第5 障害特性に応じた対応 障害者と接するときには、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。以下に、いくつかの代表的な障害について、その概要をまとめました。 改定にあたり「障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン」(厚生労働省)東京都心身障害者福祉センターリーフレット「障害理解のために」及び「東京都障害者差別解消ハンドブック」等の掲載事例を参考に、区内障害者団体のご協力をいただきました。 対応事例については、区職員・区の窓口・区の事業で生じたものについて、区の実情にあわせて記載しました。 7、重症心身障害・医療的ケアが必要な人 重症心身障害は、自分で体を動かすことができない重度の肢体不自由と、年齢に相応した知的発達が見られない重度の知的障害が重複している、最も重い障害です。原因は不明の場合もあり、周産期や成長期の事故や疾患による場合もあります。 言語によるコミュニケーションが難しく、四肢体幹の変形・拘縮・筋肉の緊張など、運動機能が著しく低下し、移動・食事・着替え・洗面・トイレ・入浴など様々な場面で介助が必要です。また、医療的ケアが必要な場合もあり、家族・介護者には長期にわたり多大な身体的、精神的負担があります。   [よくある誤解] 重症心身障害者は、障害が重いので、自分の意思をもてない。 話しかけても反応がない場合は、本人に届いていない。(正解は以下を参照)                                       (1)こんなことに困っています 言語によるコミュニケーションが難しいため、何らかの意思表示をしていても、それが周囲に伝わりにくいこともあります。 外出や日中活動の場が制限されています。外出では、リフト付きタクシーなどの車両、トイレ、食事、介助者の確保などの調整が必要になります。 医療的ケアが必要な場合は、夜間の定期的な痰の吸引などで、家族の睡眠や休養が制約されることがあります。 感染症などにかかりやすく重症化するリスクがあり、居室を清潔に保つなどの配慮が必要です。 (2)こんな配慮が必要です どんなに重い障害があっても、その人の発達の段階や一人ひとりの個性と能力に応じた発達支援、また家族への支援が必要です。 介護者ではなく、本人に話しかけましょう。言葉によるコミュニケーションが難しく、話しかけて反応がないように見えても、本人は話す側のことばの雰囲気や表情などを感じ取っています。また、表情や仕草、身体の動きなどによって気持ちや意思を表しています。(P61 コラム19 意思決定支援参照) 医療的ケアの必要度に応じて、医療機関等と連携を図りながら、個々の状態や必要な支援を丁寧に確認し、適切な支援を行うことが必要です。 人工呼吸器などを装着して専用の車椅子で移動する人もいるため、電車やバスの乗降時等に、周囲の人が手伝って車椅子を持ち上げるなどの配慮が必要です。 体温調整がうまくできないことも多いので、衣服、寝具や室温、湿度に気を配り、急な温度変化を避け、一定の適温を保持する配慮が必要です。 〔 コラム18 医療的ケア・医療的ケア児について 〕 医療的ケアとは 家族や看護師が在宅で日常的に行っている経管栄養注入や痰の吸引、導尿などの医療的介助行為のことです。医師法上の「医療行為」と区別して、「医療的ケア」と呼んでいます。  例)気管切開、人工呼吸器、吸引、エアウェイ、在宅酸素、経管栄養、胃ろう※、   中心静脈栄養、導尿、腹膜透析、尿道残置カテーテル、ストマ、腸ろう※ 等 ※エアウェイとは、意識障害や気道確保のために用いる管。 ※胃ろう(腸ろう)とは、口から水分や栄養をとれない方や食べてむせる方に、胃(腸)に開けた穴から、水分や栄養を直接入れる経管栄養のひとつです。  これらの介助は家庭だけでなく、介護や教育の場でも行う必要が生じてきて、現在では、研修を修了後、都道府県知事の認定を受けることにより、介護の場では介護職が、教育の場では教員等も、痰の吸引等の5つの特定行為に限り、医療的ケアを行えるようになっています。   医療的ケア児とは  医学の進歩を背景として、NICU(新生児集中治療室)等に長期入院した後など、引き続き医療的ケアが日常的に必要なこどもを「医療的ケア児」といいます。歩行可能な状態から自分で体を動かすことが困難な状態までと様々です。重症心身障害児も多くいるとされています。 年齢相応の社会生活と教育を受けるために、医療、学校、家庭の十分な連携が必要です。    第6 関連する相談窓口 障害者差別に関する相談 世田谷区障害施策推進課 TEL 03-5432-2424 (P16:相談・問い合わせへの対応を参照) 東京都障害者権利擁護センター TEL  03-5320-4223 障害者就労差別に関する相談 住所地のハローワーク(渋谷) TEL03‐3476‐8609 障害者就労支援センターしごとねっと TEL 03-3418-1432 (同) すきっぷ就労相談室 TEL 03-3302-7972 (同) ゆに(UNI) TEL 03-5707-2343 東京都労働局 TEL 03-3512-1664    渋谷総合労働相談コーナー(渋谷労働基準監督所内) TEL 03-6849-1167 障害者への虐待に関する相談窓口     世田谷総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-5432-2865 北沢総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-6804-8727 玉川総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3702-2092 砧 総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3482-819 8 烏山総合支所保健福祉課障害支援  TEL 03-3326-6115 世田谷区障害者夜間・休日虐待通報ダイヤル TEL 03-5432-1033   その他 法テラス東京 TEL 050-3383-5300 世田谷区消費生活センター(相談専用) TEL 03-3410-6522 人権擁護相談(問い合わせ先:人権・男女共同参画担当課) TEL 03-5432-2259 世田谷区DV相談専用電話(※相談日のみ) TEL 0570-074-740 【第一面記載方法】 おわりに 障害者差別解消法の理念を実現していくには、国民一人ひとりの障害に対する理解と適切な配慮が不可欠であり、差別と解される事例についても、お互いの意思疎通不足や理解の不足が起因していると思われることも見受けられます。法に定められたからということで身構えるのではなく、区民・事業者・区が歩み寄り理解を深めていくことが、差別解消の第一歩につながると考えられます。 職員のみなさんの本法に関する理解と、障害者差別解消に向けた取組みを積極的に進めて頂きますようお願いします。 【ガイドブック作成等にあたり、ご協力いただいた団体等】   <世田谷区障害者福祉団体連絡協議会加盟団体> 公益社団法人日本オストミー協会東京支部世田谷交流会 世田谷区肢体不自由児(者)父母の会 世田谷区身体障害者福祉協会 世田谷区重症心身障害児(者)を守る会 世田谷区手をつなぐ親の会 世田谷区パーキンソン病友の会 世田谷生活と健康を守る会しょうがい部会 特定非営利活動法人自立の家 特定非営利活動法人せたがや移動ケア 特定非営利活動法人世田谷区視力障害者福祉協会 特定非営利活動法人世田谷区聴覚障害者協会 特定非営利活動法人世田谷さくら会 特定非営利活動法人世田谷ミニキャブ区民の会 特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 ふたばの会                     (50音順) <世田谷区自立支援協議会 虐待防止・差別解消・権利擁護部会>