世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第3期) だれもがユニバーサルデザインの視点と心でまちづくり 概要版 令和7年3月 世田谷区 右の音声コードUni-Voiceは、スマートフォンのアプリや専用の読み上げ装置を使用して読み取ることで、音声で概要を聞き取ることができます。なお、コードの横には、その位置が確認できるように切り欠きを入れてあります。 第1章、計画の策定について 1の1、策定の背景  区では、区民、事業者、関係団体と協働して、社会の様々な障壁(バリア)をなくす施策を進め、年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、すべての区民が可能な限り公平に社会参加し、自立できる生活環境の実現をめざし、まちづくりを進めてきました。  これまでの取組みに磨きをかけるとともに、少子高齢化に伴う働き手不足やICTの普及、大規模災害の発生など、新たな社会の変化による課題を踏まえ、世田谷区移動等円滑化促進方針と推進計画の取組みを連携させながら、一体的なユニバーサルデザインのまちづくりを推進し、地域共生社会の実現を目指していくため、平成30年度(2018年度)に策定した「推進計画(第2期)後期」を見直し、「推進計画(第3期)」を策定します。 1の2、推進計画とは  すべての区民が個人として尊重され、共に支えあいながら、将来にわたって活力に満ちた世田谷をつくりあげていくことができるように、区、区民、事業者及び関係団体が協働しながら、だれもが安全で利用しやすい生活環境の整備を推進していくための具体的な計画です。 以下、1ページの後半の内容になります。 1ページの前半の内容は、前のページの音声コードをご確認ください。 1の3、計画の目的  区は、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき生活環境の整備を進めてきました。  これまでの取組みを一層推進するとともに、多様性の尊重や、社会的変化に伴う多様なニーズに対応した、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進することを目的とします。 1の4、計画の位置づけ  推進計画は、ユニバーサルデザイン推進条例第7条第1項に定める、生活環境の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本となる計画です。  区の上位計画である「世田谷区基本構想」「世田谷区基本計画」に示されたビジョンや基本方針等を踏まえるとともに、他の行政計画との連携・整合性を図りながら、世田谷区移動等円滑化促進方針と一体的にユニバーサルデザインのまちづくりを推進していきます。  なお、区の基本計画の実行指針では、「SDGsの目標年次である2030年に向け、基本計画の施策とSDGsとの関連性を明らかにし、関連性を意識しながら分野横断的な施策展開を図り、一体的に推進する」としており、本計画にて関連するゴールは次のものがあげられます。  3、すべての人に健康と福祉を、4、質の高い教育をみんなに、5、ジェンダー平等を実現しよう、10、人や国の不平等をなくそう、11、住み続けられるまちづくりを   ※ユニバーサルデザイン(以下一部UDと表記)とは  年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用しやすい生活環境にする考え方です。   ※生活環境の整備とは 「公共的施設及び住宅の構造、設備等並びに情報及びサービスの提供について適切な措置をとること」とユニバーサルデザイン推進条例第2条で定めています。  なお、公共的施設とは、区立施設だけではなく病院、店舗、学校、道路、公園等の多くの人が利用する施設です。   ※PDF版には世田谷区ユニバーサルデザイン普及啓発キャラクター「せたっち」のイラストが1点あります。 1の5、計画の期間  推進計画(第3期)は、令和7年度(2025年度)から令和16年度(2034年度)までの10年間の計画とします。前期計画4ヶ年、後期計画4ヶ年、調整期間2ヶ年とし、社会状況の変化等を捉えながら中間見直しを行い、推進していきます。 ※PDF版には計画期間の表があります。 第2章、推進計画(第2期)期間中の取組み 2の1、推進計画(第2期)における代表的な取組み (1)保健医療福祉の拠点「うめとぴあ」におけるUD検討会の実施 ・ユニバーサルデザインの工夫やサインに関するUD検討会を平成27年度(2015年度)から令和元年度(2019年度)までに7回実施しました。 ・世田谷区視力障害者福祉協会、世田谷ミニキャブ区民の会、せたがや子育てネットに協力いただきました。 (2)本庁舎等整備におけるUD検討会の実施 ・本庁舎等整備におけるUD検討会を、平成30年度(2018年度)から令和4年度(2022年度)にかけて、8回実施しました。検討テーマは、トイレ・授乳室、避難、区民窓口、中央広場の段差解消、案内サインです。 ・せたがや子育てネット、世田谷区視力障害者福祉協会、元外国人相談員、世田谷区聴覚障害者協会、世田谷区高齢者クラブ連合会、世田谷区肢体不自由児者父母の会、自立生活センターハンズ世田谷、世田谷区手をつなぐ親の会、日本オストミー協会、世田谷さくら会、東京都自閉症協会、にじーずの12団体・個人に協力いただきました。 (3)UDサポーター制度 ・UDサポーターとは、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインのまちづくりを進めるため、UDに関心があり、区のUD推進事業に一緒に取り組んでいただく仲間です。 ・令和3年度(2021年度)にUDサポーター制度を制定しました。現在約40名の登録があり、UD検討会のオブザーバー参加、意見交換会やUDワークショップへの参加等、様々な事業に参加していただいています。 ※PDF版には写真が3枚あります。 案内サインのUD検討をしているもの、模型を見て触りながら設計内容確認をしている様子のもの、UDサポーター養成講座中のものです。 2の2 先導的共生社会ホストタウンの取組み (1)先導的共生社会ホストタウンの取組み ・「馬術競技を開催する馬事公苑界わいの魅力向上(安全な歩行空間の確保)」「ユニバーサルデザインによる区立大蔵運動場陸上競技場の整備」「スポーツを通じた障害のある人とない人の交流」「小・中学校での障害理解教育」などを実施してきました。 (2)世田谷区移動等円滑化促進方針の策定 ・世田谷区移動等円滑化促進方針は、推進計画と一体的な施策の推進をすることで、区全域のユニバーサルデザインのまちづくりの底上げを図ります。また、促進地区(世田谷区役所周辺地区)を選定し、促進地区内に生活関連施設、生活関連経路を設定しています。 ※PDF版には写真が2枚あります。 UDの視点でまち歩きをしているもの、店舗への取り外し可能な簡易スロープを設置しているお店の出入口に車いす使用者が入ろうとしているものです。 第3章、推進計画(第3期)の考え方 3の1、社会の変化 かっこ1、環境の変化 1、新築だけではなく、既存施設や小規模施設のUD整備が求められました。 2、少子高齢化の進展や外国人居住の増加等により、ニーズの多様化が進みました。 3、大規模災害が発生し、災害に関する情報発信や避難所等のUD整備が求められました。 かっこ2、区民の生活の変化 1、東京2020大会を契機に、心のバリアフリーの取組みが進んでいます。 2、感染症予防に係る行動やICTの活用の普及により「新しい生活様式」が浸透しました。 かっこ3、制度等の充実 1、障害を理由とした差別の禁止と合理的配慮の提供が義務化されました。 2、「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が施行されました。 3、「世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例」が施行されました。 4、「世田谷区手話言語条例」が施行されました。 5、「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の施行、希望計画が策定されました。 ※PDF版には世田谷区ユニバーサルデザイン普及啓発キャラクター「せたっち」のイラストが1点あります。 3の2、見直しの課題 かっこ1、社会的課題 1、公平・平等な社会参加を推進するために社会的障壁を除去する必要があります。 