資料10 生活困窮世帯の子どもへの生活応援給付事業の実績等について 子ども・若者部子ども家庭課 1 主旨 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、保護者の失業・休業に伴う収入減、休校中の食費や教育費等の家計の負担増のため、深刻な状況に直面している生活困窮世帯の家計負担の軽減を図り、子どもの育ちと学びを支援するために生活を応援する給付事業を臨時的に実施したので、その実績等を報告する。 2 生活困窮世帯の子どもへの生活応援給付事業の実績 実施にあたっては、国・都・区による新型コロナウイルス関連の子育て世帯に対する支援策が十分でなかったふたり親家庭や、高校生世代の子どもへの支援に焦点をあてた。 給付事業の概要については別紙1を参照 (1)生活困窮世帯の子どもへの主食の応援(お米10キロ支給) 配付世帯数 計3,457世帯 内訳 1 ひとり親世帯臨時特別給付金受給世帯 3,342世帯 2 高校生世代の子どものいるふたり親の生活保護受給世帯 11世帯 3 高校生世代の子どものいるふたり親の住民税非課税世帯 104世帯 (2)高校生世代の子どもへの生活応援(区内共通商品券3万円支給) 配付人数 計736人 内訳 1 ふたり親の住民税非課税世帯の高校生世代の子ども 121人 2 ひとり親の住民税非課税世帯の高校生世代の子ども 615人 (3)中学3年生への新生活応援(区内共通商品券3万円支給) 配付人数 計940人 内訳 1 生活保護受給世帯 39人 2 就学援助(全費目)受給世帯 901人 3 生活困窮世帯の子どもへの生活応援給付事業に併せて実施した調査結果 別紙2のとおり 4 今後の支援の充実に向けた方向性について 今回の給付事業や併せて実施した調査結果等を踏まえ、国や都の動向も注視しながら、新たに作成した子どもと家族の生活応援ガイドブックや気づきのシートを活用するなど生活困窮世帯を必要な支援につなぐ仕組みの強化を図る。また、新たに開始する学習・生活支援の拠点事業を通じて、生活困窮世帯の中学生への支援を充実すると同時に、養育費の取り決めを促進させる取り組みや母子生活支援施設を活用した地域のひとり親家庭への支援の検討など、さらなる支援の充実に向け庁内での検討を進めていく。 生活困窮世帯の子どもへの生活応援給付事業に併せて実施した「子どもの生活に関するアンケート」調査結果について 1 調査の概要 (1)調査の目的 給付事業の機会を活用し、新型コロナウイルスの感染拡大による生活困窮世帯の子どもの生活への影響等の実態を把握し、今後の子どもの貧困対策の推進において対策を講じていく検討材料とするため。 (2)調査対象者・数(調査実施期間中に支給を受けた者)、有効回答数・率の表 (3)主な調査項目 1 保護者に対する項目 新型コロナウイルス感染拡大の家庭の生活(家計)及び子どもの生活への影響 ひとり親世帯臨時特別給付金受給世帯の保護者には養育費、中学3年生の子どものいる就学援助受給世帯の保護者には、平日夜間・休日の子どもの過ごし方及び学校外の学習状況についての設問を追加 2 高校生世代の子どもに対する項目 新型コロナウイルス感染拡大下の子どもの気持ちと生活 (4)調査方法 ウェブ調査(インターネットでの回答が難しい場合はアンケート用紙にて回答) (5)調査期間 令和2年11月26日〜令和3年1月24日 2 調査結果 (1)調査から見えた主な状況 新型コロナウイルス感染拡大前の令和2年2月の世帯収入と比べて、令和2年11月の世帯収入が「ほぼゼロになった」「半分に減った」との回答は、約2〜3割を占めている。 休校・休園中に、「お子さんと過ごす時間が増えた」、「お子さんと話す時間が増えた」と回答した割合が高いと同時に、「家庭内でのストレスが高まった」との回答も約4〜5割を占めている。 