資料12 別紙4  当事者ヒアリングについて 第4回臨時部会(当事者ヒアリング)実施概要 1 実施日 令和2年12月20日(日)(第4回児童福祉審議会臨時部会) 2 実施方式 次の1〜3のパートごとにヒアリングを実施(各40分・非公開形式) 1 社会的養護の当事者(3名) 対象 施設・里親のもとで養育された経験のある者 選定 区内施設に2名、養育家庭の会に1名の推薦を依頼 2 養育家庭の当事者(4名) 対象 養育家庭の会代表 選定 養育家庭の会に推薦を依頼 3 施設の当事者(3人) 対象 区内3施設の代表 3 進行 (1)参考人(当事者)は、ヒアリングの冒頭で、事前に通告したヒアリング事項についての各人の意見等を述べる。 1 社会的養護の当事者 退所後の支援の認知度と満足度、伴走型支援に対する意見(参考に提示した支援の例示に対する意見) 2 養育家庭の当事者 現在の区の取り組み(里親支援)に対する評価・意見、区の里親委託率の目標設定に対する意見 3 施設の当事者 区の地域性を踏まえた今後の施設の役割・方向性と区の支援のあり方、区の里親委託率の目標設定に対する意見 (2)各委員は、参考人の意見を聞いたうえで、追加の質問を行う。 発言した当事者のプライバシー保護のため、発言内容の詳細は省略している。 網掛け部ハ当区の計画として特徴的なものを示す。 1 都・特別区等との共通基準、運用の見直し 1 里親制度上の課題養育家庭 2 里親委託にあたっての児童の成育歴等の提供 養育家庭 「第3章 世田谷区における具体的な取り組み」に「子どもの最善の利益の実現に向けた率先した取り組み」の項を設け、次の要旨を掲げるものとする(41ページ)。 当事者の意見を聞く機会の確保に努め、子どもの最善の利益の視点から、これらの意見を踏まえた適切な基準の制定・運用に努める。 国の定める基準や、都・特別区で統一を図っている基準・運営等についても、必要に応じて関係機関へ積極的に見直しを提案するとともに、見直しの実現に向けて率先して取り組むものとする。 意見で挙げられた個別事項(里親委託における親担当・子担当の児童相談所の役割分担、里親認定基準、里親への養育委託にあたっての児童情報の伝達)については、上記の項において、本計画の策定過程における当事者意見の例として、参考に付記するものとする。 3 出自を知る権利の保障 養育家庭 前項と同様に、「子どもの最善の利益の実現に向けた率先した取り組み」の項において、本計画の策定過程における当事者意見の例として、「出自を知る権利の保障の観点からの児童票の保存年限や養育記録の開示のあり方」を参考に付記するものとする。(41ページ) 2 子どもの意見表明・権利擁護 4 意見表明・権利擁護 社会的養護 「10 子どもの権利擁護」の項に、次の要旨を加えるものとする(64ページ)。 児童は、児童本人の意向により相談先を主体的に選択できる権利を有することを踏まえ、年齢や環境にあわせたきめ細やかな相談先の情報発信とともに、SNSなどの情報・連絡ツールを活用した相談方法の開発などに取り組む。 児童養護施設や養育家庭における権利ノートの活用状況について、児童相談所の担当の児童福祉司が児童面接の際などにチェックを行い、必要に応じて適切な子どもへの説明が行われるよう改善を図るものとする。 3 家庭復帰 5 家庭復帰 施設 「4 家族再統合に向けた取り組み」の項に、次の要旨を加えるものとする(46ページ)。 児童相談所、フォスタリング機関、里親、児童養護施設等は、パーマネンシー保障の観点が最優先されることを共通認識とし、協力して子どもの家庭復帰に取り組むよう努めるものとする。 4 学校教育・学習支援 6 学校教育 施設 「3 予防型の児童相談行政の構築」の項に、次の要旨を加えるものとする(45ページ)。 要保護児童支援協議会は、発達障害を持つ児童など、ケアニーズの高い児童も支援の対象であることを再認識するとともに、協議会に参画する関係機関は協力し、学校・教員への積極的な支援に取り組むものとする。 