第5 障害特性に応じた対応 障害者と接するときには、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。以下に、いくつかの代表的な障害について、その概要をまとめました。 改定にあたり「障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン」(厚生労働省)東京都心身障害者福祉センターリーフレット「障害理解のために」及び「東京都障害者差別解消ハンドブック」等の掲載事例を参考に、区内障害者団体のご協力をいただきました。 対応事例については、区職員・区の窓口・区の事業で生じたものについて、区の実情にあわせて記載しました。 8、知的障害 おおむね18歳頃までの発達期に、知的な能力が年齢相応に発達していないため、日常生活や社会生活の適応に困難がある状態です。原因が特定できない場合が多いですが、ダウン症候群などの染色体異常、または先天性代謝異常によるものや、脳症や外傷性脳損傷などの脳の疾患による場合などもあります。 しかし、どんな重度の障害があっても、それぞれの障害特性に合わせた教育や配慮・支援を受けながら、社会経験や学びを積むことにより社会参加しています。 障害の状況は、知的能力の程度により、また「てんかん」や自閉症などとの重複により、大きく異なります。ダウン症候群の場合、筋肉の低緊張や、心臓などの臓器に疾患を伴う場合があります。 周囲の理解や支援によって一歩一歩成長していける可能性をもっています。   [よくある誤解] 抽象的なことは理解できないので、支援してあげないと何もできない。 「はい」と返事したことは、すべて理解している。 知的障害がある人は、一人で外出できない。 大人の年齢であっても子供と同じような言葉づかいでよい。 (正解は以下を参照)                                       (1)こんなことに困っています 読み書きや計算が苦手 そのため、お金の計算も苦手な人もいます。 コミュニケーションの力が弱い  そのため、人に尋ねたり自分の意見を言うことが苦手な方もいます。 状況を判断することが苦手 そのため、仕事の手順をすぐ覚えたり、人とのやり取りに素早く対応することが困難で、時間がかかることがあります. 抽象的な概念や複雑なことは理解しにくい そのため、周りの状況、未経験の出来事や状況の急な変化への対応が困難な方が多くいます。比喩や例えを言葉どおりに受け取り、誤解を招くことがあります。 経験不足から、金銭管理・会話・買い物・家事などの場面で、その人の状態に応じた支援が必要な場合があります。 てんかん(P67)や、自閉症(P62)を重複する場合もあります。 (2)こんな配慮が必要です 介助者と一緒でも、まず本人と向き合うことが原則です。子ども扱いせず、その人の年齢に応じた接し方や言葉づかいをしてください。 最初は難しいことも、その人に応じた配慮や、わかりやすい説明、練習などによって、外出や社会生活上のスキルを身に着けていきます。一人で外出を楽しむ人も沢山います。 自分で出来ることは自分でやりたい人も多くいます。何でも手伝うのではなく、場合によっては、見守ることも大切です。 話しかけるとき 穏やかに、短い文章で、「ゆっくり」「ていねいに」「繰返し」説明し、理解されたことを確認しながら応対します。 書類の説明 漢字を少なくしてルビを振るなどの配慮で、理解しやすくなることがありますが、逆に、ひらがなばかりの文章ではわかりにくい人もいます。一人ひとりの障害の特性に合わせて対応します。 絵や図・カード・写真等、実物のイメージがわかるものを使うと、わかりやすくなることがあります。 質問の仕方と確認 二者択一など、答えやすいような聞き方を工夫してください。 「はい、分かりました」と返事をしても内容を理解していないことがあります。大切な事柄は質問の仕方を変えて聞きなおし、(「○○が良い?」「○○は嫌?」)、内容を理解できているかの確認を行ったり、理解した内容を本人に話してもらうなどの方法で、確認できる場合もあります。 望ましくない行動が見られたとき いきなり強い調子で「ダメ」「やらないで」などの否定する言葉を使うと、恐怖感を与えて、内容が伝わりません。「どうしましたか」等、穏やかな口調で「○○をしてください」と、肯定的、具体的に伝えましょう。 あらかじめ予定を伝える 見通しがもてないと不安になることがあります。その日の予定や今後の手順などを、わかりやすく伝えておきましょう。    (3)これだけはチェック! リーフレット等の作成では、必要に応じて「わかりやすい版」(表現を簡単にして、ルビを振る など)を作成する イベントの際には、必要に応じてクールダウン出来るスペース(周囲の騒音や刺激のない場所)等を用意する 〔コラム19 意思決定支援〕 障害のために、自分の意思を決定することや、表明することが困難な人もいます。 意思決定が困難な場合も、可能な限り本人が自ら意思決定ができるように支援し、本人の意思や選好を確認・推定して、本人の最善の利益を検討する仕組みを、「意思決定支援」といいます。 知的障害者には、意思決定支援としてサポートすることが重要視されています。その際のポイントは、以下のとおりです。 自分で理解できる情報が得られること 自分と似ている状況にある仲間や相談できる相手との経験の共有ができること 選びやすくなるための、選択を体験する機会が十分にあること 身体反応が健常者と異なる場合、身体反応のキャッチ(解読)ができる人  (熊谷晋一郎 「手をつなぐ仲間たち」2019年9月号より一部引用) 第6 関連する相談窓口 障害者差別に関する相談 世田谷区障害施策推進課 TEL 03-5432-2424 (P16:相談・問い合わせへの対応を参照) 東京都障害者権利擁護センター TEL  03-5320-4223 障害者就労差別に関する相談 住所地のハローワーク(渋谷) TEL03‐3476‐8609 障害者就労支援センターしごとねっと TEL 03-3418-1432 (同) すきっぷ就労相談室 TEL 03-3302-7972 (同) ゆに(UNI) TEL 03-5707-2343 東京都労働局 TEL 03-3512-1664    渋谷総合労働相談コーナー(渋谷労働基準監督所内) TEL 03-6849-1167 障害者への虐待に関する相談窓口     世田谷総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-5432-2865 北沢総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-6804-8727 玉川総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3702-2092 砧 総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3482-819 8 烏山総合支所保健福祉課障害支援  TEL 03-3326-6115 世田谷区障害者夜間・休日虐待通報ダイヤル TEL 03-5432-1033   その他 法テラス東京 TEL 050-3383-5300 世田谷区消費生活センター(相談専用) TEL 03-3410-6522 人権擁護相談(問い合わせ先:人権・男女共同参画担当課) TEL 03-5432-2259 世田谷区DV相談専用電話(※相談日のみ) TEL 0570-074-740 【第一面記載方法】 おわりに 障害者差別解消法の理念を実現していくには、国民一人ひとりの障害に対する理解と適切な配慮が不可欠であり、差別と解される事例についても、お互いの意思疎通不足や理解の不足が起因していると思われることも見受けられます。法に定められたからということで身構えるのではなく、区民・事業者・区が歩み寄り理解を深めていくことが、差別解消の第一歩につながると考えられます。 職員のみなさんの本法に関する理解と、障害者差別解消に向けた取組みを積極的に進めて頂きますようお願いします。 【ガイドブック作成等にあたり、ご協力いただいた団体等】   <世田谷区障害者福祉団体連絡協議会加盟団体> 公益社団法人日本オストミー協会東京支部世田谷交流会 世田谷区肢体不自由児(者)父母の会 世田谷区身体障害者福祉協会 世田谷区重症心身障害児(者)を守る会 世田谷区手をつなぐ親の会 世田谷区パーキンソン病友の会 世田谷生活と健康を守る会しょうがい部会 特定非営利活動法人自立の家 特定非営利活動法人せたがや移動ケア 特定非営利活動法人世田谷区視力障害者福祉協会 特定非営利活動法人世田谷区聴覚障害者協会 特定非営利活動法人世田谷さくら会 特定非営利活動法人世田谷ミニキャブ区民の会 特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 ふたばの会                     (50音順) <世田谷区自立支援協議会 虐待防止・差別解消・権利擁護部会>