2、ICTの普及に伴い、利用することができない人が取り残されないよう配慮する必要があります。 3、あらゆる世代へ心のバリアフリーの普及に取り組む必要があります。 4、区民等(区民、事業者、区内活動団体)と区が協働してUD推進に取り組む必要があります。 かっこ2、推進計画(第2期)におけるUD推進事業の課題 1、推進計画は、より効果的に施策・事業を進めるため、適宜スパイラルアップの進め方を見直す必要があります。 2、区民参加の機会を増やし、区民との協働を推進する必要があります。 3、UD推進事業所管と連携して推進する必要があります。 3の3、推進計画(第3期)の方向性 1、だれもが公平・平等に利用でき、社会参加できるように、社会的障壁の除去に取り組みます。 2、地域の一体的なUD整備に取り組みます。 3、区民等への情報発信等に取り組みます。 4、区民等の参加と協働の機会の創出に取り組みます。 5、推進計画の効果的なスパイラルアップに取り組みます。 第4章、計画の基本理念、取組み方針、施策、取組み 4の1、推進計画(第3期)の体系について  推進計画(第3期)では、これまでの取組みの底上げを図るとともに、第2期計画期間における課題や新たな社会の変化を踏まえ、計画の基本理念と基本理念を実現する3の取組み方針を新たに示し、取組み方針に基づく10の施策と34の取組みにより、だれもが公平・平等に社会参加できるまちづくりを進めていきます。  なお、ユニバーサルデザイン推進条例で定める推進計画に定める事項「生活環境の整備に関する目標」は「基本理念」・「3の取組み方針」、「生活環境の整備に関する重点施策」は「10の施策」、「生活環境の整備に関する重要事項」は「34の取組み」としました。 ※PDF版には推進計画(第3期)の体系と推進計画に定める事項の関係図があります。 「4の2、基本理念」「4の3、取組み方針」は次のページの「4の4、計画の体系図」を参照。 4の4、計画の体系図 ユニバーサルデザイン推進条例の目的 ・「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインに基づく、生活環境の整備 ・区、区民及び事業者の相互の理解及び協働 ユニバーサルデザイン推進条例に基づき、推進計画に定める事項 (1)生活環境の整備に関する目標 (2)生活環境の整備に関する重点施策 (3)生活環境の整備に関する重要事項 ユニバーサルデザイン推進計画、基本理念 社会における様々な障壁(バリア)をなくすにとどまらず、すべての区民の基本的人権が尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に公平・平等に参加できるまちづくりを目指します。 3の取組み方針 取組み方針1、ユニバーサルデザインでだれもが利用できるまちづくり ・だれもが自由に移動でき、公平・平等に利用できるよう生活環境の整備を進め、安全で安心して快適に暮らせるまちづくりに取り組みます 取組み方針2、ユニバーサルデザインによる情報の発信と取得、利用 ・だれもが公平・平等に情報を受け取り、サービスが利用できるよう、情報発信の手法の多様化を進め、取り残されることなく情報を取得し利用できるよう取り組みます 取組み方針3、参加と協働でユニバーサルデザインのまちづくり ・区民等の参加の場をより一層増やし、引き続きユニバーサルデザインの理解促進・普及啓発に取り組みます ・生活環境の整備にあたっては、多様なニーズを反映させるため、区民等との協働に取り組みます 6ページ 10の施策、34の取組み 施策1、ユニバーサルデザインによる区立施設の整備推進 取組み1の1、区立施設のユニバーサルデザイン整備推進 1の2、区立小中学校のユニバーサルデザイン整備推進 1の3、既存区立施設のバリアフリー改修推進 施策2、ユニバーサルデザインによる道路環境の整備推進 取組み2の1、ほこうしゃ空間のユニバーサルデザイン整備推進 2の2、道路の不法占用物件除却の推進 2の3、放置自転車対策等の推進 施策3、ユニバーサルデザインによる公園緑地等の整備推進 取組み3の1、公園緑地等のユニバーサルデザイン整備推進 