令和6年11月教育環境課 世田谷区学校施設包括管理業務委託実施方針 1 事業概要 (1) 事業名称 世田谷区学校施設包括管理業務 (2) 事業の目的  包括施設管理業務委託とは、複数の公共施設の維持管理業務(設備保守点検や清掃業務、日常修繕業務など)について、技術的なノウハウや専門知識を有する民間事業者に包括的に委託することによって、効率的かつ品質の高い維持管理保全を実現するための手法である。  本業務を実施することで、民間活力の活用により保守・修繕に係る業務負荷を軽減することが可能となる。 老朽化が進む学校施設の改築及び長寿命化、周期的な改修等の事業に対する職員体制を強化し、改築や改修、維持管理を計画的に推進することを目的に、「世田谷区学校施設包括管理業務委託」を導入するものである。 なお、本方針は、業務委託期間満了後、見直す。 (3) 背景 学校施設は、昭和30年代から40年代に集中的に校舎建設が実施されており、 多くの学校施設が築65年の改築等の時期を迎える。そのため、「公共施設等総 合管理計画一部改訂(第二期)」及び「学校施設長寿命化計画(一部改訂)」では、年間3校の改築を進めるとしている。  また、この間、耐震改修や35人学級化、児童数増加への対応、建物の改修周期の見直しにより、同時期に多くの改修工事も行う必要がある。今後、学校施設の改築及び長寿命化、周期的な改修等に係る業務量が急激に増加することが見込まれる。 こうした中、近年PPP(公民連携)の事業手法により公共施設に関する課題解決を図る取組みが全国的な広がりを見せており、包括施設管理業務委託を導入する自治体も増加傾向にある。 このような背景から、本区においても公共施設の総合的かつ計画的な管理の実現手法の一つである包括施設管理業務委託の導入について、令和5年度より検討を開始したところである。 (4) 業務の内容 本業務は、以下の事業内容とする。詳細は、実施要領等(公募型プロポーザル実施要領、仕様書(案)、評価項目・審査基準、既存の業務仕様書、その他参考資料等をいう。以下同じ。)公表時に示す。 @ 事業方式 複数の施設の維持管理業務を包括的に実施する包括施設管理業務委託方式とする。 A 契約期間 全体契約:契約締結日〜令和13年3月31日(5.5年間) ※契約は単年度ごとに締結するものとし、各年度の本事業に係る予算配当があること及び前年度の業務の履行が良好であることを継続的な契約締結の条件とする。 <全体契約の内訳> ア 準備期間 契約締結日〜令和8年3月31日(0.5年間) イ 業務期間 令和8年4月1日〜令和13年3月31日(5年間) B 対象施設及び対象業務 ア 対象施設 計99施設 小中学校(90施設)、幼稚園(8施設)、北沢中学校第二校舎(1施設) イ 対象業務 実施業務 実施内容 マネジメント業務(日常管理業務、不具合通報対応) 巡回点検業務、コールセンター業務 維持管理業務(保守管理・点検等業務) 建築設備、電気設備、防災設備、空調設備、昇降機、機械警備、植栽剪定・伐採、害虫駆除、清掃、プール保守、環境衛生、遊具点検、太陽光発電設備点検等 修繕業務 建築物及び設備等に関する修繕(500万円未満の修繕が対象) C 受託事業者の収入等 上記イに示す各業務を行うことに対して、受託事業者にマネジメント経費を 加味した委託料を支払う。  なお、契約金額は概算となるため、委託料の支払いは、実績に基づく実績払 いとすることを想定している。詳細については、実施要領等公表時に示す。 D 契約期間中の業務内容の変更への対応 契約期間中に、大規模改修工事による施設、設備の変更に伴い、業務内容に変更が生じる場合がある。 なお、この場合は、契約変更により対応する。 (5) 受託事業者の選定方法 受託事業者の選定は、公募型プロポーザル方式で行う。詳細は、実施要領等により提示する。 (6) 区内事業者の積極的活用 業務の再委託に当たっては、区内本店事業者(世田谷区内に本店を有している者)及び区内支店事業者(世田谷区内に支店又は営業所を有している者(以下 「区内事業者」という。)を積極的に活用するものとする。  このことは、事業者選定の際の評価の対象とするとともに、事業開始後については、その実績をモニタリング等で各月及び年度ごとに確認する。(7)法令等の遵守 受託事業者は、本業務を実施するに当たり、必要とされる関係法令等(法律、政令、省令、条例、規則、規定及びガイドライン等を含む。)を遵守するものとする。 