資料1 令和4年6月1日 子ども・若者支援課 子ども・子育て支援事業計画見直し部会の検討状況について (調整計画の全体構成と調整計画の策定にあたっての視点) 令和4年3月30日に開催した第3回子ども・子育て支援事業計画見直し検討部会において、以下の3点について検討を行った。 引き続き、子ども・子育て支援事業計画の調整計画の策定に向けて、検討を進める。 1 子ども・子育て支援事業計画調整計画の全体構成 令和2年度以降、保育待機児童の解消、育児休業の利用拡大、テレワークの普及等により、働き方や子どもと子育て家庭を取り巻く状況は、大きく変化している。 また、令和7 年度以降の「第3期子ども計画」の策定も控えていることから、今回の調整計画は、前回の調整計画の「第1章調整計画の概要」と「第4章需要量見込み及び確保の内容と実施時期」の構成に、「第2章 子どもと子育て家庭を取り巻く状況」と「第3章 調整計画の策定にあたっての考え方」、「第5章 次期の子ども計画(第3 期)にむけて」を追加し、5段構成にする。 第1章 調整計画の概要 策定の趣旨・位置づけ・計画期間・圏域・ニーズ調査の実施 第2章 子どもと子育て家庭を取り巻く状況 1社会状況と国等の動向 2将来人口推計と世帯数の推移 3子どもと子育て家庭の状況 第3章 調整計画の策定にあたっての考え方 1子ども・子育て支援事業計画の進捗状況 2子ども・子育て会議による評価・検証及び課題抽出 3調整計画の策定にあたっての視点 第4章 需要量見込み及び確保の内容と実施時期 1教育・保育事業 2子ども・子育て支援事業 第5章 次期の子ども計画(第3期)にむけて 1子ども計画(第2期)後期計画の振り返り 2次期の子ども計画(第3期)の検討にあたっての視点 2 第2章 子どもと子育て家庭を取り巻く状況 (1)社会状況と国等の動向 1 現在の支援事業計画を策定して以降、 コロナ禍の影響もあり、育児休業の利用の拡大、テレワークの普及等により、働き方や子育てを取り巻く環境は、多様化している。 2 コロナ禍において、日常的に人と会う機会や外出を控える傾向があり、同居していない家族・親戚、友人や近所の方等に子育ての手伝いを頼みにくい状況や相談しにくい状況があり、人と人とのつながりの中で子育てが難しくなっている。 3 区の出生数及び合計特殊出生率ともに増加傾向にあったが、平成29年から減少傾向にあり、令和2年の出生数は6,684人、合計特殊出生率は0.99(国1.34、東京都1.13)となった。 なお、国や東京都も同様の傾向となっている。 4 国は、令和5年4月に「こども家庭庁」の設置を目指しており、子ども関連政策の理念などを定める関連法案の審議が行われている。 また、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行うため、令和6年4月からの児童福祉法等の一部改正を予定している。 (2)将来人口推計 1 0〜5歳人口は、前回の計画策定時の平成29年推計値では、令和6年度まで45,000人前後を横ばいで推移すると推計していたが、令和2年の実績値は 43,995 人(推計値44,908 人より約1,000 人減)、令和3年は42,738人(推計値44,721人より約 2,000人減)となった。 令和3年7月の人口推計補正値では、令和4年度以降、毎年約1,000人の減少を予想している。 2 6〜11歳人口は、前回の計画策定時の平成29年推計値では、令和4年度まで毎年約1,000 人増加し、それ以降も、増加で推移すると推計していたが、令和2年の実績値は44,215 人(推計値44,450人より約200人減)、令和3年は44,903人(推計値45,486人より約600人減)となった。 令和3年7月人口推計補正値では、令和4年度以降、概ね横ばいと予想している。 (3)子ども・子育て家庭の状況 3〜5歳児の9割程度が保育所や幼稚園を利用している一方、0〜2歳児は家庭養育の割合が高く、0歳児の75.1%が家庭で養育されている。 1歳児及び2歳児は家庭での養育から保育所等の利用に移る傾向があるが、0歳児の養育状況の変化はみられない。 また、3歳児は家庭での養育や幼稚園から保育所等の利用に移る傾向があり、4歳児及び5歳児は幼稚園から保育所等の利用に移る傾向がある。 