別紙1 「世田谷区地域公共交通計画」(素案)の意見募集に関する意見概要及び区の考え方 1.地域公共交通計画について:3件 番号1 意見概要 日常の移動に困難を抱えている方を支援できるような地域公共交通計画を策定してほしい。また、市民参加を前提にし、複数関係者が具体的な課題を検討できる体制が必要である。 区の考え方 本計画は、既存の鉄道・路線バス等の公共交通機関をはじめ、地域における多様な輸送資源も含めた地域公共交通のあるべき姿を描くマスタープランとして策定しています。策定に当たっては、区民、学識経験者等が委員となる世田谷区地域公共交通活性化協議会において議論を行うとともに、区民の移動や公共交通に係る意向等を把握するため区民アンケートを実施して進めてきました。 公共交通機関の利用が困難な方については、せたがやインクルージョンプラン(世田谷区障害施策推進計画)において、福祉タクシー券の給付や福祉輸送を行う事業者の支援、介護タクシーの配車や福祉移動サービスの相談を行う事業者への支援などを施策の取組として位置付けています。 引き続き必要に応じて、福祉交通に関する課題についても、関係所管とも連携して検討していきます。 番号2 意見概要 以下の目標を追加してほしい。 目標4:誰もが自由におでかけするための地域公共交通 目標5:市民参加で創る地域公共交通 区の考え方 基本方針に「誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷~区民・行政・事業者で支える持続可能な世田谷区の地域公共交通~」を掲げており、いただいたご意見についても包括しています。 番号3 意見概要 評価指標にコミュニティバスの利用者数を追加すべき。また、公共交通の満足度については移動制約者等を別枠で調査して指標に追加すべき。 区の考え方 本計画は、既存の鉄道・路線バス等の公共交通機関のあるべき姿を描くマスタープランとして策定しています。 計画の策定に当たって、評価指標を設定する際、なるべく個別路線の評価ではなく、世田谷区全体に係る評価指標を設置することが望ましいとされています。 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 2.路線バスの確保・維持・拡充について:7件 番号4 意見概要 桜上水駅と千歳船橋駅を水道道路経由で運行するバスを走らせてはどうか。 区の考え方 新たな路線バスの導入については、交通需要の減少と交通の担い手不足が深刻化しているため、大変厳しい状況となっています。 一方、南北方向の交通ネットワークが課題となっていることから、区では引き続き、交通ネットワークの充実に向けて取り組んでいきます。 番号5 意見概要 鉄道と重複する路線バスは廃止・縮小し、路線バスしか手段がない地域の本数を拡充してほしい。 区の考え方 鉄道と近接するバス路線に限らず、需要が少ないバス路線については、バス事業者において需要に応じた減便を行うなど、縮小傾向にあります。 最適な交通ネットワークのあり方について、検討を進めていきます。 番号6 意見概要 東京都シルバーパスの利用時間を制限し、ラッシュ時の本数を抑制出来ないか。 区の考え方 東京都が行っている自治体向けのシルバーパスに関する調査などの際に、ご意見を伝えていきます。 番号7 意見概要 補助128号線、54号線などの早期整備を実現し、下北沢~松原~仙川のバス便を設定してほしい。 区の考え方 補助54号線については、下北沢駅付近で1区間、調布市境付近で2区間事業中です。また、松原4~6丁目付近は、せたがや道づくりプランにおいて優先整備路線に位置付けられています。補助128号線については、下高井戸駅付近で1区間、世田谷通りから経堂駅付近で2区間事業中です。それぞれの路線は未完成の区間が多くありますが、引き続きせたがや道づくりプランに基づき事業に取組んでいきます。 道路の整備に合わせ、新規路線の導入を検討していきます。 番号8 意見概要 オンデマンドバス以外の定時定路線型の路線バスの維持・拡大も希望する。 区の考え方 定時定路線型の路線バスとオンデマンド輸送のそれぞれの特性を踏まえ、地域のニーズにあった、公共交通ネットワークの確保・維持・拡充に取り組んでいきます。 番号9 意見概要 NPOも含めて新たな交通サービスの担い手を育てていくことが必要。 区の考え方 区では、まずは、既存の公共交通機関の人材確保および活用を検討していきます。その上で、既存の公共交通機関による輸送サービスが困難な場合は、自家用有償旅客運送の活用も視野に入れていきます。 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号10 意見概要 交通の担い手について大手のバス会社だけでなく、NPOや個人事業者も含めて考えていくべきではないか。 区の考え方 番号9と同じ。 3.公共交通不便地域対策について:4件 番号11 意見概要 砧南部(喜多見1~7丁目)の地域において小型バスを使用したバス路線を設定してほしい。 