第4回世田谷区子ども・子育て会議議事録
日時
令和5年2月14日（火曜日）午前9時30分から

場所
世田谷区役所第1庁舎5階　庁議室

出席委員
森田会長、天野副会長、池本委員、普光院委員、久保田委員、佐藤委員、米原委員、
飯田委員、松田委員、吉原委員、布川委員、久芳委員、金子貴昭委員、
金子永美子委員、飯塚委員、髙島委員、久米委員

欠席委員
呉委員

事務局
柳澤子ども・若者部長、和田保育部長、嶋津子ども・若者支援課長、須田児童課長、
小松子ども家庭課長、木田児童相談支援課長、伊藤保育課長、松岡保育認定・調整課長、志賀保育運営・整備支援課長、本田乳幼児教育・保育支援課長、宮川障害施策推進課長、宮本健康推進課長、宇田川統括指導主事、大里子ども家庭支援課長

資料
・資料1　世田谷区子ども条例と子どもの権利に関する報告書（案）
・資料2　令和5年度子どもの生活実態調査（高校生世代アンケート調査）について
・資料2（別紙）世田谷区平成30年度子どもの生活実態調査結果
・資料3　特定教育・保育施設の確認にかかる利用定員の設定について
・資料4　世田谷区子ども・子育て支援事業計画調整計画（案）及び令和5年度の妊娠期からの子ども・子育て支援の取組みについて（報告）
・資料4（別紙1）世田谷区子ども・子育て支援事業計画調整計画（案）令和5・6年度【概要版】
・資料4（別紙2）今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）に基づく妊娠期から就学前までの子ども・子育て支援の取組みについて
・資料4（別紙3）子ども・子育て総合センター子育てひろば運営方式の見直しについて
・資料8　私立認可保育園における虐待（不適切な保育）及び区の対応、並びに組織改正について
・資料8（別紙1）私立認可保育園における虐待（不適切な保育）及び区の対応について
・資料8（別紙2）令和5年4月1日付け組織改正（案）
・資料5　児童相談所が関わる子どもの権利擁護に関する検討状況について
・資料5（別紙）世田谷区児童福祉審議会臨時部会 中間報告書
・資料6　ヤングケアラー支援に関する検討状況の報告について
・資料6（別紙）ヤングケアラー支援者ヒアリング調査結果
・資料7　令和3年度世田谷区児童相談所運営状況（事業概要）等報告について
・資料7（別紙1）令和3年度世田谷区児童相談所運営状況（事業概要）等報告 主な更新内容
・資料7（別紙2）令和3年度世田谷区児童相紋所運営状況（事業概要）等報告

議事
嶋津課長
それでは皆さん、お待たせいたしました。
定刻になりましたので、今期の第4回子ども・子育て会議を開会いたします。
本日は、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
進行を務めさせていただきます子ども・若者支援課長の嶋津でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
このたびは新型コロナウイルス感染症の感染防止対策としまして、マスクの着用及びマイク使用時の消毒に御協力をよろしくお願いいたします。
また本日は、対面のほかズームを使用しての会議とさせていただきますので、こちらも御協力をよろしくお願いいたします。
あちらのスクリーンで確認いただければと思います。
本日、呉委員から御欠席の御連絡をいただいております。
また、この後、飯塚委員がズームで入っていただけるかと思います。
また、久米委員が遅れていらっしゃるようです。
なお、ズームでの参加者は、池本委員、久保田委員、久芳委員、金子永美子委員、また飯塚委員が入ることになるかと思います。
なお、御発言の際は挙手にてお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして、部長の柳澤より御挨拶をさせていただきます。
柳澤部長、よろしくお願いします。

柳澤部長
皆様、おはようございます。
朝早くから御参加いただきまして本当にありがとうございます。
今回の子ども・子育て会議は、令和3年度から2年間という第5期の任期の中では最後の回となります。
今回の第5期では、年4回の子ども・子育て会議に加えまして、全6回の子ども・子育て支援事業計画の見直し部会、それから全5回の子どもの権利部会、夜間開催もあり、多くの開催となりまして、とても活発な議論になったということでございます。
会長をはじめ委員の皆様には心より感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。
本日の子ども・子育て会議ですが、議事案件が全部で3件、報告案件が2件、子どもの権利に関する報告書については、昨年5月23日、第1回子どもの権利部会を開催以降、先月19日まで全5回、子ども条例、それから子どもの権利に関する議論をいただきました。
このたび報告書案として部会でまとめていただきましたので、その辺りを御報告いただきます。
本日、最後の子ども・子育て会議での議論でございます。
子ども・子育て支援事業計画の調整計画については、これまで部会や子ども・子育て会議での議論を重ねてきてございますが、今回、案を報告させていただきます。
あわせて、来年度予算に含まれる新規事業、それから拡充事業の内容も御説明します。
本日の案件は、今を生きる子どもたちにとって大変重要な案件も含まれてございます。
限られた時間ではございますが、活発な御議論をいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

嶋津課長
ありがとうございます。
それではこの後の進行、議事については、森田会長、よろしくお願いいたします。

森田会長
皆さん、おはようございます。
温かくなったり、寒くなったりで、本当にこの気候の変化はこたえますね。
きっと春に近づいているのでしょうが、春に近づくときは、いろいろなことが起きて、子どもたちにとっては苦労が多い時期だなと思います。
入学試験もありますし、進学、そして学校以外のところの子どもたちの生活の中で起きている様々な問題も、私たち大人の本気の新しい取組みが問われていると思っております。
先ほど部長からもお話がありましたように、今期最後の会議となります。
この会議体ですが、これまでオンライン併用での会議をずっと続けてきましたので、このように会場でたくさんの委員の皆さんが集まって、積極的に対面で議論できるということは、ひょっとしたら今期の中で、ほとんど初めてかもしれないと思います。
今日は最後に時間を少し取らせていただいて、皆さんからの様々な御意見をいただいて、次の期に託すことにしたいと考えております。
ちょうど4月には国のこども基本法の本格的な実施がなされますし、行政組織も出来上がっていきます。
先週末、世田谷区の担当からも御報告いただきましたが、全国の自治体が集まって、子どもの施策について意見交換するシンポジウムが兵庫県の明石市で行われました。
その中で20年、子ども条例をつくって進めてきた世田谷区が、一体ここでどのように次のステージを考えるかは、本当に大事な時期に差しかかっていると思っております。
その自覚は十二分にありながら、しかし、なかなかそのことを子どもたちに向かって、本当に妊娠から若者になり、そして次の子育てができるところまで、自信を持って世田谷区で生きてほしいと言える自治体にできているのかということを、私は、ここから問わなければならないと思っておりますので、皆さんのお力を借りて、次の期に託すために、今日、議論していきたいと思っております。
世田谷区は大変大きな自治体ではありますが、やはりその中で一人一人の子どもたちが生きておりますので、この一人一人の子どもたちの生きるというところに視点がきちんと当てられるかどうかが、今、とても問われております。
ぜひ皆さんの忌憚ない御意見を頂戴できればと思っております。
それでは、議事に入りたいと思います。
今日の議事ですが、まず1つが、先ほど部長からも御報告があったように、5回にわたる審議と、その間皆さんと協議を重ねてきた子どもの権利を世田谷区の中でどのように考えていったらよいかについての報告書が案として完成しましたので、それを御報告すると同時に、皆さんからの御意見を頂戴して、最終案としてこれを固めて、皆さんと一緒に区長に提案をしたいと思っておりますので、まずこの問題についてお時間を取りたいと思っております。
事務局からこの間の審議の様子について、そしてその具体的な骨子ですが、皆さんのお手元にある形で、案としてまとめました。
これをまず事務局から報告いただいて、その後、起草委員の方を中心として、この報告の、ある意味では命ですよね、「この中に込めた思いとは何なのか」について補足していただいた上で、皆さんと議論をして、そして、これを最終案にしたい、その仕立てるところまでやりたいと思いますので、ぜひ忌憚ない御意見をいただきたいと思います。
では、事務局からお願いいたします。

議事（1）世田谷区子ども条例と子どもの権利に関する報告書（案）について
事務局
それでは資料1について、まず事務局から御説明します。
それでは資料1、世田谷区子ども条例と子どもの権利に関する報告書（案）を御覧ください。
昨年5月から先月まで全5回、子どもの権利部会で御議論をいただきました。
先月の第5回の部会後に事務局に寄せていただいた意見も踏まえて、この間、森田部会長と調整させていただき、本日、案として取りまとめてございます。
部会の委員の皆様、そして素案づくりに御協力くださいました久保田委員、久米委員、本当にありがとうございました。
事務局からは、報告書の構成を中心に御説明しますので、後ほど森田部会長、各部会の委員の皆様から、部会での議論や内容について御説明いただければと思います。
では、表紙裏の目次を御覧ください。
はじめに以降、2ページからの「1、子ども条例及び子ども・子育て施策の評価・検証にあたって」と、9ページからの「2、今後の施策展開への提言」の2部構成としております。
それではポイントから行きますので、9ページを御覧ください。
「2、今後の施策展開への提言」を御覧ください。
2段落目ですが、本部会では、子ども・子育て施策を子どもの権利条約の4つの一般原則と子どもの定義を基に評価・検証を進め、その議論を子どもの居場所、子どもの参加と意見表明、連携・協働、広報、人材育成、評価・検証、推進体制の5つの視点にそれぞれ分類してございます。
それぞれの状況を分析することで、各論での提言としてまとめ、さらに、冒頭に総合的に総論としてまとめております。
1枚めくって、10ページ以降の(2)各論では、それぞれ1部会での主な意見、次のページの2現状と課題、3提言といった形でそれぞれ各論のところでまとまってございます。
本日は、これまで部会で御議論いただいた報告書の案について、子ども・子育て会議で御議論をお願いしたいと思っております。
本日の子ども・子育て会議の議論を経まして、最終的な報告書として今年度末に区に御提出いただくという予定になります。
事務局からの説明は以上です。

森田会長
ありがとうございました。
本当の意味は何かというあたりは、参加した皆さん、部会員の方々、あるいは、この会議体自体はボランタリーに誰でも入れる形にしましたので、部会委員外の方も、全体の子ども・子育て会議のメンバーの方がお入りくださって御意見を頂戴しました。
まず、この素案に携わってくださった委員から御意見をいただけますか。

委員
おはようございます。
ただ思ったことを言うばかりだったのですが、子どもの権利にまつわることで、いかに区民一人一人がどうやってここに関わっていけるかを抜きにしては、そういう地域や社会は実現できないのだなということを改めて感じながら、世田谷区として、どういう土壌をつくっていっていただけたらそれがかなう環境に近づくのかなと、私としては一区民として考えながら意見を述べ、今回この報告書としてまとめていただけたのかなと思っております。
ありがとうございます。

委員
私も部会に参加させていただいて、基本的には説明があったとおり、子どもの権利条約を一つ軸にして、そこから全体を見渡して意見を出していったかなと思っております。
見ていただくと分かると思うのですが、5つの視点はそれぞれが完全に独立しているというよりは、議論の中でも、「こことここは重なっているよね」という意見もかなり出てきたところがありますので、分断されているのではなく、便宜上、分かりやすく伝えるために5つに分類はしてありますが、全てが重なり合っているというところはかなり意識して、この報告書にまとめたというところになりますので、そのあたりもぜひ見ていただきながら、皆さんからまた御意見等をいただければと思っております。

森田会長
ありがとうございます。
起草委員として、あと、事務局からも入っていただいて、この起草をしていったわけです。
最後のほうで、総論という形で全体を俯瞰できるようなところが必要だということと、そして個別の世田谷区の施策や、世田谷区の条例の中に不足している点は何かということで、ここはまとめております。
そして、特徴として、【参考にしてほしい事例】があります。
これは、ヒアリングをしたり、情報として提供されたり、いろいろな形で視察をしたりというような形で、世田谷区がこれから取り組んでいくときに、ぜひ参考にしてほしいと思う事例をこの中に取り込んでいったものです。
もちろん参考にできるものはたくさんあるわけで、意見ももっとたくさんありましたが、これを集約すると、このような形になるのではないかということです。
ですから、「あれが書かれていない」というようなことがあるかもしれませんが、現行の世田谷区子ども条例で不足している視点とか、不足している事業とか取組みというようなものを中心に、ここは書かれていると考えていただければと思います。
そうしませんと、例えば権利擁護の仕組みはあまり書いていないですよねとか、それから、例えば保育などについてはあまり書かれていませんねと言われてしまうと思います。
そのあたりはもう大前提としてあるということの中で議論していますので、そういうところはきちんと踏まえた上で、全体を書いているということです。
そして、あまり厚いものを書いても、全然読まれなくなってしまいますので、現場でも、それは行政も、市民社会も、そして支援の人たちも、とりわけ親たちや、できれば私たちは、これを基に子どもたちと一緒に話したいと思っているので、これを子どもたちにも伝わるような中身に仕立て上げていかなければいけないと思いますので、そういう意味で、できる限り分かりやすい内容でということに努めたものになります。
そのようにして、この議論にはたくさんの方に加わっていただきました。
今、起草委員として、私も含めて、どのような構造にしたかをお話ししたのですが、続いて、部会の会議で中心的な議論を担っていただいたメンバーがいらっしゃるので、その方たちから、これをまとめる段階で、ここはもう少し強調しておきたいと思われる点とか、ここは議論したときにとても印象に残ったというようなことがありましたら、ぜひ御発言いただけたらと思います。

委員
ありがとうございます。
今を生きる子どもの人権ということに、私自身はきちんと向きあうことができたかと振り返りつつ、今日を迎えました。
ありがとうございました。
今回の議論のなかでは、特に赤ちゃんの人権ということにも改めて気づかせていただきました。
子育て支援の現場に、大切な課題をいただいた気持ちです。
今、妊娠中からの伴走型支援という世田谷区のネウボラがさらに整い、スタートしています。
こうした仕組みのなかで、子育て家族の人権が大切にされ、互いに守りあいながら成長していくことを心強く感じています。
よろしくお願いいたします。

