世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第3期)― だれもがユニバーサルデザインの視点と心でまちづくり ― (素案)概要版 令和6年9月 世田谷区 第1章 計画の策定について 1-1 策定の背景  区では、区民、事業者、関係団体と協働して、社会の様々な障壁(バリア)をなくす施策を進め、年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、すべての区民が可能な限り公平に社会参加し、自立できる生活環境の実現をめざし、まちづくりを進めてきました。  これまでの取組みに磨きをかけるとともに、少子高齢化に伴う働き手不足やICTの普及、大規模災害の発生など、新たな社会の変化による課題を踏まえ、移動等円滑化促進方針と推進計画の取組みを連携させながら、一体的なユニバーサルデザインのまちづくりを推進し、地域共生社会の実現を目指していくため、平成30年度(2018年度)に策定した「推進計画(第2期)後期」を見直し、「推進計画(第3期)」を策定します。 1-2 推進計画とは  すべての区民が個人として尊重され、共に支えあいながら、将来にわたって活力に満ちた世田谷をつくりあげていくことができるように、区、区民、事業者及び関係団体が協働しながら、だれもが安全で利用しやすい生活環境の整備を推進していくための具体的な計画です。 1-3 目的  世田谷区は、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき生活環境の整備を進めてきました。  これまでの取組みを一層推進するとともに、今後は、LGBTQなど多様性の尊重や、社会的変化に伴う多様なニーズに対応した、地域共生社会の実現を目的とします。 1-4 計画の位置付け  推進計画は、「ユニバーサルデザイン推進条例」第7条第1項に定める、生活環境の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本となる計画です。  区の上位計画である「世田谷区基本構想」「世田谷区基本計画」に示されたビジョンや基本方針等を踏まえるとともに、他の行政計画との連携・整合性を図るものとして位置付けます。また、「移動等円滑化促進方針」と一体的にユニバーサルデザインのまちづくりを推進していきます。  なお、区の基本計画の実行指針では、「SDGsの目標年次である2030年に向け、基本計画の施策とSDGsとの関連性を明らかにし、関連性を意識しながら分野横断的な施策展開を図り、一体的に推進する」としており、本計画にて関連するゴールは次のものがあげられます。 *PDF版にはSDGsのアイコンが5つあります。 目標3 すべての人に健康と福祉を 目標4 質の高い教育をみんなに 目標5 ジェンダー平等を実現しよう 目標10 人や国の不平等をなくそう 目標11 住み続けられるまちづくりを 以上、PDF版の説明終わり。 1-5 計画の期間  第3期計画は、令和7年度(2025年度)から令和16年度(2034年度)までの10年間の計画とし、前期計画4ヶ年、後期計画4ヶ年、調整期間2ヶ年とし、社会状況の変化等を捉えながら中間見直しを行い、推進していきます。 *PDF版には表が記載されています。 前期計画4ヶ年は、令和7年(2025年)から令和10年(2028年)で、令和10年(2028年)に見直しを行います。 後期計画4ヶ年は、令和11年(2029年)から令和14年(2032年)で、令和14年(2032年)に見直しを行います。 調整期間2ヶ年は、令和15年(2033年)と令和16年(2034年)です。 以上、PDF版の説明終わり。 ※ユニバーサルデザイン(以下一部UDと表記)とは  年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用しやすい生活環境にする考え方です。  これまでのバリアフリーの取組みは、高齢者や障害者等が生活を営む上での様々なバリア(物理的、制度、文化・情報、意識等)のすべてを取り除くことが目的でしたが、あらかじめ多様なニーズを想像し、「バリアを最初から作らない」、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、区は生活環境の整備を進めています。 ※生活環境の整備とは  「公共的施設及び住宅の構造、設備等並びに情報及びサービスの提供について適切な措置をとること」とユニバーサルデザイン推進条例第2条で定めています。  なお、公共的施設とは、区立施設だけではなく病院、店舗、学校、道路、公園等の多くの人が利用する施設です。 第2章 第2期計画期間の取組み 2-1 第2期計画における代表的な取組み (1)梅ヶ丘拠点整備事業区複合棟(保健医療福祉総合プラザ うめとぴあ)におけるUD検討会の実施 ・ユニバーサルデザインの工夫やサインにおけるUD検討会を平成27年度~令和元年度(2015~2019年度)に7回実施しました。 ・世田谷区視力障害者福祉協会、世田谷ミニキャブ区民の会、せたがや子育てネットに協力いただきました。 (2)本庁舎整備におけるUD検討会の実施 ・本庁舎整備におけるUD検討会を、平成30年~令和4年度(2018~2022年度)にかけて、8回実施しました。検討テーマは、トイレ・授乳室、避難、区民窓口、中央広場の段差解消、案内サインです。 ・せたがや子育てネット、世田谷区視力障害者福祉協会、元外国人相談員、世田谷区聴覚障害者協会、世田谷高齢者クラブ、世田谷区肢体不自由児者父母の会、HANDS世田谷(ハンズせたがや)、世田谷区手をつなぐ親の会、日本オストミー協会、世田谷さくら会、東京都自閉症協会、にじーずの12団体・個人に協力いただきました。 (3)UDサポーター養成講座 ・UDサポーターとは、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というUDのまちづくりを進めるため、UDに関心があり区のUD推進事業に一緒に取り組んでいただく仲間です。 ・令和3年度(2021年度)にUDサポーター制度を制定しました。現在約40名の登録があり、小中学校への出張講座の協力やUD検討会のオブザーバー参加、意見交換会やUDワークショップへの参加等、様々な事業に参加していただいています。 *PDF版には写真が3点あります。 案内サインのUD検討、模型を見て触りながら設計内容確認、UDサポーター養成講座 の風景写真です。 以上、PDF版の説明終わり。 2-2 共生社会ホストタウンの取組み (1)先導的共生社会ホストタウンの取組み ・「馬術競技を開催する馬事公苑界わいの魅力向上(安全な歩行空間の確保)」「ユニバーサルデザインによる区立大蔵運動場陸上競技場の整備」「スポーツを通じた障害のある人とない人の交流」「小・中学校での障害理解教育」などを実施してきました。 (2)世田谷区移動等円滑化促進方針の策定 ・移動等円滑化促進方針は、ユニバーサルデザイン推進計画と一体的な施策の推進をすることで、区全域のユニバーサルデザインのまちづくりの底上げを図ります。また、促進地区(世田谷区役所周辺地区)を選定し、促進地区内に生活関連施設、生活関連経路を設定しています。 *PDF版には写真が2点あります。 UDの視点でまち歩きの風景写真、店舗への取り外し可能な簡易スロープが設置されている写真です。 以上、PDF版の説明終わり 第3章 推進計画(第3期)の考え方 3-1 社会の変化 ・UD推進計画(第2期)期間中(平成27~令和6(2015~2024)年度)における、UDのまちづくりに関わる社会の変化を以下に示します。 (1)環境の変化  ① ハード面のUD整備  ② 少子高齢化の進展、外国人居住の増加等  ③ 大規模災害の発生 (2)区民の生活の変化  ① 心のバリアフリーの取組み  ②「新しい生活様式」の浸透 (3)制度等の充実  ① 障害を理由とした差別の禁止と合理的配慮の義務化  ②「世田谷区手話言語条例」の施行  ③「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の施行  ④「第2期世田谷区認知症とともに生きる希望計画」の策定 3-2 見直しの課題 (1)社会的課題  ①公平・平等な社会参加を推進するための社会的障壁の除去  ②ICTの普及に伴う配慮  ③心のバリアフリーの普及  ④UD推進における区民等との協働 (2)UD推進事業の取組み  ①UD推進計画(第2期)における、施策・事業のスパイラルアップ  ②区民参加と協働の推進  ③UD推進事業所管との連携 3-3 第3期の方向性 (1)見直しの方向性  ・社会の変化と見直しの課題を踏まえた推進計画の見直しの方向性を示します。 ① だれもが公平・平等に利用でき、社会参加できるように、社会的障壁の除去に取り組みます ② 地域の一体的なUD整備に取り組みます ③ 区民等への情報発信等に取り組みます ④ 区民等の参加と協働の機会の創出に取り組みます ⑤ 推進計画の効果的なスパイラルアップに取り組みます 第4章 計画の基本理念、取組み方針、施策、取組み 4-1 基本理念  社会における様々な障壁(バリア)をなくすにとどまらず、すべての区民の基本的人権が尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に公平・平等に参加できるまちづくりをめざします。 4-2 基本理念を実現する取組み方針 取組み方針1 ユニバーサルデザインでだれもが利用できるまちづくり ・だれもが自由に移動でき、公平・平等に利用できるよう生活環境の整備を進め、安全で安心して快適に暮らせるまちづくりに取り組みます 取組み方針2 ユニバーサルデザインによる情報の発信と取得、利用 ・だれもが公平・平等に情報を受け取り、サービスが利用できるよう、情報発信の手法の多様化を進め、取り残されることなく情報を取得し利用できるよう取り組みます 取組み方針3 参加と協働でユニバーサルデザインのまちづくり ・区民等の参加の場をより一層増やし、引き続きユニバーサルデザインの理解促進・普及啓発に取り組みます ・生活環境の整備にあたっては、多様なニーズを反映させるために、区民等との協働に取り組みます 4-3 施策の体系図 *PDF版には体系図が記載されています。体系図の概要は以下です。 世田谷区UD推進条例に基づいて世田谷区UD推進計画基本理念が定めました。 その世田谷区UD推進計画基本理念を実現するための取組方針が3つあり(上記4-2参照)、それぞれに施策があります。 施策は全部で10あり、各施策の中にそれぞれユニバーサルデザイン推進の取組みがあります。 ユニバーサルデザイン推進の取組みは全部で33つあります。 基本理念を実現する取組み方針1の下に5つの施策があり、基本理念を実現する取組み方針2と3の下にそれぞれ2つの施策があり、基本理念を実現する取組み方針全体の下に1つの施策があります。 33のユニバーサルデザイン推進の取組みについては、以下に書き出します。 以上、PDF版の体系図の概要説明終わり。 ◆世田谷区UD推進条例 取組み ・「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインに基づく、生活環境の整備 ・区、区民及び事業者の相互の理解及び協働 UD推進計画の策定 (1)生活環境の整備に関する目標 (2)生活環境の整備に関する重点施策 (3)生活環境の整備に関する重要事項 ◆世田谷区UD推進計画基本理念  社会における様々な障壁(バリア)をなくすにとどまらず、すべての区民の基本的人権が尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に公平・平等に参加できるまちづくりをめざす。 ◆基本理念を実現する取組み方針、施策、ユニバーサルデザイン推進の取組み 取組み方針1 ユニバーサルデザインでだれもが利用できるまちづくり 施策1 ユニバーサルデザインによる区立施設の整備推進 取組み1-1 区立施設のユニバーサルデザイン整備推進 取組み1-2 区立小中学校のユニバーサルデザイン整備推進 取組み1-3 既存区立施設のバリアフリー改修推進 施策2 ユニバーサルデザインによる道路環境の整備推進 取組み2-1 歩行者空間のユニバーサルデザイン整備推進 取組み2-2 道路の不法占用物除却の推進 取組み2-3 放置自転車対策等の推進 施策3 