2 概算経費 (1) 概算事業費 約55.92億円 <内訳> @ 準備期間(令和7年度) 事業開始に伴う事前準備 約0.12億円 A 管理業務委託期間(令和8年度〜令和12年度) ア マネジメント業務費 約2.16億円(5年間:約10.8億円) イ 維持管理業務費 約4億円(5年間:約20億円) ウ 修繕業務費 約5億円(5年間:約25億円) (2) マネジメント業務費の割合 プロポーザル時の評価対象となるため、他自治体の事例や個別ヒアリングの結果から、維持管理業務費及び修繕業務費に対し、24%程度を見込む。 (3) その他 (1)の概算事業費には、今後見込まれる物価変動の影響額は含まない。契約金 額における物価変動の取扱いは、実施要領等及び契約書の定めによるものとする。 3 公募に関する応募条件等 (1) 応募者の備えるべき参加資格要件 @ 応募者の構成等 本業務の応募者の構成等については、以下のとおりとする。 ア 応募者は、包括施設管理業務を担う能力を有する単体企業又は複数の事業者の共同企業体(以下「JV」という。)とする。 イ JVで応募する場合は、代表構成員を1者選定すること。 ウ JVで応募する場合は、参加表明時に代表構成員及びその他の構成員を明らかにし、各々の役割分担を明確にすること。 エ ウの場合において、参加表明後の応募者の構成員の変更は原則として認めない。ただし、区が承認した場合は、この限りではない。 オ JVの構成員は、単体企業として応募すること、又は他のJVの応募者の構成員となることはできない。 カ 応募者は、本実施要領等の内容を熟知し、業務内容等を十分に理解した上で 当該公募プロポーザルに参加すること。 A 応募者の参加資格要件  応募に当たり、応募者は以下の要件を満たすこと。JVの場合には、代表構成員を含む全ての構成員がアからケの要件を満たすこと。加えて代表構成員は、コ及びサの要件を満たすこと。 ア 世田谷区契約事務規則(昭和39年規則第4号)第4条及び世田谷区指名停止基準(平成7年世経理発第221号)に基づく入札参加停止処分又は指名停止の措置を受けている期間中でないこと。 イ 世田谷区の競争入札参加資格を有すること。 ウ 都道府県民税・市町村民税を滞納していないこと。 エ 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当しない者であること。 オ 会社更生法(平成14年法律第154号)第17条の規定に基づく更生手続き開始の申立て、民事再生法(平成11年法律第225号)第21条の規定に基づく再生手続き開始の申立て又は破産法(平成16年法律第75号)第18条若しくは第19条の規定に基づく破産手続開始の申立てがなされていない者であること。 カ 建設業法(昭和24年法律第100号)第28条第3項若しくは第5項の規定による営業停止の処分を受けていないこと。 キ 応募者は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団、同条第6号に規定する暴力団員及びそれらの者と関係を有する者ではないこと。 ク 本区の地域経済の循環に配慮し、公平・公正な視点に立ちながら、区内事業者(世田谷区内に本店を有している者及び支店又は営業所を有している者)を積極的に活用するよう努める事業者であること。 ケ 世田谷区学校施設包括管理業務委託事業者選定委員会が主宰、役員、顧問及び所属をしている団体でないこと。 コ 本業務の総括責任者として、以下の全てを満たす担当者を選任できる事業者であること。 ? ファシリティマネジメント若しくはビルメンテナンス等の業務責任者として、自社で通算5年以上の実務経験を有する者 ? 本業務に必要な技術力、マネジメント能力を有し、日本語が堪能で、コミュニケーション能力を有する者 ? 契約期間中、原則専任専属できる者(ただし、協議の上、やむを得ないと認められる場合は、変更可能とする。) サ 業務遂行、緊急対応及び連絡・調整・打合せ等に関し、迅速に対応できる体制を構築するため、受託者は拠点を世田谷区内(コールセンターを除く。)に設けること。 (2) 応募に関する留意事項  本プロポーザルは、世田谷区プロポーザル方式の実施に関するガイドラインに基づき、手続きを進める。 @ 実施要領等の承諾 応募者は、実施要領等に記載された内容を承諾の上、応募に参加すること。 A 応募に伴う費用負担 応募に伴う費用は、全て応募者の負担とする。 B 使用言語、単位及び時刻 本業務の応募に関して使用する言語は日本語、単位は計量法(平成4年法律第 51号)に定めるもの、通貨単位は円、時刻は日本標準時とする。 C 本区との契約では単年度で予定価格2,000万円以上の業務委託契約は、世田谷区公契約条例(平成26年条例第27号)の定める労働報酬下限額の対象となる(令和7年度労働報酬下限額(1時間あたり):1,460円)。 