別紙3 「世田谷区地域公共交通計画(案)」について 目次 第1章.計画の趣旨 1.計画策定の背景と目的 2.計画の位置付け 3.計画の対象交通サービス 4.計画の期間 5.計画の区域 第2章.世田谷区の現状と課題 1.区の現状 2.地域公共交通の課題 第3章.基本方針と目標 1.計画で目指す基本方針 2.計画の目標 第4章.計画の施策と取組 第5章.計画の推進 1.計画の達成状況の評価 2.計画の推進体制 第1章.計画の趣旨 1.計画策定の背景と目的 世田谷区では、区内の交通に関する計画として平成14 年(2002 年)9月に「世田谷区交通まちづくり基本計画」を定め、以後改定を重ねながら、公共交通不便地域対策をはじめとする各事業を交通事業者や地域の方々との協働により取り組んできました。 一方で、近年は公共交通機関利用者の減少や、交通の担い手である乗務員不足などが大きな課題となっており、高齢化の進展に伴う交通弱者の増大やコロナ禍を経てのライフスタイルの多様化、新たな交通サービスの進出などにより、持続可能で誰もが安全に安心して移動できる環境の創出がより一層求められる時代となってきています。 このような背景から、国は令和2年(2020 年)に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」を改正し、地域にとって望ましい鉄道、路線バス、タクシー等の地域旅客運送サービスの姿を明らかにするマスタープランとして「地域公共交通計画」を定めることを自治体の努力義務としました。 区としては、区民・交通事業者・行政が協働して、さらなる公共交通不便地域対策の推進、公共交通ネットワークの確保・維持などに取り組んでいく必要があることから、現行の「交通まちづくり基本計画及び行動計画」が令和6年度(2024 年度)末に期間満了を迎えることも踏まえ、新たに「世田谷区地域公共交通計画」を策定することとしました。 【「交通まちづくり」について】 交通は街づくりの重要な要素のひとつであり、交通に関わる施策や事業は、区外を含めた広域的なネットワーク、区内全域のネットワーク、及び地域に即して進められている街づくりを踏まえ、総合的に行われることが重要です。 また、区民、交通事業者、区などの関係者が協力・連携して、交通問題に取り組んでいく必要があります。 区では、このような取組を「交通まちづくり」と定義しています。 この「世田谷区地域公共交通計画」では、これまでの計画を踏襲しつつ、複雑化する社会に柔軟に対応する、持続可能な公共交通体系を確保していくための取組を定めることとし、引き続き関係者が協力・連携しあう「交通まちづくり」に取り組んでいきます。 2.計画の位置付け 本計画は、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(平成19 年(2007 年)法律第59 号、令和2年(2020 年)改正)の第3条に規定する「国の基本方針」及び第5条の規定に基づき策定するものです。 また、「東京都における地域公共交通の基本方針」とも整合を図ります。 区の上位計画との関連については、最上位の「世田谷区基本構想」「世田谷区基本計画」および区の都市計画マスタープランである「世田谷区都市整備方針」に整合を図ります。 また、都市整備方針に定める「分野別整備方針」の1つとして位置づけるものです。 あわせて、同じ「分野別方針・計画」である「世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」や「せたがや道づくりプラン」とも連携・整合を図ります。 3.計画の対象交通サービス 本計画で対象とする移動手段は、既存の公共交通機関サービスに加えて、自家用有償旅客運送やスクールバス、福祉輸送など、地域における多様な輸送資源についても対象とし、あわせて、自動車や自転車のシェアリングサービスや新たな交通サービスの活用についても検討の対象とします。 【対象とする交通サービス】 鉄道、軌道、路線バス、コミュニティバス、タクシー、デマンド交通、 グリーンスローモビリティ(グリスロ)、超小型モビリティ、 自家用有償旅客運送、福祉輸送・スクールバス等、 シェアサイクル、カーシェア ここでいう超小型モビリティとは、第一種原動機付自転車(ミニカー)、軽自動車(型式指定車)、軽自動車(認定車)を指します。 4.計画の期間 本計画の期間は、令和7年度(2025 年度)から令和11 年度(2029 年度)(5年間)とします。 5.計画の区域 本計画は、世田谷区全域を対象とします。ただし、行政区域をまたぐ移動も活発であるため、必要に応じて東京都、隣接する自治体とも連携・協働するものとします。 第2章.世田谷区の現状と課題 1.区の現状 (1)位置 世田谷区は、東京23 区中の南西部に位置し、都心まで約9~18キロメートル、副都心まで約1~10キロメートルの距離にあります。東は目黒区・渋谷区、北は杉並区・三鷹市、西は狛江市・調布市、南は大田区とそれぞれ接し、さらに多摩川を挟んで神奈川県川崎市と接しています。 (2)社会的状況 1)人口動態 世田谷区の人口は特別区で最多の約91.8 万人であり、区内の人口分布をみると、総人口及び65 歳以上人口ともに、区の東側に集中している傾向があります。 2)移動特性 世田谷区に関連する総トリップ数は238 万トリップ日で、このうち世田谷区内外を移動とするトリップが約7割となっています。代表交通手段別にみると、世田谷区内々の移動では「徒歩」「自転車」の順に多くなっています。世田谷区内外の移動では「鉄道」の割合が多く、区内外と区内々をあわせた移動でも「鉄道」が最多となっています。 3)自家用車保有数 世田谷区の自動車保有台数の推移をみると、2014 年を境に微減傾向にあり、2023 年時点では194.7 千台(2014 年比97%)となっています。 4)運転免許保有者数、運転免許取消件数 世田谷区の運転免許保有者数についてみると、2020 年までは増加傾向でしたが、それ以降は概ね横ばいの状況となっており、2023 年時点では568.9 千人となっています。 世田谷区の運転免許取消件数についてみると、令和元年(2019 年)をピークに、それ以降は減少傾向となっており、令和5年(2023 年)時点では2.2 千件となっています。 (3)地理的状況 1)地形 世田谷区は、多くの部分を占める武蔵野台地と、その南西側を流れる多摩川沿いの低地から成り立っています。武蔵野台地の東南部は、多摩川によって形成された河岸段丘で、標高の低い立川面と、高い武蔵野面の二段が形成されています。 区内を流れる河川には、南西部を流れる一級河川の多摩川や、仙川、野川、谷沢川などがあります。これらの河川は区内を枝分かれ状に流れ、大地を侵食しながら丘や谷の起伏を形成してきました。こうしてできた代表的な地形が国分寺崖線です。国分寺崖線は約10 万年前にわたる武蔵野台地の浸食によりできた崖地であり、多摩川と野川に沿って10~20メートルの高さを有するその斜面は、区内で唯一の帯状の緑地帯となっています。 区内の多くは勾配が5%未満となっていますが、国分寺崖線や世田谷地域等では、勾配が8%以上となる箇所が点在しています。 また、国分寺崖線付近の道路では、道路勾配が15%を超える箇所が複数存在します。 「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」では、歩行者の通行部分の縦断勾配を可能な限り5%以下とすることが示されています。 2)道路状況 ①道路整備率 区内の都市計画道路の整備率は、5割程度となっています。