森田会長
つづいて、ティーンエイジ会議の運営などを通して、ずっと関わっていただいた委員からお願いします。

委員
ありがとうございます。
本当に短い時間で取りまとめいただいて、ありがたいなと思って、しみじみ読んでおりました。
どうしても子どもの権利とかと言うと、それを侵害している大人を罰するとか、追及するみたいなことがすごく多いですが、世田谷区はこれを社会が約束するという視点に立ってまとめているなということで、すごく世田谷の自慢の一つになりそうだなと思って、ありがたいと思いました。
私自身は、権利部会は、時々オブザーバーとして参加させていただくようなところではあったのですが、実際の場、ティーンエイジ会議をやってみたときの子どもたちの声が、ここに反映させるためとかいうことだけではなくなっていて、特別なしんどい子どもたちに声を聞いたわけではなく、一般公募して出会った、子どもたちからも、今の現状のしんどさについて強く話されたということにすごく衝撃を受けています。
こういった声を聞かせてくれたことを「ありがとうね」と言って終わらすことはできないなと本当に思うので、ここからスタートだと思って、心に刻んでやっていきたいと思います。
どうもありがとうございました。

森田会長
具体的には子ども会議のような常設の組織を、世田谷区の中で、どこで、どのような形で支えながら、そういった仕組みをつくるかと。
もう世田谷区の中には、児童館をはじめ、若者支援の場など、たくさんあるわけなので、それらが現場として、きちんと日々の子どもたちの成長発達に向き合うという視点がない限りは、日常の中で起きてくる子どもたちの生活に寄り添えるという仕組みではなくなっていくので、そこは、ぜひ現場に降りるような政策をつくり上げてほしいと思っております。
他にご意見はございますか。

委員
ありがとうございます。
私も時々オブザーバーとして入っておりました。
直近の会議では、「西暦を併記してください」と意見したのですが、それを踏まえてきれいに入れてくださっていて、大変うれしかったです。
ただ、これは個人としてうれしかったというだけではなく、子どもたちも同じような気持ちを体験するのだろうなと思いました。
何か発言をしたときに、それをきちんと大人が聞いてくれて、それを受け止めて反映してくださるというようなところが、区のすごく強いところなのだなあと感じました。
それと、私は対人援助専門職の専門性というようなところから自分が何か言えることがないかなという視点で、いつも参加していたので、そこで思うことは、各論の中に、広報、人材育成という視点が入っているのですが、その19ページのところに、「子どもに関わる施設の職員への心理面、肉体面での支援策が必要ではないか。」と書かれているのですが、これは施設の職員だけではなく、ここで関わっておられる自治体の職員の方々も含めて、全ての支援に関わる人たちにとって、ここは非常に重要なものなのではないかと思いました。
結局、巡り巡って子どもの権利を反映させる、実際に推進していくためには、仕事をやっていく人たちが健康で、楽しい、それから達成感があるというようなことを感じることなしには進んでいかないのではないかと思っています。
この間の明石での研修にも私は参加をしたのですが、どの自治体もシンポジストもキーワードのように、「人材育成、人材が何より大切です」とおっしゃっていたので、皆さん同じような気持ちでいるのかなと感じていました。
そういう意味で今後というところでは、計画はもう十分にいろいろなものが出てきているのですが、私はむしろ一つ一つに十分に時間をかけて、これでよかったのかということに時間をかけられるように、計画は、精査というか、厳選というか、むしろ少なくなったらよいなと個人的には思っていました。

森田会長
ありがとうございました。
世田谷区の中で、条例も含めてですが、やはり評価検証をどうするか。
特に私たちのように子ども・子育て会議が計画をつくる段階で評価検証をしているということでは、もう間に合わないので、この評価検証はどうしたらよいのか、とりわけ子どもたちの参加による評価検証をどう進めたらよいかは、実は日本中の子どもの権利を実現しようとしている自治体が、今必死に取り組んでいるのだということも分かってきました。
なので、もし仮に、本当に乳幼児期から子どもの権利の主体者としてきちんと位置づけていくとするならば、この人たちの権利侵害、あるいは権利の具体化の状況を、どのような形で具体的な施策あるいは実践に反映できるか、この評価検証の仕組は物すごく重要になっていくなということを考えていて、これを書き込んでいるという状況になります。

委員
ありがとうございます。
参加させていただいて、本当に勉強させていただいたことが多いのですが、子どもの意見表明について言うと、当たり前に自分の意見が言えるような雰囲気だとか様子をつくっていくということで、書かれていて、参考事例としては子どもの権利の日みたいな設定があったかと思いますが、そうやって子ども自身に、「話をしていいいんだ」という意識が出てくることは、すごくすばらしいなと思いました。
あと、やはり、私たち大人がもっともっと成長していく、あるいは親御さんも、いろいろな壁を抱えながらだと思うのですが、成長支援に全体的に取り組んでいくことが引き続き大事かなと思いました。
最後に、私も事業者の一人ですが、透明性をどうきちんと担保していくか、そして、何かあれば、ちゃんと説明ができるような仕組みをもうけていかないと、これらを達成することはできないなということは個人的な感想で思っております。
ありがとうございました。

森田会長
ありがとうございました。
そうしたら、ほかの委員の方で、これをお読みになって、例えばこういう視点についてさらに書き込みをすべきではないかというようなことなどがありましたら、どうぞ御発言ください、いかがですか。

委員
すみません、これは私にとっても大事なテーマだったのですが、全然部会に参加できず、申し訳ありませんでした。
これだけたくさんの視点からの声を盛り込んだ報告をつくっていただいて、本当にありがとうございます。
一つ私、実は世田谷区の子ども条例ができるときに、青少年問題協議会の委員をやっておりまして、そのときの意見提出に関わっております。
もう時効だから言ってよいと思うのですが、当時の議会には、「子どもの権利」という言葉に対してアレルギーのような反応があって、いろいろなことが十分には通じなかったということがあったと聞いております。
そして、今回、子ども条例が見直しという機運で書いていただいているので、当時はそういう空気だったということを意識して、今後、見直しに取り組む際には、もう時代がこれだけ変わってきているということで、ここに皆さんが出してくださった視点を盛り込んで、あくまでも権利主体は子どもであって、自立した市民として育つ権利を持っているのだというところから、逆に、では、大人たちはどういう環境を提供すべきなのかというところへ下ろすような、そのような検討をしていただければと願っております。
ありがとうございます。

森田会長
ありがとうございます。
国の基本法の中にも、4つの一般原則も書かれておりますので、そういう意味では、この20年間で、国全体が国際的な状況のところまでたどり着いたわけですから、世田谷区が2002年につくった条例を、ここを次の期にどのように見直すことができるかという、そこにかかってくるのだろうと思います。
ほかに御発言ありませんか。

委員
ごく最近、子どもの居場所にまつわることかと思うのですが、この報告書に関わる者として少し考えたことがありました。
子どもたちには遊びが大事だということが背景になる思想として盛り込まれていると思うのです。
そして、いろいろな大人の方と話していく中で、一言遊びという言葉を出したときに、あまりにもその遊びの解釈が通じ合わないなという経験を立て続けにしたので、最後の最後になってしまうのですが、その視点はもしかしたら必要なのかなと思いました。
結局、今の保護者をとりまく環境の問題かもしれないのですが、居場所があって、遊べる環境があって、そうするとかえって子どもを遊ばせなければというプレッシャーもあるとか、あと、大人同士の会話の中で、「遊び」と言ったら、大人から目に見えて、形に見える遊びでないとそうではないと思われてしまっていたり、何もしていないように見えても、その子の心の中で実はすごく豊かな動きがあるのだとか、別にそうやって心が動いていなくても、それはその子にとってすごく大事な時間なのだということがあるので、遊びという言葉が誤解を生みやすいというところを、前提にしていかないと、今、委員がおっしゃったように、議論を擦れ違わせてしまうおそれがあるかなということを感じた次第です。

森田会長
ありがとうございます。
せっかく今日は専門家の先生が来ていらっしゃるので、一言御発言いただきたいと思います。
よく遊ばせるという言葉がありますよね。
それについて、一体子どもにとって、本質的な成長の過程の中で、生活そのものである遊ぶという行為を、大人たちはどのように支えていくのか、それは具体的な環境として、そして支え方として、どのように考えていくのかというようなことについて、お話が少しいただけたらと思います。どうぞ。

委員
遊びを通して学ぶとか、成長するとか、様々な文脈で「遊び」を使いますが、子どもにとっては、もうその瞬間の試行錯誤や、楽しさや、わくわく感や、興味や関心、何のために遊ぶのか、成長するために遊んでいますというわけではないですよね。
ですから、そういう意味では、大人が何か手段として遊びを持ち出したりとか、あるいは遊ばなければ育たないみたいに、強迫観念みたいなものが出てきてしまったりすると、それは本末転倒だなと、いろいろな場面で思います。
子どもにとっては、生きること、生活することの中に溶け込んでいることですし、言葉で説明して、こういう場面で、ということを一つ一つ挙げていくことが、果たしてぴったり子どもの現実と合っているかどうかは非常に微妙だと思うのです。
ただ、子どもたちは自ら遊ぶことで、自分自身を充実させたり、自信を持ったり、何か手応えを感じたりしているということは確かだと思います。
東日本大震災のときに、いろいろな支援の場に私も出向いたのですが、「この絵本を読んであげるね」、「このお菓子を持ってきてあげたよ」などと、何かしてあげることで、子どもたちは確かに「ありがとう」と言っていましたが、その後しばらくしてから、子どもたちが新たな、保育園の場を得て、そこで自由に遊んで、いろいろなことを自ら、遊具を手に、自然物を手に自ら遊ぶことで、やはり心が一番落ち着き、元気を取り戻し、そして日常が回っていったというような、本当にそういったことを目の当たりにしました。
ですから、「何かしてあげる」、「支えてあげる」、「遊ばせてあげる」ではない、子ども主体の生活や、保育、様々な場面で、そういうことがとても大事になると思います。
もう一つ、少し別の視点ですが、私はこの12ページの真ん中辺りで、ティーンエイジ会議の中でということですが、「いつもの大人には言うことができない」、そして「日常の関係での場面」と「それ以外の関係での場面」をともに継続的に確保をしなければならないというところに、これはティーンエイジのみならず、保育の場においても本当に必要だなと感じました。
この間、保育現場での不適切な保育等の報道がございましたが、近過ぎて、日常であまりにも距離感が持てずに、その子と自分が何か一体化して、直接的に関わることはとても重要なことですが、距離感が保てない、または少し引いてみる視点が失われてしまう、そういった危険性もあるということを考えると、直接的に日常的に密着して関わる支援者だけではなくて、それをどうやって距離を持って、それがどのように映り、どのように検証されるかといった視点が、やはりどうしても必要ですね。
そういうことを考えると、先ほども御意見がございましたが、19ページの「子どもに関わる施設の職員への心理面、肉体面での支援策」とか「人材確保」というようにやはり様々な関わり方、支援の多様性、そういったことを、いろいろな関わりをされている支援者が、共に学び合ったり、情報交換をしたりする場が必要だなと思います。
私も保育者の研修をするのですが、保育者だけで話し合って内向きに内向きになってしまう、そして同調することによって、逆に見えなくなってしまう部分はあると思うのですね。
ですから、多様な視点で、様々な支援者がいて、支援策があってというところを広く見ていくことが、子どもの権利や子どもの最善の利益につながっていく、また、そうあってほしいと願うところでございます。

森田会長
ありがとうございました。

委員
保護者の皆さんなどにお話しするときによく、遊びはもちろん主体的な活動であって、やりたいことをやるということですが、大人だって、やりたい遊び、趣味等があるのと、やるべきこととやるべきことの間に、隙間で、何かどうでもいい、スマホのゲームをしてリラックスすることとかがある。
子どもだって、本当にやりたいことと、ぼうっとすることだとか、何か手を弄ぶというようなことがあるので、そのバランスというのか、何もやるべきことがなくて、ぼうっとしているということだけではいけないし、何か「これがあなたにとってよいのだよ」と充実させていくばかりでも、よくないですよねというお話はさせていただいています。
遊びは主体的な活動ですので、本人が本当に打ち込める、没頭する、やり込めるというようなものの環境をどう用意するのかということが本当に、保育者だけではなくて、大人の役割だし、大人も、そういう姿を子どもに見せつけてやりたいものです。
そして、遊びについては、本当に、学齢期などはつい、やるべきことをどんどん設定してしまって、いわゆる休み時間だけが遊びの時間になってしまうことがもったいないなと思っています。
あと、先ほど先生もおっしゃられましたが、ティーンエイジ会議で「いつもの大人には言うことができない」というのは、いつもの大人というのは多くの子どもにとっては学校の先生なんですよね。
そして、学校の先生には自分の意見が言えないというような状況をどう改善していくのかは、とても大きな課題ですので、子ども条例は、なかなか教育委員会との絡みは、どの自治体でも簡単ではないかもしれませんが、学校内で実現できることをぜひ期待したいと思います。

森田会長
ありがとうございました。
他ご発言はよろしいですか。

委員
遊びについてですが、私もほかの幼稚園の保護者とかと話をしているときに、「家で普段どんな遊びをする？」というような会話がされるのですが、子どもが遊ぶ時間を、保護者で話をするときも、やはり先ほどのお話のように、遊びについての認識が違うなと思うことがあります。
恐らくこちらにいらっしゃる方々は、主体的に、自ら子どもが夢中になって遊べるような遊びの場をつくれるようにと、ある程度共通のイメージをお持ちでお話しされていると思うのですが、やはりここにいる方以外の方とお話しするときは、子ども自身が能動的に自分から遊ぶ遊びを、大人が環境としてつくって、視点だとかをサポートして、そういう場をつくるのかという話か、極端な話ですが、ゲーム機やおもちゃなどで子どもを受動的に、子どもが刺激を受けて遊ぶような、そういう遊びをイメージされている方がいらっしゃって、恐らくその子ども自身がどれほど主体的に遊ぶかというイメージが、皆さんばらばらにあるなということは日頃感じております。
そこのところは、なかなか言葉ではお伝えしづらいので、イメージのほうが伝わりやすいかもしれないですね。
言葉ではなくイメージで子どもにも大人にも伝わっていくようなものが何かつくっていけたらいいなと思います。

