第5 障害特性に応じた対応 障害者と接するときには、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。以下に、いくつかの代表的な障害について、その概要をまとめました。 改定にあたり「障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン」(厚生労働省)東京都心身障害者福祉センターリーフレット「障害理解のために」及び「東京都障害者差別解消ハンドブック」等の掲載事例を参考に、区内障害者団体のご協力をいただきました。 対応事例については、区職員・区の窓口・区の事業で生じたものについて、区の実情にあわせて記載しました。 5、音声・言語・構音障害 ひとくちに言語障害といっても一様ではありません。言語の理解と表出に関わるものを「失語症(高次脳機能障害の症状の一つ)」、発声・発語に関わる障害によるものを「音声障害・構音障害」といいます。会話が難しいという点では似ていますが、困りごとや配慮の方法は異なります。 いずれも、外見からは分かりにくい障害です。   「音声障害」  音声を発することができない状態です。喉頭摘出や声帯の異常により、声が出ない、出しづらくなる、声がかすれる等の状態です。  喉頭を摘出した方の中には、食道発声や喉頭の機能を代用する補助具(人工喉頭)、手元のボードの操作により言語を発生させる機械を使用している人もいます。 「構音障害」 音を作る器官や神経・筋の動きに問題があり、発音が不規則・不明瞭になる状態です。   「失語症」 脳の言語機能の中枢の損傷により、獲得した言語機能(「話す」「聞いて理解する」「読む」「書く」など)が損なわれた状態です。 [よくある誤解] 「失語症」の人はしゃべれないが、こちらの言うことは理解している 会話が難しい人に説明するのは相手に悪いので、付き添いの人と話すほうが良い 話が聞き取れない時、聞き返すのは失礼にあたる     (正解は以下を参照)                                       (1)こんなことに困っています 周囲に気づいてもらいにくい 会話が難しいため、自分から不便さを伝えることが困難です。 誤解されやすい 発声が困難な音声障害や構音障害の人は、言語の理解や聴力にも障害があると間違われることがあります。   失語症の場合、「話せるけれど、読めない」「聞き取れないけれど、読める」「話せないけれど、ある程度聞き取れる」など、症状は人によって異なります。 @ 話すことの困難 伝えたいことがあっても言葉が出てこない。言い誤ってしまう 「てにをは」をうまく使えない 数字の言い間違いがある A 聞くことの困難 話を理解できない、早口や長い話が分からなくなる 聞こえているのに言葉の意味がわからない 数字の聞き間違いがある B 読むことの困難 読むことができない、文字を読んでも理解が難しい 文字や文章の意味がわからない。特にカナ文字が苦 C 書くことの困難 文字を思い出せず書けない。書き誤ってしまう (2)こんな配慮が必要です 【共通事項】 聞き取れない時は分かったふりをせず、聞き返しましょう。 言葉だけに注目せず、相手の気持ち・状況などを推測しましょう。 付き添いの人がいても、必ず本人に視線を向けて話しかけましょう。 どのような方法でコミュニケーションを取ればよいか、尋ねてみましょう。 【失語症】 話すとき 相手を焦らせないように気を付けます。表情がわかるよう顔を見ながら、落ち着いた、ゆったりとした雰囲気の中で話しましょう。 ゆっくり、はっきり、短く、わかりやすい言葉で話しかけましょう。早口、 長い文、あいまいな言い回しは厳禁です。 一度でうまく伝わらない時は、繰り返したり、別の言葉に言い換えてみます。 話し言葉以外の手段(カレンダー、地図、時計、写真、実物、絵を描く、ジェスチャーなど、見てわかるもの)を併用すると、コミュニケーション  の助けとなります。 話を聞くとき 言葉が出なくても先回りせず、ゆっくり待ちましょう。はい・いいえで答えられる質問が有効です。50音表は役立ちません(カナ文字が苦手なため)。 確認しながら 話の内容を理解できているかどうか、確認しながら話をしましょう。できるだけ漢字の単語を使い、要点をメモしながら話を進めましょう。 数字に関することは、特に聞き誤り、言い誤りやすいので、日付や時間、お金の確認は必ずメモを利用するようにしましょう。    【音声・構音障害】 言葉が出ずに困っているときは、必要に応じて相手の状況・気持ちを推測し、はい・いいえで答えられるように具体的な選択肢を挙げて質問しましょう。 50音表の指さしや、筆談などが有効な場合があります。必ず本人に確認してから使用しましょう。 