8ページ 8ページに、イラスト2点、写真1点を掲載しています。 インタビュー あなたのお出かけ、どうですか? インタビュー1 難波創太氏 ボディケア・キッチン るくぜん 院長 写真1:難波氏のプロフィール写真 2007年に事故で失明してから、盲導犬の“ピース”と一緒に生活しています。盲導犬は生き物なので食事、排泄、健康管理と清潔を保つための世話が毎日あります。 盲導犬の仕事は3つで、「段差の前で止まる」「道の曲がり角を教える」「障害物を避ける」です。慣れた道はすいすいと気持ちよく歩くことができます。しかし目的地に勝手に連れて行ってくれるわけではないので道に迷うこともあります。 私の指示で歩いているので、間違って車道を歩いていることもあります。そんな私たちを見かけて「危ない!」と声をかけてくれる親切な方がいます。しかし私は何が危ないのか分かりません。「盲導犬の方、今車道を歩いていますよ」と具体的に教えていただけると安心できます。 盲導犬は人間が大好きになるように育てられていますので、「かわいいね?」と触ろうとする人に向かって行ってしまいます。そうすると私たちは進んでいる方向を失ってしまいます。できれば温かく見守っていただけると安心して歩くことができます。 インタビュー2 子育て世帯に聞きました せたっち家族のイラスト2点 段差があるとベビーカーでの移動は大変なので、段差や階段にはスロープやエレベーターがあると外出しやすいです。ベビーカーを持って一緒に階段を上ってもらえたときは助かりました。 おむつ交換ができるトイレや授乳室があると安心です。おむつ交換台は、後ろに並ぶ列がプレッシャーに感じるので、複数あると嬉しいです。また、おむつを捨てられるごみ箱があると便利です。 狭いお店はベビーカーの移動が困難なので、抱っこ紐にするなど行き先に合わせて使い分けています。 子どもが泣いても温かく見守ってくれると嬉しいです。 9ページ 9ページに、イラスト1点。写真7点を掲載しています。 2024年度の「UDワークショップ」 ワークショップ1回目 1回目のワークショップでは、移動のUDをテーマにまち歩きをしました。 車いすの人、目が不自由な人、耳が不自由な人と世田谷線に乗ったり、松陰神社参道商店街で買い物をして、UDのわくわくポイントを発見しました。 写真1:うめとぴあを見学した様子。案内板について説明を受けています。 写真2、3:車いす使用者の買い物の様子。お煎餅やメガネ拭きを買いました。 写真4、5:松陰神社を車いす使用者と歩く様子。松陰神社で散策したり、お守りを買ったよ。 ワークショップ2回目 2回目のワークショップでは、移動のUDを進化させるために必要なことを考えました。盲導犬と一緒に歩く難波氏、車いすを使用する川内先生に講演いただき、参加者みんなでまちを楽しく歩ける方法を考えました。 写真6:グループワーク中の様子。 写真7:会場の様子。 ここが外出のポイント (川内先生の話) 川内美彦氏 アクセシビリティ研究所 イラスト:川内先生の似顔絵 世田谷区役所のまわりには車いすでスムーズに入れるお店や、駅から区役所までの道に点字ブロックがあるなど、多くの人とは異なる移動手段を使う人に対してまちが合わせようとしていることが分かります。 それでも「使いづらい」「困った」などというお客さんはいます。そのときは、お客さんの希望を確認し、互いが解決策をめざして対話(建設的対話)・実行する(合理的配慮)ことが大事です。 環境の整備が進んだまちは、「できない」の縛りを取り除いてくれます。安心して歩けることで、まちの本来の魅力を感じることができ、まわりのさまざまな人とのふれあいを楽しむことができます。世田谷ではその土台作りを進めています。さらによくするための工夫や改善、それが「わくわく」するまちにつながると思います。