ケアニーズの高い児童を施設・里親へ措置するにあたっては、児童相談所は、学校に情報提供を行い、支援に必要な情報の共有と支援方針の確認を行うなど、きめ細やかな連携に努めるものとする。 7 学習支援 養育家庭 「6 家庭と同様の環境における代替養育の推進」の項に、次の要旨を加えるものとする(51ページ)。 施設・里親に委託された児童のうち、学習に課題を抱える児童の支援として、学習ボランティアの積極的な活用を図るものとし、効果やニーズ量の動向を踏まえて充実を図るものとする。 5 今後の施設のあり方 番号意見当事者区分計画への反映 8 地域の中での役割 施設 「7 施設におけるできる限り良好な家庭的環境の整備」の項に、次の要旨を加えるものとする(54ページ)。 施設と地域のかかわりを促進し、ひいては地域による施設への支援と、施設による地域貢献の双方の充実を図るものとする。 個々の児童の状況にあわせて最善の養育環境を提供するため、施設に入所中の児童についても、地域の中で展開される 各種の子育て支援サービス等を柔軟に利用できるよう、それぞれのサービス等が定める利用条件や運用等の見直しに向けて取り組む。 9 施設の小規模化 施設 「7 施設におけるできる限り良好な家庭的環境の整備」の項に、次の要旨を加えるものとする(53ページ)。 区は、国の示す小規模かつ地域分散化の推進に沿い、施設がグループホームの定員6人を4〜5人に引き下げるなど、少人数化に向けた体制整備を進めるにあたっては、国庫補助金を活用した財政支援等を行うなど、より家庭的な環境の促進を図るものとする。 6 里親委託率の目標設定について 番号意見当事者区分計画への反映 10 素案で掲げる目標値を是とする意見 養育家庭 11 より高い目標設定を望む意見 養育家庭 12 素案で掲げる目標に対する懸念等 養育家庭 13 素案で掲げる目標に対する懸念等 施設 14 素案で掲げる目標に対する懸念等 社会的養護 意見の補足 国の「新しい社会的養育ビジョン」※1では、目標とすべき里親委託率とその達成時期の目途が示されている※2。 これに対し、世田谷区社会的養育推進計画素案が掲げる目標達成時期は、ビジョンで示された達成時期の目途よりも前倒ししたものとなっていること※3に対するご意見 ※1 平成28年の児童福祉法改正の理念を具体化するために、国による「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」が平成29年8月にまとめた報告書。 ※2 ビジョンでは、「愛着形成に最も重要な時期である3歳未満については概ね5年以内に、それ以外の就学前の子どもについては概ね7年以内に里親委託率75%以上を実現し、学童期以降は概ね10年以内を目途に里親委託率50%以上を実現する」とされている。 ※3 世田谷区社会的養育推進計画素案では、児童の年齢にかかわらず、目標の達成時期を計画の施行開始から4年目にあたる令和6年度としている(委託率についてはビジョンに示されたとおり)。 「第4章 里親等委託・施設養育の推計と目標」の冒頭に「目標設定にあたっての基本的な考え方」の項を設け、次の要旨を掲げるものとする(68ページ)。 区は、数値目標を定め、その達成に向けて取り組むにあたっては、機械的に措置を決定するのではなく、個々の子どもに対する具体的な措置は児童相談所における「家庭養育優先原則」を十分踏まえたアセスメントの結果に基づき、子どもの最善の利益の観点から行い、子どもにとって最適な環境での養育を最優先に考えるものとする。 7 里親制度の拡充に向けた取り組み 15 区の機関・地域との連携 養育家庭 16 区の機関・地域との連携 施設 「6 家庭と同様の環境における代替養育の推進」の項に、次の要旨を加えるものとする(50ページ)。 里親制度に対する地域・行政の理解促進に努め、里親家庭が安心して地域とのつながりが持てる環境の実現を目指す。 17 ケアニーズの高い児童の里親委託 養育家庭 「6 家庭と同様の環境における代替養育の推進」の項に、次の要旨を加えるものとする(52ページ)。 