森田会長
ありがとうございました。
遊びというところで、恐らくそれは、子どもの権利として言えば、当然の時間であるわけですが、ある意味、子どもの存在全てでもあるような、この遊びの問題を、どう表現するか、そしてそれを、具体的な支援者であったり、あるいは支援者の最も中心的なところに位置づいている保護者であったり、身近なところにいる教師や保育者、あるいはそういった支援に関わっている人たちが、人材として、子どもたちの遊びについて、それを止めてしまわない認識をやはり持っていただかなければ困るわけです。
例えば、いろいろなところで「やってはいけないこと」みたいなルールを、つくっている自治体や国もありますが、大人たちが注意しなければいけないことは何なのか、もともと子どもたちが持っている力を、大人たちが阻害しないということもとても大事なことなので、そういう意味で、私たちが子どもに関わるときにどういうことに気づいたらよいのかとか、あるいは人材育成のところでは、保護者を含めた、子どもにとっての人材というところで、どのように、この子どもの権利の視点から考えたらよいのかというようなことについては、最後、また加筆をしていけたらと思っております。
最終の草案ですが、これを、皆さんの御意見を、できれば3月末ぐらいまでに区長に届けて、4月からの様々な取組みに生かしてほしいと思いますので、2月末ぐらいまでを目安に、皆さんからの加筆をいただければ間に合いますよね。
それで私が、最終的な取りまとめということをして、皆さんに、こういう原案で区長にお渡ししますと御報告するという形で、この委員会の最終案という形にしようと思っております。
そのことについての御了解はいただいてよろしいでしょうか。
よろしいですか、はい。
では、日程です。
今月末、2月末までに事務局に加筆文書、あるいは、もうこれは絵でなければ表現できないと言うのだったら絵でも結構です。
先ほどの話ですが、絵でも写真でも、皆さんがイメージされるものを、どうぞ、お寄せください。
それをどのように表現するかは私の挑戦ですので、頑張ってみます。
なので、皆さんから月末までに事務局にお寄せください。
おおむねこの方向性で書くということを今日御了解いただいたことにして、ここの微修正については、私のほうで皆さんの御意見を踏まえてすると。
そしてそれを皆さんに事前にお渡しして、御了解をいただいて、最終案とする、そしてそれを区長に提出すると、このようにさせていただこうと思っております。
よろしいでしょうか。
では、このような手順でやるということで御了解いただきました。
ありがとうございました。
それでは、今日の2つ目の議題ですが、令和5年度の子どもの生活実態調査についてということで、事務局から御報告をお願いします。


議事（2）令和5年度子どもの生活実態調査（高校生世代アンケート調査）について
事務局
令和5年度子どもの生活実態調査（高校生世代アンケート調査）について、御説明いたします。
「1調査目的」です。
令和7年度から令和11年度までを計画期間とする子ども計画（第3期）に内包する次期子どもの貧困対策計画の策定に向け、前回調査で対象でなかった高校生世代の子どもの実態を把握し、重点的に取り組むべき施策を講じていくために、高校生世代の子どもと保護者に対するアンケート調査を行います。
「2アンケート調査の実施概要」です。
子どもの貧困の実態を正確に捉えるために、貧困を測定する指標である生活困難度を用い、低所得に加え、はく奪指標である家計の逼迫、子どもの体験や所有物の欠如という3つの要素から、子どもの貧困を把握する調査とします。
「(1)主な調査項目」ですが、平成30年度に小学5年生及び中学2年生の子どもと保護者を対象に実施した子どもの生活実態調査の調査項目、並びに都が平成28年度に実施した調査項目等参考に実施予定でございます。
詳細は裏面を御参照いただければと思います。
「(2)調査対象」ですが、令和5年度、高校2年生世代である平成18年4月2日から平成19年4月1日までの間に生まれた全ての子ども本人と、その保護者となります。
「(3)調査対象者数」ですが、約7,000世帯を予定しております。
「(4)抽出方法」ですが、住民基本台帳により、対象年齢層の者全てを抽出いたします。
「(5)調査方法」です。
各世帯に子ども用・保護者用の依頼文及びアンケートを郵送配布し、子ども・保護者それぞれ自記式にて任意回答の上、インターネットもしくは郵送で回収いたします。
「(6)分析」ですが、同一世帯の子ども票と保護者票をひもづけして、単純集計、また、ひとり親、ふたり親などの世帯タイプ、生活困難度それぞれに対するクロス集計による分析を行います。
最後に「3今後のスケジュール」を記載しております。
説明は以上となります。

森田会長
ありがとうございます。
具体的には、7,000世帯と言うと、対象自体は何世帯ぐらいあって7,000なのですか。

事務局
高校2年生の相当世代の全数調査となります。

森田会長
全数調査なのですね。
結構な調査になりますね。
7,000世帯の中で、要するに大きな封筒に2つの調査票を入れてとか、その辺の方法を教えてくださいませんか。

事務局
御回答いただくときに、まず郵送で、調査票は、子どもの分と保護者の分と、それぞれお送りして、回答いただいた後に、それぞれ封筒に封をしていただいた上で、さらに大きな封筒で一つにしていただいたものをお送りいただくか、もしくは、インターネットでそれぞれ、御本人と保護者とで御回答いただくような形で、こちらでお送りしているリンクの二次元コードで世帯を後ほどひもづけできるような形にしております。

森田会長
要するに回答は郵送で、紙ベースで、それぞれが独自で出せるような形でプライバシーを保護していて、個別にネットでの回答もできるようにする。
それは具体的には、親は紙ベースで出して、子どもはネットで出すこともできるのですか。

事務局
そちらも可能です。

森田会長
可能ですね。
こういった調査方法としては、具体的には子どものデータを、保護できるようにすると。
やはり一番の問題は、子どもの生活実態調査は、家庭の事情ということを知りたいわけですから、そうすると、例えば、具体的に子育て家庭のデータのほうが出てこなくて、子どもだけ出てくるということはあり得ますよね。
特に保護者は回答したくない、子どもだけが出す。
こういうことは想定内ですか。

事務局
そうですね、例えば子どもからだけ回答が出てきた場合には、世帯の所得状況は、分からないような状態にはなりますが、一応そこも含めて調査の対象にはなってきます。

森田会長
とすると、どういう形であれ、子どもたちの出されている調査、あるいは保護者が出してきている調査、それはいずれも、ひもづけできなかったとしても、データとしての処理はされるというような形で考えていくのですか。
それとも、ひもづけされているものと、されていないデータはばらばらに考えていくのですか。
その辺の想定をどのようにされているのかは、調査の枠組みの問題で結構大事だと思うのですが、どうなのでしょうか。

事務局
いわゆる困窮層であるとか、低所得世帯であるとか、そういうところの分析からは、どうしても、ひもづけができないので、そこからは抜けてしまうとは思います。
実際のデータとしては、世帯の所得が分からないので、そこの分析には入ってこないです。
ただ、家庭の中での子どもの質問項目の中では、生かせる部分があるかなとは考えています。

森田会長
私が少し聞き過ぎてしまったかもしれないですが、何か御質問とかはございますか。
今、私は説明を聞きながら、「これは検討の余地はあるのかな、ないのかな」と思ったのですが、都のそういうものを一つ参考にしているということですが、参考にしながら、独自データで今つくられているのですか。
実は前の調査を実施するときに、この委員会で相当議論したことがありますよね。
計画をつくるとか、あるいは、子どもの実態をみるといったときに、とても大事な調査なので、その調査結果を、私たちは、全体としてこの会議体の中で尊重したいということがあります。
ですので、せっかく子どもたちが、今度何％の回答率になるかは分かりませんが、例えば3分の1以上の子どもたちがそうやって回答してくれているということになれば、世田谷区の中で2,000人か3,000人ぐらいの子どもたちが協力してくれているということになり、すごく大事なデータになってくると思います。
ですので、そういう意味で、もし仮に単独の子どもたちの情報だったとしても、あるいは単独の保護者の情報だったとしても、それが活用できるような設計はしていただきたいなというのが私の質問の趣旨です。
いかがですか、皆さん中で、ほかにありますか。

委員
今、おっしゃったことと少し関係しているのですが、その親子のひもづけというときに、まず、これは無記名なんですよね。
そして、ひもづけというときに、例えば親子が郵送で一緒に送ってくれれば、同じだということがこちらで分かるのでしょうけれども、さっきおっしゃられた、片方はインターネットで、片方は郵送というときに、どうひもづけるのかなというところが、少し分からないなと思いました。
ひょっとしたら親子で一緒に、どちらか選んでくださいというようなことも条件として付け加える必要があるのかなと思いました。

森田会長
これは倫理規程に関わってくることなので、個人を特定するような情報を得る場合には、そのことについて「後で分かります」というような形での不透明さは許されないので、ネットで上回答する場合と、紙ベースで回答する場合と、結局これはどういう形で処理されていくのかというようなことについては、参加する人たちにきちんと明示しなければいけないということです。
そしてまた、その分析は、わざわざひもづけをする必要があるのかどうかなんですよね。
つまり、親子のデータが欲しいだけで、一緒にやったら送料が半分で済むみたいな話だったら、それはまた別な考え方の問題であると思うのです。
このひもづけは、一般的には、それをやることによって、回収率は下がるわけですよね。
ですが、調査にはできる限り多くの人たちに協力してほしいし、とりわけ困難な状況にある人たちに協力してほしいわけですよね。
極端な話、困難な状況の人たちが、もし仮に回答していない人たちの中に全部入ってしまったら、結果として、困難状況は分からないわけですよね。
だから、やはり私たちが調査をするときは、あくまでも一番大変な人たちのところに視点を当てて、その人たちが調査に協力できるように、調査に協力するのは何のためかといえば、政策にそのことがきちんと反映できるように、私たちは配慮しなければならない。
そして、そのために私たちはどのようなエビデンスとして、その皆さんの意見をもらおうとしているのかという、その仕組みが今回見えにくいと思ったので、そこを御説明いただければ、具体的な調査方法や説明の仕方についても、お話しできるかなと思ったところです。

事務局
今回の全数調査をするにあたって、お子さんそれぞれ、保護者それぞれですと、世帯のいわゆる困窮層の中での、さらなる設問での回答というようなクロス集計をする過程において、こちらとしては、世帯の状況と、その中での子どもの意見を捉えたいという意図がありますので、世帯と子どものひもづけをしたいというところです。

森田会長
説明文にはそのことは書かれるわけですよね。

事務局
はい。

森田会長
いかがですか、よろしいですか。

委員
ありがとうございます。
コロナの中で高校生になっていった世代なので、本当に丁寧にやっていただけるといいなと思っています。
前回の、平成30年の調査結果も今、添付していただいていますが、すごく考えさせられるものがあります。
そして、世田谷の特徴なのか、周辺層というところが本当に多いということは私もフードパントリーとかをやっていて感じています。
また、実はこのクロス集計で、幼児期のときに、おでかけひろばを利用していた人と、そうではない人で、いわゆる公的な相談機関に相談する人と、そうではない人の差がはっきり出たと教えていただいて、もちろん、おでかけひろばが利用しにくかったので利用していなかったとかもあると思うのですが、やはり乳幼児期と高校生世代、前回は5年生と2年生ですが、全然かけ離れている話ではなくて、やはり続いているというか、自分たちのところから見えなくはなっていくのですが、自分たちが関わっている時期に、しっかりとアプローチしているということの大切さをこれで教えていただいたのですね。
なので、施策に反映と言ったときには、区に求めることだけではなく、地域の活動とか、もちろん事業を担っている人たちが受け止められるように、これをやって終わりではなく、この先がすごく大事ということを踏まえて組んでいただけるといいなということを改めてお願いしたいです。
ありがとうございます。

森田会長
ほかにはいかがですか、どうぞ。

委員
ありがとうございます。
このアンケート調査の項目が裏側に案として挙がっていますが、今回のアンケートで、より重点的に見たいことを確認したいということと、そのために項目を増やした、もしくは減らしたというものが、こういうことがあるというようなことがあると、より分かりやすいかなと思うので、教えていただけますでしょうか。

事務局
重点的な項目というところですが、我々としては今、高校生の世代の施策の部分、いわゆる支援のところが、やはり乳幼児期や学齢期の中でも小学生、中学生の部分と比べると、なかなか手が入れられていないと感じています。
区立で公立の小中学校がある部分と比べると、高校になると、世田谷区外の学校に行っているとかいうこともありますので、そのあたりの、いわゆる生活状況そのものが見えにくいという部分もあります。
その辺りを踏まえて、今後は特に、高校よりもさらに先の学校への進学とか、その後の生活というようなことを子どもたち本人がどのようにイメージしているのかとか、そういうところは今後把握していきたいと考えています。
特に、高校を中退せずに、卒業して、その後、社会に出ていくというところは特に大事な部分かなと考えているところです。
重点項目についていますぐにお答えできないことは申し訳ないのですが、方向性としては、我々は今後そういったところに力を入れていきたいと考えています。

森田会長
この調査票については、今回で終了ですか、それとも現物を共有することなどは可能なのでしょうか。

事務局
本日、御意見をいただきますのと、また会議終了後にも何かあれば事務局に御意見をお寄せいただければと考えております。

森田会長
今回はアンケート票そのものがないので、希望者には、例えばここへ行けば見れるというような情報提供を事務局からいただくなどはできますか。
そして、いつまでに意見は出せばよいですか。

事務局
今後、実際の調査票は作成していきますので、またメール等で御意見をいただければと考えております。

森田会長
要するに、調査票はまだ具体的にはできていないということなのですね。
そして、これはいつ、具体的な調査票が完成で、つまりここが、ちょうど任期が5月の半ばで終わりますので、移行期ですから、いつまでにこれについての意見を出せばよいのかを教えていただければと思います。

事務局
調査の実施が7月になりますので、調査票の完成は5月を考えております。
その以前の段階で、こちらでお示しできればと思います。

森田会長
分かりました。
そうすると、今回のこういった重点施策、「主な設問内容」と書かれているものと、いわゆる前回の調査票、それ自体としてはもうあるわけですよね。
では、そのことについて事務局から皆さんにお送りいただいて、それに基づいて、できれば3月いっぱいか、それぐらいに御意見をいただければ、対応は大丈夫ですか。
では、そのような形で、この会自体としては最後になりますが、皆さんの任期は5月の半ばまでですので、具体的には3月末までにこの御意見をいただくという形で進めたいと思います。
よろしいでしょうか。

委員
このアンケートのタイトルですが、さっき森田先生もおっしゃっていたように、これは困っている方々の貧困対策の計画の策定に向けて、施策を考えるためということが一番大きな目的ですよね。
だとすれば、例えば生活実態調査とか、高校生世代アンケート調査みたいなタイトルだと、やはり少し分かりにくいというか、困っている人たちが、実態調査と書いてあったときに、自分のプライベートのことを答えたいと思うかなということは少し感じました。
あと、この調査結果も、これ自体は大きな一つの成果だとは思うのですが、これを見たときに、「そうか、貧困層の子どもたちは勉強ができないんだな」とか、「虫歯が多いんだな」とか、レッテルを貼られてしまうような結果の出方というか、これは区の施策を考える方々にとってはすごく重要な資料だとは思うのですが、これを出したところで、どこまでそれが、よい効果が出るのかと思いました。
むしろ、こういう結果の下に、今年度はこういう施策をして、こういう人たちが、こうなりましたみたいな、その調査をしたことによって、どんなことをしたか、どんな効果があったかみたいな情報も併せて調査票を送ったりすると、区民の人も、やはり声を上げたら変わるんだという意識も持てるのかなと少し感じました。