区の考え方 新たな路線バスの導入については、車体の大きさに関わらず、交通需要の減少と交通の担い手不足が深刻化しているため、大変厳しい状況です。 日常の移動手段の確保は重要であるため、区では引き続き公共交通ネットワークの確保・維持・拡充に取り組んでいきます。 番号12 意見概要 公共交通の検討に区民が参画できる枠組みの構築を検討してほしい。 区の考え方 基本方針に「誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷~区民・行政・事業者で支える持続可能な世田谷区の地域公共交通~」を掲げており、区民参画も含まれています。重点検討地域にコミュニティ交通を導入・検討する際は、区民、交通事業者、区が協働、連携しながら新たな交通サービスの導入を検討していきます。 番号13 意見概要 地域公共交通計画の中で新たな交通サービスを検討するための仕組みを明記してほしい。 区の考え方 番号12と同じ。 番号14 意見概要 「玉川おでかけバス」の活動を参考にして新たなコミュニティ交通の担い手の出現を促すような地域公共交通計画を策定してほしい。 区の考え方 番号12と同じ。 4.自転車交通について:2件 番号15 意見概要 シェアサイクルを拡充してほしい。 区の考え方 「世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、シェアサイクルの普及促進に取り組んでいきます。 番号16 意見概要 自転車走行帯を整備してほしい。 区の考え方 「世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、自転車通行空間の整備に取り組んでいきます。 5.福祉交通について:5件 番号17 意見概要 福祉輸送に関する記述や利用実績を計画に落とし込んでほしい。また、コロナ以降、移動困難者が一般タクシーの利用に苦労しているため、独自のタクシー確保の仕組みや通院に特化した交通サービスなどの対策が必要である。 区の考え方 区では、まずは、既存の公共交通機関の人材確保および活用を検討していきます。 その上で、既存の公共交通機関による輸送サービスが困難な場合は、自家用有償旅客運送の活用も視野に関係所管と検討していきます。 タクシーの利用に関しては、携帯端末のアプリからの利用が浸透してきていますが、予約の需要が多くなる雨天時などは、国でも予約が取りづらい状況を把握しており、特別区においては、時間制限はありますが、ライドシェアが開始されましたので、国の動向を注視していきます。 UDタクシーの写真については、国土交通省のホームページから引用したものであり、あくまで一例として記載したものです。 番号18 意見概要 各鉄道事業者の駅から乗り換えなしで区内の主要な病院や支所に行けるバスの運行を考えてほしい。移動困難者は公共交通不便地域だけでなく区内全域に居住しているため、福祉部局と協力して区内の移動困難者の実態を把握する調査を行うべき。また、移動困難者のためのラストワンマイルについても記載するべき。 区の考え方 公共交通機関の利用が困難な方については、せたがやインクルージョンプラン(世田谷区障害施策推進計画)において、福祉タクシー券の給付や福祉輸送を行う事業者の支援、介護タクシーの配車や福祉移動サービスの相談を行う事業者への支援などを施策の取組として位置付けています。 必要に応じて、病院の送迎車両、スクールバス、福祉有償運送などの地域における多様な交通資源の活用についても、関係所管と連携して検討していきます。 番号19 意見概要 駅や区の公共施設へ福祉車両でアクセスした時の「乗降場所」の確保をしてほしい。 区の考え方 区では、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例に基づき、一定規模の不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する建築物や公共交通施設の新設等の際に駐車場を設ける場合には、車椅子使用者用駐車場施設を1以上設けることを遵守基準としています。 また、同条例施設整備マニュアルの駅舎等の出入口では、「望ましい基準」として、車椅子使用者等のための停車区画を設けることを掲載し、整備を誘導しています。 引き続き、関係所管と連携して、福祉車両の利便性向上に努めていきます。 番号20 意見概要 世田谷区の人口規模を考えれば通院、買物等に特化した交通サービスをNPO等から提案できると考えており、検討の仕組みを地域公共交通計画で位置付けてほしい。 区の考え方 区では、まずは、既存の公共交通機関の人材確保および活用を検討していきます。 その上で、既存の公共交通機関による輸送サービスが困難な場合は、自家用有償旅客運送の活用も視野に入れていきます。 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号21 意見概要 世田谷区の人口が大きいことから、通院や買い物の分野別に特化した交通サービスをNPOや民間事業者から提案できると考える。