都市計画道路のうち、幹線道路は8割以上が整備済みとなっていますが、地区幹線道路(補助線街路)の整備率は4割程度と低く、整備が遅れています。主要生活道路の整備率についても、4割程度と低い状況にあります。 戦災復興事業などにより基盤整備が進んだ都心部の区や東部に位置する区と比べて、西部に位置する世田谷区の都市計画道路の整備率は低い状況にあります。このような経緯から、地域公共交通を支える路線バス等が通行できる道路が限られている状況です。 また、世田谷区内は、東西方向に鉄道が発達しており、路線によっては鉄道による地域分断が課題となっています。現在、京王線の連続立体交差事業による踏切の除却をはじめとし、東急大井町線や東急東横線において地域分断の解消を目指しています。 ②道路幅員 区内には、国道約13キロメートル、都道約67キロメートル、区道約1,095キロメートル と、合計1,200キロメートル におよぶ道路が整備されています。最も多いのは、4メートル以上6メートル未満の区道で419.4キロメートル となっており、約13 を占めています。 次いで6メートル以上10メートル未満の区道が304.7キロメートルと約14 を占めています。 幅員別道路現況図をみると、区西部の成城付近や中央部の用賀付近など、耕地整理や土地区画整理などの都市基盤整備事業が行われたエリアで街の骨格を形成していることがわかります。一方で、4メートル未満の区道が290.0キロメートルあり、約14 が幅員の狭い細街路といわれる道路となっています。こうした細街路は入り組んだ形状をしており、区の北半分の都市基盤整備が遅れている地域、および東南端の奥沢付近に多く分布しています。 ③細街路率 幅員4メートル未満の細街路について、総延長に占める割合(細街路率)を見てみると、区全体では31.9%となっています。地域別に見ると、北沢地域(41.6%)、世田谷地域(35.9%)、烏山地域(33.9%)、の細街路率が高くなっています。 3)施設分布 ①病院 世田谷区内の病院(病床数200 床以上)については、10 件立地しています。(小児専門、精神専門含む) ②公共施設(区役所等) 世田谷区内の主な公共施設としては、区役所・総合支所10 件、出張所5件、まちづくりセンター28 件、あんしんすこやかセンターが28 件立地しています。 ③商業施設 世田谷区内の主要な商業施設として大規模小売店舗の立地状況をみると、スーパー(総合・食品)が40 件、百貨店(百貨店・寄合百貨店)が2件、専門店が16 件立地しています。 ④教育施設 世田谷区内の教育施設の立地状況をみると、大学が15 件、高校が38 件、中学校が52 件、小学校が70 件立地しています。 (4)国内の動向及び上位・関連計画 1)交通に関する法令 交通政策基本法 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律 道路運送法 鉄道事業法 軌道法 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 2)国の動向 ①地域公共交通に関する動き 国は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」を令和2年(2020 年)に改正し、地域にとって望ましい鉄道、路線バス、タクシー等の地域旅客運送サービスの姿を明らかにするマスタープランとしての「地域公共交通計画」の策定を自治体の努力義務とし、地域の交通資源を総動員する措置を設けました。 その後、ニーズや移動手段が多様化していること等を踏まえ、交通と他分野との連携、DXの活用など、あらゆる交通モードにおける地域の関係者の連携・協働(=共創)を通じ利便性・持続可能性・生産性が向上するよう、地域公共交通ネットワークを再構築(リ・デザイン)することを主眼とした法改正を令和5年(2023 年)に実施しました。 3)東京都の動向 東京都は、令和4年(2022 年)3月に「東京における地域公共交通の基本方針」を策定しました。 2040 年代を目標年次としており、「高齢者や障害者をはじめ、誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現と、人・モノ・情報の自由自在な移動と交流により、あらゆる人が活躍できる「挑戦の場」を創出する都市交通環境の実現に資する取組の方針」として、地域特性に即した地域公共交通の目指すべき姿とその実現に向けた支援策の方向性について示されています。 4)世田谷区内の上位・関連計画 ① 世田谷区基本構想 ② 世田谷区基本計画(令和6年度から令和13 年度) ③ 世田谷区都市整備方針(都市計画マスタープラン) ④ 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画 ⑤ 世田谷区移動等円滑化促進方針 ⑥ 第9期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画 ⑦ せたがやインクルージョンプラン-世田谷区障害施策推進計画-(令和6年度から8年度) ⑧ 自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画 ⑨ せたがや道づくりプラン【道路整備方針】 (5)地域公共交通の現状 1)鉄軌道 ・東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄の3事業者が運行している。 ・新宿、渋谷などの都心方面から東京郊外(多摩地域)への放射方向(東西方向)の鉄道が基軸となっている。 ・各駅停車は比較的近距離の移動を担い、急行などの優等列車は主要ターミナル駅までの高速輸送を担っている。 ・軌道は東急世田谷線が三軒茶屋駅と下高井戸駅間で運行している。 駅別に乗降客数をみると、自由が丘駅、明大前駅、二子玉川駅が多くなっています。 区内を走る鉄軌道は、私鉄3鉄道8路線(東急電鉄東横線は線路のみ)(令和5年(2023年)4月時点)、駅数は41 駅(令和5年(2023 年)4月時点)となっています。 道路と平面交差している鉄道路線では、踏切の遮断による慢性的な交通渋滞が生じ、日常生活に大きな影響を与えています。そのため、区内では連続立体交差事業による踏切の解消が進められています。 連続立体交差事業が行われた小田急電鉄小田原線では、平成24 年度(2012 年度)に区内の踏切がなくなったことで、平成26 年度(2014 年度)以降は平面交差箇所数が0箇所となっています。 令和5年度(2023 年度)時点での区内の鉄道と道路との平面交差箇所数は、55 箇所(世田谷線を除く)となっています。また、京王電鉄京王線(笹塚駅~仙川駅間)でも、連続立体交差事業が進められ、令和12 年度(2030 年度)末完了予定となっており、これにより23 箇所の区内踏切が解消される予定です。 区では、平成11 年(1999 年)より鉄道駅における車いす対応エレベーター等整備を補助する制度を設けていましたが、東京都が平成26 年度(2014 年度)よりホームドア等整備に関する補助を本格実施したことを受け、区でもホームドア等整備を促進するため、平成28 年(2016 年)4月より、前述の制度にホームドア等整備補助を一体化させた新たな制度を開始しています。 現在、区内の東急電鉄世田谷線を除く全ての駅(31 駅)のうち、ホームドア整備済みの駅は15 駅となっています。 2)路線バス ・東急バス、小田急バス、京王電鉄バス、関東バス、東京都交通局の5事業者が運行している。 ・主要な交通結節点である鉄道駅までの移動や、南北方向の移動、世田谷通りや玉川通りなどの主要幹線道路を経由する移動、フィーダー(枝線)系統の移動を支えている。 路線バスの路線数(系統数)は区の内外を行き交う路線を含めて82 路線(令和5年(2023年)4月時点)、バス停の数は861 箇所(令和5年(2023 年)4月時点)となっています。 コミュニティバス ・区では、本格運行に至るまでの実証運行経費の負担や道路環境整備など、新たな路線バスの導入に際し、区が導入に関与した路線バスを「コミュニティバス」と称している。 ・これまでにコミュニティバス10路線を導入している(オンデマンド輸送を含む)。 ・砧・大蔵地区において、ワゴン車によるオンデマンド交通の実証運行を実施している。(令和5年(2023年)5月から3年間を予定) 世田谷区では、地域公共交通の利便性を図るため、平成10 年(1998 年)以降、バス事業者と連携し、新規バス路線の導入に取り組んできています。 3)タクシー ・15 社のタクシー事業者が営業している(令和元年(2019 年)9月現在)。 ・一部のタクシー事業者はユニバーサルデザインタクシーや出産支援タクシー、子育て支援タクシーなどの利用者ニーズに応じた多様なサービスを導入している。 ・タクシー事業者の管理の下で地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供することを可能とする制度(自家用車活用事業)の運用が開始されている。 東京都におけるタクシーの総台数をみると、平成20 年度(2008 年度)の3.7 万台をピークに減少し、平成23 年度(2011 年度)からは概ね横ばいとなっています。令和4年度(2022 年度)は3.0 万台となっており、平成20 年度(2008 年度)比で80%となっています。 区内の一部のタクシー会社は、ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)や陣痛時に妊婦の方を病院まで送迎する出産支援タクシー(陣痛タクシー)、学童保育や塾、実家への送迎など、子供を安全にエスコートし送迎する子育て支援タクシーといった、利用者のニーズに応じた多様なサービスを導入しています。 4)コミュニティサイクル・レンタサイクル ・区内の6駅7箇所に区コミュニティサイクル・レンタサイクルポートを設置している。 ・4年間の実証実験を経て、令和6年度(2024 年度)より官民連携によるシェアサイクル事業を本格実施した。 ・自転車を所有せずシェア(共有)するサービスが浸透している。 世田谷区では、国内でも先駆けて平成19 年(2007 年)からコミュニティサイクルを本格導入し、鉄道駅間の移動の利便性を高めるとともに、放置自転車対策、自転車走行環境の整備、環境負荷軽減に取り組んできています。 (6)公共交通不便地域について これまでの世田谷区交通まちづくり基本計画では、鉄道駅から500メートル以上、バス停留所から200メートル以上離れている地域を「公共交通不便地域」と定め、当該地域への路線バスの導入支援などにより、玉堤、祖師谷、宇奈根地区などにおいて、公共交通不便地域の対策に取り組んできました。 一方で、区民やバス利用者等からの、地域ごとの課題を考慮すべきとの声を踏まえ、本地域公共交通計画においては、距離の定義を国の基準で示された「鉄道駅から500メートル以上、バス停留所から300メートル以上離れている地域」に改定するほか、勾配、公共交通の運行本数の定義を追加した新たな「公共交通不便地域」を定義しました。 区では、引き続き公共交通不便地域の対策につながる新たな公共交通導入の検討を進めるため、この定義を基にして、公共施設圏域や人口特性などを踏まえた「重点検討地域」を別途定め、地域ごとのニーズも踏まえながら、地域住民・交通事業者と連携・協働して、公共交通不便地域対策に取り組んでいきます。 2.地域公共交通の課題 (1)社会の変化 【コロナ禍の影響後の緩やかな需要回復】  コロナ禍の影響により、鉄道、路線バスともに利用者数が減少し、緩やかな回復傾向にあるが、コロナ禍前までの利用者数には戻っていない。 東京圏では、鉄道のピーク時混雑率180%以内を目標にしており、小田急電鉄小田原線の混雑率は平成28 年度(2016 年度)では192%でしたが、代々木上原~登戸間の「複々線化」(平成30 年(2018 年)3月)により、平成29 年度(2017 年度)の混雑率は151%に減少しました。 令和2年度(2020 年度)は、新型コロナウイルス感染症の流行により、通勤時の鉄道混雑率は大幅に減少しましたが、その後緩やかな上昇に転じており、今後、新たな働き方の進展や人口減少など社会情勢が変化していく中、鉄道の混雑緩和に向けオフピーク利用の定着など、社会全体で取り組んでいく必要があります。 【ライフスタイルの変化に伴う移動機会の減少】 ・在宅勤務や通信販売等の浸透により生活様式が多様化したことで、移動する機会そのものが減少している。 第6回東京都市圏パーソントリップ調査(平成30年)では、総トリップ数・外出率ともに調査開始以来、初めて減少に転じています。 区内外交通の方向別トリップ数をみると、平成30 年(2018 年)の調査においてトリップの総数が初めて減少に転じましたが、「その他区部」は引き続き増加傾向となっています。 【高齢化に伴う交通弱者の増大】 ・高齢化に伴い、交通弱者が増加している。 日本の高齢者人口(65 歳以上の人口)及び総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は、いずれも年々高くなってきています。今後、総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、令和19 年(2037 年)には国民の3人に1人が高齢者になると推計されています。 世田谷区の人口は、今後も2043 年頃までは微増すると推計されています。高齢者(65 歳以上)人口についても増加傾向にあり、高齢者(65 歳以上)の割合は2048 年には28.2%に達する見込みです。 国土交通省が令和5年(2023年)1月に実施した「国民の意識に関する調査」では、暮らしや生活環境の重要度・満足度について、高齢者(60 歳以上)ほど公共交通の重要度が高いものの、満足度は低い結果でした。 超高齢社会の到来に伴い、一人暮らしの高齢者(65 歳以上)は、男女ともに増加しています。また、高齢者(65 歳以上)のみの世帯数も増加傾向にあります。 同居者がいない(ひとり暮らし)の高齢者は、家族や友人との会話の頻度が低く、日常的な人との交流が少ない傾向にあります。また、人との触れ合いが少ない「社会的孤立状態」と、外出頻度が低い「閉じこもり」の双方の傾向が重なっている高齢者は、死亡リスクが高まるという研究結果が発表されています。 高齢者の外出を促し、人や地域との交流を深めることで、「社会的孤立状態」や「閉じこもり」の予防と、健康増進が期待されます。 【公共交通情報の「見える化」の進展】 ・公共交通の情報について、「見える化」が進展してきている。 携帯端末等で鉄道・路線バスの運行状況を得られるようになったほか、鉄道・バス・タクシー等、公共交通に関する情報の取得や予約・決済が可能となるサービスが展開されています。 リアルタイムの位置情報や混雑情報が得られるため、より便利で快適な移動が可能になってきています。 これらを進化させたものとして、様々な移動手法・サービスを組み合わせた、いわば「統合一貫サービス」といえる「MaaS(Mobility as a Service)」の展開も進んできています。 