森田会長
ありがとうございます。
ほかにこのことに関する御要望はありますか。
今、委員がおっしゃったことは、実は前々からあって、これは両側面あると思うんです。
子どもの貧困対策に資するためにこれをやりますと明示することで、回答を避ける人と、逆にそのことによってスティグマを発生させてしまうということと、両方あると思うのですね。
なので、どのように最初のメッセージを出すかはすごく大事なことだと思います。
ちょうど私は、昨日、埼玉で会議に参加したのですが、埼玉はすごくヤングケアラー調査をしているので、そこで教員とか、子どもたち自身、当事者の高校生たちからアイパッドを通じて非常に顕著な、今までのデータと違うデータが上がってきているというようなことをお話しされていました。
ですので、そういう意味で調査方法はすごく重要で、また、調査のタイトルをどうつけるか、そして、その調査を何のために使うか、それがどこまできちんと伝えられるかが、回収とか、具体的には、その調査の内容的な信憑性とかを、説明することも重要です。
行政のこういった施策に、当事者の方たち、あるいは市民の人たちが協力して、自分たちのための政策をつくってもらうためのエビデンスづくりなんだという認識が出てこないことには、調査はやっただけの意味しか持たないということなんです。
ここはやはり、私たち子ども・子育て会議の中での要望としては、ぜひ、子どもの権利実現のために、特に高校生ですので、それらの点をお願いしたいと思います。
それでは、また宿題になってしまいますが、3月末までにお願いしたいと思います。
それでは、次の議事に移らせていただくことでよろしいでしょうか。
特定教育・保育施設の確認にかかる利用定員の設定について、事務局からお願いいたします。

議事（3）特定教育・保育施設の確認にかかる利用定員の設定について
事務局
それでは御説明します。
特定教育・保育施設の確認にかかる利用定員の設定についての御説明でございます。
本件は、子ども・子育て支援法に基づいて、特定教育・保育施設の利用定員の変更に当たり、本会にて御意見をお伺いするものでございます。
今回は、1号認定について利用定員の変更がありますので、別紙にて御説明します。
別紙を御覧ください。
令和5年4月に定員変更する私立幼稚園2件でございます。
北沢地域にある代田幼稚園、玉川地域のこひつじ幼稚園でございます。
詳細については記載のとおりでございます。
若干右側のほうで、特定教育・保育施設の利用定員のところに、私立認可保育園の代田幼稚園が、1号認定のところで現在105人のところを15人少なくして90人ということです。
また、こひつじ幼稚園が、現状60人の利用定員を、こっちは逆に15人増やして75人ということでございます。
この関係から、総量としてプラスマイナスゼロになりまして、1号認定の確保量としては変わらず、全体で1万1,832人ということでの増減はないので、引き続き需要量は満たしているという状況でございます。
簡単ですが、ご説明は以上です。

森田会長
この点についてはいかがでしょうか、よろしいですか、御質問とか御意見とかはございませんか。
それでは、この利用定員の変更について御承認いただいたということで進めさせていただきます。
ありがとうございました。
それでは、ここで議事は終了ということで、ここから報告なのですが、重要な報告がめじろ押しですので、そちらに入りたいと思います。
まず１つ目の報告ですが、皆さんと一緒に検討を重ねてきた子ども・子育ての支援事業計画調整計画について、次の計画の案と、令和5年度の具体的な取組みということで決まってきましたので、具体的に事務局から資料4に基づいて報告をお願いいたします。

報告（1）世田谷区子ども・子育て支援事業計画調整計画（案）及び令和5年度の妊娠期からの子ども・子育て支援の取組みについて
事務局
それでは報告1について御説明します。
資料4を御覧ください。
世田谷区子ども・子育て支援事業計画調整計画（案）及び令和5年度の妊娠期からの子ども・子育て支援の取組みについての御報告でございます。
「(1)主旨」です。
調整計画の策定については、令和4年5月にニーズ調査を行い、同年7月の将来人口推計等を踏まえ、令和4年9月に素案を作成したところでございます。
この間、区民版子ども・子育て会議や、子どもと若者が参加したシンポジウム、ワークショップ等で御意見をいただき、子ども・子育て会議、本会議で御議論を重ねてまいりました。
このたび、その調整計画の案として取りまとめましたので、御報告するものでございます。
「(2)内容」です。
こちらから別紙1を御覧ください。
本日はこちらの概要版で説明させていただきます。
こちらは第1章、調整計画策定の概要と策定の趣旨が載っております。
なお、素案から案への変更点について御説明しますが、次ページ以降も変更点については同様にアンダーラインで表記しているところが変更箇所でございます。
こちらについては、この間、区議会とか、こちらの子ども・子育て会議、あとシンポジウム等での御意見を踏まえ、追記等の修正をしております。
また、素案から、見やすくなるようレイアウトも少し変更してございます。
早速ですが、第1章の調整計画策定の趣旨のところ、右側のアンダーラインの箇所です。
現在の後期計画の取組みを一層加速させる必要があるということや、次期子ども計画への展望も見据えることなどを追記しております。
続いて、2ページを御覧ください。
こちらが第2章、子ども・子育て家庭を取り巻く状況、計画の進捗状況・評価でございます。
9月の素案報告の際に、ニーズ調査の速報値により、配偶者やパートナーだけで子育てが行われているという現状が明らかになったということをお話ししました。
その後、さらにクロス集計をかけたところ、この(1)で、日常的に子どもを見てもらえる親族や友人・知人が「誰もいない」との回答が半数だったところ、さらに祖父母同居、近居がない世帯に限ると７割前後に上るという結果が出たことから、その内容を追記してございます。
続いて3ページから5ページは、将来人口推計と乳幼児の養育状況、保育待機児童数の推移等のデータを掲載しております。
先ほど委員からもお話がありましたが、ここに西暦を追加しております。
なお、4ページには、西暦の追加のほかに、こちらのデータは、前回までは平成30年から令和3年までのデータでしたが、令和4年の数字が出ましたので、平成31年から令4年までの数字とし、それぞれ棒グラフを修正しております。
全体的には、ほぼ変わってございません。
続いて6ページにお進みください。
こちらが子ども・子育て会議による評価・検証及び課題抽出です。
こちらは、素案のときに本編には記載しておりましたが、概要版になかったため追加したページになりますこちらの会議での主な意見を掲載しております。
特に(1)で在宅子育てに係る運用面での検討の必要性とか、(3)で妊娠期から支援につながる仕組みなどの記載をしてございます。
続いて7ページを御覧ください。
ここからが第3章で、今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）となります。
まず、グランドビジョン策定に当たって、区が取り組んできたことや目指してきたこと、環境の変化から見えてきた課題とか区としての姿勢、目指す方向性などのポイントを1ページ分、追加しております。
続いて8ページを御覧ください。
こちらはグランドビジョン全体の考え方になります。
右上のアンダーラインのところは、さらに具体的な考え方を追加しております。
また、右下にアンダーラインの箇所がありますが、素案の表記ですと、こちらの会議でも御意見としていただきましたが、在宅子育て支援のみの施策に見えるといった御意見もいただきましたことを受けて、全ての子育て家庭を対象にということで修正したところでございます。
続いて、9ページは変更がありませんので、10ページにお進みください。
ここではグランドビジョンに関わる5つの方向性を示しております。
このページでは、主に前のページでグランドビジョンの考え方などを追加修正したことから、それと連動した追加等をしております。
また、真ん中の（3)は世田谷版ネウボラの深化について、具体的な取組みも含めながら、追記しながら、これまでの議論を踏まえて記載しております。
続いて11ページを御覧ください。
こちらは今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）が目指すものを図に表したものです。
現在想定している新規事業、拡充事業を追加しております。
素案報告以降、新たに区として政策決定を取った新規、拡充事業については、この後また別の資料で後ほど御説明いたします。
1枚めくって12ページは、日々の暮らしの身近なところで、人や支援につながるための在宅子育て支援の充実により、世田谷版ネウボラの深化に取り組むことを図に表したものです。
こちらもネウボラに係る事業のうち、現状想定している新規事業、拡充事業を追加しております。
13ページを御覧ください。
ここからは第4章、調整計画の策定の基本的な考え方というページになります。
14ページを御覧ください。
後期計画に掲げる4つの重点政策のさらなる取組みの、まず重点政策1の「1子ども・若者が意見を表明しやすい環境づくりと地域社会への参加・参画の推進」は、この間の議論で具体的な内容を大幅に追加しております。
主な追加内容としては、先ほどもお話がありましたが、子ども・若者のことだけではなくて、子どもを支える大人の育成とか、大人への普及啓発についての御意見が、こちらも含めて様々な場面で御意見をいただきましたので、そういった内容を追加しております。
右側2の居場所に係る環境づくりについても、本会議等で多様な居場所づくりとか、つながる仕組みの検討などの御意見を踏まえて追加してございます。
続いて15ページを御覧ください。
こちらが重点政策2の1で、世田谷版ネウボラの深化に関するページです。
この間の議論を含めて、こちらも追加しております。
さらに、先ほどのポンチ絵でも出てきた、現状想定している新規事業、拡充事業、例えばこの伴走型相談支援の強化とか、子育て応援ギフトの給付など、具体的な記載をしてございます。
続いて16ページを御覧ください。
こちらは前のページの続きですが、例えばこちらの2の2つ目の黒丸では、出産費助成などの新たな具体的な事業ということで追加してございます。
17ページを御覧ください。
重点政策3の基盤の整備と質の確保のページになります。
右側ですが、子ども・子育て会議の御議論を踏まえ、教育・保育の質の確保・向上に向けた取組みの充実などを追記しております。
続いて18ページを御覧ください。
ここからが第5章で、需要量見込み及び確保の内容と実施時期になります。
このページでは教育・保育事業の計画数値を表しております。
こちらは令和5年4月の定員数の見込みが明らかになったことにより、アンダーラインの箇所、少し見にくいところがありますが、修正して入れております。
大幅な数字の修正ではなく、若干の修正と御理解いただければと思います。
19ページを御覧ください。
こちらも前ページの影響を受けて、伴走型相談支援の体制の強化を追記しております。
「1)利用者支援に関する事業」の項目に具体的な取組みを追加して記載しているところです。
これ以降の変更はございません。
ご説明が長くなっておりますが、もう少しお付き合いいただきたいと思います。
続いて別紙2を御覧ください。
今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）に基づく妊娠期から就学前までの子ども・子育て支援の取組みについての御説明となります。
本日は主に1ページ目のポンチ絵で御説明します。
なお、2ページ以降に事業ごとの目的、概要、対象者、実施経費等を記載していますので、こちらは後ほど御確認いただきたいと思います。
それでは、1ページ目の「1主旨」です。
今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）に基づき、令和5年度から、全ての子育て家庭が、妊娠期から孤立することなく、日々の暮らしの身近なところで、地域の人々や子育て支援につながりながら、安心して暮らせるよう「世田谷版ネウボラ」をより伴走型に深化させる、その一環として、妊娠期から就学前までの子ども・子育て支援の充実を図るものでございます。
左下から、妊娠から出産、1歳から2歳、3歳から就学と、妊娠期から就学前までの子ども・子育て支援の取組みを、すごろくのような形で表した図になります。
また、マル新が新規事業です。
マル拡と書いてあるものは拡充事業でございます。
左下の妊娠のところから順番に御説明いたします。
まず妊娠から出産の間の支援として、左側に記載の伴走型相談支援体制の強化でございます。
現在のネウボラ面接に加えて、産休を取得し始め、比較的時間を取りやすくなる時期、新たに妊娠8か月面談を希望する方に実施いたします。
各総合支所の保健師、母子保健コーディネーター、子育て応援相談員で構成されているネウボラ・チームに、おでかけひろばを運営している子育て団体等の地域子育て支援コーディネーターを加えて充実させてまいります。
この伴走型相談支援に関して、新たに出産・子育て応援ギフトを開始いたします。
この妊娠8か月面談の右側に記載しております。
妊娠時のネウボラ面接を受けた妊婦に対して、現在の世田谷子育て利用券の額面1万円に加えて、新たに出産応援ギフト5万円相当を支給いたします。
さらに、出産後、乳児期家庭訪問を受けた家庭に、新たに子育て応援ギフト5万円を支給いたします。
次に、左側の両親学級の充実です。
こちらは、平日と休日のプログラム等を一体的に見直し、児童館を活用した地域展開を行うなど、地域資源へのつなぎを強化してまいります。
次に、その上の出産のところです。
出産から1歳までの支援として、出産費助成の充実です。
現在の第3子からの助成を見直し、所得制限なしで第1子から一律5万円を助成いたします。
出産のすぐ右側に記載の乳児期家庭訪問と併せた子育て応援ギフトについては、先ほど御説明したとおりでございます。
次に、少し右へ行って児童館では、全てを子育て支援館とするとともに、新たに身近な子育て支援につながるきっかけづくりとして、本を配布する（仮称）ようこそ児童館へ事業や、多胎児支援、多胎児家庭の情報交換、体験談を共有するためのピアサポーターによる多胎児支援事業を開始いたします。
その下のところで、おでかけひろばでは、子どもと一緒に休むことができるスペースを確保する、ほっとひと息事業（レスパイト事業）を開始いたします。
次に、右の1歳のところで、1歳の支援として新たにバースデー事業を開始いたします。
1歳を迎えた子どもがいる保護者に育児パッケージ、第1子1万円相当、第2子2万円相当などの配布を行います。
こちらは東京都の、とうきょうママパパ応援事業を活用するものですが、令和5年度実施内容の詳細が明らかになり次第、必要な対応を図った上で実施してまいります。
2ページ目以降は、先ほど御説明したとおり、事業ごとの目的とか概要、対象者、実施経費、あと今後のスケジュールなどを記載しておりますので、後ほど御確認いただきます。