3 第3章 調整計画の策定にあたっての考え方 (1)世田谷区子ども・子育て会議での評価・検証及び課題抽出 1 0歳児は、在宅で子育てしている家庭が多いという現状を踏まえ、子ども・子育て支援事業計画の見直し検討とあわせて、制度の運用面での検討を行う必要がある。 2 子どもの数の現状だけをみて支援や施設を減らすのではなく、子ども計画に掲げる「子ども主体」、当事者主体の視点で、検討する必要がある。 3 妊娠期から支援につながる仕組みや保育所等の地域の子育て施設の充実が図られた一方、コロナ禍でこれまでのように祖父母や友人等の支援を受けにくい状況や気軽に子育て施設や相談の場に足を運びにくい状況も重なり、人とのつながりの中での子育てが難しい状況にある。 4 保育待機児童数が0となっているが、依然として希望する保育施設に入園することができない方や、半径2キロメートル以内の保育施設に空きがありながら入園できていない方なども一定数存在する。 指数の状況から短時間勤務の方が多いことが想定されるが、このような状況を分析し、どのような希望があるのか丁寧なニーズ把握が必要である。 また、コロナ禍において、集団保育での感染を恐れる気持ちと働きたい気持ちの葛藤を抱えている保護者も多い点も、考慮する必要がある。 5 コロナ禍の影響もあり、育児休業を取得する家庭が多いため、その育児休業中の家庭が一時保育やおでかけひろばを利用する事例が多く、これまで以上に、在宅子育て支援の重要性が増している。 (2)調整計画の策定にあたっての視点 現在の子ども計画(第2期)は、平成27年度を初年度としたその先10年後に目指すべき姿を「子どもがいきいきわくわく育つまち」の実現としている。 このたびの調整計画の策定にあたっては、その実現を目指すとともに、「子ども・子育て応援都市」として、令和7年度からの10年間の計画である、子ども計画(第3期)につながる施策の展望も見据えて、以下の5つの視点を踏まえる。 1働き方や子育ての多様化への対応 コロナ禍の影響もあり、育児休業の利用の拡大、テレワークの普及等により、働き方や子育ての環境は変化しており、子どもと子育て家庭の状況は、これまで以上に多様化している。 人口推計や世帯の動態、子育て家庭へのニーズ調査や利用者へのヒアリング等をもとに、保護者のライフスタイルや働き方、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の利用意向の変化を把握・検証し、確保量の見込みを検討する。 2地域のつながりの中での子育ての充実 後期計画では、「すべての子どもが、家庭や地域、周囲の人との関わりの中で、健やかに育つまち」を目指している。 困難な状況にある家庭を必要な支援につなげることも重要であるが、日常的に子育て家庭が、地域の人々や子育て支援につながっていることがより大切であるため、すべての子どもや家庭を対象とする一次予防の施策を充実させる。 3在宅子育て家庭の育児負担の軽減 0〜2歳児は、在宅で子育てしている家庭が多いという現状があるため、各事業の確保量の見直しに限らず、利用要件の見直し等も検討し、在宅子育て家庭の育児負担を軽減させるための支援を充実させる。 4子ども主体、当事者主体の視点 近年、出生数や未就学児童数が減少していることについて、単に子どもの数の減少にあわせて確保量を減少させるのではなく、出産や子育てを希望する方が子どもと楽しみながら子育てできる環境を整えるためにも、子ども計画に掲げる子どもを権利の主体としてその最善の利益を保障するという視点、当事者主体の視点で、各事業の必要性や効果を十分に考慮して検討する。 5子ども・子育て施策のバージョンアップ 「子ども・子育て応援都市」として、子どもや若者、子育て施策をバージョンアップさせ、多様な生き方や子育てを支えるため、保育園・幼稚園を含む子ども関連施設での在宅子育て支援の充実や児童館の地区展開等を図ることも視野に入れながら、令和7年度からの10年間の計画である子ども計画(第3期)につながるよう各事業の方向性を検討する。 なお、調整計画の策定後も、コロナ禍からの復興の状況によって、方向性を見直す必要が生じた場合は、子ども計画(第3期)策定の中で、改めて検討する。