ユニバーサルデザインによる公園緑地等の整備推進 取組み3-1 公園緑地等のユニバーサルデザイン整備推進 施策4 ユニバーサルデザインによる交通移動サービスの充実 取組み4-1 公共交通施設・車両のバリアフリー整備の促進 取組み4-2 公共交通不便地域対策の推進 取組み4-3 福祉移動サービスの周知 施策5 民間施設へのユニバーサルデザイン整備支援 取組み5-1 小規模店舗等におけるユニバーサルデザイン改修の支援 取組み5-2 商店等における合理的配慮の提供支援 取組み方針2 ユニバーサルデザインによる情報の発信と取得、利用 施策6 ユニバーサルデザインによる情報の発信と取得、利用 取組み6-1 窓口でのコミュニケーションツールの活用 取組み6-2 利用者に配慮した情報発信 取組み6-3 災害に備えた情報発信 施策7 ユニバーサルデザイン情報の蓄積・活用 取組み7-1 トイレ・ベンチ等情報の公開・更新 取組み7-2 ユニバーサルデザイン整備事例の蓄積・公開 取組み7-3 ユニバーサルデザイン普及啓発冊子の発行 取組み7-4 ユニバーサルデザインガイドラインの周知 取組み方針3 参加と協働でユニバーサルデザインのまちづくり 施策8 ユニバーサルデザインの普及啓発 取組み8-1 出張講座の実施 取組み8-2 だれもが参加できるイベントの開催 取組み8-3 ユニバーサルスポーツの推進 取組み8-4 防災塾の実施 取組み8-5 外国人向け防災教室の実施 取組み8-6 認知症にやさしい地域づくりの推進[新規] 施策9 ユニバーサルデザインの担い手づくり 取組み9-1 ユニバーサルデザインの取組みを広げる担い手づくり 取組み9-2 防災に関する担い手の育成 取組み9-3 職員のユニバーサルデザインに関する研修の実施 取組み9-4 「やさしい日本語」研修等の実施 取組み9-5 教職員のユニバーサルデザインに関する研修の推進[新規] 基本理念を実現する取組み方針全体に関わる 施策10 ユニバーサルデザインの取組みの推進 取組み10-1 整備基準の適切な運用と見直し 取組み10-2 ユニバーサルデザイン検討会・事後点検の実施 取組み10-3 ユニバーサルデザインアドバイザー派遣 第5章 ユニバーサルデザインの推進の仕組み 5-1 施策の継続的な点検・評価・改善(スパイラルアップ)         第3期計画では、これまでの推進計画で実施してきた施策 ・事業のスパイラルアップ(点検・評価・改善)の取組みを再編成の上継続して行い、生活環境の整備を進めていきます。  点検する10の施策については、各施策でPDCAサイクルを進めるとともに、「まちづくり」、「情報」、「参加・協働」に基づいてスパイラルアップさせ、基本理念を達成するために、区民の参加・協働の機会を捉え、幅広い視点からの意見を取り入れながら、行っていきます。 *PDF版にはスパイラルアップのイメージ図が記載されています。 5-2 ユニバーサルデザイン環境整備審議会と庁内推進体制との連携  ユニバーサルデザイン環境整備審議会は、だれもが公平・平等に利用できる生活環境の整備を進めるため、区のユニバーサルデザイン推進の10の施策に対し講評・提案を行います。区の事業担当課は、ユニバーサルデザイン環境整備審議会からの施策の講評・提案をもとに、取組みを点検・事後評価・改善、取組みに反映する手順を繰り返し、継続的な発展を目指します。  また、全庁的な推進体制として、ユニバーサルデザイン推進委員会が設置され、推進計画の進捗管理等を行うことでユニバーサルデザイン環境整備審議会と連携し施策の展開を図ります。 5-3 ユニバーサルデザイン推進に向けた協働体制  区、区民、事業者(商店、鉄道事業者等)及び区内活動団体(NPO、地域活動団体等)が連携・協働し、ユニバーサルデザインの推進、普及啓発に努めます。 *PDF版には世田谷区でのユニバーサルデザインの推進・普及啓発の連携・体制のイメージ図が記載されています。 発行年月日 令和6年9月 編集・発行 世田谷区 都市整備政策部 都市デザイン課 住所 〒158-0094 世田谷区玉川1-20-1 電話 03-6432-7152 ファクシミリ 03-6432-7996 以上