11ページ 第3部 マンションの防災対策とは? 世田谷地域では、約10万世帯がマンション・アパート等集合住宅に暮らしています。 マンションに住む人も、災害時は助け合う地域の一員です。 日ごろの備えで、地域と連携しながら防災活動に参加しましょう。 参考 世田谷地域 分譲マンションの分布地図 参考 世田谷地域 分譲マンションの地域別棟数棒グラフ  世田谷地域 1,024棟 北沢地域 457棟 玉川地域 926棟 砧地域 406棟 烏山地域 315棟 出典 世田谷地域分譲マンション実態調査報告書 概要版 令和5年3月発行(世田谷区) ソナエちゃん 世田谷地域にはこんなにたくさんマンションがあったんだね 12ページ 第1章 発災時にマンションで起こること ソナエちゃん 地震!? びっくりした〜最近地震多いなあ… せたすけ 自宅の安全対策を見直しておこう! マンションの特徴 安心面 ・耐震性の高い構造 耐震基準を満たしたマンションは、建物に亀裂や破損が生じることはあっても、倒壊する可能性は低いです。 ・共有スペースの活用 エントランスや共用廊下などの共用スペースは、備蓄品・支援物資の仮置きやエレベーター停止時の滞留場所など、災害時に有効活用できます。 ・お互いに助け合える いざという時に相談したり、情報共有できる存在が身近にいます。まとまって行動すると、大きな力になります。 不安面 ・長周期地震動 長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあり、家具が転倒する可能性があります。 ・共用設備が使えなくなる 停電すると照明やオートロックなど共用設備が使えなくなります。特にエレベーターは閉じ込められたり、高層階の居住者や障害がある人は移動が困難になります。 ・トイレが使えなくなる 上の階が水を流せても、排水管が損傷を受けていた場合、下の階で水があふれる危険があります。 せたすけ マンション防災は、耐震性の高い構造から、「在宅避難」を特にイメージして備えることが大事! 13ページ 第2章 発災時の注意事項 長周期地震動への(心の)備え・耐え 高層マンションでは揺れの周期が長い長周期地震動が発生すると、ゆっくりとした大きな揺れが生じ、家具や家電が転倒し、収容物も散乱します。 発災時、そしてその後の行動を頭にいれ備えておきましょう。 ソナエちゃん 長周期地震動って聞いてはいたけど…こんなに大きく揺れるの!? 家具や窓ガラスから離れる 揺れを感じたら、窓際や転倒する危険のある家具のそばからすぐに離れ、丈夫な机の下に入るなど、身を守る行動をとりましょう。 また、窓ガラスや照明器具等の破片の直撃を避けるため、座布団等周りにあるもので頭をしっかり守りましょう。 9ページの「在宅避難のための日常の備え」を確認しよう! 『自宅での家具類の転倒・落下・移動防止対策』(東京都防災ホームページ) エレベーターを使用しない たとえ動いていても、余震や停電で閉じ込められる危険があります。点検が終わるまではエレベーターは使わずに、非常階段を利用しましょう。 万が一閉じ込められたら、インターホンで連絡を取り、救助を待ちます。 14ページ ソナエちゃん マンションは災害時トイレを流しちゃいけないの!? 在宅避難の時はどうすれば…? せたすけ 落ち着いて!トイレ問題についてみてみよう 第3章 トイレ対策 水を流さない 災害時には、排水管が壊れていないことを確認できるまでは、トイレに水を流さず携帯トイレを使用しましょう。 水が流せても、排水管が壊れていると下水が逆流する危険があります。 ソナエちゃん 下の階では下水が逆流してあふれてしまうかもしれないんだね… 携帯トイレの備え・使い方 1 便器にポリ袋をかぶせた後、養生テープなどで固定し、その上から携帯トイレを設置。 2 用を足し、凝固剤を入れ汚物を固める。 3 携帯トイレだけを便器から取り出し、空気を抜いて口を強くしばる。トイレットペーパーも中に入れよう。 4 密閉できる容器で収集まで保管する。 せたすけ 1人1日約5回を目安に携帯トイレを備えておこう 15ページ 第4章 日常の備え 今からできる、それぞれの備え ・水、食料 1人最低3日分、できれば1週間分の水と食料など、在宅避難のための必需品を準備しておきましょう。 ・携帯トイレ・簡易トイレ トイレ回数は1人1日5回分が目安です。トイレットペーパーや消臭剤、ウェットティッシュなども備えておくとよいでしょう。 ・室内の備え 部屋の安全確認、家具配置の工夫、家具の固定を行いましょう。壁を傷つけられない賃貸住宅などでは、ポール型器具等も活用しましょう。 ・消火(消火器、消火栓) 火災が起こった時に備え、日ごろから消火器や消火栓の位置を確認しておきましょう。 ・感震ブレーカー 地震による電気火災を防ぐには、感震ブレーカーの設置が有効です。 自宅に居ない場合などでも、自動的に住宅内の電源供給が停止し、火災を防ぐことができます。 ソナエちゃん 世田谷区があっせんしている防災用品の詳細はこちら 『防災用品のあっせん』(世田谷区ホームページ) とどまるマンションについて 東京都は、災害による停電時でも、住み慣れた自宅で生活を継続しやすいマンションの情報を登録・公表しています。 具体的な備えの例 ・給水ポンプ機能の確保 ・エレベーター機能の確保 ・防災訓練の実施 ・備蓄品など必要な物資の確保 ・連絡体制の整備 とどまるマンション情報登録・閲覧制度について詳しく知りたいときはこちら。 『東京とどまるマンション情報登録・閲覧制度』(東京都マンションポータルサイト) せたすけ 在宅避難がしやすいマンションについて知っておこう! 世田谷区ではまだまだ登録数は少ないんだ… ソナエちゃん 登録がもっと進めばいいね 16ページ 第5章 居住者どうしの助け合い 災害時、マンションでは、各家庭での対応に加えて、管理組合等をはじめとしたマンション全体での防災が力を発揮します。 そのため、防災区民組織をマンション単位で結成して備えておくことも有効です。日ごろから協力体制を築いておきましょう。 ソナエちゃん 共有スペースを備蓄品の仕分け場所にしたり… 必要な情報を伝えあって、作業分担したり… 地域の防災区民組織の支援活動に協力したりもできるね コミュニケーションでできる防災 日ごろから居住者とのあいさつや声かけを通じて、顔の見える付き合いをしましょう。 災害時への備えは、物だけではなく、コミュニケーションも同じように大切です。 家族だけでなく、居住者やご近所の方とも、付き合い方ひとつでいざというとき助け合える仲間になれるでしょう。 ・日ごろからの顔の見える付き合い 日ごろからあいさつを交わしたり、イベントや共同作業に参加したりしましょう。 ・防災区民組織の結成 世田谷地域では、町会・自治会だけでなく集合住宅単位でも住民どうしの「防災区民組織」が結成されています。 『防災区民組織』(世田谷区ホームページ) ・マンション防災訓練 マンション全体で行われる防災訓練に参加し、住民どうしで日ごろから協力体制を築いておきましょう。 せたすけ まずはあいさつや声掛けから始めようね!