事務局
別紙3「子ども・子育て総合センター子育てひろば運営方式の見直しについて」、御説明いたします。
「1主旨」でございます。
妊娠期からのつながりや子育て中のストレス、不安感の軽減を目的として、親子が自由に集い、親同士の交流や子育て相談ができる場として、ひろば事業を展開しております。
先ほど報告にもあった令和5年度からの子ども・子育て支援事業計画調整計画（案）では、「まちのおうち機能（実家のようなもう一つの家）」を担うことを目的に、おでかけひろばの機能拡充を図るとともに、今後、おでかけひろばをベビーカーや子どもと歩いて15分で行ける身近な距離に整備し、児童館の子育てひろば25か所を加えた現在の68か所を、令和8年までに80か所とする目標を掲げております。
この計画を推進する一環として、支援を受ける側から担い手になる「つながり」を地域の中で生み出す機能を強化するため、子ども・子育て総合センターの子育てひろば、通称かもちゃんひろばについて、現在の区職員による区立おでかけひろば運営を見直し、令和6年度より補助事業による地域団体等の民間事業者による運営に移行してまいります。
「2実施の背景・理由」です。
かもちゃんひろばは平成17年に開設して、区立保育園従事経験者である区職員による運営を行い、区内におでかけひろば事業を拡充するための先導的な役割を担うなど成果を上げてまいりました。
またこの間、各地域の拠点園においては、保育園内に区立おでかけひろばを整備し、今後も区立保育園の地域支援活動の一環として運営していくものです。
かもちゃんひろばのある世田谷地域も、世田谷保育園内におでかけひろばを整備し、運営しております。
今後、おでかけひろばの機能の強化と面的拡充を進める中で、かもちゃんひろばにおいても、第2期子ども計画（後期計画）に掲げる、支援を受ける側から担い手になるつながりを地域の中で生み出す機能を強化していくこととしまして、民間事業者による運営方式に転換します。
新たに、ボランティア等も含めた人材活用を実施しながら、他のひろばのモデルとなる支援のつながりの実現を目指していきます。
開設時期ですが、令和6年5月以降となります。
運営形態は、現在のひろばの場所を行政財産使用許可により活用して、補助事業として令和5年度中に事業者を公募し、選定していきます。
概算経費は、令和6年度の予算見込みを掲載しております。
「6今後のスケジュール（予定）」として、令和5年の4月以降に募集情報を公開、事前相談の受付などをしてまいります。
11月に補助事業者を決定して、令和6年3月には現在のかもちゃんひろばの運営を終了しまして、5月に新規開設という予定でおります。
説明は以上となります。

事務局
まとめての事務局の説明は以上となります。
よろしくお願いします。

森田会長
ありがとうございました。
事業計画の具体的な最終案は、こちらのほうで部会でも議論いただきました。
それについて若干の修正がありましたが、大きな方向性の変更ではないと思います。
この資料と、今お話があったように、それを補充するような形で、特に伴走型支援が国のほうで整備されていく過程の中で、さらに、東京都も拡充してきていますので、そういう事業をどのように入れ込みながら、既存の世田谷区の事業に整合性を取っていくのかということをしていただいたと思います。
御質問とか感想とか御意見がございましたら、報告ではありますが、若干受けたいと思います。
いかがでしょうか。

委員
4月に向けて、認定こども園とか認可保育園の待機状況というか、空き状況と言ったほうがよいかもしれないのですが、今、特に都心の山手線内外では、ゼロ歳児の空きが非常に出ておりますし、ほかの歳児においても、1割、2割空いているのが普通みたいな状況が聞かれていまして、これについて世田谷区のほうでは、今どんな状況になっているのかを知りたいです。
去年よりも大分悪化しているところが多いと、空きが出ているところが多いと、中にはもう保育園を続けていけないのではないかというような事業者さんも結構出ているというような話もあるので、世田谷区の状況をお知らせいただければと思います。

森田会長
分かりました。
ほかに感想とか御質問とかはございますか。

委員
別紙2で3、4、5歳、就学のところが一まとめになっているのは、子育て支援を考えるときに苦しいところだなと、実は私も厚労省のほうで、保育園で不適切な養育をするような家庭にどう支援できるのかというような検討会にメンバーとして参加していますが、なかなか難しいと感じています。
別紙1の17ページには、児童館とか区立保育園、幼稚園の取組みがありますので、ぜひそこも、予算立てがなかなかできないので、ここに載っていないのかと思いますが、力を入れているということをアピールしていただければと思います。

森田会長
あとで、不適切保育の問題については、保育課からの御報告がありますので、そこで御議論いただくことにして、今は全体的なところにしたいと思っておりますが、ほかに何か御質問とか感想とかはございませんか、よろしいですか。
そうしましたら、今年の入園の申込み状況というところで、報告できる段階のものを御報告いただくということで、対応いただきたいと思います。
世田谷区の場合、まだ最終ではありませんが、お願いいたします。

事務局
令和5年4月の認可保育園の状況を御説明いたします。
令和5年4月入園申込みの一次が1月中に終わりまして、現在は二次選考の最中でして、まだ最終の状況にはなっておりませんので、本日は一次申込み、一次選考の状況の報告ということでさせていただければと思います。
今回、令和5年4月の入園申込みは、合計で6,000人の申込者数でした。
特徴としては、1歳児が昨年と比べ161人増えておりました。
一方、ゼロ歳児のほうで100名減という数字になりました。
その辺りが特徴となっています。
2歳以降は全てマイナスとなっておりますので、合計でみますと昨年と比べて117名減の申込者数となっております。
それに対して、入園可能数が合計3,969名の枠に対して、一次の内定者数が3,916名で、非内定者数、内定できなかった数字が2,084名という状況になっております。
例年大体こんな割合になっておりまして、そのまま二次に流れているという状況ですので、現段階でどれだけ待機児が出るかとか、欠員が出るかということは、まだなかなか言いづらい状況でありますが、先ほど申し上げましたように、1歳児等が少し今回は、昨年に比べて増えたかなというところはございます。
その一方で、ゼロ歳児のマイナスが少し顕著になったかなというところでございます。

森田会長
よろしいですか。

委員
ありがとうございます。

森田会長
ほかにこのことについての感想とかはございますか。
ほかの自治体、23区以外などを見てみますと、私は今年の入園申込み状況で、すごく顕著だと思ったのは、幼稚園で満3歳入園にかなり取り組んでいらっしゃる園が増えてきているということです。
保育園にすれば2歳保育ですよね。
そこに取り組んでいらっしゃる幼稚園がかなり増えてきているということが、割と顕著になってきていると思います。
23区内は少しごめんなさい、分からないのですが、そんな風に感じてます。
それと関連して、3歳からの保育園というのは、逆に満員になってきていて、3歳児保育に入りにくくなっている自治体が出てきているということがあります。
要するに教育・保育の無償化が、保護者の保育施設の選択の動向に影響を始めてきたかなという感じが、私は今しているのですが、それは各自治体の取組みに影響されるところが大きいかもしれません。
それと、もう一つ、先ほど委員もおっしゃっていましたが、2歳以降のところ、ちょうど3歳になるところですから、本当に子どもとしては大変なときですよね。
そして、次の子ども、第2子が生まれたりして、例えばゼロ歳と2歳であったり、1歳と3歳であったりという、この2歳違いぐらいで兄弟を育てている家庭はすごく大きい。
そういう意味で言うと、この辺の2・3歳のところがきちんと地域支援で、預かりとか、具体的にはこの交流とかがきちんと保障されていかないと、ここで子育ての大変さが家庭に非常にのしかかってくるので、ギフトはありがたいけれども、ギフト以上のものをちゃんとしなければいけないなということを思うわけですが、それ以上に、地域の支援は、十二分な手当てが保障された実践ではないと。
そのあたり、私はよく思うのですが、地域の方々が積極的に支援者の側、いわゆる共助の側に回られるときに、公がそれをどう支援するかと。
それは人材育成であったり、経済的支援であったり、場所の支援であったりするわけですが、そういうことをきちんとやっていかないと、共助は本当に簡単に崩れてしまうところもあると思います。
きちんとそこのところを支える仕組みを考えていかないと危ないなということを一方で思うのです。
とても大事なことなので、そこを育てて世田谷の中できちんと位置づけていくことがとても大事かなと思いますので、この仕組みを見ていて、すごく思いました。
その辺りも、やはり子どもに対して物すごく大きく影響していくので。
日本中見ていると、その共助の部分をきちんと公が支えている自治体での親の育ちはすごくいいですよね。
その先の、地域の子どもの育ちをきちんと支えていける大人に、皆さんが育っていかれるので、世田谷も、きちんとそういう取組みが展開できていくといいなと思うので、常に全体としてそういった目配りをしながら進めていただけるといいかなと思います。
さっきの話のところで何かありませんか。

委員
親の会の今年の4月の調査は、まだまだ先ですが、今、数字をお聞きして、そういう状況なのだなと思いました。
1歳児が増えてゼロ歳児が減ったということは、それだけゆとりを持って、育休をしっかり取って復帰しようという人が増えたのかなという感想を持っております。
世田谷区は待機児童ゼロということですが、一次選考の時点で2,084名に不承諾が出ているということは、やはりそうなのだなと。
もちろん、この中には育児休業を延長したくて、不承諾通知をいただいている保護者もいるとは思うのですが、かなりの方は、認可保育施設を希望しながら、実はそこに入れなくて、ほかの手当てに回っていて、その結果、待機児童にカウントされていないという方もまだたくさんいらっしゃるという、この事実はちゃんと認識しておくべきかなと思いました。
それから、もう一つ、この前も少し触れたのですが、ゼロ歳児の空きはあっても、大体年度後半にはみんな埋まってしまうということで、その埋まり方が、私が幾つか調べた自治体と比べますと、世田谷区は早いです。
割と効率よく空きが埋まっているという状態ですね。
私からすると、年度途中に入園ができるという状態は、子育てにとっては、とてもありがたいことなのですね。
年度途中に、自分の復帰したい時期に復帰できるという、この安心感、これは何物にも代え難いものがあるので、これは大変よいことだと思っていて、事業者の方々とは利益が相反するのですが、何とかその幸せな状態をある程度保障していただけるといいなと、うまく枠をいろいろ活用してでもいいですが、この年度途中入園も保障するという方向が、保護者にとっては恐らく安心につながるだろうなと思いました。
それから、ギフトもよいのですが、私はやはり現物支給といいますか、保育などの、あるいは子育て支援などの具体的な現物のサービスが来るということは大変ありがたいことです。
それこそ先生が今少しおっしゃったように、多胎児であるとか、年子の子育ても大変だと思うのですが、そういう人たちがもっと保育を気軽に利用できるなど、そういった現物支給の方法もあるのではないかと思っておりまして、保育をうまく使って支援していただきたいと思いました。

森田会長
ありがとうございました。
これは保育の質に関わってくる、次の報告に関わってくることですので、よろしいでしょうか。

委員
ありがとうございます。
幼稚園に関して、園児募集を停止する園があるような話が、地域の中で結構聞こえてきているのですが、そういうものはこの計画の定員に反映されているのか、教えていただけたらと思っています。

事務局
先ほどの、こちらの計画の数字の18ページ、全体の数字の中で、令和5年4月の定員が明らかになったというお話をして、そこで2特定教育・保育施設のところとか、3新制度に移行しない幼稚園とか、こういうところで、来年度の状況含めて入れていますので、ここで反映はしております。

森田会長
よろしいでしょうか。
それでは、次に進みたいと思います。
ケアの場で一番支えるところですが、認可保育所における虐待（不適切な保育）が起きてしまっております。
その報告をお願いしたいということで、私から依頼を出しました。
具体的にその御報告と同時に、それに伴う組織改正等について御報告をお願いしたいと思います。

報告（2）私立認可保育園における虐待（不適切な保育）及び区の対応、並びに組織改正について
事務局
それでは、御報告します。
報道にありましたように、区内の私立認可保育園において虐待（不適切な保育）がございました。
大変申し訳ございませんでした。
この件について、区の公表よりも報道が先にされた点についても多くの御意見をいただきました。
まず、この公表について先に御説明したいと思います。
1の「（1)公表についての経緯）に記載してございます。
園名が公表されるということで、社会的な制裁という面が大きいことに加えまして、今回の件については、区が直接当該園に関与して、保育士のヒアリングを行いまして、虐待行為を区が確認、把握しておりましたが、「1特定の保育士の行為が疑われており、法人が当該保育士を保育から外し、子どもたちの安全性が保たれていたこと」、「2法人が主体的に事実確認をすすめ、再発防止に向けて取り組んでいたこと」などから、公表を見合わせるという判断をしておりました。
しかしこの間、他自治体で保育施設における虐待行為が問題視されている中、本件についても、区として園名を伏せて公表すべきであったと反省しております。
次に「(2)虐待案件の公表についての考え方」です。
今後は、園名を除く、行為の内容、園が講じた対応策などを、年に1度、児福審の保育部会、直近の開催は令和5年3月22日になりますが、ここで報告して意見を求めることといたします。
審議会資料と併せて、審議会の際にいただいた御意見についても、子ども・子育て会議へ報告いたします。
また、次は随時報告するものです。
随時報告するものとして大きく3点考えております。「1子どもの命に関わるような重大事故」、「2著しく子どもの心身や人権を侵害する虐待行為」、「3区が改善・再発防止の取組みに重点的に関与する事案」、それぞれ想定するものを括弧に書いております。
こうしたものについては、園名を除いて随時報告いたします。
事案の概要については、添付資料の別紙に掲載してございます。
これは福祉保健常任委員会に報告した資料になりますので、日付が2月7日になっております。
それから、この議会に報告した資料の再発防止策の中に、組織改正について記載している部分がございますので、あわせて組織改正についても御説明します。
別紙2を御覧ください。
子ども・若者部と保育部に係る組織改正になります。
表になっておりまして、左側が現行組織、真ん中が来年度以降の改正後の組織、一番右端がその説明になっております。
現行組織の保育部の部分が、改正組織ではなくなっております。
これは、子ども施策を一体的に推進し、今後の子ども政策の考え方（グランドビジョン）を踏まえた重点施策に取り組む必要があるため、子ども・若者部と保育部を統合するものです。
それから、真ん中の改正組織の背景のグレーの部分を御覧ください。
グレーの部分の上から3番目です。
副参事（児童施策推進担当）を新しく設置します。
これは、民間学童の誘導等放課後児童健全育成に関する体制を強化するためです。
それから、同じ改正組織の一番下のグレーの部分です。
副参事（保育の質向上担当）を新しく設置いたします。
保育の質を高める体制の中心を担い、巡回支援から見えた課題や保育施設からの相談等に対し、迅速に判断して対応するため、設置いたします。
それから、現行組織の保育運営・整備支援課、一番左の表の下から2番目の課ですが、これについては、当面の間、認可保育園新規整備の公募は行わないため、廃止いたします。
説明は以上です。