例えば、ある1つのスマートフォンアプリを立ち上げれば、全国の交通手段の検索から予約・決済までができるようになり、さらには病院や飲食店、行政サービスなどの予約決済もワンストップで行えるようになります。 (2)地域公共交通の課題 【路線バスが運行しやすい都市計画道路等の整備・南北方向の公共交通の強化】 ・都市計画道路の未整備な箇所が多く、路線バスが通行可能な道路が限られている。 ・南北を縦断する道路が少ないため、南北の移動に時間がかかる。 地区幹線道路(補助線街路)の計画延長は東西方向、南北方向で同程度です。しかし、整備率については東西方向と比べて南北方向の方が低くなっており、南北交通の円滑化に課題があります。 また、路線バスは道路渋滞の影響を受けるため、特に朝夕ラッシュ時においてダイヤ通りの運行が困難となっています。 区内の鉄道網は主に東西方向に限られていることから、南北方向の公共交通ネットワークの強化のため、道路網の整備に加え、定時性・速達性に優れる鉄道網(エイトライナー構想)の早期実現も必要です。 【公共交通不便地域における交通弱者の移動手段の確保】 ・公共交通不便地域においては、交通弱者の病院への通院や買い物などの日常生活を送るうえで、移動手段の確保が課題である。 国土交通省が令和5年(2023 年)1月に実施した「国民の意識に関する調査」では、公共交通の減便・廃止等により移動手段が減少して困ることの質問に対し、「買い物」、「通院」と答えた人の割合が高く、年代別では高齢者ほどその割合がより一層高い傾向にあり、高齢者の買い物・通院の移動手段として公共交通が欠かせないことがうかがえます。 【交通渋滞解消、踏切の安全性向上、道路と鉄道の立体交差化、交通施設等のバリアフリー化】 ・道路と鉄道の平面交差(踏切)がボトルネックとなり交通渋滞が発生している。 道路と平面交差している路線では、踏切の遮断による交通渋滞が生じ、日常生活に大きな影響を与えています。 世田谷区内には、現在90 箇所の踏切が存在し、ピーク1時間あたりの遮断時間が40 分以上の「開かずの踏切」は、43 箇所(平成26 年度(2014 年度)調査)となっています。 「開かずの踏切」は、交通渋滞の発生、地域間の分断や踏切事故の危険性など様々な問題を抱えており、区をあげて解決すべき課題となっています。 また、区ではユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーなどを推進していくこととし、令和5年(2023 年)には、その取組内容をまとめた「世田谷区移動等円滑化促進方針」を策定しました。 高齢者や障害者が日常で多く利用する駅等におけるバリアフリー化の推進が課題となっています。 【公共交通の担い手不足の解消】 ・交通の担い手不足と自動車運転者に関する労働基準の改定により、従来の路線バスの運行ダイヤを維持することが困難となっている。 全国的に路線バスの運転に必要な大型二種免許保有者は年々減少傾向にあり、バス、タクシー事業所の労働者平均年齢は全産業平均より高く、高齢化が深刻となっています。2030年、バスの運転者は、必要人員129,000人に対し、運転者数93,000人と、36,000人もの人数が不足すると試算されています。 世田谷区内を走るバス事業者も、乗務員の採用活動で応募者が減っている状況であり、大型二種免許保有者も減少傾向にあるため、ダイヤの維持が難しくなっていると伺っています。 また、高度な技術・技能を有するベテラン職員の大量退職により、若い世代への技術・技能の継承も大きな課題となっています。自動化が進んでも、安全・安心は最終的に人が作り上げるものであり、ベテラン職員による教育訓練、養成の継続が重要です。 これと同時に、担い手不足の中でもサービス水準を維持していけるよう、労働者の負担軽減に資する省力化(運転支援機能の向上)の取組や、自動化の取組を進めることにより、効率的な運用を行っていく必要があります。 さらに、交通の現場に限らず、従業員に対する暴行、脅迫、暴言、不当要求等を行う「カスタマーハラスメント」が社会問題化しています。 東京都では「カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会」を開催し、カスタマーハラスメント(カスハラ)の防止対策を進めており、令和6年10月に、全国初の「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が制定されました(令和7年4月1日施行)。 「カスタマーハラスメント」は、従業員の士気も低下するほか、安心して働ける環境ではなくなり、人材不足も深刻化することが懸念されます。 【バス待ち環境の向上】 ・区民及びバス利用者へのアンケート調査では、バスの環境(ベンチ、上屋等)や運行本数、バス停での情報提供の満足度が低い結果となっている。 令和5年度(2023 年度)に実施した路線バス利用者アンケート調査では、5段階評価で「運行本数」は2.98、「バス停の環境(ベンチ、上屋等)」は3.09、「バス停での情報提供」は3.12 と、他の評価項目と比較して低い評価となっています。また、世田谷区公共交通に関するアンケート調査においても、「バス停の環境」について満足度が他の評価項目に比べて低い結果となっています。 特に道路交通環境の影響を受けるバス路線においては、バス待ち環境の向上が大きな課題となっています。 【環境にやさしい持続可能な交通体系の確立】 ・脱炭素社会の実現にむけて、環境にやさしい持続可能な交通体系の確立が求められている。 国では、2030 年度に温室効果ガス46%削減(2013 年度比)や2050 年カーボンニュートラルの実現を目指し取組みを加速化しており、その一つとして消費エネルギーの削減を図ることが課題となっています。 区の令和3年度(2021 年度)の温室効果ガス排出量は、オール東京62 市区町村共同事業による推計では、281 万トン-CO2eqでした。このうちCO2 排出量は253 万トン-CO2eq で、全体の約90%を占めます。温室効果ガス排出量は、平成24 年度(2012 年度)以降は、年度による変動はありますが、概ね減少傾向にあります。 自転車や公共交通など環境負荷の低い交通手段の利用促進、自動車交通における環境負荷の軽減により、環境に配慮した移動が求められています。 脱炭素社会の実現に向けた車両の電動化の動きとして、燃料電池車(FCV)、バッテリー駆動の電気自動車(BEV)の開発が進み、公共交通車両においても導入が進みつつあります。 【ラストワンマイルの移動手段の確保】 ・鉄道駅やバス停から自宅などの最終目的地までの交通手段の拡充が求められている。 令和2年(2020 年)4月からの官民連携による民間シェアサイクル実証実験を経て、令和6年度(2024 年度)より官民連携によるシェアサイクル事業が本格実施されています。 気軽な外出を促すため、自宅から身近な交通結節点への移動や、身近な中心地へのラストワンマイルの移動等、移動手段の選択肢の充実が求められています。 第3章.基本方針と目標 1.計画で目指す基本方針 誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷 区民・行政・事業者で支える持続可能な世田谷区の地域公共交通 世田谷区交通まちづくり基本計画で定めた基本方針を継承しつつ、「誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷」の実現に向けて、区民・行政・交通事業者が連携・協働して、地域公共交通を支えていくことを本計画の基本方針に設定します。 