D 公正な応募の確保 応募に当たって、応募者は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 (昭和22年法律第54号)に抵触する行為を行ってはならない。  なお、後日、不正な行為が判明した場合、契約の解除等の措置を取ることがある。 E 応募に係る提出書類の取扱い ア 著作権 提出書類の著作権は応募者に帰属する。ただし、区は審査結果の公表等、必 要と認める場合には、提出書類の全部又は一部を無償で使用できるものとする。 また、応募者からの提出書類は返却しない。 イ 特許権等  提案内容に含まれる特許権、実用新案権、意匠権、商標権等の日本国の法に基づいて保護される第三者の権利の対象となっている事業手法、工事材料、施工方法、維持管理方法等を使用した結果生じた責任は、原則として提案を行った応募者が負うものとする。 ウ 情報公開  提出書類は、世田谷区情報公開条例(平成13年条例第6号)第7条各号に掲げるものを除き、情報公開の対象となる。 エ 区の提供する資料の取扱い  応募者(応募を辞退した者を含む。)は、本区が提供する資料を本業務の応募の検討以外の目的で使用することはできない。 E 失格要件 次の失格要件に該当する者と認められた場合は、審査の上、失格とする。 ア 上限金額を超える提案をした場合 イ 本業務の提案に当たり、提案書ほか、応募者の提出する一切の資料(以下「提案書」という。)の内容について、本実施要領の示す要件を満たしていない場 合 ウ 提案書に不備がある場合(各提案項目に対して提案がない等。ただし、軽微な場合を除く。) エ 著しく信義に反する行為があった場合 オ 提案書の内容が、法令違反等著しく不適当な場合、選定に関して自己を有利とする又は他の応募者を不利とするため、選定委員又は区職員等の関係者に対して、面談、連絡等の不当な働きかけを行った場合 カ 提案書の公平性に影響を与える行為があった場合キ 提出された書類に虚偽の記載があった場合ク 提案書の提出がない場合   ケ 提案に関するヒアリングに参加しなかった場合(ただし、参加資格審査で選 定外となった場合を除く。) コ その他、実施要領等の内容に違反した場合 4 公募に伴う応募手続き等 (1) 選定の手順及び予定スケジュール 日程 内容 令和7年5月上旬〜5月下旬 実施要領等の公表施設見学会の実施 実施要領等に関する質問受付 実施要領等に関する質問回答公表 参加表明書及び一次審査用書類の受付 令和7年6月上旬〜6月下旬 参加表明書及び一次審査用書類の提出期限一次審査結果通知送付提案書の受付 令和7年7月中旬 提案書の提出期限 令和7年8月 提案に関するヒアリング(二次審査)の開催優先交渉権者の決定及び公表二次審査結果通知送付 令和7年9月〜 打合せ等、業務準備委託契約締結 令和7年10月〜 業務準備委託開始 令和8年4月1日 管理業務委託開始 (2) 応募手続き @ 実施要領等の公表 令和7年5月上旬頃を目安に実施要領等を区ホームページにおいて公表する。 なお、公表の際は、事業費上限額等のほか、応募者には参考資料として、維持管理業務契約実績(直近3カ年度)、修繕業務(軽易工事)実績、現行業務フロー図及び契約相手方一覧等の配布を予定している。 A 実施要領等に関する質問受付・質問回答公表 実施要領等に関する質問を受け付ける。提出された実施要領等に関する質問への回答は、区ホームページにて公表する。具体的な日程は、実施要領等に示す。ただし、質問を提出した事業者名や事業者の特殊な技術、事業ノウハウ等 に関する事項は公表しない。 B 参加表明書及び一次審査書類の受付、一次審査結果通知の送付 応募者に参加表明書及び資格審査に必要な書類の提出を求める。一次審査の 結果は、全ての応募者にそれぞれ通知する。参加表明書の提出方法・時期、資 格審査に必要な書類の詳細については、実施要領等に示す。 C 提案書の受付 一次審査通過者に対し、実施要領等に基づき本業務に関する提案書の提出を 求める。 なお、提案書の提出方法・時期、提案に必要な書類の詳細等については、実 施要領等により提示する。 5 優先交渉権者の選定方法等 (1) 公募型ブロポーザル方式による選定に関する基本的な考え方 @ 提案の審査は、選定委員会を設置し行う。評価項目及び審査基準は、実施要 領等により公表する。 A 選定委員会においては、業務範囲に係る提案、区内事業者との協働・連携、 資金計画等の各面から総合的に提案書の審査を行う。 