森田会長
今、事務局から報告がありました。
この問題について、私自身も先週、報告を受けました。
もうこの2、3年ぐらいにわたってですが、保育の質に関して、不適切な保育が公立保育園、あるいは認可保育園等で出てきているということで、一人一人の人たちが、きちんと子どもたちの抱えている問題に向き合っていける力を持っているかということは、なかなか簡単にできることではないと思います。
やはりきちんとキャッチできる力ですよね。
まずキャッチする力がないと駄目だし、「何かおかしい」と思って、園のルールであったり、誰かが決めたルールみたいなものに当てはめていくのですよね。
子ども一人一人が抱えている問題を何かルールに当てはめようと思ったって、それは無理な話で、そこをきちんとアセスメントするだけの材料と、そして力がないと駄目だろうなと思いますが、とてもアセスメントになどなっていないという状況の中で、問題を、何かルールに当てはめようとして、それが逸脱したルールになってしまっているという感じがとてもします。
そういう意味で、何かルールを決めたからといって、全部なくなるとはとても思えない。
そういう意味で言えば、今日私たちが一番子ども・子育て会議で大事にしてきた子どもの権利ということ、この一つの条例であったり、具体的な取組みであったりするものが、本当に一人一人の子どもたち、とりわけ一番小さい乳幼児のところに浸透しきれているのかというところが物すごく問われていくわけですが、ある種の綻びがいろいろなところに出てきているという感じがしてならないわけです。
今日、私が責任を持って進行できる最後の回に当たるので、もうこの問題を除いて、私がこの会議を終えるわけにはいかないということで、保育部からご報告いただいたということになります。
もう既に、今後どうしたらよいのかについては、2回答申を、私自身も委員長として出しております。
この2回出している答申が、綻びを繕うだけの力がなかったとするならば、何かもう一つ違うことをしなければならない。
あるいは、何がそこに不足していたのかを私たちはきちんと考えなければならないと思っておりまして、そのことは、私自身も、本当にこの50年余り、子どもの権利の具体化というところで、とりわけ子どもの乳幼児期からの保育等についても、一つの私の研究の分野として位置づけてきたので、このことをぜひ皆さんと一緒に、最後、考えて、そして、私たちはどうやったら子どもを権利侵害から守ることができるか。
私たちが大人の暴力から子どもたちを守ることができる仕組みと取組みを、ここから考えていかなければいけないことがあると思いますので、今日、本当に短い時間ですが、少し御意見をいただいた上で、最後まとめたいと思った次第です。
いかがでしょうか、御発言ありますか。

委員
私も、この議題で最後の会議が終わるということが非常に無念でたまらないですが、私たち園長会は集まれば、この問題のことだけで、もういっぱいになって、前へ進むことができないんですね。
今、保育現場では相当みんな苦しんでいるわけです。
だから擁護するということでは決してないですが、あまりにもいろいろな、複雑な問題がたくさん山積していて、その一つ一つを本当に掘り下げて解決していかないと、この問題は解決の道につながらないだろうなということはすごく感じています。
だから、身近でできる問題からとにかくやっていこうということで、昨日も私立園長会がありましたが、私立園長会が一つにまとまるということは、当然できないわけです。
保育園なり法人の違いやら、規模の違い、もろもろありますから、むずかしいのです。
ただ、やはり私たちがどこで団結できるかの最低限のところだけは確認しようということで、今そのプロジェクト的なものもつくりつつ、みんなに呼びかけて、そこに子どもがいるのであれば、その子どもの権利をどう守っていくかということを一番大事に考えていこうという、あまりまだ具体的ではありませんが、それでも具体的なことを論議していこうというふうにはなっています。
その中の一つとしては、今、それこそ地域でつながる保育園ということで、住所ごとにきちんと分析して、7、8の園が、常に何かの形でつながろうと考えています。
ただ、園長たちが相当疲弊していることは事実です。
園長会の出席もあまりよくなくなってきていますし、民間保育園だからといって、私たち園長会の組織がこれをどうこうする問題ではないですが、しかし、やはり横のつながり、地域のつながりは、公立保育園の方たちのお力もお借りしながら、とにかく健全にやっていかなければいけないと思っています。
そして、私も今回の保育園の人たちのいろいろな実情をお聞きしましたが、やはり本当に明日から何をしようということで、職員が必死になって、子どもたちを毎日毎日元気で迎え入れようと考えています。
そして保護者たちも、「先生たち、辞めないで頑張ってくれ」という応援の中で、地域の子どもたちを健全に保育するために再出発するぞという意気込みをしているのですね。
やはり保育園は地域の財産でもあるので、本当にいろいろな形で利用してほしい、安心して利用してほしいという思いで、子育て支援をいろいろな形でやっています。
「場所もあるし、専門家もいっぱいいるし、ぜひ安心して地域の人たちいらっしゃい」、「ここが保育園ですよ」ということを呼びかけようと思っていた矢先に、このように、「保育園って不安だね」という印象が地域に広がってしまうようなことが起きてしまったので、私たちは改めてまた明日から、子どもたちの元気な保育を目指して、保護者にも地域にも安心していただかなければいけないという決意を持っていることは確かです。
それと、やはり自分たちの今までやってきたことの見直し、まだまだ民間保育園の中では、いわゆる昭和的な保育のモデルでずっと来ているところもありますし、さっき遊びの問題がありましたが、遊びは遊ばせることではなくて、子どもたちが自らの意志で遊びを選び、遊びを進めていく、組み立てていくという、それが本当の遊びなのですが、そういうところについても、規制がどんどん出てきているという実態も、今、園長会などでもそういう悩みが出されています。
ですから、この不適切保育、虐待という2つのキーワードで苦しめられていることは確かです。
ただ、今、保育園ではまとめの時期に入っています。
なので、1年間、子どもたちがどう大きくなったかなという検証を、職員たちも豊かに自分たちの中に取り入れて考えてくことをみんなで頑張って取り組もうという話は、役員会でも話しています。
また、「保育園って普通だよ。安心できるよ。」というように、社会や世間から見ていただけるような実践を積み重ねていきたいなと思いますので、よろしくお願いしますということで結びたいと思います。

森田会長
ありがとうございます。

委員
私も、長年保育に携わり、また、この子ども・子育て会議も長らく委員をさせていただく中で、保育現場の職員の皆さんが本当にやりがいを持って働けるように、また、そこにいる子どもたちが楽しく幸せであることを願って、例えば世田谷区保育の質のガイドラインとか、様々な研修とか、いろいろとできることをお手伝いしてきた者として、また昨年の４月より、森田先生を座長として保育施設への支援・指導のあり方検討会が立ち上がり、その中で、本当に熱心に議論を交わしながら、何とかこの保育の質の確保、そして子どもたちの権利が守られること、また様々なことが起こったときの相談支援のフローとか、いろいろ具体的に構築して、昨年8月には報告書が作成されたわけですが、こうして様々な方、私も森田先生ももちろんですが、たくさんの方が、本当にその現場の方と共に、保育を大事に、そしてまた、本当に世田谷の保育の質が高まるようにということでやってきたことが、こういう事件が起こって、報道で知ることになったときのショックたるや、本当にがっくりするとともに、じくじたるものがありました。
なぜなかなか浸透しないのだろう、なぜこういうことが起こってしまうのだろう、特にこの世田谷の中では、本当に関係者どうしで協力して、いろいろやってきたはずなのになぜというような、本当に苦しい思いをしたものです。
しかし、今、現場の先生が本当にダメージを受けられて、そこに保育者の方のメンタルですとか、あるいはこのイメージダウンといいますか、報道の暴力といったものも感じるところですが、そういう中で、私たちが保育の環境をさらに充実させながら、人的な確保、自己点検や評価の仕組み、風通しのよい園運営、こういうところからまた守り立てて、幼児教育・保育の充実を図っていくということを、やはり諦めてはいけない、さらにいろいろな手だてを工夫して考えていかなければならないと思います。
ですから、例えば評価させられるとか、自己評価しなければいけないというのではなくて、自ら共に何か確認できるような前向きな仕組み、創造的な自己点検・評価というものをどうやってつくっていったらよいだろうかとか、配置基準の見直しとか人的確保をどういう方法で、様々な分野の方と手を取りながら改善していくことができるだろうか、こういったことに一つ一つ、いろいろな方のお力を借りながら、まだまだ諦めずに取り組んでいきたいと思っているところでございます。

委員
保育園を考える親の会としては、昨年12月に不適切保育防止に関する緊急要望というものを国に提出しております。
その理由は、やはり親の会にはそういった相談が比較的舞い込んできておりまして、そのときに、世田谷区ではないのですが、こちら側から問題にしても、施設の方や自治体の方の反応が非常に鈍い、子どもの心が傷つく、体が傷つくということについての人権意識というものが非常に低いと感じてまいりましたので、この機会にしっかりこの問題をとらえて、大人にしてはいけないことは子どもにもしてはいけないのだという意識を、関係者みんなが持つということをきちっとやってほしいと思って、この緊急要望をあえて出しました。
集団保育の中で子どもを見ていくということには、本当にリスクがあると思うのですね。
保育所保育指針に「一人一人の子ども」という言葉が37回出てくるというのですが、私はそれは、集団保育で一人一人を見失うというリスクがあるということへの戒めなのだと思っております。
この背景には、保育者が本当に一人一人を見ていくためには何が必要かといういろいろな要素があるのですが、とにかく、一人一人が子どもの人格を尊重して、子どもの発達を、気持ちを理解して子どもに関わっていく、そして、具体的に保育場面で困ったことが起こったときに、どうしてあげたらよかったのだろうとか、関わりはあれでよかったのだろうかということを、みんなで共有して話し合えるような風土づくりとか、そういうことも非常に重要だなと思っています。
体のけがのヒヤリハットはよくありますが、心のヒヤリハットをぜひやっていただいて、「今、このように子どもに言ってしまったけれども、どうだったのだろう」というようなことを、粘り強く、しばらくして忘れてしまうのではなくて、ずっと続けていく必要があるだろうなと思っております。

委員
今ちょうど保育園さんの話にはなっておりますが、私立幼稚園でも、バスの置き去り事故、これは事件ですね、貴い命が亡くなっています。
それが2年連続でおきたということで、こういう不適切な行為をする先生がいるというのはもちろん事実でございました。
ただ、私が今日お話ししたいのは、こういう先生もいました。
でも、それ以外の大勢の先生は、本当に毎日、現場で一生懸命子どもたちを見てくれているということです。
こういう問題が出てしまうと、こういう先生たちばかりに目が行ってしまいますが、どうかそれ以外の大勢の先生が、日々本当に頑張ってくださっているということも、ぜひ忘れないでいただきたいと思っております。
人数配置などが大変厳しい状況が幼稚園にもございます。
そういう中で、もちろん経営面で、例えば新しい先生を何とか募集しなければいけない、育てていかなければいけない、そういう努力はもちろんしておりますが、行政の方にもお願いしたいのですが、幼稚園、保育園の現場の実情をもっともっと知ってほしいのですね。
数値だけではなく、もっと現場と話す機会を設けていただいて、「あっ、設置基準ではこの数値で大丈夫だけれども、実際はまだ人が足りないのか」とか、そういうことも含めて、「入ってもすぐ辞めてしまうんですよ」とか、もしかすると愚痴になってしまうかもしれないのですが、でも、そういう先生ばかりではないので、本当に頑張っている先生たちを何とか救済していただきたい。
ですので、もっともっと話す機会を設けて、現場の実情を知っていただいて、その中で、例えば、行政としてこういうことをバックアップできるかなとか、こういうところを助けてもらえませんかとか、話す機会を、ぜひ増やしていただきたいと思います。
今回のように不適切な先生もいますが、それ以外の大勢の先生は、本当に毎日毎日頑張っていますので、どうかそのことを言わせていただきたくて、意見をさせていただきました。

森田会長
ありがとうございました。
はい、どうぞ。

委員
本当にいたたまれない気持ちでおります。
私も子どもたち2人を保育園に預けていましたが、もう結構年数もたって、恐らく私が預けていたときよりも、人材不足とか、いろいろな問題で、さらにきっと現場の皆さんが疲弊されているのだろうと想像しております。
私が思いましたのは、予算も潤沢ではなくて、人材も不足していて、こういう状況の中で、当たり前に良質な保育が実現されるということは、まず私たちが、それを当たり前に享受できるサービスなのだと思ってはいけないことなのだろうと感じました。
例えば区立の小中学校ですと、今、全校がコミュニティースクールになっていて、地域の方がそこの運営に携わるという仕組みがありますが、あれがよいと思うのは、小さな問題が学校に起こったときに、それがいち早く共有されて、学校の実情を知った味方、ちゃんと地域に対してそれを代弁してくれる存在が、そこの中にいるということで、これは恐らくすごく現場の助けにはなっていることだと思うのですね。
今、保育園は、私立の保育園で、そういう仕組みが取られているところもあるかもしれないですし、取られていないところも多いのだと思うのですが、何とかして、その保護者や地域も含め、その地域の財産として、保育園を支えていく仕組みを考えていかないと、こういうことは恐らくなくなりようがないだろうと感じました。
そして、気づいている方がなぜ声を上げられないかと言ったら、そこで問題が起きて、一人外れてしまったときに、「明日の運営がどうなるのだろう」、「今預けているお母さんたちを明日から困らせてどうするのだろう」と思うと、そうそう簡単に声も上げられないだろうということなのかなと思いました。
多分、それがまたつらくなって、仕事を続けられなくなるというような悪循環がきっと現場で生まれているのではないかなと、もう本当に苦しい気持ちになります。
やはり何とか支える仕組みを考えていきたいなと感じました。