2.計画の目標 地域公共交通の課題を踏まえ、以下3点を本計画の目標として定めます。 目標1:安全・安心な地域公共交通 安全に安心して目的地まで移動できることは、全ての基本です。交通の担い手不足が顕在化する中でも、安全性向上のための不断の取組を継続していくとともに、交通施設のバリアフリー化・心のバリアフリーの普及に向けた取組も推進していくことで、「安全・安心な地域公共交通」を目指します。 目標2:持続可能な地域公共交通 高齢化が進み交通弱者が増大する中、誰もが自由に移動できる公共交通の存在は不可欠であることから、厳しい事業環境の中でも公共交通サービスを確保・維持していくための「持続可能な地域公共交通」を目指します。 目標3:快適な地域公共交通 人々の移動ニーズの多様化に柔軟に対応し、情報通信技術を活用した新たなモビリティや輸送サービスを活用することで、シームレスで快適な移動ができる地域公共交通を目指します。 第4章.計画の施策と取組 基本方針及び3つの目標に基づく施策及び取組を、以下のとおり定めます。 目標1:安全・安心な地域公共交通 施策1-1安全・安定輸送の確保 ・取組1-1-1:テロ・防犯対策の推進 ・取組1-1-2:都市計画道路等の整備による路線バスの定時性の確保と速達性の向上 ・取組1-1-3:道路と鉄道の立体交差化の促進 ・取組1-1-4:公共交通に対する利用者の協力、意識啓発 ・取組1-1-5:踏切道の安全性向上 ・取組1-1-6:安全で快適な自転車利用環境の創出 施策1-2:バリアフリー化の推進 ・取組1-2-1:鉄道駅におけるホームドア整備の推進 ・取組1-2-2:鉄道駅におけるバリアフリー経路の確保、エレベーター整備の推進 ・取組1-2-3:バリアフリー車両の導入推進 ・取組1-2-4:心のバリアフリーの普及啓発 施策1-3:災害時における公共交通の連携体制などの構築 ・取組1-3-1:区民への交通情報の提供のあり方の検討 目標2:持続可能な地域公共交通 施策2-1:交通ネットワークの確保・維持・拡充 ・取組2-1-1:交通体系の確保・維持に向けた行政支援のあり方の検討 ・取組2-1-2:交通の担い手となる人材の確保 ・取組2-1-3:多様な交通モード、事業者の連携 ・取組2-1-4:新たなモビリティサービスの活用検討 施策2-2:公共交通の利用促進(モビリティ・マネジメント) ・取組2-2-1:公共交通の利用促進のための広報活動 ・取組2-2-2:多様な交通モード、事業者の連携(再掲) 施策2-3:環境負荷の低減 ・取組2-3-1:省エネ車両等の導入推進 施策2-4:公共交通不便地域対策の推進 ・取組2-4-1:地域の状況を踏まえたコミュニティ交通の導入・検討 目標3:快適な地域公共交通 施策3-1:交通結節機能の強化による乗継利便性の向上 ・取組3-1-1:交通結節点の整備・充実 施策3-2:近隣区市と連携した交通利便性の向上 ・取組3-2-1:近隣区市と連携した区境地域における交通利便性向上の検討 ・取組3-2-2:エイトライナーの早期実現 施策3-3:情報通信技術を活用した分かりやすい情報提供の充実 ・取組3-3-1:交通施設におけるバリアフリー関連情報の充実 ・取組3-3-2:鉄道駅・バス停における運行情報等の提供機会の充実 施策3-4:快適な移動のための交通環境整備 ・取組3-4-1:バス停ベンチ・上屋の設置促進 ・取組3-4-2:交通結節点の整備・充実(再掲) 施策3-5:わかりやすく便利な運賃体系の確立 ・取組3-5-1:IC カードや二次元コードを活用したキャッシュレス化の促進 ・取組3-5-2:鉄道・バス1 日乗車券等の企画乗車券、乗継運賃等の制度の充実 施策3-6:公共交通を補完する自転車の利活用の促進 ・取組3-6-1:自転車シェアリングの充実・利用促進 ・取組3-6-2:安全で快適な自転車利用環境の創出(再掲) 施策3-7:新たな輸送サービスによる移動の選択肢の提供 ・取組3-7-1:地域の状況を踏まえたコミュニティ交通の導入・検討(再掲) ・取組3-7-2:新たなモビリティサービスの活用検討(再掲) 施策3-8:特定需要への対応 ・取組3-8-1:多様な交通資源と連携した取組の検討 ・取組3-8-2:利用者のニーズに応じた多様な移動サービスの充実 施策3-9:人々の外出と交流を促進する交通環境の整備 ・取組3-9-1:交通結節点の整備・充実(再掲) ・取組3-9-2:待ち時間も快適・便利に過ごせる交通環境の整備 ・取組1-1-1:テロ・防犯対策の推進 実施主体:交通事業者 昨今、走行中の電車内で刺傷事件が発生するなど、テロや凶悪な犯罪行為により、安全・安心な地域公共交通が脅かされています。 車内や駅構内等への監視カメラ設置、巡回警備体制の強化、緊急事態の発生を想定した訓練の実施等を推進します。 ・取組1-1-2:都市計画道路等の整備による路線バスの定時性の確保と速達性の向上 実施主体:世田谷区、東京都 路線バスは一般道路を走行するため、交通渋滞の影響を受けて遅延し、ダイヤ通りに運行できない場合があります。路線バスの定時性、速達性を確保していくためには、路線バスが走行する道路における渋滞の発生を極力抑制することが必要です。 このため、都市計画道路などの整備により、円滑なバス走行空間の確保を推進します。 ・取組1-1-3:道路と鉄道の立体交差化の促進 実施主体:東京都、世田谷区、関係自治体、鉄道事業者 道路と鉄道を立体交差化して踏切をなくすことにより、安全で円滑な交通が実現することから、現在、区内では京王電鉄京王線(笹塚駅~仙川駅間)の連続立体交差事業に取り組んでおり、今後も東京都、渋谷区、杉並区、京王電鉄と連携しながら、事業の早期完成に向けて全力で取り組んでいきます。 東急電鉄大井町線や東急電鉄東横線の自由が丘駅付近の区間は、平成16年度(2004年度)に東京都が策定した踏切対策基本方針において、鉄道立体化の検討対象区間に位置付けられており、鉄道立体化に向け東京都、目黒区等と連携し、調査・検討していきます。 ・取組1-1-4:公共交通に対する利用者の協力、意識啓発  実施主体:交通事業者、区民  公共交通の遅延発生を抑制し、定時性を確保していくことは非常に重要です。路線バス利用者では乗車時における運賃支払いの釣り銭収受やICカードのチャージ等の対応が積み重なって遅延する場合も考えられるため、事前に小銭を用意する、ICカードのチャージを済ませておくなど、遅延を発生させないような利用者自身の心がけや協力の姿勢が不可欠です。また、バスが停車する前に座席から扉の前まで移動するような行為は、急停車時に対応できず転倒するなど、車内事故の原因となります。  鉄道駅のホームにおいても、列車の到着・出発時にホームの端部を歩く、歩きスマホをするなど、安全な運行に支障となる行為は、列車の遅延が発生する要因となっています。「安全に利用する」という利用者自身の心がけ、安全意識の向上が不可欠です。また、一般の自動車・自転車運転者も、路線バスの円滑な運行の妨げとならないよう、バスがバス停から発車するために合図(右ウィンカー)を出したときは、進路を妨げてはならないことが法令(道路交通法第31条の2)で定められています。 これらを踏まえ、交通事業者と連携して、利用者への意識啓発などの取組を継続して進めます。 ・取組1-1-5:踏切道の安全性向上 実施主体:鉄道事業者、道路管理者、区民 踏切道において遮断機が閉まっている状態での横断は、列車と衝突するなど重大な事故の発生要因となります。