その提案を喚起する道筋をこの計画の中に記述してほしい。 区の考え方 番号20と同じ。 6.鉄道交通について:2件 番号22 意見概要 小田急線の千代田線直通列車が運休になると、経堂駅、成城学園前駅に停車する急行が半減するので、快速急行を急行とするなど、本数を確保してほしい。 区の考え方 区内の鉄道は複数路線間での相互直通運転を行っていることから、運行異常などにより影響が生じることもあります。 鉄道事業者は列車の種別や行先を変更するなど状況に応じて対応を行っているものと認識していますが、影響を最小化するよう、鉄道事業者に対しご意見をお伝えします。 番号23 意見概要 喜多見・宇奈根地区のオンデマンド輸送は予約が必要で、これがますます利用者を減少させているように感じる。 砧地区はどの駅からも遠く、不便性が解消すれば人口増が見込める。 南北を横断する鉄道がほしい。 エイトライナー整備に期待している。 区の考え方 喜多見・宇奈根地区のオンデマンド輸送は、利用者の著しい減少により運行継続が困難となった東急バス玉04・玉05系統の代替として、地域の公共交通ネットワークを維持するために運行を開始したものであり、需要特性を踏まえたシステムです。 利便性の向上については、今後も状況を注視していきます。 エイトライナーの早期実現についても、東京都や関係区と連携して取り組んでいきます。 7.交通安全について:3件 番号24 意見概要 多様な主体が連携して安全安心な交通政策を検討、改善していくような枠組みが必要。 区の考え方 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号25 意見概要 歩行者が安全、安心、快適に移動できる歩道を確立してほしい。 自転車の歩道走行は危険である。 区の考え方 警察等と連携しながら、自転車の走行ルールの普及啓発に努めていきます。 番号26 意見概要 路線バスに優先権を与えてほしい。バスの発進の際、自転車が一時停止せず追い越すなど、迷惑行為が目に余る。バスレーンを走行する自転車に関しては、バスが来たときは道を譲るなどのルールが必要。 区の考え方 路線バスの発進を妨害した場合は、道路交通法の「乗合自動車発進妨害」に該当し、交通違反となります。 警察と連携し、自転車の走行ルールの普及啓発に努めていきます。 8.その他:6件 番号27 意見概要 保育園の選考時に、公共交通機関の現業部門に従事している人を優遇してほしい。 区の考え方 保育園への入園選考は、区で定めた「選考指数」に基づき行っています。 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号28 意見概要 災害時を想定し、福祉、医療等と連携した対策準備が必要。 区の考え方 いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号29 意見概要 シニアカー、ショップモビリティの活用も考えてほしい。 区の考え方 区では、様々な新たなモビリティサービス活用などの取組を進めてまいります。いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号30 意見概要 交通環境の整備にあたっては福祉、医療等とも連携して検討することが必要ではないか。 区の考え方 本計画は、既存の鉄道・路線バス等の公共交通機関のあるべき姿を描くマスタープランとして策定しています。 必要に応じて、関係所管とも連携して検討していきます。いただいたご意見は、今後の施策運営に当たり、参考とさせていただきます。 番号31 意見概要 歩いて楽しいまち、車椅子で移動できるまち、自転車が安全に走れるまち、CO2を排出しないまちなどを強調してほしい。ミニ路面電車の可能性を検討してほしい。 区の考え方 基本方針である「誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷~区民・行政・事業者で支える持続可能な世田谷区の地域公共交通~」には、歩いて楽しい、車椅子で移動できる、環境への配慮といった視点を含んでいます。 新たな公共交通の導入についても、必要に応じて検討していきます。 番号32 意見概要 物流道路と生活者中心道路を分けて生活者中心道路を増やし、低速度制限にしてほしい。 区の考え方 物流分野の交通と生活中心の交通とを分離することは、現在の道路ストックでは難しく、将来的にも困難です。引き続き地区幹線道路、主要生活道路、地先道路といった道路の段階構成に基づく道づくりを進め、安全安心のまちづくりを目指します。なお、区域を定めて時速30キロの速度規制を実施する「ゾーン30」という生活道路の交通安全対策にも取組んでいます。 詳しくは、以下の連絡先へお問い合わせください。 世田谷区 道路・交通計画部 交通政策課 電話番号03-6432-7946