森田会長
ありがとうございます。
では、これから最後に一人ずつご発言をいただくので、そのときによければそこで話していただきたいと思いますが、よろしいですか。
もうこの問題は、多分話していたら何時間でもかかってしまいますので、皆さんの思いを、具体的には、多分いろいろな形で寄せていただければ、こんな工夫の仕方があるのではないかとか、こういう立ち位置からは、こんなことができますとかいうようなことも出していただくことがすごく大事だと思いますので、またこれは別途、方法を考えたいと思います。
これについては期限を決めないで、どうぞ皆さん、提案ということで、どんどん事務局にお寄せくだされば、「私はこのようなことができます」、あるいは「うちの団体はこうできます」、そして、「こういうことをこのようにしたらよいのではないか」というような提案をいただければ、多分、内向きになっている思いがもう少し外に開いていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、終わりが近づいておりますので、次に進めさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日の議事ですが、予定していたもの自体としては終わりました。
ただ、実は今日の終わりというのは結構重要な終わりでして、私を含めて任期が終わる方が何人もいらっしゃいます。
そういう意味で、この子ども・子育て会議が、今、第1期から5期の任期になるので、世田谷区のルールとして10年、つまり5期10年を継続した者については、この場を離れるということがルールになっております。
よって、1期目から御参加いただいた方については、今日が最後の会議での参加ということになります。
そして、先ほど言いましたように、私ももちろんその一人ですが、副会長やっていただいた天野先生、それから池本さん、それから普光院さんと松田さんはこれで、今期で退任ということになります。
それから、もちろん任期途中であったとしても、団体から出ていただいている方については交代もあり得ますので、一言皆さんからお話しいただいて、今回で最後の方は、多分思いがあると思いますので、最初に継続の可能性のある方に先にお話しいただいた上で、最後の方たちに持っていきたいと思います。
オンラインで今日御参加いただいている方から一言ずつお話しいただきましょうか。
よろしいですか。
では、お願いいたします。

委員
はい、どうもいろいろとありがとうございました。
虐待について、悲しい問題だったのですが、少し現場に副作用が出ておりまして、保育士たちが非常に萎縮していると。
「何をやっていいの」、「どこが虐待なの」という声もあがっています。
例えば、公園で子どもが泣いているだけで、見ていた住民から、警察に通報される。
また、信号が比較的早く変わるような交差点で、子どもがどうしても早く渡れなくて、黄色になってしまうケースがありますよね。
これなども通報される。
昔にはなかったようなことが次々と通報されるというような状況で、保育士たちが本当に萎縮している。
そして「こんなことだったら、私たち辞めたい」というような話も、いろいろなところで聞きます。
ですので、ぜひとも、どういうところが虐待なのか、どういったことが虐待ではないのか。
例えば腕を引っ張るのはよくないけれども、お散歩ときに、子どもの安全を確保するためにも、引っ張らなければいけないときだってあるわけですね。
そういうことが、例えば世田谷区さんの今回の、法人の報告と区の報告があるのですが、法人の中でも、急がせるということが、何か虐待のように書いてあるのですが、これを虐待と言われたら、我々、どうしたらよいのかということもございます。
それから、お箸を下さいと言うのも、調理室に一人で行かせるというのは問題があると思いますが、5歳ぐらいになって、それをやってはいけないのかという話もあると思います。
今回の区の報告も、区が把握したと、それから法人が把握したという形で、両論併記とは言いませんが、それに近い形になっていまして、その虐待に当たるというところを、もう少し具体的に、はっきりと示していただきたいと思いました。
だからといって、これもまたケース・バイ・ケースだと思いますが、そういう副作用が随分出ているところもございます。
先ほど先生がおっしゃったように、非常に現場の話はよく分かっているので、そういったところも併せて、そちらのほうのこともケアをしていただけるような、そういった御政策をしていただければと思っております。
以上でございます。

森田会長
それではお願いいたします。

委員
本日はありがとうございました。
虐待について、頑張っていらっしゃる保育者の方もいらっしゃるということは重々承知した上で、やはり保育者の方自身も、普通という価値観の違いだとか、経験による、育ってきた環境による違いもあると思うのですね。
例えば言葉の使い方一つにしても、今ではよく聞くようになってしまった、「まじ」、「うまい」、「やばい」だとかいう言葉は、大人も普通に使う方が増えてきて、子どもに「使っちゃいけないんだよ」と言っても、他のおうちでは、お父さん、お母さんも使っていたりとか、そういう家庭による違いもありますが、保育者の方々もそれぞれ、やはり仕事、現場での言葉の使い方、プライベートでの言葉の使い方、それぞれあって、保育の負担が増えたりしてふとしたとき、感情的になってしまって、そういう言葉が出てきたり、「おい」だとか、「ちょっと」だとかいう言葉も、言い方にもよるかと思いますので、何の言葉を言ったから駄目、何の言葉を使ったからいいよという問題では一概に言えないというのが、難しい問題だなと思いながら聞いておりました。
区立幼稚園の保護者として、こちらにお話しできることとしましては、やはり子どもが帰ってきて、例えば、「今日、先生にこういうことを言われた」ということが、「あれ、これは通常の保育の範囲なのかしら」、「ちょっと度が行き過ぎているのではないかしら」と悩んだときに、児童相談所に通報という形の前に、相談できる場所があって、それを保護者の方々が認識、より広く知っていただけると、そういう保護者のクッションになってくれる場所があると、いきなりダイレクトに保育士の方に行くことがなく、よりよいのではないかなと思いながら聞いておりました。

森田会長
ありがとうございました。
では、どうぞ。

委員
ありがとうございます。
あっという間に10年たってしまったという感じで、私は、まさに自分の子どもが保育園から学童、小学校と育って間もなく卒業ですが、その中でこの会議に参加させていただきましたので、本当に子育てしながら疑問に思うことを、区の方には申し訳なかったのですが、いろいろ確認させていただいて、制度のこととかを勉強しながら出させていただいて、本当にありがたく思います。
保護者がこれをどこまで言ってよいのかと分からないことが、もう本当に山ほどあって、そんなときにどうしたらよいかという情報がないことを会議を通じて改めて感じていまして、そういった相談ができる場だとか、あと、保育園というのは学童というのはどういうところなのかとか、親としては何をすべきなのかという情報とか、あと、困ったときに、どこに相談したらよいかということなどももっと情報があったらいいななどとを思いながら過ごさせていただきました。
また私自身は、できるだけ海外の事例なども御紹介して、今回の権利部会のところでも少し入れていただいたりして、すごくありがたく思いましたが、むしろ私のほうがいろいろ勉強させていただいたなという気がしています。
本当にありがとうございました。
引き続き区内におりますので、また何かお役に立てることがあればと思っております。
ありがとうございました。

森田会長
それではお願いします。

委員
2年間ありがとうございました。
本当に最初、何も分からないところから、とにかく参加したいという気持ちで、ずっとやらせていただいたのですが、本当に区民の意見として受け入れて、酌み取っていただけて、私自身も本当に子どもたちにも、「自分が動けば変わるんだ」ということを胸を張って教えてあげられることができたかなと思います。
区民が一緒に参加したり、見ていったり、意見を言ったりということがどんなに大事かということを感じましたので、こちらの会議もできるだけ傍聴させていただいたり、引き続き勉強させていただきたいなと思っております。
よろしくお願いします。

森田会長
ありがとうございました。
ではお願いします。

委員
2年間ありがとうございました。
いろいろ感じることがいっぱいで、一言で表すのは難しいのですが、長男がゼロ歳のときからずっと世田谷区で子育てをしてきて、もう12年になりますが、最後、今回のこの会議でも大きなテーマになりましたが、やはり子どもの権利というのが、自分の周りの保護者の方たち、8割、9割ぐらいは、多分そんなことも知らないし、いろいろな流れとして、自分はすごく少数派なのかなと感じながらも、何かここに来ると、すごくうんうんとうなずくことができて、すごく生き生きできる気がしていました。
またふだんの生活に戻っていくと、すごくもやもやすることが多い中で、それでも何か少しずつ変わることがあればと思っていますし、また地域の中で自分なりにやれる取組みを続けていけたらなと思っています。
区の方々がどれほど一生懸命いろいろ動いて考えてくださっているかということも本当によく分かって、貴重な2年間でした。
ありがとうございました。

森田会長
それではお願いします。

委員
子どもの権利条例について、はじめて熟読する機会をいただき、皆さまのご意見もお聞きできて心から感謝しています。
近所で見かける子育て家族の姿、登下校時の子どもたち、校庭や、放課後、休日の児童館などの賑わい、ふだん私たちが目にする子どもたちの姿は、行政を担う皆さまや、ここで行われてきた歴代の委員による議論、そして生活者の気づきなどが背景にあってのことなのだと、今回委員を務めさせていただき強く感じ、気づいた次第です。
私はふと気づいたことなどつたない発言をするばかりでしたが、森田先生はじめ皆さまに耳を傾けていただき、心から御礼申し上げます。
この貴重な場に立ち会わせていただいたことにも深く感謝しています。
森田先生、皆さま、ありがとうございました。

森田会長
それでは、お願いします。

委員
不適切事例が、最後に話題になったのは、子育て全般が誰かに任されてきたということのひずみを表していると私は考えています。
そういう意味で、もっと実際に携わっている方をサポートするようにしなければいけないということもそうですし、地域に開いていく、お互いに保育の様子を見せ合うとか、地域の方が関わっていくというようなことで、やっている人だけを悪者にするような報道が出ないような世の中になっていけばいいなと思いました。
そして、そのために、こういった市民も専門家も当事者も参加するこの会議はとても意義があるものだと思うし、ぜひ多くの区民の方にこの存在を知っていただきたいと改めて思いました。

森田会長
ありがとうございます。

委員
2年間お世話になりました、ありがとうございました。
初め、私もほかの方々と同じように、「一体何が起こるんだろうか」という気持ちで参加したのですが、大変興味深いということと面白いという実感が自分の中に残っています。
私は社会福祉士の資格養成の専門教育に関わっていて、そこでは「価値というのはすごく大事だよ」というのと、「多様性というのを重視しましょう」と言っているのですが、いざ現実に起こっている事象をどのように捉えるのかというような場面では、自分たちの専門領域の枠に入ってしまって、なかなかほかの分野で仕事をしている人たちの話を聞くということができなかったのですが、ここに来ると、それを得ることができ、それが非常に自分にとってはよかったなと思っています。
例えば待機児童がゼロになりましたという事象一つを取っても、この会の方々は、「実感はありません」とか、では余剰のスタッフをどうしますかというときにも、様々な角度から、本当に子どものことを考えながら、皆さんが真摯にお話をされているということがすごく興味深くて、しかも、自分がその中に身を置くことができたということが、何よりも自分には利益だったなと思っています。
こういった様々な専門職の人たちの視点を、私は学校に持ち帰って、学生に授業をするときに、「このようなことを言っておられたよ、みんなどのように考えるのかな」とフィードバックして、そして現場に出していきたいなと思っています。
特にソーシャルワーカーになるというときに、利用者の最善の利益を何よりも大事にしましょう、そのためにどうすればよいのかというための指針として、倫理綱領というものがあるのですが、私は、自分のクラスでは、日本の文も推敲はされているのですが、何分抽象的なので、アメリカの文を持ってきて、どれぐらい違うと思いますかと。
それから、実際に対立場面とか葛藤の場面になったときに、どうするのですかということを、事例を踏まえながら話をするのですが、まず学生に、施設の中で暴力が起こりました、それがニュースになりましたというのを見せると、彼らは本当に腹立たしいと怒るんですね。
どうして人を助けたいと思った人が、あんなふうに自分の利用者に暴力を振るうのだろうか、許せないと怒るのですね。
でも、実際に、では、置かれた状況を考えてみましょうよと言うと、「ああ、なるほど、人が少ないんだな」とか、それから自分が専門教育を受けてきたとしても、それが十分に発揮することができないだとか、あるいは、やってもやってもお給料に反映されないとか、本当にいろいろなことがあって、では、自分だったらどうできるのだろうかということは、そのようなプロセスを踏むと出てくるということがありました。
そして結果として、私は自分を反省しないといけないのですが、やはりそういう難しい場面を見てしまうと学生は、「だったらこの資格を生かすというよりは、ほかのところに仕事を求めましょう」というようになってしまうので、私は学生がこの仕事に未来を感じられるためにはどうしたらよいのだろうかということを、改めて考えていかなければならないなと思っています。
いろいろな立場で、いろいろな施策に関わって、変化をさせることができる方々がいらっしゃるという意味では、私が言いたいのはやはり、どうぞ人を増やしてくださいということです。
もちろん質も大事なのですが、人を増やすというところでも、随分と何か変化があるのではないのかなと思います。
立ち話でも何でもよいので、「あれは何だったのだろうか」ということを、少しでも話す時間を増やしてもらえたらなということを、個人的に思っています。
本当に有意義な時間でした、ありがとうございました。

森田会長
では、お願いします。

委員
いろいろとありがとうございました。
最初に座ったのは森田会長の横だったのですが、硬直して手も挙げられずにいましたが、ようやくこの二、三年、自ら手を挙げられるというように、子ども同様、私も少しずつ育ってまいりました。
ありがとうございました。
いろいろ課題はあると思うのですが、この会議で進んでいっている世田谷区のいろいろなよき制度を、区民がまだ知らないでいる部分はすごく多いなと思っていて、それがすごくもったいないと感じています。
例えば児童相談所ができたことによって、児童相談所とのやり取りが直接できるようになったとか、それから権利委員会が設けられて、そこからもいろいろな情報が私たちのところへ寄せられてきているというところで、そんな中で2歳の頃からずっとカミングアウトしてきた子が、ようやく親をも揺り動かして、学校へ行く前に、自分のジェンダーをしっかり社会にも分かってもらえるようにまで成長してきたということがありました。
そのことが、この子にとって生きてく上でどれだけ大きな権利なのかということは、本当に全職員で学ぶことができましたし、それから、里親制度のことについても、日中、保育園で保育をして、朝夕、親の元へ帰る。それで、この里親さんをそういう形で応援できるという、里親さんのお子さんを受けることによって、そういうこともできるということも学びました。
このように、この会議で議論されていたことについて、やはり保育園でもたくさんのことができるという点については、私もすごく学ばせていただきました。
また、行政の方たちの優秀さと、それから私たちともいろいろ近寄って、いろいろなことを援助してくださるという、そういった力は、世田谷区は特別なのだなということをすごく感じています。
子ども・子育て会議の力もすごく大きかったかなと思って、森田先生にも本当に心から心から敬服しますが、そんなことを感じて、また、私もあしたのエネルギーとしていきたいと思います。
長い間ありがとうございました。

森田会長
どうぞ。

委員
ありがとうございました。
私は子どもに関わる一人の大人として、今率直な気持ちは、子どもに申し訳なかったということと、親御さんにも心配をかけて悪かったと、そういうことも個人的には思いました。
また、大勢の職員も事業者もいるわけで、その人たちも、いろいろ傷つけてしまうようなこともあったと思います。
私も一事業者の一人として、やはりいろいろなことがありますし、熱心なあまり、何か大事なことが個人の技になってしまっていくということをすごく感じるところがあって、そういう意味で、鍛えれば鍛えるほど個人の技になっていくのではなくて、広く透明で、それが本当に大丈夫なのかどうかということを組織の中で見合っていくような、そういうことをやり通していかないと、どこかで古くなってしまうということは日々感じるところなので、自分も含めて前向きにやっていきたいと思いました。
ありがとうございました。