自動車、自転車、歩行者など、踏切道を通行する全ての人がこの点を認識し、警報機が鳴り始めたら渡らない、列車の運行に支障があると認めた場合や、危険を感じた場合には、迷わず列車を停止させる(踏切の非常ボタンを押す)など、事故発生防止の姿勢が不可欠であり、鉄道事業者と道路管理者で連携しながら、事故を未然に防止する取組を推進し、踏切道の安全性を更に向上させることが求められます。 これらを踏まえ、踏切道の安全性を更に向上させるため、鉄道事業者と道路管理者で連携しながら、事故を未然に防止する取組をソフト・ハードの両面から推進します。 ・取組1-1-6:安全で快適な自転車利用環境の創出 実施主体:世田谷区 自転車は、区民の生活を身近なところで支える交通手段であることから、誰もが健康・快適に、また安全・安心に自転車を利用できる環境の整備が求められています。 そこで、「世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、自転車走行環境整備、駐輪環境の整備、放置自転車対策等を推進します。 ・取組1-2-1:鉄道駅におけるホームドア整備の推進 実施主体:鉄道事業者 鉄道駅のホーム上から線路へ転落する事故や接触事故、また、それらに伴う列車の遅延を防止するため、ホームドア(可動式ホーム柵)の設置を推進します。 あわせて、ホーム端部を目立たせて注意を促す「CPライン」や、電車とホームの段差を最小化し、車いすやベビーカー等のスムーズな乗降が可能となる「段差解消ブロック」の設置をはじめ、ユニバーサルデザインの取組が進められてきています。 今後も更なるホームドア等の整備を推進していきます。 ・取組1-2-2:鉄道駅におけるバリアフリー経路の確保、エレベーター整備の推進 実施主体:鉄道事業者 ユニバーサルデザインの観点から、車いす利用者など日常の移動に支障がある方でも円滑に移動ができる社会を実現することが必要です。現在、鉄道駅ではエレベーターの整備等によってバリアフリー経路を少なくとも1ルート確保できていますが、改札口が複数ある鉄道駅などでは、片方の改札口はバリアフリー化されていても、残りの改札口は階段のみなどバリアフリー化されていない場合もあります。 引き続き、ユニバーサルデザインの観点から、駅舎の改修等を契機とした複数のバリアフリー経路の確保を推進していきます。 ・取組1-2-3:バリアフリー車両の導入推進 実施主体:交通事業者 誰もが安全・安心に移動ができる社会を実現するため、公共交通機関における車両のバリアフリー化は重要です。 タクシーにおいては車いすを折りたたまずにそのまま乗車できる車両(UDタクシー)が登場するなど、今後も更なる導入の推進が求められます。 鉄道では車両の一部の座席を撤去し、車いす利用者やベビーカー等のためのスペースとして広い空間を確保する改良が進められています。  路線バスにおいても、区内の大半がノンステップバスとなっており、車いす利用者がそのまま乗車できるようになっています。  合理的配慮の観点から、視覚障害者、聴覚障害者等を含め、今後もさらなるバリアフリー化を推進していきます。 ・取組1-2-4:心のバリアフリーの普及啓発 実施主体:世田谷区、交通事業者、区民 高齢者、障害者、子ども連れの方、重い荷物を持った方など、移動に際して様々な困難を抱える方が、安心して外出し、自立した社会生活を送ることが出来るように、区民一人一人が「心のバリアフリー」への理解を深めることが必要です。 「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方をもつ全ての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支えあうことです。そのためには、一人一人が具体的に行動を起こし継続することが必要です。 公共交通の場においては、高齢者をはじめとした援助や配慮が必要な方に対して、周囲が座席を譲る、声掛けなどの配慮、災害時における安全に避難するための支援をするなどの行動が求められます。 区は、キャンペーンの実施やポスターの掲出などによる継続的な周知活動に取り組んでいきます。 また、交通事業者は、地域公共交通の担い手である駅係員、バス乗務員等についても、接遇の向上に努めていきます。 この取組の推進に際しては、「お互いがお互いを思いやる心」が重要です。区は、これらの状況を踏まえ、「心のバリアフリー」の普及啓発に努めていきます。 「世田谷区移動等円滑化促進方針」における心のバリアフリー これまで、区で定めたUD推進条例やUD推進計画に基づき、取組を推進してきており、令和5年(2023年)6月には「世田谷区移動等円滑化促進方針」を策定して、さらなるUDのまちづくりを推進しています。 ・取組1-3-1:区民への交通情報の提供のあり方の検討 実施主体:世田谷区、交通事業者 区では「世田谷区防災ポータルサイト」において、各鉄道・路線バスの運行状況等を提供しています。災害時、緊急時等に備え、区は、交通事業者と連携して、区民が更に利用しやすい交通情報の提供のあり方について検討を行います。 ・取組2-1-1:交通体系の確保・維持に向けた行政支援のあり方の検討 実施主体:世田谷区、交通事業者 全国で路線バスの減便、廃止が進んでおり、区内でも一部でその影響が出てきています。路線バスの利用者については、テレワーク等の定着により、コロナ禍前の水準までの回復は見込めず、これまでの一部の黒字路線における利益によって多くの赤字路線を維持していくというバス事業の仕組みが成り立たなくなっています。 また、従来からの乗務員不足に加え、2024年4月から適用された労働時間等の改善基準に伴う2024年問題により、更に路線バスの確保・維持が非常に厳しい状況です。 区は、区内の交通ネットワークの最適化を目指し、これまで走行環境整備や区民・関係機関との調整・広報などの支援を行ってきましたが、持続可能な地域公共交通を確保していくため、コミュニティバスの運行に関わる経費の補助など、路線バスも含めた新たな行政支援のあり方について、交通事業者の意向を確認しながら検討を進めます。 ・取組2-1-2:交通の担い手となる人材の確保 実施主体:交通事業者、世田谷区 少子高齢化の進展によって生産年齢人口が減少し、バス乗務員(運転手)をはじめとした交通の担い手不足が全国的に深刻化しています。このままでは現状の運行本数を確保していくことが困難であり、交通の担い手不足を解消するための取組が必要となっています。 交通事業者は、更なる人材の確保に向け、採用活動に積極的に取り組んでおりますが、区としても、交通事業者の意向を確認しながら、交通の担い手不足の解消に向けた支援のあり方について検討し対策を進めていきます。 ・取組2-1-3:多様な交通モード、事業者の連携 実施主体:交通事業者 地域公共交通の利便性を向上するためには、鉄道・路線バス・タクシー等、それぞれの交通モード相互間での連携を強化することが必要です。 このため、MaaSアプリ等を活用し、交通モード相互間での一体的な利用ができるような取組について、社会動向を注視しつつ、事業者間の連携やPR活動等について検討を進めます。 ・取組2-1-4:新たなモビリティサービスの活用検討 実施主体:世田谷区、交通事業者、民間事業者 区は、交通事業者、民間事業者と協力し、鉄道、路線バス等、既存の公共交通機関を補完するものとして、AIオンデマンド交通、自動運転など新たなモビリティサービスの導入についても視野に入れ検討します。 ・取組2-2-1:公共交通の利用促進のための広報活動 実施主体:世田谷区、交通事業者 普段、自動車を利用している方が公共交通機関を利用してもらうためには、まず公共交通を知ってもらい、身近に感じてもらう必要があります。