〔コラム17 失語症者向け意思疎通支援者派遣事業(令和2年5月開始〕 失語症のある人は、表出面だけではなく理解面にも障害があります。また、外見上はわからないため、誤解や不当な扱いを受けることがよくあります。しかし、適切な意思疎通支援を受けることによって、意思の表出や理解がしやすくなり、安心して活動や社会参加が出来るようになります。 「失語症者向け意思疎通支援者派遣事業」は、会話や会議、外出、手続きなどの場面に意思疎通支援者を派遣して、本人の意思を確認し、コミュニケーションの橋渡しをする人です。支援者は失語症を理解し、国が指定した40時間の講習、実習を終了しています。 この派遣事業は、@会議等 A病院や薬局 B買い物 C公共施設の利用 D公共交通機関の利用 等の場面で利用できます。 (詳しくは保健センター専門相談課 または障害施策推進課事業担当まで) 好事例(東京都差別解消法ハンドブックより抜粋) 買い物で欲しいものをさがせない 失語症のDさんが買い物に行きましたが、自分の欲しいものを探すことができません。店員に尋ねようとしましたが、うまく伝えられず困っていました。 店員は、Dさんがうまく話せないことが分かったため、「食べ物」「飲み物」「日用品」等、徐々に的を絞って確認していったところ、Dさんの欲しいものが判明し、購入することができました。 第6 関連する相談窓口 障害者差別に関する相談 世田谷区障害施策推進課 TEL 03-5432-2424 (P16:相談・問い合わせへの対応を参照) 東京都障害者権利擁護センター TEL  03-5320-4223 障害者就労差別に関する相談 住所地のハローワーク(渋谷) TEL03‐3476‐8609 障害者就労支援センターしごとねっと TEL 03-3418-1432 (同) すきっぷ就労相談室 TEL 03-3302-7972 (同) ゆに(UNI) TEL 03-5707-2343 東京都労働局 TEL 03-3512-1664    渋谷総合労働相談コーナー(渋谷労働基準監督所内) TEL 03-6849-1167 障害者への虐待に関する相談窓口     世田谷総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-5432-2865 北沢総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-6804-8727 玉川総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3702-2092 砧 総合支所保健福祉課障害支援 TEL 03-3482-819 8 烏山総合支所保健福祉課障害支援  TEL 03-3326-6115 世田谷区障害者夜間・休日虐待通報ダイヤル TEL 03-5432-1033   その他 法テラス東京 TEL 050-3383-5300 世田谷区消費生活センター(相談専用) TEL 03-3410-6522 人権擁護相談(問い合わせ先:人権・男女共同参画担当課) TEL 03-5432-2259 世田谷区DV相談専用電話(※相談日のみ) TEL 0570-074-740 【第一面記載方法】 おわりに 障害者差別解消法の理念を実現していくには、国民一人ひとりの障害に対する理解と適切な配慮が不可欠であり、差別と解される事例についても、お互いの意思疎通不足や理解の不足が起因していると思われることも見受けられます。法に定められたからということで身構えるのではなく、区民・事業者・区が歩み寄り理解を深めていくことが、差別解消の第一歩につながると考えられます。 職員のみなさんの本法に関する理解と、障害者差別解消に向けた取組みを積極的に進めて頂きますようお願いします。 【ガイドブック作成等にあたり、ご協力いただいた団体等】   <世田谷区障害者福祉団体連絡協議会加盟団体> 公益社団法人日本オストミー協会東京支部世田谷交流会 世田谷区肢体不自由児(者)父母の会 世田谷区身体障害者福祉協会 世田谷区重症心身障害児(者)を守る会 世田谷区手をつなぐ親の会 世田谷区パーキンソン病友の会 世田谷生活と健康を守る会しょうがい部会 特定非営利活動法人自立の家 特定非営利活動法人せたがや移動ケア 特定非営利活動法人世田谷区視力障害者福祉協会 特定非営利活動法人世田谷区聴覚障害者協会 特定非営利活動法人世田谷さくら会 特定非営利活動法人世田谷ミニキャブ区民の会 特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 ふたばの会                     (50音順) <世田谷区自立支援協議会 虐待防止・差別解消・権利擁護部会>