中学3年生の保護者の約2割が、学習塾や家庭教師の利用が「経済的にできない」と回答し、そのうちその理由として「新型コロナウイルス感染拡大に伴う収入減によるものである」との回答は4割弱を占めている。 ひとり親家庭の約7割が養育費を「もらっていない」と回答し、その理由として養育費の取り決めを行わなかったとの回答が多数を占めている。 (2)調査結果の概要 別紙のとおり 調査結果の概要 1 家計の状況 (1)世帯の月額収入の変化 令和2年2月と比べた世帯の月額収入の変化をたずねたところ、令和2年6月の収入では約2〜4割が、令和2年11月の収入では約2〜3割が「ほぼゼロになった」「半分に減った」と回答した。 (2)食料が買えなかった経験 約4割が過去1年間に食料困窮の経験があり、そのうち約6〜8割がその理由として新型コロナウイルスの感染拡大に伴う収入減によるものであると回答した。 (3)公共料金等が払えなかった経験 約1〜2割が過去1年間に公共料金等が払えなかった経験があり、その理由として新型コロナウイルス感染拡大に伴う収入減によるものであると回答した割合は、住民税所得割の非課税世帯である高校生世代の子どものいる保護者にて高い。 (4)主たる生計者の仕事への影響 約1割が「失業した」と回答し、「勤務時間の減少などにより収入が減った」と回答したのは約6割を占めた。 2 臨時休校、臨時休園・登園自粛による子どもへの影響 (1)保護者の回答から 1 未就学児 約8割が「お子さんと過ごす時間が増えた」、約7割が「お子さんと話す時間が増えた」と回答すると同時に、6割弱が「家庭内のストレスが高まった」と回答した。 2 小学生・中学生・高校生 「お子さんがゲームやスマホを見る時間が増えた」、「お子さんの体力が低下した」との回答が上位を占めている。 (2)高校生世代の子どもの回答から 休校中に、約8割が「友達に会いたいと思った」、7割弱が「学校に行きたいと思った」と回答した。 3 子どもの学習状況 (1)中学3年生の状況 1 平日夜間・休日の過ごし方 約1割が、平日の夜間および休日の午後に中学3年生の子どもが「一人でいる」と回答した。 2 学習塾や家庭教師の利用状況 約2割が学習塾や家庭教師の利用が経済的にできず、そのうちその理由として「新型コロナウイルス感染拡大に伴う収入減によるものである」との回答が4割弱を占めている。 (2)高校生世代の子どもの状況 1 家庭でのオンライン学習の経験 8割弱が家庭でオンライン学習をした経験がある。 2 家庭でオンライン学習を受けることができる環境 約9割が家庭でオンライン学習を受ける環境があるが、1割弱はない。 3 家庭の学習環境や情報機器の所有状況 「持ちたいが持っていない」ものとして、「自分の部屋」との回答が最も多く、「パソコンやタブレット」「家の中で勉強できる場所」との回答が続いている。 4 ひとり親家庭の養育費の状況 (1)養育費の受給状況 約3割が養育費をもらっているが、約7割はもらっていない。 (2)養育費についての取り決め 約3割が調停で取り決めており、約4割が書面で取り決めている。 (3)養育費をもらっていない理由 養育費をもらっていない人のうち、その理由としては、「相手と関わりたくなく、養育費の取り決めを行わなかった」「養育費の取り決めはしたが、相手からの支払いがない」「相手に支払う意欲または能力がないと思い、養育費の取り決めを行わなかった」との回答がいずれも約3割を占めている。 平成30年度に実施したひとり親家庭アンケート調査でも養育費に関する同様の設問があったが、ひとり親家庭アンケート調査の対象は児童育成手当受給世帯、本調査の対象はひとり親世帯臨時特別給付金受給世帯(主に児童扶養手当受給世帯)と、対象が異なるため単純比較はできない。