B 選定委員会が事業者を選定するまでの間において、応募者が参加資格要件を 欠いた場合、選定しない。 (2) 審査手順に関する事項 審査は、以下の手順により、行うこととする。 @ 資格要件審査(一次審査) 資格審査に必要な書類に基づき、応募者の備えるべき参加資格要件について 審査する。 A 提案審査(二次審査) 実施要領等と併せて公表する評価項目及び審査基準に基づき、選定委員会に おいて総合的に審査する。 B 優先交渉権者の選定 最優秀提案を行った応募者を優先交渉権者として選定するとともに、このこ とを速やかに提案審査書類提出者に通知し、公表する。ただし、優先交渉権者 が本契約締結前に参加資格要件を欠いた場合には、その契約候補者を失格と し、次点の候補者と交渉する。 6 責任の明確化等事業の適正かつ確実な実施の確保に関する事項 (1) 予想される責任及びリスクの分類と官民間での分担 @ 責任分担の考え方 本業務における責任分担の考え方は、適正にリスクを分担し、より低廉で質 の高いサービス提供を目指すものであり、受託事業者が担当する業務について は、受託事業者が責任をもって遂行し、業務に伴い発生するリスクについて は、原則として、受託事業者が負うものとする。ただし、本区が責任を負うべ き合理的な理由がある事項については、本区が責任を負うものとする。 A 予想されるリスクと責任分担 本業務で想定される本区と受託事業者のリスクの分担については、現時点では、「添付資料 リスク分担表(案)」を原則とすることを考えているが、今後検討を進め、実施要領等の公表までに決定する。 (2) 受託事業者の責任の履行に関する事項 受託事業者は、実施要領等と併せて公表する仕様書(案)に基づき作成され た契約書に従い、誠意をもって責任を履行する。 (3) モニタリングの実施 区は、受託事業者が実施する業務に対し、学校施設に係る業務の実施状況の 把握、保守管理の質の向上、業務の効率化等のため、モニタリングを実施す る。 @ モニタリングの方法 受託事業者が提供する管理システムを活用し、作成する業務実施計画書、報告書、維持管理マニュアル等をもとに随時モニタリングを実施するとともに、本区と受託事業者で構成する定例会議の開催等により、モニタリングを実施する。 A モニタリングの費用の負担 モニタリングにかかる費用は、受託事業者の負担とする。 B モニタリングの結果等 モニタリングの結果、本業務の不履行及び要求水準の達成が不十分であると 判断した場合には、改善要求、改善勧告、催告、契約解除等の措置の対象とな る。 7 その他事業の実施に関する事項本事業に関する問合せ先 世田谷区教育委員会事務局教育環境課 住 所:世田谷区世田谷4−21−27 電 話:03−5432−2666 FAX:03−5432−3029添付資料 リスク分担表(案) 本リスク分担表(案)は、本事業における主なリスクに対する基本的な考え方を示すものである。 段階 リスクの種類 No リスクの内容 リスク分担 区 事業者 開始段階 1 公募リスク ? 実施要領等の内容の誤りや変更等に関するもの ○ ? 応募に伴う費用に関するもの ○ 2 契約締結リスク ? 事業者の責めに帰すべき事由による契約締結の遅延又は締結不能 ○ ? 本区の責めに帰すべき事由による契約締結の遅延又は締結不能 ○ 運用段階ほか全段階共通 3 法制度リスク(税制度以外) ? 本業務に直接関係する法制度の新設・変更に関するもの ○ ? 上記以外のもの ○ 4 税制度リスク ? 事業者の利益に関わる税制の変更や新たな税の導入に関するもの ○ ? 消費税ほか上記以外の税制の変更や新たな税の導入に関するもの ○ 5 物価変動リスク ? 物価変動に伴う委託料の増減に関するもの ○ ○ 6 事業の中 断・中止・遅延リスク ? 事業者の破綻等事業者の責めに帰すべき事由によるもの ○ ? 区の債務不履行等、区の責めに帰すべき事由によるもの ○ 7 災害・事故等リスク (情報漏えい等含む) ? 事業者の責めに帰すべき事由によるもの ○ ? 区の責めに帰すべき事由によるもの ○ ? 上記以外のもの(不可抗力(※)) 協議 8 施設・物 品・什器損傷リスク ? 事業者の責めに帰すべき事由によるもの ○ ? 区の責めに帰すべき事由によるもの ○ ? 上記以外のもの(本区所有のものに限る。) ○ 9 クレーム・第三者損害リスク ? 事業者の業務に起因する事由によるもの ○ ? 上記以外のもの ○ 終了段階 10 業務の引継ぎ ? 区及び次期事業者への業務及び管理データの引継ぎ ○ ※区又は事業者のいずれの責めにも帰すことができない自然的又は人為的な現象によるリスクを指す。