公共交通機関の利用は、環境負荷の低減につながります。  区では公共交通の利用促進のため、鉄道・バス路線図等を掲載した「世田谷区全図」を配布しています。積極的な広報活動を行うことで、利用促進を図ります。また、交通事業者と連携したイベントの開催などについても検討します。 ・取組2-2-2:多様な交通モード、事業者の連携(再掲) ・取組2-3-1:省エネ車両等の導入推進 実施主体:交通事業者 持続可能な地域公共交通を実現するため、環境に配慮した省エネルギー車両の導入を推進することが重要です。全国各地で電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入が進んでおり、エンジンによる振動・騒音が無いことから、快適性にもつながるものとして注目されています。 電気バス(EVバス)や燃料電池バス(FCバス)についても一部で導入が開始された状況ですが、車両価格や充電設備のメンテナンスコスト等、課題も多く残されています。 鉄道に関しては、新型車両の導入や機器の更新が進められているほか、駅舎等の鉄道施設の省電力化等、環境負荷の低減に取り組んでいます。 タクシーについても、EVタクシーやハイブリッド車両の導入、高効率な新しいエンジンを搭載した車両の導入等により、環境負荷の低減が図られています。 このような背景から、持続可能な地域公共交通を実現するため、省エネ車両等の導入を推進していきます。 ・取組2-4-1:地域の状況を踏まえたコミュニティ交通の導入・検討 実施主体:区民、世田谷区、交通事業者 公共交通不便地域での移動の足を確保するため、重点検討地域において持続可能なコミュニティ交通の導入について検討を進めます。 狭あい道路が多く路線バス・コミュニティバスの運行が困難な公共交通不便地域において、新たな輸送サービスを確保・維持していくためには、地域の課題や実情をよく知る地域の方々が主体となって、地域の移動手段を「守り」「育てる」意識が不可欠です。 そのため、コミュニティ交通を導入するためのガイドラインとなる手引きを作成し、区民、交通事業者、区が協働、連携しながら、地域の特性やニーズ、交通事情を踏まえ検討を進め、砧地区をはじめ、他の重点検討地域においても、公費負担を伴う新たなコミュニティ交通の実証・導入に取り組みます。利用状況や収支を把握し改善に努めることに加え、地域での買い物・通院をはじめとした外出支援など福祉・健康面での効果や、地域経済活性化等につながる交通サービスのあり方について幅広く検証を行います。 ・砧・大蔵地区における予約制乗合ワゴン(オンデマンド輸送)の実証運行 新たな公共交通不便地域対策の一環として、砧地区を「モデル地区」と定め、令和5年(2023年)5月1日より、デマンド型交通の実証運行を実施しています。 実証運行は3年間を目途として実施し、今後見込まれる超高齢社会や単身高齢者の増加等を踏まえ、住み慣れた地域で自立して暮らし続けられるよう、地域が主体となるコミュニティ交通の導入における公費負担・収支率の課題や、運行による効果等について検証を行うものです。 ・取組3-1-1:交通結節点の整備・充実 実施主体:世田谷区、交通事業者 近年では、歩いて楽しい街、「ウォーカブルシティ」の考え方が浸透してきたほか、鉄道駅や駅前広場を中心とした利便性、快適性、地域性の高いゆとりある一体的な空間形成を目指す「駅まち空間」のデザインが求められるなど、従来の駅前広場や道路のあり方が大きく変化しています。このような状況下において、人々の外出と交流を促進する交通環境を創出・充実させていくことは、とても重要です。 区では世田谷区都市整備方針において、三軒茶屋駅周辺地区、下北沢駅周辺地区、二子玉川駅周辺地区を「広域生活・文化拠点」に位置づけており、主要な交通結節点としての魅力を高める取組を推進します。 また、京王線連続立体交差事業を契機として、駅周辺街づくりを進めており、明大前駅や千歳烏山駅においては、駅前広場整備により交通結節機能の強化を図ります。 引き続き、区と交通事業者は連携し、その他の鉄道駅なども地域の交通の拠点と捉え、様々な交通手段への乗継利便性を向上するため、バス乗り場や歩行者空間に配慮した利用しやすい広場整備を推進します。 ・取組3-2-1:近隣区市と連携した区境地域における交通利便性向上の検討 実施主体:世田谷区、交通事業者 区境地域に居住している方は、日常の移動も近隣区市を行き来する場合が多く、近隣区市への移動体系も考慮する必要があります。 一例として、近年、区境地域の交通体系について、シェアサイクルポートの拡充に伴い、交通利便性が向上しているところです。 引き続き、区は、課題共有の場を設けるなど、今後の公共交通の連携のあり方などについて、近隣区市及び交通事業者と連携し検討を進めます。 ・取組3-2-2:エイトライナーの早期実現 実施主体:世田谷区、関係自治体、東京都 区部周辺部を結ぶ交通手段の一つとして、環状8号線を基軸とした南北方向の新たな鉄道構想(エイトライナー)の早期実現に向け、環状8号線沿線の北区、板橋区、練馬区、杉並区、大田区や東京都と連携し、検討を進めています。  エイトライナーは平成28年(2016年)の交通政策審議会答申第198号において、環七高速鉄道(メトロセブン)とともに「区部周辺部環状公共交通の新設」として「地域の成長に応じた鉄道ネットワークのプロジェクト」に位置付けられました。  将来を見据えた新しい公共交通のあり方に関する協議を深度化するとともに、答申に示された課題の解決に向け、調査検討を進めます。 ・取組3-3-1:交通施設におけるバリアフリー関連情報の充実 実施主体:交通事業者、世田谷区 区では、全ての区民が可能な限り快適な生活環境となるようユニバーサルデザインのまちづくりを総合的に推進するために「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」を定め、条例の趣旨や目的に基づき、公共交通施設等への整備基準とそのうち特に守るべき内容の遵守基準を定めています。 区と交通事業者は、公共交通施設等において、バリアフリーに関連する情報が容易に取得できるよう、連携した取組を推進します。 ・取組3-3-2:鉄道駅・バス停における運行情報等の提供機会の充実 実施主体:交通事業者、世田谷区 鉄道や路線バスの利便性を向上させるため、鉄道駅やバス停において、現在の運行情報を入手できる機会を充実させることが必要となります。昨今、停留所の標識(標柱)と運行情報提供装置(案内ディスプレイ)が一体化した「スマートバス停」が登場し、一部で導入が進んでいます。また、手持ちの携帯端末等に交通事業者のアプリをインストールしておくことで、発車時刻や現在の運行状況、混雑情報、乗換案内、バリアフリールート等の情報を得ることが可能となっています。 交通事業者は、訪日外国人旅行者や、日本語を得意としない外国籍の区民に対しても分かりやすく簡潔な情報提供を行うことが必要であり、多言語での案内表記や、アナウンス等の対応を推進するとともに、「混雑の見える化」により、利用者の自発的な混雑回避を促進するための情報提供を検討します。 区としても区民・公共交通利用者への情報提供のあり方について検討を進めます。 ・取組3-4-1:バス停ベンチ・上屋の設置促進 実施主体:世田谷区、交通事業者 区は、路線バスの待合環境整備を推進するため、世田谷区路上ベンチ等設置指針、座れる場づくりガイドライン等に基づき、交通事業者と協働で「上屋」の設置の推進に取り組むほか、ベンチ等の設置に取り組みます。 ・取組3-4-2:交通結節点の整備・充実(再掲) ・取組3-5-1:IC カードや二次元コードを活用したキャッシュレス化の促進 実施主体:交通事業者 公共交通のキャッシュレス化は、シームレスな移動の実現とともに、決済データ蓄積によるサービスの改善、人手不足などの課題解決を図ることが可能となることから、公共交通のキャッシュレス化を促進することが必要となります。 昨今では、交通系ICカードの普及が進むとともに、二次元コードを活用したキャッシュレス決済サービスが数多く登場し、鉄道駅の改札機に携帯端末で表示した二次元コードをかざして通過するシステムも導入が進んでいます。 また、訪日外国人観光客などの交通系ICカードを所有していない利用者に向けては、クレジットカードやデビットカード等による非接触型決済(コンタクトレス決済)の導入が進んでいます。 さらなる公共交通のキャッシュレス化に向けた検討を進めていきます。 ・取組3-5-2:鉄道・バス1 日乗車券等の企画乗車券、乗継運賃等の制度の充実 実施主体:交通事業者 弾力的な運賃設定や割引サービスの提供は、公共交通の利用者拡大や利用回数の増大につながります。 交通事業者は、アプリ等と連携した公共交通の1日乗車券の販売や、ICカード利用時の路線バスの乗継割引(特定の系統を乗り継ぐ場合に、2回目の運賃引き去りを行わない)など、新たな取組に向けた検討を進めていきます。 ・取組3-6-1:自転車シェアリングの充実・利用促進 実施主体:世田谷区、民間事業者 鉄道や路線バス以外の選択肢として、気軽に利用できる自転車があります。昨今は自転車を所有せず、シェア(共有)する考え方が浸透してきており、自転車シェアリングの環境の整備が求められています。 区では、これまで、区内の6駅7箇所で区レンタサイクル事業を展開し、1台の自転車を複数人でシェアすることで駐輪場の収容効率を上げることによる放置自転車対策と、自転車ネットワークによる生活交通の利便性向上に活用してきました。 その後、区は官民連携による民間事業者と連携し、公共交通への乗継場所である鉄道駅・バス停周辺、主要な公共施設のほか、公共交通不便地域へのサイクルポートの設置についても検討し、自転車シェアリングの充実・利用促進に向けた取組も推進しています。老朽化した区レンタサイクル施設については、今後システム改修に伴う維持管理費が増大すること等を踏まえ、令和7年度末をもって運営を廃止する予定としており、民間シェアサイクル事業へ完全移行することにより更なる利用促進を図ります。 ・取組3-6-2:安全で快適な自転車利用環境の創出(再掲) ・取組3-7-1:地域の状況を踏まえたコミュニティ交通の導入・検討(再掲) ・取組3-7-2:新たなモビリティサービスの活用検討(再掲) ・取組3-8-1:多様な交通資源と連携した取組の検討 実施主体:世田谷区、民間事業者 全ての移動ニーズに対して、既存の公共交通サービスで対応することは困難であるため、地域にある多様な交通資源を有効活用することが求められています。 そこで、公共交通機関のみで対応が難しい移動ニーズに対しては、必要に応じて、区は民間事業者と連携し、既存の病院の送迎車両、スクールバスなど、地域における多様な交通資源を最大限に活用することを検討します。 ・取組3-8-2:利用者のニーズに応じた多様な移動サービスの充実 実施主体:交通事業者 通勤・通学需要など、「できるだけ早く移動したい」といったニーズのほかに、「多少時間がかかっても快適に移動したい」「有意義な時間を過ごしたい」など、時代の変化とともに移動に関するニーズも多様化しています。 鉄道事業者は比較的遠距離を移動する列車で有料の座席指定車両を導入するなど、多様な選択肢を用意するようになってきています。また、タクシー事業者においてはユニバーサルデザインタクシーや子育て支援タクシーなどの取組など、ニーズに応じたサービスを展開しています。 そこで、多様化した移動ニーズへの対応について、社会動向を注視しつつ、必要に応じて検討を進めます。 ・取組3-9-1:交通結節点の整備・充実(再掲) ・取組3-9-2:待ち時間も快適・便利に過ごせる交通環境の整備 実施主体:世田谷区、交通事業者、民間事業者 電車やバスの待ち時間を快適・便利に過ごせる環境づくりが求められています。 区、交通事業者、民間事業者は連携して、気軽に公共交通を利用し、待ち時間を近くのカフェで過ごすなど、充実した時間を過ごせる「モビリティハブ」などの整備について、検討を進めます。 第5章.計画の推進 1.計画の達成状況の評価 本計画において定めた目標に基づき、評価指標を設定のうえ、達成状況の調査、分析及び評価を毎年度行います。 この内容は、世田谷区地域公共交通活性化協議会及び国土交通大臣に対して報告します。 目標1に関する評価指標「安全・安心な地域公共交通」 ・ホームドア整備駅数 ・自転車通行空間整備延長 目標2に関する評価指標「持続可能な地域公共交通」 ・鉄道・バス利用者数 ・二酸化炭素排出量(運輸部門) 目標3に関する評価指標「快適な地域公共交通」 ・区内の交通手段(移動手段)に満足している区民の割合(目標1、2に関する施策も含む) ・サイクルポート設置箇所数(官民連携による民間シェアサイクル事業) 年度目標値 ホームドア整備駅数(単位:駅) 基準値:15 令和7年度:15、令和8年度:18、令和9年度:19、令和10年度:20、令和11年度:20 モニタリング:区データ 自転車通行空間整備延長(単位:キロメートル) 基準値:56 令和7年度:63、令和8年度:68、令和9年度:73、令和10年度:78、令和11年度:83 モニタリング:区データ 鉄道・バス利用者数(単位:千人/日) 基準値:2577 令和7年度:2729、令和8年度:2729、令和9年度:2729、令和10年度:2729、令和11年度:2729 モニタリング:世田谷区統計書 二酸化炭素排出量(運輸部門)(単位:1000トン-CO2) 基準値:405 令和7年度:379、令和8年度:353、令和9年度:328、令和10年度:302、令和11年度:277 モニタリング:オール東京62市町村共同事業「みどり東京・温暖化プロジェクト」 区内の交通手段(移動手段)に満足している区民の割合(単位:%) 基準値:67 令和7年度:68、令和8年度:69、令和9年度:70、令和10年度:71、令和11年度:72 モニタリング:区データ サイクルポート設置箇所数(単位:カ所) 基準値:188 令和7年度:198、令和8年度:208、令和9年度:218、令和10年度:228、令和11年度:238 モニタリング:民間事業者公表データ 2.計画の推進体制 本計画については、区民、交通事業者、学識経験者、警察、道路管理者、国、東京都等から組織される「世田谷区地域公共交通活性化協議会」を中心に、それぞれの施策・取組を推進していきます。 また、本計画の推進にあたっては、協議会が主体となり、PDCA サイクルに基づいて進捗を管理していきます。 PDCA サイクルによる進め方としては、計画目標、事業計画(Plan)に基づき、計画的に事業を進めていく(Do)とともに、事業を実施した結果の評価(Check)を行います。また、その評価に基づき目標達成に向けた見直し(Action)を行い、新たな計画(Plan)を立案します。PDCA サイクルを実施し、目標達成に向け絶えず取組の評価・改善を行っていきます。なお、毎年度の事業の実施・評価・見直しという短期のPDCA サイクルと、計画期間を通しての長期のPDCA サイクルにより、計画の推進及び進捗管理を行います。 詳しくは、以下の連絡先へお問い合わせください。 世田谷区 道路・交通計画部 交通政策課 電話番号03-6432-7946