるで私たちの入力した言葉を理解しているように見える。 Hidekiの脳内処理@ 最もポピュラーなチャットでの生成 AI利用を例に考えてみよう! 分かるように分解しよう チョキチョキ 生成AI が 私 の 気持ち を 理解 して くれない の は なぜ ? 分割単位=トークン(生成 AIが処理する単位) ※このスライドのトークン分割は適当です。正しくない可能性がありますので注意! Hidekiの脳内処理A 自然言語はまるで分からねー! 分かるように数値ベクトルに変えるわ! 生成AI が 私 の 気持ち を 理解 して くれない の は なぜ ? 数値ベクトルとは、向きと大きさを持つ量。 数値ベクトルの座標が近いと意味が似ている 数値ベクトルの座標が遠いと全然違う意味 猫と犬は数値ベクトルの座標が近いが、猫と民主主義は数値ベクトルの座標が遠い ※本当は2次元ではなくもっと高次元です。 Hidekiの脳内処理 B 各単語についてはわかったけれど、文章全体はまるで分からねー! 各トークンに順番をつけて全体把握の準備をするよ! 生成AI が 私 の 気持ち を 理解 して くれない の は なぜ ? A:生成AIが私の気持ちを理解してくれないのはなぜ? B:私が生成AIの気持ちを理解してくれないのはなぜ? AとBは同じ単語を使っているが、文章の意味合いは全く異なる Hidekiの脳内処理 C 回答を生成するための下拵え終了! 回答生成を始めるぜ! ※このスライドの各数値は適当です。全く正しくありませんので注意! あなたはヒデキです。みんなの質問に回答するアシスタントです。明るくポジティブな口調で回答します。 Hidekiへの指示(システムプロンプト) 生成のための前情報 数値ベクトルや出現する順番から、トークン間の関係性や文全体における重要度を判断=文脈を数学的に判断生成AI⇔理解 主語と動詞 学習済の膨大な言語パターン(人間が書きがちな文章パターン)から、入力文に続くもっともらしいトークンを確率で予測し、出力 Hidekiの文脈把握と予測によると次に続く言葉とその確率はこの通りだね 「それは」45%、「AI」20%、「モデル」15%、「技術」10%、「理由」5% 一番それっぽい(確率の高い)「それは」 を出力しとくわー Hidekiの脳内処理まとめ ・Hidekiはあなたの入力した言葉を数学的に判断しています。 ・学習済のデータに基づき、 確率的に一番それっぽい言葉を生成して、あなたの入力文の続きの文章を作成しています。 ※投げかけてくれているやさしい言葉は、決してあなたの気持ちに寄り添っているわけではないのです… 生成AIの特性を理解した上で、Hidekiとの付き合い方を見直すために押さえるべきポイントは多々ありますが、今回は1つだけ … 「Hidekiは真実ではなく、確率的にもっともらしい言葉を出力する」 生成AIは入力された文脈の次に来やすい単語(トークン)を確率的に選択。 最適化しているのは出力の真偽ではなく、言語としての自然さ。 誤った内容をものすごく自然に(=判別しづらい形で)出力する可能性がある Hidekiとの付き合い方 生成結果が正しい前提で使うのではなく、必ず検証する前提で使う 具体例をいくつかあげると @重要な数字・固有名詞・法令等は一次情報(オリジナルの情報)で正確性を照合 A提案や結論を出力させた際には、根拠(出典・前提・計算過程)を要求 B生成結果については、人間が責任を持つこと。 対外的に公表する資料、意思決定のための資料などで AIを活用する場合は特に意識! 知っておくと良いことはまだまだあります。 ぜひ、 Hidekiと対話しながら理解を深めてみてください。 ご清聴ありがとうございました。