森田会長
どうぞ。

委員
私立幼稚園、私立保育園、区立幼稚園、区立保育園と、それぞれ関係省庁などが全部違いますが、やはり一つ同じものがあります。
それは、この世田谷区の未来を担う子どもたち、ひいては日本の未来を担う子どもたちの一番大切な幼児期の成長を後押しさせていただいている施設だということです。
そして、その中でたくさんの在園児、そしてその在園児の保護者の方の思い、それだけではなく卒園児、そして卒園させた保護者の方の思い、そういったたくさんの思いを背負って、日々子どもたちの成長の後押しをさせていただいております。
そういった中で、子ども人口の減などで、各園が、なかなか経営的に難しい部分も出てきておりますが、やはり信念を持って頑張っております。
今後も子ども・子育て会議で、それぞれの現状などもお伝えしながら、行政と力を合わせて、何とかこの子ども・子育てのまち世田谷というブランドをしっかりと守っていければと思っております。
今後も、いろいろなことを私も理事長も結構言うタイプではあるのですが、本当に子どもたちのため、そして保護者の方たちのためという思いで出席しておりますので、私、来期もまた来ますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。

森田会長
つづいてどうぞ。

委員
もう既にいくつか意見を言わせていただいておりますので、簡単にさせていただきます。
不適切保育のことで、この御報告にもあります区の今後の方針も大切だと思いました。
私はヤフーでニュースを書いたりコメントを書いたりする仕事もしているのですが、どうしても世論は、何か問題を起こした人をバッシングする、罰しなければいけない、もっと重く罰しろ、もっと名前をさらせみたいなふうになってしまいがちですが、それは本当に正しくないと思います。
私が思うのは、とにかく不適切保育が起こったときには、即座にそれを止めて、子どもの利益を守らなくてはいけません。
その戸惑っている瞬間にも、子どもはつらい目に遭っているわけですから、その状態を一刻も早く止めるということが一番の優先事項だと思います。
そのためには、やはり、このことが明らかになったら、うちの園はどうなってしまうのだろうとか、そういう心配ではなくて、何とかこれをとにかく止めてから、それから区の支援を受けて立て直そうという方向に向かっていただくためには、やはり運営者のほうにも安心感というか信頼感みたいなものが必要ですので、そういう意味でも、このように園名を除いて公表するというような方針は、私は支持いたします。
それで、本当に長い間お世話になりました。
私もいろいろな問題に関わらせていただいて大変勉強させていただきました。
今回、委員が大幅に入れ替わるということですが、私は世田谷区のこの会議で感じましたのは、本当に誠実に運営をしていただいているということです。
皆さんの意見を何とか取り込んでいこうという姿勢を持っていただいていると思いました。
森田会長のお力もあると思いますが、ぜひとも今後もこのように、様々な立場の意見を取り込む形で会議を運営していっていただければと思いました。
本当にお世話になりました、ありがとうございました。

森田会長
どうぞ。

委員
長い間お世話になりました。
実は私は卒業が2回目で、東京都の次世代育成のときと、子ども・子育て会議を通して、実は10年やって卒業しました。
東京都のときは、1歳の子どもと公募で来て、「預けて来れますか」と言われて「はい」と言ったのですが、その後、傍聴の人を子連れでいっぱい呼んできて、保育室をつくってもらったということをやったりしていました。
世田谷区では、新制度に移行するというところで始まったので、すごく期待していたのですが、これだけ活発な子ども・子育て会議は、ほかの自治体を見てもなかなかないと思っていて、それは要望の場ではなくて、やはり対話の場だったなと、世田谷区の方が本当に応えてくださったということも含めて、一緒に進めていけたのではないかとすごく思っています。
もちろん会長にお世話になったというか、その力があったとは思います。
同時に私たちは区民版子ども・子育て会議というものを立ち上げて、皆さんにもご参加いただいております。
やはり地域を基盤とした子育て支援というところでは、最初の頃待機児が多かったときは、本当に年間でみても子育て支援の話をする時間が短かったのですが、今はすごく大きなテーマとして取り上げられるようになってきたなということもあります。
また、例えば途中で法律改正が大量にあって、体罰によらない子育てとかについて、大日向先生が国の会議で40年かかりますと言われて、私は絶望したのですが、そのぐらい、世代をひとつ超えるぐらいでないと、考え方とか、子どもの権利の保障というものは、国全体ではつくっていけないのだということも知らされて、では、世田谷ではというところでは、様々な勃発があるけれども、それは逆に、学んできた人が声を上げられるようになってきたということにもなり、シチズンシップというか、みんなが学んでいくということが基盤にあるのかなということをすごく思っています。
外遊びの部会でも、プレーパークがこれからでき、外遊び拠点ができていくのですが、やはり5年ごとだけだとできなかった、10年スパンの見通しということの中で生まれてきているものもあるので、これから先、短いスパンで計画を立てていくという方針も聞かされたのですが、長いスパンで子どものことを見ていくということも大事だなということを言い残したいなと思っています。
ただ、長いスパンでずっと言い続けていたけれども、ファミサポに関しては全然変わらなかったなということと、やっと学童に手がかかってきたなというところで終わりなのがとても残念です。
あと最後に、私たちの現場とか地域とか、それから、もちろん保育の現場とかもそうですが、子どもに関する行政の中の部門の強化という意味で、今回、組織改正のこともお話しいただいたのですが、単にいじるだけではなくて、人員の増加もちゃんとしていただきたいなと思っていて、それは皆さんが大変だからということだけではなくて、やはり一緒に共にやっていくには、現場の人とか予算を上げるだけではなくて、関わる人たちがちゃんと行政部門の中にしっかりあるということが大事だと思っています。
もっと別の人に聞いてもらいたい話かもしれないのですが、子どもは聖域なしとか言われないで、ちゃんとここは根っこに、子どもは別だよねという、全体のそういう共有のようなものがもっともっとつくられていかないと、こども家庭庁もできますが、世田谷の中でどうなのというところでは、皆さん自身、世田谷区の方々がフレッシュでいないといけないのに、そこが弱いのではないかなということを、問題が大分固まってきたこともあって、すごく感じているので、私たちから、子ども・子育て会議からのお願いでもあるのですが、皆さんが豊かに生活しながら、ちゃんとこういうことにじっくり取り組めるような環境も、ぜひ整えていただけたらと思います。
本当にどうもありがとうございました。

委員
あっという間の10年で、本当にもう終わりですかというショックです。
しかし、本当にこの10年の中でいろいろ変わってきたこと、特に、本当に保育園を世田谷区にたくさんつくらなければならないということで、あちこち審査に回ったりして、たくさんたくさん、いい保育園、いい法人を世田谷にということでやってきたときのことが思い出されます。
それが今では、新設はないということで、変わったなというところです。
そして、この子ども・子育て会議の中で、本当に様々、保育分野以外のたくさんの知識や情報、また様々な具体的な取組み、こんなふうにしているんだ、あんなふうにしているんだということを本当に教えていただきながら、私自身、関心を持って調べたりしたこともございました。
この子ども・子育て会議の委員は終わりますが、私は児童福祉審議会の保育部会の委員をさせていただいていますので、設置認可に関わること以外の、こういった重大な、子どもの命に関わるようなことに関して、また、保育の質や充実に関すること、こういったことを児福審の保育部会でもしっかりと審議できるようにと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

森田会長
私も今期で最後ですので、最後に一言申し上げたいと思います。
来期、もう私が子ども・子育て会議を進めるのではないというところで、今年度については、この計画の部会と、そして、ちょうど子ども条例制定から20年を迎える中で、改めて、総合的にきちんと子どもの権利に関して検証していただくということで子どもの権利部会と、この2つの部会を動かさせていただきました。
部会を2つ動かすということは、事務局は本当に大変だったと思うのですが、やはり部会できちんと話を聞くということができたことは、私のこの10年の子ども・子育て会議の活動の中で言うと、部会をいろいろな方たちにお任せせざるを得なかった時代と比べれば、やはり今年の進め方は、そういう意味でダイレクトにこの子ども・子育て会議とキャッチボールをすることの意味はどういうことなのかを、皆さんと一緒にですが、子ども・子育て会議の大きな役割として進めることができたかなと思っています。
ただ、このようなキャッチボールをこの子ども・子育て会議だけでやるということには、もう限界があるということも一方で身にしみております。
それは、この毎回の会議時間の長さもそうですし、実は今日も、本当は児童相談所の在り方の報告書とか、ヤングケアラーの報告書とか、いろいろな報告も置いた上で、1時間も延びているわけですよね。
ですから、本当にこの会議の掌握する分野があまりにも大きいということについては思います。
しかし、大きいけれども、全体的に子どもたちの問題を総合化するには、やはり大きく捉えるところが必要ということも確かなんですね。
それは今度の組織改正もそうですが、そういうことなのですね。
そして、今年、私がこういった行政の中での動きを、自分自身の目で見て、テーマとしてこれでよいのかということを考えてみると、例えば幼稚園や保育所の在り方にしても、これはかれこれ10年ぐらいかかって、公的な仕組みをつくり変えていくなどということをすると、もう10年たったらゼロ歳の子は10歳になってしまうわけです。
やはり時間をかければよいということだけではない。
つまり、その間に具体的に見直していかなければいけないこともたくさんあるのだろうと思うわけです。
そして、世田谷区のように大きな自治体ということで考えていくと、どうしてもこの組織自体の在り方も今後見直していかなければいけないのだろうと私自身は感じています。
これは日本中の大きな自治体の組織の在り方のようなものを見ていると、どこかで横串を刺すという役割をつくらなければならないし、個別に起きている、例えば今回のように、子どもの権利侵害の最たるところで、保育の中で起きている不適切な保育、この問題については絶対にここで報告してもらわなければならないし、みんなで検討しなければならない。
そして、絶対にこれを維持し、よりよくしなければいけない。
そのために皆さんの知恵と工夫を集めていかないと、現場は絶対によくなっていかないということも思うので、ここのテーマに据えるんだという、強い決意、例えば行政とキャッチボールしていくことは結構大変なことなんですね。
ですから、そういう意味で、子ども・子育て会議の在り方については、やはり会議体のつくり方、あるいは進め方、そして具体的にはここで包含する内容を含めて、多分ここはもう1回見直していく必要があるのだろうと思います。
それから、先ほど、例えば不適切保育のところも、どう公開していくか、あるいはこういう議論についてもどう公開していくかというときに、議会優先ということが、この世田谷区にはかなり大きなルールとしてあるわけですね。
しかし、議会優先というときに、本当にそれでよいのか。
つまり、そういう意味で一番真正面に向き合っている現場、あるいは現場の人たちを集めているこの子ども・子育て会議の位置づけはどこにあるべきなのかも議論しなければいけない。
実はこの子ども計画の策定時に、私は最初、アドバイザーとして入ったのですね。
その当時は、こういう子ども・子育て会議のような会議体でつくったわけではなくて、行政がつくったものにアドバイザーとして関わるという形だった。
そういう仕組み自体も、徐々にこのように変わってきているのです。
そういう意味で、やはり行政がつくること、責任を持つことと、専門家がそこで発言することと、そして具体的に皆さんのような、例えば市民として関わったり、あるいはいろいろな立場の人たちがここに関わって、きちんと応答していけるような仕組みとしてこれをつくり上げることは、多分物すごく重要なことだろうと思っています。
ただ、その組織が大き過ぎるだけに、これを全部この会議だけでやるということにはもう限界がある。
しかもこれを、会長、副会長という形でやってきたわけです。
ここにも限界があると思っているわけです。
やはり情報をキャッチすると言っても限界があるわけですし、そして、それを具体的に、子どもの権利の視点という非常に重要な私たちの到達目標に向かって、何をどうしていったら、子どもの権利を守り尊重できるかということを考えていくのも、この子ども・子育て会議の中だけでやれることにはもう限界があるだろうと思います。
そうすると、全体としてこれだけ大きく展開してきた子ども政策を、これからどのように進めていくかについても、様々な意見交換をして、可能性と課題をしっかり背負いながら、この大きな世田谷区の中で、一人一人の子どもたちが、本当に幸せに暮らしていけるように、最後の力を注ぎたいと思っております。
本当に私自身として、皆さんに長くお世話になりましたが、これで一山越えるという形になりますので、少しほっとしているというところでもあります。
どうぞそういう意味で、皆さんの御苦労に心から感謝しまして、そして、今後とも世田谷区の、本当に子どもたちや子育ての取組みに御協力いただけるようにお願いしたいと思います。
そして、最後になりましたが、本当に行政の方たち、多分、私が委員長でなければ、もう少し楽だっただろうと思うのですが、本当にそういう意味では、毎回毎回、具体的なヒアリングも含めて、かなり厳しい要求をしてまいりましたので、少しほっと肩の荷が下りることがあるのかもしれませんが、あまり気を抜かないで、ぜひここからも子どもたちのために御尽力いただきたいと思っております。
本当にどうもありがとうございました。
では、事務局にお返しいたします。

嶋津課長
森田会長はじめ委員の皆様には、本日、貴重な御意見と、本当にたくさん心に残るお話をいただきまして誠にありがとうございました。
次第3で資料配布ということで記載しておりますが、資料5として、「児童相談所が関わる子どもの権利擁護に関する検討状況について」、資料6、「ヤングケアラー支援に関する検討状況の報告について」、資料7、「令和3年度世田谷区児童相談所の運営状況（事業概要）等報告について」を皆様にお配りしております。
こちらについては後ほどお目通しいただければと思います。
また、事務局より1点、事務連絡ですが、本会議の議事録については、また整い次第、皆様にメールで送らせていただきます。
お送りします議事録について、御自身の御発言の部分を御確認いただいて、修正等ございましたら事務局まで御連絡をいただきたいと思います。
その後、区ホームページで本日の資料とともに公開させていただきます。
それでは改めまして、約2年にわたり会議に御参加いただきまして、また熱心な御議論、御意見、誠にありがとうございました。
本メンバーでの会議開催は今回で最後となりますが、子ども計画で掲げる政策は引き続き行政としてもしっかり責任を持って進めてまいります。
皆様には議論に関わっていただいた委員として、また、ぜひ今後とも厳しい目で、あるいは温かい目で見守っていただければと思います。
それでは、以上をもちまして令和4年度第4回世田谷区子ども・子育て会議を閉会いたします。
ありがとうございました。