施策4、ユニバーサルデザインによる交通移動サービスの充実 取組み4の1、公共交通施設・車両のバリアフリー整備の促進 4の2、公共交通不便地域対策の推進 4の3、福祉移動サービスの周知 施策5、民間施設へのユニバーサルデザイン整備支援 取組み5の1、小規模店舗等におけるユニバーサルデザイン改修の支援 5の2、商店等における合理的配慮の提供支援 施策6、ユニバーサルデザインによる情報の発信と取得、利用 取組み6の1、窓口でのコミュニケーションツールの活用 6の2、利用者に配慮した情報発信 6の3、災害に備えた情報発信 施策7、ユニバーサルデザイン情報の蓄積・活用 取組み7の1、トイレ・ベンチ等情報の公開・更新 7の2、ユニバーサルデザイン整備事例の蓄積・公開 7の3、ユニバーサルデザイン普及啓発冊子の発行 7の4、住宅のユニバーサルデザイン情報冊子の発行 7の5、ユニバーサルデザインガイドラインの周知 施策8、ユニバーサルデザインの普及啓発 取組み8の1、出張講座の実施 8の2、ユニバーサルデザインを学ぶイベントの開催 8の3、ユニバーサルスポーツの推進 8の4、防災塾の実施 8の5、外国人向け防災教室の実施 8の6、認知症の人にやさしい地域づくりの推進[新規] 施策9、ユニバーサルデザインの担い手づくり 取組み9の1、ユニバーサルデザインの取組みを広げる担い手づくり 9の2、防災に関する担い手の育成 9の3、職員のユニバーサルデザインに関する研修の実施 9の4、「やさしい日本語」研修等の実施 9の5、教職員のユニバーサルデザインに関する研修の推進[新規] 施策10、ユニバーサルデザインの取組みの推進 取組み10の1、整備基準の適切な運用と見直し 10の2、ユニバーサルデザイン検討会・点検の実施 10の3、ユニバーサルデザインアドバイザーの派遣 第5章、ユニバーサルデザインの推進の仕組み 5の1、施策における取組みの継続的なスパイラルアップ(点検・評価・改善)  推進計画(第3期)では、これまでの推進計画で実施してきた点検・評価・改善の手順により、段階的・継続的な発展を目指したスパイラルアップを行うことで、ユニバーサルデザインの質の向上を図り、基本理念の達成を目指します。  各施策における取組みについては、担当所管課で点検・自己評価(Check)を行います。そして、ユニバーサルデザイン環境整備審議会からの意見を踏まえ、改善(Action)した計画(Plan)を立て、実行(Do)するピー ディー シー エー サイクルで進めます。 ※PDF版には、ピー ディー シー エー サイクルとスパイラルアップのイメージ図があります。 5の2、ユニバーサルデザイン環境整備審議会と庁内推進体制による施策の展開  ユニバーサルデザイン環境整備審議会は、だれもが公平・平等に利用できる生活環境の整備を進めるため、ユニバーサルデザイン推進の10の施策に対し講評・提案を行います。担当所管課は、事務局(都市デザイン課)と連携し、ユニバーサルデザイン環境整備審議会からの施策の講評・提案をもとに、施策・取組みについて整備後の点検、自己評価、対応策・計画、整備・実施の手順を繰り返し、継続的な発展を目指します。  また、全庁的な推進体制として、ユニバーサルデザイン推進委員会を設置し、推進計画の進捗管理等を行うことで施策・取組みの展開を図ります。 5の3、ユニバーサルデザイン推進に向けた協働体制  推進計画全体の基本理念を達成するため、区、区民、事業者(商店、鉄道事業者等)及び区内活動団体(NPO、地域活動団体等)が連携・協働し、幅広い視点からの意見を取り入れながら、ユニバーサルデザインの推進、普及啓発に努めます。 ※PDF版には区、区民、事業者、区内活動団体の協働体制のイメージ図があります。 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第3期) 概要版 発行年月日 令和7年4月 編集・発行 世田谷区 都市整備政策部 都市デザイン課 住所 〒158-0094 世田谷区玉川1-20-1 電話 03-6432-7152 ファクシミリ 03-6432-7996 広報印刷物登録番号 No.2311 ※PDF版には世田谷区ユニバーサルデザイン普及啓発キャラクター「せたっち」のイラストが1点あります。