障害児施設に入所中の児童についても、より望ましい養育環境を選択でき、かつそのひとつとして里親養育を選択できるよう、専門性の高い里親の養成と、その支援体制の整備に努める。 18 里親等委託率向上に向けた提案 養育家庭 19 レスパイトケアの充実 養育家庭 「6 家庭と同様の環境における代替養育の推進」の項に、次の要旨を加えるものとする(51ページ)。 里親制度の促進に向け、制度設計の見直しや支援の充実について、あらゆる機会を通じて国・都へ働きかけるとともに、その実現に率先して取り組むものとする。 20 自主活動・区民の支援 養育家庭 21 自主活動・区民の支援 施設 「6 家庭と同様の環境における代替養育の推進」の項に、次の要旨を加えるものとする(50、51ページ)。 里親同士が支援しあう自主活動の強化に向け、区の支援の充実を図るとともに、区民が多様な方法で里親家庭を支援できる仕組み作りに取り組む。 8 児童養護施設退所者等奨学基金の見直し 22 給付型奨学金 社会的養護 23 ユースワーカー 社会的養護 24ユースワーカー 養育家庭 25 入所中からの一貫した支援 社会的養護 26 入所中からの一貫した支援 施設 27 支援のつなぎ 養育家庭 「8 代替養育のもとで育つ子どもたちの自立支援」の項に、次の要旨を加えるものとする(57ページ)。 ・区は、社会情勢の急激な変化により、退所者等の自立がさらに困難さを増す中、給付型奨学基金に寄せられた寄附を最 大限活用し、区民等の厚志が着実に退所者等の社会的自立に活かされるよう、速やかにせたがや若者フェアスタート事業 の見直しに取り組む。 ア、検討にあたっての視点 ・自立に向けた準備段階である中学生から退所後の30歳代まで、施設・里親のもとで生活する時点から退所後までの一貫 した支援が求められていること。 ・就学・就職・就業訓練等の退所後の進路の選択にかかわらず、個々の退所者等が社会生活を送るうえで抱えている課題 の克服に資する支援が求められていること(退所後も相談できる窓口の設置や、生活相談、就職活動・就業訓練・住居探 し等にあたっての助言・付き添い、弁護士等の紹介等のソーシャルワークによる支援など)。 ・多様な進路選択に向け、受験勉強や資格取得、就業訓練、就職準備などに自由に取り組むことができるよう、現行の 国・都の支弁に加えての自由度の高い経済的な支援が求められていること。 イ、見直しに取り組むにあたり考慮すべき事項 給付型奨学基金に寄せられた区民等の厚意に沿い、寄附が最大限活かされた制度設計に努めると同時に、支援の持続可能性や、類似事業の重複による不合理を避ける視点から、国・都による自立支援事業を基本に、区独自の上乗せ支援として設計するなどの工夫に努めるものとする。 9 その他フェアスタート事業(居場所・地域交流事業、住居支援)の充実 28 居場所・地域交流支援に望むこと 社会的養護 「8 代替養育のもとで育った子どもたちの自立支援」の項に、次の要旨を加えるものとする(57ページ)。 ア、検討にあたっての視点 居場所・地域交流支援の見直しにあたっては、施設・里親のもとで生活するうちから、退所後を見据えての児童同士の交流や、居場所・地域とのつながりを作る機会を設けるなどの工夫が求められていること。 イ、見直しに取り組むにあたり考慮すべき事項 居場所・地域交流支援の見直しにあたっては、よりきめ細やかな自立準備のためのプロセスづくりを含めての検討を行うなど、事業効果の向上に向けた工夫に努めるものとする。 29 住宅支援に望むこと 社会的養護 30 住宅支援に望むこと 施設 「8 代替養育のもとで育つ子どもたちの自立支援」の項に、次の要旨を加えるものとする(57、58ページ)。 ア、検討にあたっての視点 住宅支援の見直しにあたっては、単身入居を希望する児童や、手厚い生活援助など、退所者等には多様なニーズがあることを踏まえる必要があること。 イ、見直しに取り組むにあたり考慮すべき事項 住宅支援の見直しにあたっては、ニーズ量の動向等を見極め、優先度の高いニーズから新たな支援を展開するなど、速やかな実施に向けた工夫に努めるものとする。